JP4877938B2 - 直径測定装置 - Google Patents
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Description
前者はウェーハ面に垂直方向に,後者はウェーハ面に水平方向に照射光学系と受光光学系を配置して直径計測を行っている。この場合の測定精度はミクロンオーダーである。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,被測定物であるウェーハなどの円盤状体のそりやひずみ,或いは測定時に傾きなどが生じた場合でも,高度の測定精度を維持することの出来る直径測定装置を提供することである。
前述のように上記従来の円盤状体の直径測定装置では,円盤状体の外周部を検出するための光学系が1つしかなかったので,検出精度に問題があった。これに対して,本発明では,測定対象である円盤状体の直径に対応する上記円盤状体の外周位置に,該円盤状体の2以上の外周部分に測定光を照射する2以上の照射光学系を配置すると共に,これに対向し上記照射光学系から照射され上記円盤状体の外周部分で一部が遮られた測定光を受光する相対位置が平行になるように配置された2以上の受光光学系を配置したものである。
上記の場合,上記照射光学系および受光光学系として,上記円盤状体の表面に直角方向に対向配備されたものを採用することが出来る。
しかし,これよりも更に測定精度を上げることができるのは,上記照射光学系および受光光学系を,上記円盤状体の表面に平行な方向に対向配備するものである。これにより,円盤状体の外周部の断面形状の画像を取得することができるので,上記断面により測定される円板外周部の傾角度,距離データを用いて上記ウェーハの傾きによる測定精度の低下を防止することができるからである。
また,予め直径が測定されている円盤状体についての測定値を基準として,円盤状体の直径の測定値を補正するようにすれば,正確な更正が可能となり,直径測定の精度が向上する。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る直径測定装置の概略縦断面図,図2は,同概略上面図,図3は,直径の測定原理を示す模式図,図4は,直径演算の精度を高めるための直径補正の原理を示す模式図,図5は,測定対象物の一例であるウェーハの傾き角度θを測定する方法の原理を示す概念図,図6は,光学系をウェーハ面に平行に配置した測定装置の概念図である。
〔第1の実施形態〕
従来の直径測定装置は,ウェーハの外周の1箇所に光を照射するレーザ,LEDなどの照射光学系と,上記ウェーハの端部を挟んで上記照射光学系に対向して照射光学系からの光を受光する光センサなどの受光光学系を1対設けたものであったが,これに対して,この実施形態に係る直径測定装置では上記のような直径計測に必要な光学系を2つ以上に設けることにより,測定精度の向上,装置の簡易化・低コスト化を可能としたものである。
即ち,ここに説明する第1の実施形態に係る直径測定装置は,上記目的を達成するために,測定対象である円盤状体の直径に対応する上記円盤状体の外周位置に,該円盤状体の2以上の外周部分に測定光を照射する2以上の照射光学系と,これに対向し上記照射光学系から照射され上記円盤状体の外周部分で一部が遮られた測定光を受光する相対位置が平行になるように配置された2以上の受光光学系とを備えたもので,上記受光光学系による光学画像に基づいて上記円盤状体の直径を算出するものである。
その1つは,上記照射光学系および受光光学系が,上記円盤状体の表面に直角方向に対向配備されたものである。
また2つ目としては,上記照射光学系および受光光学系が,上記円盤状体の表面に平行な方向に対向配備されたものが考えられる。
いずれにしても,測定装置の較正ができるようにすることが望ましく,例えば直径が既知なウェーハをもって長さの較正を行うことで,外乱因子(例えば測定中の温度変化)の影響を大きく低減可能となり,高精度な測定が実現できる。
図1に示すように,照射光学系の一例である光源1aと光源1b,および受光光学系の一例であるカメラ4aと4bは,測定対象となるウェーハ3の外周端部を挟んでウェーハ3の直径に対応する上記円盤状体の外周位置に対向配備される。対向する光源とカメラとは,光源からの光をカメラにより受光するために同軸に配置される。
なお,ここでは光源とカメラの1対の光学系を2対設けた場合について説明するが,上面から見て90度等間隔に4対或いはそれ以上設けてもかまわず,これにより測定時間の短縮を図りうることは言うまでもない。
上記対となった光源1aとカメラ4a,光源1bとカメラ4bは,上記ウェーハの概略直径である300mm程度の間隔をあけて,ウェーハ3を回転自在に支持するテーブル6の両側に配置される。カメラ4a(或いは光源1a)とカメラ4b(或いは光源1b)との上面から見た配置関係が図2に示される。
光源1a,1bから発せられた光2a,2bは,コリメートレンズなどによって平行化され,ウェーハ3の外周付近を照射される。尚,必ずコリメートする必要はないが精度向上のためには平行光が望ましい。
また光源1a,1bにはレーザ,LEDのどちらを用いてもよい。平行光2a,2bの一部はウェーハ3の外周部により遮断され,遮断されなかった光のみが相対位置が平行になるように配置されたカメラ4a,4bにて検出される。
カメラ4aと4bが平行に配置されていない場合,ウェーハ3の外周で遮られた光線の光量のピーク位置が両画像で一致せず,正確な直径計測が行えないことがある。そのため,両カメラの配置は重要である。仮に一方のカメラが他方のカメラに対してある角度だけ傾いて設置してあるとすると,カメラ4aとカメラ4bで直径最大の位置がずれ,かつ両画像の凸部最大位置はウェーハの同一直径上ではなくなるので正しい測定が行えない。従って,カメラは平行に設置される必要がある。また,焦点ぼけを低減し高精度な測定を可能とするため,カメラレンズにテレセントリック光学系を用いることが望ましい。
測定毎に標準ウェーハにて較正を行うことで高精度な測定が実現される。測定対象物と同素材のもので測定ごと或いは,適当な周期ごとに較正をかければ,温度変化などの外的環境の影響を受けない高精度な測定が可能となる。
上記実施形態では,光軸をウェーハ面に直角に配置した光学系を用いた場合について説明したが,ウェーハは前記したとおりそれなりの自重のある薄い円盤状体であるので,製造段階で生じたそりや,自重によるひずみ或いはテーブル6上に載置したときに生じる外周部の傾きなどの要因により,上記ウェーハに直角方向の測定だけでは十分な測定精度を得ることができない。
そこで次に述べる実施形態では,ウェーハ断面形状からウェーハ外周端部の距離的なデータを測定すると共に,ウェーハの外周部における傾きを別途測定することで,ウェーハの有するそりや支持時に生じる傾き等によるズレを補正して高精度な直径計測を可能とすることができる。
但し,ウェーハの断面画像の検出精度を向上させることができれば,ウェーハ外周端部の傾き角度や端部の各種距離データをこのウェーハ断面画像から取得できるので,別途ウェーハ外周端部の傾きを求める必要はなくなる。
この場合,図6に簡略に示されるように,光源1c,1dで代表される照射光学系およびカメラ4c,4dで代表される受光光学系が,間にウェーハ3の外周部3c,3dを挟むように間隔をあけて,上記ウェーハ3の表面に平行な方向に対向配備される。それにより,カメラ4c,4dは,上記ウェーハ3の外周部3c,3dの断面画像を取得する事ができる。演算部5は,この断面画像に基づいて,以下に述べる手法により上記ウェーハ3の該終端部のズレを検出する。これによってウェーハの直径算出精度を向上させることができる。
図4は,上記のようなウェーハ3の外周部3c或いは3dの部分のカメラ4c或いは4dにより撮像された断面画像である。
ここでウェーハ3の,例えば外周部3cの部分の長さ(図3におけるLb或いはLaの長さに相当)は,正確にはウェーハ3の厚さ方向の中心線Jに沿って測った距離Fであるが,実際の断面画像から測定するときは,ウェーハ3の最外端部Dが検出されるのみであるから水平方向に測った距離F0となる。
図5は,上記のような傾きθを測定するための装置構造を示す概念図である。図に示すように,この装置では,上記ウェーハ3の外周に対向して,ウェーハ3の中心軸(即ち,テーブル6の回転軸心)を通る垂直平面上に,上記ウェーハ3の外周部に向けて傾き測定光を照射するレーザ或いはLEDなどの投光機10と,該投光機10から出射され上記外周部の端点BD間の面(外周の端面)で反射した傾き測定光を受光する傾き測定用受光部11とが設けられている。投光機10は,テーブル6のウェーハ設置面に平行な方向,即ち,本来ウェーハ3が設置されるべきはずの面に平行に光を照射する。上記測定用受光部11は,例えば1次元のCCDカメラや2次元のPSD(Position Sensing Device)により構成される。
ところで,図4に明らかなように,前記ウェーハ3の厚さ方向の中心面Jに沿って測ったウェーハ3の正しい長さはFであるが,実際の測定においては前記したように端点Dまでの水平方向の長さは図の通りF0であり,上記中心面Jと点BD間の端面との交点Cの水平方向の長さと上記長さF0との差ΔXは,上記ウェーハ3の外周端面の幅BDをdとすると
Δx=d*sinθ/2≒dθ/2
である。
これをウェーハ3の端部の傾きθで補正することで,正しい距離Fが得られる。
F=(F0−Δx)/cosθ
によって演算部5によって演算される。
このように上記投光機10や受光部11を設けることでウェーハの直径の演算精度は飛躍的に向上する。
なお,ウェーハの断面形状測定でエッジ部の傾きを算出する場合,エリアサイズ1024×1024の撮像素子を用いた場合でも画素分解能は1μm/pixel程度であり,0.02度の僅かな傾き(サブミクロンオーダーの傾き)を検出することは難しい。そこで限られた条件ではあるが,予めエッジプロファイルが既知であり,かつ,エッジ端面に平面あるいは(平面とみなせる)大きな曲率半径をもつ曲面を有する基準となるウェーハに対しては,ウェーハエッジ端面に光を照射し前記エッジ端面からの反射光の角度を検出することによりウェーハエッジ部の傾きを簡易かつ高精度に測定することが可能となり,エッジ部の傾き等がある場合でも高精度な直径計測が可能となる。従って,このような基準となるウェーハを用いて基準形状のウェーハにおける形状を取り込んでおき,それを基準にしてウェーハの直径を算出する方法を採用すれば,測定精度は更に向上する。
但し,前記したように上記断面画像の精度を向上させることができれば,単純に画像解析だけで上記傾きθやΔx等を求めることができるので,その場合には,投光機10や受光部11を省略できる。
なお,上記受光部11にはラインセンサを用いてもよいし,点的な受光部11を移動機構により移動させて反射光強度が最大となる角度位置を測定してもよい。
2a,2b…光線
3…ウェーハ
4a,4b,4c,4d…受光光学系(カメラ)
5…演算部
6…テーブル
10…投光機
11…受光部
Claims (4)
- 測定対象である円盤状体の直径に対応する上記円盤状体の外周位置に、該円盤状体の2以上の外周部分に測定光を照射する2以上の照射光学系と、これに対向し上記照射光学系から照射され上記円盤状体の外周部分で一部が遮られた測定光を受光し、相対位置が平行になるように配置された2以上の受光光学系とを備え、上記受光光学系による光学画像に基づいて上記円盤状体の直径を算出する直径測定装置であって、上記照射光学系および受光光学系が、上記円盤状体の表面に直角方向に対向配備され、直径が既知の円盤状体を用いて較正した値と、上記受光光学系による測定対象の円盤状体の部分画像とに基づいて、該測定対象の円盤状体の直径を算出してなる直径測定装置。
- 測定対象である円盤状体の直径に対応する上記円盤状体の外周位置に、該円盤状体の2以上の外周部分に測定光を照射する2以上の照射光学系と、これに対向し上記照射光学系から照射され上記円盤状体の外周部分で一部が遮られた測定光を受光し、相対位置が平行になるように配置された2以上の受光光学系とを備え、上記受光光学系による光学画像に基づいて上記円盤状体の直径を算出する直径測定装置であって、上記照射光学系および受光光学系が、上記円盤状体の表面に平行な方向に対向配備され、上記円盤状体の外周に対向して、円盤状体の中心軸を通り該円盤状体に垂直な垂直平面上に、上記円盤状体の外周部に向けて傾き測定光を照射する投光機と、該投光機から出射され上記外周部で反射した傾き測定光を受光する傾き測定用受光部とを配置し、上記傾き測定用受光部が受光した傾き測定光に基づいて円盤状体の傾き角度を測定し、この測定された傾き角度と、上記受光光学系による円盤状体の外周部の断面画像に基づいて算出された上記円盤状体の直径の補正値に基づいて、円盤状体の直径を算出してなる直径測定装置。
- 予め直径が測定されている円盤状体についての測定値を基準として、円盤状体の直径の測定値を補正する請求項2に記載の直径測定装置。
- 上記円盤状体がウェーハである請求項1〜3のいずれかに記載の直径測定装置。
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