JP2010256259A - 全反射蛍光x線分析装置 - Google Patents

全反射蛍光x線分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】マッピング測定を行う全反射蛍光X線分析装置において、正確さを損なうことなくより短時間に測定強度の分布を求められる装置を提供する。
【解決手段】以下のように動作する制御手段24を備える。試料台2よりも大径の円板状の試料1について、試料台2に同心に載置されてたわんだ状態での試料表面1aを円錐台の上面と側面等で近似することにより、縦断面における試料表面1aの傾きを半径方向の距離の関数として求め、各測定点に対応するステージ座標に基づいて、各測定点を通る試料1の半径と平面視した1次X線3とのなすずれ角度δを算出し、前記ステージ座標および前記関数ならびに前記ずれ角度δに基づいて、各測定点における1次X線方向についての試料表面1aの傾きを算出してステージ角度の補正値とし、その補正値を用いて各測定点で1次X線3の入射角度αが適切になるようにステージ角度φを調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、いわゆるマッピング測定を行う全反射蛍光X線分析装置に関する。
従来、例えばシリコンウエハ表面の汚染状況を調べるために、マッピング測定を行う全反射蛍光X線分析装置があり、図2に示すように、試料台2に載置された試料1の移動および傾き調整が可能なステージ18(上部のXYステージ12よりも下の部分を破断して省略している)を備え、試料表面1aの複数の測定点に例えば0.05度程度の微小な入射角度α(図示と理解の容易のため、図2では誇大に表す)で1次X線3を入射させて、全反射したX線4が検出器6に入射しないように図面右方向へ逃がしつつ、試料1から発生する蛍光X線5の強度を検出器6で測定し、測定強度の分布ひいては測定強度に基づく付着量などの分析値の分布を自動的に求める。
入射角度αは、0度よりも大きく全反射の臨界角よりも小さい範囲内で、分析においてS/N比が良好となるような適切な角度である必要がある。この適切な角度の値はあらかじめ求めておくことができ、試料1ごとにステージ18の角度を調整して入射角度αを適切な角度に設定するための公知の方法としては、例えば特許文献1に従来の技術として記載されている半割り法、光学変位センサ法、蛍光X線強度モニタ法などがある。ここで、正確な分析のためには、試料1をXYステージ12などで移動させて測定点を変えても1次X線3の入射角度αは不変であるべきだが、実際には、移動時のXYステージ12の機械的な精度や試料1自体のたわみなどの影響があるため、最初に調整した試料1の傾きつまりステージ18の角度を維持したままでは、測定点ごとに1次X線3の入射角度αが変化するおそれがある。
そこで、例えば特許文献1に実施形態として記載されている装置では、試料表面の中心部分を基準として、光学変位センサ法をそのまままたは改善して用いて1次X線の入射角度が適切になるようにステージ角度を調整するとともに、試料表面から均一に発生して基準となる蛍光X線(例えばシリコンウエハ表面から発生するSi −Kα線)の測定強度を基準強度として記憶しておき、各測定点で前記基準となる蛍光X線の測定強度が前記基準強度と合致するようにステージ角度を調整している。
また、十分正確な測定強度の分布を短時間で求めるべく、例えば特許文献2に第1構成として記載されている装置では、基準試料について、測定点ごとに適切なステージ角度を補正ステージ角度として記憶しておき、分析対象試料については、すべての測定点で新たに適切なステージ角度を求めて調整するのではなく、まずその測定点に対応させて記憶した補正ステージ角度に調整し、その状態での基準X線の強度を基準点での基準強度と比較して、補正ステージ角度に調整することが適切でないと判断される場合にのみ、改めて適切なステージ角度に調整している。
そして、さらに短時間で測定強度の分布を求めるべく、特許文献2に第3構成として記載されている装置では、分析対象試料について、各測定点で前記補正ステージ角度に調整して、蛍光X線の強度を測定し、その測定強度を補正することもせずに、測定強度の分布を求める。つまり、分析対象試料ごとに基準強度を測定しないので、その分測定時間が短くなるが、マッピング測定の正確さは、今一つ十分とはいえない。
特許第2978460号公報(段落0003〜0007、0026〜0032、0034〜0036) 特許第4095991号公報(段落0007〜0012、0018〜0021)
しかし、近年、大径のウエハなどについて詳細なマッピング測定のために測定点を多数指定することが望まれるので、正確さを損なうことなくより短時間に測定強度の分布を求められる装置が要求される。
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたもので、マッピング測定を行う全反射蛍光X線分析装置において、正確さを損なうことなくより短時間に測定強度の分布を求められる装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、円板状の試料台と、その試料台に載置された試料の移動、回転および傾き調整が可能なステージとを備え、試料表面の複数の測定点に微小な入射角度で1次X線を入射させて、発生する蛍光X線の強度を測定し、測定強度の分布を求める全反射蛍光X線分析装置であって、単結晶である試料の結晶格子に対して1次X線の入射方位を一定に保つように前記ステージを調整する制御手段を備えている。
この制御手段は、前記試料台よりも大径の円板状の試料について、前記試料台に同心に載置されてたわんだ状態での試料表面を円錐台の上面と側面または円錐の側面とそれに連なる円錐台の側面で近似することにより、前記試料台に同心に載置されてたわんだ状態での縦断面における試料表面の傾きを半径方向の距離の関数として求める。そして、各測定点に対応するステージ座標に基づいて、各測定点を通る試料の半径と平面視した1次X線とのなすずれ角度を算出し、さらに、各測定点に対応するステージ座標および前記関数ならびに前記ずれ角度に基づいて、各測定点における1次X線方向についての試料表面の傾きを算出してステージ角度の補正値とし、その補正値を用いて各測定点に対応するステージ座標で1次X線の入射角度が適切になるようにステージ角度を調整する。
本願発明者は、試料台よりも大径の円板状の試料について、前記試料台に同心に載置されてたわんだ状態での試料表面を円錐台の上面と側面または円錐の側面とそれに連なる円錐台の側面で近似することにより、試料台に同心に載置されてたわんだ状態での縦断面における試料表面の傾きが半径方向の距離の関数として表せることを見出すとともに、そのような関数を利用するにあたりマッピング測定の正確さを損なわないために、単結晶である試料の結晶格子に対して1次X線の入射方位を一定に保つようにステージが調整される装置では、半径方向の距離が同じであっても測定点によって1次X線方向についての試料表面の傾きが異なることに由来して測定点ごとにステージ角度の調整が必要であることを見出し、本発明をなすに至った。
つまり、本発明の装置では、まず、試料台よりも大径の円板状の試料のたわみについては、試料表面の傾きを上述のような半径方向の距離の関数として求めるので、測定点ごとの基準X線の強度測定などが不要である。そして、単結晶である試料の結晶格子に対して1次X線の入射方位を一定に保つようにステージが調整されるのであるが、各測定点に対応するステージ座標および前記関数に基づいて、各測定点における1次X線方向についての試料表面の傾きを算出し、その傾きを用いて各測定点において1次X線の入射角度が適切になるようにステージ角度を調整するので、前記関数を利用するにあたりマッピング測定の正確さが損なわれない。したがって、大径のウエハなどについて測定点が多数指定されても、正確さを損なうことなくより短時間に測定強度の分布を求められる。
本発明の一実施形態の全反射蛍光X線分析装置を示す概略図である。 全反射蛍光X線分析の原理を説明する図である。 試料の一例を示す図である。 試料台に静電チャックを使用せずに載置された大径のシリコンウエハについて、たわみによる試料表面の傾きと半径方向の距離との関係を示す図である。 試料台に静電チャックを使用して載置された大径のシリコンウエハについて、たわみによる試料表面の傾きと半径方向の距離との関係を示す図である。 各測定点を通る試料の半径と平面視した1次X線とのなすずれ角度を示す図である。 試料台に静電チャックを使用せずに載置された大径のシリコンウエハについて、たわみに関して何ら補正せずに測定したSi−Kα線の強度分布を示す図である。 図7と同様のシリコンウエハについて、図4で説明した関数を利用してステージ角度を調整することにより、たわみに関して補正して測定したSi−Kα線の強度分布を示す図である。 試料台に静電チャックを使用して載置された大径のシリコンウエハについて、たわみに関して何ら補正せずに測定したSi−Kα線の強度分布を示す図である。 図9と同様のシリコンウエハについて、図5で説明した関数を利用してステージ角度を調整することにより、たわみに関して補正して測定したSi−Kα線の強度分布を示す図である。
以下、本発明の一実施形態の全反射蛍光X線分析装置について、図にしたがって説明する。この装置は、図1に示すように、円板状の試料台2と、その試料台2に載置された試料1の移動、回転および傾き調整が可能なステージ18とを備え、X線管などのX線源17から試料表面1aの複数の測定点32(図3)に例えば0.05度程度の微小な入射角度α(図2)で1次X線3を入射させて、試料1から発生する蛍光X線5の強度をSSDなどの検出器6で測定し、測定強度の分布ひいては測定強度に基づく付着量などの分析値の分布を求める全反射蛍光X線分析装置である。試料1は、例えばシリコンウエハなどの半導体ウエハであり、図3に示すように、オリフラ1bやノッチを有してもよく、表面1aに複数の測定すべき位置、すなわち測定点32がある。
図1に示すように、ステージ18は、以下のθステージ11、XYステージ12、高さ調整手段13およびスイベルステージ14で構成される。まず、試料台2が、その下のθステージ(回転移動手段)11の上面に固定されている。θステージ11は円柱状でその中心軸回りに、その下のXYステージ(平行移動手段)12の上部12aに対し、回転自在に設置されている。XYステージ上部12aは、中部12bに対して紙面垂直方向Yに移動自在に設置され、XYステージ中部12bは、その下のXYステージ下部12cに対し、この図1の状態では紙面左右方向Xに移動自在に設置されている。XYステージ下部12cは、その下の高さ調整手段13の上部13aに固定されている。すなわち、θステージ11およびXYステージ12の調整により、試料表面1aの任意の測定点(任意の位置)に、任意の方向から(単結晶である試料の結晶格子に対して任意の方位から)1次X線3を照射させるよう試料台2を移動させることができる。
高さ調整手段13の上部13aは、下部13bに対してこの図1の状態では軸Z方向に移動自在に設置され、下部13bは、その下のスイベルステージなどの入射角度調整手段14の上部14aに固定されている。すなわち、高さ調整手段13により、試料表面1aの1次X線3に対する高さの調整ができる。
スイベルステージの上部14aは、下部14bに対して試料表面1aの測定部分を中心とする円弧に沿って移動自在に設置され、下部14bは、その下の床などに固定されている。すなわち、スイベルステージ14により、ステージ18の傾きの角度すなわちステージ角度を調整して、試料表面1aへの1次X線3の入射角度α(図2)を変化させることができる。
なお、入射角度調整手段は、スイベルステージ14に限らず、試料台2の1次X線3に対する傾斜角度を変化させる機構であればよく、試料台2を載せた長い板の端をジャッキで押し上げるような構造であってもよい。ステージ角度の調整にいわゆる光学変位センサ法を適用する場合には、検出器6の右方に変位センサを備え、スイベルステージ14と床などとの間に、検出器6と変位センサの下方で試料台2およびステージ18を移動させるための水平移動手段が介在する。
この実施形態の装置は、プログラムによって以下の制御手段24として機能するコンピュータを備えており、この制御手段24は、まず、単結晶である試料1の結晶格子に対して1次X線3の入射方位を一定に保つようにステージ18のθステージ11およびXYステージ12を調整する。このように調整するのは、例えば、直線移動および回転移動のみが可能なrθステージの調整で試料表面1aの任意の複数の測定点に1次X線3を照射させると、シリコンウエハのように単結晶である試料の結晶格子に対して1次X線の入射方位を一定に保つことができず、測定点ごとに散乱X線の強度つまりバックグラウンドの強度が変化し、正確なマッピング測定を行うことができないからである。
また、近年の半導体ウエハの大径化によって試料台2に載置すると周辺部がはみ出して自重でたわむような試料1に対処するため、この制御手段24は、例えば図示しない入力手段から試料1が試料台2よりも大径の円板状である旨が入力されると、その試料1について、試料台2に同心に載置されてたわんだ状態での試料表面1aを円錐台の上面と側面または円錐の側面とそれに連なる円錐台の側面で近似することにより、試料台2に同心に載置されてたわんだ状態での縦断面における試料表面1aの傾きを半径方向の距離の関数として求める。
ここで、このように試料表面1aの傾きが半径方向の距離の関数として求められる理由について説明する。試料台2は、試料1を静電力で吸着する静電チャックを有することが多いが、例えば静電チャックを使用せずに、直径78mmの試料台2に、試料1として直径300mmのシリコンウエハを同心に載置する。そして、XYステージ12により試料表面1aの中心の測定点P点を検出器6の真下に位置させ、試料表面1aに1次X線3を入射させて、発生する蛍光X線5であるSi−Kα線の強度を測定しながら高さ調整手段13により試料1を上下させ、測定強度が最大になるように、つまりP点が1次X線3と同じ高さになるように調整するとともに、前述の公知の方法により、入射角度αを適切な角度に設定する。
次に、XYステージ12により試料1をX線源17側に少しずつ移動させ、つまり測定点を少しずつ半径方向外側に変えて、P点と同様に各測定点が1次X線3と同じ高さになるように調整する。試料1にたわみがなければ、調整された各測定点の高さは変わらないはずだが、実際には変わり、逆にいえば、この高さの変化からたわみによる試料表面1aの傾きを知ることができる。
このような一連の測定点の高さ測定を、同一の試料1についてθステージ11による試料1の回転位置を変えて複数回行い、その結果を図4中の黒の矩形のドットに示した。縦軸Zは、P点を0とする測定点の高さ(μm)、横軸Rは、中心(P点)から測定点までの距離、つまり測定点の半径方向の距離(mm)である。これにより、中心から40mm(Q1 点)あたりまでは、試料表面1aの傾きは直線的に−0.012deg で近似でき、Q1 点あたりから半径方向外側は、試料表面1aの傾きを直線的に−0.047deg で近似できることが見出された。つまり、試料台2に同心に載置されてたわんだ状態での試料表面1aを円錐の側面とそれに連なる円錐台の側面で近似できることが見出された。
したがって、分析対象試料ごとに、P点、Q1 点と外周近傍のR1 点(例えば中心から146mm)の3点のみについて上述のように高さを求めることにより、試料台2に同心に載置されてたわんだ状態での縦断面における試料表面1aの傾きk(deg )を半径方向の距離r(mm)の関数として、例えば以下のように、求めることができる。
0≦r<40では、k=−0.012
40≦r≦150では、k=−0.047
また、静電チャックを使用して、図4と同様の高さ測定を行った結果を図5中の黒の矩形のドットに示す。この場合には、中心から45mm(Q2 点)あたりまでは、試料表面1aの傾きは直線的に0deg で近似でき、Q2 点あたりから半径方向外側は、試料表面1aの傾きを直線的に−0.031deg で近似できることが見出された。つまり、試料台2に同心に載置されてたわんだ状態での試料表面1aを円錐台の上面と側面で近似できることが見出された。したがって、この場合にも、分析対象試料ごとに、P点、Q2 点と外周近傍のR2 点(例えば中心から142mm)の3点のみについて上述のように高さを求めることにより、試料台2に同心に載置されてたわんだ状態での縦断面における試料表面1aの傾きk(deg )を半径方向の距離r(mm)の関数として、例えば以下のように、求めることができる。
0≦r<45では、k=0
45≦r≦150では、k=−0.031
前記Q1 点、Q2 点が、いずれも試料台2の縁つまり中心から39mm近傍であることを考慮すると、静電チャックの使用の有無に関わらず、高さを求める3点は、中心(P点)、試料台2の縁上の点(中心から39mm)、外周近傍のR1 点(例えば中心から146mm)に統一してもよい。また、以上のように求めた関数は、正確さはやや損なわれることになるが、寸法、形状および材質が共通する試料に適用することもできる。
そして、制御手段24は、各測定点に対応するステージ座標に基づいて、各測定点を通る試料1の半径と平面視した1次X線3とのなすずれ角度を算出し、さらに、各測定点に対応するステージ座標および前記関数ならびに前記ずれ角度に基づいて、各測定点における1次X線方向についての試料表面1aの傾きを算出してステージ角度の補正値とし、その補正値を用いて各測定点に対応するステージ座標で1次X線3の入射角度αが適切になるようにステージ角度を調整する。このように調整するのは、以下に説明するように、前記のように求めた関数を利用するにあたり、単結晶である試料1の結晶格子に対して1次X線3の入射方位を一定に保つようにステージ18が調整される装置では、半径方向の距離rが同じであっても測定点によって1次X線方向についての試料表面1aの傾きが異なることに由来する。
例えば、本実施形態における直径78mmの試料台2に静電チャックを使用せずに試料1として載置された直径300mmのシリコンウエハにおいて、図6に示すように、測定点A点とB点は、半径方向の距離は同じであり、前記関数により得られる半径方向についての試料表面1aの傾きも同じである。しかし、単結晶である試料1の結晶格子に対して1次X線3の入射方位を一定に保つようにステージ18が調整される装置では、図6のように試料1の方を固定して平面視すれば、A点に入射する1次X線3AはA点を通る半径と重なるが、B点に入射する1次X線3BはB点を通る半径とδのずれ角度をなす。
したがって、A点のようにたまたまずれ角度δが0となるような測定点では、前記関数により得られる半径方向についての試料表面1aの傾きがそのまま1次X線方向についての試料表面1aの傾きとなるが、一般には、B点のように、前記関数により得られる半径方向についての試料表面1aの傾きは、1次X線方向についての試料表面1aの傾きとは異なり、そのまま1次X線方向についての試料表面1aの傾きとして用いると、マッピング測定の正確さが損なわれる。つまり、前記関数を利用するにあたりマッピング測定の正確さを損なわないために、単結晶である試料1の結晶格子に対して1次X線3の入射方位を一定に保つようにステージが調整される装置では、半径方向の距離rが同じであっても測定点によって1次X線方向についての試料表面1aの傾きが異なることに由来して測定点ごとにステージ角度の調整が必要であることを見出した。
そこで、制御手段24は、まず、各測定点に対応するステージ座標に基づいて、つまり各測定点を検出器6の真下に位置させて所望の一定方向から1次X線3を入射させるためのXYステージ12の移動方向および移動量ならびにθステージ11の回転方向および回転量に基づいて、各測定点を通る試料1の半径と平面視した1次X線3とのなすずれ角度δを算出する。さらに、各測定点に対応するステージ座標および前記関数ならびに前記ずれ角度δに基づいて、各測定点における1次X線方向についての試料表面1aの傾きを算出する。より具体的には、各測定点に対応するステージ座標および前記関数から半径方向についての試料表面1aの傾きkを算出し、それにcosδを乗ずることにより1次X線方向についての試料表面1aの傾きkcosδを算出する。
そして、その1次X線方向についての試料表面1aの傾きkcosδをステージ角度の補正値として用いて、各測定点に対応するステージ座標で、つまり各測定点に対して、1次X線3の入射角度αが適切になるようにステージ角度を調整する。例えば、1次X線方向についての試料表面1aの傾きが0である測定点において1次X線3の入射角度αが適切になるステージ角度をφ0 とすると、各測定点のステージ角度φは、φ=φ0 −kcosδに調整され、kcosδの絶対値|kcosδ|分だけより大きく傾けられる。
図6では、直径78mmの試料台2に静電チャックを使用せずに載置された直径300mmのシリコンウエハ1について、ステージ角度を一定に保ったままで、つまり試料1のたわみに関して何ら補正せずに測定したSi−Kα線5の強度分布を等高線で示しており、色の薄い部分が強度の大きい部分である。本実施形態の装置では、単結晶である試料1の結晶格子に対して1次X線3の入射方位を一定に保つようにステージ18が調整されるが、同時に散乱X線を減少させるべく1次X線3が試料1の縁(側面)に照射されないようにステージ18が調整される。具体的には、シリコンウエハ1の結晶格子が鉛直軸回りに4回対称であることを利用して、試料表面1aの中心以外の測定点については、X線源17からみて中心よりも奥側に位置させて1次X線3が照射される。図6の等高線が十字形の特徴的なパターンになるのは、このためである。
図6と同様の条件で、つまり、直径78mmの試料台2に静電チャックを使用せずに載置された直径300mmのシリコンウエハ1について、ステージ角度を一定に保ったままで試料1のたわみに関して何ら補正せずに、測定したSi−Kα線5の強度分布を、図7に示す。これに対し、同様のシリコンウエハ1について、本実施形態の制御手段24により図4で説明した関数を利用してステージ角度を調整することにより、たわみに関して補正して測定したSi−Kα線5の強度分布を、図8に示す。理想的には大きい強度が均一に分布して得られるべきところ、図7の場合の平均強度518cps、CV53%に比べ、図8の場合は、平均強度1644cps、CV28%と十分に向上している。
また、直径78mmの試料台2に静電チャックを使用して載置された直径300mmのシリコンウエハ1について、ステージ角度を一定に保ったままで試料1のたわみに関して何ら補正せずに、測定したSi−Kα線5の強度分布を、図9に示す。これに対し、同様のシリコンウエハ1について、本実施形態の制御手段24により図5で説明した関数を利用してステージ角度を調整することにより、たわみに関して補正して測定したSi−Kα線5の強度分布を、図10に示す。やはり、理想的には大きい強度が均一に分布して得られるべきところ、図9の場合の平均強度938cps、CV40%に比べ、図10の場合は、平均強度1991cps、CV23%と十分に向上している。なお、図7〜図10では、図6とは逆に色の濃い部分が強度の大きい部分であり、また、グラフ表示上の都合により39度回転させて図示している。
以上のように本発明の装置では、まず、試料台2よりも大径の円板状の試料1のたわみについては、試料ごとに試料表面1aの所定の3点のみについて高さを求めることにより試料表面1aの傾きを半径方向の距離rの関数として求めるので、測定点ごとの基準X線の強度測定などが不要である。そして、単結晶である試料1の結晶格子に対して1次X線3の入射方位を一定に保つようにステージ18が調整されるのであるが、各測定点に対応するステージ座標および前記関数に基づいて、各測定点における1次X線方向についての試料表面1aの傾きを算出し、その傾きを用いて各測定点において1次X線3の入射角度αが適切になるようにステージ角度を調整するので、前記関数を利用するにあたりマッピング測定の正確さが損なわれない。したがって、大径のウエハなどについて測定点が多数指定されても、正確さを損なうことなくより短時間に測定強度の分布を求められる。
1 試料
1a 試料表面
2 試料台
3 1次X線
5 蛍光X線
18 ステージ
24 制御手段
32 測定点
r 半径方向の距離
α 試料への1次X線の入射角度
δ ずれ角度
φ ステージ角度

Claims (1)

  1. 円板状の試料台と、その試料台に載置された試料の移動、回転および傾き調整が可能なステージとを備え、試料表面の複数の測定点に微小な入射角度で1次X線を入射させて、発生する蛍光X線の強度を測定し、測定強度の分布を求める全反射蛍光X線分析装置であって、
    単結晶である試料の結晶格子に対して1次X線の入射方位を一定に保つように前記ステージを調整する制御手段を備え、
    その制御手段が、
    前記試料台よりも大径の円板状の試料について、前記試料台に同心に載置されてたわんだ状態での試料表面を円錐台の上面と側面または円錐の側面とそれに連なる円錐台の側面で近似することにより、前記試料台に同心に載置されてたわんだ状態での縦断面における試料表面の傾きを半径方向の距離の関数として求め、
    各測定点に対応するステージ座標に基づいて、各測定点を通る試料の半径と平面視した1次X線とのなすずれ角度を算出し、
    各測定点に対応するステージ座標および前記関数ならびに前記ずれ角度に基づいて、各測定点における1次X線方向についての試料表面の傾きを算出してステージ角度の補正値とし、その補正値を用いて各測定点に対応するステージ座標で1次X線の入射角度が適切になるようにステージ角度を調整する全反射蛍光X線分析装置。
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