JP2010245016A - 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2010245016A
JP2010245016A JP2009133365A JP2009133365A JP2010245016A JP 2010245016 A JP2010245016 A JP 2010245016A JP 2009133365 A JP2009133365 A JP 2009133365A JP 2009133365 A JP2009133365 A JP 2009133365A JP 2010245016 A JP2010245016 A JP 2010245016A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
active material
electrode active
electrolyte secondary
secondary battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009133365A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4989682B2 (ja
Inventor
Takeshi Ogasawara
毅 小笠原
Naoki Imachi
直希 井町
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2009133365A priority Critical patent/JP4989682B2/ja
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to PCT/JP2009/062332 priority patent/WO2010004973A1/ja
Priority to KR1020107027733A priority patent/KR20110034592A/ko
Priority to CN2009801251038A priority patent/CN102077396A/zh
Priority to EP09794417A priority patent/EP2299524A4/en
Priority to US13/002,254 priority patent/US8741483B2/en
Publication of JP2010245016A publication Critical patent/JP2010245016A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4989682B2 publication Critical patent/JP4989682B2/ja
Priority to US14/263,468 priority patent/US9929401B2/en
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Abstract

【課題】 非水電解質二次電池に用いる正極活物質を改善し、充電電圧を高くした場合において、正極活物質と非水電解液とが反応するのを十分に抑制し、特に、高温環境下において連続して充電させる場合においても、十分な保存特性や充放電特性が得られるようにすると共に、電池内部においてガスが発生して電池が膨化するのを抑制する。
【解決手段】 正極1と、負極2と、非水電解液とを備えた非水電解質二次電池において、正極活物質として、ニッケルとコバルトから選択される少なくとも一種の元素を含有する正極活物質粒子の表面に、水酸化ネオジウム、オキシ水酸化ネオジウム、水酸化サマリウム、オキシ水酸化サマリウム、水酸化プラセオジム、水酸化ユーロピウム、オキシ水酸化ユーロピウム、水酸化ガドリニウム、オキシ水酸化ガドリニウムから選択される少なくとも一種の化合物の粒子が分散されて付着されたものを用いた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池の正極に使用する非水電解質二次電池用正極活物質及びその製造方法、また上記の非水電解質二次電池用正極活物質を用いた非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池に関するものである。特に、非水電解質二次電池の正極に用いる正極活物質を改善する。
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDAなどの移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源として用いる電池の高容量化が要求されている。このような要求に対応するため、高出力,高エネルギー密度の新型二次電池として、非水電解液を用い、リチウムイオンを正極と負極との間で移動させて充放電を行う非水電解質二次電池が広く利用されるようになった。
このような非水電解質二次電池では、正極における正極活物質として、コバルト酸リチウムLiCoO2、スピネル型マンガン酸リチウムLiMn24、コバルト−ニッケル−マンガンのリチウム複合酸化物、アルミニウム−ニッケル−マンガンのリチウム複合酸化物、アルミニウム−ニッケル−コバルトのリチウム複合酸化物などが一般に用いられる。また、負極における負極活物質としては、黒鉛等の炭素材料や、SiやSn等のリチウムと合金化する材料などが用いられる。
しかし、近年では、移動情報端末における動画再生、ゲーム機能といった娯楽機能の充実が進み、消費電力がさらに上昇する傾向にあり、さらなる高容量化及び高性能化が要求されている。そこで、非水電解質二次電池を高容量化させるためには、この非水電解質二次電池を高い電圧まで充電させ、この非水電解質二次電池内に充填させる正極活物質や負極活物質の充填密度を高くすることが考えられる。
しかし、非水電解質二次電池を高い電圧まで充電させた場合、正極活物質の酸化力が強くなると共に、正極活物質が一般に触媒性を有する遷移金属を有しているため、正極活物質の表面において非水電解液が反応して分解する。この結果、非水電解質二次電池におけるサイクル特性や保存特性や連続充電後の特性が大きく劣化し、電池内部においてガスが発生して電池が膨化する。特に、高温環境下において、非水電解質二次電池の劣化がさらに大きくなるという問題があった。
また、非水電解質二次電池内に充填させる正極活物質や負極活物質の充填密度を高くすると、正極や負極における非水電解液の浸透が悪くなり、充放電反応が適切に行われなくなって充放電特性が低下する。さらに、充放電反応が不均一になって局所的に高電圧まで充電される部分が生じ、非水電解質二次電池を高い電圧まで充電させる場合と同様の問題が生じた。
これらに対して、特許文献1では、正極に、リチウムコバルト複合酸化物と共に、ランタン、セリウム、ネオジウム等から選択される希土類化合物を含有させることにより、充放電容量が大きく、熱的安定性に優れた非水電解質二次電池を得ることが提案されている。ここで、特許文献1では、リチウムコバルト複合酸化物に導電剤や結着剤と一緒に酸化ランタンなどの希土類化合物を混合させて、正極が作製されている。
しかし、特許文献1に示されるようにして正極を作製した場合、リチウムコバルト複合酸化物の表面に、酸化ランタンなどの希土類化合物を適切に分散させて付着させることができなかった。このため、リチウムコバルト複合酸化物と酸化ランタンなどの希土類化合物の接触性が悪くなって、十分な効果が得られなかった。この結果、リチウムコバルト複合酸化物と一緒に混合させる酸化ランタンなどの希土類化合物の量を多くすることが必要になり、正極中における正極活物質の割合が減少するという問題があった。
さらに、特許文献1に示される正極を用いた場合においても、充電電圧を高くすると、正極活物質と非水電解液とが反応した。このため、高温環境下において連続して充電させる場合に、十分な保存特性や充放電特性が得られない等の問題が依然として存在した。
また、特許文献2には、正極活物質として、LiCoO2とLiNiCo2とを含有し、両者の合計量に対するLiNiCo2の量が10〜45重量%とするものを用いることが提案されている。また、LiNiCo2におけるMとして、B,Mg,Al等に加えてランタノイド元素が含まれる場合が示されている。ここで、この特許文献2では、正極活物質のLiNiCo2におけるMを固溶させるようにしている。
しかし、このようにした場合でも、非水電解質二次電池を高い電圧まで充電させると、非水電解液が反応して分解するのを十分に抑制することが困難であった。このため、この特許文献2に示されるものでも、依然として、非水電解質二次電池を高い電圧まで充電させた場合、非水電解質二次電池におけるサイクル特性や保存特性や連続充電後の特性が大きく劣化し、電池内部においてガスが発生して電池が膨化するという問題があった。
また、特許文献3には、スピネル構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物の表面に、亜鉛、イットリウム、ニオブ、サマリウム、ネオジウム等から選択される少なくとも一種の元素の化合物を有する正極活物質を用いることが示されている。これは、リチウム遷移金属複合酸化物におけるマンガンの溶出を抑制して、非水電解質二次電池における高温特性を向上させたものである。
しかし、特許文献3では、亜鉛などの元素の化合物として、具体的にどのような化合物を用いるかということについては特に規定されていない。このため、充電電圧を高くした場合に、正極活物質と非水電解液との反応を十分に抑制できない。従って、特許文献3の発明においても、高温環境下において連続して充電させた場合に、十分な保存特性や充放電特性が得られない等の問題が依然として存在した。
さらに、特許文献4では、リチウムマンガン複合酸化物を含む粒子の表面の少なくとも一部に、ランタノイド元素含有化合物を付着させることが提案されている。ここで、特許文献4には、リチウムマンガン複合酸化物に対して、La23,Nd23,Sm23等のランタノイド元素の酸化物等を混合させて、550℃以上で焼成することが記載されている。そして、これにより、リチウムマンガン複合酸化物にランタノイド元素を固溶させると共に、その表面の一部にランタノイド元素の酸化物を付着させることも記載されている。
しかし、特許文献4に示されるものにおいても、前記のように充電電圧を高くすると、正極活物質と非水電解液とが反応し、高温環境下において連続して充電させる場合に、十分な保存特性や充放電特性が得られない等の問題が依然として存在した。
特開2004−207098号公報 特許第3712251号公報 特開2005−216651号公報 特開2005−174616号公報
本発明は、非水電解質二次電池における上記のような問題を解決することを課題とする。すなわち、本発明発おいては、非水電解質二次電池の充電電圧を高くした場合においても、正極活物質と非水電解液との反応を抑制することを課題とする。特に、高電圧での充放電サイクル特性や、高温環境下における保存特性や、高温環境下において連続して充電させる場合における保存特性や充放電特性を向上させると共に、電池内部におけるガス発生による電池の膨化を抑制することを課題とする。
本発明における非水電解質二次電池用正極活物質においては、ニッケルとコバルトから選択される少なくとも一種の元素を含有する正極活物質粒子の表面に、水酸化ネオジウム、オキシ水酸化ネオジウム、水酸化サマリウム、オキシ水酸化サマリウム、水酸化プラセオジム、水酸化ユーロピウム、オキシ水酸化ユーロピウム、水酸化ガドリニウム、オキシ水酸化ガドリニウムから選択される少なくとも一種の化合物の粒子を分散させて付着させた。
ニッケルとコバルトから選択される少なくとも一種の元素を含有する正極活物質粒子の表面に、水酸化ネオジウム、オキシ水酸化ネオジウム、水酸化サマリウム、オキシ水酸化サマリウム、水酸化プラセオジム、水酸化ユーロピウム、オキシ水酸化ユーロピウム、水酸化ガドリニウム、オキシ水酸化ガドリニウムから選択される少なくとも一種の化合物の粒子が分散されて付着された非水電解質二次電池用正極活物質を用いると、正極活物質粒子の表面における上記の付着物により、ニッケルやコバルトによる触媒作用によって非水電解液が分解する活性化エネルギーが低くなるのが抑制され、充電電圧を高くした場合においても、非水電解液が正極活物質の表面において反応して分解するのを防止できる。
ここで、正極活物質粒子の表面に付着させる水酸化ネオジウムやオキシ水酸化ネオジウムからなるネオジウム化合物や、水酸化サマリウムやオキシ水酸化サマリウムからなるサマリウム化合物や、水酸化プラセオジムからなるプラセオジム化合物や、水酸化ユーロピウムやオキシ水酸化ユーロピウムからなるユーロピウム化合物や、水酸化ガドリニウムやオキシ水酸化ガドリニウムからなるガドリニウム化合物の量が多くなりすぎると、正極活物質粒子の表面が過剰に覆われる。これにより、正極活物質粒子の表面における反応抵抗が大きくなり、容量低下などが生じるおそれがある。
このため、正極活物質粒子の表面に、ネオジウム化合物の粒子を付着させるにあたっては、正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたネオジウム化合物におけるネオジウム元素の量が0.35質量%以下にすることが好ましい。なお、正極活物質粒子にコバルト酸リチウムを用いた場合において、ネオジウム元素の量を0.35質量%にすると、コバルトに対するネオジウムのモル比は0.22モル%程度になる。
また、正極活物質粒子の表面に、サマリウム化合物の粒子を付着させるにあたっては、正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたサマリウム化合物におけるサマリウム元素の量が0.35質量%以下にすることが好ましい。なお、正極活物質粒子にコバルト酸リチウムを用いた場合において、サマリウム元素の量を0.35質量%にすると、コバルトに対するネオジウムのモル比は0.24モル%程度になる。
また、正極活物質粒子の表面に、水酸化プラセオジムの粒子を付着させるにあたっては、正極活物質粒子に対して、その表面に付着された水酸化プラセオジムにおけるプラセオジム元素の量が0.35質量%以下にすることが好ましい。なお、正極活物質粒子にコバルト酸リチウムを用いた場合において、プラセオジム元素の量を0.35質量%にすると、コバルトに対するプラセオジムのモル比は0.24モル%程度になる。
また、正極活物質粒子の表面に、ユーロピウム化合物の粒子を付着させるにあたっては、正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたユーロピウム化合物におけるユーロピウム元素の量が0.35質量%以下にすることが好ましい。なお、正極活物質粒子にコバルト酸リチウムを用いた場合において、ユーロピウム元素の量を0.35質量%にすると、コバルトに対するユーロピウムのモル比は0.23モル%程度になる。
また、正極活物質粒子の表面に、ガドリニウム化合物の粒子を付着させるにあたっては、正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたガドリニウム化合物におけるガドリニウム元素の量が0.35質量%以下にすることが好ましい。なお、正極活物質粒子にコバルト酸リチウムを用いた場合において、ガドリニウム元素の量を0.35質量%にすると、コバルトに対するガドリニウムのモル比は0.22モル%程度になる。
そして、正極活物質粒子の表面に、水酸化ネオジウムとオキシ水酸化ネオジウムとから選択される少なくとも一種のネオジウム化合物の粒子が分散されて付着された非水電解質二次電池用正極活物質を製造するには、正極活物質粒子を分散させた溶液にネオジウム塩の溶液を加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化ネオジウムを析出させる。
また、このように正極活物質粒子の表面に水酸化ネオジウムを析出させるにあたり、正極活物質粒子を分散させた溶液のpHを6以上にすることが好ましい。これは、正極活物質粒子を分散させた溶液のpHが6未満になると、ネオジウム塩が水酸化ネオジウムに適切に変化しないおそれがあるためである。
また、このように正極活物質粒子の表面に水酸化ネオジウムを析出させると、正極活物質粒子の表面に、粒径が100nm以下のネオジウム化合物の微粒子が適切に分散されて付着される。この結果、正極活物質粒子の表面に付着されるネオジウム化合物の量を少なくしても、正極活物質と非水電解液との反応を適切に抑制できる。
また、水酸化ネオジウムは、335℃〜350℃の温度でオキシ水酸化ネオジウムに変化し、440℃〜485℃の温度で酸化ネオジウムに変化する。このため、水酸化ネオジウムが表面に析出された正極活物質粒子を熱処理する場合において、熱処理する温度が440℃以上になると、水酸化ネオジウムが酸化ネオジウムに変化すると共に、ネオジウムが正極活物質粒子の内部に拡散される。したがって、酸化ネオジウムでは、水酸化ネオジウムやオキシ水酸化ネオジウムの場合と同様の効果を得ることができず、正極活物質の特性が低下し、充放電効率などの特性が低下する。このため、水酸化ネオジウムが表面に析出された正極活物質粒子を熱処理する温度を440℃未満にすることが好ましい。
また、正極活物質粒子の表面に、水酸化サマリウムとオキシ水酸化サマリウムとから選択される少なくとも一種のサマリウム化合物の粒子が分散されて付着された非水電解質二次電池用正極活物質を製造するには、正極活物質粒子を分散させた溶液にサマリウム塩の溶液を加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化サマリウムを析出させる。
また、このように正極活物質粒子の表面に水酸化サマリウムを析出させるにあたり、正極活物質粒子を分散させた溶液のpHを6以上にすることが好ましい。これは、正極活物質粒子を分散させた溶液のpHが6未満になると、サマリウム塩が水酸化サマリウムに適切に変化しないおそれがあるためである。
また、このように正極活物質粒子の表面に水酸化サマリウムを析出させると、正極活物質粒子の表面に、粒径が100nm以下のサマリウム化合物の微粒子が適切に分散されて付着される。この結果、正極活物質粒子の表面に付着されるサマリウム化合物の量を少なくしても、正極活物質と非水電解液との反応を適切に抑制できる。
また、水酸化サマリウムは、290℃〜330℃の温度でオキシ水酸化サマリウムに変化し、430℃〜480℃の温度で酸化サマリウムに変化する。このため、水酸化サマリウムが表面に析出された正極活物質粒子を熱処理する場合において、熱処理する温度が430℃以上になると、水酸化サマリウムが酸化サマリウムに変化すると共に、サマリウムが正極活物質粒子の内部に拡散される。したがって、酸化サマリウムでは、水酸化サマリウムやオキシ水酸化サマリウムの場合と同様の効果を得ることができず、正極活物質の特性が低下し、充放電効率などの特性が低下する。このため、水酸化サマリウムが表面に析出された正極活物質粒子を熱処理する温度を430℃未満にすることが好ましい。
また、正極活物質粒子の表面に、水酸化プラセオジムからなるプラセオジム化合物の粒子が分散されて付着された非水電解質二次電池用正極活物質を製造するには、正極活物質粒子を分散させた溶液にプラセオジム塩の溶液を加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化プラセオジムを析出させる。
また、このように正極活物質粒子の表面に水酸化プラセオジムを析出させるにあたり、正極活物質粒子を分散させた溶液のpHを6以上にすることが好ましい。これは、正極活物質粒子を分散させた溶液のpHが6未満になると、プラセオジム塩が水酸化プラセオジムに適切に変化しないおそれがあるためである。
また、このように正極活物質粒子の表面に水酸化プラセオジムを析出させると、正極活物質粒子の表面に、粒径が100nm以下の水酸化プラセオジムの微粒子が適切に分散されて付着される。この結果、正極活物質粒子の表面に付着される水酸化プラセオジムの量を少なくしても、正極活物質が非水電解液と反応するのが適切に抑制される。
また、このように正極活物質粒子の表面に水酸化プラセオジムを析出させた後においては、水分除去を兼ねて熱処理することが好ましい。ここで、表面に水酸化プラセオジムが析出された正極活物質粒子を熱処理するにあたり、熱処理する温度が310℃以上になると、水酸化プラセオジムが酸化物に変化して、水酸化プラセオジムと同様の効果が得られないため、熱処理する温度を310℃未満にすることが好ましい。
また、正極活物質粒子の表面に、水酸化ユーロピウムとオキシ水酸化ユーロピウムとから選択される少なくとも一種のユーロピウム化合物の粒子が分散されて付着された非水電解質二次電池用正極活物質を製造するには、正極活物質粒子を分散させた溶液にユーロピウム塩の溶液を加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化ユーロピウムを析出させる。
また、このように正極活物質粒子の表面に水酸化ユーロピウムを析出させるにあたり、正極活物質粒子を分散させた溶液のpHを6以上にすることが好ましい。これは、正極活物質粒子を分散させた溶液のpHが6未満になると、ユーロピウム塩が水酸化ユーロピウムに適切に変化しないおそれがあるためである。
また、このように正極活物質粒子の表面に水酸化ユーロピウムを析出させると、正極活物質粒子の表面に、粒径が100nm以下のユーロピウム化合物の微粒子が適切に分散されて付着される。この結果、正極活物質粒子の表面に付着されるユーロピウム化合物の量を少なくしても、正極活物質と非水電解液との反応を適切に抑制できる。
また、水酸化ユーロピウムは、305℃の温度でオキシ水酸化ユーロピウムに変化し、470℃の温度で酸化ユーロピウムに変化する。
このため、水酸化ユーロピウムが表面に析出された正極活物質粒子を熱処理する場合において、熱処理する温度が470℃以上になると、水酸化ユーロピウムが酸化ユーロピウムに変化すると共に、ユーロピウムが正極活物質粒子の内部に拡散される。したがって、酸化ユーロピウムでは、水酸化ユーロピウムやオキシ水酸化ユーロピウムの場合と同様の効果を得ることができず、正極活物質の特性が低下し、充放電効率などの特性が低下する。このため、水酸化ユーロピウムが表面に析出された正極活物質粒子を熱処理する温度を470℃未満にすることが好ましい。
また、正極活物質粒子の表面に、水酸化ガドリニウムとオキシ水酸化ガドリニウムとから選択される少なくとも一種のガドリニウム化合物の粒子が分散されて付着された非水電解質二次電池用正極活物質を製造するにあたっては、正極活物質粒子を分散させた溶液にガドリニウム塩の溶液を加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化ガドリニウムを析出させる。
また、このように正極活物質粒子の表面に水酸化ガドリニウムを析出させるにあたり、正極活物質粒子を分散させた溶液のpHを6以上にすることが好ましい。これは、正極活物質粒子を分散させた溶液のpHが6未満になると、ガドリニウム塩が水酸化ガドリニウムに適切に変化しないおそれがあるためである。
また、このように正極活物質粒子の表面に水酸化ガドリニウムを析出させると、正極活物質粒子の表面に、粒径が100nm以下のガドリニウム化合物の微粒子が適切に分散されて付着される。この結果、正極活物質粒子の表面に付着させるガドリニウム化合物の量を少なくしても、正極活物質と非水電解液との反応を適切に抑制できる。
また、水酸化ガドリニウムは、218℃〜270℃の温度でオキシ水酸化ガドリニウムに変化し、420℃〜500℃の温度で酸化ガドリニウムに変化する。このため、水酸ガドリニウムが表面に析出された正極活物質粒子を熱処理する場合において、熱処理する温度が420℃以上になると、水酸化ガドリニウムが酸化ガドリニウムに変化すると共に、ガドリニウムが正極活物質粒子の内部に拡散される。したがって、酸化ガドリニウムでは、水酸化ガドリニウムやオキシ水酸化ガドリニウムの場合と同様の効果を得ることができず、正極活物質の特性が低下し、充放電効率などの特性が低下する。このため、水酸化ガドリニウムが表面に析出された正極活物質粒子を熱処理する温度を420℃未満にすることが好ましい。
また、ネオジウム化合物やサマリウム化合物やプラセオジム化合物やユーロピウム化合物やガドリニウム化合物の粒子を表面に分散させて付着させる正極活物質粒子の材料としては、ニッケルとコバルトから選択される少なくとも一種の元素を含有する正極活物質材料であればよく、例えば、コバルト酸リチウム、コバルト−ニッケル−マンガンのリチウム複合酸化物、アルミニウム−ニッケル−マンガンのリチウム複合酸化物、アルミニウム−ニッケル−コバルトのリチウム複合酸化物等を単独又は混合して使用できる。
そして、本発明における非水電解質二次電池用正極においては、その正極活物質として、上記のような非水電解質二次電池用正極活物質を用いる。
また、本発明における非水電解質二次電池においては、その正極に、上記の非水電解質二次電池用正極活物質を用いた非水電解質二次電池用正極を使用した。
ここで、本発明における非水電解質二次電池は、負極における負極活物質の種類や、非水電解液の種類は特に限定されず、一般に使用されているものを用いることができる。
負極における負極活物質としては、例えば、黒鉛等の炭素材料や、SiやSn等のリチウムと合金化する材料などを用いることができる。特に、電池容量を高めるためには、容量の高いSi等のリチウムと合金化する材料を用いることが好ましい。
非水電解液としては、非水系溶媒に溶質を溶解させたものを用いることができ、この非水電解液における非水系溶媒としては、非水電解質二次電池において一般に使用されているものを用いることができ、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネートや、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネートなどを用いることができ、特に、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒を用いることが好ましい。
また、非水系溶媒に溶解させる溶質としても、非水電解質二次電池において一般に使用されているリチウム塩を用いることができる。例えば、LiPF6,LiBF4,LiCF3SO3,LiN(CF3SO22,LiN(C25SO22,LiN(CF3SO2)(C49SO2),LiC(CF3SO23,LiC(C25SO23,LiAsF6,LiClO4,Li210Cl10,Li212Cl12や、これらの混合物等を用いることができる。また、これらのリチウム塩に加えて、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩を含ませることが好ましい。そして、このようなオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩としては、リチウム−ビス(オキサラト)ボレートなどを用いることができる。
本発明における非水電解質二次電池においては、上記の非水電解質二次電池用正極活物質を用いたため、非水電解質二次電池を高容量化させるために充電電圧を高めた場合や、高温で使用する場合においても、正極活物質と非水電解液との反応を抑制できる。この結果、本発明における非水電解質二次電池では、充電電圧を高くして非水電解質二次電池を高容量化させた場合においても、充放電サイクル特性の低下は緩和される。特に、高温環境下において連続して充電させる場合においても、十分な保存特性や充放電特性が得られると共に、電池内部のガス発生による電池の膨化も抑制できる。
本発明の実施例及び比較例において作製した扁平電極体の部分断面説明図及び概略斜視図である。 実施例及び比較例において作製した非水電解質二次電池の概略平面図である。
以下、本発明に係る非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池について実施例を挙げて具体的に説明する。また、本発明の実施例に係る非水電解質二次電池では、充電電圧を高くして非水電解質二次電池を高容量化させた場合における特性、特に、高温環境下において連続充電した後における保存特性や充放電特性等が向上されることを、比較例を挙げて明らかにする。なお、本発明の非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池は、下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できる。
(実施例A1)
実施例A1では、下記のようにして作製した正極と負極と非水電解液とを用いた。
[正極の作製]
正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ0.5モル%固溶されると共にZrが0.1モル%固溶されたコバルト酸リチウムLiCoO2を用いた。
そして、この正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、2.60gの硝酸ネオジウム6水和物を200mlの純水に溶解させた硝酸ネオジウム水溶液を添加させた。この場合、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化ネオジウムを付着させた。そして、このように処理した正極活物質粒子を吸引濾過して濾取し、120℃で乾燥させて、水酸化ネオジウムが表面に分散されて付着された正極活物質粒子を得た。
次いで、水酸化ネオジウムが表面に分散されて付着された正極活物質粒子を、空気雰囲気中において400℃の温度で5時間熱処理した。これにより、正極活物質粒子の表面にネオジウム化合物の粒子が分散されて付着された正極活物質を得た。
ここで、この正極活物質では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたネオジウム化合物におけるネオジウム元素(Nd)の割合は、0.086質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたネオジウム化合物は、その殆どがオキシ水酸化ネオジウムであり、これは、水酸化ネオジウムがオキシ水酸化ネオジウムに変化したものである。
また、実施例A1の正極活物質をSEMにより観察した結果、正極活物質粒子の表面に付着されたネオジウム化合物の粒子の粒径は、その殆どが100nm以下であった。そして、このネオジウム化合物の粒子は、正極活物質粒子の表面に均一に分散されて付着されていた。
次に、この正極活物質と、導電剤のアセチレンブラックと、結着剤のポリフッ化ビニリデンを溶解させたN−メチル−2−ピロリドン溶液とを、混合撹拌装置(特殊機化社製:コンビミックス)により混合攪拌させて正極合剤スラリーを調製した。このとき、正極活物質と導電剤と結着剤とが95:2.5:2.5の質量比になるようにした。そして、この正極合剤スラリーをアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に均一に塗布した後、これを乾燥させ、圧延ローラにより圧延させて、正極集電体の両面に正極合剤層が形成された正極を得た。なお、この正極における正極活物質の充填密度は3.60g/cm3であった。
[負極の作製]
負極活物質の人造黒鉛と、CMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム)と、結着剤のSBR(スチレン−ブタジエンゴム)とを98:1:1の質量比で水溶液中において混合して負極合剤スラリーを調製した。そして、この負極合剤スラリーを銅箔からなる負極集電体の両面に均一に塗布した後、これを乾燥させ、圧延ローラにより圧延させて、負極集電体の両面に負極合剤層が形成された負極を得た。なお、この負極における負極活物質の充填密度は1.75g/cm3であった。
[非水電解液の作製]
非水系溶媒のエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを3:7の体積比で混合した混合溶媒に、溶質のLiPF6を1.0モル/リットルの濃度になるように溶解させて、非水電解液を作製した。
[電池の作製]
電池を作製するにあたっては、図1(A),(B)に示すように、正極11と負極12との間に、リチウムイオン透過性のポリエチレン製の微多孔膜からなるセパレータ13を介在させて巻回し、これをプレスして扁平電極体10を作製した。
次いで、図2に示すように、扁平電極体10をアルミニウムラミネートフィルムで構成された電池容器20内に収容させると共に、この電池容器20内に作製された非水電解液を加えた。そして、正極11に設けた正極集電タブ11aと負極12に設けた負極集電タブ12aとを外部に取り出し、電池容器20の開口部を封口させた。これにより、4.40Vまで充電させた場合の設計容量が780mAhである扁平型の非水電解質二次電池を作製した。
(実施例A2)
実施例A2では、実施例A1における正極の作製において、水酸化ネオジウムが表面に分散されて付着された正極活物質粒子を熱処理するにあたり、空気雰囲気中において200℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、実施例A2のように熱処理して得た正極活物質では、正極活物質粒子の表面に付着された水酸化ネオジウムは、殆どオキシ水酸化ネオジウムに変化せずに、水酸化ネオジウムの状態で存在していた。
(実施例A3)
実施例A3では、実施例A1における正極の作製において、水酸化ネオジウムが表面に分散されて付着された正極活物質粒子を、前記のように120℃で乾燥させるだけの熱処理で終了した。それ以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、実施例A3のように120℃で乾燥させるだけの熱処理では、正極活物質粒子の表面に付着された水酸化ネオジウムがオキシ水酸化ネオジウムに変化していなかった。
(実施例A4)
実施例A4では、実施例A1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化ネオジウムを付着させるにあたり、硝酸ネオジウム6水和物を200mlの純水に溶解させる量を5.47gに変更した。それ以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、実施例A4では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたネオジウム化合物におけるネオジウム元素(Nd)の割合が0.18質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたネオジウム化合物は、実施例A1の場合と同様に、殆どの水酸化ネオジウムがオキシ水酸化ネオジウムに変化したものである。
(実施例A5)
実施例A5では、実施例A1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化ネオジウムを付着させるにあたり、硝酸ネオジウム6水和物を200mlの純水に溶解させる量を9.12gに変更した。それ以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、実施例A5では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたネオジウム化合物におけるネオジウム元素(Nd)の割合が0.30質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたネオジウム化合物は、実施例A1の場合と同様に、殆どの水酸化ネオジウムがオキシ水酸化ネオジウムに変化したものである。
(実施例A6)
実施例A6では、実施例A1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化ネオジウムを付着させるにあたり、硝酸ネオジウム6水和物を200mlの純水に溶解させる量を10.7gに変更した。それ以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、実施例A6では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたネオジウム化合物におけるネオジウム元素(Nd)の割合が0.35質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたネオジウム化合物は、実施例A1の場合と同様に、殆どの水酸化ネオジウムがオキシ水酸化ネオジウムに変化したものである。
(比較例a1)
比較例a1では、実施例A1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面にネオジウム化合物を付着させなかった。それ以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(比較例a2)
比較例a2では、実施例A1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子500gと、酸化ネオジウム試薬を一次粒子の粒子径が400nmになるまで粉砕した酸化ネオジウム0.50gとを、混合処理機(ホソカワミクロン社製:ノビルタ)を用いて混合処理し、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に酸化ネオジウムを機械的に付着させて正極活物質を作製した。このように作製した正極活物質を用いる以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、比較例a2の正極活物質では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着された酸化ネオジウムにおけるネオジウム元素の割合は0.086質量%であった。
また、この正極活物質をSEMにより観察した結果、酸化ネオジウムは、正極活物質粒子の凹み部分に凝集して付着しており、正極活物質粒子の表面に適切に分散されて付着された状態ではなかった。
(比較例a3)
比較例a3では、比較例a2における一次粒子の粒子径が400nmになった酸化ネオジウムの量を5.0gに変更して正極活物質を作製した。このように作製した正極活物質を用いる以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、比較例a3の正極活物質では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたネオジウム化合物におけるネオジウム元素の割合は0.86質量%であった。
また、この正極活物質をSEMにより観察した結果、比較例a2の場合と同様に、酸化ネオジウムは、正極活物質粒子の凹み部分に凝集して付着しており、正極活物質粒子の表面に適切に分散されて付着された状態ではなかった。
(比較例a4)
比較例a4では、実施例A1における正極の作製において、水酸化ネオジウムが表面に分散されて付着された正極活物質粒子を熱処理するにあたり、空気雰囲気中において600℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、比較例a4のように熱処理して得た正極活物質では、正極活物質粒子の表面に付着された水酸化ネオジウムが酸化ネオジウムに変化すると共に、ネオジウムの一部が正極活物質粒子の内部に拡散されていた。
(比較例x1)
比較例x1では、実施例A1における正極活物質の作製において、前記の正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、硝酸アルミニウム9水和物12.0gを200mlの純水に溶解させた硝酸アルミニウム水溶液を添加させた。このとき、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化アルミニウムを付着させた。
次いで、このように処理した正極活物質粒子を吸引濾過して濾取し、120℃で乾燥させて、正極活物質粒子の表面にアルミニウム化合物が付着された正極活物質を得た。このようにして得た正極活物質を用いる以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、比較例x1における正極活物質では、正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたアルミニウム化合物におけるアルミニウム元素(Al)の割合が0.086質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたアルミニウム化合物は水酸化アルミニウムの状態であった。
(比較例x2)
比較例x2では、比較例x1に示すようにして得た正極活物質に対して、さらに空気雰囲気中において400℃の温度で5時間熱処理して正極活物質を得た。このようにして得た正極活物質を用いる以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、比較例x2における正極活物質では、正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたアルミニウム化合物におけるアルミニウム元素(Al)の割合が0.086質量%であった。また、正極活物質粒子の表面に付着されたアルミニウム化合物は酸化アルミニウムに変化していた。
(比較例x3)
比較例x3では、比較例x1における正極活物質の作製において、硝酸アルミニウム9水和物28.0gを純水に溶解させた硝酸アルミニウム水溶液を添加し、120℃で乾燥させだけの熱処理で終了した。それ以外は、比較例x1と同様にして正極活物質を得た。このようにして得た正極活物質を用いる以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、比較例x3における正極活物質では、正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたアルミニウム化合物におけるアルミニウム元素(Al)の割合が0.20質量%であった。また、正極活物質粒子の表面に付着されたアルミニウム化合物は、比較例x1と同様に水酸化アルミニウムの状態であった。
(比較例y1)
比較例y1では、実施例A1における正極活物質の作製において、前記の正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、硫酸亜鉛7水和物7.56gを200mlの純水に溶解させた硫酸亜鉛水溶液を添加させた。このとき、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化亜鉛を付着させた。次いで、このように処理した正極活物質粒子を吸引濾過して濾取し、120℃で乾燥させて、正極活物質粒子の表面に亜鉛化合物を付着させた。その後、亜鉛化合物が付着された正極活物質粒子を、空気雰囲気中において400℃の温度で5時間熱処理して正極活物質を得た。
このようにして得た正極活物質を用いる以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、比較例y1における正極活物質では、正極活物質粒子に対して、その表面に付着された亜鉛化合物における亜鉛元素(Zn)の割合が0.086質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着された亜鉛化合物は酸化亜鉛に変化していた。
(比較例z1)
比較例z1では、実施例A1における正極活物質の作製において、前記の正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、硝酸セリウム6水和物2.67gを200mlの純水に溶解させた硝酸セリウム水溶液を添加させた。この場合、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化セリウムを付着させた。そして、このように処理した正極活物質粒子を吸引濾過して濾取し、120℃で乾燥させて、セリウム化合物が正極活物質粒子の表面に分散されて付着された正極活物質を得た。このようにして得た正極活物質を用いる以外は、実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
この比較例z1における正極活物質では、正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたセリウム化合物におけるセリウム元素(Ce)の割合が0.086質量%であった。
ここで、水酸化セリウムはCeO・2HOの化学式で示されるが、熱質量分析を5℃/分の昇温速度で測定した結果、110℃以下でCeO・0.5HOにまで分解し、水酸化セリウムとして安定に存在できず、280℃でCeOにまで分解した。
このため、正極活物質の表面に分散されて付着されたセリウム化合物は、水酸化セリウムやオキシ水酸化セリウムの状態ではないと考えられる。
次に、実施例A1〜A6及び比較例a1〜a4,x1〜x3,y1,z1の各非水電解質二次電池を、4.40Vまで定電流充電させた後、4.40Vで定電圧充電させた。ここで、定電流充電では、各非水電解質二次電池を、室温状態において、750mAの定電流で4.40V(リチウム金属基準4.50V)の高い電圧まで充電させた。また、定電圧充電では、4.40Vの定電圧で電流値が37.5mAになるまで初期充電させた。このように充電させた各非水電解質二次電池を10分間休止させた後、750mAの定電流で2.75Vになるまで初期放電させた。このように初期充放電させた各非水電解質二次電池の初期の放電容量Qoを測定して初期充放電効率を求め、その結果を下記の表1に示した。
その後、各非水電解質二次電池を、それぞれ60℃の恒温槽内に1時間放置した後、この60℃の恒温槽内に保持した状態で、750mAの定電流で4.40Vになるまで充電し、さらに4.40Vの電圧を維持するように70時間充電させる高温連続充電試験を行った。そして、試験前に対する高温連続充電試験後の各非水電解質二次電池における厚み増加量を求め、その結果を下記の表1に示した。
また、高温連続充電試験後における各非水電解質二次電池を室温状態にして、それぞれ750mAの定電流で2.75Vになるまで放電させて、高温連続充電試験後の放電容量Q1を求め、10分間休止させた。そして、下記の式(1)により高温連続充電試験後の残存容量率(%)を求め、その結果を下記の表1に示した。
残存容量率(%)=(Q1/Qo)×100…(1)
さらに、10分間休止させた後の各非水電解質二次電池を、室温状態において、750mAの定電流で4.40Vまで定電流充電させた後、4.40Vの定電圧で電流値が37.5mAになるまで定電圧充電させて充電容量Qaを求めた。そして、各非水電解質二次電池を10分間休止させた。その後、750mAの定電流で2.75Vになるまで放電させて、放電容量Q2を求めた。そして、下記の式(2)により高温連続充電試験後の復帰容量率(%)を求めると共に、下記の式(3)により高温連続充電試験後の充放電効率(%)を求め、その結果を下記の表1に示した。
復帰容量率(%)=(Q2/Qo)×100…(2)
充放電効率(%)=(Q2/Qa)×100…(3)
Figure 2010245016
表1より、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に、水酸化ネオジウムとオキシ水酸化ネオジウムとからなるネオジウム化合物の粒子が分散されて付着された正極活物質を用いた実施例A1〜A6の各非水電解質二次電池は、高温連続充電試験後における電池の厚み増加量が少なく、高温連続充電試験後における残存容量率、復帰容量率及び充放電効率も高い値を示した。一方、比較例a1〜a4の非水電解質二次電池は、実施例A1〜A6の各非水電解質二次電池と比較して、高温連続充電試験後における電池の厚み増加量が大きくなると共に、高温連続充電試験後における残存容量率、復帰容量率及び充放電効率も低下した。
また、実施例A1〜A6の各非水電解質二次電池は、比較例x1〜x3,y1,z1の各非水電解質二次電池に比べても、高温連続充電試験後における電池の厚み増加量が少なく、高温連続充電試験後における残存容量率、復帰容量率及び充放電効率は大きく向上した。これは、比較例x1〜x3,y1,z1の各非水電解質二次電池では、充放電に関与しないアルミニウム化合物や亜鉛化合物やセリウム化合物の粒子を正極活物質粒子の表面に付着させることにより、非水電解液と正極活物質粒子との接触が抑制されるが、正極活物質に含まれる触媒性を有する遷移金属により、正極活物質の表面において非水電解液が反応して分解することを十分に抑制できなかったためと考えられる。
また、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に分散されて付着されたネオジウム化合物におけるネオジウム元素の割合が0.35質量%であった実施例A6の非水電解質二次電池は、ネオジウム元素の割合が0.35質量%未満であった実施例A1〜A5の各非水電解質二次電池に比べると、初期充放電効率や、高温連続充電試験後における残存容量率及び復帰容量率が低下する傾向にあり、また高温連続充電試験後における電池の厚み増加量も大きかった。このため、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に分散させて付着させたネオジウム化合物におけるネオジウム元素の割合を0.35質量%未満にすることが好ましい。
さらに、初期充放電効率の低下を抑制するためには、ネオジウム元素の割合を0.30質量%未満にすることがより好ましい。これは、正極活物質粒子の表面に付着されたネオジウム化合物の量が過剰になると、充放電反応が阻害されるためである。
(実施例B1)
実施例B1では、下記のようにして作製した正極を用いた。
[正極の作製]
正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ0.5モル%固溶されると共にZrが0.1モル%固溶されたコバルト酸リチウムLiCoO2を用いた。そして、この正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、2.54gの硝酸サマリウム6水和物を200mlの純水に溶解させた硝酸サマリウム水溶液を添加させた。このとき、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化サマリウムを付着させた。そして、このように処理した正極活物質粒子を吸引濾過して濾取し、120℃で乾燥させて、水酸化サマリウムが表面に分散されて付着された正極活物質粒子を得た。
次いで、この正極活物質粒子を熱処理するにあたり、空気雰囲気中において400℃の温度で5時間熱処理した。これにより、正極活物質粒子の表面にサマリウム化合物の粒子が均一に分散されて付着された正極活物質を得た。
ここで、この正極活物質では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたサマリウム化合物におけるサマリウム元素(Sm)の割合が0.086質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたサマリウム化合物は、オキシ水酸化サマリウムであり、水酸化サマリウムがオキシ水酸化サマリウムに変化したものである。
また、この正極活物質をSEMにより観察した結果、正極活物質粒子の表面に付着されたサマリウム化合物の粒子の粒径は、その殆どが100nm以下であった。そして、このサマリウム化合物の粒子は、正極活物質粒子の表面に分散されて付着されていた。
次に、熱処理後の正極活物質と、導電剤のアセチレンブラックと、結着剤のポリフッ化ビニリデンを溶解させたN−メチル−2−ピロリドン溶液とを、混合撹拌装置(特殊機化社製:コンビミックス)により混合攪拌させて正極合剤スラリーを調製した。このとき、正極活物質と導電剤と結着剤とが95:2.5:2.5の質量比になるようにした。そして、この正極合剤スラリーをアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に均一に塗布した後、これを乾燥させ、圧延ローラにより圧延させて、正極集電体の両面に正極合剤層が形成された正極を得た。なお、この正極における正極活物質の充填密度は3.60g/cm3であった。
そして、上記の正極を用いる以外は、実施例A1と同様にして、4.40Vまで充電させた場合の設計容量が780mAhになった扁平型の非水電解質二次電池を作製した。
(実施例B2)
実施例B2では、実施例B1における正極の作製において、水酸化サマリウムが表面に分散されて付着された正極活物質粒子を熱処理するにあたり、空気雰囲気中において200℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、実施例B2における正極活物質では、正極活物質粒子の表面に付着された水酸化サマリウムは、殆どオキシ水酸化サマリウムに変化せずに、水酸化サマリウムの状態で存在していた。
(実施例B3)
実施例B3では、実施例B1における正極の作製において、水酸化サマリウムが表面に分散されて付着された正極活物質粒子を、前記のように120℃で乾燥させるだけの熱処理で終了した。それ以外は、実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、120℃で乾燥させるだけの熱処理では、正極活物質粒子の表面に付着された水酸化サマリウムがオキシ水酸化サマリウムに変化していなかった。
(実施例B4)
実施例B4では、実施例B1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化サマリウムを付着させるにあたり、硝酸サマリウム6水和物を200mlの純水に溶解させる量を5.35gに変更した。それ以外は、実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例B4では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたサマリウム化合物におけるサマリウム元素(Sm)の割合が0.18質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたサマリウム化合物は、実施例B1の場合と同様に、殆どの水酸化サマリウムがオキシ水酸化サマリウムに変化したものである。
(実施例B5)
実施例B5では、実施例B1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化サマリウムを付着させるにあたり、硝酸サマリウム6水和物を200mlの純水に溶解させる量を8.92gに変更した。それ以外は、実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例B5では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたサマリウム化合物におけるサマリウム元素(Sm)の割合が0.30質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたサマリウム化合物は、実施例B1の場合と同様に、殆どの水酸化サマリウムがオキシ水酸化サマリウムに変化したものである。
(実施例B6)
実施例B6では、実施例B1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化サマリウムを付着させるにあたり、硝酸サマリウム6水和物を200mlの純水に溶解させる量を10.2gに変更した。それ以外は、実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、実施例B6では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたサマリウム化合物におけるサマリウム元素(Sm)の割合が0.35質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたサマリウム化合物は、実施例B1の場合と同様に、殆どの水酸化サマリウムがオキシ水酸化サマリウムに変化したものである。
(比較例b1)
比較例b1では、実施例B1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面にサマリウム化合物を付着させないようにした。それ以外は、実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(比較例b2)
比較例b2では、実施例B1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子500gと、酸化サマリウム試薬を一次粒子の粒子径が400nmになるまで粉砕した酸化サマリウム0.50gとを、混合処理機(ホソカワミクロン社製:ノビルタ)を用いて混合処理し、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に酸化サマリウムを機械的に付着させて正極活物質を作製した。このように作製した正極活物質を用いる以外は、実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、比較例b2の正極活物質では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着された酸化サマリウムにおけるサマリウム元素の割合は0.086質量%であった。
また、比較例b2の正極活物質をSEMにより観察した結果、酸化サマリウムは、正極活物質粒子の凹み部分に凝集して付着しており、正極活物質粒子の表面に適切に分散されて付着された状態ではなかった。
(比較例b3)
比較例b3では、比較例b2における一次粒子の粒子径が400nmになった酸化サマリウムの量を5.0gに変更して正極活物質を作製した。そして、このように作製した正極活物質を用いる以外は、実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、比較例b3の正極活物質では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたサマリウム化合物におけるサマリウム元素の割合は0.86質量%であった。
また、比較例b3の正極活物質をSEMにより観察した結果、比較例b2の場合と同様に、酸化サマリウムは、正極活物質粒子の凹み部分に凝集して付着しており、正極活物質粒子の表面に適切に分散されて付着された状態ではなかった。
(比較例b4)
比較例b4では、実施例B1における正極の作製において、水酸化サマリウムが表面に分散されて付着された正極活物質粒子を熱処理するにあたり、空気雰囲気中において600℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、比較例b4の正極活物質では、正極活物質粒子の表面に付着された水酸化サマリウムが酸化サマリウムに変化すると共に、サマリウムの一部が正極活物質粒子の内部に拡散されていた。
次に、実施例B1〜B6及び比較例b1〜b4の各非水電解質二次電池を、前記の実施例A1等の非水電解質二次電池と同様に初期充放電させた。そして、各非水電解質二次電池における初期の放電容量Qoを測定して初期充放電効率を求めた。その結果を、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池の結果と合わせて下記の表2に示した。
その後、各非水電解質二次電池に対して、前記の実施例A1等の非水電解質二次電池の場合と同様に高温連続充電試験を行った。
そして、試験前に対する高温連続充電試験後の各非水電解質二次電池における厚み増加量を求めた。その結果を、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池の結果と合わせて下記の表2に示した。
また、高温連続充電試験後における各非水電解質二次電池を、室温状態にしてそれぞれ750mAの定電流で2.75Vになるまで放電させて、高温連続充電試験後の放電容量Q1を求め、10分間休止させた。そして、前記の式(1)により高温連続充電試験後の残存容量率(%)を求めた。その結果を、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池の結果と合わせて下記の表2に示した。
さらに、10分間休止させた後の各非水電解質二次電池を、室温状態において、750mAの定電流で4.40Vまで定電流充電させた後、4.40Vの定電圧で電流値が37.5mAになるまで定電圧充電させて充電容量Qaを求めた。そして、各非水電解質二次電池を10分間休止させた。その後、750mAの定電流で2.75Vになるまで放電させて、放電容量Q2を求めた。そして、前記の式(2)により高温連続充電試験後の復帰容量率(%)を求めると共に、前記の式(3)により高温連続充電試験後の充放電効率(%)を求めた。その結果を、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池の結果と合わせて下記の表2に示した。
Figure 2010245016
表2より、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に、水酸化サマリウムとオキシ水酸化サマリウムとからなるサマリウム化合物の粒子が分散されて付着された正極活物質を用いた実施例B1〜B6の各非水電解質二次電池は、高温連続充電試験後における電池の厚み増加量が少なく、高温連続充電試験後における残存容量率、復帰容量率及び充放電効率も高い値を示した。一方、比較例b1〜b4の非水電解質二次電池は、実施例B1〜B6の各非水電解質二次電池に比べて、高温連続充電試験後における電池の厚み増加量が大きくなると共に、高温連続充電試験後における残存容量率、復帰容量率及び充放電効率が低下した。
また、実施例B1〜B6の各非水電解質二次電池は、実施例A1〜A6の各非水電解質二次電池と同様に、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池に比べても、高温連続充電試験後における電池の厚み増加量が少なく、高温連続充電試験後における残存容量率、復帰容量率及び充放電効率は大きく向上した。
また、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に分散されて付着されたサマリウム化合物におけるサマリウム元素の割合が0.35質量%であった実施例B6の非水電解質二次電池は、サマリウム元素の割合が0.35質量%未満であった実施例B1〜B5の各非水電解質二次電池に比べると、初期充放電効率や、高温連続充電試験後における残存容量率及び復帰容量率が低下する傾向にあり、また高温連続充電試験後における電池の厚み増加量も大きかった。このため、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に分散させて付着させたサマリウム化合物におけるサマリウム元素の割合を0.35質量%未満にすることが好ましい。
さらに、初期充放電効率の低下を抑制するためには、サマリウム元素の割合を0.30質量%未満にすることがより好ましい。これは、正極活物質粒子の表面に付着されたサマリウム化合物の量が過剰になると、充放電反応が阻害されるためである。
(実施例C1)
実施例C1では、下記のようにして作製した正極を用いた。
[正極の作製]
正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ0.5モル%固溶されると共にZrが0.1モル%固溶されたコバルト酸リチウムLiCoO2を用いた。そして、この正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、2.66gの硝酸プラセオジム6水和物を200mlの純水に溶解させた硝酸プラセオジム水溶液を添加させた。このとき、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化プラセオジムを付着させた。
そして、このように処理した正極活物質粒子を吸引濾過して濾取し、これを水洗した後、120℃で乾燥させる熱処理を行い、水酸化プラセオジムからなるプラセオジム化合物が表面に付着された正極活物質を得た。なお、120℃の熱処理では、水酸化プラセオジムが酸化プラセオジムに変化しなかった。
ここで、この正極活物質では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたプラセオジム化合物におけるプラセオジム元素(Pr)の割合が0.086質量%であった。
また、この正極活物質をSEMにより観察した結果、正極活物質粒子の表面に付着されたプラセオジム化合物の粒子の粒径は、その殆どが100nm以下であった。そして、このプラセオジム化合物の粒子が正極活物質粒子の表面に均一に分散されて付着されていた。
次に、熱処理後の正極活物質と、導電剤のアセチレンブラックと、結着剤のポリフッ化ビニリデンを溶解させたN−メチル−2−ピロリドン溶液とを、混合撹拌装置(特殊機化社製:コンビミックス)により混合攪拌させて正極合剤スラリーを調製した。このとき、正極活物質と導電剤と結着剤とが95:2.5:2.5の質量比になるようにした。そして、この正極合剤スラリーをアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に均一に塗布した後、これを乾燥させ、圧延ローラにより圧延させて、正極集電体の両面に正極合剤層が形成された正極を得た。なお、この正極における正極活物質の充填密度は3.60g/cm3であった。
そして、上記の正極を用いる以外は、実施例A1と同様にして、4.40Vまで充電させた場合の設計容量が780mAhになった扁平型の非水電解質二次電池を作製した。
(実施例C2)
実施例C2では、実施例C1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化プラセオジムを付着させるにあたり、硝酸プラセオジム6水和物を200mlの純水に溶解させる量を5.62gに変更した。それ以外は、実施例C1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、実施例C2では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着された水酸化プラセオジムからなるプラセオジム化合物におけるプラセオジム元素(Pr)の割合が0.18質量%であった。
(実施例C3)
実施例C3では、実施例C1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化プラセオジムを付着させるにあたり、硝酸プラセオジム6水和物を200mlの純水に溶解させる量を9.20gに変更した。それ以外は、実施例C1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、実施例C3では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着された水酸化プラセオジムからなるプラセオジム化合物におけるプラセオジム元素(Pr)の割合が0.30質量%であった。
(実施例C4)
実施例C4では、実施例C1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化プラセオジムを付着させるにあたり、硝酸プラセオジム6水和物を200mlの純水に溶解させる量を10.9gに変更した。それ以外は、実施例C1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、実施例C4では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着された水酸化プラセオジムからなるプラセオジム化合物におけるプラセオジム元素(Pr)の割合が0.35質量%であった。
(実施例C5)
実施例C5では、実施例C1における正極の作製において、水酸化プラセオジムを付着させた正極活物質粒子を120℃で乾燥させた後、これを250℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例C1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、実施例C5のように、水酸化プラセオジムを付着させた正極活物質粒子を120℃で乾燥させた後、250℃の温度で熱処理した場合においても、水酸化プラセオジムは酸化プラセオジムに変化することなく、水酸化プラセオジムの状態で維持されていた。なお、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着された水酸化プラセオジムからなるプラセオジム化合物におけるプラセオジム元素(Pr)の割合は、実施例C1と同じ0.086質量%であった。
(比較例c1)
比較例c1では、実施例C1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面にプラセオジム化合物を付着させなかった。それ以外は、実施例C1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(比較例c2)
比較例c2では、実施例C1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子500gと、酸化プラセオジム試薬を一次粒子の粒子径が400nmになるまで粉砕した酸化プラセオジム0.52gとを、混合処理機(ホソカワミクロン社製:ノビルタ)を用いて混合処理し、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に酸化プラセオジムを機械的に付着させて正極活物質を作製した。このように作製した正極活物質を用いる以外は、実施例C1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、比較例c2の正極活物質では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着された酸化プラセオジムにおけるプラセオジム元素の割合は0.086質量%であった。
また、比較例c2の正極活物質をSEMにより観察した結果、酸化プラセオジムは、正極活物質粒子の凹み部分に凝集して付着しており、正極活物質粒子の表面に適切に分散されて付着された状態ではなかった。
(比較例c3)
比較例c3では、比較例c2における一次粒子の粒子径が400nmになった酸化プラセオジムの量を5.20gに変更して正極活物質を作製した。そして、このように作製した正極活物質を用いる以外は、実施例C1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、比較例c3の正極活物質では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたプラセオジム化合物におけるプラセオジム元素の割合は0.86質量%であった。
また、比較例c3の正極活物質をSEMにより観察した結果、比較例c2の場合と同様に、酸化プラセオジムは、正極活物質粒子の凹み部分に凝集して付着しており、正極活物質粒子の表面に適切に分散されて付着された状態ではなかった。
(比較例c4)
比較例c4では、実施例C1における正極の作製において、水酸化プラセオジムを付着させた正極活物質粒子を120℃で乾燥させた後、これを600℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例C1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、比較例c4のように、水酸化プラセオジムを付着させた正極活物質粒子を120℃で乾燥させた後、600℃の温度で熱処理した場合に、水酸化プラセオジムが酸化プラセオジムに変化すると共に、プラセオジムの一部が正極活物質粒子の内部に拡散されていた。なお、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着された酸化プラセオジムからなるプラセオジム化合物におけるプラセオジム元素(Pr)の割合は、実施例C1と同じ0.086質量%であった。
次に、実施例C1〜C5及び比較例c1〜c4の各非水電解質二次電池を、前記の実施例A1等の非水電解質二次電池と同様に初期充放電させた。そして、各非水電解質二次電池における初期の放電容量Qoを測定して初期充放電効率を求めた。その結果を、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池の結果と合わせて下記の表3に示した。
その後、各非水電解質二次電池に対して、前記の実施例A1等の非水電解質二次電池の場合と同様にして、高温連続充電試験を行った。そして、試験前に対する高温連続充電試験後における各非水電解質二次電池の厚み増加量を求めた。その結果を、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池の結果と合わせて下記の表3に示した。
また、高温連続充電試験後における各非水電解質二次電池を、室温状態にしてそれぞれ750mAの定電流で2.75Vになるまで放電させて、高温連続充電試験後の放電容量Q1を求め、10分間休止させた。そして、前記の式(1)により高温連続充電試験後の残存容量率(%)を求めた。その結果を、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池の結果と合わせて下記の表3に示した。
さらに、10分間休止させた後における各非水電解質二次電池を、室温状態において、750mAの定電流で4.40Vまで定電流充電させた後、4.40Vの定電圧で電流値が37.5mAになるまで定電圧充電させて充電容量Qaを求めた。そして、各非水電解質二次電池を10分間休止させた。その後、750mAの定電流で2.75Vになるまで放電させて、放電容量Q2を求めた。そして、前記の式(2)により高温連続充電試験後の復帰容量率(%)を求めると共に、前記の式(3)により高温連続充電試験後の充放電効率(%)を求めた。その結果を、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池の結果と合わせて下記の表3に示した。
Figure 2010245016
表3より、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に、水酸化プラセオジムからなるプラセオジム化合物の粒子が分散されて付着された正極活物質を用いた実施例C1〜C5の各非水電解質二次電池は、高温連続充電試験後における電池の厚み増加量が少なく、高温連続充電試験後における残存容量率、復帰容量率及び充放電効率も高い値を示した。一方、比較例c1〜c4の非水電解質二次電池は、実施例C1〜C5の各非水電解質二次電池に比べて、高温連続充電試験後における電池の厚み増加量が大きくなると共に、高温連続充電試験後における残存容量率、復帰容量率及び充放電効率が低下した。
また、実施例C1〜C5の各非水電解質二次電池は、実施例A1〜A6の各非水電解質二次電池と同様に、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池に比べても、高温連続充電試験後における電池の厚み増加量が少なく、高温連続充電試験後における残存容量率、復帰容量率及び充放電効率は大きく向上した。
また、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に分散されて付着されたプラセオジム化合物におけるプラセオジム元素の割合が0.35質量%であった実施例C4の非水電解質二次電池は、プラセオジム元素の割合が0.35質量%未満であった実施例C1〜C3,C5の各非水電解質二次電池に比べると、初期充放電効率や、高温連続充電試験後における残存容量率及び復帰容量率が低下する傾向にあり、また高温連続充電試験後における電池の厚み増加量も大きかった。このため、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に分散させて付着させたプラセオジム化合物におけるプラセオジム元素の割合を0.35質量%未満にすることが好ましい。
さらに、初期充放電効率の低下を抑制するためには、プラセオジム元素の割合を0.30質量%未満にすることがより好ましい。これは、正極活物質粒子の表面に付着されたプラセオジム化合物の量が過剰になると、充放電反応が阻害されるためである。
(実施例D1)
実施例D1では、下記のようにして作製した正極を用いた。
[正極の作製]
正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ0.5モル%固溶されると共にZrが0.1モル%固溶されたコバルト酸リチウムLiCoO2を用いた。
そして、この正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、2.53gの硝酸ユーロピウム6水和物を200mlの純水に溶解させた硝酸ユーロピウム水溶液を添加させた。このとき、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化ユーロピウムを付着させた。
そして、このように処理した正極活物質粒子を吸引濾過して濾取し、120℃で乾燥させて、水酸化ユーロピウムが表面に分散されて付着された正極活物質粒子を得た。
次いで、この正極活物質粒子を熱処理するにあたり、空気雰囲気中において400℃の温度で5時間熱処理した。これにより、正極活物質粒子の表面にユーロピウム化合物の粒子が均一に分散されて付着された正極活物質を得た。
ここで、この正極活物質では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたユーロピウム化合物におけるユーロピウム元素(Eu)の割合が0.086質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたユーロピウム化合物は、殆どの水酸化ユーロピウムがオキシ水酸化ユーロピウムに変化したものである。
また、この正極活物質をSEMにより観察した結果、正極活物質粒子の表面に付着されたユーロピウム化合物の粒子の粒径は、その殆どが100nm以下であった。そして、このユーロピウム化合物の粒子が正極活物質粒子の表面に分散されて付着されていた。
次に、熱処理後の正極活物質と、導電剤のアセチレンブラックと、結着剤のポリフッ化ビニリデンを溶解させたN−メチル−2−ピロリドン溶液とを、混合撹拌装置(特殊機化社製:コンビミックス)により混合攪拌させて正極合剤スラリーを調製した。このとき、正極活物質と導電剤と結着剤とが95:2.5:2.5の質量比になるようにした。
そして、この正極合剤スラリーをアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に均一に塗布した後、これを乾燥させ、圧延ローラにより圧延させて、正極集電体の両面に正極合剤層が形成された正極を得た。なお、この正極における正極活物質の充填密度は3.60g/cm3であった。
そして、上記の正極を用いる以外は、実施例A1と同様にして、4.40Vまで充電させた場合の設計容量が780mAhになった扁平型の非水電解質二次電池を作製した。
(実施例D2)
実施例D2では、実施例D1における正極の作製において、水酸化ユーロピウムが表面に分散されて付着された正極活物質粒子を熱処理するにあたり、空気雰囲気中において200℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例D1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、実施例D2における正極活物質では、正極活物質粒子の表面に付着された水酸化ユーロピウムは、殆どオキシ水酸化ユーロピウムに変化せずに、水酸化ユーロピウムの状態で存在していた。
(実施例D3)
実施例D3では、実施例D1における正極の作製において、水酸化ユーロピウムが表面に分散されて付着された正極活物質粒子を、前記のように120℃で乾燥させるだけの熱処理で終了した。それ以外は、実施例D1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、120℃で乾燥させるだけの熱処理では、正極活物質粒子の表面に付着された水酸化ユーロピウムがオキシ水酸化ユーロピウムに変化していなかった。
(実施例D4)
実施例D4では、実施例D1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化ユーロピウムを付着させるにあたり、硝酸ユーロピウム6水和物を200mlの純水に溶解させる量を5.30gに変更した。それ以外は、実施例D1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、実施例D4では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたユーロピウム化合物におけるユーロピウム元素(Eu)の割合が0.18質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたユーロピウム化合物は、実施例D1の場合と同様に、殆どの水酸化ユーロピウムがオキシ水酸化ユーロピウムに変化したものである。
(実施例D5)
実施例D5では、実施例D1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化ユーロピウムを付着させるにあたり、硝酸ユーロピウム6水和物を200mlの純水に溶解させる量を8.87gに変更した。それ以外は、実施例D1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、実施例D5では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたユーロピウム化合物におけるユーロピウム元素(Eu)の割合が0.30質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたユーロピウム化合物は、実施例D1の場合と同様に、殆どの水酸化ユーロピウムがオキシ水酸化ユーロピウムに変化したものである。
(実施例D6)
実施例D6では、実施例D1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化ユーロピウムを付着させるにあたり、硝酸ユーロピウム6水和物を200mlの純水に溶解させる量を10.3gに変更した。それ以外は、実施例D1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、実施例D6では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたユーロピウム化合物におけるユーロピウム元素(Eu)の割合が0.35質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたユーロピウム化合物は、実施例D1の場合と同様に、ほとんどの水酸化ユーロピウムがオキシ水酸化ユーロピウムに変化したものである。
(比較例d1)
比較例d1では、実施例D1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面にユーロピウム化合物を付着させなかった。それ以外は、実施例D1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(比較例d2)
比較例d2では、実施例D1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子500gと、酸化ユーロピウム試薬を一次粒子の粒子径が400nmになるまで粉砕した酸化ユーロピウム0.50gとを、混合処理機(ホソカワミクロン社製:ノビルタ)を用いて混合処理し、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に酸化ユーロピウムを機械的に付着させて正極活物質を作製した。
このように作製した正極活物質を用いる以外は、実施例D1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、比較例d2の正極活物質では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着された酸化ユーロピウムにおけるユーロピウム元素の割合は0.086質量%であった。
また、比較例d2の正極活物質をSEMにより観察した結果、酸化ユーロピウムは、正極活物質粒子の凹み部分に凝集して付着しており、正極活物質粒子の表面に適切に分散されて付着された状態ではなかった。
(比較例d3)
比較例d3では、比較例d2における一次粒子の粒子径が400nmになった酸化ユーロピウムの量を5.0gに変更して正極活物質を作製した。そして、このように作製した正極活物質を用いる以外は、実施例D1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、比較例d3の正極活物質では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたユーロピウム化合物におけるユーロピウム元素の割合は0.86質量%であった。
また、比較例d3の正極活物質をSEMにより観察した結果、比較例d2の場合と同様に、酸化ユーロピウムは、正極活物質粒子の凹み部分に凝集して付着しており、正極活物質粒子の表面に適切に分散されて付着された状態ではなかった。
(比較例d4)
比較例d4では、実施例D1における正極の作製において、水酸化ユーロピウムが表面に分散されて付着された正極活物質粒子を熱処理するにあたり、空気雰囲気中において600℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例D1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、比較例d4の正極活物質では、正極活物質粒子の表面に付着された水酸化ユーロピウムが酸化ユーロピウムに変化すると共に、ユーロピウムの一部が正極活物質粒子の内部に拡散されていた。
次に、実施例D1〜D6及び比較例d1〜d4の各非水電解質二次電池を、前記の実施例A1等の非水電解質二次電池と同様に初期充放電させた。
そして、各非水電解質二次電池における初期の放電容量Qoを測定して初期充放電効率を求めた。その結果を、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池の結果と合わせて下記の表4に示した。
その後、各非水電解質二次電池に対して、前記の実施例A1等の非水電解質二次電池の場合と同様にして、高温連続充電試験を行った。
そして、試験前に対する高温連続充電試験後の各非水電解質二次電池における厚み増加量を求めた。その結果を、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池の結果と合わせて下記の表4に示した。
また、高温連続充電試験後における各非水電解質二次電池を、室温状態にしてそれぞれ750mAの定電流で2.75Vになるまで放電させて、高温連続充電試験後の放電容量Q1を求め、10分間休止させた。
そして、前記の式(1)により高温連続充電試験後の残存容量率(%)を求めた。その結果を、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池の結果と合わせて下記の表4に示した。
さらに、10分間休止させた後の各非水電解質二次電池を、室温状態において、750mAの定電流で4.40Vまで定電流充電させた後、4.40Vの定電圧で電流値が37.5mAになるまで定電圧充電させて充電容量Qaを求めた。そして、各非水電解質二次電池を10分間休止させた。その後、750mAの定電流で2.75Vになるまで放電させて、放電容量Q2を求めた。
そして、前記の式(2)により高温連続充電試験後の復帰容量率(%)を求めると共に、前記の式(3)により高温連続充電試験後の充放電効率(%)を求めた。その結果を、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池の結果と合わせて下記の表4に示した。
Figure 2010245016
表4より、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に、水酸化ユーロピウムとオキシ水酸化ユーロピウムとからなるユーロピウム化合物の粒子が分散されて付着された正極活物質を用いた実施例D1〜D6の各非水電解質二次電池は、高温連続充電試験後における電池の厚み増加量が少なく、高温連続充電試験後における残存容量率、復帰容量率及び充放電効率も高い値を示した。一方、比較例d1〜d4の非水電解質二次電池は、実施例D1〜D6の各非水電解質二次電池に比べて、高温連続充電試験後における電池の厚み増加量が大きくなると共に、高温連続充電試験後における残存容量率、復帰容量率及び充放電効率が低下した。
また、実施例D1〜D6の各非水電解質二次電池は、実施例A1〜A6の各非水電解質二次電池と同様に、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池に比べても、高温連続充電試験後における電池の厚み増加量が少なく、高温連続充電試験後における残存容量率、復帰容量率及び充放電効率は大きく向上した。
また、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に分散されて付着されたユーロピウム化合物におけるユーロピウム元素の割合が0.35質量%であった実施例D6の非水電解質二次電池は、ユーロピウム元素の割合が0.35質量%未満であった実施例D1〜D5の各非水電解質二次電池に比べると、初期充放電効率や、高温連続充電試験後における残存容量率及び復帰容量率が低下する傾向にあり、また高温連続充電試験後における電池の厚み増加量も大きかった。このため、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に分散させて付着させたユーロピウム化合物におけるユーロピウム元素の割合を0.35質量%未満にすることが好ましい。
さらに、初期充放電効率の低下を抑制するためには、ユーロピウム元素の割合を0.30質量%未満にすることがより好ましい。これは、正極活物質粒子の表面に付着されたユーロピウム化合物の量が過剰になると、充放電反応が阻害されるためである。
(実施例E1)
実施例E1では、下記のようにして作製した正極を用いた。
[正極の作製]
正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ0.5モル%固溶されると共にZrが0.1モル%固溶されたコバルト酸リチウムLiCoO2を用いた。
そして、この正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、2.38gの硝酸ガドリニウム5水和物を200mlの純水に溶解させた硝酸ガドリニウム水溶液を添加させた。このとき、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化ガドリニウムを付着させた。そして、このように処理した正極活物質粒子を吸引濾過して濾取し、120℃で乾燥させて、水酸化ガドリニウムが表面に分散されて付着された正極活物質粒子を得た。
次いで、この正極活物質粒子を熱処理するにあたり、空気雰囲気中において400℃の温度で5時間熱処理した。これにより、正極活物質粒子の表面にガドリニウム化合物の粒子が均一に分散されて付着された正極活物質を得た。
ここで、この正極活物質では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたガドリニウム化合物におけるガドリニウム元素(Gd)の割合が0.086質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたガドリニウム化合物は、殆どの水酸化ガドリニウムがオキシ水酸化ガドリニウムに変化したものである。
また、この正極活物質をSEMにより観察した結果、正極活物質粒子の表面に付着されたガドリニウム化合物の粒子の粒径は、その殆どが100nm以下であった。そして、このガドリニウム化合物の粒子が正極活物質粒子の表面に分散されて付着されていた。
次に、熱処理後の正極活物質と、導電剤のアセチレンブラックと、結着剤のポリフッ化ビニリデンを溶解させたN−メチル−2−ピロリドン溶液とを、混合撹拌装置(特殊機化社製:コンビミックス)により混合攪拌させて正極合剤スラリーを調製した。このとき、正極活物質と導電剤と結着剤とが95:2.5:2.5の質量比になるようにした。
そして、この正極合剤スラリーをアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に均一に塗布した後、これを乾燥させ、圧延ローラにより圧延させて、正極集電体の両面に正極合剤層が形成された正極を得た。なお、この正極における正極活物質の充填密度は3.60g/cm3であった。
そして、上記の正極を用いる以外は、実施例A1と同様にして、4.40Vまで充電させた場合の設計容量が780mAhになった扁平型の非水電解質二次電池を作製した。
(実施例E2)
実施例E2では、実施例E1における正極の作製において、水酸化ガドリニウムが表面に分散されて付着された正極活物質粒子を熱処理するにあたり、空気雰囲気中において200℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例E1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、実施例E2における正極活物質では、正極活物質粒子の表面に付着された水酸化ガドリニウムは、その殆どがオキシ水酸化ガドリニウムに変化せずに、水酸化ガドリニウムの状態で存在していた。
(実施例E3)
実施例E3では、実施例E1における正極の作製において、水酸化ガドリニウムが表面に分散されて付着された正極活物質粒子を、前記のように120℃で乾燥させるだけの熱処理で終了した。それ以外は、実施例E1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、120℃で乾燥させるだけの熱処理では、正極活物質粒子の表面に付着された水酸化ガドリニウムは、オキシ水酸化ガドリニウムに変化していなかった。
(実施例E4)
実施例E4では、実施例E1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化ガドリニウムを付着させるにあたり、硝酸ガドリニウム5水和物を200mlの純水に溶解させる量を4.97gに変更した。それ以外は、実施例E1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、実施例E4では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたガドリニウム化合物におけるガドリニウム元素(Gd)の割合が0.18質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたガドリニウム化合物は、実施例E1の場合と同様に、殆どの水酸化ガドリニウムがオキシ水酸化ガドリニウムに変化したものである。
(実施例E5)
実施例E5では、実施例E1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化ガドリニウムを付着させるにあたり、硝酸ガドリニウム5水和物を200mlの純水に溶解させる量を8.25gに変更した。それ以外は、実施例E1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、実施例E5では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたガドリニウム化合物におけるガドリニウム元素(Gd)の割合が0.30質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたガドリニウム化合物は、実施例E1の場合と同様に、殆どの水酸化ガドリニウムがオキシ水酸化ガドリニウムに変化したものである。
(実施例E6)
実施例E6では、実施例E1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化ガドリニウムを付着させるにあたり、硝酸ガドリニウム5水和物を200mlの純水に溶解させる量を9.63gに変更した。それ以外は、実施例E1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、実施例E6では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたガドリニウム化合物におけるガドリニウム元素(Gd)の割合が0.35質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたガドリニウム化合物は、実施例E1の場合と同様に、殆どの水酸化ガドリニウムがオキシ水酸化ガドリニウムに変化したものである。
(比較例e1)
比較例e1では、実施例E1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面にガドリニウム化合物を付着させなかった。それ以外は、実施例E1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(比較例e2)
比較例e2では、実施例E1における正極の作製において、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子500gと、酸化ガドリニウム試薬を一次粒子の粒子径が400nmになるまで粉砕した酸化ガドリニウム0.50gとを、混合処理機(ホソカワミクロン社製:ノビルタ)を用いて混合処理し、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に酸化ガドリニウムを機械的に付着させて正極活物質を作製した。
そして、このように作製した正極活物質を用いる以外は、実施例E1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、比較例e2の正極活物質では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着された酸化ガドリニウムにおけるガドリニウム元素の割合は0.086質量%であった。
また、比較例e2の正極活物質をSEMにより観察した結果、酸化ガドリニウムは、正極活物質粒子の凹み部分に凝集して付着しており、正極活物質粒子の表面に適切に分散されて付着された状態ではなかった。
(比較例e3)
比較例e3では、比較例e2における一次粒子の粒子径が400nmになった酸化ガドリニウムの量を5.0gに変更して正極活物質を作製した。そして、このように作製した正極活物質を用いる以外は、実施例E1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、比較例e3の正極活物質では、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたガドリニウム化合物におけるガドリニウム元素の割合は0.86質量%であった。
また、比較例e3の正極活物質をSEMにより観察した結果、比較例e2の場合と同様に、酸化ガドリニウムは、正極活物質粒子の凹み部分に凝集して付着しており、正極活物質粒子の表面に適切に分散されて付着された状態ではなかった。
(比較例e4)
比較例e4では、実施例E1における正極の作製において、水酸化ガドリニウムが表面に分散されて付着された正極活物質粒子を熱処理するにあたり、空気雰囲気中において600℃の温度で5時間熱処理した。それ以外は、実施例E1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
ここで、比較例e4の正極活物質では、正極活物質粒子の表面に付着された水酸化ガドリニウムが酸化ガドリニウムに変化すると共に、ガドリニウムの一部が正極活物質粒子の内部に拡散されていた。
次に、実施例E1〜E6及び比較例e1〜e4の各非水電解質二次電池を、前記の実施例A1等の非水電解質二次電池と同様に初期充放電させた。
そして、各非水電解質二次電池における初期の放電容量Qoを測定して初期充放電効率を求めた。その結果を、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池の結果と合わせて下記の表5に示した。
その後、各非水電解質二次電池に対して、前記の実施例A1等の非水電解質二次電池の場合と同様にして、高温連続充電試験を行った。
そして、試験前に対する高温連続充電試験後の各非水電解質二次電池における厚み増加量を求めた。その結果を、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池の結果と合わせて下記の表5に示した。
また、高温連続充電試験後における各非水電解質二次電池を、室温状態にしてそれぞれ750mAの定電流で2.75Vになるまで放電させて、高温連続充電試験後の放電容量Q1を求め、10分間休止させた。
そして、前記の式(1)により高温連続充電試験後の残存容量率(%)を求めた。その結果を、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池の結果と合わせて下記の表5に示した。
さらに、10分間休止させた後の各非水電解質二次電池を、室温状態において、750mAの定電流で4.40Vまで定電流充電させた後、4.40Vの定電圧で電流値が37.5mAになるまで定電圧充電させて充電容量Qaを求めた。そして、各非水電解質二次電池を10分間休止させた。その後、750mAの定電流で2.75Vになるまで放電させて、放電容量Q2を求めた。
そして、前記の式(2)により高温連続充電試験後の復帰容量率(%)を求めると共に、前記の式(3)により高温連続充電試験後の充放電効率(%)を求めた。その結果を、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池の結果と合わせて下記の表5に示した。
Figure 2010245016
表5より、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に、水酸化ガドリニウムとオキシ水酸化ガドリニウムとからなるガドリニウム化合物の粒子が分散されて付着された正極活物質を用いた実施例E1〜E6の各非水電解質二次電池は、高温連続充電試験後における電池の厚み増加量が少なく、高温連続充電試験後における残存容量率、復帰容量率及び充放電効率も高い値を示した。一方、比較例e1〜e4の非水電解質二次電池は、実施例E1〜E6の各非水電解質二次電池に比べて、高温連続充電試験後における電池の厚み増加量が大きくなると共に、高温連続充電試験後における残存容量率、復帰容量率及び充放電効率が低下した。
また、実施例E1〜E6の各非水電解質二次電池は、実施例A1〜A6の各非水電解質二次電池と同様に、比較例x1〜x3,y1,z1の非水電解質二次電池に比べても、高温連続充電試験後における電池の厚み増加量が少なく、高温連続充電試験後における残存容量率、復帰容量率及び充放電効率は大きく向上した。
また、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に分散されて付着されたガドリニウム化合物におけるガドリニウム元素の割合が0.35質量%であった実施例E6の非水電解質二次電池は、ガドリニウム元素の割合が0.35質量%未満であった実施例E1〜E5の各非水電解質二次電池に比べると、初期充放電効率や、高温連続充電試験後における残存容量率及び復帰容量率が低下する傾向にあり、また高温連続充電試験後における電池の厚み増加量も大きかった。
このため、コバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に分散させて付着させたガドリニウム化合物におけるガドリニウム元素の割合を0.35質量%未満にすることが好ましい。さらに、初期充放電効率の低下を抑制するためには、ガドリニウム元素の割合を0.30質量%未満にすることがより好ましい。これは、正極活物質粒子の表面に付着されたガドリニウム化合物の量が過剰になると、充放電反応が阻害されるためである。
(比較例a5)
比較例a5では、正極を作製するにあたり、CoやNiが含まれていない正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ0.5モル%固溶されたスピネル型マンガン酸リチウムLiMn24を用いた。
そして、この正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、2.60gの硝酸ネオジウム6水和物を200mlの純水に溶解させた硝酸ネオジウム水溶液を添加させた。この場合、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化ネオジウムを付着させた。そして、このように処理した正極活物質粒子を吸引濾過して濾取し、120℃で乾燥させる熱処理を行い、水酸化ネオジウムが表面に分散されて付着された正極活物質を得た。
ここで、この正極活物質では、スピネル型マンガン酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたネオジウム化合物におけるネオジウム元素(Nd)の割合が0.086質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたネオジウム化合物の粒子の粒径は、その殆どが100nm以下であり、このネオジウム化合物の粒子が正極活物質粒子の表面に均一に分散されて付着されていた。
そして、このようにスピネル型マンガン酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面にネオジウム化合物の粒子が分散されて付着された正極活物質を用いる以外は、前記の実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(比較例b5)
比較例b5では、正極を作製するにあたり、正極活物質粒子として、比較例a5と同じスピネル型マンガン酸リチウムLiMn24を用いた。そして、この正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、2.54gの硝酸サマリウム6水和物を200mlの純水に溶解させた硝酸サマリウム水溶液を添加させた。この場合、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化サマリウムを付着させた。そして、このように処理した正極活物質粒子を吸引濾過して濾取し、120℃で乾燥させる熱処理を行い、水酸化サマリウムが表面に分散されて付着された正極活物質を得た。
ここで、この正極活物質では、スピネル型マンガン酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたサマリウム化合物におけるサマリウム元素(Sm)の割合は、0.086質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたガドリニウム化合物の粒子の粒径は、その殆どが100nm以下であった。また、サマリウム化合物の粒子は、正極活物質粒子の表面に均一に分散されて付着されていた。
そして、このようにスピネル型マンガン酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面にサマリウム化合物の粒子が分散されて付着された正極活物質を用いる以外は、前記の実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(比較例c5)
比較例c5では、正極を作製するにあたり、正極活物質粒子として、比較例a5と同じスピネル型マンガン酸リチウムLiMn24を用いた。そして、この正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、2.66gの硝酸プラセオジム6水和物を200mlの純水に溶解させた硝酸プラセオジム水溶液を添加させた。この場合、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化プラセオジムを付着させた。
そして、このように処理した正極活物質粒子を吸引濾過して濾取し、120℃で乾燥させる熱処理を行い、水酸化プラセオジムが表面に分散されて付着された正極活物質を得た。
ここで、この正極活物質では、スピネル型マンガン酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたプラセオジム化合物におけるプラセオジム元素(Pr)の割合が0.086質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたプラセオジム化合物の粒子の粒径は、その殆どが100nm以下であった。また、プラセオジム化合物の粒子が正極活物質粒子の表面に均一に分散されて付着されていた。
そして、このようにスピネル型マンガン酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面にプラセオジム化合物の粒子が分散されて付着された正極活物質を用いる以外は、前記の実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(比較例d5)
比較例d5では、正極を作製するにあたり、正極活物質粒子として、比較例a5と同じスピネル型マンガン酸リチウムLiMn24を用いた。そして、この正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、2.53gの硝酸ユーロピウム6水和物を200mlの純水に溶解させた硝酸プラセオジム水溶液を添加させた。この場合、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化ユーロピウムを付着させた。そして、このように処理した正極活物質粒子を吸引濾過して濾取し、120℃で乾燥させる熱処理を行い、水酸化ユーロピウムが表面に分散されて付着された正極活物質を得た。
ここで、この正極活物質では、スピネル型マンガン酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたユーロピウム化合物におけるユーロピウム元素(Eu)の割合が0.086質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたユーロピウム化合物の粒子の粒径は、その殆どが100nm以下であった。また、ユーロピウム化合物の粒子が正極活物質粒子の表面に均一に分散されて付着されていた。
そして、このようにスピネル型マンガン酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面にユーロピウム化合物の粒子が分散されて付着された正極活物質を用いる以外は、前記の実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(比較例e5)
比較例e5では、正極を作製するにあたり、正極活物質粒子として、比較例a5と同じスピネル型マンガン酸リチウムLiMn24を用いた。そして、この正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、2.38gの硝酸ガドリニウム5水和物を200mlの純水に溶解させた硝酸ガドリニウム水溶液を添加させた。この場合、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化ガドリニウムを付着させた。
そして、このように処理した正極活物質粒子を吸引濾過して濾取し、120℃で乾燥させる熱処理を行い、水酸化ガドリニウムが表面に分散されて付着された正極活物質を得た。
ここで、この正極活物質では、スピネル型マンガン酸リチウムからなる正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたガドリニウム化合物におけるガドリニウム元素(Gd)の割合が0.086質量%であった。また、この正極活物質粒子の表面に付着されたガドリニウム化合物の粒子の粒径は、その殆どが100nm以下であった。また、ガドリニウム化合物の粒子が正極活物質粒子の表面に均一に分散されて付着されていた。
そして、このようにスピネル型マンガン酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面にガドリニウム化合物の粒子が分散されて付着された正極活物質を用いる以外は、前記の実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
(比較例a6)
比較例a6では、スピネル型マンガン酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に、ネオジウム化合物とサマリウム化合物とプラセオジム化合物の何れも付着させなかった。それ以外は、比較例a5,b5,c5の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
次に、比較例a5,b5,c5,d5,e5,a6の各非水電解質二次電池を、前記の実施例A1等の非水電解質二次電池と同様に初期充放電させた。但し、充電電圧は4.2Vに変更した。
そして、比較例a5,b5,c5,d5,e5,a6の各非水電解質二次電池における初期の放電容量Qoを測定して初期充放電効率を求め、その結果を下記の表4に示した。
その後、比較例a5,b5,c5,d5,e5,a6の各非水電解質二次電池を、前記の実施例A1等の非水電解質二次電池の場合と同様にして、高温連続充電試験を行った。但し、充電電圧を4.2Vに変更し、充電時間を250時間に変更した。そして、試験前に対する高温連続充電試験後における比較例a5,b5,c5,d5,e5,a6の各非水電解質二次電池の厚み増加量を求め、その結果を下記の表6に示した。
また、高温連続充電試験後における比較例a5,b5,c5,d5,e5,a6の各非水電解質二次電池を、室温状態にしてそれぞれ750mAの定電流で2.75Vになるまで放電させて、高温連続充電試験後の放電容量Q1を求め、10分間休止させた。そして、前記の式(1)により高温連続充電試験後の残存容量率(%)を求め、その結果を下記の表6に示した。
さらに、10分間休止させた後における比較例a5,b5,c5,d5,e5,a6の各非水電解質二次電池を、室温状態において、750mAの定電流で4.20Vまで定電流充電させた後、4.20Vの定電圧で電流値が37.5mAになるまで定電圧充電させて充電容量Qaを求めた。そして、各非水電解質二次電池を10分間休止させた。その後、750mAの定電流で2.75Vになるまで放電させて、放電容量Q2を求めた。そして、前記の式(2)により高温連続充電試験後の復帰容量率(%)を求めると共に、前記の式(3)により高温連続充電試験後の充放電効率(%)を求め、その結果を下記の表6に示した。
Figure 2010245016
表6の結果より、正極活物質粒子にCoやNiを含まないスピネル型マンガン酸リチウムを用いた場合、比較例a5,b5,c5,d5,e5の各非水電解質二次電池と、比較例a6の非水電解質二次電池とにおいて、初期充放電効率や、高温連続充電試験後における電池の厚み増加量、残存容量率、復帰容量率及び充放電効率は殆ど変化がなかった。すなわち、水酸化ネオジウムや水酸化サマリウムや水酸化プラセオジムや水酸化ユーロピウムや水酸化ガドリニウムの粒子を正極活物質粒子の表面に分散させて付着させた効果は得られなかった。
これは、CoやNiを含まないスピネル型マンガン酸リチウムのような正極活物質の場合、触媒性が低いため、高温連続充電時においても、非水電解液の分解反応が加速されにくいためと考えられる。
10 扁平電極体
11 正極
11a 正極集電タブ
12 負極
12a 負極集電タブ
13 セパレータ
20 電池容器

Claims (20)

  1. ニッケルとコバルトから選択される少なくとも一種の元素を含有する正極活物質粒子の表面に、水酸化ネオジウム、オキシ水酸化ネオジウム、水酸化サマリウム、オキシ水酸化サマリウム、水酸化プラセオジム、水酸化ユーロピウム、オキシ水酸化ユーロピウム、水酸化ガドリニウム、オキシ水酸化ガドリニウムから選択される少なくとも一種の化合物の粒子が分散されて付着されていることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。
  2. 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質において、上記の正極活物質粒子の表面に、水酸化ネオジウムとオキシ水酸化ネオジウムとから選択される少なくとも一種のネオジウム化合物の粒子が分散されて付着され、正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたネオジウム化合物におけるネオジウム元素の量が0.35質量%以下であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。
  3. 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質において、上記の正極活物質粒子の表面に、水酸化サマリウムとオキシ水酸化サマリウムとから選択される少なくとも一種のサマリウム化合物の粒子が分散されて付着され、正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたサマリウム化合物におけるサマリウム元素の量が0.35質量%以下であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。
  4. 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質において、上記の正極活物質粒子の表面に、水酸化プラセオジムの粒子が分散されて付着され、正極活物質粒子に対して、その表面に付着された水酸化プラセオジムにおけるプラセオジム元素の量が0.35質量%以下であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。
  5. 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質において、上記の正極活物質粒子の表面に、水酸化ユーロピウムとオキシ水酸化ユーロピウムとから選択される少なくとも一種のユーロピウム化合物の粒子が分散されて付着され、正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたユーロピウム化合物におけるユーロピウム元素の量が0.35質量%以下であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。
  6. 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質において、上記の正極活物質粒子の表面に、水酸化ガドリニウムとオキシ水酸化ガドリニウムとから選択される少なくとも一種のガドリニウム化合物の粒子が分散されて付着され、正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたガドリニウム化合物におけるガドリニウム元素の量が0.35質量%以下であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。
  7. 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質を製造するにあたり、上記の正極活物質粒子を分散させた溶液にネオジウム塩の溶液を加えて、上記の正極活物質粒子の表面に水酸化ネオジウムを析出させる工程を有することを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  8. 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、上記の正極活物質粒子を分散させた溶液にサマリウム塩の溶液を加えて、上記の正極活物質粒子の表面に水酸化サマリウムを析出させる工程を有することを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  9. 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、上記の正極活物質粒子を分散させた溶液にプラセオジム塩の溶液を加えて、上記の正極活物質粒子の表面に水酸化プラセオジムを析出させる工程を有することを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  10. 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、上記の正極活物質粒子を分散させた溶液にユーロピウム塩の溶液を加えて、上記の正極活物質粒子の表面に水酸化ユーロピウムを析出させる工程を有することを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  11. 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、上記の正極活物質粒子を分散させた溶液にガドリニウム塩の溶液を加えて、上記の正極活物質粒子の表面に水酸化ガドリニウムを析出させる工程を有することを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  12. 請求項7〜請求項11の何れか1項に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、正極活物質粒子の表面に、水酸化ネオジウム又は水酸化サマリウム又は水酸化プラセオジム又は水酸化ユーロピウム又は水酸化ガドリニウムを析出させる工程における溶液のpHを6以上にしたことを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  13. 請求項7〜請求項11の何れか1項に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、正極活物質粒子の表面に、水酸化ネオジウム又は水酸化サマリウム又は水酸化プラセオジム又は水酸化ユーロピウム又は水酸化ガドリニウムを析出させる工程の後に、熱処理する工程を有することを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  14. 請求項13に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、表面に水酸化ネオジウムが析出された正極活物質粒子を熱処理する温度が440℃未満であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  15. 請求項13に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、表面に水酸化サマリウムが析出された正極活物質粒子を熱処理する温度が430℃未満であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  16. 請求項13に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、表面に水酸化プラセオジムが析出された正極活物質粒子を熱処理する温度が310℃未満であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  17. 請求項13に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、表面に水酸化ユーロピウムが析出された正極活物質粒子を熱処理する温度が470℃未満であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  18. 請求項13に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、表面に水酸化ガドリニウムが析出された正極活物質粒子を熱処理する温度が420℃未満であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  19. 請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の非水電解質二次電池用正極活物質を用いたことを特徴とする非水電解質二次電池用正極。
  20. 正極と、負極と、非水電解液とを備えた非水電解質二次電池において、その正極に、上記の請求項19に記載の非水電解質二次電池用正極を用いたことを特徴とする非水電解質二次電池。
JP2009133365A 2008-07-09 2009-06-02 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池 Active JP4989682B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009133365A JP4989682B2 (ja) 2008-12-03 2009-06-02 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池
KR1020107027733A KR20110034592A (ko) 2008-07-09 2009-07-07 비수 전해질 이차 전지용 정극 활물질, 비수 전해질 이차 전지용 정극 활물질의 제조 방법, 비수 전해질 이차 전지용 정극 및 비수 전해질 이차 전지
CN2009801251038A CN102077396A (zh) 2008-07-09 2009-07-07 非水电解质二次电池用正极活性物质、非水电解质二次电池用正极活性物质的制造方法、非水电解质二次电池用正极及非水电解质二次电池
EP09794417A EP2299524A4 (en) 2008-07-09 2009-07-07 POSITIVE ELECTRODE ACTIVE MATERIAL FOR SECONDARY BATTERY WITH WATER FREE ELECTROLYTE, METHOD FOR THE PRODUCTION OF POSITIVE ELECTRODE ACTIVE MATERIAL FOR SECONDARY BATTERY WITH ANHYDROUS ELEKTROLYT, positive-electrode FOR A SECONDARY BATTERY WITH WATER FREE ELECTROLYTE AND SECONDARY BATTERY WITH ANHYDROUS ELEKTROLYT
PCT/JP2009/062332 WO2010004973A1 (ja) 2008-07-09 2009-07-07 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池
US13/002,254 US8741483B2 (en) 2008-07-09 2009-07-07 Positive electrode active material for non-aqueous electrolyte secondary battery having rare earth hydroxide and/or oxyhydroxide
US14/263,468 US9929401B2 (en) 2008-07-09 2014-04-28 Positive electrode active material for non-aqueous electrolyte secondary battery having rare earth hydroxide and/or oxyhydroxide

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008308435 2008-12-03
JP2008308435 2008-12-03
JP2009062244 2009-03-16
JP2009062244 2009-03-16
JP2009133365A JP4989682B2 (ja) 2008-12-03 2009-06-02 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012099323A Division JP5447577B2 (ja) 2008-12-03 2012-04-25 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010245016A true JP2010245016A (ja) 2010-10-28
JP4989682B2 JP4989682B2 (ja) 2012-08-01

Family

ID=43097790

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009133365A Active JP4989682B2 (ja) 2008-07-09 2009-06-02 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池
JP2012099323A Active JP5447577B2 (ja) 2008-12-03 2012-04-25 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012099323A Active JP5447577B2 (ja) 2008-12-03 2012-04-25 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP4989682B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012101950A1 (ja) * 2011-01-24 2012-08-02 三洋電機株式会社 非水電解質二次電池用正極、当該正極の製造方法、及び当該正極を用いた非水電解液二次電池
WO2012115263A1 (ja) * 2011-02-25 2012-08-30 三洋電機株式会社 非水電解液二次電池
JP2012252806A (ja) * 2011-05-31 2012-12-20 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池
JP2013179095A (ja) * 2010-12-20 2013-09-09 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池用正極及びその正極を用いた非水電解液二次電池
US20180194925A1 (en) * 2015-07-08 2018-07-12 Covestro Deutschland Ag Boron nitride hybrid material-containing thermoplastic composition

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015232924A (ja) * 2012-09-28 2015-12-24 三洋電機株式会社 非水電解質二次電池
CN104685696B (zh) * 2012-09-28 2017-06-13 三洋电机株式会社 非水电解质二次电池
JP6256476B2 (ja) * 2013-09-30 2018-01-10 三洋電機株式会社 非水電解質二次電池用正極活物質及びそれを用いた非水電解質二次電池

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0367463A (ja) * 1989-08-07 1991-03-22 Fuji Elelctrochem Co Ltd 非水電解液二次電池
JPH07192721A (ja) * 1993-11-18 1995-07-28 Sanyo Electric Co Ltd 非水系電池
JP2001283845A (ja) * 2000-03-29 2001-10-12 Mitsubishi Chemicals Corp リチウム二次電池用正極材料、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池
JP2004071232A (ja) * 2002-08-02 2004-03-04 Sony Corp 非水系一次電池及び電池用活物質の製造方法
JP2004227869A (ja) * 2003-01-21 2004-08-12 Tokan Material Technology Co Ltd リチウム二次電池用正極活物質
JP2005032693A (ja) * 2003-07-10 2005-02-03 Mitsuru Sano リチウムイオン二次電池
JP2009004316A (ja) * 2007-06-25 2009-01-08 Sony Corp 非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法、並びに非水電解質二次電池

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0367463A (ja) * 1989-08-07 1991-03-22 Fuji Elelctrochem Co Ltd 非水電解液二次電池
JPH07192721A (ja) * 1993-11-18 1995-07-28 Sanyo Electric Co Ltd 非水系電池
JP2001283845A (ja) * 2000-03-29 2001-10-12 Mitsubishi Chemicals Corp リチウム二次電池用正極材料、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池
JP2004071232A (ja) * 2002-08-02 2004-03-04 Sony Corp 非水系一次電池及び電池用活物質の製造方法
JP2004227869A (ja) * 2003-01-21 2004-08-12 Tokan Material Technology Co Ltd リチウム二次電池用正極活物質
JP2005032693A (ja) * 2003-07-10 2005-02-03 Mitsuru Sano リチウムイオン二次電池
JP2009004316A (ja) * 2007-06-25 2009-01-08 Sony Corp 非水電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法、並びに非水電解質二次電池

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013179095A (ja) * 2010-12-20 2013-09-09 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池用正極及びその正極を用いた非水電解液二次電池
WO2012101950A1 (ja) * 2011-01-24 2012-08-02 三洋電機株式会社 非水電解質二次電池用正極、当該正極の製造方法、及び当該正極を用いた非水電解液二次電池
WO2012115263A1 (ja) * 2011-02-25 2012-08-30 三洋電機株式会社 非水電解液二次電池
JPWO2012115263A1 (ja) * 2011-02-25 2014-07-07 三洋電機株式会社 非水電解液二次電池
JP6124303B2 (ja) * 2011-02-25 2017-05-10 三洋電機株式会社 非水電解液二次電池
JP2012252806A (ja) * 2011-05-31 2012-12-20 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池
US20180194925A1 (en) * 2015-07-08 2018-07-12 Covestro Deutschland Ag Boron nitride hybrid material-containing thermoplastic composition

Also Published As

Publication number Publication date
JP4989682B2 (ja) 2012-08-01
JP5447577B2 (ja) 2014-03-19
JP2012169290A (ja) 2012-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2010004973A1 (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池
JP5447577B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池
JP4803486B2 (ja) 非水電解質電池
JP4000041B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質
JP3181296B2 (ja) 正極活物質及びそれを含む非水系二次電池
JP6447620B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質
JP5675113B2 (ja) 非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池用正極
JP7260573B2 (ja) リチウムイオン電池用複合正極活物質、その製造方法、及びそれを含む正極を含むリチウムイオン電池
JP5556844B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池
JP2002358953A (ja) リチウム二次電池用正極及びその製造方法
TW200541141A (en) Lithium secondary battery with high power
JP2003100296A (ja) 電池用活物質及びその製造方法
WO2014063407A1 (zh) 改性高能量密度锂离子电池正极材料及其制备方法
WO2006082719A1 (ja) 正極および非水電解質二次電池
CN106602024B (zh) 一种表面原位修饰型富锂材料及其制备方法
CN111211305B (zh) 一种pda辅助金属氧化物包覆的高镍三元层状正极材料及其制备方法
JP2009245917A (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池
WO2020258764A1 (zh) 一种正极活性材料及其制备方法和锂电池
CN106486657B (zh) 一种表面原位包覆的富锂材料及其制备方法
KR20150134161A (ko) 복합 양극 활물질, 이를 포함하는 리튬 전지, 및 이의 제조방법
JP2015523955A (ja) リチウム複合遷移金属酸化物製造用前駆体、その製造方法、及びリチウム複合遷移金属酸化物
JP2005085635A (ja) 非水電解質二次電池
JP2005063674A (ja) 非水電解質二次電池
JP2004281158A (ja) 非水電解質二次電池
JP2009266791A (ja) 非水電解質二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110707

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20111205

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20111221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120403

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120427

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4989682

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150511

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350