JP2010241236A - 車両用ステアリングホイールおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1のステアリングホイールを形成する工程では、オフセット部31より径方向外側のオフセット部樹脂層の厚さを、円弧部30より径方向外側の円弧部樹脂層の厚さよりも厚くなるように設定し、第2のステアリングホイール10を形成する工程では、オフセット部31より径方向外側のオフセット部樹脂層52の厚さD3を、円弧部30より径方向外側の円弧部樹脂層50の厚さよりも薄くなるように設定することを特徴とする。
【選択図】図3
Description
しかしながら、ステアリングホイールの形状に応じて芯金を作り分けることで、製造コストが増加するとともに、製造効率も低下するという問題がある。
これにより、製造コストの低減及び製造効率の向上を図ることができ、所望の形状を有するステアリングホイールを容易に製造することができる。
また、芯金の型を変更することなく同一の芯金を用いた上で、所望の形状を有するステアリングホイールを製造することができるので、ステアリングホイールの型変更等の要請に速やかに対応することができ、意匠性の自由度を向上させることができる。
本発明によれば、オフセット部より径方向外側のオフセット部樹脂層の厚さを、円弧部より径方向外側の円弧部樹脂層の厚さよりも薄く形成することで、円弧部に対するオフセット部の径方向におけるオフセット量を比較的抑えた場合であっても、円弧部樹脂層に対するオフセット部樹脂層の径方向におけるオフセット量を大きく確保することができる。これにより、リム部の周方向において、オフセット部樹脂層におけるボス部の中心からの距離を、円弧部樹脂層におけるボス部の中心からの距離に比べて短縮させた非真円のステアリングホイールを確実に形成することができる。
これにより、真円状のステアリングホイールと、非真円のステアリングホイールとを同一の芯金を用いて製造することができる。すなわち、芯金の共有化が可能になるので、製造コストの低減及び製造効率の向上を図ることができ、所望の形状を有するステアリングホイールを容易に製造することができる。
本発明によれば、扁平部の中心から周方向において±90度位相がずれた位置におけるボス部の中心から円弧部樹脂層までの距離を、円弧部樹脂層の厚さを円弧部の径方向両側で同等に形成した場合に比べて拡張することができる。この場合、扁平部の中心から周方向において±90度位相がずれた位置が長軸方向となり、扁平部の中心が短軸方向となり、円弧部樹脂層の厚さを円弧部の径方向両側で同等に形成した場合に比べて、長軸方向と短軸方向との比を拡大することができるため、ステアリングホイールの外形全体を、より扁平形状に形成することができる。したがって、芯金の型を変更することなく同一の芯金を用いた上で、所望の形状を有するステアリングホイールを製造することができるので、意匠性の自由度を向上させることができる。
本発明によれば、第1のステアリングホイールを形成する工程において、オフセット部より径方向外側の樹脂層の厚さを、円弧部より径方向外側の樹脂層の厚さよりも厚く設定する。これにより、樹脂層内において円弧部よりも径方向内側にオフセット部が配置されることになるが、オフセット部を樹脂層から露出させることなく、ステアリングホイールの外形を真円状に形成することができる。
一方、第2のステアリングホイールを形成する工程において、オフセット部より径方向外側の樹脂層の厚さを、円弧部より径方向外側の樹脂層の厚さよりも薄く設定する。これにより、円弧部に対するオフセット部のオフセット量を比較的抑えた場合であっても、樹脂層におけるオフセット量を大きく確保することができる。その結果、オフセット部の樹脂層におけるボス部の中心からの距離を、円弧部の樹脂層におけるボス部の中心からの距離に比べて短縮させた非真円のステアリングホイールを製造することができる。
したがって、真円状のステアリングホイールと、非真円のステアリングホイールとを同一の芯金を用いて製造することができる。すなわち、芯金の共有化が可能になるので、ステアリングホイールの形状毎に芯金を作り分ける必要がない。したがって、製造コストの低減及び製造効率の向上を図ることができ、所望の型を有するステアリングホイールを容易に製造することができる。
また、芯金の型を変更することなく同一の芯金を用いた上で、所望の形状を有するステアリングホイールを製造することができるので、ステアリングホイールの型変更等の要請に速やかに対応することができ、意匠性の自由度を向上させることができる。
これにより、製造コストの低減及び製造効率の向上を図ることができ、所望の形状を有するステアリングホイールを容易に製造することができる。
また、芯金の型を変更することなく同一の芯金を用いた上で、所望の形状を有するステアリングホイールを製造することができるので、ステアリングホイールの型変更等の要請に速やかに対応することができ、意匠性の自由度を向上させることができる。
(ステアリングホイール)
図1は、ステアリングホイール10の正面図である。
ステアリングホイール10(車両用ステアリングホイール)は、周囲のリム部11と、中央のボス部12と、両者を連結するスポーク部16,17とを備えている。スポーク部16,17は、ボス部12から±Y方向に伸びる一対の第1スポーク部16,16と、ボス部12から−Z方向に伸びる第2スポーク部17とを備えている。
ボス部12は、逆三角形状に形成されており、その背面側において図示しないステアリングコラムに回転可能に支持されている。ボス部12の表面(正面)には、警笛を鳴らすためのスイッチとして機能するホーンパッド13が配置されている。ボス部12はリム部11より−X方向に配置され、ホーンパッド13の内側にエアバッグ等が収納されている。
また車両用スイッチとして、車両の変速操作を行うパドルスイッチ40が設けられている。パドルスイッチ40として、シフトダウン操作を行うシフトダウンスイッチ40aと、シフトアップ操作を行うシフトアップスイッチ40bとが設けられている。一対のパドルスイッチ40は、一対の第1スポーク部16の背面側に固定されている。なお、図示しないが、これら各種車両用スイッチや上述したインジケータ19の駆動を制御するための電装ユニットは、ホーンパッド13またはスイッチ群14の背面側に設けられている。
図2は芯金の平面図である。また、図3は図1に示すリム部の断面図であり、(a)は図1のA−A線、(b)は図1のB−B線、(c)は図1のC−C線に沿う断面図である。
図2,3に示すように、ステアリングホイール10は、芯金21と、芯金21がモールドされた樹脂層22とからなり、リム部11の外面形状を構成する心材20を備えている。
各連結芯金27は、リム部芯金25から底面芯金26に向けて延在するそれぞれ一対のサイドフレーム28を備えている。なお、底面芯金26の形成面はリム部芯金25の形成面より−X方向に配置されており、連結芯金27はX方向と交差するように斜めに伸びている。そして、連結芯金27における底面芯金26側の内半部(径方向中央部)が、ボス部12の側面骨格や上述したスイッチ群14の取付フレームを構成し、連結芯金27におけるリム部芯金25側の外半部(径方向外側)がスポーク部16,17(図1参照)の骨格を構成している。
円弧部30は、ステアリングコラムの軸線を中心O1とし、この中心O1から円弧部30の内周面までの距離(内径)がR1に形成されている。
樹脂層本体35の軸方向正面(+X方向)には、樹脂層本体35の正面における径方向中央部が周方向に沿って切り欠き形成された溝部33が形成されている。溝部33には、リム部11の上部に設けられたインジケータ19と、ボス部12の内側に設けられた電装ユニットとを電気的に接続するためのハーネス37が案内されるようになっており、樹脂層本体35の上部から周方向に沿って形成され、樹脂層本体35の下部(底面芯金26を間に挟んでインジケータ保持部34の反対側)まで回り込んでいる。すなわち、ハーネス37は、ボス部12の下半部周縁に配置される各スイッチ群14を迂回して、樹脂層本体35の下部から連結樹脂層36を通って電装ユニットまで引き回されている。また、溝部33の開口縁は、溝部33の底部(背面側)に向かうにつれ溝部33の幅(径方向の幅)が狭まるテーパ形状に形成されている。
図3(a)に示すように、円弧部樹脂層50は、その短軸方向(径方向)における中央部に円弧部30が配置されている。すなわち、円弧部30の径方向両側の円弧部樹脂層50の厚さD1は、それぞれ同等に形成され、円弧部樹脂層50の短軸方向における中心線O2と、円弧部30の中心線O3とが一致している。
そして、拡張部51は、その径方向外側の厚さD2が、拡張部51の周方向における中心から周方向両側に向けて漸次薄くなるように形成されている。これにより、拡張部51と円弧部樹脂層50との境界部分は、滑らかな連続面をなすように形成されている。
この構成によれば、円弧部30に対するオフセット部31のオフセット量Qを比較的抑えた場合であっても、樹脂層本体35におけるオフセット量(円弧部樹脂層50に対するオフセット部樹脂層52のオフセット量)を大きく確保することができる。これにより、リム部11の周方向において、オフセット部樹脂層52における中心O1からの距離R2を、円弧部樹脂層50の内径R1に比べて短縮させた非真円のステアリングホイール10を確実に形成することができる。
なお、拡張部51を形成せずに、円弧部30の周方向全域に亘って円弧部30の径方向両側の円弧部樹脂層50の厚さD1に形成してもよい。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図4は第2実施形態におけるステアリングホイール100の平面図である。また、図5は図1に示すリム部111の断面図であり、(a)は図4のA’−A’線、(b)は図4のB’−B’線、(c)は図4のC’−C’線に沿う断面図である。
本実施形態のステアリングホイール100は、上述した芯金21を用い、略真円状の樹脂層本体135を形成している点で上述した実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。
具体的に、図5(a)〜(c)に示すように、樹脂層本体135の断面形状は、長軸方向をX方向、短軸方向を径方向に一致させた略楕円形状に形成されている。そして、樹脂層本体135は、円弧部30を被覆する円弧部樹脂層150(図3(a),(b)参照)と、オフセット部31を被覆するオフセット部樹脂層152(図3(c)参照)とを備えている。
これにより、上述した第1実施形態と同様の非真円状の芯金21を用いた場合であっても、樹脂層本体35におけるオフセット量(円弧部樹脂層150に対するオフセット部樹脂層152のオフセット量)を縮小することができる。すなわち、オフセット部樹脂層152内の任意の位置にオフセット部31を配置することで、樹脂層本体135内においてオフセット部31のオフセット量を許容することができる。したがって、オフセット部樹脂層152における中心O1からの距離と、円弧部樹脂層150における中心O1からの距離とを内径R3として同等に形成し、真円形状のステアリングホイール100を形成することができる。
次に、上述したステアリングホイール10,100の製造方法について説明する。
まずステアリングホイール10の心材の製造方法について説明する(第2のステアリングホイール形成工程)。
初めに図2,3に示すように、鍛造により上述した芯金21を製造する。そして、この芯金21の周囲を被覆するように樹脂層22によってモールドし、リム部芯金25に樹脂層本体35を、連結芯金27の外半部に連結樹脂層36を形成する。
さらに、図3(b)に示すように、各第1スポーク部16の径方向外側に相当する領域では、円弧部樹脂層50よりも径方向外側に樹脂層22を膨出形成して拡張部51を形成する。
以上により、芯金21が樹脂層22にモールドされてなる心材20が形成される。
続いて、心材20、インジケータ19およびハーネスカバー42を、ともに表皮45で被覆する。
最後に、リム部11とボス部12とを組み付けることで、上述した第1実施形態のステアリングホイール10を製造することができる。
具体的には、図2,5に示すように、まず上述したステアリングホイール10の芯金21と同様の芯金21を用意し、この芯金21を樹脂層22によりモールドする。
一方、樹脂層本体135のうち、オフセット部樹脂層152の領域では、オフセット部樹脂層152の短軸方向における中心線O4を、オフセット部31の中心線O5よりも径方向外側に配置した状態で、オフセット部31をオフセット部樹脂層152にモールドする。これにより、円弧部樹脂層150とオフセット部樹脂層152との外径は同等に形成され、樹脂層本体135は全周に亘って真円状に形成される。
以上により、芯金21が樹脂層22にモールドされてなる心材20が形成される。
そして、リム部11とボス部12とを組み付けることで、上述した第2実施形態のステアリングホイール100を製造することができる。
図6は、オフセット部31のオフセット量Qを設定するための説明図であり、ステアリングホイール100(リム部11)の概略平面図を示している。
図6に示すように、オフセット部31がオフセット部樹脂層152内に完全に被覆されている場合、円弧部30の内径をR1、中心O1からオフセット部31までの距離をR2、樹脂層本体135の内径をR3とすると、R3<R2<R1…(式1)の関係を満たしていることになる。また、オフセット部30におけるオフセット量(最大オフセット量)Qとすると、Q=R1−R2となる。
(式1)および(式2)より、R3<R1cosθ/2<R1…(式3)と表すことができ、その結果、(R3/R1)<cosθ/2<1…(式4)となる。(式4)を満たすようにθの値を設定することで、真円状のステアリングホイール100を製造する際に、オフセット部樹脂層152の径方向内側からオフセット部31が露出することを防ぐことができる。すなわち、円弧部30の内径R1および樹脂層本体135の内径R3を決定すれば、オフセット量Qが最大となるθを規定することができる。なお、実際には、樹脂層本体135または表皮45の最小厚みは0にはできないので、この最小厚みを下回らない範囲でオフセット部31のオフセット量Qを規定する必要がある。
これにより、芯金21の共有化が可能になるので、ステアリングホイール10,100の形状毎に芯金21を作り分ける必要がない。したがって、製造コストの低減及び製造効率の向上を図ることができ、所望の形状を有するステアリングホイール10,100を容易に製造することができる。
また、芯金21の型を変更することなく同一の芯金21を用いた上で、所望の形状を有するステアリングホイール10,100を製造することができるので、ステアリングホイール10,100の型変更等の要請に速やかに対応することができ、意匠性の自由度を向上させることができる。
例えば、ステアリングホイール自体の構成は、実施形態で説明したものに限られない。
また、芯金21や樹脂層22の外形等は適宜設計変更が可能である。例えば、オフセット部31の曲率半径は適宜設計変更が可能である。また、オフセット部31を周方向に沿って複数設ける構成にしてもよい。
Claims (4)
- 円環状のリム部と、ステアリングコラム側に取り付けられるボス部とを備えたステアリングホイール本体を備え、
前記ステアリングホイール本体は、前記ステアリングホイール本体の骨格をなす金属製の芯金と、
少なくとも前記リム部における前記芯金を被覆する樹脂層とを有する車両用ステアリングホイールであって、
前記リム部における前記芯金は、前記ボス部を中心とする円弧部と、前記ボス部の中心からの距離が前記円弧部より短縮されたオフセット部とを備え、
前記樹脂層は、前記円弧部を被覆する円弧部樹脂層と、前記オフセット部を被覆するオフセット部樹脂層とを備え、
前記オフセット部より径方向外側の前記オフセット部樹脂層の厚さが、前記円弧部より径方向外側の前記円弧部樹脂層の厚さよりも厚くなるように前記樹脂層が形成され、前記樹脂層が真円状に形成されていることを特徴とする車両用ステアリングホイール。 - 円環状のリム部と、ステアリングコラム側に取り付けられるボス部とを備えたステアリングホイール本体を備え、
前記ステアリングホイール本体は、前記ステアリングホイール本体の骨格をなす金属製の芯金と、
少なくとも前記リム部における前記芯金を被覆する樹脂層とを有する車両用ステアリングホイールであって、
前記リム部における前記芯金は、前記ボス部を中心とする円弧部と、前記ボス部の中心からの距離が前記円弧部より短縮されたオフセット部とを備え、
前記樹脂層は、前記円弧部を被覆する円弧部樹脂層と、前記オフセット部を被覆するオフセット部樹脂層とを備え、
前記オフセット部より径方向外側の前記オフセット部樹脂層の厚さが、前記円弧部より径方向外側の前記円弧部樹脂層の厚さよりも薄くなるように前記樹脂層が形成され、前記オフセット部樹脂層により扁平部が形成されていることを特徴とする車両用ステアリングホイール。 - 前記扁平部の中心から周方向において±90度位相がずれた位置では、前記円弧部の径方向外側における前記円弧部樹脂層の厚さが、前記円弧部の径方向内側における前記円弧部樹脂層の厚さより厚くなっていることを特徴とする請求項2に記載の車両用ステアリングホイール。
- 円環状のリム部と、ステアリングコラム側に取り付けられるボス部とを備えたステアリングホイール本体を備え、
前記ステアリングホイール本体は、前記ステアリングホイール本体の骨格をなす金属製の芯金を有し、
前記リム部における前記芯金は、前記ボス部を中心とする円弧部と、前記ボス部の中心からの距離が前記円弧部より短縮されたオフセット部とを備え、
少なくとも前記リム部における前記芯金を樹脂層により被覆する車両用ステアリングホイールの製造方法であって、
前記芯金を複数個形成する工程と、
真円状の前記リム部を形成する第1のステアリングホイールを形成する工程と、
前記リム部の周方向に沿って扁平部を有する第2のステアリングホイールを形成する工程とを含み、
前記第1のステアリングホイールを形成する工程では、前記オフセット部より径方向外側の前記樹脂層の厚さを、前記円弧部より径方向外側の前記樹脂層の厚さよりも厚くなるように設定し、
前記第2のステアリングホイールを形成する工程では、前記オフセット部より径方向外側の前記樹脂層の厚さを、前記円弧部より径方向外側の前記樹脂層の厚さよりも薄くなるように設定することを特徴とする車両用ステアリングホイールの製造方法。
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