JP2010235206A - カップ状容器の殺菌方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カップ状容器1のフランジ3をリテーナ9の容器挿入穴17の周縁で支持し、リテーナを走行させつつ容器の内外面に向かって過酸化水素のミストaを吹き付けて容器を殺菌処理し、容器の内外面に向かって熱風cを吹き付けて容器に付着した過酸化水素を乾燥させるカップ状容器の殺菌方法である。容器をリテーナから所定高さだけ持ち上げたうえで、容器のフランジとリテーナの容器挿入穴の周縁との間に過酸化水素のミストを吹き付け、容器をリテーナ側に降ろしてフランジを容器挿入穴の周縁で支持し、しかる後に、容器の内外面に向かって過酸化水素のミストを吹き付ける。リテーナの容器挿入穴の周縁がその全周にわたって円形、四角形等の閉線状に形成されていたとしても、過酸化水素をフランジの裏面やリテーナの容器挿入穴の内周面で覆われるフランジ直下の部分にもムラ
【選択図】図1
Description
この実施の形態1において、殺菌処理しようとする容器は、図12に示すように、飲料等を充填する比較的底の深いカップであり、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリプロピレン等所望の樹脂を用いて例えば真空圧空成形により成形される。あるいは、層構成が例えばポリエチレン層/紙/ポリプロピレン層である積層シートを用いることにより形成される。
図2及び図3に示すようなリテーナ9が用意される。リテーナ9は、例えばステンレス鋼製の平板をその本体として備える。この平板に長さ方向に沿って、カップ1の胴部2が挿入される容器挿入穴17が複数個形成される。図示例では容器挿入穴17が四個形成されるが、それ以上の個数又はそれ以下の個数に適宜変更可能である。これにより、カップ1は複数列で走行可能となる。
図1及び図4に示すように、リテーナ9が間欠走行して工程Bにおいて一時停止すると、リテーナ9の容器挿入穴17内でカップ1が所定の高さだけ持ち上げられる。この持ち上げ高さは、例えばリテーナ9の厚さに2mm〜5mm程度を加えた大きさであり、リテーナ9の厚さを例えば16mmとすれば、カップ1の持ち上げ高さは18mm〜21mm程度である。カップ1の上昇は例えばカップ1を乗せる昇降体32を垂直に配置したエアシリンダ装置35のピストンロッド35aに取り付けることによって行うことができる。
図1に示すように、カップ1の走行路の下方に配置した殺菌用ノズル7から、カップ1の外面に向かって過酸化水素のミストa又はガスが吹き付けられ、カップ1の外面が殺菌処理される。
工程Cの直後からカップ1を所定時間だけ走行させることにより、工程Cにおいて吹き付けられた過酸化水素のミストa又はガスがカップ1内に滞留する。これにより、過酸化水素がカップ1の内外面の全面に、より一層均一に行き渡ることになる。さらに、過酸化水素が菌に所定時間付着することにより、殺菌効果が高くなる。
工程Dにおいて過酸化水素のミストa又はガスがカップ1内に所定時間だけ滞留すると、その後直ちにカップ1の内外面に向かってカップ1が熱で変形しない程度に熱風cが吹き付けられる。これにより、カップ1の内外面に付着した過酸化水素がある程度除去される。また、カップ1のフランジ3とリテーナ9のフランジ受け部9aとの間に挟まれた過酸化水素も乾燥除去される。
工程Eに続いて、カップ1の内外面に向かって、カップ1が熱で変形しない程度に、再び熱風cが吹き付けられる。これにより、カップ1の内外面に付着した過酸化水素がさらに除去される。
工程Fに続いて、カップ1の内外面に向かって、カップ1が熱で変形しない程度に、再び熱風cが吹き付けられる。これにより、カップ1の内外面に付着した過酸化水素がさらに除去される。
工程Gに続いて、カップ1の内外面に向かって、カップ1が熱で変形しない程度に、再び熱風cが吹き付けられる。これにより、カップ1の内外面に付着した過酸化水素がさらに除去され、少なくともカップ1の内面の残留過酸化水素量が許容範囲まで低下する。
殺菌処理されたカップ1に、その開口部から内容物である飲料4が充填される。飲料4は予め殺菌処理され、冷却されている。
図1及び図7に示すように、カップ1の開口部に枚葉シート又は連続シートの殺菌された蓋材5bが被せられ、この蓋材5bがカップ1のフランジ3にヒートシールされる。このヒートシールは、図示しない加熱盤がリテーナ9へと降下し、リテーナ9のフランジ受け面9aとの間でカップ1のフランジ3と蓋材5bとを挟んで熱圧着することによって行われる。
図1及び図8に示すように、トリミング刃19がリテーナ9の方へ降下し、リテーナ9の環状溝6内に侵入する。これにより、蓋材5bの余剰部分がトリミング刃19と環状溝6内の外周壁との間で切断される。
無菌包装体がリテーナ9から抜き取られ、無菌チャンバー16外へ取り出される。
図13に示すように、カップ1の昇降手段が定位置でカップ1を昇降させるものであるのに対し、この実施の形態2の昇降手段は、リテーナ9と平行に走行する無端体39を具備している。
この実施の形態3において、カップ1(図12参照)は、図14に示すように、無菌チャンバー16内において一連の工程A〜Lを経て、その内外の表面が殺菌処理され、内容物である飲料4が充填され、蓋5で閉じられることにより無菌包装体とされる。
図14乃至図16に示すように、リテーナ9が間欠走行して工程Bにおいて一時停止すると、リテーナ9の容器挿入穴17内でカップ1がエアシリンダ装置35のピストンロッド35aに連結された昇降体32によって所定の高さだけ持ち上げられる。この持ち上げ方法は実施の形態1と同様であるから説明を省略する。
図14に示すように、カップ1の走行路の下方に配置した殺菌用ノズル7から、カップ1の外面に向かって過酸化水素のミストa又はガスが吹き付けられ、カップ1の外面が殺菌処理される。
図14に示すように、カップ1の搬送路の上方に配置した殺菌用ノズル8から、カップ1の内面に向かって過酸化水素のミストa又はガスが吹き付けられ、カップ1の内面が殺菌処理される。
図12に示すような外観を有し、開口内径52mm、開口外径71mm、フランジ幅4mm、底面径46mm、高さ107mmの大きさに成形されたポリプロピレン(PP)製カップを多数個用意し、各カップにおけるフランジ裏面と、リテーナの容器挿入穴の内周面で覆われるフランジ直下部分とにBI(biological indicator)を貼り付けた。
実験例1で用いたと同様なBIを貼付した各カップについて、図14の工程A〜Hを実施例6〜9として行った。また、図14の工程Bのフランジ下殺菌用ノズル40を上記実験例1で用いたスリット状ノズル20に交換して比較例1,2を実施した。
3…フランジ
7,8…内外面殺菌用ノズル
9…リテーナ
10a、10b、11a、11b,12a,12b,13a,13b…乾燥用ノズル
17…容器挿入穴
18…無端チェーン
20…スリット状ノズル
32…昇降体
39…無端体
41…内筒
42…天板
43…小孔
44…外筒
a…過酸化水素のミスト
c…熱風
Claims (9)
- カップ状容器のフランジをリテーナの容器挿入穴の周縁で支持し、この容器を支持したリテーナを走行させつつ容器の内外面に向かって過酸化水素のミスト又はガスを吹き付けて容器を殺菌処理し、容器の内外面に向かって熱風を吹き付けて容器の少なくとも内面に付着した過酸化水素を乾燥させるカップ状容器の殺菌方法において、容器をリテーナから所定の高さだけ持ち上げたうえで、容器のフランジとリテーナの容器挿入穴の周縁との間に過酸化水素のミスト又はガスを吹き付け、次いで、容器をリテーナ側に降ろしてフランジをリテーナの容器挿入穴の周縁で支持し、しかる後に、容器の内外面に向かって内外面同時に又はいずれか先に過酸化水素のミスト又はガスを吹き付けることを特徴とするカップ状容器の殺菌方法。
- 請求項1に記載のカップ状容器の殺菌方法において、リテーナの走行方向に交差するように伸びるスリット状ノズルから、上記持ち上げた容器のフランジとリテーナの容器挿入穴の周縁との間に過酸化水素のミスト又はガスを吹き付け、スリット状ノズルにはその長さに応じて熱風を追加供給するようにしたことを特徴とするカップ状容器の殺菌方法。
- 請求項1に記載のカップ状容器の殺菌方法において、上記持ち上げた容器がリテーナの容器挿入穴よりも上方に突出する部分に二重筒を被せ、この二重筒内に供給した過酸化水素のミスト又はガスを二重筒の内筒に穿設した多数の小孔から、上記持ち上げた容器のフランジとリテーナの容器挿入穴の周縁との間に向かって吐出させるようにしたことを特徴とするカップ状容器の殺菌方法。
- カップ状容器の胴部が挿入される容器挿入穴を有し、この容器挿入穴の回りに容器のフランジが乗せられる周縁を有したリテーナと、リテーナを一方向に走行させる走行手段と、リテーナに保持された容器の内外面に向かってそれぞれ過酸化水素のミスト又はガスを吹き付けて上記容器を殺菌する内外面殺菌用ノズルと、上記過酸化水素のミスト又はガスが吹き付けられた上記容器の少なくとも開口部に向かって熱風を吹き付ける乾燥用ノズルとを具備したカップ状容器の殺菌装置において、容器をリテーナから所定の高さだけ持ち上げた後にリテーナ側に降下させる昇降手段と、昇降手段によって持ち上げられた容器のフランジとリテーナの容器挿入穴の周縁との間に過酸化水素のミスト又はガスを吹き付けるためのフランジ下殺菌用ノズルとが設けられ、上記フランジ下殺菌用ノズルによって過酸化水素のミスト又はガスが容器のフランジとリテーナの容器挿入穴の周縁との間に吐出され、上記昇降手段によって容器がリテーナ側に降ろされた後に、上記内外面殺菌用ノズルから容器の内外面に向かって内外面同時に又はいずれか先に過酸化水素のミスト又はガスが吐出されるようにしたことを特徴とするカップ状容器の殺菌装置。
- 請求項4に記載のカップ状容器の殺菌装置において、昇降手段が昇降体を具備し、リテーナが内外面殺菌用ノズルよりも上流側で一時停止した際に、リテーナに保持された容器を昇降体によってリテーナ上に浮上させるようにしたことを特徴とするカップ状容器の殺菌装置。
- 請求項4に記載のカップ状容器の殺菌装置において、昇降手段がリテーナと平行に走行する無端体を具備し、内外面殺菌用ノズルよりも上流側で無端体によって容器をリテーナ上に浮上させてリテーナと同期的に走行させるようにしたことを特徴とするカップ状容器の殺菌装置。
- 請求項4に記載のカップ状容器の殺菌装置において、フランジ下殺菌用ノズルがリテーナの走行方向に交差するように伸びるスリット状ノズルであり、このスリット状ノズルにその長さに応じて熱風が追加供給されるようにしたことを特徴とするカップ状容器の殺菌装置。
- 請求項4に記載のカップ状容器の殺菌装置において、上記フランジ下殺菌用ノズルが、上記昇降手段によって持ち上げられた容器がリテーナの容器挿入穴よりも上方に突出する部分に被さる二重筒を備え、この二重筒の内筒に多数の小孔が穿設され、二重筒内に供給された過酸化水素のミスト又はガスが上記小孔から、上記持ち上げられた容器のフランジとリテーナの容器挿入穴の周縁との間に向かって吐出されるようにしたことを特徴とするカップ状容器の殺菌装置。
- 請求項8に記載のカップ状容器の殺菌装置において、上記内筒の上端が天板で閉じられたことを特徴とするカップ状容器の殺菌装置。
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