JP2006021731A - ステアリングホイール - Google Patents

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Abstract

【課題】 グリップ部の外面形状を好適に整えつつ、変形点における変形荷重の増大の抑制及び変形特性のばらつきの抑制を図ることが容易なステアリングホイールを提供する。
【解決手段】 ステアリングホイール11は、ステアリングシャフト12に接続されるボス部13と、ボス部13を取り囲むように配設されるリム部14と、リム部14とボス部13との間を連結するスポーク芯金15,16と、スポーク芯金15,16の外端部及びリム部14を被覆するグリップ部31と、ボス部13の上方を被覆するパッド部32とを備える。スポーク芯金15は、リム部14とボス部13との間にかかる変形荷重を受け止めて変形する第一湾曲部24を備えるとともに、グリップ部31の外面形状を整えるための第1インサート部材26が固定されてなる。第1インサート部材26は第一湾曲部24よりもステアリングホイール11の外方位置でスポーク芯金15に固定されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車のステアリングホイールに関する。より詳しくは、ステアリングシャフトに接続されるボス部と、該ボス部を取り囲むリム部と、それらボス部及びリム部を連結するスポーク芯金と、前記リム部及びスポーク芯金の外端部を被覆するグリップ部とを備えるとともに、当該グリップ部の外面形状を整えるためのインサート部材が配設されるステアリングホイールに関する。
従来より、この種のインサート部材が配設されたステアリングホイールとしては、例えば図8(a)、(b)に示されるようなものが知られている。このステアリングホイールは、ステアリングシャフトに接続されるボス部と、該ボス部を取り囲むように配設される円環状をなすリム部81と、それらリム部81とボス部との間を連結するスポーク芯金82と、リム部81及びスポーク芯金82の外端部を被覆するグリップ部83と、ボス部の上方を被覆するパッド部84とを備えている。なお、前記グリップ部83と前記パッド部84とは別部材により構成されている。
前記スポーク芯金82には、リム部81とボス部との間にかかる変形荷重を受け止めて変形するための変形点85が設けられている。この変形点85は、スポーク芯金82の中央部を湾曲させることにより形成され、前記変形荷重を集中的に受け止めて変形しやすくなっている。そして、この変形点85は、自動車の衝突時等に前記リム部81が押圧されることにより変形し、乗員の保護を図ることができるようになっている。
また、前記変形点85の近傍に位置するスポーク芯金82には、グリップ部83の外面形状を整えるためのインサート部材86が固定されている。このインサート部材86は、スポーク芯金82に対し溶着又はかしめ付けされることにより固定されている。このインサート部材86は、主として、グリップ部83とパッド部84との間の寸法精度を高めてステアリングホイールの意匠性を向上させる役割を果たしている。
なお、このようなグリップ部83の外面形状を整えるためのインサート部材86が配設されたステアリングホイールとしては、例えば特許文献1に開示されているものが知られている。
実開昭55−110371号公報
ところが、図8(a)、(b)に示されるようなステアリングホイールでは、インサート部材86が変形点85の近傍に溶着又はかしめ付けされることにより固定されているため、当該インサート部材86が変形点85における変形特性(曲げ特性)に影響を与えていた。前記影響としては、スポーク芯金82が変形点85にて変形する際の変形荷重が増大したり、変形特性にばらつきが発生したりすること等が挙げられる。従って、このステアリングホイールでは、乗員に対する保護性能の向上についてさらなる改善の余地が残されている。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、グリップ部の外面形状を好適に整えつつ、変形点における変形荷重の増大の抑制及び変形特性のばらつきの抑制を図ることが容易なステアリングホイールを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載のステアリングホイールの発明は、ステアリングシャフトに接続されるボス部と、該ボス部を取り囲むように配設されるリム部と、該リム部と前記ボス部との間を連結するスポーク芯金と、該スポーク芯金の外端部及び前記リム部を被覆するグリップ部と、前記ボス部の上方を被覆するパッド部とを備えたステアリングホイールにおいて、前記スポーク芯金は、前記リム部と前記ボス部との間にかかる変形荷重を受け止めて変形する変形点を備えるとともに、前記グリップ部の外面形状を整えるためのインサート部材が固定されてなり、当該インサート部材は前記変形点よりもステアリングホイールの外方位置で前記スポーク芯金に固定されていることを要旨とする。
この構成によれば、ステアリングホイールは、自動車の衝突時等にリム部とボス部との間に変形荷重がかかると、スポーク芯金の所定位置を所定方向に変形しやすくして乗員の保護を図るための特別の構成である変形点が設けられている。また、このステアリングホイールのスポーク芯金にはインサート部材が設けられており、当該スポーク芯金を被覆しているグリップ部の外面形状を整えてステアリングホイールの意匠性を高めている。
前記意匠性としては、グリップ部の内端部とパッド部の端部との間の寸法精度を高めることにより向上され得る。ここで、前記グリップ部はボス部からリム部へと延びるスポーク芯金のリム側(スポーク芯金の外端部)に位置し、前記パッド部は同スポーク芯金のボス側(スポーク芯金の内端部から中央部)に位置している。そして、前記グリップ部とパッド部とは別部材により構成されているため、両部材間の寸法精度が低ければ、グリップ部の内端部(ボス側)とパッド部の端部(リム側)との間に不自然な段差等が形成されることとなる。しかるに、前記インサート部材は、グリップ部の内端部の外面形状を整えるために設けられているため、前記両部材間の寸法精度を高めて意匠性を向上させる役割を担っている。
さらに、このステアリングホイールでは、前記変形点よりもステアリングホイールの外方位置(円環状をなすリム部の周縁側)で前記インサート部材がスポーク芯金に固定されている。即ち、このステアリングホイールでは、前記インサート部材が前記変形点を避ける位置でスポーク芯金に固定されているため、当該インサート部材が前記変形点に対してほとんど干渉することがなく、スポーク芯金の変形に対して影響を与えにくくなっている。その結果、スポーク芯金が変形点で変形する際の変形特性のばらつきの抑制が図りやすいうえ、変形荷重の増大が容易に抑えられる。
請求項2に記載のステアリングホイールの発明は、請求項1に記載の発明において、前記インサート部材は、その基端部が前記変形点よりもステアリングホイールの外方位置で前記スポーク芯金に固定されるとともに、その先端部が前記変形点を取り囲む位置に配設されていることを要旨とする。
この構成によれば、スポーク芯金は、ステアリングホイールの意匠性を高めるうえで極めて重要な位置に変形点を備えている。よって、この請求項2によれば、極めて意匠性の高いステアリングホイールを提供しつつ、変形点における変形荷重の増大の抑制及び変形特性のばらつきの抑制を容易に図ることができる。
請求項3に記載のステアリングホイールの発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記変形点は前記スポーク芯金に設けられた湾曲部からなり、当該湾曲部は前記スポーク芯金に予め曲げ形状が賦形されることにより形成されていることを要旨とする。
この構成によれば、変形点がスポーク芯金の中間部(端部を除く任意の位置)で予め曲げ形状を賦形することによって形成された湾曲部からなるため、当該変形点を形成するためにスポーク芯金に対して煩雑な加工を施す必要が少ない。また逆の観点から見ると、この請求項3では、スポーク芯金に形成された湾曲部が変形点となりやすい性質を有効に利用している。
請求項4に記載のステアリングホイールの発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記変形点は前記グリップ部の内端部に位置していることを要旨とする。
この構成によれば、変形点がグリップ部の内端部(ボス側)に位置しているため、当該変形点とリム部との間の距離を長くすることが容易となる。前記距離は、リム部が押圧されてスポーク芯金が変形する際の変形ストロークに相当する。この変形ストロークが長い場合には、スポーク芯金の変形がより一層容易となり、乗員に対する保護性能の向上に寄与しやすくなる。
本発明によれば、グリップ部の外面形状を好適に整えつつ、変形点における変形荷重の増大の抑制及び変形特性のばらつきの抑制を図ることが容易なステアリングホイールを提供することができる。
以下、本発明を自動車のステアリングホイールに具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)に示すように、ステアリングホイール11は、ステアリングシャフト12に接続されるボス部13と、ボス部13を取り囲むように配設されるリム部14と、リム部14とボス部13との間を連結する第1及び第2スポーク芯金15,16とを備えている。リム部14は、鉄製の丸棒により円環状に形成されているうえ、前記第1及び第2スポーク芯金15,16との接合領域を除く所定の位置に縊れ部14aを有しており、当該縊れ部14aが自動車の衝突時等に変形して乗員の保護を図るようになっている。
第1及び第2スポーク芯金15,16はいずれも、鉄製の丸棒により形成されているうえ、ボス部13とリム部14との間を略放射状に連結するように配設されている。ステアリングホイール11の中央部には、第1及び第2スポーク芯金15,16の内端部と、ボス部13との接合領域をダイカスト成形にて被覆するボス部接合部21が設けられている。また、ステアリングホイール11の外端部には、第1スポーク芯金15の外端部とリム部14との接合領域をダイカスト成形にて被覆する第1リム部接合部22が設けられるとともに、第2スポーク芯金16の外端部とリム部14との接合領域をダイカスト成形にて被覆する第2リム部接合部23がそれぞれ設けられている。
第1スポーク芯金15の長手方向の中央部には、変形点としての第1湾曲部15a(図1(a)参照)及び第一湾曲部24(図1(b)参照)がそれぞれ設けられている。第2スポーク芯金16の長手方向の中央部には、変形点としての第2湾曲部16a(図1(a)参照)及び第二湾曲部(図示略)がそれぞれ設けられている。これら第1及び第2湾曲部15a,16a並びに第一湾曲部24及び第二湾曲部はいずれも、第1又は第2スポーク芯金15,16を湾曲させることによって形成されており、自動車の衝突時等に乗員の身体がリム部14に接触するような場合に、前記縊れ部14aと協動しながら所定の変形様式で変形し、乗員に対する保護を図るようになっている。
第1湾曲部15aは第1スポーク芯金15の中央部を車両前方側へと膨出するように変形させるための変形中心として機能し、第2湾曲部16aは第2スポーク芯金16の中央部を車両外側方へと膨出するように変形させるための変形中心として機能する。図1(b)及び図6に模式的に示すように、第一湾曲部24は、第1スポーク芯金15の中央部を上方へと膨出するように変形させるための変形中心として機能する。同様に、第二湾曲部は、第2スポーク芯金16の中央部を上方へと膨出するように変形させるための変形中心として機能する。
これら第1及び第2湾曲部15a,16a並びに第一湾曲部24及び第二湾曲部は、以下に記載するような変形様式を有していることから、その変形に関与する領域全体を指すものとする。以下、前記変形様式を第一湾曲部24の場合を例に説明する。
図1(b)及び図5に示すように、第一湾曲部24は、その湾曲形状(曲げ形状)全体が把握できる視点(本実施形態では側方)から見たとき、当該第一湾曲部24が変形する際には、変形によって最も凹む点である湾曲形状の中心点24aが存在する。この中心点24aは、第1スポーク芯金15において長手方向に滑らかに延びる湾曲形状の中央に位置するとともに、本実施形態では第1スポーク芯金15の下端に位置している。そして、図1(b)及び図6に模式的に示すように、第一湾曲部24が変形する際には、前記中心点24aを中心にして、それよりもステアリングホイール11の内方側に位置する第1スポーク芯金15の下端縁と、同中心点24aよりもステアリングホイール11の外方側に位置する第1スポーク芯金15の下端縁とのなす角度θが小さくなる。
このような変形様式に関与する領域である第一湾曲部24としては、少なくとも、前記中心点24aを中心とした円弧24b(図5に1点鎖線で示される)で取り囲まれる領域が相当する。但し、前記円弧24bの半径は、前記中心点24aと、当該中心点24aと対向する第1スポーク芯金15の上端との間の距離(本実施形態では第1スポーク芯金15の直径)と同等になっている。
また、前記第一湾曲部24としては、前記中心点24aを中心として第1スポーク芯金15の長手方向に所定長さ延びる円柱状領域24c全体を含んでいてもよい。前記所定長さとしては、前記中心点24aが存在する側である第1スポーク芯金15の下端縁において第1スポーク芯金15の直径の2倍の長さに相当する。即ち、前記円柱状領域24cは、図5で図示されている一対の2点鎖線にて取り囲まれる領域を指し、上記円弧24bで取り囲まれる領域全体を含んでいる。なお、前記変形様式に関与する領域である第一湾曲部24は、第1スポーク芯金15を構成する材質や形状等によって多少変化することもあり得る。
図1(a)に示すように、第1及び第2スポーク芯金15,16の長手方向の中央部には、鉄板を所定形状に折り曲げることにより平面T字状及び側面T字状に形成された第1インサート部材26(図3参照)及び第2インサート部材27が固設されている。第2インサート部材27は、第1インサート部材26と同様に形成されているため、以下の記載では第1インサート部材26についてのみ説明する。
図1(b)、図3及び図4に示すように、第1インサート部材26は、第1スポーク芯金15に沿うように直線状に延びる支持部28と、同第1スポーク芯金15にほぼ直交するように配設される形状保持部29とを備えている。
支持部28の基端部には、円弧状に切り欠かれた切欠き部28aが設けられている。この切欠き部28aは、第1スポーク芯金15の上端部の形状に対応するように形成されている。この切欠き部28aは、第1スポーク芯金15に係止した状態で溶接されることにより、第1インサート部材26を第1スポーク芯金15に固着するようになっている。また、支持部28の中央部及び先端部は、第1スポーク芯金15の上方において当該第1スポーク芯金15とほぼ平行に延設されている。
形状保持部29は、図4に示されるように第1スポーク芯金15の上方及び両側方を取り囲みつつ、該第1スポーク芯金15とは所定距離だけ離間した位置に配設されている。さらに、この形状保持部29は、前記第一湾曲部24とほぼ対応する位置(詳しくは第一湾曲部24よりも若干ステアリングホイール11の中央部側)に配設されている。また、前記第1インサート部材26の切欠き部28aと第1スポーク芯金15との接合(溶接)は、上記第一湾曲部24よりもステアリングホイール11の外方位置で行われている。前記ステアリングホイール11の外方位置とは、円環状をなすリム部14の周縁側を意味する。なお、本実施形態では、前記切欠き部28aが第1スポーク芯金15に接合(溶接)されている位置と、上記中心点24aとの間の距離は、30mm程度となっている。
図2(a)に示すように、このステアリングホイール11はさらに、前記リム部14全体並びに第1及び第2スポーク芯金15,16の外端部を被覆するグリップ部31と、前記ボス部13の上方を被覆するパッド部32とを備えている。なお、これらグリップ部31とパッド部32とは別部材にて構成されている。前記パッド部32は、合成樹脂により有蓋無底長四角筒状に形成されており、上記ボス部接合部21の上面に設けられる運転席側エアバッグモジュール(図示略)の上方を被覆するように配設される。
グリップ部31は、リム部14並びに第1及び第2スポーク芯金15,16の外端部を軟質樹脂にて被覆することにより略円環状に形成され、握り易さ及び滑り止め性能を向上させてステアリングホイール11の操作性を高めている。このグリップ部31は、リム部14の周囲を被覆する円環状のリム被覆部33と、第1及び第2スポーク芯金15,16の外端部の周囲を被覆するスポーク被覆部34とから構成されている。
図2(b)に示すように、スポーク被覆部34は、ボス部13からリム部14へと延びる第1及び第2スポーク芯金15,16のリム側に形成されている。即ち、このスポーク被覆部34は、第1及び第2スポーク芯金15,16の長手方向の中央部から外端部にかけて形成されている。このスポーク被覆部34の内端部(ボス部13側)は、前記第1インサート部材26の形状保持部29に沿うように形成されている。このスポーク被覆部34(特に内端部)は、硬い材質からなる前記第1インサート部材26が内部に埋設されていることから、その第1インサート部材26が芯材としての機能を果たすようになっており、剛性が高められている。さらに、前記第1インサート部材26は、スポーク被覆部34の内端部における外面形状を整えて意匠性を高く保持しているうえ、当該スポーク被覆部34の内端部と、前記パッド部32の端部(上面及び側面)との間の寸法精度を高めている。
次に、上記ステアリングホイール11の作用について説明する。
図2(a)、(b)に示すように、このステアリングホイール11では、上述したように、第1及び第2インサート部材26,27の形状保持部29がスポーク被覆部34の内端部に沿うように埋設されているため、当該スポーク被覆部34の内端部における外面形状が好適に整えられてその意匠性が向上している。特に、このステアリングホイール11は、前記形状保持部29によって、スポーク被覆部34の内端部と、パッド部32の端部との間の寸法精度が高められている。即ち、このステアリングホイール11では、スポーク被覆部34の内端部上面と、パッド部32の端部上面との間の高さの相違による段差の形成が起こりにくいうえ、スポーク被覆部34の内端部側面と、パッド部32の端部側面との間の隙間d(図2(b)参照)が一定に保たれやすくなっている。
さて、自動車の衝突時に乗員の身体等がステアリングホイール11のリム被覆部33に接触するような場合には、リム部14が縊れ部14aを中心に変形することにより、乗員に対する保護が有効に図られる。さらにこのとき、第1及び第2スポーク芯金15,16が、第1及び第2湾曲部15a,16a並びに第一湾曲部24及び第二湾曲部を中心に変形することにより、前記リム部14の変形をより一層容易にする。前記第1及び第2湾曲部15a,16aは車両後方側(乗員に近い側)に位置するリム部14が車両前方側へ向かう方向に変形するのを容易にし、前記第一湾曲部24及び第二湾曲部はリム部14が下方に変形されるのを容易にする。
前記第一湾曲部24が変形する際には、図6に実線で示されるように、中心点24aよりもステアリングホイール11の外側方に位置する第1スポーク芯金15が下方に変位する。その結果、中心点24aよりもステアリングホイール11の内側方に位置する第1スポーク芯金15の下端縁と、中心点24aよりも外側方に位置する第1スポーク芯金15の下端縁とのなす角度θが小さくなる。即ち、第1スポーク芯金15は、湾曲した領域である第一湾曲部24を中心に変形される一方で、当該第一湾曲部24を除く領域ではほとんど変形が起こらない。そして、この第一湾曲部24における変形は、第1インサート部材26(形状保持部29)によってほとんど影響されることはない。
また、このステアリングホイール11では、第1スポーク芯金15の第一湾曲部24がスポーク被覆部34の内端部に位置しているため、当該第1スポーク芯金15が変形する際の変形ストロークが長く、乗員に対する保護性能の向上がより一層容易に図られる。なお、本実施形態において、前記変形ストロークは、第1スポーク芯金15の外端部と第一湾曲部24との間の距離に相当する。
前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 実施形態のステアリングホイール11は、第1スポーク芯金15の中央部に第一湾曲部24が形成されている。このため、このステアリングホイール11では、自動車の衝突時等にリム部14とボス部13との間に変形荷重がかかると、その変形荷重は第一湾曲部24にて集中的に受け止められ、第1スポーク芯金15を好ましい変形様式にて変形させることができることから、乗員に対する保護性能に優れている。
さらに、このステアリングホイール11は、第1スポーク芯金15の中央部に第1インサート部材26を備えていることから、グリップ部31におけるスポーク被覆部34の剛性を高めつつ、その外面形状の意匠性を容易に高めることができる。即ち、第1インサート部材26は、パッド部32の端部(外端部)とスポーク被覆部34の内端部との間の段差を無くしたり隙間を一定に保つ等の寸法精度を高めるべくグリップ部31を成形することが容易であることから、ステアリングホイール11の意匠性を容易に向上させることができる。特に、インストルメントパネルに配設される種々の電子機器や車両操作に関与する装置等を作動させるためのスイッチ類がパッド部32の端部に設けられているような場合には、その領域が乗員の目につきやすいため、意匠性が高められていることは極めて重要である。
そして、このステアリングホイール11では、グリップ部31の外面形状を好適に整えることと、第一湾曲部24における変形特性の最適化を図ることとの両方を上手く両立させるべく、第1インサート部材26が前記第一湾曲部24を避けた位置で第1スポーク芯金15に固定されている。このため、このステアリングホイール11では、前記第1インサート部材26が前記第一湾曲部24と直接的に干渉することがなく、第1スポーク芯金15を予め設定された所望とする変形様式にて変形させることが容易となる。なお、第1インサート部材26の形状保持部29は、前記第一湾曲部24に対しグリップ部31を構成する軟質樹脂を介して間接的に干渉し得るが、当該軟質樹脂を介した干渉はほとんど無視できる程度に小さい。また、この作用効果は、第2スポーク芯金16の場合についても全く同様に発揮され得る。
・ 本実施形態のステアリングホイール11において、第1スポーク芯金15の第一湾曲部24は、ステアリングホイール11の意匠性を高めるうえで極めて重要な位置に配設されている。即ち、前記第一湾曲部24の周囲には、スポーク被覆部34の内端部が位置しており、当該スポーク被覆部34の内端部はパッド部32の端部と対向しているため、必然的に両部材間の寸法精度を高めることがステアリングホイール11全体の意匠性の向上に大きく寄与するようになっている。このような意匠性の向上が十分に図られたステアリングホイール11においては、第1インサート部材26の形状保持部29は第一湾曲部24の周囲に配設されることが最も好ましいが、本実施形態ではこのような好ましい様態を維持しながら第一湾曲部24における変形特性を良好に維持することが可能となっている点が優れている。
・ 本実施形態のステアリングホイール11では、第1スポーク芯金15が湾曲形状をなす第一湾曲部24を中心に変形するように構成されている。この第一湾曲部24は、第1スポーク芯金15に予め曲げ形状を賦形することによって形成されているため、当該第一湾曲部24を形成するために第1スポーク芯金15に対して煩雑な加工等を施す必要が少なく、製造が極めて容易である。
・ 本実施形態のステアリングホイール11では、第一湾曲部24がスポーク被覆部34の内端部に位置していることから、当該第一湾曲部24とリム部14との間の距離に相当する第1スポーク芯金15の変形ストロークを長く確保することが容易である。よって、第1スポーク芯金15の変形がより一層容易となり、乗員に対する保護性能の向上が図りやすくなる。
・ 本実施形態のステアリングホイール11では、第一湾曲部24(特に中心点24a)がスポーク被覆部34の内部に埋設されていることから、第1スポーク芯金15が変形する際の変形ストロークを適切な長さに調節することが極めて容易であるうえ、ステアリングホイール11の意匠性を容易に高めることができる。またこのとき、第一湾曲部24とは変形方向が異なる第1湾曲部15aを1本の第1スポーク芯金15に設ける場合の利点を十分に発揮させることができる。即ち、第一湾曲部24と第1湾曲部15aとが適正な間隔で配置しやすくなることから、両者の変形様式に影響を与えにくくなる。
(変更例)
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図7(a)に示すように、第一湾曲部24は、スポーク被覆部34の内端部よりもステアリングホイール11の内方側に位置するように配設してもよい。このように構成した場合でも、第1インサート部材26が第一湾曲部24を避けた位置で第1スポーク芯金15に固定されていることから、第一湾曲部24における変形特性に影響を与えにくくすることができる。またこのとき、第1インサート部材26の形状保持部29がスポーク被覆部34の内端部に沿うように配設されていることから、当該スポーク被覆部34の外面形状を好適に整えることもできる。
・ 図7(b)に示すように、第一湾曲部24をスポーク被覆部34の内端部(図7(b)では下端部内端)よりもステアリングホイール11の内方側に位置するように配設するとともに、第1インサート部材26の形状保持部29を第一湾曲部24よりもステアリングホイール11の内方側に位置するように配設してもよい。なお、図7(b)には第一湾曲部24が軟質樹脂中に埋設されていない形態が図示されているが、当該第一湾曲部24は軟質樹脂中に埋設されていても構わない。このように構成した場合でも、第1インサート部材26が第一湾曲部24を避けた位置で第1スポーク芯金15に固定されているうえ、第1インサート部材26の形状保持部29がスポーク被覆部34の内端部に沿うように配設されている。従って、グリップ部31の外面形状を好適に整えつつ、第一湾曲部24における変形荷重の増大の抑制及び変形特性のばらつきの抑制を図ることが容易である。
・ 上記実施形態における角度θは、図1(b)に図示されているような鈍角である必要はなく、直角又は鋭角であっても構わない。
・ 第一湾曲部24は、第1スポーク芯金15の中間部(両端部を除く任意の位置)に形成されていてもよい。即ち、前記第一湾曲部24は、ボス部13と接続されている領域(ボス部接合部21)及びリム部14と接続されている領域(第1リム部接合部22)を除く任意の位置に形成されていてもよい。
・ 上記実施形態の第1スポーク芯金15において、第一湾曲部24を省略し、その代わりに第1湾曲部15aを変形点としてもよい。
・ 上記実施形態では、第1及び第2湾曲部15a,16a並びに第一湾曲部24及び第二湾曲部が変形点としての役割を果たし得る構成であったが、変形点としてその他の構成を採用してもよい。即ち、これら湾曲部は、第1又は第2スポーク芯金15,16の中央部に予め曲げ形状を賦形することにより形成されていたが、例えば、第1又は第2スポーク芯金15,16の中央部の所定箇所をリム部14の縊れ部14aのように薄く形成すること、又は前記所定箇所に切欠きを設けることにより変形点としての機能を果たし得るようにしてもよい。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記インサート部材は前記変形点の周囲を取り囲む形状保持部を備え、当該形状保持部は前記スポーク芯金から離間した位置に配設されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のステアリングホイール。このように構成した場合、インサート部材が変形点におけるスポーク芯金の変形特性に影響を与えにくくすることが極めて容易となる。
・ 前記変形点は前記グリップ部の内部に位置していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のステアリングホイール。前記変形点は少なくともその中心点が前記グリップ部の内部に位置していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のステアリングホイール。これらのように構成した場合、スポーク芯金が変形点で変形する際の変形ストロークを適切な長さに調節することが容易であるうえ、ステアリングホイールの意匠性を容易に高めることができる。
(a)は実施形態のステアリングホイールを示す平面図、(b)は図1(a)の1b−1b線から見たステアリングホイールの断面図。 (a)は実施形態のステアリングホイールを示す平面図、(b)は図2(a)の2b−2b線から見たステアリングホイールの断面図。 実施形態の第1インサート部材を示す斜視図。 実施形態の第1スポーク芯金に取着された第1インサート部材を示す。 実施形態の第一湾曲部付近を拡大した部分拡大図。 実施形態の第1スポーク芯金が変形点にて変形する際の様子を示す断面図。 (a)及び(b)はいずれも変更例のステアリングホイールを示す断面図。 (a)及び(b)はいずれも従来のステアリングホイールを示す。
符号の説明
11…ステアリングホイール、12…ステアリングシャフト、13…ボス部、14…リム部、15,16…スポーク芯金、24…変形点及び湾曲部としての第一湾曲部、26,27…インサート部材、31…グリップ部、32…パッド部。

Claims (4)

  1. ステアリングシャフトに接続されるボス部と、該ボス部を取り囲むように配設されるリム部と、該リム部と前記ボス部との間を連結するスポーク芯金と、該スポーク芯金の外端部及び前記リム部を被覆するグリップ部と、前記ボス部の上方を被覆するパッド部とを備えたステアリングホイールにおいて、
    前記スポーク芯金は、前記リム部と前記ボス部との間にかかる変形荷重を受け止めて変形する変形点を備えるとともに、前記グリップ部の外面形状を整えるためのインサート部材が固定されてなり、
    当該インサート部材は前記変形点よりもステアリングホイールの外方位置で前記スポーク芯金に固定されていることを特徴とするステアリングホイール。
  2. 前記インサート部材は、その基端部が前記変形点よりもステアリングホイールの外方位置で前記スポーク芯金に固定されるとともに、その先端部が前記変形点を取り囲む位置に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のステアリングホイール。
  3. 前記変形点は前記スポーク芯金に設けられた湾曲部からなり、当該湾曲部は前記スポーク芯金に予め曲げ形状が賦形されることにより形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のステアリングホイール。
  4. 前記変形点は前記グリップ部の内端部に位置していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のステアリングホイール。
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