JP2010261617A - 空気調和システム - Google Patents

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Abstract

【課題】室外機に複数台の室内機が接続された従来の空気調和システムであって、空気調和システムの省エネルギー化及び空気調和エリアの快適性の向上を実現させることが可能な空気調和システムを得る。
【解決手段】無線計測端末24a,24bの検出温度に基づいて空気調和エリア21a,21bの代表室温を求め、室内機2a,2bの運転能力を所定の運転能力に設定し、代表室温が室内機の設定温度から所定の温度差範囲となるように、室内機24a,24bの運転及び停止を行う2位置動作を行い、2位置動作における室内機2a,2bの運転状態から空気調和エリア21a,21bの熱負荷を演算し、空気調和エリア21a,21bの熱負荷に基づいて室内機2a,2bの目標運転能力を設定し、室内機2a,2bの運転能力が目標運転能力となるように前記冷凍サイクル装置を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、室外機に複数台の室内機が接続された空気調和システムに関するものである。
室外機に複数台の室内機が接続された従来の空気調和システムは、各室内機の運転能力が不足しないように室内熱交換器に流れる冷媒の温度を一定に保ち、圧縮機容量と室外送風機を制御して運転していた。このため、室内機の空気調和エリアが低負荷の場合、室内機の運転能力が過多となる。このとき、冷媒流量制御装置で各室内機への冷媒流量を変化させることで室内機の運転能力の低減を図っているが、この方法によって調整できる室内機の運転能力の幅は小さい。さらに、ON−OFF動作(冷媒流量制御装置の開閉)によって室内機の運転能力を低減させるため、室内機からの吹き出し空気温度がハンチングして快適性を損なってしまう。また、ON−OFF動作(冷媒流量制御装置の開閉)が増加することにより、空気調和システム(の冷凍サイクル装置)の効率が悪く、またCOPが低くなってしまう。
室内機の空気調和エリアが低負荷の場合、冷房運転においては、蒸発温度を上昇させることにより空気調和システム(の冷凍サイクル装置)の効率は向上する。また、暖房運転においては、凝縮温度を低下させることにより空気調和システム(の冷凍サイクル装置)の効率は向上する。しかしながら、空気調和エリアの各熱負荷が不明なため、室内熱交換器に流れる冷媒の温度を安易に変更すると、能力不足で設定温度に到達しなくなる室内機が出る恐れがあった。
そこで、これらの問題点を解決するため、種々の空気調和システムが提案されている。例えば、特許文献1では、室内温度センサーの測定値と設定温度の差から負荷の大小レベルを示す負荷定数を定め、各部屋の負荷に応じて各冷媒流量制御装置の開度比を決定し、室内機の容量の総和に応じて圧縮機周波数を制御して快適性の向上及び省エネルギーを図る空気調和システムが提案されている。
また例えば、特許文献2では、空気調和エリアの温度と外気温度との温度差で空気調和エリアの熱負荷が変化することを考慮し、室内熱交換器に流れる冷媒の温度を変化させる空気調和システムが提案されている。
また例えば、従来の空気調和システムは空気調和エリア温度を検出するセンサーが室内機の内部に設置されているために実際の空気調和エリア温度と異なる温度を検出しているという問題点に鑑み、特許文献3では、空気調和エリアに温度センサー(無線計測端末)を配置して制御対象の位置における環境状態を推定することのできる空気調和システムが示されている。また、特許文献4では、無線通信の受信電波強度や電波伝播遅延時間等を用い、三角測量により無線計測端末の位置を決定し、さらに無線計測端末の位置の誤差を修正するものが示されている。
特許第2730381号公報 特開2002−147823号公報 特開2008−075973号公報 特開2006−90868号公報
しかしながら、空気調和エリアの熱負荷は人や日射、気温、OA機器の稼動によって時々刻々変化するもので、上記従来の空気調和システム(例えば特許文献1及び特許文献2参照)では空気調和エリアの適切な熱負荷を求めることができない。つまり、空気調和エリア温度と外気温度との温度差だけでは空気調和エリアの熱負荷を予測できず、空気調和エリア温度と設定温度との温度差は能力を増減させる指標にはなるが負荷の絶対値は求められない。このため、空気調和システムを適切に制御しきれない可能性がある。
また、上記従来の空気調和システム(例えば特許文献3参照)では空気調和エリアの温度、湿度、CO2濃度分布の計測や無線計測端末の位置検知はできるが、空気調和エリアの熱負荷を求めることまでは示されていない。また、空気調和システムの制御に関しては、運転と停止を指定するに留まっている。
したがって、従来の空気調和システムでは、空気調和システムの省エネルギー化及び空気調和エリアの快適性の向上の双方を実現させたものが依然として存在しないという問題点があった。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、室外機に複数台の室内機が接続された従来の空気調和システムであって、空気調和システムの省エネルギー化及び空気調和エリアの快適性の向上を実現させることが可能な空気調和システムを得ることを目的とする。
本発明に係る空気調和システムは、室外機に複数の室内機が接続された空気調和システムであって、室外熱交換器、容量可変形の圧縮機、前記室内機のそれぞれに設けられた複数の室内熱交換器、前記室内熱交換器に流れる冷媒量を調整する冷媒流量制御装置、前記室外熱交換器に空気を送る室外送風機、及び前記室内熱交換器に空気を送る室内送風機、を有する冷凍サイクル装置と、温度センサーを有し、空気調和空間に設けられた少なくとも1つの無線計測端末と、を備え、前記無線計測端末の検出温度に基づいて、前記空気調和空間の代表室温を求め、前記室内機の運転能力を所定の運転能力に設定し、前記代表室温が前記室内機の設定温度から所定の温度差範囲となるように、前記室内機の運転及び停止を行う2位置動作を行い、該2位置動作における前記室内機の運転状態から、前記空気調和空間の熱負荷を演算し、前記空気調和空間の熱負荷に基づいて前記室内機の目標運転能力を設定し、前記室内機の運転能力が該目標運転能力となるように、前記冷凍サイクル装置を制御するものである。
本発明においては、空気調和空間に設けられ無線計測端末により空気調和空間の代表室温を求め、この代表室温を用いて室内機の2位置動作することにより、空気調和空間の適切な熱負荷を求めることができる。また、この熱負荷から室内機の目標能力を設定し、室内機の運転能力が目標能力となるように冷凍サイクル装置を制御する。
このため、空気調和エリアが空気調和システムの省エネルギー化及び空気調和エリアの快適性の向上を実現させることが可能な空気調和システムを得ることができる。
一実施の形態に係る空気調和システムの冷媒回路図である。 一実施の形態に係る空気調和エリア21と空気調和システムの概要を示す側面図である。 一実施の形態に係る空気調和システムの通信形態の一例を示すブロック線図である。 一実施の形態に係る空気調和システムの通信形態の別の一例を示すブロック線図である。 一実施の形態に係る空気調和エリア21を示す上面図である。 一実施の形態に係る空気調和エリア21を示す上面図である。 一実施の形態に係る空気調和エリア21を示す上面図である。 一実施の形態に係る空気調和システムの通信形態の別の一例を示すブロック線図である。 一実施の形態に係る温度の近似式Tと代表室温Tnとの関係を示す特性図である。 一実施の形態に係る温度の近似式Ta,Tbと代表室温Tnとの関係を示す特性図である。 一実施の形態に係る室内機吸い込み空気温度と代表室温Tnとの関係を示す特性図である。 一実施の形態に係る吸い込み空気温度の近似式T13と代表室温Tnとの関係を示す特性図である。 一実施の形態に係る熱負荷の演算方法を示す説明図である。 一実施の形態に係る目標冷房能力Qemaの設定方法の一例を示す説明図である(連続動作)。 一実施の形態に係る目標冷房能力Qemaの設定方法における別の一例を示す説明図である(2位置動作)。 一実施の形態に係る目標冷房能力Qemaの設定方法におけるさらに別の一例を示す説明図である(多位置動作用)。 一実施の形態に係る目標冷房能力Qemaの設定方法におけるさらに別の一例を示す説明図である(PID動作用)。
以下に、本発明に係る空気調和システムの一実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、同様の構成が複数ある場合、符号の末尾にアルファベットを付して区別する。また、これらを区別する必要の無い場合は、末尾のアルファベットを省略して記載する場合もある。
図1は、本発明の一実施の形態に係る空気調和システムの冷媒回路図である。本実施の形態に係る空気調和システムは、1台の室外機1に2台の室内機2a,2bが接続されている。室外機1内には、アキュムレータ3、例えばインバータ駆動の容量可変形の圧縮機4、冷暖房切換用の四方弁5、室外熱交換器6が設けられている。また、室内機2a,2b内のそれぞれには、例えばステッピングモータを用いて弁開度をパルス制御可能とした膨張弁7a,7b、室内熱交換器8a,8bが設けられている。そして、これらを冷媒配管で順次接続することにより、冷凍サイクル装置を構成している。
具体的には、室外機1と室内機2a,2bは、液側主管9及びこの液側主管9から分岐した液側分岐管10a,10bと、ガス側主管11及びこのガス側主管11から分岐したガス側分岐管12a,12bとで接続されている。室外機1には室外熱交換器6に空気を送るための室外送風機(図示せず)が設けられている。室内機2a,2bには、空気調和エリアから空気を吸い込み室内熱交換器8a,8bに空気を通過させ空気調和エリアへ送風するための室内送風機(図示せず)が設けられている。
各室内機2a,2bには、吸い込み空気温度センサー13a,13b、室内機液管温度センサー14a,14b、室内機ガス管温度センサー15a,15b、室内機制御箱16a,16bが設けられている。
室外機1には、外気温センサー17、室外機液管温度センサー30、室外機制御箱18が設けられている。また、室外機1の圧縮機4には、吐出側に吐出圧力センサー19、吸入側に吸入圧力センサー20が設けられている。なお、室外機液管温度センサー30は室外熱交換器6と膨張弁7a,7bとの間であればどこに設置してもよい。
図2は、本発明の一実施の形態に係る空気調和エリア21と空気調和システムの概要を示す側面図である。また、図5は、この空気調和エリア21を示す上面図である。室外機1は、例えば建物の屋上等に設置される室内機2a,2bは、例えば空気調和エリア21の天井裏22に設置される。
ここで、空気調和エリア21が、本発明の空気調和空間に相当する。
室外機1と室内機2a,2bは、通信線28を介して接続されている。また、通信線28には、例えば建物の各階に設けられる監視装置100(中継機)が接続されている。この監視装置100は、電話回線やLAN等の通信手段102により、遠隔監視装置101と通信可能になっている。
空気調和エリア21の運転条件等を設定する設定端末23a,23bは、例えば室内の壁や柱に設置され、例えば有線で室内機2a,2bと接続されている。これにより、室内機2a,2bと設定端末23a,23bは、通信可能となっている。
図2及び図5には、室内機2a,2bの空気調和エリア21a,21bも示している。この空気調和エリア21a,21bは、例えば室内機2a,2bの種類、風量、風向等から決定する。
ここで、空気調和エリア21a,21bが、本発明の空気調和範囲に相当する。
本実施の形態では、室内機2aからの気流が0.25m/s以上となる範囲を空気調和エリア21aとし、室内機2bの気流が0.25m/s以上となる範囲を空気調和エリア21bとし、空気調和エリア21aと空気調和エリア21bが重なる範囲を共通空気調和エリア21abとしている。
これら空気調和エリア21a,21bには、無線計測端末24a,24bが設置されている。例えば、本実施の形態では、建物の壁や柱や天井から30cm以上離れた机や棚の上に、無線計測端末24a,24bが設置されている。ここでは室内機2aに対応する無線計測端末を24a、室内機2bに対応する無線計測端末を24bと設定する。
なお、空気調和エリア21は居住空間を対象とした空気調和エリアに限らず、例えばサーバーや食品、薬品等の温度管理対象物27を保存するエリアでもよい。このとき、無線計測端末24a,24bを温度管理対象物27の内部や周辺に設置してもよい。
図3は、本発明の一実施の形態に係る空気調和システムの通信形態の一例を示すブロック線図である。なお、この図では、無線計測端末24を4つ(無線計測端末24a〜24d)設けた場合について示している。また、室外機1及び室内機2a,2bを、空調機として、まとめて示している。つまり、室外機制御箱18及び室内機制御箱16a,16bをまとめて、制御部(CPU)、通信手段、ROM及びメモリとして示している。これら制御部(CPU)、通信手段、ROM及びメモリは、室外機制御箱18及び、室内機制御箱16a,16bのいずれに収納されていてもよいからである。
設定端末23a,23bのそれぞれは、室内機2の運転停止設定手段、運転モード設定手段(冷房、暖房等)、風量設定手段、室温設定手段、及び各種データ類を一時記憶するメモリ等を備えてている。これら設定端末23a,23bのそれぞれは、空調機本体と伝送線で連結されている。無線計測端末24a〜24dのそれぞれは、温度センサー、電池残量検出手段、距離計測手段、メモリ及び通信手段を備える。空調機には、無線計測端末24a〜24dとの通信手段、演算制御を行う制御部(CPU)、各種データ類を一時記憶するメモリ、制御用プログラムや各種固定テーブル類を格納するROMを備えている。制御部(CPU)は、膨張弁7a,7b、圧縮機4、室内送風機、室外送風機等を駆動制御する手段と通信する。
なお、図3において空調機本体に設けた通信手段は、例えば図4に示すように、設定端末23a,23bに収納してもよい。無線計測端末24a〜24dと通信したデータは設定端末23a,23bを経由して空調機本体へと送信される。既存の空調機に無線計測端末24a〜24dを追加して使用する場合は、通信手段を空調機(例えば室内機2a,2b)に設置するよりも設定端末23a,23bに設置するほうが容易であり、メンテナンスも行いやすい。
また、室外機1と室内機2の台数は上記に限られるのではない。また、上記空調システムを複数組み合わせてもよい。例えば、1台の室外機1に4台の室内機2を接続した空気調和システムと、別の一台の室外機1に6台の室内機2を接続した空気調和システムを組み合わせてもよい。この場合、通信線28を複数の空気調和システム間で接続して通信可能とする。
<動作説明>
続いて、本実施の形態に係る空気調和システムの動作について説明する。本実施の形態に係る空気調和システムは、無線計測端末24に設けられた温度センサーの検出温度に基づき、空気調和エリア21の代表室温を求める。そして、この代表室温に基づいて空気調和エリア21の熱負荷を演算し、この熱負荷に基づいて室内機2の目標運転能力を設定する。そして、室内機2の運転能力がこの目標運転能力になるように、空気調和システムの冷凍サイクル装置を動作させる。
以下では、代表室温の決定方法、熱負荷の演算方法(熱負荷演算モード)、目標運転能力の設定方法、冷凍サイクル装置の動作、の順で説明していく。
(代表室温の決定方法)
まず、代表室温の決定方法について説明する。
設定端末23aは、室内機2aの運転停止、運転モード、風量、室温が設定できる。同様に、設定端末23bは、室内機2bの運転停止、運転モード、風量、室温が設定可能となっている。これら各設定は設定端末23a,23b内でメモリへ保存されて空調機本体へと送られる。
無線計測端末24には、例えば無線計測端末24に内蔵された電池から電力供給される。電源アダプタを用いて、建物の電源コンセントから無線計測端末24に電力を供給してもよい。USBでパソコンとつないで、無線計測端末24に電力を供給してもよい。また、無線計測端末24は、パソコン等から無線通信(又は有線通信)にて設定温度、設定風量、「暑い・寒い」等の温冷感や快適性を入力可能としてもよい。無線計測端末24では、検出した温度をメモリに格納する。これら検出温度のデータは、通信手段にて、空調機へと一定時間間隔で送られる。通信の時間間隔を制限することによって、無線計測端末24の消費電力を抑制でき、電池交換や充電のメンテナンス回数を削減できる。
無線計測端末24からは、電池残量の情報が空調機へ配信される。電池が無くなった場合や電池残量が一定値より少なくなった場合等、空調機は遠隔監視装置101へと通報する。また、無線計測端末24からは、無線計測端末24の位置情報が空調機へ配信される。無線計測端末24の位置情報が異常な値を示した場合、空調機は遠隔監視装置101へ通報する。無線計測端末24が空調機と通信を行うためには、無線計測端末24の電池寿命や設置位置が問題となる。本実施の形態では、遠隔監視装置101への上記通報機能によって、無線計測端末24のメンテナンスを確実に実施できる。遠隔監視装置101の場所は、電話線やLAN等の通信手段102の繋がった範囲であれば空気調和エリア21の建物内外を問わない。
例えば、図2のように室内機2a,2bの空気調和エリア21a,21bに無線計測端末24a,24bがある場合、例えば以下のように代表室温Tnを求めることができる。
制御部において、次式(1−1)のように、無線計測端末24aの検出温度Tlaを室内機2aの代表室温Tnaとする。
Tna=Tla…(1−1)
また、次式(1−2)のように、無線計測端末24bの検出温度Tlbを室内機2bの代表室温Tnbとする。
Tnb=Tlb…(1−2)
空気調和エリア21に複数の無線計測端末24がある場合は、室内機2と最短距離の無線計測端末24を、手動又は自動により室内機2に対応させる。
無線計測端末24a,24bの位置を自動的に検知する方法としては、位置が既知の固定基地との距離を受信電波強度や電波伝播遅延時間等により算出し、三角測量によって無線計測端末24a,24bの位置を決定する方法がある。また、位置が既知の固定基地を用いずに、無線計測端末24a,24b間の距離に基づいて各端末の位置を決定する方法もある。空気調和エリア21に固定基地を設置してこの固定基地を座標基準点とした場合、予め設定された室内機2a,2bの位置座標や、無線計測により得られた室内機2a,2bの位置座標にもとづき、無線計測端末24a,24bと室内機2a,2bを同一座標で管理することができる。無線計測により室内機2a,2bの位置座標を得る場合(室内機2a,2bに通信手段を設けた場合)、室内機2a,2bを基準として、無線計測端末24a,24bの相対位置座標を検知することもできる。
例えば、室内機2と無線計測端末24を1対1で対応させずに、以下に示す温度の近似式Tを用いて、空気調和エリア21の代表室温Tnを求めてもよい。
図9は、温度の近似式Tを示す特性図である。この図9の横軸は、図2に示すx,y座標のx座標に対応している。なお、以後の図10〜図12も、図9と同様にして示している。
図9では、2台以上の無線計測端末24a,24bを空気調和エリア21内の自由な場所に設置して、無線計測端末24a,24bの検出温度Tla、Tlbと位置座標から代表室温Tna,Tnbを演算している。
例えば、室内機2aの下方で床から1mの位置を基準点(0,0)とすれば、無線計測端末24aのxy座標は(xa,ya)、無線計測端末24bの座標は(xb,yb)のように位置が求まる。x座標とy座標を説明変数とし検出温度Tla、Tlbを目的変数として最小二乗法等で回帰分析をすることで、次式(2−1)のように温度の近似式Tが立てられる。
T=α+β・x+γ・y…(2−1)
ここで、α、β、γは回帰係数である。
この式(2−1)に空気調和エリア21aの中央座標(x2a,y2a)(例えば室内機2aの下方)を入力すれば、空気調和エリア21aの代表室温Tnaは次式(2−2)のように求められる。
Tna=α+β・x2a+γ・y2a…(2−2)
また、式(2−1)に空気調和エリア21bの中央座標(x2b,y2b)(例えば室内機2bの下方)を代入すれば、空気調和エリア21bの代表室温Tnbは次式(2−3)のように求められる。
Tnb=α+β・x2b+γ・y2b…(2−3)
なお、室内機2a,2bの空気調和エリア21a,21bの両方の温度近似式Tを演算すれば、無線計測端末24a,24bを空気調和エリア21内のどこに設置しても代表室温Tna,Tnbが求められ、安定した制御が可能になる。また、近似式Tは、高さ方向の座標zを含めて式を立ててもよく、関数の次数は式(2−1)に限らない。
また、例えば図5のように空気調和エリア21内で複数の計算点(丸印)を設定し、温度の近似式Tに計算点の座標を代入して各点の温度を求め、これら温度の平均値を代表室温Tnとしてもよい。無線計測端末24と室内機2は2台に限らず、2台の無線計測端末24で求めた温度の近似式Tを使って、3台以上の室内機2の各代表室温Tnを演算してもよい。3台以上の無線計測端末24で求めた温度の近似式Tを使って、2台の室内機2の各代表室温Tnを演算してもよい。
例えば、図6及び図10に示すように、室内機2a,2bのそれぞれの空気調和エリア21a,21b内に複数の無線計測端末24a〜24dがある場合は、室内機2a,2bごとに温度の近似式Ta,Tbを求めてもよい。そして、これらの温度の近似式Ta,Tbから、各空気調和エリア21a,21bの代表室温Tna,Tnbを求めてもよい。
例えば、室内機2a下方で床25から1mの位置を原点(0,0)とすれば、無線計測端末24aの座標は(xa,ya)、無線計測端末24bの座標は(xb,yb)、無線計測端末24cの座標は(xc,yc)、無線計測端末24dの座標は(xd,yd)となる。また、無線計測端末24aの検出温度はTla、無線計測端末24bの検出温度はTlb、無線計測端末24cの検出温度はTlc、無線計測端末24dの検出温度はTldとなる。
複数の無線計測端末24の中から室内機2aの空気調和エリア21a内にある無線計測端末24a,24b,24cを自動的に選択する。無線計測端末24a,24b,24cのx座標及びy座標を説明変数とし、無線計測端末24a,24b,24cの検出温度Tla,Tlb,Tlcを目的変数とし、最小二乗法等で回帰分析をすることで、次式(3−1)に示す温度の近似式Ta(室内機2a下方が原点)が立てられる。
Ta=αa+βa・x+γa・y…(3−1)
ここで、αa、βa、γaは回帰係数である。
この式(3−1)に空気調和エリア21aの中央座標(x2a,y2a)を入力すれば、空気調和エリア21aの代表室温Tnaは次式(3−2)のように求められる。
Tna=αa+βa・x2a+γa・y2a…(3−2)
室内機2bの代表室温Tnbも同様に、室内機2b下方の位置を基準としたx’,y’座標を設定、空気調和エリア21b内の無線計測端末24b,24c,24dの選択、及び次式(3−3)に示す温度の近似式Tbの算出、を順次行うことにより求めることができる(次式(3−4))。
Tb=αb+βb・x’+γb・y’…(3−3)
Tnb=αb+βb・x2b+γb・y2b…(3−4)
なお、座標は高さ方向z,z’を含めてもよい。また、一つの室内機2が演算に使用する無線計測端末24の数も3個に限らない。温度の近似式Ta,Tbの関数の次数も上記の式に限らない。空気調和エリア21内に複数の計算点(丸印)を設定して、温度の近似式Ta,Tbに計算点の座標を代入して各点の温度を求め、計算温度の平均値を代表室温としてもよい。
また、次式(4−1)〜(4−6)のように、無線計測端末24a〜24dの検出温度Tla〜Tlbを空気調和エリア21a,21bの各中央点から無線計測端末24a〜24dまでの距離La〜Ldの逆数で重みづけし、代表室温Tna,Tnbを求めてもよい。なお、次式(4−1)〜(4−6)は、図6に示す場合を想定して、代表室温Tna,Tnbを求めている。
Ia=1/La…(4−1)
Ib=1/Lb…(4−2)
Ic=1/Lc…(4−3)
Id=1/Ld…(4−4)
Tna=(Tla・Ia+Tlb・Ib+Tlc・Ic)/(Ia+Ib+Ic)…(4−5)
Tnb=(Tlb・Ib+Tlc・Ic+Tld・Id)/(Ib+Ic+Id)…(4−6)
例えば、図11に示すように、無線計測端末が24aの1個の場合、以下のように代表室温Tna,Tnbを求めてもよい。
無線計測端末24aを室内機2aの空気調和エリア21a内に設置した場合、次式(5−1)のように、代表室温Tnaは無線計測端末24aの検出温度Tlaをそのまま用いる。
Tna=Tla…(5−1)
代表室温Tnbの演算では、まず次式(5−2)のように、無線計測端末24aの検出温度Tlaと室内機2aの吸い込み空気温度センサー13aの温度差ΔTuaを求める。
ΔTua=(13aの温度)−Tla…(5−2)
室内機2bの空気調和エリアにも温度差ΔTuaが生じると仮定し、室内機2bの代表室温Tnbは室内機2bの吸い込み空気温度センサー13bからΔTuaを引いた値とする(次式(5−3))。
Tnb=(13bの温度)−ΔTua…(5−3)
なお、温度差ΔTuaは、自然対流の影響、室内機の吹き出し口の形状、風量、空気調和エリアに滞在する人数、OA機器や照明、窓からの日射、室内機の設置状況等に応じて変化する。
例えば、図12のように、吸い込み空気温度の近似式T13に基づき、代表室温Tna,Tnbを求めてもよい。
具体的には、吸い込み空気温度センサー13aの位置を原点としたxy座標において吸い込み空気温度センサー13a,13bの位置座標を求める。これら吸い込み空気温度センサー13a,13bの位置座標と吸い込み空気温度センサー13a,13bの検出温度から、吸い込み空気温度の近似式T13を求める(次式(6−1))。
T13=α13+β13・x+γ13・y…(6−1)
次に、式(6−1)から、無線計測端末24a上の吸い込み空気温度T13laを求め(次式(6−2))、T13laと無線計測端末24aの検出温度Tlaとの差をΔTuaとする(次式(6−3))。
T13la=α13+β13・xa+γ13・ya…(6−2)
ΔTua=T13la−Tla…(6−3)
代表室温Tna,Tnbは、次式(6−4)及び(6−5)のように、吸い込み空気温度センサー13a,13bの検出温度からΔTuaを引いて求める。
Tna=(13aの検出温度)−ΔTua…(6−4)
Tnb=(13bの検出温度)−ΔTua…(6−5)
なお、代表室温Tna,Tnbは、吸い込み空気温度の近似式T13からΔTuaを減算した吸い込み空気温度の近似式T13’(次式(6−6))に基づいて求めてもよい。具体的には、次式(6−6)に空気調和エリア21a,24bの中央座標を代入して、代表室温Tna,Tnbを求める。
T13’=α13+β13・x+γ13・y−ΔTua…(6−6)
Tna=α13+β13・x2a+γ13・y2a−ΔTua…(6−7)
Tnb=α13+β13・x2b+γ13・y2b−ΔTua…(6−8)
例えば、図11に示すように、無線計測端末が24aの1個の場合、以下のように代表室温Tna,Tnbを求めることもできる。以下では、通常運転中は無線計測端末24aを室内機2aの空気調和エリア21a内に設置した場合を例に説明する。
まず、無線計測端末24aを室内機2aの空気調和エリア21aに設置したときの検出温度Tlaと吸い込み空気温度センサー13aの検出温度との温度差ΔTua’を計測する。同条件にて、無線計測端末24aを室内機2bの空気調和エリアに設置したときの検出温度Tlaと吸い込み空気温度センサー13bの検出温度との温度差ΔTub’を計測する。なお、ΔTua’とΔTub’の関係をあらかじめ求め設定してもよい。
空気調和エリア21bの代表室温Tnbは、吸い込み空気温度センサー13bの検出温度、ΔTua、ΔTua’、及びΔTub’の関係式から演算する(次式(7−1))。また、ΔTubは、次式(7−2)により求める。
Tnb=(13bの検出温度)−ΔTub…(7−1)
ΔTub=ΔTua・ΔTub’/ΔTua’…(7−2)
なお、ΔTuaは式(5−2)又は式(6−3)のいずれを使用してもよい。ΔTubの演算はΔTuaとΔTua’とΔTub’の関係が表せればよく、ΔTubの式は式(7−2)に限らない。
ここで、代表室温Tna,Tnbを比較して、平均値よりも例えばTnbの方が一定値以上高温の場合、室内機2bの空気調和エリア21bがペリメータゾーンとなっており日射の影響を受けている可能性がある。日射を受ける面は、熱放射で高温になり、気温以上に暖かく感じる。このため、例えば冷房運転時には、室内機2bの運転能力を、代表室温Tnbと設定温度Tmbとの温度差ΔTbから求めた能力よりも増加させる必要がある。また、例えば暖房運転時には、室内機2bの運転能力を、代表室温Tnbと設定温度Tmbとの温度差ΔTbから求めた能力よりも減少させる必要がある。
本実施の形態では、このような室内機2bの運転能力を調節するため、冷房運転時と暖房運転時のそれぞれにおいて、ΔTbに補正係数C1,C2を掛けている(次式(8−1),(8−2))。
冷房運転時 ΔTb=C1(Tnb−Tmb)…(8−1)
暖房運転時 ΔTb=C2(Tnb−Tmb)…(8−2)
C1>1、0≦C2≦1
つまり、このΔTbを用いて、後述する冷凍サイクル装置の運転を行っている。
なお、ペリメータゾーンとなっているかの判定は、代表室温Tna,Tnb以外の値を用いてもよい。
例えば、室内機2a,2bの吸い込み空気温度センサー13a,13bの検出温度を用いてもよい。例えば、無線計測端末24aの検出温度を比較して、例えば室内機2bの空気調和エリア21bにある無線計測端末24が無線計測端末24の平均値よりも一定値以上高温となっている場合、空気調和エリア21b側がペリメータゾーンとなっていると判定してもよい。例えば、温度の近似式T,Ta,Tb,T13’から高温部を求めてペリメータゾーンを判定してもよい。例えば、時間や天気情報と無線計測端末24の温度データとを同期させて、晴天の昼間に無線計測端末24の温度や吸い込み空気温度センサー13の検出温度が高温になったらペリメータゾーンになっていると判定してもよい。例えば、無線計測端末24に日射センサーを設け、日射センサーの値からペリメータゾーンになっているかを直接判定してもよい。また、ペリメータゾーンの室内機2を判別したら、温度差ΔTbの補正だけでなく風量を増加したり風向をペリメータゾーン側へ向けてもよい。
また、無線計測端末24(例えば無線計測端末24a)をペリメータゾーン等の温度調節が適切にできていない場所に設置し、代表室温Tna,Tnbを求めてもい。
例えば、無線計測端末24aと空気調和エリア21aの中央点との距離をL1、無線計測端末24aと空気調和エリア21bの中央点との距離をL2、基準の一定距離をLとする。
L1とL2が0以上L以下の範囲となる場合、次式(9−1),(9−2)から代表室温Tna,Tnbを求める。
Tna=Tla(1−L1/L)+13a(L1/L)…(9−1)
Tnb=Tla(1−L2/L)+13b(L2/L)…(9−2)
L1とL2がLより大きい範囲となる場合、次式(9−3),(9−4)のように、吸い込み空気温度センサー13a,13bの検出温度をTna,Tnbとする。
Tna=(13aの検出温度)…(9−3)
Tnb=(13bの検出温度)…(9−4)
無線計測端末24aと空気調和エリア21aの距離L1,L2が小さければ代表室温Tna,Tnbは無線計測端末24aの温度に近づき、距離L1,L2が離れるほど代表室温Tna,Tnbは室内機の吸い込み空気温度センサー13a,13bの検出温度に近くなる。経験的に温度調節が適切でない箇所(例えば室内機2の吸い込み空気温度が居室の温度と異なっている箇所)に無線計測端末24aを設置すれば、無線計測端末24a近辺が重点的に能力補正され、その他のエリアは通常制御を維持できる。
以上、空気調和エリア21a、21bの各代表室温Tna,Tnbの求め方について説明した。
以下では、空気調和エリア21aと21bが重なる共通空気調和エリア21abの代表室温Tnabの求め方について説明する。ここで、共通空気調和エリア21abが、本発明の共通空気調和範囲に相当する。
例えば、空気調和エリア21aと21bが重なる共通空気調和エリア21abの代表室温Tnabは、共通空気調和エリア21ab内に設置された無線計測端末24の検出温度の平均値としてもよい。例えば、共通空気調和エリア21ab内に設置された無線計測端末24の検出温度がTlb,Tlcの場合、共通空気調和エリア21abの代表室温Tnabは、次式(10−1)になる。
Tnab=(Tlb+Tlc)/2…(10−1)
また例えば、式(2−1)に示す温度の近似式Tに共通空気調和エリア21abの代表座標(xab,yab)を入力して、共通空気調和エリア21abの代表室温Tnabを求めてもよい。
Tnab=T(xab,yab)=α+β・xab+γ・yab…(10−2)
また例えば、式(3−1),(3−3)に示す温度の近似式Ta,Tbに共通空気調和エリア21abの代表座標(xab,yab)を入力して、共通空気調和エリア21abの代表室温Tnabを求めてもよい。
Tnab=Ta(xab,yab)=αa+βa・xab+γa・yab…(10−3)
Tnab=Tb(xab,yab)=αb+βb・xab+γb・yab…(10−4)
また例えば、式(6−6)に示す吸い込み空気温度の近似式T13’に共通空気調和エリア21abの代表座標(xab,yab)を入力して、共通空気調和エリア21abの代表室温Tnabを求めてもよい。
Tnab=T13’(xab,yab)=α13+β13・xab+γ13・yab−ΔTua…(10−5)
ただし、Ta,Tbは異なる座標軸を用いているため、座標(xab,yab)の値はそれぞれ異なる。Ta,Tbから求めた計算温度が異なる場合は平均値を代表室温Tnabとしてもよい。
本実施の形態では、共通空気調和エリア21abの設定温度Tmabは、室内機2aの設定温度Tmaと室内機2bの設定温度Tmbの平均値Tmabとしている。また、共通空気調和エリア21abの代表室温Tnabと共通空気調和エリア21abの設定温度Tmabとの温度差をΔTabとしている。
Tmab=(Tma+Tmb)/2…(10−6)
ΔTab=Tnab−Tmab…(10−7)
室内機2a,2bの空気吹出し口には、上下左右の気流方向や風量を調整するためのルーバーやベーンを備えている。これらは例えばモーターにより駆動される。冷房運転時にΔTabが一定値以下に低下した場合は、室内機2a,2bの風向を下向きにして共通空気調和エリア21abへ到達する風量を低下させるか、風向は変えずに室内機2a,2bの風量を減少させる。冷房運転時にΔTabが一定値以上に上昇した場合は、風向を水平向きにして共通空気調和エリア21abへ到達する風量を増加させるか、風向は変えずに室内機2a,2bの風量を増加させる。暖房運転時にΔTabが一定値以下に低下した場合は、室内機2a,2bの風向を水平向きにして共通空気調和エリア21abへの風量を増加させるか、風向は変えずに室内機2a,2bの風量を増加する。暖房運転時にΔTabが一定値以上に上昇した場合は風向を下向きにして共通空気調和エリア21abへ到達する風量を減少させるか、風向は変えずに室内機2a,2bの風量を減少する。
ここで、本実施の形態で行っている室内機2の空気吹き出し口の気流制御方法について説明する。
本実施の形態では、室内機2a,2bの空気調和エリア21a,21bで高温部と低温部を探索し、冷房運転時は高温部に気流を向け、暖房運転時は低温部に気流を向ける。高温部と低温部の探索は、複数の無線計測端末24から判定している。高温部と低温部は、温度の近似式T、Ta,Tb、T13’から求めてもよい。
例えば、図6のように無線計測端末24を自由な場所に複数配置して冷房運転をしている場合について説明する。室内機2aの空気調和エリア21a内にある無線計測端末24a,24c,24dの中で無線計測端末24cの検出温度Tlcが平均温度よりも一定値以上高ければ、無線計測端末24cの方向に室内機2aの気流を向ける。室内機2aが水平4方向、又はラウンド状に吹出す方式の場合は、無線計測端末24cの方向の吹き出し口を広く開けてその他の吹き出し口を狭くすることで、優先的に無線計測端末24cへの風量を多くしてもよい。逆に検出温度Tlcが平均温度よりも一定値以上低い場合、無線計測端末24c方向へ気流が行かないように気流を制御する。暖房運転の場合は、無線計測端末24の検出温度Tlが平均温度よりも一定値以上低ければ気流を向ける。また、無線計測端末24の検出温度Tlが平均温度よりも一定値以上高ければ気流を向けない。無線計測端末24が空気調和エリア21内に複数存在する場合、空気調和エリア21を複数に分割し、分割領域内ごとに無線計測端末24の検出温度Tlの平均温度を算出し、空気調和エリア21全体の平均温度との差分により風向を決定してもよい。又は、最高温度、最低温度の点で風向を判断してもよい。
温度の近似式T、Ta,Tb、T13’に空気調和エリア21の計算点の座標を代入して温度を計算し、高温部と低温部を探索してもよい。例えば計算温度の中から最高温度と最低温度を求め、冷房運転時は最高温度に気流を向け、暖房運転時は最低温度に気流を向けてもよい。計算温度の平均値を求め、平均値よりも一定値以上の点群を高温部と設定し、平均値よりも一定値以下の点群を低温部と設定してもよい。空気調和エリア21を複数に分割し、分割領域内ごとの平均温度を演算し、空気調和エリア21全体の平均温度との差分により風向を決定してもよい。空気調和エリア21内の温度勾配が緩やかな場合は風向エリアを広く設定し、空気調和エリア21内の温度勾配が急な場合は風向エリアを狭く設定してもよい。
また、室内機2a,2bの吸い込み空気温度センサー13a,13bの検出温度と代表室温Tna,Tnbの温度差をΔTua、ΔTubとし(次式(11−1),(11−2))、これらの値に基づき、室内機2a,2bの空気吹き出し口の気流を制御してもよい。
ΔTua=(13aの検出温度)−Tna…(11−1)
ΔTub=(13aの検出温度)−Tnb…(11−2)
例えば、冷房運転時にΔTuaが一定値より低下した場合(天井側が冷えている場合)、室内機2aの空気吹き出し口の気流を下に向けて、空気調和エリア21a内の上下温度差を解消する。暖房運転時はΔTuaが一定値以上になった場合(天井側が暖まっている場合)、室内機2aの空気吹き出し口の気流を下に向けて、空気調和エリア21a内の上下温度差を解消する。室内機2bについても同様にΔTubの値によって空気吹き出し口の気流を制御する。
また、例えば空気調和エリア21bにペリメータゾーン等がある場合、以下のように室内機2a,2bの空気吹き出し口の気流を制御している。
例えば図6に示すように、空気調和エリア21aと21bが同じ運転能力で冷房運転しているとする。このとき、空気調和エリア21bの空気温度の方が高温になりΔTb(Tnb−Tmb)がΔTa(Tna−Tma)より一定値以上大きい場合、室内機2aの冷房能力Qea(運転能力)よりも室内機2bの冷房能力Qeb(運転能力)のほうが増加する。また、ΔTbの増加にともなって、室内熱交換器8bの冷媒流量は増加する。このとき、室内熱交換器8bの大きさと室内送風機の風量によって、室内熱交換器8b内の冷媒が蒸発しきる冷媒流量には限界がある。このため、室内機2bの冷房能力Qebの増加だけは、空気調和エリア21bの冷房に時間がかかる。
したがって、本実施の形態では室内機2a(の冷房能力Qea)により空気調和エリア21bの冷房を補っている。室内熱交換器8aの冷媒流量を増加させれば圧縮機4の吸入過熱度が減少し冷凍サイクル装置のCOPが向上する。室内機2a,2bの定格能力をQea0,Qeb0とすると、室内機2aと室内機2b能力比率は次式(12−1),(12−2)で表される。
Ra=Qea/Qea0…(12−1)
Rb=Qeb/Qeb0…(12−2)
室内機2a,2bである一定の冷房能力Qe(室内機2a,2b双方で空気調和エリア21を冷房する能力)を出す際、能力比率Ra,Rbに偏りがある運転状態よりも、能力比率Ra,Rbが同程度の運転状態のほうが効率がよい。
ΔTbがΔTaより一定値以上大きい場合、例えば図7のように、室内機2aの空気吹き出し口を水平向きにする等制御し、空気調和エリア21aを空気調和エリア21b側に拡大する。また、室内機2bの空気吹き出し口を下向きにする等制御して、空気調和エリア21bを縮小する。このとき空気調和エリアの変更に伴って使用する無線計測端末24も変更する。
空気調和エリア21bは、狭い空間に冷気を流すため、冷えやすくなってΔTbが減少する。空気調和エリア21aは、全体的に温度が上昇傾向になり、ΔTaが増加する。
ΔTaとΔTbが同程度の値になったら室内機2a,2bの空気吹き出し口の風向を元の状態に戻し、図6のように空気調和エリア21aと21bの大きさを同一にする。
室内機2aの代表室温Tnaが設定温度Tmaに達していても、ΔTbが一定値以上大きく、室内機2aと室内機2bの共通空気調和エリア21abの代表室温Tnabが設定温度Tmabに未達な場合は、室内機2aを強制的に連動運転して能力を補助してもよい。このとき、室内機2aの気流を共通空気調和エリア21abに向けると、代表室温Tnaが設定温度Tmaに達するまでの時間が短縮でき、室内機2aの近傍エリアが能力過多になることを防げる。
なお、本実施の形態1では、無線計測端末24の温度センサー及び室内機2a,2bの吸い込み空気温度センサー13a,13bの検出値を用いて、代表温度Tnの決定や室内機2の空気吹き出し口の気流制御を行った。これに限らず、その他の検出手段を併用して代表温度Tnの決定や室内機2a,2bの空気吹き出し口の気流制御を行ってもよい。
例えば、室内機2a,2bに人の居場所を検知するための人感センサーを設け、この人感センサーの計測結果に基づいて、代表温度Tnを決定してもよい。人感センサーの種類は、例えばサーモパイル、パイロ、ボロメーター等である。例えば、これらの素子を縦横に並べて空気調和エリアの温度を2次元で計測する。また例えば、素子の向きをステッピングモータ等で回転駆動させて空気調和エリアの温度を検出する。人は周囲の壁や床よりも高温のため、居場所が判別できる。
例えば、図6に示す位置に人が存在する場合、人の居場所に最も近い無線計測端末24aの検出温度Tlaを代表室温Tnaとしてもよい。複数の人々を検知した場合、人に近い無線計測端末24をそれぞれ抽出し、これら無線計測端末24の検出温度と位置座標から、前述の温度の近似式等を使用して代表室温Tnaを演算してもよい。
例えば図8に示すように、無線計測端末24内に、温度センサーだけでなく、湿度センサー、風速センサー、グローブ温度計及び日射センサー等を設けてもよい。そして、これら温度センサー、湿度センサー、風速センサー、グローブ温度計及び日射センサー等の検出値に基づいて快適性指標SET*やPMVを演算し、SET*やPMVが快適な範囲(SET*は22℃〜26℃、PMVは±0.5)に収まるように、代表温度Tnの決定や室内機2a,2bの空気吹き出し口の気流制御を行ってもよい。人感センサーを併用する場合は、例えば人の居場所に近い無線計測端末24の計測値を使用してSET*、PMVを計算し、代表温度Tnの決定や室内機2a,2bの空気吹き出し口の気流制御を行ってもよい。
快適性指標SET*やPMVを求めるには人の周囲温度、湿度、風速、平均放射温度、代謝熱生産量、着衣量を求める必要がある。温度と湿度と風速は、無線計測端末24内に設けられたセンサーの値をそのまま使用する。平均放射温度は、無線計測端末24内に設けられたグローブ温度計の値から求める。着衣量は、例えば、室外機1の外気温センサー17で検出された外気温を使って空気調和エリア21内の人の着衣量を推算する。代謝熱生産量は、通常のオフィスでの活動量から予測して例えば1met程度の値を用いる。
なお、着衣量は標準条件に置き換えずに実在環境の値のままとし、その他はSET*の導出と同じ標準条件で温度T’を計算してもよい。そして、このT’を代表室温Tnとしてもよい。
また、ペリメータゾーンでは日射の影響を受けて体感温度が上昇する。無線計測端末24の日射センサーの値が増加した場合はSET*、PMV、温度T’も上昇するように補正演算回路を設けると、さらに体感を考慮した空調制御が実現でき、空気調和エリア21の快適性が向上する。夏場は夕方になると日射が減り涼しく感じる。日射センサーの値が減少した場合は冷やしすぎ防止のために能力抑制するように空調制御してもよい。空気調和システムの消費電力削減に効果がある。
サーバーや食品、薬品のような温度管理対象物27が空気調和エリア21にある場合、無線計測端末24を温度管理対象物27の内部や周辺に設置してもよい。この場合、遠隔監視装置101への通報機能を備え、温度管理対象物27が異常温度を示した場合は遠隔監視装置101へ通報するようにしてもよい。監視装置100や遠隔監視装置101に、無線計測端末24で検出した温度をグラフ表示する機能やデータ保存する機能を設けてもよい。
(熱負荷演算モード)
次に、空気調和エリア21a,21bの熱負荷Qla,Qlbを演算する方法について説明する。
図13は、本発明の一実施の形態に係る熱負荷の演算方法を示す説明図である。この図13を用いて、冷房運転時における空気調和エリア21aの熱負荷Qlaを演算する方法を説明する。室内機2aは、所定の冷房能力Qeaで空気調和エリア21aを冷房する。そして、代表室温Tnaが設定温度Tmaに対して−ΔT0より低下した場合、膨張弁7aを閉じて室内機2aの冷房能力を0とする。その後、代表室温Tnaが徐々に上昇してTma+ΔT0以上となった場合、膨張弁7aを開いて、冷房能力Qeaで空気調和エリア21aを再び冷房する。つまり、冷房運転時における空気調和エリア21aの熱負荷Qlaを演算するため、空気調和システムは膨張弁7aの2位置動作(開閉動作)を行う。
なお、膨張弁7aを閉じて室内機2aの冷房能力を0とする際、同時に圧縮機4を停止させてもよい。
2位置動作中、冷却運転中(冷房能力Qea)のON時間t1aと停止中(冷房能力0)のOFF時間t2aを測定する。そして、次式(13−1)により、室内機2aの運転率vaを求める。
va=t1a/(t1a+t2a)…(13−1)
そして、室内機2aの運転率vaと冷房能力Qeaを用い、空気調和エリア21aの熱負荷Qlaを求める(次式(13−2))。
Qla=Qea・va…(13−2)
同様に、冷房運転時における空気調和エリア21bの熱負荷Qlbも求めることができる。つまり、室内機2bは、所定の冷房能力Qebで空気調和エリア21bを冷房する。代表室温Tnbが設定温度Tmbに対して−ΔT0より低下した場合、膨張弁7bを閉じて室内機2bの冷房能力を0とする。その後、代表室温Tnbが徐々に上昇してTmb+ΔT0以上となった場合、膨張弁7bを開いて、冷房能力Qebで空気調和エリア21bを再び冷房する(膨張弁7bの2位置動作を行う)。
そして、2位置動作中のON時間t1bとOFF時間t2bにより、次式(13−3)で室内機2bの運転率vbを求める。
vb=t1b/(t1b+t2b)a…(13−3)
そして、室内機2bの運転率vbと冷房能力Qebを用い、空気調和エリア21bの熱負荷Qlbを求める(次式(13−4))。
Qlb=Qeb・vb…(13−4)
暖房運転時における空気調和エリア21の熱負荷Qlも、同様に2位置動作を行って求める。
暖房運転時における空気調和エリア21aの熱負荷Qlaを求める場合、室内機2aは、所定の暖房能力Qcaで空気調和エリア21aを暖房する。代表室温Tnaが設定温度Tmaに対して+ΔT0より上昇した場合、膨張弁7aを閉じて室内機2aの暖房能力を0とする。その後、代表室温Tnaが徐々に低下してTma−ΔT0以下となった場合、膨張弁7aを開いて、暖房能力Qcaで空気調和エリア21aを再び暖房する(膨張弁7aの2位置動作を行う)。
そして、2位置動作中のON時間t1aとOFF時間t2aにより、次式(14−1)で室内機2aの運転率vaを求める。
va=t1a/(t1a+t2a)…(14−1)
そして、室内機2aの運転率vaと冷房能力Qcaを用い、空気調和エリア21aの熱負荷Qlaを求める(次式(14−2))。
Qla=Qca・va…(14−2)
暖房運転時における空気調和エリア21bの熱負荷Qlbを求める場合、室内機2bは、所定の暖房能力Qcbで空気調和エリア21bを暖房する。代表室温Tnbが設定温度Tmbに対して+ΔT0より上昇した場合、膨張弁7bを閉じて室内機2bの暖房能力を0とする。その後、代表室温Tnbが徐々に低下してTmb−ΔT0以下となった場合、膨張弁7bを開いて、暖房能力Qcbで空気調和エリア21bを再び暖房する(膨張弁7bの2位置動作を行う)。
そして、2位置動作中のON時間t1bとOFF時間t2bにより、次式(14−3)で室内機2bの運転率vbを求める。
vb=t1b/(t1b+t2b)…(14−3)
そして、室内機2bの運転率vbと冷房能力Qcbを用い、空気調和エリア21bの熱負荷Qlbを求める(次式(14−4))。
Qlb=Qcb*vb…(14−4)
以降、熱負荷を求める一連の動作を熱負荷演算モードと呼ぶ。
上記の熱負荷演算モードは、例えば空気調和システム(冷凍サイクル装置)の起動時に行われる。熱負荷演算モードは、例えば空気調和システム(冷凍サイクル装置)が起動してから所定時間経過毎に行われてもよい。
ここで、熱負荷は、人や日射、気温、照明、OA機器等によって変化する。このため、熱負荷演算モードは、熱負荷の変動が予想される場合に行われてもよい。熱負荷の変動が予想される場合とは、例えば、室外機1に設けられた外気温センサー17の検出温度が一定値以上変化した場合、人の入退出記録により空気調和エリア21内の人数の増減が認められた場合、空気調和エリア21内の照明器具やOA機器が運転(停止)した場合(運転状態が変化した場合)、日射センサーにより日射量の変化が観測された場合等である。
空気調和エリア21aの熱負荷Qlaは、隣接する空気調和エリア21bの温度や気流等の影響も受ける。このため、空気調和エリア21bの代表室温Tnbが目標室温Tmbに近い状態で空気調和エリア21aの熱負荷演算モードを行うほうが演算精度がよい。したがって、空気調和エリア21a,21bの熱負荷演算モードを同時に実施してもよい。
熱負荷演算モードにかかる時間を短縮し制御への反映を早めるためには、ΔT0を小さく設定し、室内機2の運転能力Qe,Qcを大きく設定するとよい。本実施の形態では、ΔT0を例えば0.5℃に設定している。
しかしながら、ON時間t1が短すぎると、室内機2の運転能力Qe,Qcが安定しない場合がある。また、OFF時間t2が短すぎると、圧縮機4が再起動できない場合がある。このような場合は、以下のように空気調和エリア21の熱負荷Qlを求めてもよい。
冷房運転時の場合、代表室温TnがTm+ΔT0より十分に高い状態にしてから熱負荷演算モードを始める(膨張弁7を開いて、冷房能力Qeで冷房する)。これにより、冷房能力Qeが安定する。代表室温TnがTm+ΔT0まで低下した時点からTm−ΔT0になるまでの時間を、ON時間t1a’として測定する。代表室温TnがTm−ΔT0よりも低くなると、膨張弁7を閉じて冷房能力を0とする。そして、代表室温TnaがTma−ΔT0からTma+ΔT0になるまでの時間を、OFF時間t2a’として測定する。
上記のON時間t1a及びOFF時間t2aに代えて、これらON時間t1a’及びOFF時間t2a’を用い、冷房運転時における空気調和エリア21の熱負荷Qlを求める。
通常のON時間t1には、冷却運転を開始してから代表室温TnがTm+ΔT0をオーバーシュートする時間も含まれる。このため、ON時間t1a’は通常のON時間t1よりも短く測定される。しかしながら、冷房能力Qeaが安定した状態で空気調和エリア21の熱負荷Qlを求めることができるため、熱負荷演算モードの時間が短縮される。
暖房運転時の場合も同様である。代表室温TnがTm−ΔT0より十分に低い状態にしてから熱負荷演算モードを始める(膨張弁7を開いて、暖房能力Qcで暖房する)。これにより、暖房能力Qcが安定する。まず、膨張弁7を開いて、暖房能力Qcで暖房する。そして、代表室温TnがTm−ΔT0まで上昇した時点からTm+ΔT0になるまでの時間を、ON時間t1a’として測定する。代表室温TnがTm+ΔT0よりも高くなると、膨張弁7を閉じて暖房能力を0とする。そして、代表室温TnaがTma+ΔT0からTma−ΔT0になるまでの時間を、OFF時間t2a’として測定する。
上記のON時間t1a及びOFF時間t2aに代えて、これらON時間t1a’及びOFF時間t2a’を用い、暖房運転時における空気調和エリア21の熱負荷Qlを求める。
上記では、室内機2a,2bを個別に制御することにより、空気調和エリア21a,21bの熱負荷Qla,Qlbを求めた。室内機2a,2bを一斉制御することにより、空気調和エリア21a,21bの熱負荷Qla,Qlbを求めることも可能である。
冷房運転時の場合、室内機2aは冷房能力Qeaで運転し、空気調和エリア21aを冷房する。また、室内機2bは冷房能力Qebで運転し、空気調和エリア21bを冷房する。代表室温Tnabが設定温度Tmabに対して−ΔT0より低下した場合、膨張弁7a,7bを閉じ、室内機2a,2bの冷房能力を0とする。その後、代表室温Tnabが徐々に上昇してTmab+ΔT0以上となった場合、膨張弁7a,7bを開く。そして、室内機2aは冷房能力Qeaで運転し、空気調和エリア21aを冷房する。また、室内機2bは冷房能力Qebで運転し、空気調和エリア21bを冷房する。(膨張弁7a,7bの2位置動作を行う)。
2位置動作中、冷房運転中のON時間t1abと停止中のOFF時間t2abを測定する。そして、次式(15−1)により、室内機2a,2bの運転率vabを求める。
vab=t1ab/(t1ab+t2ab)…(15−1)
そして、運転率vabと室内機2a,2bの冷房能力Qea,Qebから、空気調和エリア21aの熱負荷Qlaと空気調和エリア21bの熱負荷Qlbは、次式のように求まる。
Qla=Qea・vab…(15−2)
Qlb=Qea・vab…(15−3)
なお、室内機2a,2bの熱負荷Qla,Qlbは、各室内機2a,2bの冷房定格能力Qea0,Qeb0の比として求めてもよい。
より詳しくは、運転率vabと室内機2a,2bの冷房能力Qea,Qebを用い、次式(15−4)から合計熱負荷Qlを求める。
Ql=(Qea+Qeb)・vab…(15−4)
そして、この合計熱負荷Qlと室内機2a,2bの冷房定格能力Qea0,Qeb0から、空気調和エリア21aの熱負荷Qlaと空気調和エリア21bの熱負荷Qlbを次式のように求めてもよい。
Qla=Ql・Qea0/(Qea0+Qeb0)…(15−5)
Qlb=Ql・Qeb0/(Qea0+Qeb0)…(15−6)
暖房運転時の場合も同様である。室内機2aは暖房能力Qcaで運転し、空気調和エリア21bを暖房する。また、室内機2bは暖房能力Qcbで運転し、空気調和エリア21bを暖房する。代表室温Tnabが設定温度Tmabに対して+ΔT0より上昇した場合、膨張弁7a,7bを閉じ、室内機2a,2bの暖房能力を0とする。その後、代表室温Tnabが徐々に低下してTmab−ΔT0以下となった場合、膨張弁7a,7bを開く。そして、室内機2aは暖房能力Qcaで運転し、空気調和エリア21aを暖房する。また、室内機2bは暖房能力Qcbで運転し、空気調和エリア21bを暖房する。(膨張弁7a,7bの2位置動作を行う)。
2位置動作中、暖房運転中のON時間t1abと停止中のOFF時間t2abを測定する。そして、次式(16−1)により、室内機2a,2bの運転率vabを求める。
vab=t1ab/(t1ab+t2ab)…(16−1)
そして、運転率vabと室内機2a,2bの暖房能力Qca,Qcbから、空気調和エリア21aの熱負荷Qlaと空気調和エリア21bの熱負荷Qlbは、次式のように求まる。
Qla=Qca・vab…(16−2)
Qlb=Qca・vab…(16−3)
なお、室内機2a,2bの熱負荷Qla,Qlbは、各室内機2a,2bの暖房定格能力Qca0,Qcb0の比として求めてもよい。
より詳しくは、運転率vabと室内機2a,2bの暖房能力Qca,Qcbを用い、次式(16−4)から合計熱負荷Qlを求める。
Ql=(Qca+Qcb)・vab…(16−4)
そして、この合計熱負荷Qlと室内機2a,2bの暖房定格能力Qca0,Qcb0から、空気調和エリア21aの熱負荷Qlaと空気調和エリア21bの熱負荷Qlbを次式のように求めてもよい。
Qla=Ql・Qca0/(Qca0+Qcb0)…(16−5)
Qlb=Ql・Qcb0/(Qca0+Qcb0)…(16−6)
複数の室内機2を一斉制御することにより空気調和エリア21の熱負荷Qlを求める上記の方法は、室内機2が3台以上の場合も同様に制御すればよい。
(目標運転能力の設定方法)
続いて、室内機2の目標運転能力Qm(目標冷房能力Qem、目標暖房能力Qcm)の設定方法について説明する。
まず、室内機2の目標冷房能力Qemの設定方法について説明する。以下では、代表して室内機2aの目標冷房能力Qemaの設定方法について説明する。
図14は、本発明の一実施の形態に係る目標冷房能力Qemaの設定方法の一例を示す説明図である。
図14に示すように、室内機2aの目標冷房能力Qemaを、空気調和エリア21aの熱負荷Qlaと同等と設定する。空気調和システムの冷凍サイクル装置を制御して、室内機2aを連続運転をさせると、時間とともに代表室温Tnaは設定温度Tmaに徐々に近づく(連続動作)。
図15は、本発明の一実施の形態に係る目標冷房能力Qemaの設定方法における別の一例を示す説明図である。
熱負荷の外乱や演算の誤差を想定して、あらかじめ目標冷房能力Qemaを熱負荷Qlaよりも大きめに設定する。図15では、目標冷房能力Qemaを、熱負荷Qlaの1.2倍に設定している。代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが−ΔTより小さくなった場合、室内機2aの冷房能力を0とする。代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが+ΔTより大きくなった場合、室内機2aを目標冷房能力Qemaに設定する(2位置動作)。
図16は、本発明の一実施の形態に係る目標冷房能力Qemaの設定方法におけるさらに別の一例を示す説明図である。
図17に示すように、代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが−ΔT以下となった場合、室内機2aの冷房能力を0とする。代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが+ΔTよりも大きくなった場合、室内機2の目標冷房能力Qemaを例えば熱負荷Qlaの1.5倍に設定する。代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが0より大きく+ΔT以下となった場合、室内機2の目標冷房能力Qemaを例えば熱負荷Qlaの1.3倍に設定する。代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが−ΔTより大きく0以下となった場合、室内機2の目標冷房能力Qemaを例えば熱負荷Qlaの1.1倍に設定する(多位置動作)。
速度動作で、代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが−ΔT/2以下になったら目標冷房能力Qemaの傾きdQema/dtは負の値、代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが+ΔT/2より上昇したら目標冷房能力Qemaの傾きdQema/dtを正の値としてもよい。
図17は、本発明の一実施の形態に係る目標冷房能力Qemaの設定方法におけるさらに別の一例を示す説明図である。
図17及び次式(17−1)に示すように、比例動作、積分動作、微分動作を組み合わせ、室内機2aの目標冷房能力Qemaを設定してもよい(PID動作)。
Qema=Qla+K1(Tna−Tma)+K2∫(Tna−Tma)dt+K3・dTna/dt…(17−1)
次に、室内機2の目標暖房能力Qcmの設定方法について説明する。以下では、代表して室内機2aの目標暖房能力Qcmaの設定方法について説明する。
例えば、室内機2aの目標暖房能力Qcmaを、空気調和エリア21aの熱負荷Qlaと同等と設定してもよい。空気調和システムの冷凍サイクル装置を制御して、室内機2aを連続運転をさせると、時間とともに代表室温Tnaは設定温度Tmaに徐々に近づく(連続動作)。
また例えば、熱負荷の外乱や演算の誤差を想定して、あらかじめ目標暖房能力Qcmaを熱負荷Qlaよりも大きめ(例えば1.2倍)に設定してもよい。代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが+ΔT以上になった場合、室内機2aの暖房能力を0とする。代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが−ΔTより低下した場合、室内機2を目標暖房能力Qcmaに設定する(2位置動作)。
また例えば、代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaに応じて、室内機2aの目標暖房能力Qcmaを多段的に設定してもよい。例えば、代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが+ΔT以上になった場合、室内機2aの暖房能力を0とする。代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが−ΔTより低下した場合、室内機2の目標暖房能力Qcmaを例えば熱負荷Qlaの1.5倍に設定する。代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが−ΔTより大きく0以下となった場合、室内機2の目標暖房能力Qcmaを例えば熱負荷Qlaの1.3倍に設定する。代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが0より大きく+ΔT以下となった場合、室内機2の目標暖房能力Qcmaを例えば熱負荷Qlaの1.1倍に設定する(多位置動作)。
速度動作で、代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが−ΔT/2より低下したら目標暖房能力Qcmaの傾きdQema/dtは正の値、代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが+ΔT/2以上になったら目標暖房能力Qcmaの傾きdQema/dtを負の値としてもよい。
また例えば次式(17−2)に示すように、比例動作、積分動作、微分動作を組み合わせ、室内機2aの目標暖房能力Qcmaを設定してもよい(PID動作)。
Qcma=Qla+K1(Tna−Tma)+K2∫(Tna−Tma)dt+K3・dTna/dt…(17−2)
(冷凍サイクル装置の動作)
続いて、冷凍サイクル動作について説明する。
まず、冷凍運転時における冷凍サイクル装置の動作について説明する。
図1に示すように、冷房運転時、圧縮機4から吐出された冷媒は、四方弁5を介して室外熱交換器6に流入する。室外熱交換器6に流入した冷媒は、室外空気へ放熱して凝縮液化し、液側主管9及び液側分岐管10a,10bを介して膨張弁7a,7bに流入する。膨張弁7a,7bに流入した冷媒は、膨張弁7a,7b開度によって液側分岐管10a,10bの冷媒流量が調整され、室内熱交換器8a,8bに流入する。室内熱交換器8a,8bに流入した冷媒は、空気調和エリア21の空気から吸熱して蒸発した後(空気調和エリア21の空気を冷却した後)、ガス側分岐管12a,12b、ガス側主管11、四方弁5及びアキュムレータ3を通過して、再び圧縮機4に吸入される。
室内熱交換器8a(室内機2a)の冷房能力Qeaは、次式(18−1)のように、冷媒流量Graと室内熱交換器8aの入口と出口のエンタルピ差Δheaの積で求まる。なお、冷媒流量Graは次式(18−2)より求まり、室内熱交換器8aの入口と出口のエンタルピ差Δheaは次式(18−3)より求まる。
Qea=Gra・Δhea…(18−1)
Gra=86.4・Cva{ρa(Pa1−Pa2)}1/2 …(18−2)
Δhea=hea2−hea1…(18−3)
ここで、Cvaは膨張弁7aのCv値、ρaは膨張弁7aへ流入前の冷媒液密度、Pa1は膨張弁7aへ流入前の冷媒圧力、Pa2は膨張弁7aから流出後の冷媒圧力を示す。
なお、膨張弁7aの前後に圧力センサーを備えていない場合、Pa1は吐出圧力センサー19の吐出圧力Pdを使用し、Pa2は吸入圧力センサー20の吸入圧力Psを用いる。Cv値は、膨張弁7aの開度を調節するステッピングモータのパルス数から求める。膨張弁7aに流入前の冷媒液密度ρaは、室外機液管温度センサー30の検出温度と圧力Pa1(Pd)から求める。室内熱交換器8aの入口エンタルピhea1は、室内機液管温度センサー14aの検出温度と吸入圧力センサー20の吸入圧力Psから求める。出口エンタルピhea2は、室内機ガス管温度センサー15aの検出温度と吸入圧力センサー20の吸入圧力Psから求める。
室内熱交換器8b(室内機2b)の冷房能力Qebも、室内熱交換器8aの冷房能力Qeaと同様に、次式(18−4)〜(18−6)により求めることができる。
Qeb=Grb・Δheb…(18−4)
Grb=86.4・Cvb{ρb(Pb1−Pb2)}1/2 …(18−5)
Δheb=heb2−heb1…(18−6)
上述の室内熱交換器8a,8bの冷房能力Qea,Qeb、つまり室内機2a,2bの冷房能力Qea,Qebは、例えば以下のように制御される。
室内熱交換器8a,8bを流れる冷媒の温度は固定し、室内熱交換器8a,8bを流れる冷媒の流量を変更することにより室内機2a,2bの冷房能力Qea,Qebを制御する場合、以下のように制御される。
室内機2aの冷房能力Qeaと目標冷房能力Qemaを比較し、室内機2bの冷房能力Qebと目標冷房能力Qembを比較する。例えば、室内機2aの冷房能力Qeaが目標冷房能力Qemaより大きい場合、室内熱交換器8aの冷媒流量Graを減少させるために膨張弁7aの開度を絞る。そして、室内熱交換器8aの過熱度SHaの目標値を増加させて、膨張弁7aの開度を調節する。
膨張弁7aの開度を絞ると、室内熱交換器8a,8bを流れる冷媒の圧力が低下して蒸発温度は低下する。このため、室内熱交換器8a,8bを流れる冷媒と室内機2a,2bの吸い込み空気との温度差が拡大する。過熱度SHaを拡大させたことにより室内熱交換器8aの出入り口のエンタルピ差Δheaが増加するため、室内機2aの冷房能力Qeaは冷媒流量の低下ΔGraほど減少せず、室内機2bの冷房能力Qebは目標冷房能力Qembより増加傾向になる。そこで、圧縮機4の周波数を落として室内熱交換器8aを流れる冷媒の蒸発温度を上昇させ、室内機2aの冷房能力Qeaを低下させる。
なお、室外熱交換器6を流れる冷媒の凝縮温度は、室外送風機の風量で制御する。室内機2a,2bの冷房能力Qea,Qebが目標冷房能力Qema,Qembより小さいときは、膨張弁7a,7bの開度や圧縮機4の回転数を逆に制御する。
室内熱交換器8a,8bを流れる冷媒の温度を可変とすることにより室内機2a,2bの冷房能力Qea,Qebを制御する場合、以下のように制御される。
室内機2aの冷房能力Qeaと目標冷房能力Qemaを比較し、室内機2bの冷房能力Qebと目標冷房能力Qembを比較する。例えば、冷房能力Qeaが目標冷房能力Qemaより大きい場合、圧縮機4の周波数を落として室内機2aの冷房能力を減少させる。圧縮機4の周波数を低下させると、冷凍サイクル回路内の冷媒循環量は減少する。このため、室内熱交換器8a,8bを流れる冷媒の圧力が上昇して、室内熱交換器8a,8bを流れる冷媒の過熱度SHa,SHbと過冷却度SCa,SCbは小さくなる。また、室外熱交換器6を流れる冷媒の圧力は低下する。そこで、膨張弁7a,7bを絞って過冷却度SCa,SCbを十分に取ることにより、冷凍サイクル回路のCOPを向上させる。そして、室内機2a,2bの冷房能力Qea,Qebが目標冷房能力Qema,Qembになるように、膨張弁7a,7bの開度を調節する。
なお、室内機2a,2bの冷房能力Qea,Qebが目標冷房能力Qema,Qembより小さいときは、膨張弁7a,7bの開度や圧縮機4の回転数を逆に制御する。
次に、暖房運転時における冷凍サイクル装置の動作について説明する。
暖房運転時は、圧縮機4から吐出された冷媒が室内熱交換器8a,8bへ流入する方向に、四方弁5を切り替える。
圧縮機4から吐出された冷媒は、四方弁5、ガス側主管11、ガス側分岐管12a,12bを介して室内熱交換器8a,8bへ流入する。室内熱交換器8a,8bへ流入した冷媒は、空気調和エリア21の空気へ放熱して凝縮液化し(空気調和エリア21の空気を加熱し)、液側分岐管10a,10bを介して膨張弁7a,7bに流入して減圧される。膨張弁7a,7bの開度によってガス側分岐管12a,12bの冷媒流量は調整される。膨張弁7a,7bで減圧された低圧の冷媒は、室外熱交換器6へ流入する。室外熱交換器に流入した冷媒は、室外空気から吸熱した後、四方弁5及びアキュムレータ3を通過して、再び圧縮機4に吸入される。
室内熱交換器8a(室内機2a)の冷房能力Qeaは、次式(19−1)のように、冷媒流量Graと室内熱交換器8aの入口と出口のエンタルピ差Δhcaの積で求まる。なお、冷媒流量Graは次式(19−2)より求まり、室内熱交換器8aの入口と出口のエンタルピ差Δheaは次式(19−3)より求まる。
Qca=Gra・Δhca…(19−1)
Gra=86.4・Cva{ρa(Pa1−Pa2)}1/2 …(19−2)
Δhca=hca1−hca2…(19−3)
ここで、Cvaは膨張弁7aのCv値、ρaは膨張弁7aへ流入前の冷媒液密度、Pa1は膨張弁7aへ流入前の冷媒圧力、Pa2は膨張弁7aから流出後の冷媒圧力を示す。
なお、膨張弁7aの前後に圧力センサーを備えていない場合、Pa1は吐出圧力センサー19の吐出圧力Pdを使用し、Pa2は吸入圧力センサー20の吸入圧力Psを用いる。Cv値は、膨張弁7aの開度を調節するステッピングモータのパルス数から求める。膨張弁7aに流入前の冷媒液密度ρaは、室内機液管温度センサー14aの検出温度と圧力Pa1(Pd)から求める。室内熱交換器8aの入口エンタルピhca1は、室内機ガス管温度センサー15aの検出温度と吐出圧力センサー19の吐出圧力Pdから求める。出口エンタルピhca2は、室内機液管温度センサー14aの検出温度と吐出圧力センサー19の吐出圧力Pdから求める。
室内熱交換器8b(室内機2b)の暖房能力Qcbも、室内熱交換器8aの暖房能力Qcaと同様に、次式(19−4)〜(19−6)により求めることができる。
Qcb=Grb・Δhcb…(19−4)
Grb=86.4・Cvb{ρb(Pb1−Pb2)}1/2 …(19−5)
Δhcb=hcb1−hcb2…(19−6)
上述の室内熱交換器8a,8bの暖房能力Qca,Qcb、つまり室内機2a,2bの暖房能力Qca,Qcbは、例えば以下のように制御される。
室内熱交換器8a,8bを流れる冷媒の温度は固定し、室内熱交換器8a,8bを流れる冷媒の流量を変更することにより室内機2a,2bの暖房能力Qca,Qcbを制御する場合、以下のように制御される。
室内機2aの暖房能力Qcaと目標暖房能力Qcmaを比較し、室内機2bの暖房能力Qcbと目標暖房能力Qcmbを比較する。例えば、室内機2aの暖房能力Qcaが目標暖房能力Qcmaより大きい場合、室内熱交換器8aの冷媒流量Graを減少させるために膨張弁7aの開度を絞る。そして、室内熱交換器8aの過冷却度SCaの目標値を増加させて、膨張弁7aの開度を調節する。
膨張弁7aの開度を絞ると、室内熱交換器8a,8bを流れる冷媒の圧力が上昇して凝縮温度は低下する。このため、室内熱交換器8a,8bを流れる冷媒と室内機2a,2bの吸い込み空気との温度差が拡大する。過冷却度SCaを拡大させたことにより室内熱交換器8aの出入り口のエンタルピ差Δhcaが増加するため、室内機2aの暖房能力Qcaは冷媒流量の低下ΔGraほど減少せず、室内機2bの暖房能力Qcbは目標暖房能力Qcmbより増加傾向になる。そこで、圧縮機4の周波数を落として室内熱交換器8aを流れる冷媒の凝縮温度を低下させ、室内機2aの暖房能力Qcaを低下させる。
なお、室外熱交換器6を流れる冷媒の蒸発温度は、室外送風機の風量で制御する。室内機2a,2bの暖房能力Qca,Qcbが目標暖房能力Qcma,Qcmbより小さいときは、膨張弁7a,7bの開度や圧縮機4の回転数を逆に制御する。
室内熱交換器8a,8bを流れる冷媒の温度を可変とすることにより室内機2a,2bの暖房能力Qca,Qcbを制御する場合、以下のように制御される。
室内機2aの暖房能力Qcaと目標暖房能力Qcmaを比較し、室内機2bの暖房能力Qcbと目標暖房能力Qcmbを比較する。例えば、暖房能力Qcaが目標暖房能力Qcmaより大きい場合、圧縮機4の周波数を落として室内機2aの暖房能力を減少させる。圧縮機4の周波数を低下させると、冷凍サイクル回路内の冷媒循環量は減少する。このため、室内熱交換器8a,8bを流れる冷媒の圧力が低下して、室内熱交換器8a,8bを流れる冷媒の過熱度SHa,SHbと過冷却度SCa,SCbは小さくなる。また、室外熱交換器6を流れる冷媒の圧力は上昇する。そこで、膨張弁7a,7bを絞って過冷却度SCa,SCbを十分に取ることにより、冷凍サイクル回路のCOPを向上させる。そして、室内機2a,2bの暖房能力Qca,Qcbが目標暖房能力Qcma,Qcmbになるように、膨張弁7a,7bの開度を調節する。
なお、室内機2a,2bの暖房能力Qca,Qcbが目標暖房能力Qcma,Qcmbより小さいときは、膨張弁7a,7bの開度や圧縮機4の回転数を逆に制御する。
以上のように構成された空気調和システムにおいては、無線計測端末24の検出温度に基づいて空気調和エリア21の代表室温Tnを求め、代表室温Tnから空気調和エリア21の熱負荷Qlを演算し、室内機2の運転能力が熱負荷Qlに見合った運転能力となるように冷凍サイクル装置を制御する。このため、空気調和エリア21が低負荷の場合、室内機2の運転能力を従来の空気調和システムよりも低能力に制御できる。したがって、冷凍サイクル装置のCOPが増加し、膨張弁7a,7bのON−OFFによる冷凍サイクル装置の起動ロスが減少し、空気調和システムを省エネルギー化できる。また、室内機2からの吹き出し空気温度のハンチングが減少し、空気調和エリア21の快適性が向上する。
室内機2と人の存在位置(机の位置)は常に1対1で対応しているわけではない。例えば共通空気調和エリア21abに人が存在している場合もある。このとき、室内機2a,2b共通の空気調和エリア21abの代表室温Tnabを代表室温Tnとすれば、室内機2a,2bの近くでなくても温度制御が可能となり、空気調和エリア21abの快適性が向上する。
室外機1に設けられた外気温センサー17の検出温度が一定値以上変化した場合、人の入退出記録により空気調和エリア21内の人数の増減が認められた場合、空気調和エリア21内の照明器具やOA機器が運転(停止)した場合、日射センサーにより日射量の変化が観測された場合等、熱負荷の変動が予想される場合に熱負荷演算モードを実施することにより、空気調和エリア21の熱負荷の演算精度が向上する。これにより、空気調和システムを小エネルギー化できる。また、空気調和エリア21の快適性が向上する。
室内機2の目標運転能力Qmを空気調和エリア21の熱負荷Qlより大きい値に設定することにより、空気調和エリア21の熱負荷に変動や誤差があった場合でも、代表室温Tnを設定温度Tmに制御でき、空気調和エリア21の快適性が向上する。
室内機2に無線の通信手段を設け、室内機2と無線計測端末24とを通信可能とすることにより、室内機2と無線計測端末24との位置関係が検出可能になる。設定端末23に無線の通信手段を備え、設定端末23と無線計測端末24とを通信可能とすることにより、既存の空調機への無線計測端末24の設置が容易となり、メンテナンス性も向上する。
室内機2から最も距離の近い無線計測端末24の検出温度をこの室内機2の空気調和エリア21の代表室温Tnとする場合、その無線計測端末24近辺の温度を特に正確に制御できる。また、各室内機2が担う空気調和エリア21の温度を正確に捉えることができる。また、制御内容が容易であり、温度帯が異なる複数の部屋に室内機2が設置された場合でも、各部屋の空気調和が可能となる。室内機2と無線計測端末24の対応付けを自動的に行う機能を備えることにより、様々な室内機2の配置に対応でき、無線計測端末24の設置作業や設定作業が容易となる。
複数の室内機2a,2bの空気調和エリア21a,21bの両方を網羅する温度の近似式を演算して、空気調和エリア21a,21bの代表室温Tna,Tnbを求めることにより、無線計測端末24a,24bを空気調和エリア21a,21b内のどこに設置しても、空気調和エリア21a,21bの代表室温Tna,Tnbを求めることができる。これにより、空気調和システムの使い勝手が向上する。また、無線計測端末24により計測された複数の温度データを用いるため、空気調和システムの安定した制御が可能になる。複数の無線計測端末24によって空気調和エリア21a,21bごとに温度の近似式を作成する場合、代表室温Tnの計算精度が向上する。無線計測端末24が無い場所を空調したい場合でも、その地点(代表点)の位置情報を温度の近似式に入力することによって、その地点の代表室温を求めることができる。このため、その地点付近の空気調和が可能となり、その地点付近の快適性が向上する。
1個の無線計測端末24と室内機の吸い込み空気温度から代表室温を求める場合、空気調和システムのコストを削減できる。また、無線計測端末24の設置が容易になる。一台の室内機2の吸い込み空気温度から無線計測端末24の検出温度を引いた温度差ΔTuaを求め、各室内機2の吸い込み空気温度から温度差ΔTuaを引いた温度を各室内機2が空気調和する空気調和エリアの代表室温Tnとする場合、代表室温Tnを求める演算が少ないため、制御部を安価なものにできる。吸い込み空気温度の近似式を演算して代表室温Tnを求める場合、様々な場所(代表点)の代表室温tnを求めることができ、室内機2の空気調和精度が向上する。ΔTua’及びΔTub’を予め計測し、ΔTua’及びΔTub’とΔTuaとの関係から代表室温を求める場合、建物の構造や室内機の設置場所等によって予測が困難な空気調和エリアの温度分布を実測で補正できる。
任意の場所に設置した無線計測端末24の検出温度に基づいてペリメータゾーンの日射を自動認識することにより、日射が人に当たると気温以上に暖かく感じるという温冷感を考慮して能力を補正することができ、ベリメータゾーンの快適性が向上する。日射のあるペリメータゾーンに無線計測端末24を設置した場合、確実に日射の影響を制御に反映でき、ベリメータゾーンの快適性が向上する。各代表室温Tna,Tnbの比較から日射の有無を判定すれば、無線計測端末24の個数に関係なくペリメータゾーンの判定が可能になる。無線計測端末24の検出温度をそのまま日射の判定に用いる場合、無線計測端末24の個数が多いほど、ペリメータゾーンの判定精度が向上する。
各室内機2の空気調和エリア21内の温度分布を測定(推算)し、空気吹き出し口からの風向や風量を制御することによって、局所的に空気調和することができる。このため、空気調和システムの消費電力量を削減するとともに、空気調和エリア21の快適性が向上する。室内機2a,2bからの風向や風量を制御して共通空気調和エリア21abの空気調和を行うことにより、空気調和エリア21内の温度分布を効率よく縮小でき、空気調和エリア21の快適性が向上する。空気調和エリア21の上下温度差ΔTua、ΔTubによって空気吹き出し口の気流を制御する場合、天井に滞留した冷気や暖気を人がいる空間へ送風できるため、空気調和システムの省エネルギー化を図ることができる。また、普段は気流を人に当てないように、吹き出し口の気流を水平向きにすることで、空気調和エリア21の快適性が向上する。
空気調和エリア21内に高負荷なエリアがある場合は、隣り合う複数の室内機2を連動運転させることで、早急に高負荷なエリアの温度調節をすることができる。このため、空気調和エリア21の快適性が改善する。また、一台の室内機2で高負荷なエリアを空気調和するよりも、複数台の室内機2で高負荷なエリアを空気調和するほうが、冷凍サイクル装置のCOPが向上する。運転中における空気調和システムへの入力は増加するが、この入力の増加分以上に空気調和システム(室内機2)の運転率を低減できるので、空気調和システムの消費電力量の削減につながる。
人感センサーと無線計測端末24を併用した場合、人の居場所付近を狙って空気調和できるので、人の不在領域を無駄に冷やす(暖める)ことがなくなる。このため、空気調和システムの消費電力量を削減できる。また、人の居場所を重点的に空気調和するため、人の居場所付近の温度を設定温度にするまでの時間が短縮し、人の居場所付近の快適性が向上する。
湿度センサー、風速センサー、グローブ温度計等を設けて、快適性指標SET*やPMVを演算して能力制御することで、空気温度以外のパラメータ(湿度、風速、着衣、代謝熱生産量、平均放射温度)から人が受ける温冷感を反映でき、空気調和エリア21の快適性が向上する。
サーバー、食品、薬品のような温度管理対象物27がある場合、温度管理対象物27の温度を直接計測して空調管理することにより、周囲空気の冷やしすぎや温めすぎを抑制できる。このため、空気調和システムの消費電力量を削減でき、温度管理対象物27の品質管理も改善する。遠隔監視装置101への通報機能を備えることによって、温度管理対象物27に被害が出る前に異常温度を検知できる。無線計測端末24の電池残量を遠隔監視装置101に通報することにより、無線計測端末24のメンテナンスを確実に実施できる。無線計測端末24で検出した温度をグラフ表示する機能やデータ保存する機能を監視装置100や遠隔監視装置101に設けることで、異常原因の分析に役立つ。
なお、本実施の形態では、空気調和エリア21に複数の室内機2(室内機2a,2b)を設けた場合について説明した。これに限らず、各部屋に1つの室内機2を設ける場合のように、空気調和エリア21を1つの室内機2で空気調和する場合でも、本発明を実施することはもちろん可能である。
1 室外機、2a 室内機、2b 室内機、3 アキュムレータ、4 圧縮機、5 四方弁、6 室外熱交換器、7a 膨張弁、7b 膨張弁、8a 室内熱交換器、8b 室内熱交換器、9 液側主管、10a 液側分岐管、10b 液側分岐管、11 ガス側主管、12a ガス側分岐管、12b ガス側分岐管、13a 吸い込み空気温度センサー、13b 吸い込み空気温度センサー、14a 室内機液管温度センサー、14b 室内機液管温度センサー、15a 室内機ガス管温度センサー、15b 室内機ガス管温度センサー、16a 室内機制御箱、16b 室内機制御箱、17 外気温センサー、18 室外機制御箱、19 吐出圧力センサー、20 吸入圧力センサー、21 空気調和エリア、22 天井裏、23a 設定端末、23b 設定端末、24a 無線計測端末、24b 無線計測端末、24c 無線計測端末、24d 無線計測端末、25 床、26 机、27 温度管理対象物、28 通信線、30 室外機液管温度センサー、100 監視装置、101 遠隔監視装置、102 通信手段。

Claims (20)

  1. 室外機に複数の室内機が接続された空気調和システムであって、
    室外熱交換器、容量可変形の圧縮機、前記室内機のそれぞれに設けられた複数の室内熱交換器、前記室内熱交換器に流れる冷媒量を調整する冷媒流量制御装置、前記室外熱交換器に空気を送る室外送風機、及び前記室内熱交換器に空気を送る室内送風機、を有する冷凍サイクル装置と、
    温度センサーを有し、空気調和空間に設けられた少なくとも1つの無線計測端末と、
    を備え、
    前記無線計測端末の検出温度に基づいて、前記空気調和空間の代表室温を求め、
    前記室内機の運転能力を所定の運転能力に設定し、前記代表室温が前記室内機の設定温度から所定の温度差範囲となるように、前記室内機の運転及び停止を行う2位置動作を行い、
    該2位置動作における前記室内機の運転状態から、前記空気調和空間の熱負荷を演算し、
    前記空気調和空間の熱負荷に基づいて前記室内機の目標運転能力を設定し、
    前記室内機の運転能力が該目標運転能力となるように、前記冷凍サイクル装置を制御することを特徴とする空気調和システム。
  2. 前記2位置動作における前記室内機の運転率を求め、
    前記室内機の該運転率と前記2位置動作における前記室内機の運転能力とに基づいて、前記空気調和空間の熱負荷を演算することを特徴とする請求項1に記載の空気調和システム。
  3. 前記2位置動作において、
    前記室内機を運転している状態で、前記代表室温が前記設定温度から所定の温度差範囲となっている時間t1’と、
    前記室内機の運転を停止している状態で、前記代表室温が前記設定温度から所定の温度差範囲となっているt2’と、
    を求め、
    t1’/(t1’+t2’)の値と前記2位置動作における前記室内機の運転能力とに基づいて、前記空気調和空間の熱負荷を演算することを特徴とする請求項1に記載の空気調和システム。
  4. 前記空気調和空間の熱負荷の演算は、
    前記冷凍サイクル装置の起動時、前記冷凍サイクル装置が起動してから所定時間経過毎、及び前記空気調和空間の熱負荷の変動が予想される場合、のうち少なくとも1つの場合に実施されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の空気調和システム。
  5. 前記空気調和空間の熱負荷の変動が予想される場合とは、
    外気温が一定値以上変化した場合、前記空気調和空間に存在する人の数の増減が認められた場合、前記空気調和空間に設けられた照明器具又はOA機器の運転状態が変化した場合、及び前記空気調和空間の日射量が変化した場合、のうちの少なくとも1つの場合であることを特徴とする請求項4に記載の空気調和システム。
  6. 前記室内機の目標運転能力を、前記空気調和空間の熱負荷よりも大きい値に設定することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の空気調和システム。
  7. 前記空気調和空間に複数の前記無線計測端末を設け、
    前記室内機との距離が最短となる前記無線計測端末の検出温度を前記代表室温とすることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の空気調和システム。
  8. 前記空気調和空間に複数の前記無線計測端末を設け、
    前記無線計測端末のそれぞれに対し、前記空気調和空間の所定の代表点を基準とした位置座標を定め、
    前記無線計測端末の位置座標を説明変数とし、前記無線計測端末の検出温度を目的変数として回帰分析をすることにより温度の近似式を求め、
    該温度の近似式に基づき前記代表室温を求めることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の空気調和システム。
  9. 前記空気調和空間に複数の前記無線計測端末を設け、
    前記無線計測端末のそれぞれに対し、前記空気調和空間の所定の代表点からの距離を求め、
    前記無線計測端末の計測温度を前記距離の逆数で重みづけしたものに基づいて、前記代表室温を求めることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の空気調和システム。
  10. 前記室内機に、人の位置を検出する人感センサーを設け、
    人と一定の距離内にある前記無線計測端末の検出温度に基づいて、前記代表室温を求めることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の空気調和システム。
  11. 前記室内熱交換器の空気吸い込み側に吸い込み空気温度センサーを設け、
    前記無線計測端末の検出温度と前記吸い込み空気温度センサーの検出温度とに基づいて、前記代表室温を求めることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の空気調和システム。
  12. 前記室内機の空気吹き出し口は、少なくとも該空気吹き出し口からの気流を変更可能な構成となっており、
    前記空気調和空間内の高温部及び低温部を検出可能な場合、
    冷房運転時においては、前記空気調和空間内の高温部に前記空気吹き出し口からの気流を向け、
    暖房運転時においては、前記空気調和空間内の低温部に前記空気吹き出し口からの気流を向けることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の空気調和システム。
  13. 前記空気調和空間には、複数の前記室内機が設けられ、
    前記空気調和空間の前記代表室温を、前記室内機の空気調和範囲毎に求め、
    前記空気調和空間の熱負荷を、前記室内機の空気調和範囲毎に求め、
    前記目標運転能力を、前記室内機毎に設定することを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の空気調和システム。
  14. 前記空気調和空間には、複数の前記室内機が設けられ、
    複数の前記室内機の空気調和範囲には、各々の前記空気調和範囲が互いに重なり合う共通空気調和範囲が存在し、
    前記空気調和空間の該共通空気調和範囲における前記代表室温を求め、
    前記空気調和空間の熱負荷を、前記共通空気調和範囲の代表室温に基づいて、前記室内機の空気調和範囲毎に求め、
    前記目標運転能力を、前記室内機毎に設定することを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の空気調和システム。
  15. 前記室内機のそれぞれの空気吹き出し口は、該空気吹き出し口からの気流及び風量を変更可能な構成となっており、
    複数の前記室内機の空気調和範囲には、各々の前記空気調和範囲が互いに重なり合う共通空気調和範囲が存在し、
    前記空気調和空間の該共通空気調和範囲における前記代表室温を求め、
    前記共通空気調和範囲の設定温度を、複数の前記室外機の設定温度の平均値として求め、
    前記共通空気調和範囲の前記代表温度と前記共通空気調和範囲の前記設定温度との温度差に基づいて、前記共通空気調和範囲への風量を制御することを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の空気調和システム。
  16. 前記室内機の空気調和範囲を空気調和するのに運転能力が不足する前記室内機がある場合、
    運転能力が不足する該室内機と隣接する前記室内機のうちの少なくとも1つを、強制的に運転することを特徴とする請求項13〜請求項15のいずれか一項に記載の空気調和システム。
  17. 前記室内機は無線通信手段を備え、
    前記室内機と前記無線計測端末とを無線通信可能としたことを特徴とする請求項1〜請求項16のいずれか一項に記載の空気調和システム。
  18. 前記設定温度を設定する設定端末を設け、
    該設定端末は無線通信手段を備え、
    前記設定端末と前記無線計測端末とを無線通信可能としたことを特徴とする請求項1〜請求項16のいずれか一項に記載の空気調和システム。
  19. 前記空気調和空間に、前記無線計測端末と無線通信可能な固定基地を設け、
    該固定基地が前記無線計測端末から受信する電波の強度及び伝播遅延時間の少なくとも一方に基づいて、前記無線計測端末の位置を検出することを特徴とする請求項8に記載の空気調和システム。
  20. 前記無線計測端末に、湿度センサー、風速センサー、グローブ温度計及び日射センサーのうちの少なくとも1つを設け、
    前記無線計測端末の位置におけるSET*又はPMVを演算する演算手段を設け、
    該演算手段の演算結果に基づいて、前記空気吹き出し口からの気流を制御することを特徴とする請求項12又は請求項15に記載の空気調和システム。
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