JP2020172297A - 無菌充填機及び無菌充填方法 - Google Patents

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憲二 遠藤
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佳泰 小谷
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Abstract

【課題】無菌保証レベルが高く、生産性に優れるBIB用内袋の無菌充填機及び無菌充填方法を提供する。【解決手段】少なくとも二枚の柔軟性プラスチックフィルムの周縁をヒートシールしてなるバッグインボックス用内袋の上側プラスチックフィルムに注出口及び当該注出口を密封するキャップを取り付けてなるあらかじめ内部が放射線により殺菌された前記バッグインボックス用内袋の無菌充填方法であって、無菌エアを供給する遮蔽されたチャンバー内でバッグインボックス用内袋を搬送する搬送工程、搬送される前記バッグインボックス用内袋に取り付けられた注出口及びキャップに殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付ける殺菌剤吹き付け工程、キャップを前記注出口から脱離させ、前記注出口から内容物を充填し、内容物を充填後に前記キャップを注出口に装着する充填工程を有する無菌充填方法とする。【選択図】図3

Description

本発明は、牛乳、クリーム、ジュース、酒及び清涼飲料水等の液状食品、若しくは液状薬品又は固形物を含む液状食品等を注出口付きバッグインボックス用内袋に無菌充填するための無菌充填機及び無菌充填方法に関する。
従来、液体の大型容器としては一斗缶等の缶が多く使用されていたが、容器廃棄のための輸送や処理が煩雑であるために、廃棄処理し易い内容物が充填されたプラスチックフィルムからなる袋を段ボールにより外装するバッグインボックス(BIB)の使用が広まっている。内容物が菌等により腐敗や変敗する場合、BIBの内袋に内容物を充填してから加熱殺菌することは大容量であるため困難である。そこで、長期保存を行う腐敗し易い内容物については、内袋を殺菌し、殺菌された内袋に殺菌した内容物を無菌雰囲気で充填する無菌充填が採用されている。そのため、牛乳、クリーム、果汁、果肉入り果汁等をBIBに充填して長期保存する場合は、無菌充填機により内袋に内容物を充填している。
BIB用内袋への無菌充填方法としては、注出口を有する袋をキャップにより密封し、エチレンオキサイドガスやγ線照射等により袋の内部を殺菌し、殺菌された袋を無菌BIB充填機に供給し、注出口及びキャップの外側を次亜塩素酸ナトリウム溶液、過酢酸溶液又は過酸化水素溶液等の液状殺菌剤により殺菌した後、無菌チャンバー内で注出口からキャップを取り外して注出口と充填ノズルを嵌合させて、充填ノズルから内袋に内容物を規定量充填し、注出口から充填ノズルを取り外し、注出口をキャップにより密封して無菌充填製品とする。
また、無菌チャンバーを使用しないで、殺菌した液状食品や薬品等で殺菌したBIB用内袋に充填する方法が提案されている(特許文献1)。これは、2枚のプラスチックフィルムの周縁をヒートシールしてなるBIB用内袋の上側プラスチックフィルムに注出口を取り付け、注出口に内側から嵌合する中栓を下側プラスチックフィルムに取り付け、中栓を注出口に嵌合してなる密封袋の注出口と中栓を充填ノズルの先端に装着して蒸気殺菌する殺菌工程、注出口から中栓を外し、充填ノズルから内容物を袋に充填する充填工程、充填ノズルの先端から中栓部分までを蒸気により洗浄する洗浄工程、洗浄後、注出口と中栓を嵌合する密封工程からなる無菌充填方法である。
特許文献1の無菌充填方法における注出口にキャップを装着することも提案されている(特許文献2)。さらに、充填ノズルの充填口を開閉するための充填弁に接続しているプランジャーの摺動部の一部にバリア室を設け、バリア室に蒸気を導入することも提案されている(特許文献3)。
特表昭62−503164号公報 特開昭63−162404号公報 特開2000−142640号公報
BIB用内袋に内容物を充填する無菌充填機において、無菌チャンバーを必要としない特許文献1に記載の無菌充填機は、コンパクトで作業性も良好である。また、殺菌剤を使用しないため、殺菌剤の残留や殺菌剤の廃棄処理の煩雑さもなく、ランニングコストも抑えることができる。特許文献1に記載の2枚のプラスチックフィルムの周縁をヒートシールしてなるBIB用内袋の上側プラスチックフィルムに注出口を取り付け、注出口に内側から嵌合する中栓を下側プラスチックフィルムに取り付け、中栓を注出口に嵌合してなる密封袋の注出口と中栓を充填ノズルの先端に装着して蒸気殺菌する殺菌工程、注出口から中栓を外し、充填ノズルから内容物を袋に充填する充填工程、充填ノズルの先端から中栓部分までを蒸気により洗浄する洗浄工程、洗浄後、注出口と中栓を嵌合する密封工程からなる無菌充填方法は、他のBIBの無菌充填方法に較べ設備及び材料面で優位性が高い。
上述の無菌充填方法は、注出口が固定された状態で一連の工程が行われるため、微生物的な問題はなく無菌保証レベルSAL(sterility assurance Level)>6を満たす。しかし、注出口のみを小型のチャンバーに挿入し、注出口の成型品の表面を135℃の高圧蒸気を数十秒間吹き付けて滅菌し、その後、チャンバー内で充填口を開口し、滅菌された内容物を充填し、充填後、注出口の表面の蒸気による洗浄まで同じチャンバー内で行う。この場合、一連の工程の所要時間が30秒以上要するため、充填量が数L〜20Lでは、無菌充填機の能力の律速が注出口の殺菌から洗浄までに要する時間となり、無菌充填機の生産能力は、2袋/min.以下となる。特許文献1の無菌充填方法は、無菌保証レベルは高いが、生産性に劣るという欠点がある。
一方、袋の内部を殺菌し、殺菌された袋を無菌BIB充填機に供給し、注出口及びキャップの外側を次亜塩素酸ナトリウム溶液、過酢酸溶液又は過酸化水素溶液等の液状殺菌剤により殺菌した後、無菌チャンバー内で注出口からキャップを取り外して注出口と充填ノズルを嵌合させて、充填ノズルから内袋に内容物を規定量充填し、注出口から充填ノズルを取り外し、注出口をキャップにより密封する無菌充填方法は、生産性に優れるが無菌保証レベルが低い。
従来のBIB用内袋への無菌充填方法の上述のような欠点を解消する、無菌保証レベルが高く、生産性に優れるBIB用内袋の無菌充填機及び無菌充填方法が求められている。
本発明はこのような問題点を解決することができる、BIB用内袋に無菌雰囲気で内容物を充填する無菌充填機及び無菌充填方法を提供することを目的とする。
本発明に係る無菌充填機は、少なくとも二枚の柔軟性プラスチックフィルムの周縁をヒートシールしてなるバッグインボックス用内袋の上側プラスチックフィルムに注出口及び当該注出口を密封するキャップを取り付けてなるあらかじめ内部が放射線により殺菌された前記バッグインボックス用内袋の無菌充填機であって、前記バッグインボックス用内袋を搬送する搬送装置が設けられ、前記搬送装置により搬送される前記バッグインボックス用内袋の前記注出口及び前記キャップを遮蔽するチャンバーが設けられ、前記チャンバー内に前記注出口及び前記キャップに殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付ける殺菌剤吹き付け装置が設けられ、前記殺菌剤吹き付け装置の下流に前記キャップを前記注出口から脱離させ、前記注出口から内容物を充填し、当該内容物を充填後に前記キャップを前記注出口に装着する充填装置が設けられ、前記チャンバー内を陽圧に保持する無菌エア供給装置が設けられることを特徴とする。
また、本発明に係る無菌充填機において、前記バッグインボックス用内袋が搬送される方向に沿って、前記注出口を両方向から挟むように前記注出口と前記バッグインボックス用内袋を遮蔽する遮蔽板が設けられると好適である。
また、本発明に係る無菌充填機において、前記遮蔽板の端部が前記注出口の側面に設けられる溝に、前記注出口の搬送方向に対して直交する両側面から挿入されると好適である。
また、本発明に係る無菌充填機において、前記遮蔽板と前記バッグインボックス用内袋の間に形成される空間を吸引排気する吸引排気装置が設けられると好適である。
また、本発明に係る無菌充填機において、前記殺菌剤吹き付け装置の上流に前記注出口及び前記キャップを昇温する予備昇温装置が設けられると好適である。
また、本発明に係る無菌充填機において、前記殺菌剤吹き付け装置の下流に、前記殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられた前記注出口及び前記キャップに付着する前記殺菌剤を乾燥させる乾燥装置が前記チャンバー内に設けられると好適である。
また、本発明に係る無菌充填機において、前記乾燥装置の下流に、乾燥された前記注出口及び前記キャップを冷却する冷却装置が設けられると好適である。
また、本発明に係る無菌充填機において、前記殺菌剤吹き付け装置が、下降して前記注出口及び前記キャップを遮蔽する遮蔽構造体を備えると好適である。
本発明に係る無菌充填方法は、少なくとも二枚の柔軟性プラスチックフィルムの周縁をヒートシールしてなるバッグインボックス用内袋の上側プラスチックフィルムに注出口及び当該注出口を密封するキャップを取り付けてなるあらかじめ内部が放射線により殺菌された前記バッグインボックス用内袋の無菌充填方法であって、前記バッグインボックス用内袋を搬送する搬送工程、無菌エアが供給される遮蔽されたチャンバー内で、搬送される前記バッグインボックス用内袋に取り付けられた前記注出口及び前記キャップに殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付ける殺菌剤吹き付け工程、無菌エアが供給される遮蔽されたチャンバー内で、前記キャップを前記注出口から脱離させ、前記注出口から内容物を充填し、当該内容物を充填後に前記キャップを前記注出口に装着する充填工程を有することを特徴とする。
また、本発明に係る無菌充填方法において、前記バッグインボックス用内袋が搬送される方向に沿って、前記注出口を両方向から挟むように前記注出口と前記バッグインボックス用内袋を遮蔽する遮蔽板を設け、当該遮蔽板と前記バッグインボックス用内袋の間に形成される空間を吸引排気する吸引排気工程を有すると好適である。
また、本発明に係る無菌充填方法において、前記殺菌剤吹き付工程前に、前記注出口及び前記キャップを昇温する予備昇温工程を有すると好適である。
また、本発明に係る無菌充填方法において、前記殺菌剤吹き付工程の後に、前記殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられた前記注出口及び前記キャップに付着する前記殺菌剤を乾燥させる乾燥工程を有すると好適である。
また、本発明に係る無菌充填方法において、前記乾燥工程の後に、乾燥された前記注出口及び前記キャップを冷却する冷却工程を有すると好適である。
また、本発明に係る無菌充填方法において、前記殺菌剤吹き付け工程は、前記注出口及び前記キャップを遮蔽する遮蔽構造体により遮蔽された状態で行われると好適である。
本発明は、少なくとも二枚の柔軟性プラスチックフィルムの周縁をヒートシールしてなるバッグインボックス用内袋の上側プラスチックフィルムに注出口及び当該注出口を密封するキャップを取り付けてなるあらかじめ内部が放射線により殺菌されたバッグインボックス用内袋の無菌充填方法であって、バッグインボックス用内袋を搬送しながら、無菌エアが供給される遮蔽されたチャンバー内で、バッグインボックス用内袋に取り付けられた注出口及びキャップに殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付け、注出口及びキャップを殺菌し、その後キャップを注出口から脱離させ、注出口から殺菌された内容物を充填し、内容物を充填後にキャップを注出口に装着する無菌充填機及び無菌充填方法を提供する。
本発明は、無菌エアが供給されるチャンバー内で注出口及びキャップに殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けることにより注出口及びキャップを殺菌しており、殺菌剤、特に過酸化水素を含有する殺菌剤の高い殺菌性能により確実に注出口及びキャップを殺菌することができる。よって、製品となるBIBは高い無菌保証レベルが得られる。
また、殺菌する注出口及びキャップとバッグインボックス用内袋の間に遮蔽板を設け遮蔽板とバッグインボックス用内袋の間を吸引排気することで、バッグインボックス用内袋の外面を殺菌しなくても高い無菌保証レベルが得られる。さらに、バッグインボックス用内袋を搬送しながら殺菌及び充填を行うことで、従来の同一箇所で殺菌と充填を行う無菌充填機に比べ、充填能力が3〜5倍となり生産効率を高めることができる。
従来の充填機で使用していたバッグインボックス用内袋は蒸気により高温で長時間の処理を施していたため、耐熱性の高い材質の注出口が必要であったが、本発明では、注出口及びキャップに殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を短時間吹き付けることにより注出口及びキャップを殺菌しており、従来機で使用していた注出口ほどの耐熱性は必要がないことから、バッグインボックス用内袋のコストダウンにもつながった。
本発明の実施形態に係る充填前のバッグインボックス用内袋の斜視図を示す。 本発明の実施形態に係る充填前のバッグインボックス用内袋の断面図を示す。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機及び無菌充填方法の工程を示し、(3−1)は無菌充填機及びの側面図及び無菌充填方法の工程を示し、(3−2)は冷却工程で注出口及びキャップを冷却するノズルを示す。 本発明の実施の形態に係る殺菌剤をガス化する殺菌剤ガス生成器を示す。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機のバッグインボックス用内袋の表面に発光ダイオードから発光する深紫外線を照射する場合状態を示し、(5−1)は照射していない状態を、(5−2)は照射している状態を、(5−3)はバッグインボックス用内袋深紫外線照射装置の動きを、(5−4)はバッグインボックス用内袋紫外線照射装置の遮蔽構成例を示す。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機のバッグインボックス用内袋を搬送するときに形成される遮蔽板とバッグインボックス用内袋の間の空間を吸引排気する吸引排気口を示し、(6−1)は吸引排気口の実施形態を、(6−2)は吸引排気口の他の形態を、(6−3)は吸引排気口の形状を、(6−4)は吸引排気する範囲を示す。 本発明の実施の形態に係る無菌充填方法における各工程で注出口を固定する注出口固定板の動作を示し、(7−1)は注出口を注出口固定板が挟む状態を示す側面図を、(7−2)は注出口固定板が注出口から離脱した状態を示す側面図を、(7−3)は注出口を注出口固定板が挟む状態及び固定板が注出口から離脱した状態を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る無菌充填方法における注出口を搬送用リテイナーにより固定して搬送する状態を示し、(8−1)は搬送用リテイナーが注出口を挟む状態を示す側面図を、(8−2)は搬送用リテイナーが作動している状態を示す平面図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明の実施の形態に係る無菌充填機6により内容物が充填されるバッグインボックス用内袋1とは、内容物を充填する前のバッグインボックス用内袋1の斜視図である図1及び断面を示す図2のように、少なくとも二枚の柔軟性プラスチックフィルム2の周縁をヒートシールしてなる。二枚の柔軟性プラスチックフィルム2はヒートシールされることにより、ヒートシール部3により接着され、袋状に形成される。バッグインボックス用内袋1は上側プラスチックフィルム2aと下側プラスチックフィルム2bにより形成される。上側プラスチックフィルム2aと下側プラスチックフィルム2bをヒートシールする際には、フィルム間のエアをできる限り排除して行う。バッグインボックス用内袋1をγ線や電子線の照射により殺菌する際に、バッグインボックス用内袋1の内部に酸素が存在するとバッグインボックス用内袋1の最内層を構成するポリエチレンが酸素と反応して異臭を発生するおそれがあるからである。
柔軟性プラスチックフィルム2とは、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム等の延伸フィルム、延伸フィルムにアルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等を蒸着したフィルム、アルミニウム箔等のヒートシール性を有していないフィルムの1種以上とポリエチレンフィルムをラミネートしたもの、又はポリエチレンフィルム単体若しくは、ナイロン又はエチレン−ビニルアルコール共重合体のようなバリア性を有する樹脂とポリエチレンとの共押し出しフィルムであり、バッグインボックス用内袋1の上側プラスチックフィルム2a及び下側プラスチックフィルム2bは1枚以上のプラスチックフィルムからなる。ヒートシールによる接着面は通常ポリエチレンが用いられる。ヒートシールは加熱板による直接加熱によるヒートシール、超音波ヒートシール、層としてアルミニウム箔を含む場合の高周波ヒートシール等である。
バッグインボックス用内袋1の上側プラスチックフィルム2a又は下側プラスチックフィルム2bは2枚以上であっても構わない。例えば、二軸延伸ナイロンフィルム15μm、アルミニウム箔7μm、ポリエチレン50μmを順次ラミネートしたフィルムとポリエチレンフィルム80μmを2枚重ねて上側プラスチックフィルム2aとし、下側プラスチックフィルム2bも同様として2枚重ね、80μmのポリエチレンフィルムを内側としてヒートシールにより袋を形成する。ヒートシール部3は4枚のフィルムが接着されているが、非ヒートシール部では4枚のフィルムは各々接着されていない。このように上側プラスチックフィルム2a及び下側プラスチックフィルム2bをヒートシール部でヒートシールにより接着できるようにして各々複数枚以上とすることで、輸送時のフィルムと外装である段ボールとの擦れや、揺れによる内容物の移動による柔軟性プラスチックフィルム2の屈曲により発生するピンホールに起因する内容物の漏れリスクを低減することができる。
ポリエチレンは密度が低いほど耐ピンホール性に優れる傾向があるが滑り性が劣るため、ポリエチレンフィルムは多層構成として、密度の低いポリエチレンの両側に密度の高いポリエチレン層を設けるようにしても構わない。
図1に示すように上側プラスチックフィルム2aには孔を設け注出口4が内側から接着され、注出口4を密封するためにキャップ5が嵌合される。密封性を確実にするために、キャップ5には注出口4の外面側にも密着する突起を設けても構わない。キャップ5は嵌合タイプではなく、スクリュータイプでも構わない。キャップ5は注出口4を密封することができればどのような形状でも構わない。
注出口4及びキャップ5はポリエチレン等の樹脂を射出成形、圧縮成形することにより得られる。注出口4のフランジ4aは柔軟性プラスチックフィルム2の内側面とヒートシールされるため、ポリエチレンが好ましい。また、注出口4の内面にはキャップ5が嵌合される。嵌合面は菌等が流入しない程度の密着性がもとめられる。そこで、注出口4を構成するポリエチレンの密度よりもキャップ5を構成するポリエチレンの密度を高くすることがこの好ましい。注出口4を拡げるように嵌合することで高い密着性が得られる。また、逆にキャップ5を構成するポリエチレンの密度よりも注出口4を構成するポリエチレンの密度を高くし、キャップ5を圧縮するように嵌合することで高い密着性を得ても構わない。
注出口4の側面には、例えば、バッグインボックス用内袋1を搬送する際にガイドレールとなる遮蔽板19の端部の挿入、バッグインボックス用内袋1を搬送する際に位置決めを行う注出口固定板16又は搬送用リテイナー18の挿入のための溝4b及び4cが設けられる。溝は必要に応じて3以上設けられる。
バッグインボックス用内袋1はキャップ5が注出口4に嵌合され、密封された状態でγ線や電子線等の照射によりバッグインボックス用内袋1の内部が殺菌される。内部が殺菌されたバッグインボックス用内袋1が無菌充填機6に供給される。無菌充填機6に供給されたバッグインボックス用内袋1は殺菌工程により注出口4及びキャップ5の外表面が殺菌される。
あらかじめ内部が放射線により殺菌されたバッグインボックス用内袋1は、図3に示す無菌充填機6に供給される。バッグインボックス用内袋1は1袋ごと供給されるのではなく、複数が連結された連続袋として供給される。内容物が充填された後、無菌充填機6から排出された後に断裁され1袋の製品形態となる。
図3(3−1)に示すように、無菌充填機6は注出口4及びキャップ5が外気に曝されないようにチャンバー7により遮蔽されている。チャンバー7の内部に外気から菌等が侵入しないようにチャンバー7には無菌エア供給装置8が設けられ、チャンバー7内は無菌エアが供給され陽圧に保持される。無菌エア供給装置8は少なくともブロワ及び無菌フィルタを有し、無菌エアはブロワによるエアを無菌フィルタに通すことにより得られる。ブロワと無菌フィルタの間に加熱装置を設け、無菌エアを加熱してチャンバー7内に供給しても構わない。チャンバー7は少なくとも、搬送されるバッグインボックス用内袋1の注出口4及びキャップ5を遮蔽する。バッグインボックス用内袋1の全体を遮蔽しても構わない。
チャンバー7は遮蔽構造となっているが、チャンバー7は内部が視認できるように一部はガラス又はプラスチックのような透明部材により遮蔽される。また、トラブル発生時に操作できるように一部を開閉できるように扉構造を設ける。さらに、扉を開閉することなく、トラブルを解消できるように手袋を備えることが好ましい。
無菌エア供給装置8は充填装置13の近傍から無菌エアを供給することが好ましい。充填工程において、キャップ5が注出口4から脱離され、内容物が注出口4から充填される。充填工程を行う箇所が最も菌等による汚染を防止しなければければならない箇所であるため、無菌エアの供給により菌等の混入を防ぐために充填装置13の近傍から無菌エアを供給する。供給される無菌エアはバッグインボックス用内袋1の無菌充填機6への供給口または排出口から排気される。チャンバー7内を陽圧に保持する程度にチャンバー7内を排気するエア排気口17を設け排気装置により排気しても構わない。
バッグインボックス用内袋1はチャンバー7に供給され、搬送装置により搬送されることにより、各工程を経る。チャンバー7内におけるバッグインボックス用内袋1の連続袋の搬送は、バッグインボックス用内袋1の進行方向の両端面をチャックで挟んで搬送する。チャックはバッグインボックス用内袋1と同速度で運転される水平方向に回転する無端ベルトに等間隔で複数設けられる。すなわち、バッグインボックス用内袋1の搬送装置とは、バッグインボックス用内袋1と同速度で運転される水平方向に回転するバッグインボックス用内袋1の進行方向の両端を挟むチャックを備えた無端ベルトである。無端ベルトはバッグインボックス用内袋1の両側に2列設けられ、同速度で運転される。搬送装置はチャンバー7の入口から出口までバッグインボックス用内袋1を搬送可能とするように設けられるが、搬送装置はチャンバー7の外部に設けられても構わない。
搬送されるバッグインボックス用内袋1の下部は平板が設けられ、この平板上をバッグインボックス用内袋1の下側プラスチックフィルム2bの下面が滑って、バッグインボックス用内袋1は移動する。内容物が充填される充填装置では、バッグインボックス用内袋1の下部に搬送方向に対して直交するように多数のロールが設けられ、内容物が充填されたバッグインボックス用内袋1の下側プラスチックフィルム2bの下面は回転する多数のロール上を移動する。ロールは下流方向に下方向に傾斜するように設け、内容物が充填されたバッグインボックス用内袋1が重力により移動するようにしても構わない。
無菌充填機6において搬送されるバッグインボックス用内袋1に対して各工程が行われる。各工程ではバッグインボックス用内袋1は停止し、搬送装置は間歇運転される。停止する注出口4及びキャップ5の位置は規制されなければならない。そのために、バッグインボックス用内袋1の搬送が停止されたとき、図7に示すように、注出口4を固定するための注出口固定板16がバッグインボックス用内袋1の進行方向に対して直交方向から注出口4を挟む。図7(7−1)は注出口固定板16の端部が注出口4の溝4cに挿入されることにより、注出口固定板16により注出口4が固定された状態を示す。注出口4及びキャップ5が固定された状態で各工程が行われる。図7(7−2)は工程を終了し、注出口固定板16が注出口4から離脱した状態を示し、この後、バッグインボックス用内袋1は搬送される。図7(7−3)は注出口固定板16が注出口4を固定し、脱離する状態を平面図として示す。バッグインボックス用内袋1は、進行方向に設けられる搬送ガイドとしても機能する遮蔽板19の端部が注出口4bの溝に挿入されることで、進行方向に対しては位置規制されながら搬送される。
バッグインボックス用内袋1の搬送方法として、バッグインボックス用内袋1の端部をチャックして搬送する方法を述べたが、他の方法として、注出口4を搬送用リテイナーにより挟んで搬送する方法を図8に示す。図8(8−2)に示すように4分割された搬送用リテイナー18により注出口4を挟んで搬送する。搬送用リテイナーは無端ベルトに設けられ、搬送用リテイナー18と搬送用リテイナー18の間は注出口4と注出口4の間を遮蔽するために複数枚の板が設けられる。図8(8−1)に示すように、搬送用リテイナー18の端部が注出口5の溝4cに挿入されことで注出口4を搬送用リテイナー18が固定する。搬送用リテイナー18はバッグインボックス用内袋1の進行方向に対して図8(8−2)に示すように回転する2列の無端ベルトに設けられる。チャンバー7は少なくとも注出口4及びキャップ5を遮蔽するが、注出口4を挟まない搬送用リテイナー18が運転される部分を含めて遮蔽することが好ましい。注出口4を挟まない搬送用リテイナー18がチャンバー7の外気に曝されるとき、搬送用リテイナー及び無端ベルトに菌等が付着し、搬送用リテイナー18から注出口4に菌等が転移するおそれがあるためである。
チャンバー7内には殺菌剤吹き付け装置23が設けられる。殺菌剤吹き付け装置23は少なくとも注出口4及びキャップ5の外面を殺菌するために1個必要であるが、複数設けても構わない。無菌エアが供給される遮蔽されたチャンバー7内で、搬送されるバッグインボックス用内袋1に取り付けられた注出口4及びキャップ5に殺菌剤吹き付け装置23から殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられる。
殺菌剤吹き付け装置23は、図3に示すようにバッグインボックス用内袋1に取り付けられた注出口4及びキャップ5を覆うように遮蔽する構造となっており、この遮蔽構造体の内部に殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けるノズルが設けられている。遮蔽構造体の断面はキャップ5の形状に合わせた円形が好ましい。遮蔽構造体は昇降するようになっており、殺菌剤吹き付け工程を行うためにバッグインボックス用内袋1の搬送が停止されるとき、下降して注出口4及びキャップ5を覆う。殺菌剤吹き付け装置23は遮蔽板19又は注出口固定板16まで下降する。下降した殺菌剤吹き付け装置23の内部に設けられる殺菌剤吹き付けノズルから、殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が少なくとも注出口4及びキャップ5に吹き付けられる。殺菌剤吹き付け装置23は、少なくとも遮蔽構造体及び殺菌剤吹き付けノズルを有する。殺菌剤吹き付け工程後、殺菌剤吹き付け装置23は上昇する。
バッグインボックス用内袋1に取り付けられた注出口4及びキャップ5に向かって吹き付けられる殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物は、少なくとも注出口4及びキャップ5の表面に付着する菌等を殺菌する。
殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物は、図4に示す殺菌剤ガス生成器26により生成される。殺菌剤ガス生成器26は、殺菌剤を滴状にして供給する二流体スプレーノズルである殺菌剤供給部27と、この殺菌剤供給部27から供給された殺菌剤を分解温度以下に加熱して気化させる気化部28とを備える。殺菌剤供給部27は、殺菌剤供給路27a及び圧縮空気供給路27bからそれぞれ殺菌剤と圧縮空気を取り込んで、殺菌剤を気化部28内に噴霧するようになっている。気化部28は内外壁間にヒータ28aを挟み込んだパイプであり、このパイプ内に吹き込まれた殺菌剤を加熱し気化させる。気化部28の下端から気化した殺菌剤のガスが気化部28外に噴出する。ヒータ28aに換えて誘電加熱により気化部28を加熱しても構わない。
殺菌剤供給部27の運転条件としては、例えば圧縮空気の圧力は0.05MPa〜0.6MPaの範囲で調整される。また、殺菌剤は重力落下であっても圧力を加えても構わないし、供給量は自由に設定することができる。例えば1g/min.〜100g/min.の範囲で供給する。また、気化部28の内表面は140℃から450℃に加熱されることで噴霧された殺菌剤が気化する。
殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物の吹き付け量は任意であるが、吹き付け量は、殺菌剤ガス生成器26に供給される殺菌剤の量と吹き付け時間により決まる。殺菌剤ガス生成器26は複数備えても構わない。殺菌剤を過酸化水素水とした場合、過酸化水素の濃度として1mg/L〜20mg/Lの範囲が適当である。1mg/L未満では殺菌が不十分となり、20mg/Lを超えるとバックインボックス用内袋1の過酸化水素残留量が多くなるおそれがある。
殺菌剤は、少なくとも過酸化水素を含んでいることが好ましい。その含有量は0.5質量%〜65質量%の範囲が適当である。0.5質量%未満では殺菌力が不足する場合があり、65質量%を超えると安全上、扱いが困難となる。また、さらに好適なのは0.5質量%〜40質量%であり、40質量%以下では扱いがより容易であり、低濃度となるために殺菌後の過酸化水素の残留量を低減できる。
また、殺菌剤は水を含んでなるが、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトンなどのケトン類、グリコールエーテル等の1種又は2種以上を含んでも構わない。
さらに、殺菌剤は過酢酸、酢酸等の有機酸、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カルウム等のアルカリ性化合物、硝酸、オゾン、酸性水等の殺菌効果を有する化合物、陽イオン界面活性剤、非イオン系界面活性剤、リン酸化合物等の添加剤を含んでも構わない。
殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物は比較的低い温度で菌等を殺菌できることから、低融点の樹脂であるポリエチレンからなる注出口4及びキャップ5の殺菌には有効である。すなわち、殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物による殺菌は、ポリエチレンのような樹脂成形品に適した殺菌手段であり、注出口4及びキャップ5を変形することない温度範囲でその表面を殺菌することができる。
なお、注出口4及びキャップ5への殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物の吹き付けの直前に、注出口4及びキャップ5に熱風を吹き付ける等して注出口4及びキャップ5を予備昇温してもよい。この予備昇温により注出口4及びキャップ5の殺菌効果をさらに高めることができる。
予備昇温工程は図3に示すように、予備昇温工程を行うためにバッグインボックス用内袋1の搬送が停止されるとバッグインボックス用内袋1に取り付けられた注出口4及びキャップ5を覆うように遮蔽する構造となっている遮蔽構造体が下降し、注出口4及びキャップ5を覆う。遮蔽構造体は遮蔽板19又は注出口固定板16まで下降する。下降した遮蔽構造体の内部に設けられる加熱エア吹き付けノズルから、無菌又は非無菌の加熱エアが少なくとも注出口4及びキャップ5に吹き付けられる。予備昇温工程を行うための予備昇温装置は少なくとも遮蔽構造体及び加熱エア吹き付けノズルを有する。予備昇温装置はチャンバー7の外部でも内部でもいずれに設けても構わない。予備昇温装置は殺菌剤吹き付け装置23の上流に設けられる。
殺菌剤吹き付け工程だけで注出口4及びキャップ5が殺菌されるのであれば予備昇温工程は必ずしも行わなくても構わない。
殺菌剤吹き付工程の後に、殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられた注出口4及びキャップ5に付着する殺菌剤を乾燥させる乾燥工程を行っても構わない。注出口4及びキャップ5の表面に残存する液状の殺菌剤を乾燥させて除去するためである。また、乾燥させるために注出口4及びキャップ5に無菌加熱エアを吹き付けることにより殺菌効果が向上することも期待される。乾燥工程を行うために殺菌剤吹き付け装置23の下流に乾燥装置24を設ける。
乾燥工程は図3に示すように、乾燥工程を行うためにバッグインボックス用内袋1の搬送が停止されるとバッグインボックス用内袋1に取り付けられた注出口4及びキャップ5を覆うように遮蔽する構造となっている遮蔽構造体である乾燥装置24が下降し、注出口4及びキャップ5を覆う。乾燥装置24は遮蔽板19又は注出口固定板16まで下降する。下降した乾燥装置24の内部に設けられる無菌加熱エア吹き付けノズルから、無菌の加熱エアが少なくとも注出口4及びキャップ5に吹き付けられる。乾燥工程を行うための乾燥装置24は少なくとも遮蔽構造体及びその内部に無菌加熱エア吹き付けノズルを有する。
乾燥工程の後、無菌加熱エアにより昇温した注出口4及びキャップ5を冷却するための冷却工程を行うことが好ましい。冷却工程は高温になり膨張した注出口4及びキャップ5を常温の形状に復帰させるためである。膨張した状態でバッグインボックス用内袋1に内容物を充填し、注出口4とキャップ5を嵌合させる場合、嵌合により密着が不十分で密封性が損なわれるおそれがあるからである。冷却工程は、無菌水、次亜塩素酸ナトリウム溶液又は無菌エアを注出口4とキャップ5に吹き付けることにより行うことが好ましい。このために、注出口4とキャップ5に無菌水、次亜塩素酸ナトリウム溶液又は無菌エアを吹き付けるノズル及びノズルに無菌水、次亜塩素酸ナトリウム溶液又は無菌エアを供給する冷却装置を設ける。無菌水、次亜塩素酸ナトリウム溶液又は無菌エアは常温ではなく冷却されることが好ましい。この場合、冷却装置には無菌水、次亜塩素酸ナトリウム溶液又は無菌エアを冷却する装置も設ける必要がある。冷却装置は例えば、図3(3−2)に示す冷却ノズル25であって、キャップ5の上方から無菌水、次亜塩素酸ナトリウム溶液又は無菌エアを注出口4とキャップ5に吹き付ける構造を有している。
殺菌剤が吹き付けられることにより、主に殺菌されるのは、注出口4及びキャップ5であり、バッグインボックス用内袋1の他の部分は積極的に殺菌されない。そこで、殺菌剤が吹き付けられる注出口4及びキャップ5が移動する部分以外は遮蔽板19により遮蔽し、バッグインボックス用内袋1に付着する菌等が注出口4及びキャップ5に転移しないようにしなければならない。
図6(6−1)に示すように遮蔽板19の端部が注出口4の溝4bに注出口4の搬送方向に対して両側面から挿入され、注出口4は遮蔽板19の端部をガイドレールとして搬送される。図6(6−4)に示すように、注出口4及びキャップ5が移動する部分以外は注出口4を挟むように設けられる遮蔽板19により注出口4とバッグインボックス用内袋1は遮蔽される。しかし、注出口4及びキャップ5が移動する部分は開放状態となる。そこで、図6(6−1)に示すように、遮蔽板19とバッグインボックス用内袋1の上側フィルム2a間に形成される空間を吸引排気し、バッグインボックス用内袋1に付着する菌等を排出することで、注出口4及びキャップ5が菌等により汚染されることを防止する。すなわち、遮蔽板19とバッグインボックス用内袋1の間に形成される空間を吸引排気する吸引排気装置が設けられる。
図6は無菌充填機のバッグインボックス用内袋1を搬送するときに形成される遮蔽板19とバッグインボックス用内袋1間の空間を吸引排気する吸引排気口を示す。図6(6−1)は吸引排気口14が注出口4の側面部に対向して 設けられている。図6(6−2)は吸引排気口14が注出口4に対して上部から下部に向かって、外方に離れるように 傾斜して設けられている。バッグインボックス用内袋1に対し45°以上で角度を付けることが有効であり、45°未満の角度で吸引排気口14を設けると、吸引排気の対象となるバッグインボックス用内袋1の領域が無駄に広くなるため、45°以上が適切である。バッグインボックス用内袋1に対し垂直、或いは適切な角度で設けられた吸引排気口14には、等間隔に吸引穴を設ける。吸引穴の形状は、円、長穴、楕円等、特に問わない。開穴位置も開穴を設けるボードの上中下に満遍なく開穴しても、下部のみ、上部のみ等、特に問わない。開穴部の大きさは円形の場合φ1〜4mm、長孔及び長方形形状の場合、縦、横共に2〜4mmの範囲が好ましい。開穴の数、吸引量は、チャンバーサイズにより陽圧エア量が異なるため、陽圧度を維持し、且、穴の吸引力が失われない範囲で適宜調整する。吸引排気口14の形状は図6(6−3)に示すように、いずれの形状でも構わない。吸引排気口14は図6(6−4)に示すように、チャンバー7の入口から出口まで連続して設ける。吸引排気口14にはブロワが接続され、遮蔽板19とバッグインボックス用内袋1の間に形成される空間を吸引排気する。吸引排気装置はブロワと吸引排気口14及びブロワと吸引排気口14を接続する部材を有する。
図8に示すように搬送用リテイナー18によりバッグインボックス用内袋1が搬送される場合、図8(8−2)に示すように注出口4とバッグインボックス用内袋1は搬送用リテイナー18と搬送用リテイナー18以外の板により遮蔽されるため、リテイナー18とバッグインボックス用内袋1の間に形成される空間を吸引排気しなくても構わない。しかし、搬送用リテイナー18の間が密閉されないおそれもあるため、吸引排気することが好ましい。
上述のように、遮蔽板19とバッグインボックス用内袋1の間に形成される空間を吸引排気する方法ではなく、注出口4及びキャップ5が移動する開放状態となる部分を積極的に殺菌する方法について説明する。
図5に示すように、注出口4及びキャップ5以外を遮蔽する遮蔽板19で覆われない部分に深紫外線を照射する。バッグインボックス用内袋深紫外線照射装置22により遮蔽板19で覆われない部分を覆い、遮蔽板19に遮蔽されないバッグインボックス用内袋1の表面にバッグインボックス用内袋深紫外線照射装置22の下部に設けた発光ダイオードから発光する深紫外線を照射して、バッグインボックス用内袋1の表面を殺菌する。
図5(5−1)はバッグインボックス用内袋深紫外線照射装置22が遮蔽板19に遮蔽されないバッグインボックス用内袋1を覆っていない状態で、バッグインボックス用内袋1が搬送されている状態を示す。図5(5−2)は、バッグインボックス用内袋1の搬送が停止され、遮蔽板19に遮蔽されないバッグインボックス用内袋1を覆って、バッグインボックス用内袋深紫外線照射装置22の下部に設けられた発光ダイオードから発光する深紫外線がバッグインボックス用内袋1に照射されている状態を示す。また、側面から見ると、図(5−3)のようにバッグインボックス用内袋深紫外線照射装置22は、バッグインボックス用内袋1の搬送方向に対して直交するように移動して、注出口4及びキャップ5を挟みこむ。
図5(5−3)に示すように、バッグインボックス用内袋深紫外線照射装置22が注出口4及びキャップ5を挟み込んだときに、殺菌剤吹き付け装置23を下降させ、注出口4及びキャップ5に殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けても構わない。
バッグインボックス用内袋深紫外線照射装置22は図5(5−2)に示すように少なくとも2個の注出口4及びキャップ5を挟むようにしなければならない。バッグインボックス用内袋1の全ての面に深紫外線を照射するためである。
バッグインボックス用内袋1の全ての面に深紫外線を照射する場合であっても、遮蔽板19とバッグインボックス用内袋1の間に形成される空間を吸引排気し続けても構わない。バッグインボックス用内袋1の面に深紫外線を照射することと遮蔽板19とバッグインボックス用内袋1の上側フィルム2a間に形成される空間の吸引排気を併用することで、遮蔽板19に覆われていないバッグインボックス用内袋1の殺菌がより効果的に行われる。
冷却工程後、バッグインボックス用内袋1のキャップ5を注出口4から脱離させ、注出口4から殺菌された内容物をバッグインボックス用内袋1に充填し、充填後にキャップ5を注出口に装着する充填工程が行われる。充填工程を行うために、チャンバー7内には充填装置13が設けられる。
キャップ5により密封されたバッグインボックス用内袋1は無菌製品となり、チャンバー7から排出された後、あらかじめ連続袋に設けられたミシン目部がカッターにより切断され、段ボール箱に梱包される。
本発明は以上説明したように構成されるが、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々変更可能である。
1…バッグインボックス用内袋
4…注出口
5…キャップ
6…無菌充填機
13…充填装置
14…吸引排気口
19…遮蔽板
23…殺菌剤吹き付け装置

Claims (14)

  1. 少なくとも二枚の柔軟性プラスチックフィルムの周縁をヒートシールしてなるバッグインボックス用内袋の上側プラスチックフィルムに注出口及び当該注出口を密封するキャップを取り付けてなるあらかじめ内部が放射線により殺菌された前記バッグインボックス用内袋の無菌充填機であって、
    前記バッグインボックス用内袋を搬送する搬送装置が設けられ、
    前記搬送装置により搬送される前記バッグインボックス用内袋の前記注出口及び前記キャップを遮蔽するチャンバーが設けられ、
    前記チャンバー内に前記注出口及び前記キャップに殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付ける殺菌剤吹き付け装置が設けられ、
    前記殺菌剤吹き付け装置の下流に前記キャップを前記注出口から脱離させ、前記注出口から内容物を充填し、当該内容物を充填後に前記キャップを前記注出口に装着する充填装置が設けられ、
    前記チャンバー内を陽圧に保持する無菌エア供給装置が設けられることを特徴とする無菌充填機。
  2. 請求項1に記載の無菌充填機において、
    前記バッグインボックス用内袋が搬送される方向に沿って、前記注出口を両方向から挟むように前記注出口と前記バッグインボックス用内袋を遮蔽する遮蔽板が設けられることを特徴とする無菌充填機。
  3. 請求項2に記載の無菌充填機において、
    前記遮蔽板の端部が前記注出口の側面に設けられる溝に、前記注出口の搬送方向に対して直交する両側面から挿入されることを特徴とする無菌充填機。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の無菌充填機において、
    前記遮蔽板と前記バッグインボックス用内袋の間に形成される空間を排気する排気装置が設けられることを特徴とする無菌充填機。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の無菌充填機において、
    前記殺菌剤吹き付け装置の上流に前記注出口及び前記キャップを昇温する予備昇温装置が設けられることを特徴とする無菌充填機。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の無菌充填機において、
    前記殺菌剤吹き付け装置の下流に、前記殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられた前記注出口及び前記キャップに付着する前記殺菌剤を乾燥させる乾燥装置が前記チャンバー内に設けられることを特徴とする無菌充填機。
  7. 請求項6に記載の無菌充填機において、
    前記乾燥装置の下流に、乾燥された前記注出口及び前記キャップを冷却する冷却装置が設けられることを特徴とする無菌充填機。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の無菌充填機において、
    前記殺菌剤吹き付け装置が、下降して前記注出口及び前記キャップを遮蔽する遮蔽構造体を備えることを特徴とする無菌充填機。
  9. 少なくとも二枚の柔軟性プラスチックフィルムの周縁をヒートシールしてなるバッグインボックス用内袋の上側プラスチックフィルムに注出口及び当該注出口を密封するキャップを取り付けてなるあらかじめ内部が放射線により殺菌された前記バッグインボックス用内袋の無菌充填方法であって、
    前記バッグインボックス用内袋を搬送する搬送工程、
    無菌エアが供給される遮蔽されたチャンバー内で、搬送される前記バッグインボックス用内袋に取り付けられた前記注出口及び前記キャップに殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付ける殺菌剤吹き付け工程、
    前記キャップを前記注出口から脱離させ、前記注出口から内容物を充填し、当該内容物を充填後に前記キャップを前記注出口に装着する充填工程を有することを特徴とする無菌充填方法。
  10. 請求項9に記載の無菌充填方法において、
    前記バッグインボックス用内袋が搬送される方向に沿って、前記注出口を両方向から挟むように前記注出口と前記バッグインボックス用内袋を遮蔽する遮蔽板を設け、当該遮蔽板と前記バッグインボックス用内袋の間に形成される空間を排気する排気工程を有することを特徴とする無菌充填方法。
  11. 請求項9又は請求項10に記載に記載の無菌充填方法において、
    前記殺菌剤吹き付工程前に、前記注出口及び前記キャップを昇温する予備昇温工程を有することを特徴とする無菌充填方法。
  12. 請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載の無菌充填方法において、
    前記殺菌剤吹き付工程の後に、前記殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられた前記注出口及び前記キャップに付着する前記殺菌剤を乾燥させる乾燥工程を有することを特徴とする無菌充填方法。
  13. 請求項12に記載に記載の無菌充填方法において、
    前記乾燥工程の後に、乾燥された前記注出口及び前記キャップを冷却する冷却工程を有することを特徴とする無菌充填方法。
  14. 請求項9乃至請求項13のいずれか1項に記載の無菌充填方法において、
    前記殺菌剤吹き付け工程は、前記注出口及び前記キャップを遮蔽する遮蔽構造体により遮蔽された状態で行われることを特徴とする無菌充填方法。
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