JP5066906B2 - フランジ付き広口容器の殺菌方法及び装置並びに無菌充填方法 - Google Patents

フランジ付き広口容器の殺菌方法及び装置並びに無菌充填方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5066906B2
JP5066906B2 JP2006332054A JP2006332054A JP5066906B2 JP 5066906 B2 JP5066906 B2 JP 5066906B2 JP 2006332054 A JP2006332054 A JP 2006332054A JP 2006332054 A JP2006332054 A JP 2006332054A JP 5066906 B2 JP5066906 B2 JP 5066906B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wide
container
mouthed
mouthed container
mouth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006332054A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008143556A (ja
Inventor
憲二 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2006332054A priority Critical patent/JP5066906B2/ja
Publication of JP2008143556A publication Critical patent/JP2008143556A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5066906B2 publication Critical patent/JP5066906B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、トレー等のフランジ付き広口容器を殺菌する方法及び装置並びに無菌充填方法に関する。
広口容器に内容物を無菌充填するには、あらかじめ広口容器を殺菌処理しておく必要がある。
従来、広口容器を殺菌するには、ガンマ線、メチレンオキサイドガス等が用いられている。広口容器を外装袋内に入れて密封したうえで、外装袋外からガンマ線を照射したり、外装袋をメチレンオキサイドガスの充満した部屋に入れたりして外装袋内の広口容器を殺菌処理している(例えば、特許文献1参照)。
また、フィルムに過酸化水素のミストを吹き付けて殺菌処理した後、そのフィルムから袋を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、カートンを走行させながらその開口部からカートン内に殺菌剤をスプレーノズルにより噴霧して殺菌処理するという方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2001−2029号公報 特開2003−118710号公報 特開昭63−138931号公報
トレー、カップ等のフランジ付き広口容器に内容物を無菌充填する方法がすでに実用化されている。例えば、殺菌処理したトレーに米飯を充填し、トレーに蓋材を被せてトレーのフランジにヒートシールすることにより、米飯の包装品が製造されている。
このような無菌充填による包装品の製造効率を高めるには、広口容器の殺菌性能を高度に維持したうえで殺菌処理を速める必要がある。
しかし、上記ガンマ線の照射等による殺菌方法は、バッチ式であるので殺菌処理速度が遅く、内容物の無菌充填の高速化に対処しえないという問題がある。また、広口容器の殺菌工程と内容物充填工程とを連続して行い難いという問題もある。
また、上記フィルムの殺菌方法、カートンの殺菌方法は殺菌処理を速めることができるが、これらをトレー、カップ等のフランジ付き広口容器に適用することは困難である。フランジ付き広口容器を連続走行させながらそのフランジを含んだ全表面に殺菌剤のミストを均一に付着させるのは難しいからである。殊に、フランジの周辺にはリム、スタッキングリブ等の凹凸が存在するので、殺菌剤のミストが行き渡り難く殺菌にムラが生じやすい。
したがって、本発明は、トレー、カップ等のフランジ付き広口容器の表面をムラなく適正に、かつ高速で殺菌処理することができる方法及び装置を提供することを目的とする。また、速やかに無菌充填を行うことができる方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
すなわち、請求項1に係る発明は、比較的浅い器部を有したフランジ付き広口容器(1)のフランジ(3)に対向する箇所に突起(22)を形成したリテーナ(10)でこの広口容器(1)を支持してフランジ面と平行な方向に連続走行させながら、広口容器(1)の開口と底面にそれぞれ対向しかつ広口容器(1)の走行方向に交差する方向にそれぞれ伸びるスリット(8,8)から、広口容器(1)に向かって殺菌剤のミスト(b)を同じ風圧で吹き付けて広口容器(1)の表面を殺菌処理し、次いで広口容器(1)の開口と底面にそれぞれ対向しかつ広口容器(1)の搬送方向に交差する方向にそれぞれ伸び、互いに正対するスリット(7,7)から、広口容器(1)に向かって熱風(a)を同じ風圧で吹き付けて広口容器(1)に付着した殺菌剤を乾燥させることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のフランジ付き広口容器の殺菌方法において、広口容器(1)に殺菌剤のミスト(b)を吹き付けた後、広口容器(1)を所定時間保持し、しかる後に熱風(a)を吹き付けることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載のフランジ付き広口容器の殺菌方法において、広口容器(1)に付着した殺菌剤を乾燥させた後、直ちに広口容器(1)を集積することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載のフランジ付き広口容器の殺菌方法において、殺菌剤のミスト(b)を吹き付ける前に広口容器(1)を予備加熱することを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、比較的浅い器部を有したフランジ付き広口容器(1)の器部が嵌り込む嵌入穴(16)を有し、フランジ(3)に対応する箇所に突起(22)を有したリテーナ(10)と、広口容器(1)をフランジ面と平行な方向にリテーナ(10)ごと連続走行させる走行手段(18)と、広口容器(1)の開口と底面にそれぞれ対向しかつ広口容器(1)の走行方向に交差する方向にそれぞれ伸び、互いに正対するスリット(8,8)から、広口容器(1)に向かって殺菌剤のミスト(b)を同じ風圧で吹き付けて広口容器(1)の表面を殺菌する殺菌用ノズル(12,12)と、広口容器(1)の開口と底面にそれぞれ対向しかつ広口容器(1)の搬送方向に交差する方向にそれぞれ伸び、互いに正対するスリット(7,7)から、広口容器(1)に向かって熱風(a)を同じ風圧で吹き付けて広口容器(1)に付着した殺菌剤を乾燥させる乾燥用ノズル(13,13)とを具備したことを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、請求項5に記載のフランジ付き広口容器の殺菌装置において、走行手段が無端走行路(18)を有し、多数のリテーナ(10,19,20,30,31)が単列又は複数列でこの無端走行路(18)上に設けられていることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、請求項5に記載のフランジ付き広口容器の殺菌装置において、殺菌用ノズル(12,12)よりも上流側に広口容器(1)を予備加熱する予備加熱手段(11,11)が設けられたことを特徴とする。
また、請求項8に係る発明は、比較的浅い器部を有したフランジ付き広口容器(1)のフランジ(3)に対応する箇所に突起(22)を形成したリテーナでこの広口容器(1)を支持してフランジ面と平行な方向に連続走行させながら、広口容器(1)の開口と底面にそれぞれ対向しかつ広口容器(1)の走行方向に交差する方向にそれぞれ伸び、互いに正対するスリット(8,8)から、広口容器(1)に向かって殺菌剤のミスト(b)を同じ風圧で吹き付けて広口容器(1)の表面を殺菌処理し、次いで広口容器(1)の開口と底面にそれぞれ対向しかつ広口容器(1)の搬送方向に交差する方向にそれぞれ伸び、互いに正対するスリット(13,13)から、広口容器(1)に向かって熱風(a)を同じ風圧で吹き付けて広口容器(1)に付着した殺菌剤を乾燥させ、続いて内容物(c)を広口容器(1)の開口から広口容器(1)内に充填し、開口に蓋材(4)を被せて蓋材(4)を広口容器(1)のフランジ(3)に接着することを特徴とする。
また、請求項9に係る発明は、請求項8に記載の無菌充填方法において、殺菌剤のミスト(b)を吹き付ける前に広口容器(1)を予備加熱することを特徴とする。
請求項1、5に係る発明によれば、フランジ付き広口容器(1)を連続走行させつつ殺菌剤のミスト(b)と熱風(a)をそれぞれスリット(8,7)から噴き出し、広口容器(1)の開口側からのミスト(b)と熱風(a)はそれぞれ器部(2)の上表面に接触し、底面側からのミスト(b)と熱風(a)はそれぞれ広口容器(1)の下表面に接触する。また、ミスト(b)と熱風(a)はリテーナ(10)と広口容器(1)との間の隙間(16a)を通って、突起(22)によりリテーナ(10)上に持ち上げられたフランジ(3)の裏面に向かって流れる。従って、広口容器(1)の全表面を高速でかつムラなく適正に殺菌することができる。また、殺菌剤のミスト(b)と熱風(a)は広口容器(1)の開口側と底面側から広口容器(1)を挟むように互いに正対するスリット(12,7)から各々吹き付け、しかもミスト(b)と熱風(a)は広口容器(1)を挟むもの同士が同じ風圧であるので、広口容器(1)はたとえ軽いものであっても、走行路から脱落することなく走行可能である。
請求項2に係る発明によれば、広口容器(1)に殺菌剤のミストを吹き付けた後、広口容器(1)を所定時間保持し、しかる後に熱風(a)を吹き付けるので、殺菌剤を広口容器(1)の全表面に確実に行き渡らせたうえで除去することができ、したがって殺菌効果をさらに高めることができる。
請求項3に係る発明によれば、広口容器(1)に付着した殺菌剤を乾燥させた後、直ちに広口容器(1)を集積することから、例えば充填装置が離れた箇所に存在した場合であっても速やかに広口容器(1)を供給することが可能である。
請求項4、7、9に係る発明によれば、殺菌剤のミスト(b)を吹き付ける前に広口容器(1)を予備加熱するので、ミストによる殺菌効果を高めることができる。また、殺菌剤のミスト(b)を吹き付けた後の保持時間を短縮することができる。さらに、殺菌装置における保持工程の箇所を短くすることができる。
請求項6に係る発明によれば、走行手段が無端走行路(18)を有し、多数のリテーナ(10)が単列又は複数列でこの無端走行路(18)上に設けられていることから、フランジ付き広口容器(1)の殺菌処理を高速化することができる。
請求項8に係る発明によれば、フランジ付き広口容器(1)の殺菌処理を高速化と相俟って、フランジ付き広口容器(1)を使用した無菌包装品(5)の製造効率をさらに高めることができる。
以下、本発明の最良の形態について図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
この実施の形態1において、内容物を充填するフランジ付き広口容器は、例えばPP(ポリプロピレン)製シートを真空圧空成形することにより作られる。これにより、このフランジ付き広口容器には耐熱性が与えられ、例えば熱い米飯が充填された場合でも変形が防止される。また、後述の殺菌剤として用いられる過酸化水素の残留が防止される。
図6に示すように、このフランジ付き広口容器1はトレー状に形成され、比較的浅い器部2と、器部2の開口の回りに設けられるフランジ3とを備える。フランジ3の外周からはリム3aが垂下し、リム3aの所定箇所からは舌状の摘み片3bが外方向に突出する。摘み片3bはフランジ3に接着された後述の蓋材4(図1参照)をフランジ3から使用者が剥し取る際に用いられる。また、器部2とフランジ3との境界にはスタッキングリブ3cが設けられる。スタッキングリブ3cは多数の広口容器1を積み重ねた際に広口容器同士が強く嵌り合わないようにするためのもので、充填機に供給した場合などにおいて広口容器1の山から広口容器1を一個ずつ確実に取り出しやすくするために設けられる。器部2、フランジ3、リム3a、摘み片3b、スタッキングリブ3c等は、広口容器1の成形時に一体的に形成される。
上記フランジ付き広口容器1は、図1に示すステップ1〜8からなる無菌充填方法で殺菌処理された後、内容物充填処理を経て無菌包装品5とされる。
図1に示すように、この無菌充填方法の開始に際し、フランジ付き広口容器1をリテーナ10で支持する。
図2乃至図5に示すように、リテーナ10は平板10aを有し、この平板10aに広口容器1の器部2が嵌り込む嵌入穴16が形成される。また、この平板10aにおける嵌入穴16の回りには、広口容器1のフランジ3に対向するように突起22が形成される。
フランジ付き広口容器1は、その器部2がリテーナ10の嵌入穴16内に挿入されることによりリテーナ10に支持され、そのフランジ3はリテーナ10の平板10a上に留まり嵌入穴16の周囲の突起22に対向する。
図1に示すようにリテーナ10で支持した広口容器1を、そのフランジ面と平行な方向にリテーナ10ごと連続走行させ、その走行中の広口容器1に対して次に述べるステップ1〜8を順に実施する。
(1)ステップ1
広口容器1の予備加熱を行う。リテーナ10で支持された広口容器1の開口と底面にそれぞれ対向し、かつ広口容器1の搬送方向に交差する方向にそれぞれ伸びるスリット7,7から広口容器1に向かって熱風aを吹き付ける。熱風aは広口容器1の表面に接触して広口容器1を加熱する。
また、熱風aはリテーナ10と広口容器1との間の隙間16aを通って、突起22によりリテーナ10上に持ち上げられたフランジ3の裏面に向かって流れる。
この広口容器1の予備加熱により、次のステップ2の殺菌剤による殺菌効果を高めることができる。
この予備加熱は必要に応じて設けられるもので省略可能であり、次のステップ2から開始することも可能である。
(2)ステップ2
広口容器1の全表面の殺菌を行う。広口容器1の開口と底面にそれぞれ対向し、かつ広口容器1の走行方向に交差する方向にそれぞれ伸びるスリット8,8から広口容器1に向かって殺菌剤のミストbを吹き付けて広口容器1の表面を殺菌処理する。殺菌剤としては過酸化水素を用いることができる。過酸化水素のミストbの生成については後述する。
広口容器1の開口側から吹き付けたミストbは広口容器1の上側の全面に付着する。また、広口容器1の底側から吹き付けたミストbは、広口容器1の下側の全面に接触した後、リテーナ10と広口容器1との間の隙間16aを通って、突起22によりリテーナ10上に持ち上げられたフランジ3の裏面に向かって流れる。
これにより、ミストbは高速で連続走行する広口容器1の全表面に満遍なく行き渡り、広口容器1の全表面が高速でムラなく殺菌される。
また、殺菌剤のミストbは広口容器1の開口側と底面側から広口容器1を挟むように吹き付けるので、広口容器1は軽いもの、面積の大きいものであっても、走行路から脱落することなく走行する。
(3)ステップ3
このステップ3では、ステップ2において殺菌剤のミストbを吹き付けた広口容器1を所定時間保持する。これにより、殺菌剤が広口容器1の全表面に確実に行き渡り殺菌効果が高められる。
(4)ステップ4
広口容器1の開口と底面にそれぞれ対向し、かつ広口容器1の搬送方向に交差する方向にそれぞれ伸びるスリット7,7から、熱風aを広口容器1に向かって吹き付け、広口容器1に付着した殺菌剤を乾燥させる。
広口容器1の開口側から吹き付けた熱風aは広口容器1の上側の全面に付着する。また、広口容器1の底側から吹き付けた熱風aは、広口容器1の下側の全面に接触した後、リテーナ10と広口容器1との間の隙間16aを通って、突起22によりリテーナ10上に持ち上げられたフランジ3の裏面に向かって流れる。
これにより、熱風aは高速で連続走行する広口容器1の全表面に満遍なく行き渡り、広口容器1の全表面から殺菌剤が高速でムラなく除去される。
また、熱風aは広口容器1の開口側と底面側から広口容器1を挟むように吹き付けるので、広口容器1が軽いもの、面積の大きいものであっても、走行路から脱落することなく走行可能である。
(5)ステップ5
ステップ4と同様にして、熱風aを広口容器1に吹き付けて、広口容器1の表面に付着した殺菌剤を乾燥除去する。
(6)ステップ6
ステップ4と同様にして、熱風aを広口容器1に吹き付けて、広口容器1の表面に付着した殺菌剤を乾燥除去する。
ステップ4,5,6は必要に応じて増減可能である。ステップ1〜ステップ6が殺菌工程に該当し、その実行により広口容器1の表面の殺菌が完了する。
ステップ6の後、直ちに広口容器1を集積して図示しない外装袋等の中に入れ、無菌状態で保管するようにしてもよい。これにより、例えば内容物の充填装置が離れた箇所に存在した場合であっても多量の広口容器1を速やかに充填装置に供給することが可能である。
また、ステップ4,5,6のいずれかの後に、洗浄工程を介在させることも可能である。無菌水等の洗浄液を広口容器1に対して吹き掛け、あるいは広口容器1を洗浄液内に浸漬することにより、広口容器1に付着した殺菌剤をより適正に除去することができる。
(7)ステップ7
殺菌処理された広口容器1に開口から内容物を充填する。内容物としては、例えば炊飯後の米飯、スープとすることができる。
(8)ステップ8
広口容器1の開口に蓋材4を被せ、蓋材4を広口容器1のフランジ3に接着する。これにより、広口容器1を使用した無菌充填品5が完成する。
次に、上記ステップ1〜8を実施するための無菌充填装置について説明する。
図1に示すように、無菌充填装置はその全体を覆う無菌チャンバー9を備える。無菌チャンバー9の前後端には広口容器1の入口9aと、無菌充填品5の出口9bがそれぞれ設けられる。無菌チャンバー9内は予め殺菌剤ミストの供給、紫外線照射等により殺菌される。また、無菌チャンバー9内には無菌エアが常時吹き込まれ、この無菌エアが無菌チャンバー9の入口9aと出口9bから吹き出るようになっており、これにより無菌チャンバー9内の無菌状態が維持される。
無菌充填装置は、フランジ付き広口容器1を保持するリテーナ10、リテーナ10を連続走行させる走行手段、予備加熱用ノズル11、殺菌用ノズル12、乾燥用ノズル13、充填部14、蓋材シール部15等を上記無菌チャンバー9内に備える。
リテーナ10は、図4及び図5に示すように、平板10aをその主体として備える。平板10aの中央には広口容器1の器部2が嵌り込む嵌入穴16が形成される。嵌入穴16は、広口容器1のフランジ3の内周よりやや小さく、器部2の外周よりやや大きくなるように形成される。これにより、広口容器1の器部2が嵌入穴16に挿入されると、フランジ3が嵌入穴16の周縁の上側に留まり、器部2が嵌入穴16の周縁から下方に突出する。
リテーナ10は多数用意され、図1に示すように、広口容器1をフランジ面と平行な方向にリテーナ10ごと連続走行させる走行手段に取り付けられる。走行手段は例えばスプロケットホイール17a,17b間に水平に掛け渡される無端チェーン18として構成され、多数のリテーナ10が単列又は複数列でこの無端チェーン18に所定の間隔で取り付けられる。図2はリテーナ10を二列で取り付けた場合を示している。
無端チェーン18は図示しない制御部で制御されるモータにより連続走行可能である。このように、無端チェーン18の駆動によりリテーナ10が広口容器1を保持しつつ連続走行するので、広口容器1の殺菌処理、内容物の充填等の高速化が可能になる。
予備加熱用ノズル11は、図1に示すように、広口容器1を保持したリテーナ10の走行路を上下から挟むように対向配置される。
図2に示すように、上側の予備加熱用ノズル11は、リテーナ10の走行路を横断する方向に伸びる箱体11aを有し、この箱体11aの下端に広口容器1の開口に対向しかつ広口容器1の搬送方向に交差する方向に伸びるスリット7を有する。箱体11aは図示例では角筒形として形成されるが、円筒形等他の形状にすることも可能である。
この上側の予備加熱用ノズル11は、箱体11a内に供給された熱風aをスリット7からリテーナ10に保持された広口容器1にその開口側から吹き付けて広口容器1を次の殺菌のために予備加熱する。
また、下側の予備加熱用ノズル11は、広口容器1の底面に対向しかつ広口容器1の搬送方向に交差する方向に伸びるスリット7から、広口容器1に底面側から熱風aを吹き付けて予備加熱するようになっている。下側の予備加熱用ノズル11は、上側の予備加熱用ノズル11とスリット7の開口方向が逆である点を除いてまったく同じ構成である。
この下側の予備加熱用ノズル11から吐出される熱風aは、連続走行する広口容器1の器部2における外表面の全面に接触し、器部2を適正に予備加熱する。
また、この予備加熱をより効果的に行うため、図4及び図5に示すように、リテーナ10の平板10aにおける広口容器1のフランジ3、摘み片3bに対向する箇所には、突起22が複数個形成される。突起22は図示例ではフランジ3の四つの角部に設けられる。
これにより、フランジ3及び摘み片3bはリテーナ10の平板10a上で少しばかり浮上し、広口容器1に底面側から吹き付けられた熱風bは、図5中矢印で示すように、器部2の外面と嵌入穴16との間の隙間16aからフランジ3やスタッキングリブ3cの裏面へと流れ、このフランジ3等の陰部分にも接触して予備加熱する。
突起22は、図示例の四つの角部に限らず、他の箇所に設けてもよいし、他の箇所に増設してもよい。また、突起22は図示例では細長片として形成されるが、その他円形、楕円形、正方形、長方形等、フランジ3を平板10a上に浮上させやすい所望の形状に形成される。
上下の予備加熱用ノズル11,11のスリット7,7は広口容器1の走行路方向でずれていてもよいが、望ましくは両者のスリット7,7が広口容器1の走行路を挟んで正対するように配置される。スリット7,7同士を正対させておくことで、広口容器1に上下から同じ風圧を作用させ、リテーナ10からの広口容器1の脱落を防止することができる。
この無菌充填装置は、図2に示すように予備加熱用の熱風aを作るためにブロア23、フィルタ24、加熱器25等を備える。ブロア23からの送風をフィルタ24で除菌し、加熱器25で加熱して熱風aを作り、この熱風aを上下の予備加熱用ノズル11,11の箱体11a,11a内に供給するようになっている。
なお、予備加熱用ノズル11は広口容器1を予備加熱する必要がない場合は省略される。
殺菌用ノズル12は、図1に示すように、広口容器1を保持したリテーナ10の走行路を上下から挟むように対向配置される。
図3に示すように、上側の殺菌用ノズル12は、リテーナ10の走行路を横断する方向に伸びる箱体12aを有し、この箱体12aの下端に広口容器1の開口に対向しかつ広口容器1の搬送方向に交差する方向に伸びるスリット8を有する。箱体12aは図示例では角筒形として形成されるが、円筒形等他の形状にすることも可能である。
この上側の殺菌用ノズル12は、箱体12a内に供給された殺菌剤のミストbをスリット8からリテーナ10に保持された広口容器1に向かって吹き付ける。これにより、殺菌剤のミストbが図5中矢印方向に流れて広口容器1のフランジ3の上表面、器部2等の内表面に付着し、広口容器1の上側全面を殺菌する。
また、下側の殺菌用ノズル12は、広口容器1の底面に対向しかつ広口容器1の搬送方向に交差する方向に伸びるスリット8から、広口容器1の底面に向かって殺菌剤のミストbを吹き付けるようになっている。下側の殺菌用ノズル12は、上側の殺菌用ノズル12とスリット8の開口方向が逆である点を除いてまったく同じ構成である。
この下側の殺菌用ノズル12は、箱体12a内に供給された殺菌剤のミストbをスリット8からリテーナ10に保持された広口容器1に向かって下方から吹き付ける。広口容器1のフランジ3は上記突起22によりリテーナ10の平板10a上に浮上するので、殺菌剤のミストbは、図5中矢印で示すように、広口容器1の器部2の外表面に接触した後、器部2とリテーナ10の嵌入穴16との間の隙間16aからリテーナ10の平板10aの上面へと流れ、フランジ3、リム3a、スタッキングリブ3c、摘み片3b等の裏面に接触する。これにより、広口容器1のフランジ3の下表面、器部2の外表面等広口容器1の下側全面がムラなく殺菌される。
上下の殺菌用ノズル12,12のスリット8,8は広口容器1の走行路方向でずれていてもよいが、望ましくは両者のスリット8,8が広口容器1の走行路を挟んで正対するように配置される。スリット8,8同士を正対させておくことで、広口容器1に上下から同じ風圧を作用させ、リテーナ10からの広口容器1の脱落を防止することができる。
この無菌充填装置は、図3に示すように殺菌剤である過酸化水素のミストbを作るためのミスト生成器26を備える。
この生成器26は、殺菌剤である過酸化水素の水溶液を滴状にして供給する二流体スプレーである過酸化水素供給部27と、この過酸化水素供給部27から供給された過酸化水素の噴霧をその沸点以上非分解温度以下に加熱して気化させる気化部28とを備える。過酸化水素供給部27は、過酸化水素供給路27a及び圧縮空気供給路27bからそれぞれ過酸化水素の水溶液と圧縮空気を導入して過酸化水素の水溶液を気化部28内に噴霧するようになっている。気化部28は内外壁間にヒータ28aを挟み込んだパイプであり、パイプ内に吹き込まれた過酸化水素の噴霧を加熱し気化させる。気化した過酸化水素のガスはノズル29から殺菌用ノズル12,12の箱体12a,12a内へと流れ、スリット8,8から広口容器1の上下面に向かって噴出する。気化部28内で気化した過酸化水素は、スリット8,8を出て広口容器1の近傍に至るまでの間に沸点以下の温度まで降下することにより、一部が凝縮し液化する。これにより、過酸化水素の気液混合体である微細なミストbが生成される。この過酸化水素の微細なミストbがスリット8,8から上記予備加熱した広口容器1に吹き付けられ、広口容器1の表面に薄い皮膜となって付着する。広口容器1の表面に付着したミストbは結露し、高濃度の過酸化水素となって、広口容器1の表面を速やかに殺菌する。
乾燥用ノズル13は、図1に示すように、広口容器1を保持したリテーナ10の走行路を上下から挟むように対向配置される。また、乾燥用ノズル13は上記殺菌用ノズル12の位置から所定距離だけ離れた位置に設置される。これにより、殺菌剤のミストbが付着した広口容器1は一定時間そのまま保持され、ミストbが広口容器1の全表面に行き渡った後に、乾燥処理に付されることになる。
乾燥用ノズル13は、図2に示した予備加熱用ノズル11と同様に構成され、また広口容器1の走行路の上下に同様に配置されるので、その詳細な説明は省略する。乾燥用の熱風aの生成は望ましくは上記予備加熱用の熱風aを作るためのブロア23、フィルタ24、加熱器25等が共用され、加熱器25から出る熱風aが予備加熱用ノズル11と乾燥用ノズル13とに分配される。
乾燥用ノズル13は上下一対のみ設けてもよいが、広口容器1に付着した殺菌剤の除去具合に応じて、図1に示すように、広口容器1の走行路に沿って複数対配置される。
上側の乾燥用ノズル13は、箱体13a内に供給された熱風aをスリット7からリテーナ10に保持された広口容器1に向かって吹き付ける。これにより、熱風aが図5中矢印方向に流れて広口容器1のフランジ3の上表面、器部2等の内表面に接触し、これらの箇所に付着した殺菌剤を乾燥させ除去する。
また、下側の乾燥用ノズル13は、箱体13a内に供給された熱風aをスリット7からリテーナ10に保持された広口容器1に向かって下方から吹き付ける。広口容器1のフランジ3は上記突起22によりリテーナ10の平板10a上に浮上するので、この吹き付けられた熱風aは、図5中矢印で示すように、広口容器1の器部2の外表面に接触した後、器部2とリテーナ10の嵌入穴16との間の隙間16aからリテーナ10の平板10aの上面へと流れ、フランジ3、リム3a、スタッキングリブ3c、摘み片3b等の裏面に接触する。これにより、広口容器1のフランジ3の下表面、器部2の外表面等に付着した殺菌剤がムラなく除去される。
上下の乾燥用ノズル13,13のスリット7,7は広口容器1の走行路方向でずれていてもよいが、望ましくは両者のスリット7,7が広口容器1の走行路を挟んで正対するように配置される。スリット7,7同士を正対させておくことで、広口容器1に上下から同じ風圧を作用させ、リテーナ10からの広口容器1の脱落を防止することができる。
充填部14は、図1に示すように、広口容器1の走行路において乾燥用ノズル13よりも下流側に設置される。充填部14は、リテーナ10により運ばれて来た殺菌済みの広口容器1内に例えば炊飯直後の米飯を所定量充填するようになっている。充填部14は公知であるからその詳細な説明は省略する。
蓋材シール部15は、図1に示すように、広口容器1の走行路において充填部14よりも下流側に設置される。蓋材シール部15は、リテーナ10により運ばれて来た充填済みの広口容器1の開口に蓋材4を被せ、この蓋材4の回りを広口容器1のフランジ3にヒートシールするようになっている。この蓋材シール部15は公知であるからその詳細な説明は省略する。
次に、上記構成の無菌充填装置の作用について説明する。
図1に示すように、無菌チャンバー9内にその入口9aから広口容器1を供給してリテーナ10の嵌入穴16内に挿入する。この広口容器1の供給はロボット等の公知の供給装置により行われる。
リテーナ10は無端チェーン18の駆動により、常時所定速度で連続走行し、受け取った広口容器1を予備加熱用ノズル11,11へと送る。
予備加熱用ノズル11,11は、広口容器1の開口と底面に向かってそれぞれ熱風aを吹き付ける。これにより、広口容器1が所定温度まで加熱される。
予備加熱用ノズル11,11は広口容器1の開口側と底面側から広口容器1を挟むように熱風aを吹き付けるので、広口容器1は軽いもの、面積の大きいものであっても、リテーナ10から脱落することなく走行する。
リテーナ10は、この予備加熱された広口容器1を次の殺菌用ノズル12,12へと送る。
殺菌用ノズル12,12は、スリット8,8から広口容器1の開口と底面に向かって殺菌剤のミストbを吹き付けて広口容器1の表面を殺菌処理する。
また、広口容器1のフランジ3は突起22によりリテーナ10の平板10a上に浮上しているので、下方から吹き付けられる殺菌剤のミストbは、図5中矢印で示すように、リテーナ10における器部2と嵌入穴16との間の隙間16aからフランジ3、リム3a、スタッキングリブ3c、摘み片3b等の裏面へと流れ、このフランジ3等の陰部分にもムラなく接触して殺菌する。
リテーナ10は、殺菌剤が塗布された広口容器1を保持しつつ走行し、殺菌剤による殺菌効果が高まるのを待って広口容器1を次の乾燥用ノズル13へと送る。
乾燥用ノズル13,13は、スリット7,7から広口容器1の開口と底面に向かって熱風aを吹き付けて広口容器1の表面を加熱しこの表面に付着した殺菌剤を乾燥させる。
また、広口容器1のフランジ3は突起22によりリテーナ10の平板10a上に浮上しているので、熱風aは、図5中矢印で示すように、リテーナ10における器部2と嵌入穴16との間の隙間16aからフランジ3、リム3a、スタッキングリブ3c、摘み片3b等の裏面へと流れ、このフランジ3等の陰部分にもムラなく接触して加熱する。
この熱風aの吹き付けは、多段階にわたって行われ、広口容器1の表面から殺菌剤が残留しないように除去される。
広口容器1の走行中、熱風aは広口容器1の開口側と底面側から広口容器1を挟むように吹き付けるので、広口容器1が軽いもの、面積の大きいものであっても、リテーナ10からの脱落が防止される。
リテーナ10は、殺菌され殺菌剤が除去された広口容器1を保持しつつ走行し、広口容器1を次の充填部14へと送る。充填部14は、連続走行する広口容器1に開口から米飯等の内容物cを定量充填する。
リテーナ10は、内容物cが充填された広口容器1を保持しつつ走行し、広口容器1を次の蓋材シール部15へと送る。蓋材シール部15は広口容器1の開口に蓋材4を被せ、蓋材4を広口容器1のフランジ3に接着し密封する。これにより、無菌充填品5が完成する。
無菌チャンバー9の出口9bには図示しないがロボット等の公知の取出装置が設けられ、この取出装置が無菌充填品5をリテーナ10から抜き取り、無菌チャンバー9外に取り出す。
<実施の形態2>
図7に示すように、この実施の形態2で用いるリテーナ31では、嵌入穴16の内周縁に突出片32が互いに対峙するように設けられる。広口容器1の器部2における外面がこれらの突出片32に接触することにより、上記隙間16aが器部2の回りに均一に形成される。したがって、次に述べる殺菌剤のミストbや乾燥用の熱風aの通りが良くなる。突出片32は殺菌剤のミストb等の流れを阻害しないように形成されるものであれば、どのような形状であってもよく、また、更に多く設けてもよいし、必ずしも対向辺間で対向するものでなくともよい。
この実施の形態2において、図5中矢印で示すように殺菌剤のミストbや乾燥用の熱風aが広口容器1のフランジ3、リム3a、スタッキングリブ3c、摘み片3b等の裏面へと流れ、このフランジ3等の陰部分にもムラなく接触して殺菌しあるいは加熱乾燥する。
その他、実施の形態2において実施の形態1の場合と同じ部分には同一符号を付して示し、重複した説明を省略する。
<実施の形態3>
この実施の形態3では、実施の形態1における細長い突起22が図8(A)(B)(C)(D)に示すような各種の横断面のうちいずれかの横断面形を有するものとして形成される。図8(A)の突起22aは三角形横断面、同図(B)の突起22bは五角形横断面、同図(C)の突起22cはアーチ形横断面、同図(D)の突起22dは円形横断面に形成される。これらの突起は一様断面であってもよいし、断面積が徐々に変化するものであってもよい。これらの突起はリテーナと一体成形されるか、あるいは接着剤、溶接等によりリテーナに取り付けられる。
これらいずれの横断面形の突起によっても、広口容器1のフランジ3あるいはリム3aがリテーナ10に対して略線接触することになるので、殺菌剤のミストbや熱風aはフランジ3の裏面にムラなく接触し、より適正な殺菌処理、乾燥処理が可能になる。
また、図9に示すように突起22eの上面に凹凸を形成してもよい。この凹凸は突起22eの長さ方向に鋸刃状に並ぶ。突起22eの横断面形は、四角形のほか図8(A)(B)(C)(D)に示すような各種の横断面を採用することができる。これにより、広口容器1のリム3aの下端は平板10a上の突起22eに略点接触し、殺菌剤のミストbや熱風aはフランジ3の裏面にムラなく接触し、より適正な殺菌処理、乾燥処理が可能になる。
<実施の形態4>
この実施の形態4では、実施の形態1における広口容器の予備加熱工程と予備加熱用のノズル11等の各種機器が省略される。予備加熱が省略される結果、図1中(3)の保持工程に望ましくは約倍の時間が設定される。予備加熱を行う場合の保持時間が例えば約8秒とすると、予備加熱を行わない場合は約15秒保持される。
なお、本発明は上記実施の形態1〜4に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態1〜4では殺菌対象をトレー状の広口容器としたが、カップ状の広口容器等、他の形状の容器についても適用可能である。また、ポリプロピレン以外の材料で形成した広口容器についても適用可能である。また、上記実施の形態1〜4では殺菌剤として過酸化水素を使用したが、これに代えて過酢酸等を使用することも可能である。
図6(A)(B)に示す形状とし、開口部を150mm×110mm、底面を135mm×95mm、高さを45mm、フランジ幅を10mmとした広口容器を15個用意し、2×103、2×104、2×105ヶ/spotの枯草菌芽胞を、各広口容器の開口側のスタッキングリブ、底面側のスタッキングリブ及びフランジ裏の各コールドスポットにスポット状に塗布し、また、リテーナの突起に接触する摘み片にスポット状に塗布し、図1(2)〜(6)の各処理を行った。各処理を行う際に、リテーナとして図4及び図5に示すような突起を備えたものを使用した。
図1(2)〜(6)の各処理の条件は次のように設定した。
1.処理速度は、4.5m/minとし、各広口容器を連続走行させた。
2.ステップ2の過酸化水素噴霧工程
開口側殺菌用ノズルのスリット長を350mm、スリット巾を1mmとし、このスリットから過酸化水素ミストを12g/minの流量で吐出した。スリットから吹き出るミスト搬送用エアの風速は1m/secであった。この風速はスリットの出口中央部に熱線式風速計をあてて計測した。スリットから広口容器のフランジまでの距離は10mmとした。
底面側殺菌用ノズルのスリットは、開口側殺菌用ノズルのスリットと同じ大きさとしたが、過酸化水素ミストの供給量は20g/min、ミスト搬送用エアの風速は2.5m/minとした。スリットから広口容器の底面までの距離は10mmとした。
過酸化水素ミストは同じミスト発生装置から開口側殺菌用ノズルと底面側殺菌用ノズルに供給した。ミスト発生装置のヒーター温度は、250℃とし、ミスト発生装置以降両殺菌用ノズルに至るまでの配管内の保温温度は140℃とした。
3.ステップ3の保持時間は、15秒とした。
4.ステップ4〜ステップ6
乾燥条件はステップ4〜6のいずれも同一とした。
開口側乾燥用ノズルのスリット長を350mm、スリット巾を1mmとし、スリットから出口温度140℃、風量0.7m3/minの乾燥用エアを吐出した。スリットから広口容器のフランジまでの距離は10mmとした。
底面側乾燥用ノズルのスリットは、開口側乾燥用ノズルのスリットと同じ大きさとし、スリットからの吐出温度を140℃とし、スリットから広口容器のフランジまでの距離を10mmとしたが、風量は0.3m3/minとした。
上記殺菌処理を行った広口容器にトリプトソイブイヨン培地を無菌的に分注し、培養、殺菌性の有無を評価した。各殺菌条件における試験結果から確率論的に最確数(MPN:most probable number)で生残菌数を算出し、付着菌数と生残菌数との対数値を次の式により求めて殺菌効果を評価した。
殺菌効果(LRV((Logarithmic reduction value))=log(付着菌数/生残菌数)
殺菌効果は次の表1〜表3に示すように良好であった。
Figure 0005066906
表1中、「前後左右」は広口容器の進行方向に見たスタッキングリブの前後左右の辺を指す。103レベルの菌を前後左右に塗布した広口容器を5個用意し、同様に104レベルの菌、105レベルの菌をそれぞれ塗布した広口容器を5個ずつ用意し、上記殺菌処理、乾燥処理をして、殺菌効果(LRV)を求めたところ、すべての広口容器に付いて6以上の結果を得た。○はLRV>6であることを示す。
なお、以下の表2〜表4においても菌の塗布方法は表1の場合と同様である。
Figure 0005066906
Figure 0005066906
Figure 0005066906
図1(1)の予備加熱を行い、その後実施例1と同様に図1の(2)(4)(5)(6)の処理を行った。
予備加熱は、実施例1のノズルと同様なノズルを用いて広口容器の開口側および底面側ともに同じ条件で加熱した。すなわち、140℃の熱風を幅1mm、長さ350mmのスリットから0.5m3/minの風量で、スリットから広口容器の表裏にそれぞれ吹き付けた。各スリットから広口容器のフランジと底面までの距離は10mmとした。この予備加熱により広口容器全体は40℃に昇温した。
図1(3)の保持時間は実施例1の場合よりも短縮し10秒とした。すなわち、この保持工程を図1(2)の過酸化水素ミスト塗布工程に加えたものを殺菌処理工程と考えると、予備加熱工程を設けることで殺菌処理工程が略半分で済むことになる。したがって、広口容器の殺菌処理工程での走行距離も半減し、それだけ殺菌部の長さが短縮されることになる。
殺菌効果は次の表5〜表8に示すようにように十分であった。
Figure 0005066906
Figure 0005066906
Figure 0005066906
Figure 0005066906
比較例
スカート壁、貫通孔及び突起のないリテーナを使用して広口容器を殺菌処理した。処理速度及び図1(2)〜(6)の条件は実施例1と同様に設定した。
殺菌効果は次の表9〜表12に示すように広口容器の底面について不十分であった。
Figure 0005066906
Figure 0005066906
Figure 0005066906
Figure 0005066906
本発明の実施の形態1に係るフランジ付き広口容器の殺菌装置を示す垂直断面図である。 図1中、ステップ1,4,5,6のいずれかを示す斜視図である。 図1中、ステップ2を示す斜視図である。 リテーナを示す斜視図である。 図4中、V−V線矢視断面図である。 (A)(B)はフランジ付き広口容器の一例を示し、それぞれ開口側と底面側から見た斜視図である。 本発明の実施の形態2に係るリテーナの斜視図である。 本発明に係るリテーナで採用可能な各種突起の横断面図である。 本発明に係るリテーナで採用可能な突起の正面図である。
符号の説明
a…熱風
b…ミスト
1…広口容器
3…フランジ
4…蓋材
7,8…スリット
10…リテーナ
10a…平板
12…殺菌用ノズル
13…乾燥用ノズル
16…嵌入穴
18…無端チェーン
22…突起

Claims (9)

  1. 比較的浅い器部を有したフランジ付き広口容器のフランジに対応する箇所に突起を形成したリテーナでこの広口容器を支持してフランジ面と平行な方向に連続走行させながら、広口容器の開口と底面にそれぞれ対向しかつ広口容器の走行方向に交差する方向にそれぞれ伸び、互いに正対するスリットから、広口容器に向かって殺菌剤のミストを同じ風圧で吹き付けて広口容器の表面を殺菌処理し、次いで広口容器の開口と底面にそれぞれ対向しかつ広口容器の搬送方向に交差する方向にそれぞれ伸び、互いに正対するスリットから、広口容器に向かって熱風を同じ風圧で吹き付けて広口容器に付着した殺菌剤を乾燥させることを特徴とするフランジ付き広口容器の殺菌方法。
  2. 請求項1に記載のフランジ付き広口容器の殺菌方法において、広口容器に殺菌剤のミストを吹き付けた後、広口容器を所定時間保持し、しかる後に熱風を吹き付けることを特徴とするフランジ付き広口容器の殺菌方法。
  3. 請求項1に記載のフランジ付き広口容器の殺菌方法において、広口容器に付着した殺菌剤を乾燥させた後、直ちに広口容器を集積することを特徴とするフランジ付き広口容器の殺菌方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載のフランジ付き広口容器の殺菌方法において、殺菌剤のミストを吹き付ける前に広口容器を予備加熱することを特徴とするフランジ付き広口容器の殺菌方法。
  5. 比較的浅い器部を有したフランジ付き広口容器の器部が嵌り込む嵌入穴を有し、フランジに対応する箇所に突起を有したリテーナと、広口容器をフランジ面と平行な方向にリテーナごと連続走行させる走行手段と、広口容器の開口と底面にそれぞれ対向しかつ広口容器の走行方向に交差する方向にそれぞれ伸び、互いに正対するスリットから、広口容器に向かって殺菌剤のミストを同じ風圧で吹き付けて広口容器の表面を殺菌する殺菌用ノズルと、広口容器の開口と底面にそれぞれ対向しかつ広口容器の搬送方向に交差する方向にそれぞれ伸び、互いに正対するスリットから、広口容器に向かって熱風を同じ風圧で吹き付けて広口容器に付着した殺菌剤を乾燥させる乾燥用ノズルとを具備したことを特徴とするフランジ付き広口容器の殺菌装置。
  6. 請求項5に記載のフランジ付き広口容器の殺菌装置において、走行手段が無端走行路を有し、多数のリテーナが単列又は複数列でこの無端走行路上に設けられていることを特徴とするフランジ付き広口容器の殺菌装置。
  7. 請求項5に記載のフランジ付き広口容器の殺菌装置において、殺菌用ノズルよりも上流側に広口容器を予備加熱する予備加熱手段が設けられたことを特徴とするフランジ付き広口容器の殺菌装置。
  8. 比較的浅い器部を有したフランジ付き広口容器のフランジに対応する箇所に突起を形成したリテーナでこの広口容器を支持してフランジ面と平行な方向に連続走行させながら、広口容器の開口と底面にそれぞれ対向しかつ広口容器の走行方向に交差する方向にそれぞれ伸び、互いに正対するスリットから、広口容器に向かって殺菌剤のミストを同じ風圧で吹き付けて広口容器の表面を殺菌処理し、次いで広口容器の開口と底面にそれぞれ対向しかつ広口容器の搬送方向に交差する方向にそれぞれ伸び、互いに正対するスリットから、広口容器に向かって熱風を同じ風圧で吹き付けて広口容器に付着した殺菌剤を乾燥させ、続いて内容物を広口容器の開口から広口容器内に充填し、開口に蓋材を被せて蓋材を広口容器のフランジに接着することを特徴とする無菌充填方法。
  9. 請求項8に記載の無菌充填方法において、殺菌剤のミストを吹き付ける前に広口容器を予備加熱することを特徴とする無菌充填方法。
JP2006332054A 2006-12-08 2006-12-08 フランジ付き広口容器の殺菌方法及び装置並びに無菌充填方法 Active JP5066906B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006332054A JP5066906B2 (ja) 2006-12-08 2006-12-08 フランジ付き広口容器の殺菌方法及び装置並びに無菌充填方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006332054A JP5066906B2 (ja) 2006-12-08 2006-12-08 フランジ付き広口容器の殺菌方法及び装置並びに無菌充填方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008143556A JP2008143556A (ja) 2008-06-26
JP5066906B2 true JP5066906B2 (ja) 2012-11-07

Family

ID=39604168

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006332054A Active JP5066906B2 (ja) 2006-12-08 2006-12-08 フランジ付き広口容器の殺菌方法及び装置並びに無菌充填方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5066906B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1314623C (zh) * 2005-06-14 2007-05-09 武汉理工大学 一种低温快速制备导电陶瓷复合材料的方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4012653B2 (ja) * 1999-07-29 2007-11-21 大日本印刷株式会社 Pet製ボトルの殺菌方法及び装置
JP4097644B2 (ja) * 2004-10-18 2008-06-11 ハウス食品株式会社 容器外面の殺菌方法及び容器のリテーナ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1314623C (zh) * 2005-06-14 2007-05-09 武汉理工大学 一种低温快速制备导电陶瓷复合材料的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008143556A (ja) 2008-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5066907B2 (ja) フランジ付き広口容器の殺菌方法及び装置並びに無菌充填方法
ES2315871T3 (es) Dispositivo y procedimiento para la conformacion, llenado y sellado de envases de material laminar flexible y flacido.
JP5088027B2 (ja) Pet製カップ状容器の殺菌方法及び装置
JP5066908B2 (ja) フランジ付き広口容器の殺菌方法及び装置並びに無菌充填方法
JP5534153B2 (ja) カップ状容器の外面殺菌方法及び装置
JP5515272B2 (ja) フランジ付き広口容器の殺菌方法及び装置
JP5066906B2 (ja) フランジ付き広口容器の殺菌方法及び装置並びに無菌充填方法
JP5573020B2 (ja) カップ状容器の殺菌方法
JP2004352270A (ja) 容器殺菌装置
JP2020172297A (ja) 無菌充填機及び無菌充填方法
JP5482187B2 (ja) カップ状容器の殺菌方法及び装置
JP2005510415A (ja) 液体状の殺菌剤によって包装材料を殺菌する方法と装置
JP4967872B2 (ja) Pet製カップ状容器の殺菌方法及び装置
JP5515271B2 (ja) フランジ付き広口容器の殺菌方法及び装置
JP4097644B2 (ja) 容器外面の殺菌方法及び容器のリテーナ
WO2021111750A1 (ja) キャップ殺菌装置および内容物充填システム
JP5573004B2 (ja) カップ状容器の殺菌方法
JP5217612B2 (ja) カップ状容器の殺菌方法及び装置
JP4967871B2 (ja) Pet製カップ状容器の殺菌方法及び装置
JP5359183B2 (ja) カップ状容器の殺菌方法及び装置
JP4033337B2 (ja) 食品用包装容器の殺菌方法、殺菌装置及び包装充填装置
JP3528971B2 (ja) 無菌充填装置
JP3242455B2 (ja) 缶蓋殺菌方法
JP5088028B2 (ja) Pet製カップ状容器の殺菌方法及び装置
JP4281902B2 (ja) 容器の外面殺菌装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090917

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120406

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120717

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120730

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150824

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5066906

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150