JP2014013183A - X線応力測定装置およびx線応力測定方法 - Google Patents

X線応力測定装置およびx線応力測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構成で多様な試料の測定を可能とするX線応力測定装置およびX線応力測定方法を提案する。
【解決手段】試料SにX線を入射するX線発生器11と、試料測定点Pで回折された回折X線を検出する回折X線検出器12とを具備してなり、X線発生器11及び回折X線検出器12又は試料Sを回転させて試料面法線Zに対する回折面法線Nの傾き角ψを変化させ、回折面法線Nの傾き角ψ及び対応する回折X線の回折角2θに基づいて試料内の応力を測定するX線応力測定装置1において、試料Sの標準固定位置からの試料面法線方向の変位量を測定する変位量測定器13を具備してなり、変位量測定器13にて測定された変位量に基づいて回折角2θを補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、X線応力測定装置およびX線応力測定方法に関し、より詳細には、試料にX線を入射するX線発生器と、試料測定点で回折された回折X線を検出する回折X線検出器とを具備してなり、X線発生器及び回折X線検出器又は試料を回転させて試料面法線に対する回折面法線の傾き角を変化させ、回折面法線の傾き角及び対応する回折X線の回折角に基づいて試料内の応力を測定するX線応力測定の技術に関する。
従来、X線応力測定装置は、試料にX線を入射するX線発生器と、試料測定点で回折された回折X線を検出する回折X線検出器とを具備してなり、X線発生器及び回折X線検出器又は試料を回転させて試料面法線に対する回折面法線の傾き角を変化させ、回折面法線の傾き角及び対応する回折X線の回折角に基づいて試料内の応力を測定する構成が公知となっている。
図2に示すように、X線応力測定装置1において、X線発生器11より入射された入射X線は、試料表面の応力測定位置である試料測定点Pで回折され、回折X線検出器12で回折X線の強度(回折強度)が検出される。このとき、X線発生器11の中心軸と回折X線検出器12の中心軸との交点が試料測定点Pであり、試料測定点Pを通る試料表面に対する法線が試料面法線Z、入射X線と回折X線が交わってできる角の二等分線が回折面法線Nとなる。入射X線と回折X線は、回折面法線Nに対して角度ηで等角となる。
試料面法線Zに対する回折面法線Nの傾きを傾き角ψとし、入射X線方向と回折X線方向とのなす角を回折角2θとすると、回折X線の回折強度は、回折角2θでピークとなり、回折面法線Nの方向(傾き角ψ)に応じて回折角2θが変化する。そこで、X線応力測定装置1では、試料測定点Pを中心にX線発生器11及び回折X線検出器12を同時に回転させるか又は試料Sを回転させるかして、試料面法線Zに対する回折面法線Nの傾き角ψを変化させて、回折X線検出器12にて検出される回折X線の回折強度ピークから回折角2θが求められる。そして、sinψを変数として対応する回折X線の回折角2θをプロットすることで得られる2θ−sinψ図に基づいて、図中プロットの回帰直線を演算し、かかる回帰直線の傾きより試料内の応力が求められる。
ところで、X線応力測定装置では、試料が正しい位置(標準固定位置)に位置決めされているという条件下で傾き角ψが設定されて回折角2θが測定されるため、試料の標準固定位置よりもずれた位置で応力測定を行うと、得られる応力値に誤差が生じる。特に、X線応力測定装置では、試料測定点Pを中心にX線発生器や回折X線検出器等が回転駆動されるため、試料が正しい位置(標準固定位置)に配置されていないと、X線発生器や回折X線検出器等の回転中心と試料測定点Pとがずれる結果、正確な応力値を得ることができない。
かかる観点から、従来のX線応力測定装置においては、試料の位置決め精度を向上させるために、例えば、特許文献1には、X線発生器や回折X線検出器等の回転軸と試料測定点Pとを一致させて試料を標準固定位置で位置決めするための光学顕微鏡を備えてなる構成が開示され、また、特許文献2には、試料を標準固定位置で位置決めするためのレーザ変位計を設けてなる構成が開示されている。
しかしながら、上述した特許文献1又は特許文献2に開示されるX線応力測定装置の構成では、X線発生器や回折X線検出器等の回転軸を試料測定点Pと一致させるために、測定の度に試料やX線発生器や回折X線検出器等の設定位置を変動させる必要があったため、試料の形状・大きさ・重量等によっては位置決めの微調整ができない場合があり、測定可能な試料の種類が制限されてしまうという問題があった。また、位置決めを微調整できる場合であっても、試料やX線発生器や回折X線検出器等の設定位置を変動させるための駆動源や駆動機構の機械精度が高度化して、構造が複雑化してしまうという問題があった。
特開平3−59449号公報 特開平7−260598号公報
そこで、本発明では、X線応力測定装置およびX線応力測定方法に関し、前記従来の課題を解決するもので、簡易な構成で多様な試料の測定を可能とするX線応力測定装置およびX線応力測定方法を提案するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、試料にX線を入射するX線発生器と、試料測定点で回折された回折X線を検出する回折X線検出器とを具備してなり、前記X線発生器及び回折X線検出器又は試料を回転させて試料面法線に対する回折面法線の傾き角を変化させ、回折面法線の傾き角及び対応する回折X線の回折角に基づいて試料内の応力を測定するX線応力測定装置において、試料の標準固定位置からの試料面法線方向の変位量を測定する変位量測定器を具備してなり、前記変位量測定器にて測定された変位量に基づいて回折角を補正するものである。
請求項2においては、前記回折X線検出器を検出器走査面上で回折X線方向と交差する方向に直線移動させる検出器駆動機構を具備してなるものである。
請求項3においては、前記変位量測定器は、試料に対して試料面法線に沿ってレーザを照射するレーザ変位計として構成され、試料表面までの離間距離の変位を試料の標準固定位置からの試料面法線方向の変位量として測定するものである。
請求項4においては、試料にX線を入射するX線発生器と、試料測定点で回折された回折X線を検出する回折X線検出器とを具備してなるX線応力測定装置を用いて、試料内の応力を測定するX線応力測定方法において、試料の標準固定位置からの試料面法線方向の変位量を測定する変位量測定工程と、前記X線発生器及び回折X線検出器又は試料を回転させて試料面法線に対する回折面法線の傾き角を変化させ、回折面法線の傾き角に対応する回折X線の回折角を求める回折角解析工程と、前記変位量測定工程にて測定された変位量に基づいて前記回折角解析工程にて求められた回折角を補正する回折角補正工程と、回折面法線の傾き角及び前記回折角補正工程にて補正された回折X線の回折角に基づいて試料内の応力を求める応力測定工程と、を有してなるものである。
請求項5においては、前記変位量測定工程は、試料に対して試料面法線に沿ってレーザを照射するレーザ変位計にて、試料表面までの離間距離の変位を試料の標準固定位置からの試料面法線方向の変位量として測定するものである。
本発明の効果として、簡易な構成で多様な試料の測定が可能となる。
本発明の一実施例に係るX線応力測定装置の全体的な構成を示した正面図である。 入射X線と回折X線の関係を示す図である。 X線検出時のX線応力測定装置の斜視図である。 X線検出器の走査を説明した図である。 変位量測定時のX線応力測定装置の斜視図である。 処理測定装置の機能ブロック図である。 回折X線の測定方法を説明した図である。 回折角の補正方法を説明した図である。 本実施例のX線応力測定方法を説明したフローチャートである。
次に、発明を実施するための形態を説明する。以下の実施例では、X線応力測定装置1において、一例として、試料Sとして自動車用カムシャフト等の断面円形の棒状重量物の応力測定を可能とするように構成されている。
まず、本実施例のX線応力測定装置1の全体構成について、以下に説明する。
図1乃至図7に示すように、本実施例のX線応力測定装置1は、試料Sを固定する試料台10と、試料台10に固定された試料SにX線を入射するX線発生器11と、試料測定点Pで回折された回折X線を検出する回折X線検出器12と、試料台10に固定された試料Sの標準固定位置からの試料面法線方向の変位量を測定する変位量測定器13と、回折面法線Nの傾き角ψ及び対応する回折X線の回折角2θに基づいて試料内の応力を測定する処理測定装置14等とで構成されている。
本実施例のX線応力測定装置1では、X線発生器11より試料Sに入射された入射X線は、試料表面の応力を測定する試料測定点Pで回折され、回折X線検出器12で回折X線の強度(回折強度)が検出されるように構成されている。以下、図2に示すように、X線発生器11の中心軸と回折X線検出器12の中心軸との交点を試料測定点Pとし、試料測定点Pを通る試料表面に対する法線を試料面法線Zとし、入射X線と回折X線が交わってできる角の二等分線を回折面法線Nとする。このとき、入射X線と回折X線は回折面法線Nに対して角度ηで等角となる。また、入射X線の方向と回折X線検出器12の走査方向とによって決まる面を検出器走査面とし、試料面法線Zと応力測定方向とによって決まる面を測定方向面とする(図7参照)。
試料台10は、棒状重量物としての試料Sを回転可能に支持するように構成されており、試料台10にて試料Sが装置本体の設置面に対して水平に支持される。試料台10は、試料測定点Pを通り試料Sの軸芯に沿って設置面に対して水平な軸(以下、ψ軸という。)を中心に試料Sを回転駆動させるψ軸駆動機構(図略)と接続されており、ψ軸駆動機構にてψ軸を中心に試料Sが回転駆動される。また、試料台10は、ψ軸に沿って水平方向(図3における矢印Y方向)に移動可能とされている。
X線発生器11、回折X線検出器12及び変位量測定器13は、装置本体に回転可能に接続された測定アーム16に固定され、試料台10の上方位置に配置されている。測定アーム16は、試料測定点Pを通り上述したψ軸と直交する軸(以下、2θ軸という。)を中心に回転駆動させる2θ軸駆動機構(図略)と接続されており、2θ軸駆動機構にて2θ軸を中心に回転駆動される。
回折X線検出器12は、公知の検出器を用いることができ、本実施例では走査型の検査器として構成されている。回折X線検出器12は、測定アーム16に検出器駆動機構18を介して取り付けられており、試料台10の上方位置に配置されている。検出器駆動機構18は、回折X線検出器12を検出器走査面上で直線移動させる走査機構として構成されている。
検出器駆動機構18は、回折X線検出器12を固定支持するガイドレール18aと、回折X線検出器12をガイドレール18aに沿って移動させる駆動装置18b等とで構成されている。回折X線検出器12は、検出器駆動機構18の駆動装置18bにて駆動され、ガイドレール18aに沿って所定の走査範囲で往復動されることで、検出器走査面上で回折X線方向と交差する方向に直線移動され、試料測定点Pで回折された回折X線が検出されて強度分布が測定される(図4参照)。
変位量測定器13は、公知のレーザ変位計として構成されており、測定アーム16に固定され、試料台10の上方位置に配置されている。本実施例の変位量測定器13は、回折X線の測定時は、試料Sの上方位置に対して測定を妨げない位置に退避されており、試料Sの変位量の測定時は、試料台10がψ軸に沿って水平方向(図3における矢印Y方向)に移動されることで、試料Sの試料測定点Pの上方位置であって試料面法線Zとレーザ軸とが一致する位置に配置される(図5参照)。
試料Sの標準固定位置は、上述した試料台10、X線発生器11、及び回折X線検出器12等の配置構成より予め設定されており、本実施例では、ψ軸及び2θ軸の交点と試料測定点P(X線発生器11の中心軸と回折X線検出器12の中心軸との交点)とが一致する位置に設定される。変位量測定器13は、試料台10に固定された試料Sに対して試料面法線Zに沿って試料表面に向けてレーザを照射することで、試料Sの標準固定位置からの試料測定点Pの試料面法線方向の変位量が測定される。本実施例では、試料面法線方向における試料表面から変位量測定器13までの離間距離が予め設定されており、試料台10に固定された試料Sに対して試料面法線Zに沿って試料表面に向けてレーザを照射した場合の離間距離の変位が、試料Sの標準固定位置からの試料面法線方向の変位量として測定される。
処理測定装置14は、各種処理が実行されるCPUや各種処理プログラム等が格納されるメモリ等で構成され、上述した回折X線検出器12や変位量測定器13等と接続されている。本実施例の処理測定部14は、図示せぬ入力装置にて入力された測定条件や測定プログラムに従ってX線発生器11等の駆動を制御する駆動制御部19と、回折X線検出器12にて検出された所定の回折面法線Nの傾き角ψに対応する回折X線の回折角2θを求める回折角解析部20と、変位量測定器13にて測定された変位量に基づいて回折角解析部20にて求められた回折角2θを補正する回折角補正部21と、回折面法線Nの傾き角ψ及び回折角補正部21にて補正された回折X線の回折角2θに基づいて試料内の応力を求める応力測定部22等とで構成されている(図6参照)。
駆動制御部19は、図示せぬ入力装置にて入力された測定条件や測定プログラムに従ってX線発生器11等の駆動を制御する制御信号が送信され、回折X線検出器12にて検出された回折X線の検出信号や、変位量測定器13にて測定された試料測定点Pの変位量に基づく信号等が受信される。
本実施例のX線応力測定装置1では、駆動制御部19にて上述したψ軸駆動機構又は2θ軸駆動機構が駆動制御されることで、試料面法線Zに対する回折面法線Nの傾き角ψが変化される。側傾法の場合は、駆動制御部19にて2θ軸駆動機構が駆動されて、測定アーム16(X線発生器11、回折X線検出器12及び変位量測定器13)が2θ軸を中心に回転され、検出器走査面を測定方向面に対して直交させるように回折面法線Nの傾き角ψが変化される(図7(a)参照)。一方、並傾法の場合は、駆動制御部19にてψ軸駆動機構15が駆動されて、ψ軸を中心に試料Sが回転され、検出器走査面が測定方向面に一致するように検出器走査面内にて回折面法線Nの傾き角ψが変化される(図7(b)参照)。
回折X線の強度分布を測定する際には、駆動制御部19にて検出器駆動機構18が駆動制御され、駆動装置18bにてガイドレール18aに沿って回折X線検出器12が検出器走査面上を直線移動(走査)される。また、試料Sの変位量を測定する際には、駆動制御部19にて試料台10がψ軸に沿って水平方向に移動されて、試料測定点Pの上方位置であって試料面法線Zとレーザ軸とが一致するように変位量測定器13が配置される。
回折角解析部20では、X線発生器11及び回折X線検出器12又は試料Sが所定の回折面法線Nの傾き角ψで固定された状態で、回折X線検出器12にて検出された回折X線の強度分布に基づいて、回折X線の強度分布における回折強度ピークが解析されて回折角2θが求められる。回折角2θは、回折面法線Nの傾き角ψが変化されることで、回折面法線Nの傾き角ψに対応する回折X線の回折角2θがそれぞれ求められる。
回折角補正部21では、変位量測定器13にて測定された試料Sの変位量に基づいて回折角解析部20にて求められた回折角2θが補正される。ここで、図8を参照しながら、回折角補正部21における回折角2θの補正方法について説明する。まず、X:試料面、X’:試料面法線方向に距離dだけずれた試料面、l:X線入射方向、l:試料Sが正しい位置にあった場合の回折X線方向、l:試料面法線方向に距離dだけずれた場合の回折X線方向、l:回折X線検出器12の軌道、P:試料Sが正しい位置にあった場合の試料測定点、P’:試料面法線方向に距離dだけずれた場合の試料測定点、C:回折角補正部12の位置、b:lの切片とする。
変位量測定器13にて変位量として距離dが測定された場合に、回折角解析部20にて回折角2θが求められたとすると、かかる角度は実際には回折角2θとなるため(図8参照)、直線lと試料面Xとのなす角をφとし、直線lと試料面X’とのなす角をφとすると、次の式(1)の関係式が成立する。なお、θは直線lと試料面Xとの交点角度である。
Figure 2014013183
φは式(1)の逆正接関数として式(2)より求められる。
Figure 2014013183
また、φ及びφは次の式(3)、(4)で表される。なお、角度θは直線lと試料面法線Xとの角度である。
Figure 2014013183
求める回折角2θを回折角解析部20にて求められた回折角2θで表すと、式(2)に上記の式(3)、(4)を代入した式(5)のようになる。
Figure 2014013183
側傾法にて試料面法線Zに対する回折面法線Nの傾き角ψが変化された場合には、測定アーム16(X線発生器11、回折X線検出器12及び変位量測定器13)が2θ軸を中心に回転されるため、試料測定点Pを中心に傾き角ψだけ変化されたとすると、距離dは次の式(6)のように距離d’として表される。
Figure 2014013183
以上より、側傾法の場合は、式(6)を上記の式(5)に代入した式(7)を用いて回折角2θが求められる。
Figure 2014013183
一方、並傾法にて試料面法線Zに対する回折面法線Nの傾き角ψが変化された場合には、ψ軸を中心に試料Sが回転されるため、試料測定点Pを中心に傾き角ψだけ変化されたとすると、角度θ、回折角2θ、回折角2θ、角度θ及び切片bは、それぞれ次の式(8)で表されるように移動する。
Figure 2014013183
以上より、並傾法の場合は、式(8)をそれぞれ上記の式(5)に代入した式(9)を用いて回折角2θが求められる。
Figure 2014013183
応力測定部22では、回折面法線Nの傾き角ψ及び回折角補正部21にて補正された回折角2θに基づいて、sinψを変数として対応する回折X線の回折角2θをプロットすることで2θ−sinψ図を作成し、かかる2θ−sinψ図のプロットより演算される回帰直線の傾きより試料内の応力値が求められる。
次に、本実施例のX線応力測定装置1を用いたX線応力測定方法について、以下に説明する。
図9に示すように、本実施例のX線応力測定装置1を用いたX線応力測定方法は、試料Sの標準固定位置からの試料面法線方向の変位量を測定する変位量測定工程(S100)と、X線発生器11及び回折X線検出器12又は試料Sを回転させて試料面法線Zに対する回折面法線Nの傾き角ψを変化させ、回折面法線Nの傾き角ψに対応する回折X線の回折角2θを求める回折角解析工程(S110)と、変位量測定工程(S100)にて測定された変位量に基づいて回折角解析工程(S110)にて求められた回折角を補正する回折角補正工程(S120)と、回折面法線Nの傾き角ψ及び回折角補正工程(S120)にて補正された回折X線の回折角2θに基づいて試料内の応力を求める応力測定工程(S130)と、を有してなる。
変位量測定工程(S100)では、試料台10に試料Sが固定されると、試料表面の測定箇所がX線発生器11の中心軸と回折X線検出器12の中心軸との交点(試料測定点P)に位置するようにして位置決めされる(S101)。そして、試料台10がψ軸に沿って水平方向(図3における矢印Y方向)に移動されて、変位量測定器13が試料Sの試料測定点Pの上方位置であって試料面法線Zとレーザ軸とが一致する位置に配置され、試料Sの標準固定位置からの試料面法線方向の変位量が測定される(S102)。変位量測定器13にて測定が終了すると、試料台10が移動されて試料Sが元の位置まで戻される。
回折角解析工程(S110)では、X線発生器11及び回折X線検出器12(側傾法)又は試料S(並傾法)が回転されて試料面法線Zに対する回折面法線Nの傾き角ψが変化され(S111)、かかる状態で回折X線検出器12が走査されて、回折X線検出器12にて回折X線の強度分布が測定される(S112)。そして、回折X線検出器12にて検出された回折X線の強度分布に基づいて回折強度ピークが解析されて回折角2θが求められる(S113)。回折面法線Nの傾き角ψが所定角度ごとに変化されることで、回折面法線Nの傾き角ψに対応する回折X線の回折角2θがそれぞれ求められる。なお、回折面法線Nの傾き角ψの測定範囲は予め設定されている。
回折角補正工程(S120)では、変位量測定工程(S100)にて測定された試料Sの変位量に基づいて回折角解析工程(S110)にて求められた回折角2θがそれぞれ補正される。このとき、回折角2θは、上述したように側傾法の場合は式(7)を用いて、並傾法の場合は式(9)を用いてそれぞれ演算補正される。
応力測定工程(S130)では、回折面法線Nの傾き角ψ及び回折角補正工程(S120)にて補正された回折角2θに基づいて、sinψを変数として対応する回折X線の回折角2θをプロットすることで2θ−sinψ図が作成される(S131)。そして、2θ−sinψ図のプロットより演算される回帰直線の傾きより試料内の応力値が算出される(S132)。
以上のように、本実施例のX線応力測定装置1は、試料SにX線を入射するX線発生器11と、試料測定点Pで回折された回折X線を検出する回折X線検出器12とを具備してなり、X線発生器11及び回折X線検出器12又は試料Sを回転させて試料面法線Zに対する回折面法線Nの傾き角ψを変化させ、回折面法線Nの傾き角ψ及び対応する回折X線の回折角2θに基づいて試料内の応力を測定するX線応力測定装置1において、試料Sの標準固定位置からの試料面法線方向の変位量を測定する変位量測定器13を具備してなり、変位量測定器13にて測定された変位量に基づいて回折角2θを補正するものであるため、簡易な構成で多様な試料の測定を可能とすることができるのである。
すなわち、本実施例のX線応力測定装置1は、試料Sの標準固定位置からの試料面法線方向の変位量を測定する変位量測定器13を具備してなり、変位量測定器13にて測定された変位量に基づいて回折角2θを補正するものであるため、標準固定位置から試料法線方向にずれた位置に試料Sが固定された場合であっても、回折角2θを補正して精度よく求めることができる。そのため、装置に試料Sを固定する際に精密に位置決めする必要がなく、例えば、特殊な形状のものやサイズ・重量が大きいものなど、位置決めの微調整が困難な試料Sであっても測定することができる。また、試料Sを精密に位置決めするための機械精度の高い駆動源や駆動機構が不要であり、簡易に構成することができる。
特に、本実施例のX線応力測定装置1は、回折X線検出器12を検出器走査面上で回折X線方向と交差する方向に直線移動させる検出器駆動機構18を具備してなるため、標準固定位置から試料法線方向にずれた位置に試料Sが固定された場合であっても、回折X線検出器12において受光スリットを介して検出される回折X線の測定値のバラつきや、回折強度の分解能の低減を防止して、補正精度を向上することができる。
また、変位量測定器13は、試料Sに対して試料面法線に沿ってレーザを照射するレーザ変位計として構成され、試料表面までの離間距離の変位を試料の標準固定位置からの試料面法線方向の変位量として測定するため、位置決めされた状態の試料Sに対して試料面法線方向の変位量を非接触で簡易に測定することができる。
なお、X線応力測定装置1の構成としては、上述した実施例に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
すなわち、上述した実施例のX線応力測定装置1では、回折X線検出器12として走査型の検出器を用いた構成について説明したが(図4参照)、回折X線検出器12としてはこれに限定されず、例えば、PSPC(位置敏感型比例計数管)などのPSDとして構成されてもよく、かかる場合には、上述した検出器駆動機構18が不要である。また、上述した実施例では、回折X線検出器12の走査機構として、X線発生器11を位置固定した状態で回折X線検出器12の相対移動させる構成について説明したが、回折X線検出器12と連動してX線発生器11を移動させるように構成してもよい。
また、上述した実施例のX線応力測定装置1では、変位量測定器13がX線発生器11等とともに測定アーム16に固定される構成について説明したが、変位量測定器13の配置構成はこれに限定されない。また、上述した実施例では、変位量測定器13は、試料Sの変位量の測定時に、試料Sの試料測定点Pの上方位置であって試料面法線Zとレーザ軸とが一致する位置に配置されるように構成されるが(図5参照)、変位量測定器13の配置はこれに限定されず、例えば、試料測定点Pの近傍位置にレーザ軸と試料表面との交点が位置するように配置されてもよい。ただし、変位量測定器13が試料面法線Zとレーザ軸とが一致する位置に配置されることで、試料Sの変位量の測定精度がより向上できるため好ましい。
また、上述した実施例のX線応力測定方法では、回折角解析工程(S110)の前に変位量測定工程(S100)にて試料Sの変位量が測定されるが(図9参照)、回折角解析工程と回折角解析工程の順番はこれに限定されず、回折角解析工程にて回折角2θが求められた後に変位量が測定されてもよい。
また、上述した実施例のX線応力測定装置1では、試料Sとして断面円形の棒状重量物を用いた場合について説明したが、測定可能な試料Sの形状等についてはこれに限定されず、例えば、平板状のものやブロック状のものであってもよい。
1 X線応力測定装置
10 試料台
11 X線発生器
12 回折X線検出器
13 変位量測定器
14 処理測定装置
16 測定アーム
18a ガイドレール
18b 駆動装置
N 回折面法線
P 試料測定点
S 試料
Z 試料面法線
ψ 傾き角
2θ 回折角

Claims (5)

  1. 試料にX線を入射するX線発生器と、試料測定点で回折された回折X線を検出する回折X線検出器とを具備してなり、前記X線発生器及び回折X線検出器又は試料を回転させて試料面法線に対する回折面法線の傾き角を変化させ、回折面法線の傾き角及び対応する回折X線の回折角に基づいて試料内の応力を測定するX線応力測定装置において、
    試料の標準固定位置からの試料面法線方向の変位量を測定する変位量測定器を具備してなり、
    前記変位量測定器にて測定された変位量に基づいて回折角を補正する、
    ことを特徴とするX線応力測定装置。
  2. 前記回折X線検出器を検出器走査面上で回折X線方向と交差する方向に直線移動させる検出器駆動機構を具備してなる請求項1に記載のX線応力測定装置。
  3. 前記変位量測定器は、試料に対して試料面法線に沿ってレーザを照射するレーザ変位計として構成され、試料表面までの離間距離の変位を試料の標準固定位置からの試料面法線方向の変位量として測定する請求項1又は請求項2に記載のX線応力測定装置。
  4. 試料にX線を入射するX線発生器と、試料測定点で回折された回折X線を検出する回折X線検出器とを具備してなるX線応力測定装置を用いて、試料内の応力を測定するX線応力測定方法において、
    試料の標準固定位置からの試料面法線方向の変位量を測定する変位量測定工程と、
    前記X線発生器及び回折X線検出器又は試料を回転させて試料面法線に対する回折面法線の傾き角を変化させ、回折面法線の傾き角に対応する回折X線の回折角を求める回折角解析工程と、
    前記変位量測定工程にて測定された変位量に基づいて前記回折角解析工程にて求められた回折角を補正する回折角補正工程と、
    回折面法線の傾き角及び前記回折角補正工程にて補正された回折X線の回折角に基づいて試料内の応力を求める応力測定工程と、
    を有してなることを特徴とするX線応力測定方法。
  5. 前記変位量測定工程は、試料に対して試料面法線に沿ってレーザを照射するレーザ変位計にて、試料表面までの離間距離の変位を試料の標準固定位置からの試料面法線方向の変位量として測定する請求項4に記載のX線応力測定方法。
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