JP2010261617A - 空気調和システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】無線計測端末24a,24bの検出温度に基づいて空気調和エリア21a,21bの代表室温を求め、室内機2a,2bの運転能力を所定の運転能力に設定し、代表室温が室内機の設定温度から所定の温度差範囲となるように、室内機24a,24bの運転及び停止を行う2位置動作を行い、2位置動作における室内機2a,2bの運転状態から空気調和エリア21a,21bの熱負荷を演算し、空気調和エリア21a,21bの熱負荷に基づいて室内機2a,2bの目標運転能力を設定し、室内機2a,2bの運転能力が目標運転能力となるように前記冷凍サイクル装置を制御する。
【選択図】図2
Description
また例えば、特許文献2では、空気調和エリアの温度と外気温度との温度差で空気調和エリアの熱負荷が変化することを考慮し、室内熱交換器に流れる冷媒の温度を変化させる空気調和システムが提案されている。
また例えば、従来の空気調和システムは空気調和エリア温度を検出するセンサーが室内機の内部に設置されているために実際の空気調和エリア温度と異なる温度を検出しているという問題点に鑑み、特許文献3では、空気調和エリアに温度センサー(無線計測端末)を配置して制御対象の位置における環境状態を推定することのできる空気調和システムが示されている。また、特許文献4では、無線通信の受信電波強度や電波伝播遅延時間等を用い、三角測量により無線計測端末の位置を決定し、さらに無線計測端末の位置の誤差を修正するものが示されている。
また、上記従来の空気調和システム(例えば特許文献3参照)では空気調和エリアの温度、湿度、CO2濃度分布の計測や無線計測端末の位置検知はできるが、空気調和エリアの熱負荷を求めることまでは示されていない。また、空気調和システムの制御に関しては、運転と停止を指定するに留まっている。
したがって、従来の空気調和システムでは、空気調和システムの省エネルギー化及び空気調和エリアの快適性の向上の双方を実現させたものが依然として存在しないという問題点があった。
このため、空気調和エリアが空気調和システムの省エネルギー化及び空気調和エリアの快適性の向上を実現させることが可能な空気調和システムを得ることができる。
室外機1には、外気温センサー17、室外機液管温度センサー30、室外機制御箱18が設けられている。また、室外機1の圧縮機4には、吐出側に吐出圧力センサー19、吸入側に吸入圧力センサー20が設けられている。なお、室外機液管温度センサー30は室外熱交換器6と膨張弁7a,7bとの間であればどこに設置してもよい。
ここで、空気調和エリア21が、本発明の空気調和空間に相当する。
ここで、空気調和エリア21a,21bが、本発明の空気調和範囲に相当する。
続いて、本実施の形態に係る空気調和システムの動作について説明する。本実施の形態に係る空気調和システムは、無線計測端末24に設けられた温度センサーの検出温度に基づき、空気調和エリア21の代表室温を求める。そして、この代表室温に基づいて空気調和エリア21の熱負荷を演算し、この熱負荷に基づいて室内機2の目標運転能力を設定する。そして、室内機2の運転能力がこの目標運転能力になるように、空気調和システムの冷凍サイクル装置を動作させる。
以下では、代表室温の決定方法、熱負荷の演算方法(熱負荷演算モード)、目標運転能力の設定方法、冷凍サイクル装置の動作、の順で説明していく。
まず、代表室温の決定方法について説明する。
設定端末23aは、室内機2aの運転停止、運転モード、風量、室温が設定できる。同様に、設定端末23bは、室内機2bの運転停止、運転モード、風量、室温が設定可能となっている。これら各設定は設定端末23a,23b内でメモリへ保存されて空調機本体へと送られる。
制御部において、次式(1−1)のように、無線計測端末24aの検出温度Tlaを室内機2aの代表室温Tnaとする。
Tna=Tla…(1−1)
また、次式(1−2)のように、無線計測端末24bの検出温度Tlbを室内機2bの代表室温Tnbとする。
Tnb=Tlb…(1−2)
図9では、2台以上の無線計測端末24a,24bを空気調和エリア21内の自由な場所に設置して、無線計測端末24a,24bの検出温度Tla、Tlbと位置座標から代表室温Tna,Tnbを演算している。
T=α+β・x+γ・y…(2−1)
ここで、α、β、γは回帰係数である。
Tna=α+β・x2a+γ・y2a…(2−2)
また、式(2−1)に空気調和エリア21bの中央座標(x2b,y2b)(例えば室内機2bの下方)を代入すれば、空気調和エリア21bの代表室温Tnbは次式(2−3)のように求められる。
Tnb=α+β・x2b+γ・y2b…(2−3)
Ta=αa+βa・x+γa・y…(3−1)
ここで、αa、βa、γaは回帰係数である。
Tna=αa+βa・x2a+γa・y2a…(3−2)
Tb=αb+βb・x’+γb・y’…(3−3)
Tnb=αb+βb・x2b+γb・y2b…(3−4)
Ia=1/La…(4−1)
Ib=1/Lb…(4−2)
Ic=1/Lc…(4−3)
Id=1/Ld…(4−4)
Tna=(Tla・Ia+Tlb・Ib+Tlc・Ic)/(Ia+Ib+Ic)…(4−5)
Tnb=(Tlb・Ib+Tlc・Ic+Tld・Id)/(Ib+Ic+Id)…(4−6)
無線計測端末24aを室内機2aの空気調和エリア21a内に設置した場合、次式(5−1)のように、代表室温Tnaは無線計測端末24aの検出温度Tlaをそのまま用いる。
Tna=Tla…(5−1)
ΔTua=(13aの温度)−Tla…(5−2)
室内機2bの空気調和エリアにも温度差ΔTuaが生じると仮定し、室内機2bの代表室温Tnbは室内機2bの吸い込み空気温度センサー13bからΔTuaを引いた値とする(次式(5−3))。
Tnb=(13bの温度)−ΔTua…(5−3)
なお、温度差ΔTuaは、自然対流の影響、室内機の吹き出し口の形状、風量、空気調和エリアに滞在する人数、OA機器や照明、窓からの日射、室内機の設置状況等に応じて変化する。
具体的には、吸い込み空気温度センサー13aの位置を原点としたxy座標において吸い込み空気温度センサー13a,13bの位置座標を求める。これら吸い込み空気温度センサー13a,13bの位置座標と吸い込み空気温度センサー13a,13bの検出温度から、吸い込み空気温度の近似式T13を求める(次式(6−1))。
T13=α13+β13・x+γ13・y…(6−1)
T13la=α13+β13・xa+γ13・ya…(6−2)
ΔTua=T13la−Tla…(6−3)
Tna=(13aの検出温度)−ΔTua…(6−4)
Tnb=(13bの検出温度)−ΔTua…(6−5)
T13’=α13+β13・x+γ13・y−ΔTua…(6−6)
Tna=α13+β13・x2a+γ13・y2a−ΔTua…(6−7)
Tnb=α13+β13・x2b+γ13・y2b−ΔTua…(6−8)
まず、無線計測端末24aを室内機2aの空気調和エリア21aに設置したときの検出温度Tlaと吸い込み空気温度センサー13aの検出温度との温度差ΔTua’を計測する。同条件にて、無線計測端末24aを室内機2bの空気調和エリアに設置したときの検出温度Tlaと吸い込み空気温度センサー13bの検出温度との温度差ΔTub’を計測する。なお、ΔTua’とΔTub’の関係をあらかじめ求め設定してもよい。
Tnb=(13bの検出温度)−ΔTub…(7−1)
ΔTub=ΔTua・ΔTub’/ΔTua’…(7−2)
なお、ΔTuaは式(5−2)又は式(6−3)のいずれを使用してもよい。ΔTubの演算はΔTuaとΔTua’とΔTub’の関係が表せればよく、ΔTubの式は式(7−2)に限らない。
冷房運転時 ΔTb=C1(Tnb−Tmb)…(8−1)
暖房運転時 ΔTb=C2(Tnb−Tmb)…(8−2)
C1>1、0≦C2≦1
つまり、このΔTbを用いて、後述する冷凍サイクル装置の運転を行っている。
例えば、室内機2a,2bの吸い込み空気温度センサー13a,13bの検出温度を用いてもよい。例えば、無線計測端末24aの検出温度を比較して、例えば室内機2bの空気調和エリア21bにある無線計測端末24が無線計測端末24の平均値よりも一定値以上高温となっている場合、空気調和エリア21b側がペリメータゾーンとなっていると判定してもよい。例えば、温度の近似式T,Ta,Tb,T13’から高温部を求めてペリメータゾーンを判定してもよい。例えば、時間や天気情報と無線計測端末24の温度データとを同期させて、晴天の昼間に無線計測端末24の温度や吸い込み空気温度センサー13の検出温度が高温になったらペリメータゾーンになっていると判定してもよい。例えば、無線計測端末24に日射センサーを設け、日射センサーの値からペリメータゾーンになっているかを直接判定してもよい。また、ペリメータゾーンの室内機2を判別したら、温度差ΔTbの補正だけでなく風量を増加したり風向をペリメータゾーン側へ向けてもよい。
例えば、無線計測端末24aと空気調和エリア21aの中央点との距離をL1、無線計測端末24aと空気調和エリア21bの中央点との距離をL2、基準の一定距離をLとする。
L1とL2が0以上L以下の範囲となる場合、次式(9−1),(9−2)から代表室温Tna,Tnbを求める。
Tna=Tla(1−L1/L)+13a(L1/L)…(9−1)
Tnb=Tla(1−L2/L)+13b(L2/L)…(9−2)
L1とL2がLより大きい範囲となる場合、次式(9−3),(9−4)のように、吸い込み空気温度センサー13a,13bの検出温度をTna,Tnbとする。
Tna=(13aの検出温度)…(9−3)
Tnb=(13bの検出温度)…(9−4)
以下では、空気調和エリア21aと21bが重なる共通空気調和エリア21abの代表室温Tnabの求め方について説明する。ここで、共通空気調和エリア21abが、本発明の共通空気調和範囲に相当する。
Tnab=(Tlb+Tlc)/2…(10−1)
Tnab=T(xab,yab)=α+β・xab+γ・yab…(10−2)
Tnab=Ta(xab,yab)=αa+βa・xab+γa・yab…(10−3)
Tnab=Tb(xab,yab)=αb+βb・xab+γb・yab…(10−4)
Tnab=T13’(xab,yab)=α13+β13・xab+γ13・yab−ΔTua…(10−5)
Tmab=(Tma+Tmb)/2…(10−6)
ΔTab=Tnab−Tmab…(10−7)
本実施の形態では、室内機2a,2bの空気調和エリア21a,21bで高温部と低温部を探索し、冷房運転時は高温部に気流を向け、暖房運転時は低温部に気流を向ける。高温部と低温部の探索は、複数の無線計測端末24から判定している。高温部と低温部は、温度の近似式T、Ta,Tb、T13’から求めてもよい。
ΔTua=(13aの検出温度)−Tna…(11−1)
ΔTub=(13aの検出温度)−Tnb…(11−2)
Ra=Qea/Qea0…(12−1)
Rb=Qeb/Qeb0…(12−2)
室内機2a,2bである一定の冷房能力Qe(室内機2a,2b双方で空気調和エリア21を冷房する能力)を出す際、能力比率Ra,Rbに偏りがある運転状態よりも、能力比率Ra,Rbが同程度の運転状態のほうが効率がよい。
ΔTaとΔTbが同程度の値になったら室内機2a,2bの空気吹き出し口の風向を元の状態に戻し、図6のように空気調和エリア21aと21bの大きさを同一にする。
例えば、図6に示す位置に人が存在する場合、人の居場所に最も近い無線計測端末24aの検出温度Tlaを代表室温Tnaとしてもよい。複数の人々を検知した場合、人に近い無線計測端末24をそれぞれ抽出し、これら無線計測端末24の検出温度と位置座標から、前述の温度の近似式等を使用して代表室温Tnaを演算してもよい。
次に、空気調和エリア21a,21bの熱負荷Qla,Qlbを演算する方法について説明する。
図13は、本発明の一実施の形態に係る熱負荷の演算方法を示す説明図である。この図13を用いて、冷房運転時における空気調和エリア21aの熱負荷Qlaを演算する方法を説明する。室内機2aは、所定の冷房能力Qeaで空気調和エリア21aを冷房する。そして、代表室温Tnaが設定温度Tmaに対して−ΔT0より低下した場合、膨張弁7aを閉じて室内機2aの冷房能力を0とする。その後、代表室温Tnaが徐々に上昇してTma+ΔT0以上となった場合、膨張弁7aを開いて、冷房能力Qeaで空気調和エリア21aを再び冷房する。つまり、冷房運転時における空気調和エリア21aの熱負荷Qlaを演算するため、空気調和システムは膨張弁7aの2位置動作(開閉動作)を行う。
なお、膨張弁7aを閉じて室内機2aの冷房能力を0とする際、同時に圧縮機4を停止させてもよい。
va=t1a/(t1a+t2a)…(13−1)
そして、室内機2aの運転率vaと冷房能力Qeaを用い、空気調和エリア21aの熱負荷Qlaを求める(次式(13−2))。
Qla=Qea・va…(13−2)
そして、2位置動作中のON時間t1bとOFF時間t2bにより、次式(13−3)で室内機2bの運転率vbを求める。
vb=t1b/(t1b+t2b)a…(13−3)
そして、室内機2bの運転率vbと冷房能力Qebを用い、空気調和エリア21bの熱負荷Qlbを求める(次式(13−4))。
Qlb=Qeb・vb…(13−4)
そして、2位置動作中のON時間t1aとOFF時間t2aにより、次式(14−1)で室内機2aの運転率vaを求める。
va=t1a/(t1a+t2a)…(14−1)
そして、室内機2aの運転率vaと冷房能力Qcaを用い、空気調和エリア21aの熱負荷Qlaを求める(次式(14−2))。
Qla=Qca・va…(14−2)
そして、2位置動作中のON時間t1bとOFF時間t2bにより、次式(14−3)で室内機2bの運転率vbを求める。
vb=t1b/(t1b+t2b)…(14−3)
そして、室内機2bの運転率vbと冷房能力Qcbを用い、空気調和エリア21bの熱負荷Qlbを求める(次式(14−4))。
Qlb=Qcb*vb…(14−4)
空気調和エリア21aの熱負荷Qlaは、隣接する空気調和エリア21bの温度や気流等の影響も受ける。このため、空気調和エリア21bの代表室温Tnbが目標室温Tmbに近い状態で空気調和エリア21aの熱負荷演算モードを行うほうが演算精度がよい。したがって、空気調和エリア21a,21bの熱負荷演算モードを同時に実施してもよい。
上記のON時間t1a及びOFF時間t2aに代えて、これらON時間t1a’及びOFF時間t2a’を用い、冷房運転時における空気調和エリア21の熱負荷Qlを求める。
上記のON時間t1a及びOFF時間t2aに代えて、これらON時間t1a’及びOFF時間t2a’を用い、暖房運転時における空気調和エリア21の熱負荷Qlを求める。
vab=t1ab/(t1ab+t2ab)…(15−1)
そして、運転率vabと室内機2a,2bの冷房能力Qea,Qebから、空気調和エリア21aの熱負荷Qlaと空気調和エリア21bの熱負荷Qlbは、次式のように求まる。
Qla=Qea・vab…(15−2)
Qlb=Qea・vab…(15−3)
より詳しくは、運転率vabと室内機2a,2bの冷房能力Qea,Qebを用い、次式(15−4)から合計熱負荷Qlを求める。
Ql=(Qea+Qeb)・vab…(15−4)
そして、この合計熱負荷Qlと室内機2a,2bの冷房定格能力Qea0,Qeb0から、空気調和エリア21aの熱負荷Qlaと空気調和エリア21bの熱負荷Qlbを次式のように求めてもよい。
Qla=Ql・Qea0/(Qea0+Qeb0)…(15−5)
Qlb=Ql・Qeb0/(Qea0+Qeb0)…(15−6)
vab=t1ab/(t1ab+t2ab)…(16−1)
そして、運転率vabと室内機2a,2bの暖房能力Qca,Qcbから、空気調和エリア21aの熱負荷Qlaと空気調和エリア21bの熱負荷Qlbは、次式のように求まる。
Qla=Qca・vab…(16−2)
Qlb=Qca・vab…(16−3)
より詳しくは、運転率vabと室内機2a,2bの暖房能力Qca,Qcbを用い、次式(16−4)から合計熱負荷Qlを求める。
Ql=(Qca+Qcb)・vab…(16−4)
そして、この合計熱負荷Qlと室内機2a,2bの暖房定格能力Qca0,Qcb0から、空気調和エリア21aの熱負荷Qlaと空気調和エリア21bの熱負荷Qlbを次式のように求めてもよい。
Qla=Ql・Qca0/(Qca0+Qcb0)…(16−5)
Qlb=Ql・Qcb0/(Qca0+Qcb0)…(16−6)
続いて、室内機2の目標運転能力Qm(目標冷房能力Qem、目標暖房能力Qcm)の設定方法について説明する。
図14に示すように、室内機2aの目標冷房能力Qemaを、空気調和エリア21aの熱負荷Qlaと同等と設定する。空気調和システムの冷凍サイクル装置を制御して、室内機2aを連続運転をさせると、時間とともに代表室温Tnaは設定温度Tmaに徐々に近づく(連続動作)。
熱負荷の外乱や演算の誤差を想定して、あらかじめ目標冷房能力Qemaを熱負荷Qlaよりも大きめに設定する。図15では、目標冷房能力Qemaを、熱負荷Qlaの1.2倍に設定している。代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが−ΔTより小さくなった場合、室内機2aの冷房能力を0とする。代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが+ΔTより大きくなった場合、室内機2aを目標冷房能力Qemaに設定する(2位置動作)。
図17に示すように、代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが−ΔT以下となった場合、室内機2aの冷房能力を0とする。代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが+ΔTよりも大きくなった場合、室内機2の目標冷房能力Qemaを例えば熱負荷Qlaの1.5倍に設定する。代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが0より大きく+ΔT以下となった場合、室内機2の目標冷房能力Qemaを例えば熱負荷Qlaの1.3倍に設定する。代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが−ΔTより大きく0以下となった場合、室内機2の目標冷房能力Qemaを例えば熱負荷Qlaの1.1倍に設定する(多位置動作)。
速度動作で、代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが−ΔT/2以下になったら目標冷房能力Qemaの傾きdQema/dtは負の値、代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが+ΔT/2より上昇したら目標冷房能力Qemaの傾きdQema/dtを正の値としてもよい。
図17及び次式(17−1)に示すように、比例動作、積分動作、微分動作を組み合わせ、室内機2aの目標冷房能力Qemaを設定してもよい(PID動作)。
Qema=Qla+K1(Tna−Tma)+K2∫(Tna−Tma)dt+K3・dTna/dt…(17−1)
速度動作で、代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが−ΔT/2より低下したら目標暖房能力Qcmaの傾きdQema/dtは正の値、代表室温Tnaと設定温度Tmaとの差ΔTaが+ΔT/2以上になったら目標暖房能力Qcmaの傾きdQema/dtを負の値としてもよい。
Qcma=Qla+K1(Tna−Tma)+K2∫(Tna−Tma)dt+K3・dTna/dt…(17−2)
続いて、冷凍サイクル動作について説明する。
図1に示すように、冷房運転時、圧縮機4から吐出された冷媒は、四方弁5を介して室外熱交換器6に流入する。室外熱交換器6に流入した冷媒は、室外空気へ放熱して凝縮液化し、液側主管9及び液側分岐管10a,10bを介して膨張弁7a,7bに流入する。膨張弁7a,7bに流入した冷媒は、膨張弁7a,7b開度によって液側分岐管10a,10bの冷媒流量が調整され、室内熱交換器8a,8bに流入する。室内熱交換器8a,8bに流入した冷媒は、空気調和エリア21の空気から吸熱して蒸発した後(空気調和エリア21の空気を冷却した後)、ガス側分岐管12a,12b、ガス側主管11、四方弁5及びアキュムレータ3を通過して、再び圧縮機4に吸入される。
Qea=Gra・Δhea…(18−1)
Gra=86.4・Cva{ρa(Pa1−Pa2)}1/2 …(18−2)
Δhea=hea2−hea1…(18−3)
ここで、Cvaは膨張弁7aのCv値、ρaは膨張弁7aへ流入前の冷媒液密度、Pa1は膨張弁7aへ流入前の冷媒圧力、Pa2は膨張弁7aから流出後の冷媒圧力を示す。
Qeb=Grb・Δheb…(18−4)
Grb=86.4・Cvb{ρb(Pb1−Pb2)}1/2 …(18−5)
Δheb=heb2−heb1…(18−6)
室内機2aの冷房能力Qeaと目標冷房能力Qemaを比較し、室内機2bの冷房能力Qebと目標冷房能力Qembを比較する。例えば、室内機2aの冷房能力Qeaが目標冷房能力Qemaより大きい場合、室内熱交換器8aの冷媒流量Graを減少させるために膨張弁7aの開度を絞る。そして、室内熱交換器8aの過熱度SHaの目標値を増加させて、膨張弁7aの開度を調節する。
なお、室外熱交換器6を流れる冷媒の凝縮温度は、室外送風機の風量で制御する。室内機2a,2bの冷房能力Qea,Qebが目標冷房能力Qema,Qembより小さいときは、膨張弁7a,7bの開度や圧縮機4の回転数を逆に制御する。
室内機2aの冷房能力Qeaと目標冷房能力Qemaを比較し、室内機2bの冷房能力Qebと目標冷房能力Qembを比較する。例えば、冷房能力Qeaが目標冷房能力Qemaより大きい場合、圧縮機4の周波数を落として室内機2aの冷房能力を減少させる。圧縮機4の周波数を低下させると、冷凍サイクル回路内の冷媒循環量は減少する。このため、室内熱交換器8a,8bを流れる冷媒の圧力が上昇して、室内熱交換器8a,8bを流れる冷媒の過熱度SHa,SHbと過冷却度SCa,SCbは小さくなる。また、室外熱交換器6を流れる冷媒の圧力は低下する。そこで、膨張弁7a,7bを絞って過冷却度SCa,SCbを十分に取ることにより、冷凍サイクル回路のCOPを向上させる。そして、室内機2a,2bの冷房能力Qea,Qebが目標冷房能力Qema,Qembになるように、膨張弁7a,7bの開度を調節する。
なお、室内機2a,2bの冷房能力Qea,Qebが目標冷房能力Qema,Qembより小さいときは、膨張弁7a,7bの開度や圧縮機4の回転数を逆に制御する。
暖房運転時は、圧縮機4から吐出された冷媒が室内熱交換器8a,8bへ流入する方向に、四方弁5を切り替える。
圧縮機4から吐出された冷媒は、四方弁5、ガス側主管11、ガス側分岐管12a,12bを介して室内熱交換器8a,8bへ流入する。室内熱交換器8a,8bへ流入した冷媒は、空気調和エリア21の空気へ放熱して凝縮液化し(空気調和エリア21の空気を加熱し)、液側分岐管10a,10bを介して膨張弁7a,7bに流入して減圧される。膨張弁7a,7bの開度によってガス側分岐管12a,12bの冷媒流量は調整される。膨張弁7a,7bで減圧された低圧の冷媒は、室外熱交換器6へ流入する。室外熱交換器に流入した冷媒は、室外空気から吸熱した後、四方弁5及びアキュムレータ3を通過して、再び圧縮機4に吸入される。
Qca=Gra・Δhca…(19−1)
Gra=86.4・Cva{ρa(Pa1−Pa2)}1/2 …(19−2)
Δhca=hca1−hca2…(19−3)
ここで、Cvaは膨張弁7aのCv値、ρaは膨張弁7aへ流入前の冷媒液密度、Pa1は膨張弁7aへ流入前の冷媒圧力、Pa2は膨張弁7aから流出後の冷媒圧力を示す。
Qcb=Grb・Δhcb…(19−4)
Grb=86.4・Cvb{ρb(Pb1−Pb2)}1/2 …(19−5)
Δhcb=hcb1−hcb2…(19−6)
室内機2aの暖房能力Qcaと目標暖房能力Qcmaを比較し、室内機2bの暖房能力Qcbと目標暖房能力Qcmbを比較する。例えば、室内機2aの暖房能力Qcaが目標暖房能力Qcmaより大きい場合、室内熱交換器8aの冷媒流量Graを減少させるために膨張弁7aの開度を絞る。そして、室内熱交換器8aの過冷却度SCaの目標値を増加させて、膨張弁7aの開度を調節する。
なお、室外熱交換器6を流れる冷媒の蒸発温度は、室外送風機の風量で制御する。室内機2a,2bの暖房能力Qca,Qcbが目標暖房能力Qcma,Qcmbより小さいときは、膨張弁7a,7bの開度や圧縮機4の回転数を逆に制御する。
室内機2aの暖房能力Qcaと目標暖房能力Qcmaを比較し、室内機2bの暖房能力Qcbと目標暖房能力Qcmbを比較する。例えば、暖房能力Qcaが目標暖房能力Qcmaより大きい場合、圧縮機4の周波数を落として室内機2aの暖房能力を減少させる。圧縮機4の周波数を低下させると、冷凍サイクル回路内の冷媒循環量は減少する。このため、室内熱交換器8a,8bを流れる冷媒の圧力が低下して、室内熱交換器8a,8bを流れる冷媒の過熱度SHa,SHbと過冷却度SCa,SCbは小さくなる。また、室外熱交換器6を流れる冷媒の圧力は上昇する。そこで、膨張弁7a,7bを絞って過冷却度SCa,SCbを十分に取ることにより、冷凍サイクル回路のCOPを向上させる。そして、室内機2a,2bの暖房能力Qca,Qcbが目標暖房能力Qcma,Qcmbになるように、膨張弁7a,7bの開度を調節する。
なお、室内機2a,2bの暖房能力Qca,Qcbが目標暖房能力Qcma,Qcmbより小さいときは、膨張弁7a,7bの開度や圧縮機4の回転数を逆に制御する。
Claims (20)
- 室外機に複数の室内機が接続された空気調和システムであって、
室外熱交換器、容量可変形の圧縮機、前記室内機のそれぞれに設けられた複数の室内熱交換器、前記室内熱交換器に流れる冷媒量を調整する冷媒流量制御装置、前記室外熱交換器に空気を送る室外送風機、及び前記室内熱交換器に空気を送る室内送風機、を有する冷凍サイクル装置と、
温度センサーを有し、空気調和空間に設けられた少なくとも1つの無線計測端末と、
を備え、
前記無線計測端末の検出温度に基づいて、前記空気調和空間の代表室温を求め、
前記室内機の運転能力を所定の運転能力に設定し、前記代表室温が前記室内機の設定温度から所定の温度差範囲となるように、前記室内機の運転及び停止を行う2位置動作を行い、
該2位置動作における前記室内機の運転状態から、前記空気調和空間の熱負荷を演算し、
前記空気調和空間の熱負荷に基づいて前記室内機の目標運転能力を設定し、
前記室内機の運転能力が該目標運転能力となるように、前記冷凍サイクル装置を制御することを特徴とする空気調和システム。 - 前記2位置動作における前記室内機の運転率を求め、
前記室内機の該運転率と前記2位置動作における前記室内機の運転能力とに基づいて、前記空気調和空間の熱負荷を演算することを特徴とする請求項1に記載の空気調和システム。 - 前記2位置動作において、
前記室内機を運転している状態で、前記代表室温が前記設定温度から所定の温度差範囲となっている時間t1’と、
前記室内機の運転を停止している状態で、前記代表室温が前記設定温度から所定の温度差範囲となっているt2’と、
を求め、
t1’/(t1’+t2’)の値と前記2位置動作における前記室内機の運転能力とに基づいて、前記空気調和空間の熱負荷を演算することを特徴とする請求項1に記載の空気調和システム。 - 前記空気調和空間の熱負荷の演算は、
前記冷凍サイクル装置の起動時、前記冷凍サイクル装置が起動してから所定時間経過毎、及び前記空気調和空間の熱負荷の変動が予想される場合、のうち少なくとも1つの場合に実施されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の空気調和システム。 - 前記空気調和空間の熱負荷の変動が予想される場合とは、
外気温が一定値以上変化した場合、前記空気調和空間に存在する人の数の増減が認められた場合、前記空気調和空間に設けられた照明器具又はOA機器の運転状態が変化した場合、及び前記空気調和空間の日射量が変化した場合、のうちの少なくとも1つの場合であることを特徴とする請求項4に記載の空気調和システム。 - 前記室内機の目標運転能力を、前記空気調和空間の熱負荷よりも大きい値に設定することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の空気調和システム。
- 前記空気調和空間に複数の前記無線計測端末を設け、
前記室内機との距離が最短となる前記無線計測端末の検出温度を前記代表室温とすることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の空気調和システム。 - 前記空気調和空間に複数の前記無線計測端末を設け、
前記無線計測端末のそれぞれに対し、前記空気調和空間の所定の代表点を基準とした位置座標を定め、
前記無線計測端末の位置座標を説明変数とし、前記無線計測端末の検出温度を目的変数として回帰分析をすることにより温度の近似式を求め、
該温度の近似式に基づき前記代表室温を求めることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の空気調和システム。 - 前記空気調和空間に複数の前記無線計測端末を設け、
前記無線計測端末のそれぞれに対し、前記空気調和空間の所定の代表点からの距離を求め、
前記無線計測端末の計測温度を前記距離の逆数で重みづけしたものに基づいて、前記代表室温を求めることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の空気調和システム。 - 前記室内機に、人の位置を検出する人感センサーを設け、
人と一定の距離内にある前記無線計測端末の検出温度に基づいて、前記代表室温を求めることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の空気調和システム。 - 前記室内熱交換器の空気吸い込み側に吸い込み空気温度センサーを設け、
前記無線計測端末の検出温度と前記吸い込み空気温度センサーの検出温度とに基づいて、前記代表室温を求めることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の空気調和システム。 - 前記室内機の空気吹き出し口は、少なくとも該空気吹き出し口からの気流を変更可能な構成となっており、
前記空気調和空間内の高温部及び低温部を検出可能な場合、
冷房運転時においては、前記空気調和空間内の高温部に前記空気吹き出し口からの気流を向け、
暖房運転時においては、前記空気調和空間内の低温部に前記空気吹き出し口からの気流を向けることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の空気調和システム。 - 前記空気調和空間には、複数の前記室内機が設けられ、
前記空気調和空間の前記代表室温を、前記室内機の空気調和範囲毎に求め、
前記空気調和空間の熱負荷を、前記室内機の空気調和範囲毎に求め、
前記目標運転能力を、前記室内機毎に設定することを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の空気調和システム。 - 前記空気調和空間には、複数の前記室内機が設けられ、
複数の前記室内機の空気調和範囲には、各々の前記空気調和範囲が互いに重なり合う共通空気調和範囲が存在し、
前記空気調和空間の該共通空気調和範囲における前記代表室温を求め、
前記空気調和空間の熱負荷を、前記共通空気調和範囲の代表室温に基づいて、前記室内機の空気調和範囲毎に求め、
前記目標運転能力を、前記室内機毎に設定することを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の空気調和システム。 - 前記室内機のそれぞれの空気吹き出し口は、該空気吹き出し口からの気流及び風量を変更可能な構成となっており、
複数の前記室内機の空気調和範囲には、各々の前記空気調和範囲が互いに重なり合う共通空気調和範囲が存在し、
前記空気調和空間の該共通空気調和範囲における前記代表室温を求め、
前記共通空気調和範囲の設定温度を、複数の前記室外機の設定温度の平均値として求め、
前記共通空気調和範囲の前記代表温度と前記共通空気調和範囲の前記設定温度との温度差に基づいて、前記共通空気調和範囲への風量を制御することを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の空気調和システム。 - 前記室内機の空気調和範囲を空気調和するのに運転能力が不足する前記室内機がある場合、
運転能力が不足する該室内機と隣接する前記室内機のうちの少なくとも1つを、強制的に運転することを特徴とする請求項13〜請求項15のいずれか一項に記載の空気調和システム。 - 前記室内機は無線通信手段を備え、
前記室内機と前記無線計測端末とを無線通信可能としたことを特徴とする請求項1〜請求項16のいずれか一項に記載の空気調和システム。 - 前記設定温度を設定する設定端末を設け、
該設定端末は無線通信手段を備え、
前記設定端末と前記無線計測端末とを無線通信可能としたことを特徴とする請求項1〜請求項16のいずれか一項に記載の空気調和システム。 - 前記空気調和空間に、前記無線計測端末と無線通信可能な固定基地を設け、
該固定基地が前記無線計測端末から受信する電波の強度及び伝播遅延時間の少なくとも一方に基づいて、前記無線計測端末の位置を検出することを特徴とする請求項8に記載の空気調和システム。 - 前記無線計測端末に、湿度センサー、風速センサー、グローブ温度計及び日射センサーのうちの少なくとも1つを設け、
前記無線計測端末の位置におけるSET*又はPMVを演算する演算手段を設け、
該演算手段の演算結果に基づいて、前記空気吹き出し口からの気流を制御することを特徴とする請求項12又は請求項15に記載の空気調和システム。
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