JP2017070056A - インバータ駆動装置 - Google Patents

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Yoshinobu Ito
悦申 伊藤
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Abstract

【課題】インバータの駆動方式に拘わらず、スイッチング制御信号に充分な電圧振幅を与えることが可能な電力を、ブートストラップ回路を用いてドライブ回路に提供する。
【解決手段】インバータ駆動装置は、インバータをスイッチング制御するインバータ制御部2と、ドライブ回路40と、上段側ドライブ回路41に電力を供給するブートストラップ回路6と、少なくともブートストラップ回路6に電力を供給する駆動用電源9と、を備え、駆動用電源9は、インバータ制御部2による変調制御方式が矩形波変調制御の場合には、出力電圧Voutを、パルス幅変調制御の場合の出力電圧である定常出力電圧よりも高い高出力電圧に上昇させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、直流電源と交流の回転電機との間に備えられて、直流と交流との間で電力を変換するインバータを駆動するインバータ駆動装置に関する。
例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車には、車輪の駆動力源として交流の回転電機が用いられる。このような自動車には、回転電機を駆動するための電力源として例えば百ボルトを超える高電圧の直流電源、及び、直流と交流との間で電力を変換するインバータが搭載される。インバータは一般的に複数のスイッチング素子を有して構成されており、これらのスイッチング素子は、制御回路によって生成されるスイッチング制御信号によってスイッチング制御される。制御回路は、多くの場合マイクロコンピュータなどの論理演算プロセッサを中核として構成されており、その動作電圧は、数ボルト程度である。一方、直流側の電圧が上述したように高電圧のインバータをスイッチングするためには、一般的に、スイッチング素子の制御端子に十数ボルトの振幅の制御信号を与える必要がある。このため、制御信号に充分な電圧振幅を与えるためのドライブ回路が備えられることが多い。このドライブ回路には、ドライブ回路用の補助電源から電力が供給される。
この補助電源には、しばしば、トランス等を用いて構成されたフローティング電源が利用される。フローティング電源は、制御回路とドライブ回路との絶縁を保ってドライブ回路に電力を供給することができる。特許第5029900号公報(特許文献1)の図1〜図3等に開示されたトランス(L)は、ドライブ回路(ドライバ(20))に電力を供給するフローティング電源の好適な一例である(括弧内の符号は特許文献1のもの)。また、補助電源には、制御回路とドライブ回路との間を絶縁することなく、ブートストラップ回路を利用することもできる。ブートストラップ回路は、スイッチング素子の制御端子に入力される信号の電圧が、スイッチング素子の負極側端子の電圧に対してスイッチング電圧以上高い電圧となるように、ドライブ回路に信号出力用の電力を供給する。特開2011−67029号公報(特許文献2)の図1には、ブートストラップコンデンサ(3)及びブートストラップダイオード(4)を備えたブートストラップ回路が開示されている(括弧内の符号は特許文献2のもの)。
トランスを用いたフローティング電源は、出力電圧が安定するなど、制御性が良いがブートストラップ回路に比べると高価である。ブートストラップ回路は、フローティング電源に比べると安価であるが、コンデンサに充電される電荷が電力の源泉であるから、出力電圧の安定性はフローティング電源よりも劣る。また、インバータの駆動方式によっては、ブートストラップ回路では、スイッチング素子の駆動に充分な電圧を得られない場合があり、そのような場合には、スイッチング素子の損失の増大にもつながる。
特許第5029900号公報 特開2011−67029号公報
上記背景に鑑みて、インバータの駆動方式に拘わらず、スイッチング制御信号に充分な電圧振幅を与えることが可能な電力を、ブートストラップ回路を用いてドライブ回路に提供することが望まれる。
1つの態様として、上記に鑑みたインバータ駆動装置は、直流電源と交流の回転電機との間に備えられて、直流と交流との間で電力を変換するインバータを駆動するものであって、
前記インバータは、交流1相分のアームが、相補的にスイッチング制御される上段側スイッチング素子と下段側スイッチング素子との直列回路により構成され、
前記インバータのそれぞれのスイッチング素子をそれぞれ別にスイッチング制御するインバータ制御部と、
前記インバータ制御部により生成されたスイッチング制御信号に基づいて、前記上段側スイッチング素子に駆動信号を供給する上段側ドライブ回路及び前記下段側スイッチング素子に駆動信号を供給する下段側ドライブ回路と、
前記上段側スイッチング素子の制御端子に入力される前記駆動信号の電圧が、前記上段側スイッチング素子の負極側端子の電圧に対して予め規定されたスイッチング電圧以上高い電圧となるように、前記上段側ドライブ回路に電力を供給するブートストラップ回路と、
少なくとも前記ブートストラップ回路に電力を供給する駆動用電源と、を備え、
前記インバータ制御部は、交流の電気角の一周期においてデューティーの異なる複数のパルスが出力される制御方式であるパルス幅変調制御と、交流の電気角の一周期において1つのパルスが出力される制御方式である矩形波変調制御との少なくとも2つの変調制御方式を選択的に実行し、
前記駆動用電源は、前記変調制御方式が前記矩形波変調制御の場合には、出力電圧を、前記パルス幅変調制御の場合の出力電圧である定常出力電圧よりも高い高出力電圧に上昇させる。
ブートストラップ回路は、一般的に電力を蓄える蓄電素子を備えて構成されており、ブートストラップ回路は、駆動用電源とインバータとの電気的な関係(例えばブートストラップ回路を挟んだ電位差)に応じて電力を蓄える。スイッチング素子を備えたインバータの電気的な挙動は、インバータの変調制御方式によって異なる。このため、例えば、電気角の一周期においてデューティーの異なる複数のパルスが出力されるパルス幅変調制御の実行時に比べて、電気角の一周期において1つのパルスが出力される矩形波変調制御の実行時には、ブートストラップ回路への蓄電が不充分となる場合がある。上述したように、例えば、ブートストラップ回路は、駆動用電源とインバータとのブートストラップ回路を挟んだ電位差に応じて電力を蓄える。従って、蓄電が不充分となる矩形波変調制御の実行時に、駆動用電源の出力電圧を上昇させることで、当該電位差を大きくすることができる。その結果、ブートストラップ回路に対する蓄電能力を向上させることができる。このように、上記構成によれば、インバータの駆動方式に拘わらず、スイッチング制御信号に充分な電圧振幅を与えることが可能な電力を、ブートストラップ回路を用いてドライブ回路に提供することができる。
インバータ駆動装置のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
インバータ駆動装置の構成を模式的に示すブロック図 ドライブ回路の構成を模式的に示す回路ブロック図 ブートストラップ回路の原理を示す回路ブロック図 スイッチング電源による駆動用電源の構成例を示す模式的回路ブロック図 PWM制御時のブートストラップ回路の充放電例を模式的に示す波形図 矩形波変調制御時のブートストラップ回路の充放電例を模式的に示す波形図 矩形波変調制御時に放電過多となる例を模式的に示す波形図 駆動用電源の出力電圧を制御する第1構成例を模式的に示すブロック図 駆動用電源の出力電圧を制御する第2構成例を模式的に示すブロック図 駆動用電源の出力電圧を制御する第3構成例を模式的に示すブロック図
以下、インバータ駆動装置の実施形態を図面に基づいて説明する。図1のブロック図は、インバータ駆動装置1の構成を模式的に示している。本実施形態では、ハイブリッド自動車や電気自動車などの車両の車輪の駆動力源となる回転電機(交流の電気機器)を駆動制御するためのインバータ駆動装置1(回転電機駆動装置)を例として説明する。
回転電機80は、複数相の交流(ここでは3相交流)により動作する回転電機であり、電動機としても発電機としても機能することができる。回転電機80は、インバータ10を介して高圧バッテリ11(直流電源)からの電力を動力に変換する(力行)。或いは、回転電機80は、例えば車輪から伝達される回転駆動力を電力に変換し、インバータ10を介して高圧バッテリ11を充電する(回生)。高圧バッテリ11は、例えば定格電圧が50〜150[V]程度の蓄電可能な直流電源である。本実施形態では、高圧バッテリ11は、例えば、ニッケル水素やリチウムイオンなどの二次電池や、電気二重層キャパシタなどのキャパシタ、或いはこれらを組み合わせたものなどである。インバータ10の直流側には、インバータ10の直流側の電圧(直流リンク電圧)を平滑化する平滑コンデンサ4(直流リンクコンデンサ)が備えられている。平滑コンデンサ4は、回転電機80の消費電力の変動に応じて変動する直流電圧(直流リンク電圧)を安定化させる。
インバータ10は、複数のスイッチング素子3を有して構成され、高圧バッテリ11の直流電力と複数相の交流電力との間で電力変換する。スイッチング素子3には、シリコン(Si)を基材としたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、シリコンカーバイド(SiC)を基材としたSiC−MOSFET(Silicon Carbide - Metal Oxide Semiconductor FET)やSiC−SIT(SiC - Static Induction Transistor)、ガリウムナイトライド(GaN)を基材としたGaN−MOSFET(Gallium Nitride - MOSFET)などの高周波での動作が可能なパワー半導体素子を適用すると好適である。本実施形態では、スイッチング素子3としてIGBTを用いる。
インバータ10は、複数組のスイッチング素子3を備えたブリッジ回路により構成されている。インバータ10は、回転電機80の各相のステータコイル8(3相の場合、U相、V相、W相)に対応するそれぞれのアームについて上段側及び下段側の一対のスイッチング素子3を備えて構成されている。具体的には、図1に示すように、交流1相分のアームが、相補的にスイッチング制御される上段側スイッチング素子31と下段側スイッチング素子32との直列回路により構成されている。また、各スイッチング素子3には、下段側から上段側へ向かう方向を順方向として、並列にフリーホイールダイオード5(上段側フリーホイールダイオード51、下段側フリーホイールダイオード52)が接続されている。
図1に示すように、インバータ駆動装置1は、インバータ制御部2を備えている。インバータ制御部2は、インバータ10のそれぞれのスイッチング素子3をそれぞれ別にスイッチング制御する。インバータ制御部2は、マイクロコンピュータやDSP(Digital Signal Processor)などの論理演算プロセッサなどを中核として構成され、その機能は、これらのハードウェアと、プログラムやパラメータなどのソフトウェアとの協働によって実現される。インバータ制御部2の動作電圧は、3.3〜5[V]程度である。インバータ制御部2は、不図示の低圧バッテリ(例えば定格電圧が12〜24[V]程度)からリニアレギュレータなどの安定化電源回路を介して、電源電圧が3.3〜5[V]程度の電力の供給を受けて動作する。
インバータ制御部2は、回転電機80の要求トルクや回転速度、変調率に基づき、電流フィードバック制御を行う。要求トルクは、例えば車両用制御装置や車両の走行制御装置などの他の制御装置からインバータ制御部2に提供される。本実施形態では、この制御装置として車両ECU100を例示している。尚、変調率は、直流電圧(直流リンク電圧)に対する3相交流電力の実効値の割合を示す指標である。図1に示すように、回転電機80には、ロータの各時点での磁極位置(ロータの回転角度)や回転速度を検出する回転センサ13が備えられている。回転センサ13は、例えばレゾルバ等である。また、回転電機80の各相のステータコイル8を流れる電流は、電流センサ12により測定される。本実施形態では、3相の全てが非接触型の電流センサ12により測定される構成を例示している。インバータ制御部2は、これらの要求トルク、回転速度、磁極位置、電流、変調率等に基づいて回転電機80の電流フィードバック制御を行い、インバータ10をスイッチング制御するためのスイッチング制御信号S(変調パルス)を生成して出力する。
ところで、直流から交流へ変換する場合を変調、交流から直流へ変換する場合を復調と、区別して称することも可能であり、両者を併せて変復調と称することもできるが、本実施形態では何れの変換についても変調と称して説明する。本実施形態において、インバータ制御部2は、ベクトル制御法を用いた電流フィードバック制御を行って、インバータ10を介して回転電機80を制御する。以下、ベクトル制御法について簡単に説明する。
インバータ制御部2は、直流リンク電圧、要求トルク、変調率等に基づいて、ベクトル制御における直交ベクトル座標系における電流指令を演算する。例えば、この直交ベクトル座標系は、回転電機80のロータの磁極の方向を一方の軸(d軸)とし、この軸(d軸)に直交する方向を他方の軸(q軸)とする座標系である。ステータコイル8を流れる3相の電流(実電流)も、磁極位置に基づいてこの直交ベクトル座標系に座標変換される。この直交ベクトル座標系において、電流指令と実電流との偏差に基づき、比例積分制御(PI制御)や比例積分微分制御(PID制御)の演算が行われ、電圧指令が導出される。この電圧指令が磁極位置に基づいて、3相の電圧指令に逆座標変換され、選択された変調方式(変調制御方式)に従って変調パルス(スイッチング制御信号S)が生成される。
ところで、変調方式として、パルス幅変調(Pulse Width Modulation)が知られている。パルス幅変調では、出力指令としての交流波形(例えば交流電圧波形)の振幅と三角波(鋸波を含む)状のキャリアの波形の振幅との大小関係に基づいてパルスが生成される。キャリアとの比較によらずにデジタル演算により直接PWM波形を生成する場合もあるが、その場合でも、指令値としての交流波形の振幅と仮想的なキャリア波形の振幅とは相関関係を有する。パルス幅変調には、正弦波パルス幅変調(SPWM : Sinusoidal PWM)や、空間ベクトルパルス幅変調(SVPWM : Space Vector PWM)などが含まれる。
これらの変調方式において、キャリアの周期は例えばマイクロコンピュータの演算周期や電子回路の動作周期など、インバータ制御部2の制御周期に応じて定まる。つまり、複数相の交流電力が交流の回転電機80の駆動に利用される場合であっても、キャリアは回転電機80の回転速度や回転角度(電気角)には拘束されない周期(同期しない周期)を有している。従って、キャリアも、キャリアに基づいて生成される各パルスも、回転電機80の回転には同期していない。従って、正弦波パルス幅変調、空間ベクトルパルス幅変調などの変調方式は、“非同期変調方式”と称される場合がある。
これに対して、回転電機80の回転に同期してパルスが生成される変調方式は“同期変調方式”と称される。例えば回転電機80の電気角1周期に付き1つのパルスが出力される回転同期変調方式として、矩形波変調(1パルス変調)という変調方式がある。
ところで、上述したように、直流電圧から交流電圧への変換率を示す指標として、直流電圧に対する複数相の交流電圧の線間電圧の実効値の割合を示す変調率がある。一般的に、正弦波パルス幅変調の最大変調率は約0.61、空間ベクトルパルス幅変調制御の最大変調率は約0.71である。約0.71を越える変調率を有する変調方式も存在し、その変調方式は、通常よりも変調率を高くした変調方式として、“過変調パルス幅変調”と称される。“過変調パルス幅変調”の最大変調率は、約0.78である。この変調率0.78は、直流から交流への電力変換における物理的(数学的)な限界値である。過変調パルス幅変調において、変調率が0.78に達すると、電気角の1周期において1つのパルスが出力される矩形波変調(1パルス変調)となる。矩形波変調では、変調率は物理的な限界値である約0.78に固定されることになる。
尚、変調率が0.78未満の過変調パルス幅変調は、同期変調方式、非同期変調方式の何れの原理を用いても実現することができる。代表的な変調方式は、不連続パルス幅変調(DPWM:Discontinuous PWM)と称される変調方式である。不連続パルス幅変調は、同期変調方式、非同期変調方式の何れの原理を用いても実現することができるが、ここでは詳細な説明は省略する。
本実施形態において、インバータ制御部2は、回転電機80の動作条件に応じて、パルス幅変調(非同期変調)と矩形波変調(同期変調)との間で変調方式(変調制御方式)を切換えて、回転電機80を制御する。即ち、インバータ制御部2は、交流の電気角の一周期(図5に示す“TPWM”)においてデューティーの異なる複数のパルスが出力される制御方式であるパルス幅変調制御と、交流の電気角の一周期(図6に示す“T1PL”)において1つのパルスが出力される制御方式である矩形波変調制御との少なくとも2つの変調制御方式を選択的に実行する。尚、図5では、図示を簡略化するために、デューティーの異なる様子は表現していない。ここで、動作条件には、少なくとも回転電機80の回転速度を含む。回転電機80の回転速度が高くなると、逆起電力が高くなり、変調率を高くする必要が生じる。このため、回転電機80の回転速度が高くなると、より高い変調率での変調が可能な変調方式を選択することが好ましい。尚、変調方式を切換える際の動作条件には、回転電機80の要求トルク(出力トルク)や直流リンク電圧等が含まれていてもよい。
上述したように、スイッチング素子3のそれぞれは、インバータ制御部2から出力されるスイッチング制御信号S(例えば、IGBT又はMOSFETのゲート端子を駆動するゲート駆動信号)に従って動作する。しかし、本実施形態のように、インバータ制御部2の動作電圧に比べてインバータ10の直流リンク電圧が遙かに高電圧の場合、当該インバータ10のスイッチング素子3は、インバータ制御部2の動作電圧よりも高い電圧が制御端子に入力されなければスイッチング動作を行わない。つまり、スイッチング素子3の制御端子(ゲート端子)に入力される駆動信号Dの振幅は、インバータ制御部2の動作電圧よりも高い電圧を必要とする。このため、図1等に示すように、インバータ制御部2により生成されたスイッチング制御信号Sは、ドライブ回路40によって電圧振幅の拡大など、駆動力を付与された後、インバータ10の各スイッチング素子3に入力される。
図2の回路ブロック図は、ドライブ回路40の構成を模式的に示している。ここでは、説明を容易にするために、3相の内の1相のアームのみを図示している。ドライブ回路40は、インバータ制御部2により生成されたスイッチング制御信号Sに基づいて、スイッチング素子3に駆動信号Dを供給する。ドライブ回路40は、上段側スイッチング素子31に駆動信号D(上段側駆動信号D1)を供給する上段側ドライブ回路41、及び下段側スイッチング素子32に駆動信号D(下段側駆動信号D2)を供給する下段側ドライブ回路42を有している。例えば、専用ICなどを利用して、ドライブ回路40が構成される場合には、図2に破線で示すように、上段側ドライブ回路41と下段側ドライブ回路42とが、1つのパッケージ内に内蔵されたドライバIC43を用いると好適である。
上述したように、ドライブ回路40は、例えばIGBTのゲート端子とエミッタ端子との間に、ゲートをオン状態にするために必要な電圧を印加するために設けられる。高圧バッテリ11の両端電圧が300〜400[V]程度の場合には、一般的には、インバータ10及びドライブ回路40における短絡の抑制を考慮して、各スイッチング素子3に対応するドライブ回路40ごとに絶縁されたフローティング電源が設けられる。そして、それらのフローティング電源から各ドライブ回路40に電力が供給される。しかし、本実施形態のように、高圧バッテリ11の両端電圧が50〜150[V]程度の場合には、短絡の可能性が低くなるため、ドライブ回路40ごとに絶縁されたフローティング電源を設ける必要性も低下する。例えば、全てのドライブ回路40に対して、インバータ10と基準電位(グラウンド、この場合はインバータ10の負極(N))が共通の駆動用電源9から電力を供給してもよい。
図3は、そのような駆動用電源9の一例を模式的に示している。ここでは、トランスを利用した電源を例示しているが、これは絶縁性(フローティング電源化)を意図したものではなく、電力変換効率及び電圧制御の容易性を考慮したものである。この駆動用電源9は、一次側コイルと二次側コイルとを有するトランス91と、一次側コイルに印加される電圧を制御するトランジスタ(第1電源制御トランジスタ92,第2電源制御トランジスタ93)と、これらの電源制御トランジスタ(92,93)を制御する制御回路98とを備えている。本実施形態では、プッシュ・プル型のスイッチング電源の構成を例示している。また、本実施形態では、一次側電圧(入力電圧Vin)は、安定化されており、二次側電圧(出力電圧Vout)を一次側にフィードバックすることなく、トランスの変圧比及び電源制御トランジスタ(92,93)のスイッチング周波数によって出力電圧Voutが決定される。この出力電圧Voutは、ドライブ回路40の電源電圧“Vcc”である。
下段側スイッチング素子32の負極側端子(例えばIGBTのエミッタ端子)は、インバータ10の負極(N)に接続されている。従って、当該負極側端子と制御端子(例えばIGBTのゲート端子)との間に下段側スイッチング素子32をオフ状態からオン状態にさせる(ターンオンさせる)電圧(所定の駆動電圧)を印加し、ターンオンの後もその電圧を維持することは容易である。即ち、下段側ドライブ回路42は、負極側の基準電位(いわゆるグラウウンド)がインバータ10と共通の駆動用電源9からの電力の供給によってスイッチング制御信号Sを中継することができる。
一方、上段側スイッチング素子31の正極側端子(例えばIGBTのコレクタ端子)は、インバータ10の正極(P)に接続され、負極側端子(例えばIGBTのエミッタ端子)はアームの中点Mに接続されている。従って、上段側スイッチング素子31をターンオンさせるためには、中点M(負極側端子)と制御端子(例えばゲート端子)の間に、駆動電圧を印加する必要がある。また、ターンオンの後には、負極側端子(エミッタ端子)の電位はほぼインバータ10の正極(P)の電位と等価となるから、駆動信号Dには当該正極(P)を超える電圧が必要となる。つまり、上段側ドライブ回路41は、駆動用電源9からの電力供給だけでは、スイッチング制御信号Sを適切に中継することができない。このため、上段側ドライブ回路41には、駆動用電源9からの電力供給に加えて、基準電位(この場合、負極(N))から見て正極(P)の電位を超える電圧を上段側スイッチング素子31の制御端子に与えるためのブートストラップ回路6が設けられている。上述したように、上段側スイッチング素子31を駆動するためには、制御端子と負極側端子との間に、所定の駆動電圧を与えればよい。この駆動電圧の最低値をスイッチング電圧とすれば、ブートストラップ回路6は、負極側端子を基準として、制御端子にスイッチング電圧以上の駆動電圧を与えることのできる電力を上段側ドライブ回路41に提供する。
図4は、ブートストラップ回路6の動作を説明するための模式的な回路ブロック図である。図2と同様に、ここでは、説明を容易にするために、3相の内の1相のアームのみを図示している。ブートストラップ回路6は、アームの中点Mに接続されたブートストラップコンデンサ63と、駆動用電源9(駆動用電源9の正極“Vcc”)からブートストラップコンデンサ63へ向かう方向を順方向として駆動用電源9とブートストラップコンデンサ63との間に接続されたブートストラップダイオード62とを少なくとも備える。尚、図4に示すように、本実施形態では、ブートストラップ回路6は、駆動用電源9とブートストラップコンデンサ63との間に電流制限用のブートストラップ抵抗61も有している。このブートストラップ抵抗61は、電源投入時等にブートストラップコンデンサ63を充電するために大きな初期電流が流れることを抑制するために設けられている。
図5の波形図は、パルス幅変調制御時における電気角一周期(TPWM)でのブートストラップ回路6の充放電例を模式的に示している。最上段の波形“I”は、アームの中点Mを流れる電流を示しており、U相、V相、W相の各ステータコイル8への出力電流に相当する。上から2段目及び3段目には、それぞれ上段側駆動信号D1及び下段側駆動信号D2を模式的に示している。上述したように、パルス幅変調制御は、電気角の一周期(TPWM)においてデューティーの異なる複数のパルスが出力される制御方式であるが、ここでは図示を簡略化するために、デューティーの異なる様子は表現していない。最下段の波形は、ブートストラップコンデンサ63の端子間電圧Vを示している。
ブートストラップコンデンサ63は、上段側スイッチング素子31が駆動されるときに上段側ドライブ回路41にエネルギーを与えて放電され、以下の2つの充電モード(mode1,mode2)において充電される。第1充電モード(mode1)は、下段側フリーホイールダイオード52がオン状態(導通状態)となって回生電流が流れる還流時である。また、第2充電モード(mode2)は、下段側スイッチング素子32がオン状態のときである。これら2つの充電モードにおけるブートストラップコンデンサ63の端子間電圧Vは、駆動用電源9の電圧を“Vcc”、ブートストラップダイオード62の順方向電圧を“VFBSD”、回生電流により生じる電圧を“V”、下段側スイッチング素子32の飽和電圧(オン時のコレクタ−エミッタ間電圧)を“Vce”として、下記式(1)、(2)で示される。式(1)は第1充電モード(mode1)の場合、式(2)は第2充電モード(mode2)の場合である。
mode1 : V=Vcc−VFBSD+V・・・(1)
mode2 : V=Vcc−VFBSD−Vce・・・(2)
図5の上段に示すように、中点電流Iが正の時には、第1充電モード(mode1)が支配的であり、中点電流Iが負の時には、第2充電モード(mode2)が支配的である。中点電流Iが振幅中心から上昇する時(期間T11)には、第1充電モード(mode1)による充電量が放電量を上回り、端子間電圧Vは、標準電圧Vtyp(概ね“Vcc”)よりも上昇する。回生電流により生じる電圧“V”は、中点電流Iに応じた大きさであるから、中点電流Iが最大となる頃に、端子間電圧Vは最も高い電圧となる。
中点電流Iが正のピークから振幅中心へ向かう時には、電流の絶対値が小さく、回生電流による電圧上昇“V”も小さくなる。また、中点電流Iが振幅中心から負のピークへ向かう時には、下段側スイッチング素子32のオン期間が長くなっていき、下段側スイッチング素子32の飽和電圧Vceの影響が大きくなる。このため、中点電流Iが正のピークから負のピークへ向かう時(期間T12)には、第1充電モード(mode1)及び第2充電モード(mode2)による充電量を放電量が上回り、端子間電圧Vは次第に低下していく。
中点電流Iが負のピークから振幅中心へ向かう時(期間T13)には、下段側スイッチング素子32のオン期間が短くなっていき、下段側スイッチング素子32の飽和電圧Vceの影響が小さくなる。本実施形態では、第2充電モード(mode2)による充電量が放電量を上回り、端子間電圧Vは上昇を始める。
本実施形態では、ブートストラップコンデンサ63の端子間電圧Vが駆動最低電圧Vmin以上であれば、上段側ドライブ回路41から出力される上段側駆動信号D1によって上段側スイッチング素子31を適切に駆動することができる。端子間電圧Vが、駆動最低電圧Vminを下回ると、上段側駆動信号D1によって上段側スイッチング素子31を適切に駆動することができず、スイッチング損失が増大する。パルス幅変調制御時には、ブートストラップコンデンサ63の容量を適切な大きさとすることで、図5に示すように、端子間電圧Vを駆動最低電圧Vmin以上に維持して上段側スイッチング素子31を適切に駆動することができる。尚、図5における端子間電圧Vの振幅は、上段側駆動信号D1のリップルとなる。ブートストラップコンデンサ63の容量を大きくするとこのリップルは小さくなる傾向がある。従って、リップルの抑制の観点からも、ブートストラップコンデンサ63の容量を適切に設定することが好ましい。
図6の波形図は、矩形波変調制御時における電気角一周期(T1PL)でのブートストラップ回路6の充放電例を模式的に示している。矩形波変調制御では、上段側スイッチング素子31をオフ状態からオン状態へと遷移させるとき(ターンオンさせるとき)に、上段側ドライブ回路41にエネルギーを与えて端子間電圧Vが低下する(期間T21)。矩形波変調制御では、その後、スイッチング素子3の状態に変化がないため、上段側ドライブ回路41に対する静電流が消費され、端子間電圧Vは緩やかに低下していく。
上段側スイッチング素子31がオフ状態となり、下段側スイッチング素子32がオン状態となると、第2充電モード(mode2)による充電が行われる。しかし、上述したように、下段側スイッチング素子32の飽和電圧Vceの影響により、ブートストラップコンデンサ63の充電に必要な電位が得られない。このため、引き続き上段側ドライブ回路41に対する静電流が消費され、端子間電圧Vは緩やかに低下していく。つまり、図6に示す期間T22の間、端子間電圧Vは緩やかな低下を続ける。
図7の波形図は、このような状態で矩形波変調制御が、複数周期実施された場合を模式的に示している。図6に示すように、矩形波変調制御の一周期(T1PL)において、ブートストラップコンデンサ63の端子間電圧Vは、“Vdwn”降下する。この電圧降下“Vdwn”を複数回繰り返すことによって、端子間電圧Vは、駆動最低電圧Vminを下回るまで低下する(時刻t1)。駆動最低電圧Vminを下回った後、第2充電モード(mode2)による充電が行われると、一旦、駆動最低電圧Vmin程度までは回復するが、上段側駆動信号D1の出力には充分ではない。不充分な出力で上段側スイッチング素子31が駆動されると、上段側スイッチング素子31の損失が大きくなる。このため、矩形波変調制御が複数周期以上継続されると、インバータ10の損失が増大する。また、インバータ10及び回転電機80が適切に制御できなくなる可能性もある。
尚、この問題は、ブートストラップコンデンサ63の容量を大きくすることでは、解決が困難である。確かにブートストラップコンデンサ63の容量が大きくなると、端子間電圧Vが、駆動最低電圧Vminを下回るまでの時間は長くなる。しかし、電源投入時の初期充電時間が長くなったり、実用的ではない容量のコンデンサが必要となったりする可能性があるため現実的ではない。
そこで、駆動用電源9は、変調制御方式が矩形波変調制御の場合には、出力電圧Voutを、パルス幅変調制御の場合の出力電圧(定常出力電圧)よりも高い高出力電圧に上昇させる。本実施形態では、変調制御方式が矩形波変調制御の場合には、駆動用電源9の出力電圧Voutが、パルス幅変調制御の場合の出力電圧(定常出力電圧)に対して、予め規定された補充電圧Vaddの分だけ上昇される。つまり、駆動用電源9の出力電圧Voutの上昇によって、図6に示すように、ブートストラップコンデンサ63の端子間電圧Vが、標準電圧Vtypよりも補充電圧Vaddの分だけ高い矩形波変調制御用電圧Vhiとなる。
上述したように、ブートストラップ回路6は、駆動用電源9とインバータ10との電気的な関係(例えばブートストラップ回路6を挟んだ電位差)に応じて電力を蓄える。そして、上述したように、スイッチング素子3を備えたインバータ10の電気的な挙動は、インバータ10の変調制御方式によって異なる。従って、充電が不充分となる矩形波変調制御の実行時に、駆動用電源9の出力電圧Voutを上昇させることで、充電に必要なこの電位差を大きくすることができる。その結果、ブートストラップ回路6に対する蓄電能力を向上させることができる。つまり、インバータ10の駆動方式に拘わらず、スイッチング制御信号Sに充分な電圧振幅を与えることが可能な電力を、ブートストラップ回路6を用いて上段側ドライブ回路41に提供することができる。
即ち、駆動用電源9は、制御方式が矩形波変調制御の場合にも、ブートストラップ回路6から供給される電力によって、上段側ドライブ回路41がスイッチング電圧以上の電圧を有する駆動信号D(上段側駆動信号D1)を上段側スイッチング素子31に供給できるように、出力電圧Voutを上昇させる。ブートストラップ回路6の蓄電能力は、スイッチング制御信号Sに充分な電圧振幅を与えることが可能な電力を、ブートストラップ回路6を用いてドライブ回路40(ここでは上段側ドライブ回路41)に提供できれば充分である。従って、蓄電が不充分となる矩形波変調制御の実行時における、駆動用電源9とインバータ10とのブートストラップ回路6を挟んだ電位差は、当該蓄電能力を維持できればよい。出力電圧Voutを上昇させすぎると、ドライブ回路40等の損失の増加や、寿命の短縮などが生じる可能性がある。従って、このように、適切に駆動用電源9の出力電圧Voutを高出力電圧まで上昇させると好適である。
図3を参照して上述したように、1つの好適な例として、駆動用電源9は、スイッチング電源である。この駆動用電源9は、一次側コイルと二次側コイルとを有するトランス91と、一次側コイルに印加される電圧を制御する電源制御トランジスタ(92,93)と、電源制御トランジスタ(92,93)を制御する制御回路98とを備えている。一次電圧側電圧(入力電圧Vin)は、安定化されており、トランスの変圧比及び電源制御トランジスタ(92,93)のスイッチング周波数によって出力電圧Voutが決定される。つまり、ハードウェアであるトランスの変圧比等を変更しなくても、制御回路98による電源制御トランジスタ(92,93)のスイッチング周波数を変更すれば、出力電圧Voutを変更することができる。
図8の模式的ブロック図は、駆動用電源9の出力電圧Voutを制御する第1の構成例を示している。変調制御方式を選択的に実行するインバータ制御部2は、変調制御方式として矩形波変調制御を選択した場合には、例えばマイクロコンピュータのポート出力などを利用して、制御回路98にその情報を伝達する。例えば、矩形波変調制御の選択時(実行時)にハイ状態となるフラグ方式の信号を出力し、制御回路98は当該信号の信号レベルを判定すればよい。制御回路98は変調制御方式が矩形波変調制御であると判定した場合には、電源制御トランジスタ(92,93)のスイッチング周波数を変更して、駆動用電源9の出力電圧Voutを上昇させる。
図9の模式的ブロック図は、駆動用電源9の出力電圧Voutを制御する第2の構成例を示している。図3には、一次側コイルに印加される電圧を制御する電源制御トランジスタ(92,93)を制御する制御回路98を、駆動用電源9が独立して備えている形態を例示した。しかし、例えば、インバータ制御部2が、電源制御トランジスタ(92,93)を制御することも可能である。この場合には、変調制御方式を選択的に実行するインバータ制御部2が、電源制御トランジスタ(92,93)スイッチング周波数を変更して、駆動用電源9の出力電圧Voutを上昇させてもよい。つまり、駆動用電源9は、インバータ制御部2によって制御される電源であり、インバータ制御部2は、変調制御方式に応じて、駆動用電源9の出力電圧を変更してもよい。
図10の模式的ブロック図は、駆動用電源9の出力電圧Voutを制御する第3の構成例を示している。第3の構成例では、スイッチング電源ではなくリニアレギュレータ94を利用して駆動用電源9を実現している。リニアレギュレータ94は、トランジスタ、オペアンプ、基準電圧生成回路等を内蔵した半導体素子である。リニアレギュレータ94は、入力電圧Vinと出力電圧Voutとの差分を熱に変換することで、電圧を調整する。リニアレギュレータ94は、出力電圧Voutの値が固定されたものが多いが、外部端子への信号入力によって、出力電圧Voutを変更可能な可変出力電圧型のものもある。本実施形態のリニアレギュレータ94は、外部端子CTLへの信号入力によって、出力電圧Voutを第2の値に変更することができる。この信号入力は、図8を参照して説明した第1の構成例においてインバータ制御部2から出力される信号と同じものを利用することができる。尚、図10では、リニアレギュレータ94を制御するレギュレータ制御回路99の機能をインバータ制御部2が担う形態を例示したが、図3及び図8のように、インバータ制御部2とは異なるレギュレータ制御回路99を介してリニアレギュレータ94が制御されてもよい。
図8〜図10を参照して例示したように、駆動用電源9は、変調制御方式がパルス幅変調制御から矩形波変調制御に移行した場合に出力電圧Voutを定常出力電圧から補充電圧Vadd分上昇させ、変調制御方式が矩形波変調制御からパルス幅変調制御に移行した場合に出力電圧Voutを定常出力電圧まで下降させる。図3、図8、図9に示すスイッチング電源を用いた駆動用電源9において、トランス91、電源制御トランジスタ(92,93)は、電源回路に相当する。また、図10に示すリニアレギュレータ94を用いた駆動用電源9において、リニアレギュレータ94は電源回路に相当する。これらの電源回路(91,92,93,94)の出力電圧Voutは、電源制御回路(98,99)によって少なくとも2つの異なる電圧を選択的に出力可能に制御される。この電源制御回路(98,99)は、電源回路(91,92,93,94)に対して専用の回路として設けられていても良いし、インバータ制御部2がその機能を兼務していても良い。
このように、インバータ制御部(2)が、直接的或いは間接的に、駆動用電源9を制御して出力電圧Voutを変更すると好適である。変調制御方式の切り替えは、インバータ制御部2が行っているので、変調制御方式の切り替えに伴って、駆動用電源9の出力電圧Voutを最も迅速に変更することができる。
尚、駆動用電源9は、変調制御方式がパルス幅変調制御から矩形波変調制御に移行した場合に出力電圧Voutを定常出力電圧から補充電圧Vadd分上昇させ、変調制御方式が矩形波変調制御からパルス幅変調制御に移行した場合に出力電圧Voutを定常出力電圧まで下降させるとよい。このようにすれば、変調制御方式が矩形波変調制御に移行した場合に、駆動用電源9の出力電圧Voutが上昇するので速やかにブートストラップ回路6に対する蓄電能力を向上させることができる。また、駆動用電源9の出力電圧Voutを上昇させるのは、矩形波変調制御の場合だけなので、不必要に駆動用電源9の出力電圧が高くなって損失等を増加させたり、上段側ドライブ回路41への負荷を増大させたりすることもない。図2に示すように、本実施形態では、下段側ドライブ回路42にも駆動用電源9から電力が供給されているので、下段側ドライブ回路42への負荷を増大させたりすることも抑制することができる。
ブートストラップ回路6の蓄電、具体的にはブートストラップコンデンサ63の充電には、駆動用電源9とインバータ10との電気的な関係(例えばブートストラップ回路6を挟んだ電位差)が影響する。下段側スイッチング素子32の飽和電圧Vceと、ブートストラップダイオード62の順方向電圧VFBSDとは、ブートストラップ回路6を挟んだ電位差を小さくする(上記式(2)参照)。従って、これらの影響によって小さくなる電位差を考慮して補充電圧Vaddが設定されると、適切にブートストラップ回路6に対する蓄電能力を向上させることができる。1つの態様として、上記式(2)に示すように、駆動用電源9の電圧“Vcc”から、順方向電圧VFBSDと飽和電圧Vceとを減じても、ブートストラップコンデンサ63の端子間電圧Vが駆動最低電圧Vmin以下とならないように補充電圧Vaddが設定されていると好適である。
ここで、変調制御方式がパルス幅変調制御の場合に、ブートストラップコンデンサ63に蓄電される電荷の最小値を「最小蓄積電荷」とする。また、上段側スイッチング素子31の駆動に必要な電圧を維持するためにブートストラップコンデンサ63に蓄電が必要な電荷を「最小駆動電荷」とする。また、上段側スイッチング素子31の1回の駆動に必要な電荷を「単位駆動用電荷」とする。また、上段側スイッチング素子31の駆動回数を「n」とする。そして、下記式(3)を満足する最大の自然数「n」を「最大駆動回数」とする。
最小蓄積電荷−最小駆動電荷 ≧ 単位駆動用電荷 × n ・・・(3)
即ち、「最大駆動回数」は、最小蓄積電荷と最小駆動電荷との差を、上段側スイッチング素子31の1回の駆動に必要な電荷と上段側スイッチング素子31の駆動回数との積が超えない範囲内における最大の当該駆動回数である。そして、駆動用電源9は、以下の条件を満足するように、出力電圧Voutを上昇させると好適である。即ち、駆動用電源9は、変調制御方式がパルス幅変調制御から矩形波変調制御に移行した後、上段側スイッチング素子31の駆動回数が最大駆動回数を超えるまでに出力電圧Voutを上昇させると好適である。駆動用電源9は、例えば、図7の時刻t0において矩形波変調制御に移行した場合には、時刻t1までに出力電圧Voutを上昇させると好適である。
変調制御方式がパルス幅変調制御から矩形波変調制御へと切り替わる前には、インバータ10がパルス幅変調制御により制御されている状態で、ブートストラップコンデンサ63が充電されている。従って、変調制御方式が矩形波変調制御に切り替わった時点での最悪条件は、ブートストラップコンデンサ63が最も充電されていない状態(「最小蓄積電荷」の状態)である可能性もある。一方、ブートストラップコンデンサ63に充電された電荷は、上段側スイッチング素子31の駆動によって、少しずつ減少する。ブートストラップコンデンサ63の電荷が最小駆動電荷を下回ると、上段側スイッチング素子31の駆動に支障が生じる。従って、ブートストラップコンデンサ63の電荷が最小駆動電荷を下回るまでに、駆動用電源9の出力電圧Voutが上昇すると好適である。
〔その他の実施形態〕
以下、その他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記においては、駆動用電源9が、ドライブ回路40(上段側ドライブ回路41及び下段側ドライブ回路42)、及びブートストラップ回路6に電力を供給する形態を例示した。しかし、出力電圧Voutを変更可能な駆動用電源9は、ブートストラップ回路6にのみ電力を供給する電源であってもよい。下段側ドライブ回路42は、動作電圧として、補充電圧Vaddが上乗せさせた電圧を必要としない。また、上段側ドライブ回路41も、例えばオープンドレイン型の駆動信号出力端子“Hout”の電圧のみを吊り上げることができれば充分であって、上段側ドライブ回路41自体の動作のためには、補充電圧Vaddが上乗せさせた電圧を必要とはしない可能性がある。従って、ドライブ回路40の本体に電力を供給するためのドライブ回路用電源と、ブートストラップ回路6に電力を供給する駆動用電源9とが別に備えられていてもよい。
(2)上記においては、直流と複数相(ここでは3相)の交流との間で電力を変換するインバータ10を制御するインバータ駆動装置1を例示した。しかし、インバータ10は、直流と単相の交流との間で電力を変換するものであってもよい。
(3)尚、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
〔実施形態の概要〕
以下、上記において説明したインバータ駆動装置(1)の概要について簡単に説明する。
1つの態様として、インバータ駆動装置(1)は、直流電源(11)と交流の回転電機(80)との間に備えられて、直流と交流との間で電力を変換するインバータ(10)を駆動するものであって、
前記インバータ(10)は、交流1相分のアームが、相補的にスイッチング制御される上段側スイッチング素子(31)と下段側スイッチング素子(32)との直列回路により構成され、
前記インバータ(10)のそれぞれのスイッチング素子(3)をそれぞれ別にスイッチング制御するインバータ制御部(2)と、
前記インバータ制御部(2)により生成されたスイッチング制御信号(S)に基づいて、前記上段側スイッチング素子(31)に駆動信号(D(D1))を供給する上段側ドライブ回路(41)及び前記下段側スイッチング素子(32)に駆動信号(D(D2))を供給する下段側ドライブ回路(42)と、
前記上段側スイッチング素子(31)の制御端子に入力される前記駆動信号(D1)の電圧(V)が、前記上段側スイッチング素子(31)の負極側端子の電圧に対して予め規定されたスイッチング電圧以上高い電圧となるように、前記上段側ドライブ回路(41)に電力を供給するブートストラップ回路(6)と、
少なくとも前記ブートストラップ回路(6)に電力を供給する駆動用電源(9)と、を備え、
前記インバータ制御部(2)は、交流の電気角の一周期(TPWM)においてデューティーの異なる複数のパルスが出力される制御方式であるパルス幅変調制御と、交流の電気角の一周期(T1PL)において1つのパルスが出力される制御方式である矩形波変調制御との少なくとも2つの変調制御方式を選択的に実行し、
前記駆動用電源(9)は、前記変調制御方式が前記矩形波変調制御の場合には、出力電圧(Vout)を、前記パルス幅変調制御の場合の出力電圧である定常出力電圧よりも高い高出力電圧に上昇させる。
ブートストラップ回路(6)は、一般的に電力を蓄える蓄電素子を備えて構成されており、ブートストラップ回路(6)は、駆動用電源(9)とインバータ(10)との電気的な関係(例えばブートストラップ回路(6)を挟んだ電位差)に応じて電力を蓄える。スイッチング素子(3)を備えたインバータ(10)の電気的な挙動は、インバータ(10)の変調制御方式によって異なる。このため、例えば、電気角の一周期(TPWM)においてデューティーの異なる複数のパルスが出力されるパルス幅変調制御の実行時に比べて、電気角の一周期(T1PL)において1つのパルスが出力される矩形波変調制御の実行時には、ブートストラップ回路(6)への蓄電が不充分となる場合がある。上述したように、例えば、ブートストラップ回路(6)は、駆動用電源(9)とインバータ(10)とのブートストラップ回路(6)を挟んだ電位差に応じて電力を蓄える。従って、蓄電が不充分となる矩形波変調制御の実行時に、駆動用電源(9)の出力電圧(Vout)を上昇させることで、当該電位差を大きくすることができる。その結果、ブートストラップ回路(6)に対する蓄電能力を向上させることができる。このように、上記構成によれば、インバータ(10)の駆動方式に拘わらず、スイッチング制御信号(S)に充分な電圧振幅を与えることが可能な電力を、ブートストラップ回路(6)を用いてドライブ回路(40)に提供することができる。
ここで、前記駆動用電源(9)は、前記変調制御方式が前記矩形波変調制御の場合にも、前記ブートストラップ回路(6)から供給される電力によって、前記上段側ドライブ回路(41)が前記スイッチング電圧以上の電圧を有する前記駆動信号(D(D1))を前記上段側スイッチング素子(31)に供給できるように、出力電圧(Vout)を上昇させると好適である。ブートストラップ回路(6)の蓄電能力は、スイッチング制御信号(S)に充分な電圧振幅を与えることが可能な電力を、ブートストラップ回路(6)を用いてドライブ回路(40)に提供できれば充分である。従って、蓄電が不充分となる矩形波変調制御の実行時における、駆動用電源(9)とインバータ(10)とのブートストラップ回路(6)を挟んだ電位差は、当該蓄電能力を維持できればよい。出力電圧(Vout)を上昇させすぎると、インバータ駆動装置(1)を構成する回路の損失の増加や、寿命の短縮などが生じる可能性がある。上記の構成によれば、適切に駆動用電源(9)の出力電圧(Vout)を高出力電圧まで上昇させることができる。
ここで、前記駆動用電源(9)は、前記変調制御方式が前記パルス幅変調制御から前記矩形波変調制御に移行した場合に出力電圧(Vout)を前記定常出力電圧から前記高出力電圧まで上昇させ、前記変調制御方式が前記矩形波変調制御から前記パルス幅変調制御に移行した場合に出力電圧(Vout)を前記定常出力電圧まで下降させると好適である。この構成によれば、変調制御方式が矩形波変調制御に移行した場合に、駆動用電源(9)の出力電圧(Vout)が上昇するのでブートストラップ回路(6)に対する蓄電能力を向上させることができる。また、駆動用電源(9)の出力電圧を上昇させるのは、矩形波変調制御の場合だけなので、不必要に駆動用電源(9)の出力電圧が高くなって損失等を増加させたり、上段側ドライブ回路(41)への負荷を増大させたりすることもない。
また、インバータ駆動装置(1)は、前記ブートストラップ回路(6)が、前記アームの中点(M)に接続されたブートストラップコンデンサ(63)と、前記駆動用電源から前記ブートストラップコンデンサ(63)へ向かう方向を順方向として前記駆動用電源(9)と前記ブートストラップコンデンサ(63)との間に接続されたブートストラップダイオード(62)とを少なくとも備える場合、前記高出力電圧が、少なくとも、前記下段側スイッチング素子(32)の飽和電圧(Vce)と、前記ブートストラップダイオード(62)の順方向電圧(VFBSD)と、に基づいて設定されていると好適である。上述したように、ブートストラップ回路(6)の蓄電、具体的にはブートストラップコンデンサ(63)の充電には、駆動用電源(9)とインバータ(10)との電気的な関係(例えばブートストラップ回路(6)を挟んだ電位差)が影響する。下段側スイッチング素子(32)の飽和電圧(Vce)と、ブートストラップダイオード(62)の順方向電圧(VFBSD)とは、ブートストラップ回路(6)を挟んだ電位差を小さくする。従って、これらの影響によって小さくなる電位差を考慮して高出力電圧が設定されると、適切にブートストラップ回路(6)に対する蓄電能力を向上させることができる。
尚、駆動用電源(9)の出力電圧(Vout)を上昇させる基準の設定に関しては、高出力電圧の値によって規定される形態に限らず、定常出力電圧と高出力電圧との差分である補充電圧(Vadd)によって規定される形態であってもよい。例えば、駆動用電源(9)は、変調制御方式が矩形波変調制御の場合に、出力電圧(Vout)を、パルス幅変調制御の場合の出力電圧である定常出力電圧に対して、予め規定された補充電圧(Vadd)の分だけ上昇させるように構成されていてもよい(補充電圧(Vadd)の分だけ上昇させて高出力電圧とするように構成されていてもよい。)。この場合、補充電圧(Vadd)は、少なくとも、下段側スイッチング素子の飽和電圧と、ブートストラップダイオードの順方向電圧と、に基づいて設定されていると好適である。
ここで、前記変調制御方式が前記パルス幅変調制御の場合に、前記ブートストラップコンデンサ(63)に蓄電される電荷の最小値を「最小蓄積電荷」とし、前記上段側スイッチング素子(31)の駆動に必要な電圧を維持するために前記ブートストラップコンデンサ(63)に蓄電が必要な電荷を「最小駆動電荷」とし、前記最小蓄積電荷と前記最小駆動電荷との差を、前記上段側スイッチング素子(31)の1回の駆動に必要な電荷と前記上段側スイッチング素子(31)の駆動回数との積が超えない範囲内で最大の当該駆動回数を「最大駆動回数」として、前記駆動用電源(9)は、以下の条件を満足するように、出力電圧(Vout)を上昇させると好適である。即ち、前記駆動用電源(9)は、前記変調制御方式が前記パルス幅変調制御から前記矩形波変調制御に移行した後、前記上段側スイッチング素子(31)の前記駆動回数が前記最大駆動回数を超えるまでに前記出力電圧(Vout)を上昇させると好適である。
変調制御方式がパルス幅変調制御から矩形波変調制御へと切り替わる前には、インバータ(10)がパルス幅変調制御により制御されている状態でブートストラップコンデンサ(63)が充電されている。従って、変調制御方式が矩形波変調制御に切り替わった時点での最悪条件は、ブートストラップコンデンサ(63)が最も充電されていない状態(「最小蓄積電荷」の状態)である可能性がある。一方、ブートストラップコンデンサ(63)に充電された電荷は、上段側スイッチング素子(31)の駆動によって、少しずつ減少する。ブートストラップコンデンサ(63)の電荷が最小駆動電荷を下回ると、上段側スイッチング素子(31)の駆動に支障が生じる。従って、ブートストラップコンデンサ(63)の電荷が最小駆動電荷を下回るまでに、駆動用電源(9)の出力電圧(Vout)が上昇すると好適である。
1つの態様として、前記駆動用電源(9)は、前記インバータ制御部(2)によって制御される電源であり、前記インバータ制御部(2)は、前記変調制御方式に応じて、前記駆動用電源(9)の出力電圧(Vout)を変更すると好適である。尚、インバータ制御部(2)は直接、駆動用電源(9)を制御して出力電圧(Vout)を変更しても良いし、他の制御回路(98,99)等を介して駆動用電源(9)を制御して出力電圧(Vout)を変更してもよい。変調制御方式の切り替えは、インバータ制御部(2)が行っている。従って、変調制御方式の切り替えに伴って、駆動用電源(9)の出力電圧(Vout)を最も迅速に変更することができるのは、インバータ制御部(2)である。上述したように、直接的或いは間接的に、インバータ制御部(2)が駆動用電源(9)を制御して出力電圧(Vout)を変更すると好適である。
また、1つの態様として、前記駆動用電源(9)は、前記上段側ドライブ回路(41)及び前記下段側ドライブ回路(42)及び前記ブートストラップ回路(6)に電力を供給すると好適である。単一の駆動用電源(9)からスイッチング制御信号を中継するための全ての回路に電力を供給することができるので、回路構成を簡素化することができる。尚、駆動用電源(9)の出力電圧(Vout)が上昇するのは、インバータ(10)が矩形波変調制御されるときだけであるから、ドライブ回路(40)への負荷を増大させることも抑制される。
1 :インバータ駆動装置
2 :インバータ制御部
3 :スイッチング素子
6 :ブートストラップ回路
9 :駆動用電源
10 :インバータ
11 :高圧バッテリ(直流電源)
31 :上段側スイッチング素子
32 :下段側スイッチング素子
40 :ドライブ回路
41 :上段側ドライブ回路
42 :下段側ドライブ回路
61 :ブートストラップ抵抗
62 :ブートストラップダイオード
63 :ブートストラップコンデンサ
80 :回転電機
D :駆動信号
D1 :上段側駆動信号
D2 :下段側駆動信号
M :中点
S :スイッチング制御信号
FBSD :順方向電圧
Vadd :補充電圧
Vce :飽和電圧
Vout :出力電圧

Claims (7)

  1. 直流電源と交流の回転電機との間に備えられて、直流と交流との間で電力を変換するインバータを駆動するインバータ駆動装置であって、
    前記インバータは、交流1相分のアームが、相補的にスイッチング制御される上段側スイッチング素子と下段側スイッチング素子との直列回路により構成され、
    前記インバータのそれぞれのスイッチング素子をそれぞれ別にスイッチング制御するインバータ制御部と、
    前記インバータ制御部により生成されたスイッチング制御信号に基づいて、前記上段側スイッチング素子に駆動信号を供給する上段側ドライブ回路及び前記下段側スイッチング素子に駆動信号を供給する下段側ドライブ回路と、
    前記上段側スイッチング素子の制御端子に入力される前記駆動信号の電圧が、前記上段側スイッチング素子の負極側端子の電圧に対して予め規定されたスイッチング電圧以上高い電圧となるように、前記上段側ドライブ回路に電力を供給するブートストラップ回路と、
    少なくとも前記ブートストラップ回路に電力を供給する駆動用電源と、を備え、
    前記インバータ制御部は、交流の電気角の一周期においてデューティーの異なる複数のパルスが出力される制御方式であるパルス幅変調制御と、交流の電気角の一周期において1つのパルスが出力される制御方式である矩形波変調制御との少なくとも2つの変調制御方式を選択的に実行し、
    前記駆動用電源は、前記変調制御方式が前記矩形波変調制御の場合には、出力電圧を、前記パルス幅変調制御の場合の出力電圧である定常出力電圧よりも高い高出力電圧に上昇させる、
    インバータ駆動装置。
  2. 前記駆動用電源は、前記変調制御方式が前記矩形波変調制御の場合にも、前記ブートストラップ回路から供給される電力によって、前記上段側ドライブ回路が、前記スイッチング電圧以上の電圧を有する前記駆動信号を前記上段側スイッチング素子に供給できるように、出力電圧を上昇させる請求項1に記載のインバータ駆動装置。
  3. 前記駆動用電源は、前記変調制御方式が前記パルス幅変調制御から前記矩形波変調制御に移行した場合に出力電圧を前記定常出力電圧から前記高出力電圧まで上昇させ、前記変調制御方式が前記矩形波変調制御から前記パルス幅変調制御に移行した場合に出力電圧を前記定常出力電圧まで下降させる請求項1又は2に記載のインバータ駆動装置。
  4. 前記ブートストラップ回路は、前記アームの中点に接続されたブートストラップコンデンサと、前記駆動用電源から前記ブートストラップコンデンサへ向かう方向を順方向として前記駆動用電源と前記ブートストラップコンデンサとの間に接続されたブートストラップダイオードとを少なくとも備え、
    前記高出力電圧は、少なくとも、前記下段側スイッチング素子の飽和電圧と、前記ブートストラップダイオードの順方向電圧と、に基づいて設定されている請求項1から3の何れか一項に記載のインバータ駆動装置。
  5. 前記変調制御方式が前記パルス幅変調制御の場合に、前記ブートストラップコンデンサに蓄電される電荷の最小値を最小蓄積電荷とし、
    前記上段側スイッチング素子の駆動に必要な電圧を維持するために前記ブートストラップコンデンサに蓄電が必要な電荷を最小駆動電荷とし、
    前記最小蓄積電荷と前記最小駆動電荷との差を、前記上段側スイッチング素子の1回の駆動に必要な電荷と前記上段側スイッチング素子の駆動回数との積が超えない範囲内で最大の当該駆動回数を最大駆動回数とし、
    前記駆動用電源は、前記変調制御方式が前記パルス幅変調制御から前記矩形波変調制御に移行した後、前記上段側スイッチング素子の前記駆動回数が前記最大駆動回数を超えるまでに前記出力電圧を上昇させる、請求項4に記載のインバータ駆動装置。
  6. 前記駆動用電源は、前記インバータ制御部によって制御される電源であり、前記インバータ制御部は、前記変調制御方式に応じて、前記駆動用電源の出力電圧を変更する請求項1から5の何れか一項に記載のインバータ駆動装置。
  7. 前記駆動用電源は、前記上段側ドライブ回路及び前記下段側ドライブ回路及び前記ブートストラップ回路に電力を供給する請求項1から6の何れか一項に記載のインバータ駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109889075A (zh) * 2019-04-11 2019-06-14 广东美的制冷设备有限公司 驱动控制电路和家电设备
CN114157177A (zh) * 2021-11-29 2022-03-08 苏州伟创电气科技股份有限公司 电机驱动逆变装置和自举充电方法、设备及存储介质
WO2022168222A1 (ja) * 2021-02-04 2022-08-11 三菱電機株式会社 電力変換装置及び空調機

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