JP2020055532A - 蓋材の殺菌方法及び蓋材の殺菌装置 - Google Patents

蓋材の殺菌方法及び蓋材の殺菌装置 Download PDF

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憲二 遠藤
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佳泰 小谷
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良彦 田桑
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Abstract

【課題】あらかじめ成形された蓋材を無菌充填機に供給し、無菌充填機内で供給された蓋材を完全に殺菌し、スムーズに搬送する蓋材の殺菌方法及び殺菌装置を提供する。【解決手段】無菌充填機に供給されるあらかじめ成形された蓋材を蓋材保持具に載置し、蓋材保持具に載置された蓋材の全面に、過酸化水素のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付ける、又は電子線を照射することにより蓋材を殺菌する。【選択図】図3

Description

本発明は、無菌雰囲気で殺菌された容器に殺菌された内容物を充填し、内容物が充填された容器を殺菌された蓋材により密封する無菌充填機における蓋材の殺菌方法及び蓋材の殺菌装置に関する。
無菌雰囲気で殺菌された容器に殺菌された内容物を充填し、内容物が充填された容器を殺菌された蓋材により密封する無菌充填機では、蓋材の殺菌方法について様々な方法が提案されている。無菌充填機にシートを供給し、供給されたシートを殺菌し、殺菌されたシートを加熱し、加熱されたシートを容器形状に熱成形し、熱成形された容器に内容物を充填し、内容物が充填された容器を密封する場合、フィルム状の蓋材を無菌充填機内で殺菌し、殺菌されたフィルム状の蓋材を内容物が充填された容器にヒートシールし、容器と蓋材を同時に打ち抜いている。また、あらかじめ成形された容器の場合、成形された容器を無菌充填機に供給し、供給された容器を殺菌し、を、間隔を狭くして多列で搬送される内容物が充填された容器に、無菌充填機内で殺菌されたフィルム状の蓋材をヒートシールし、その後蓋材を打ち抜いている。
上述のように、フィルム状の蓋材を多数の容器に同時にヒートシールすることにより密封する場合は、密封後に非無菌雰囲気で蓋材を打ち抜くために、打ち抜き装置を無菌状態で維持する必要がない。フィルム状の蓋材を無菌充填機内で殺菌し、殺菌されたフィルム状の蓋材を無菌充填機内で所望の形状に打ち抜き、打ち抜いた蓋材を1枚ずつ容器にヒートシールする方法も提案されている(特許文献1)。この場合は蓋材の打ち抜き装置を無菌状態に維持しなければならない。
また、フィルム状の蓋材を殺菌し、殺菌されたフィルム状の蓋材を熱成形し、成形された蓋材を内容物が充填された容器にヒートシールすることにより容器を密封し、その後蓋材を打ち抜く方法も提案されている(特許文献2)。この場合、蓋材の成形装置の無菌性を維持しなければならない。また、容器がボトルのような場合は、打ち抜き後に廃棄する蓋材フィルムの面積が大きくなり経済的でない。
缶蓋のように、あらかじめ成形された蓋材で剛性を有する場合は、1枚ずつ垂直に立てながら搬送し、蓋材の両面に殺菌剤を吹き付けて殺菌する方法も提案されている(特許文献3)。しかし、蓋材の剛性が小さい場合や蓋材の端面が蓋材を垂直に立てることができない形状では採用できない。
ペットボトルのように、口部が射出成型により成形された容器は、口部の寸法安定性が良いためキャップにより密封され、内容物が充填された容器の無菌性を維持することができる。このようなキャップの殺菌は、チャンバー内で搬送されるキャップに殺菌液を噴射する装置が一般的である。例えば、キャップの開口部を横向きにして殺菌剤のミストを吹き付ける装置(特許文献4)、キャップの開口部を下向きにして殺菌液を噴射させる装置(特許文献5)がある。また、キャップの開口部を上向きにして、薬液をキャップの外周面及び天面に向かって噴射するとともに、内面に向かって薬液を噴射して薬液を口部内に溜めてキャップの内外面の殺菌を行う装置も提案されている(特許文献6)。また、殺菌剤を使用せず、電子線により殺菌する方法も提案されている(特許文献7)。
特開昭63−248608号公報 特開2005−289425号公報 特開平6−40436号公報 特開平6−293319号公報 特開平10−152115号公報 特開平11−139416号公報 特表2011−514292号公報
無菌充填機内で熱成形される容器、及び比較的密に搬送することができるカップ状の容器は、無菌充填機内で殺菌されるフィルム状の蓋材をヒートシールすることで密封することができる。また、あらかじめ成形された蓋材であっても、ペットボトルのキャップのように、搬送が容易な場合は殺菌も容易である。しかし、押出しブローボトルのように口部の寸法安定性が悪い場合、押出しブローボトルの口部とキャップの嵌合部に隙間を生じ、菌が侵入するおそれがあり、内容物の無菌性を維持するために押出しブローボトルの口部天面を蓋材により密封する必要がある。また、内容物が酸化し易い場合に、内容物保護のために押出しブローボトルのような容器の口部天面を蓋材により密封することもある。
押出しブローボトルのような容器の口部天面を蓋材により密封する場合、蓋材により密封後、容器の口部に設けられるスクリュー溝にキャップを巻き締める。キャップを巻き締める際に蓋材が剥離したり、破損したりしないように、蓋材は容器の口部の外側面を覆うように蓋材の端部が成形される。押出しブローボトル等の容器を用いた無菌充填機で、内容物を充填後、口部の外側面を覆うように成形された蓋材により口部を密封する場合、あらかじめ成形された蓋材、或は無菌充填機内で成形された蓋材を用いる要望がある。蓋材は容器の口部天面にヒートシール等の方法よる熱融着により接合されることで密封される。したがって、口部に融着される蓋材の面は、容器の天面と熱融着する材料から構成される。
成形された蓋材を容器に密封する前に、蓋材はLRV(Logarithmic Reduction Value)>6 の殺菌が行われる必要があり、その殺菌手段には次のような手段がある。あらかじめ成形された蓋材を無菌充填機に供給する前に放射線殺菌装置等で殺菌する方法、或は、あらかじめ成形された蓋材を無菌充填機に供給後、無菌充填機内で殺菌する方法がある。
あらかじめ成形された蓋材を無菌充填機に供給する前に殺菌する場合、多数の蓋材を梱包材により梱包された状態で、ガンマ線やEB、或はバッチ式の過酸化水素ガス滅菌装置で、各梱包形態に適した殺菌方法で梱包された蓋材は殺菌される。所定数の蓋材を通気性のある内装袋や滅菌バッグで密封し、密封された内装袋や滅菌バッグをダンボール箱に梱包して滅菌処理が行われる。殺菌された蓋材は梱包状態で流通される。梱包された蓋材を無菌充填機に供給する場合、蓋材を密封している内装袋の外面は流通中や開梱直後に細菌等の微生物により汚染されている可能性がある。このため、開梱後、内装袋に密封された状態で無菌充填機に供給される。無菌充填機には、蓋材を内装袋から開梱するための前室チャンバーが設けられている。前室チャンバーに搬送される内装袋は、外面を過酸化水素等の殺菌剤ガス等により殺菌される。その後、無菌充填機のチャンバーに搬送され、オペレーターがチャンバーの外部のグローブポートを介して、内装袋を開封し、蓋材をパーツフィーダーへ供給する。この場合、外部委託業者での滅菌費や輸送費によるコスト的デメリットの上に内装袋を殺菌するための前室チャンバーの追加による設備的コストアップ、及び無菌充填機における内装袋の殺菌時間の追加等の時間的デメリットが発生する。
一方、無菌充填機内で蓋材を殺菌する場合、無菌充填機の非無菌雰囲気に設置されたパーツフィーダーに成形された蓋材を供給し、整列機を経て蓋材は殺菌部に搬送される。現在、蓋材の殺菌には過酸化水素のガスを用いて殺菌することが一般的である。この場合、重なり合った蓋材は缶蓋のように剛性がなく、1枚ずつ分離することが困難であり、分離するためにパーツフィーダーや整列機を追加しなければならず、コストアップとなる。また、搬送が容易なキャップのように、搬送ガイド上での殺菌においては、搬送中の蓋材に過酸化水素を短時間で満遍なく付着させることは容易ではない。この場合、必然的に過酸化水素の使用量が多くなる。また、軽量の蓋材を搬送しながら停止させることなく、安定的に熱風を吹き付けて乾燥させることも非常に困難である。成形された蓋材は、重力や無菌エアを吹き付けることにより蓋材が推進力を受けて搬送される場合が殆どであるため、過酸化水素が蓋材に付着することで、滑り性が悪くなり、蓋材の搬送が不安定となり、搬送ライン上で蓋材の詰りが発生するおそれがある。
蓋材を無菌充填機内で打抜きプレス成形や熱成形する場合、成形する蓋材を成形の前にフィルム状で殺菌する場合と、あらかじめ成形された後の蓋材を殺菌する場合がある。
フィルム状の蓋材を成形前に殺菌する場合は、過酸化水素溶液での浸漬殺菌や過酸化水素ガス、或はミストを原反の表裏に噴き付け、熱風で乾燥して殺菌する方法や電子線を照射して殺菌する方法がある。この場合、滅菌されたフィルム状の蓋材を無菌充填機内に設置された各種成形機に供給する。使用するフィルム状の蓋材の殺菌は容易にできるが、殺菌されたフィルム状の蓋材を用いて無菌充填機内で蓋材に成形するには、成形装置を無菌仕様にする必要がある。この場合、無菌充填機のコストアップとなる。また、成形された蓋材を打抜く際に塵埃が発生し、それらが蓋に付着し、製品に異物混入するおそれや、無菌立ち上げ時に成形装置や打ち抜き装置の細部まで殺菌する必要があり、微細な隙間や摺動部を殺菌しやすい構造にする必要がある。さらに、打ち抜き用の抜き刃の殺菌剤に対する耐薬品性も必要になる。
あらかじめ成形された蓋材を無菌充填機に供給し、無菌充填機内で蓋材を殺菌する場合、蓋材を搬送ガイドにより搬送しながら過酸化水素ガスを用いて殺菌する方法が採用されている。しかし、過酸化水素水が蓋や搬送ガイドに付着することにより、蓋材と搬送ガイドとの滑り性が悪くなり、蓋材の詰まりが発生するおそれがある。また、過酸化水素水を除去する乾燥部においても、乾燥エアにより搬送が乱れ、蓋材が詰まるおそれがある。さらに、無菌充填機が停止した場合、殺菌部で詰まった蓋材を排出する排出機構が搬送ガイド内に必要となり、搬送ガイドの構成が複雑になる。以上のことから、あらかじめ成形された蓋材の全面を満遍なく殺菌することが困難である上、搬送ガイド上での詰まり等のトラブルが発生するおそれがあり、あらかじめ成形された蓋材を無菌充填機内で殺菌処理し、搬送することは容易でない。そこで、あらかじめ成形された蓋材を無菌充填機に供給し、供給された蓋材を無菌充填機内で完全に殺菌し、スムーズに搬送する蓋材の殺菌方法及び殺菌装置がもとめられている。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、簡便な装置で短時間にあらかじめ成形された蓋材を十分に殺菌し、スムーズに搬送するという要請に応え、無菌充填機に供給されるあらかじめ成形された蓋材を蓋材保持具に載置し、載置された蓋材を殺菌する蓋材の殺菌方法及び殺菌装置を提供することを目的とする。
本発明に係る蓋材の殺菌方法は、殺菌された容器に殺菌された内容物を無菌雰囲気で充填し、内容物が充填された容器の口部天面に殺菌された蓋材が熱融着されることにより前記容器が密封される無菌充填機において、少なくとも前記容器の口部外側面を覆うように成形された前記蓋材を、前記容器の口部天面に熱融着される前記蓋材の熱融着される面を下面として略水平に保持しながら水平に移動する蓋材保持具に載置し、当該蓋材保持具に載置されて搬送される前記蓋材の全面を殺菌することを特徴とする。
また、本発明に係る蓋材の殺菌方法は、前記蓋材保持具が前記蓋材の熱融着される面の一部を接触して保持すると好適である。
また、本発明に係る蓋材の殺菌方法は、前記蓋材保持具が複数のピンから形成され、当該ピンの先端が前記蓋材の熱融着される面の一部に接触して保持すると好適である。
また、本発明に係る蓋材の殺菌方法は、前記蓋材保持具が複数の鋸歯状の先端を有し、当該鋸歯状の先端が前記蓋材の熱融着される面の一部に接触して保持すると好適である。
また、本発明に係る蓋材の殺菌方法は、前記蓋材保持具が複数の円弧状の先端を有し、当該円弧状の先端が前記蓋材の熱融着される面の一部に接触して保持すると好適である。
また、本発明に係る蓋材の殺菌方法は、前記蓋材保持具に載置されて搬送される前記蓋材は、前記蓋材の上部から過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けられ、さらに下部より過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けられることにより殺菌されると好適である。
また、本発明に係る蓋材の殺菌方法は、前記蓋材が下部より過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けられるとき、前記蓋材の上面にガイドレールを設けることにより前記蓋材が前記蓋材保持具から脱離しないようにすると好適である。
また、本発明に係る蓋材の殺菌方法は、前記蓋材に過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けた後、前記蓋材に加熱された無菌エアを吹き付けると好適である。
また、本発明に係る蓋材の殺菌方法は、前記蓋材保持具に載置されて搬送される前記蓋材は、前記蓋材の上部及び下部から電子線が照射されると好適である。
また、本発明に係る蓋材の殺菌方法は、前記蓋材が下部から前記電子線が照射されるとき、前記蓋材と前記蓋材保持具の接触する部分を離反させることにより、前記蓋材と前記蓋材保持具が接触する部分に前記電子線が照射されると好適である。
また、本発明に係る蓋材の殺菌方法は、前記蓋材は自重落下シュートにより落下しながら前記蓋材保持具に載置されると好適である。
また、本発明に係る蓋材の殺菌方法は、殺菌された前記蓋材は無菌エアの吹き付け又はプッシャーにより押されることで前記蓋材保持具から脱離し、自重落下シュートに移載され、自重落下シュートにより落下しながら前記容器の口部天面に被せられると好適である。
本発明に係る蓋材の殺菌装置は、殺菌された容器に殺菌された内容物を無菌雰囲気で充填し、内容物が充填された容器の口部天面に殺菌された蓋材が熱融着されることにより前記容器が密封される無菌充填機において、少なくとも前記容器の口部外側面を覆うように成形された前記蓋材を、前記容器の口部天面に熱融着される前記蓋材の熱融着される面を下面として略水平に保持しながら水平に移動する蓋材保持具を備え、当該蓋材保持具に載置されて搬送される前記蓋材の全面を殺菌する蓋材殺菌装置を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る蓋材の殺菌装置は、前記蓋材保持具が前記蓋材の熱融着される面の一部を接触して保持する接触部を有すると好適である。
また、本発明に係る蓋材の殺菌装置は、前記接触部がピンの先端であって、前記蓋材保持具が複数の前記ピンを有すると好適である。
また、本発明に係る蓋材の殺菌装置は、前記接触部が鋸歯状の先端であって、前記蓋材保持具が複数の鋸歯状の先端を有すると好適である。
また、本発明に係る蓋材の殺菌装置は、前記接触部が円弧状の先端であって、前記蓋材保持具が複数の円弧状の先端を有すると好適である。
また、本発明に係る蓋材の殺菌装置は、前記蓋材殺菌装置が、前記蓋材保持具に載置されて搬送される前記蓋材の上部及び下部から過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付ける殺菌剤ガス吹き付けノズルを備えると好適である。
また、本発明に係る蓋材の殺菌装置は、前記蓋材殺菌装置が、前記蓋材が下部より過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けられるとき、前記蓋材が前記蓋材保持具から脱離しないように前記蓋材の上面にガイドレールを備えると好適である。
また、本発明に係る蓋材の殺菌装置は、前記蓋材殺菌装置が、前記蓋材に過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けた後、前記蓋材に加熱された無菌エアを吹き付ける無菌エア吹き付けノズルを備えると好適である。
また、本発明に係る蓋材の殺菌装置は、前記蓋材殺菌装置が、前記蓋材保持具に載置されて搬送される前記蓋材の上部及び下部から電子線を照射する電子線照射装置を備えると好適である。
また、本発明に係る蓋材の殺菌装置は、前記蓋材が下部から前記電子線が照射されるとき、前記蓋材と前記蓋材保持具が接触する部分に前記電子線が照射されるように、前記蓋材と前記蓋材保持具の接触する部分を離反させる離反治具が設けられると好適である。
また、本発明に係る蓋材の殺菌装置は、前記蓋材が落下しながら前記蓋材保持具に載置される自重落下シュートを備えると好適である。
また、本発明に係る蓋材の殺菌装置は、殺菌された前記蓋材を前記蓋材保持具から脱離させる無菌エア噴射装置又はプッシャーを備え、脱離した前記蓋材を前記容器の口部天面に被せる自重落下シュートを備えると好適である。
本発明によれば、あらかじめ成形された蓋材を無菌充填機に供給する場合、及び成形装置を無菌充填機に結合してインラインで成形された蓋材を無菌充填機に供給する場合において、容器の天面に熱融着される面を略水平に保持しながら水平に移動する蓋材保持具に蓋材を載置して、蓋材保持具に載置されて搬送される蓋材の上部及び下部から過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付ける、又は電子線を照射することで、蓋材の全面をLRV( Logarithmic Reduction Value)>6以上に殺菌することが可能である。蓋材保持具は簡便な装置であり、成形された蓋材により容器を密封する無菌充填機の初期設備投資を抑えることができる。さらに、蓋材は1枚ずつ分離して確実に搬送されながら殺菌されることにより、蓋材が詰まって無菌充填機が停止することを防止することができる。
本発明の実施の形態に係る無菌充填機の工程を示す。 本発明の実施の形態に係る蓋材の例(A)及び(B)を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る蓋材の殺菌工程を示す側面図である。 本発明の実施の形態1に係る蓋材の殺菌工程の他の例を示す側面図である。 本発明の実施の形態1に係る蓋材の殺菌工程における蓋材の下部より過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付ける状態を示し、(C)は側面図、(D)は平面図を示す。 本発明の実施の形態に係る蓋材保持具を示す断面図であり、(E)は複数のピンを有する蓋材保持具を、(F)は複数の鋸歯状の先端を有する蓋材保持具を、(G)は複数の円弧状の先端を有する蓋材保持具を示す。 本発明の実施の形態2に係る蓋材の殺菌工程を示す側面図である。 本発明の実施の形態2に係る蓋材の殺菌工程の他の例を示す側面図である。 本発明の実施の形態2に係る電子線照射窓のシャッターを示す断面図であり、(H)はシャッターが格納されている状態を示し、(I)はシャッターが電子線照射装置の照射窓を遮蔽している状態を示す。 本発明の実施の形態2に係る蓋材が下部から電子線が照射されるとき、蓋材と蓋材保持具の接触する部分を離反させる工程を示し、(J)は離反させるための離反治具が通過するための切り込みを入れた蓋材保持具の側面図を、(K)は蓋材の先端が離反治具により浮き上がった状態を、(L)は蓋材の後端が離反治具により浮き上がった状態を示す。
以下に本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
(無菌充填機の工程)
図1に本願発明の蓋材の殺菌装置を搭載し、本願発明の蓋材の殺菌方法を実施する無菌充填機の工程を示す。無菌充填機には成形されて蓋材となる蓋材フィルムと内容物が充填される容器が供給される。供給された蓋材フィルムは蓋材成形部で蓋材に成形される。成形は冷間成形又は加熱された後に熱成形される。冷間成形は、比較的厚いアルミニウムのような金属箔を含む蓋材フィルムについて、加圧された2枚の型に挟むことにより行われる。熱成形は、蓋材フィルムを加熱後、真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の方法により行われる。成形された蓋材フィルムは、蓋材として使用される部分が抜き刃により打ち抜かれる。打ち抜かれた残差の蓋材フィルムは巻き取られる。
打ち抜かれた蓋材は、エアにより自重落下シュートに搬送され、自重落下シュートから1枚ずつ蓋材保持具に受け取られ、蓋材保持具に載置されて搬送される。蓋材は搬送されながら全面が殺菌される。殺菌された蓋材は無菌エア等により自重落下シュートに搬送される。自重落下シュートから蓋材は1枚ずつ容器に受け取られ、容器の口部に被せられる。
一方容器は、無菌充填機に供給され、除電され、容器の外内面に清浄エアが吹き付けられて容器表面に付着している塵埃や異物が除去され、除去される塵埃や異物は集塵される。この集塵工程を経て容器の内外面は殺菌される。殺菌は、過酸化水素を含む殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられ後に、加熱無菌エアが吹き付けられることで行われる。また、過酢酸を含む殺菌剤の吹き付け、紫外線、電子線又はプラズマ等の照射により行っても構わない。
供給される容器は押し出しブロー成形法により成形される容器である。押出しブロー成形は、押出し機により熱可塑性樹脂を溶融混練し、チューブ状に押出し、溶融状態のチューブを金型で挟み、チューブの内部にエアを吹き込むことにより成形する。射出成形後にストレッチブローするPETボトルや射出成形直後にブローするインジェクションブロー成形により成形される容器よりも、押し出しブロー成形法により成形される容器の口部の寸法安定性は悪いため、口部とキャップの嵌合部に隙間を生じ、菌が侵入するおそれがあり、内容物の無菌性を維持するために口部天面を蓋材により密封する必要がある。押出し機により熱可塑性樹脂を溶融混練し、チューブ状に押出して容器に成形するのではなく、あらかじめ製造されたシートを加熱しながらシートの端部を融着させて円筒状とし、円筒を軟化するまで加熱し、金型で挟み、エアを吹き込むことにより成形される容器でも構わない。
殺菌された容器は内面に無菌窒素がブローされる。これは内容物が容器内に残存する酸素により酸化して劣化することを防止するためである。無菌窒素がブローされ、容器内の酸素が除去された後に殺菌された内容物が充填される。
内容部が充填された容器のヘッドスペースの酸素を除去するために、ヘッドスペースに無菌窒素をブローすることで、ヘッドスペースを窒素置換する。ヘッドスペースが窒素置換された容器の口部に蓋材が被せられる。
蓋材が被せられた容器は、ヒートシール、超音波シール又は高周波シールにより、容器の天面と殺菌された蓋材の内面が熱融着されることにより密封される。密封された容器の口部にキャップが巻き締められキャッピングされる。キャップに密封性はないが、蓋材が剥がされ、開封された後に再封止することができる。キャッピングされた容器は所定量の内容物が充填されているか計量され、計量に合格した容器はケーサーによりダンボール等の包装資材により包装される。
図1に示す無菌充填機の工程において、蓋材殺菌及び容器殺菌から密封までの工程は無菌雰囲気で行われる。そのため、蓋材殺菌及び容器殺菌から密封までの工程が行われる部位はチャンバーで覆われ、無菌充填機の稼働前にCOP(Cleaning Out of Place)及びSOP(Sterilizing Out of Place)が行われ、その後無菌エアが供給されることで無菌雰囲気が維持される。
無菌充填機における本願発明に係る工程は、蓋材が自重落下シュートから1枚ずつ蓋材保持具に受け取られ、載置される工程、蓋材保持具に載置された蓋材が搬送されながら殺菌される工程、殺菌された蓋材が無菌エアにより自重落下シュートに搬送される工程、自重落下シュートから蓋材は1枚ずつ容器に受け取られ、容器の口部に被せられる工程である。
(本発明の実施の形態1)
蓋材の殺菌を、過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を蓋材の全面に吹き付けることにより行う場合を実施の形態1として、図2、図3、図4及び図5により以下に説明する。
図2に示すように、蓋材1は容器2の口部天面2aに熱融着により接着されることにより内容物が充填された容器2を密封する。蓋材1は図2(A)に示すように、端部が容器2の口部外表面を覆うように成形されている。蓋材1を容器2の口部天面2aに被せるときに蓋材1の位置が決まるようにするためである。蓋材1の端部が成形されていない場合、容器2に蓋材1を被せることができず、蓋材1と容器2を熱融着により密封するまでの搬送過程において、蓋材1が容器2の口部天面2aを覆うように置かれたとしても移動するおそれがあり、蓋材1により容器2が密封されないことがある。
図2(A)は蓋材1の天面が平坦な例を示している。蓋材1は図2(B)のように天面が容器2の内側に凹状に成形されても構わない。蓋材1を容器2の口部天面2aに被せるときに、容器2の口部天面2aと蓋材1の端部の溝状の成形部と嵌合することで蓋材1の位置が固定され、熱融着し易い。また、熱融着をヒートシールにより行う場合に、図2(A)の形状ではヒートシールを行う加熱体が蓋材1の熱融着しない面を加熱することになり、加熱される蓋材が収縮や変形するおそれがある。さらに図2(B)のような形状とすることで、内容物が充填される容器2のヘッドスペースを減らすことができる。
蓋材1は熱融着された容器2の口部天面2aから剥離する際に、蓋材1の熱融着されていない部分を摘まんで引き剥がされる。そのため、蓋材1にはプルタブが設けられる。プルタブは容器2のネジ山に触れない程度の大きさが望ましい。
蓋材1に成形される蓋材フィルムは、アルミニウムのような金属箔を含む構成が望ましい。比較的厚いアルミニウム箔を積層したフィルムは冷間成形により成形することができる。アルミニウム箔は加熱せずに成形しても弾性が小さいために戻ることなく成形された形状を保つことができる。ただし、成形時の型締めは高い圧力がもとめられる。蓋材フィルムの構成例としては、PET12μm/Al40μm/PE50μm、印刷/Al20μm/PE25μm等が挙げられる。ここで、PETとは二軸延伸ポリエレンテレフタレートフィルムで、Alとはアルミニウム箔で、PEとはポリエチレンフィルムである。PET、Al及びPEはドライラミネート法により積層される。
アルミニウム箔を使用しないで、熱成形しやすいPP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、PC(ポリカーボネート)のような熱可塑性樹脂を用いる蓋材フィルムでも構わない。例えば、OPP30μm/印刷/PS140μm/熱融着層、PP90μm/EVOH20μm/PP90μm/熱融着層、PC30μm/PP40μm/熱融着層等が挙げられる。積層はドライラミネート法、押出しラミネート法等により行われる。アルミニウム箔を含まない熱可塑性樹脂から構成される蓋材フィルムは熱成形により成形される。バリア性が要求される場合は、EVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)のような酸素バリア性の高い熱可塑性樹脂を層として設ける。
容器2の口部天面2aと融着される蓋材1の箇所は、蓋材1のプルタブのような熱融着されていない部分を摘まんで引き剥がされるとき、容易に剥離しなければならない。そのため、蓋材1の容器2側の面は、容器2の口部天面2aの材料と熱融着し、冷却後には手で剥離する力で容易に剥離する材料で構成されなければならない。例えば、容器2の天面がPE又はPPの場合、蓋材1のアルミニウム箔面に酸成分を含むアクリル樹脂をコーティングすること、PEの場合、PEにポリブテンをブレンドした層を設ける、PPの場合、PPと高密度ポリエチレンをブレンドした層を設ける等の材料構成とする。
図3に示すように、成形された蓋材1は自重落下シュート3に供給され、自重により落下しながら、蓋材保持具4に載置される。蓋材保持具4は無端チェーン又は無端ベルトに固定され、載置される蓋材1の殺菌が完了するまで容器2の口部天面2aに熱融着される面を略水平に保持しながら水平に移動する。蓋材保持具4の進行方向の上端部は、自重落下シュート3から落下する蓋材1の容器2の口部外表面を覆うように成形された蓋材1の端部を引っ張りながら蓋材1を自重落下シュート3から落下させ、蓋材保持具4に載置させる。よって、蓋材保持具4が蓋材1の熱融着される面の一部と接触して蓋材1を保持する箇所は、蓋材1の容器2の口部外表面を覆うように成形された蓋材1の端部よりも蓋材1の中心側である。
蓋材保持具4が蓋材1の熱融着される面の一部と接触して蓋材1を保持する箇所は、蓋材1を略水平に保持しながら水平に移動させることができるのであればどのような箇所でも構わない。蓋材保持具4の形状としては、例えば図6に示すような形状が挙げられる。図6(E)はピン型タイプを示している。ピンの数は、蓋材を水平に保持できる3本以上でればどのような本数でも構わない。蓋材1の容器2の口部外表面を覆うように成形された蓋材1の端部よりも蓋材1の中心側をピンの先端が、蓋材1の熱融着される面の一部と接触して蓋材1を略水平に保持する。ピンの先端は球形が好ましいが、面であっても構わない。
図6(F)は円筒型鋸歯タイプを示し、蓋材保持具4が複数の鋸歯状の先端を有し、鋸歯状の先端が蓋材1の熱融着される面の一部と接触して蓋材1を略水平に保持する。鋸歯は円筒の先端に設けられ、円筒は蓋材1の容器2の口部外表面を覆うように成形された蓋材1の端部よりも蓋材1の中心側に位置するような大きさである。円筒部分の側面はパンチング等により孔があけられても構わない。後述する殺菌工程においては殺菌剤が鋸歯の外側にも流入するため孔があけられることが望ましい。また、鋸歯が先端に設けられるならば、先端以下は先端を保持することができれば骨格のみでも構わない。鋸歯の先端は蓋材1を傷つけないように円弧状とすることが好ましいが、角状であって、鋭角でも鈍角でも構わない。
図6(G)は円筒型円弧タイプを示し、蓋材保持具4が複数の円弧状の先端を有し、円弧状の先端が蓋材1の熱融着される面の一部と接触して蓋材1を略水平に保持する。円弧は円筒の先端に設けられ、円筒は蓋材1の容器2の口部外表面を覆うように成形された蓋材1の端部よりも蓋材1の中心側に位置するような大きさである。円筒部分の側面はパンチング等により孔があけられても構わない。後述する殺菌工程においては殺菌剤が鋸歯の外側にも流入するため孔があけられることが望ましい。また、円弧が先端に設けられるならば、先端以下は先端を保持することができれば骨格のみでも構わない。
図3に示すように、蓋材保持具4に載置され、水平に搬送される蓋材1は、蓋材1の上部から過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けられ、さらに下部より過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けられることにより殺菌される。過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物の吹き付けは、図3に示すように同時に行っても、図5に示すように上部から吹き付けた後に下部から吹き付けても構わない。蓋材1が容器2を密封する場合、蓋材1の下部が容器2内容物側となるため、蓋材1の下部をより完全に殺菌する必要があり、上部を殺菌した後に下部を殺菌することが好ましい。すなわち、蓋材1の上部から過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付け、その後下部より過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けることが好ましい。
蓋材1に吹き付けられる過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物は、蓋材1の容器2の口部外表面を覆うように成形された蓋材1の端部にも流れ、成形された蓋材1の端部も殺菌される。蓋材保持具4は蓋材1の熱融着される面の一部に接触しているが、接触面積が小さく、接触している蓋材1と蓋材保持具4との間にも過酸化水素のガスが入り込み、接触部分も殺菌することができる。
殺菌剤ガス吹き付けノズル5は、その先端のノズル孔が走行する蓋材1の上面又は下面に正対し得るように固定される。ノズル孔はスリット状でも円筒状でも構わない。殺菌剤ガス吹き付けノズル5は一本であっても複数本であっても構わない。
殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物は、殺菌剤ガス生成器によりガス化される過酸化水素水若しくはガス化された殺菌剤が凝結したミスト又はこれらの混合物である。殺菌剤ガス生成器は、過酸化水素水を滴状にして供給する二流体スプレーノズルである殺菌剤供給部と、この殺菌剤供給部から供給された過酸化水素水を分解温度以下に加熱して気化させる気化部とを備える。殺菌剤供給部は、殺菌剤供給路及び圧縮空気供給路からそれぞれ殺菌剤と圧縮空気を導入して殺菌剤を気化部内に噴霧するようになっている。気化部は、内外壁間にヒータを挟み込んだパイプであり、このパイプ内に吹き込まれた殺菌剤を加熱し気化させる。気化した殺菌剤のガスは殺菌剤ガス吹き付けノズル5から気化部外に噴出する。ヒータに換えて誘電加熱により気化部を加熱しても構わない。気化部で気化した過酸化水素水に加熱エアを混合して殺菌剤吹き付けノズル5から噴出させても構わない。
殺菌剤供給部の運転条件としては、例えば圧縮空気の圧力は0.05MPa〜0.6MPaの範囲で調整される。また、殺菌剤は重力落下であっても圧力を加えられても構わないし、供給量は自由に設定することができ、例えば殺菌剤は殺菌剤供給路に、1g/min.〜100g/min.の範囲で供給される。また、気化部の内表面は140℃から450℃に加熱されることで噴霧された殺菌剤が気化する。
殺菌剤のガスは、図3に示すように殺菌剤ガス吹き付けノズル5から蓋材1に吹き付けられる。過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物の吹き付け量は任意であるが、吹き付け量は、殺菌剤ガス生成器に供給される殺菌剤の量と吹き付け時間により決まる。殺菌剤ガス生成器は複数備えても構わない。吹き付け量は蓋材1の大きさによっても変動する。蓋材1に吹き付けられる過酸化水素水のガスの過酸化水素濃度は、2mg/L〜20mg/Lが好ましく、より好ましくは5mg/L〜10mg/Lである。
過酸化水素水の過酸化水素含有量は0.5質量%〜65質量%の範囲が適当である。0.5質量%未満では殺菌力が不足する場合があり、65質量%を超えると安全上、扱いが困難となる。また、さらに好適なのは0.5質量%〜40質量%であり、40質量%以下では扱いがより容易である。
また、過酸化水素水はメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトンなどのケトン類、グリコールエーテル類等の1種又は2種以上を含んでも構わない。
さらに、過酸化水素水は過酢酸、酢酸等の有機酸、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素化合物、オゾン等の殺菌効果を有する化合物、陽イオン界面活性剤、非イオン系界面活性剤、リン酸化合物等の添加剤を含んでも構わない。
蓋材1に上部から過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられる場合には、蓋材1は蓋材保持具4から移動することはないが、下部から吹き付けられる場合には、過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられる勢いにより、蓋材1が蓋材保持具4から脱離するおそれがある。そこで、図5示すように、蓋材1に下部より過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付ける場合には、蓋材1の上面にガイドレール7を設け、蓋材1が蓋材保持具4から浮き上がることにより脱離しないようにする。ガイドレール7は、蓋材1の上方、1mm〜5mmの範囲内にガイドレール7の最下部が位置するように設けられる。ガイドレール7はステンレスやテフロン(登録商標)のような過酸化水素に耐性を有する材料により構成される。また、ガイドレール7の形状は円筒状でも多角形状であっても構わない。
図5(C)は蓋材1が下部より過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられる場合に、蓋材1の上方にガイドレール7が設けられる側面図を示している。ガイドレール7は蓋材1の下部より過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合が吹き付けられる箇所に設けられる。また、図5(D)は平面図を示しており、スリット状の殺菌剤吹き付けノズル5が下部に設けられている箇所にガイドレール7が蓋材1の搬送方向に並列に2本設けられている。ガイドレール7は1本でも構わないが、蓋材1の浮き上がりを防止するためには2本以上が効果的であり好ましい。
過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が吹き付けられた蓋材1は無菌エア吹き付けノズル6により、上部及び下部から無菌エアが吹き付けられる。蓋材1の表面に付着する過酸化水素水を除去するためである。無菌エアは常温でも構わないが、40℃以上とすることが好ましい。加熱されることで、蓋材1の表面で過酸化水素水が除去される除去速度が速まり、また、加熱されることで、蓋材1の表面に残存する過酸化水素が活性化され、さらなる殺菌効果も期待される。無菌エアはブロワ又は圧縮エアによる空気を無菌フィルタに通すことで得られ、さらにヒータを設けることで無菌エアを加熱することができる。
図3に示すように、無菌エア吹き付けノズル6を蓋材1の上部及び下部の同位置に設け、同時に蓋材1に無菌エアを吹き付けても構わない。また、上部及び下部の別な位置に無菌エア吹き付けノズル6を設け、蓋材1に無菌エアを順に吹き付けても構わない。下部のみから無菌エアを吹き付ける場合、蓋材1が蓋材保持具4から脱離しないように、蓋材1に下部から過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付ける場合と同様に、蓋材1の上方にガイドレールを設ける。無菌エアの吹き付けは、蓋材1の表面から過酸化水素水を除去する効果を高めるために、蓋材1の上部及び下部から同時に行われることが好ましい。
無菌エアが吹き付けられた蓋材1は、図3に示すように、水平方向から垂直方向に搬送され、垂直となった蓋材1の下面への無菌エア噴射装置8による無菌エアの噴射、又は下面をプッシャー9により押すことで、蓋材1は蓋材保持具4から脱離され、自重落下シュート10に移載され、自重落下シュート10を落下しながら、殺菌された内容物が充填された容器2の口部天面2aに被せられる。蓋材1が脱離した蓋材保持具4は、逆転され、逆さまの状態で水平に無端チェーン又は無端ベルトにより搬送され、その後垂直方向に立ち上がり、蓋材1が載置される水平方向とされる。
容器2の口部天面2aは、自重落下シュート10から落下する蓋材1の容器2の口部外表面を覆うように成形された蓋材1の端部を引っ張りながら蓋材1を自重落下シュート10から落下させ、殺菌された内容物が充填されてヘッドスペースが窒素置換された容器2の口部天面2aに蓋材1が被せられる。
図4は蓋材1を蓋材保持具4から脱離させる別な方法を示している。図3は殺菌された蓋材1を水平から垂直方向に搬送しながら脱離する方法示したが、図4は蓋材1を水平に搬送しながら、蓋材1の下部から無菌エアを蓋材1の下面に噴射させ、浮き上がった蓋材1の側面に無菌エアを噴射させて水平方向に蓋材1を移動させて自重落下シュート10に蓋材1を移載させるものである。図3、図4いずれの方法により殺菌された蓋材を自重落下シュート10に移載しても構わない。
蓋材1が被せられた容器2は、ヒートシール、超音波シール又は高周波シール等により、容器2の口部天面2aと殺菌された蓋材1の内面が熱融着されることにより密封される。密封された容器2は無菌雰囲気に搬送され、口部にキャップが巻き締められキャッピングされる。
図3に示す装置を作製し、以下のような評価を実施した。PET12μm/Al40μm/PE50μmという層構成の蓋材フィルムを冷間成形して蓋材1を作成した。蓋材1は円形で天面は平坦で、天面の径は40mmφ、端部が容器2の口部外表面を覆うように成形されているが、側面の高さは5mmで、折り曲げ角度は92°〜95°とした。
蓋材保持具4は図6(E)に示す、ピンの先端が蓋材1の熱融着される面を接触して保持するタイプであって、ピンは8本とした。ピンは38mmφの円周内に位置して蓋材1を水平に保持する。ピンは2mmφの円柱であって、先端は球形とした。また、ピンの長さは15mmとした。ピンの下部は円筒形状として両側面を無端ベルトに接合して搬送される。搬送速度は15m/min.とした。
殺菌剤ガス吹き付けノズル5及び無菌エア吹き付けノズル6は、株式会社関西電熱製のスリットノズルである「ハイブローノズル」(スリット長150mm、スリット幅1mm)を用いた。殺菌剤ガス吹き付けノズル5及び無菌エア吹き付けノズル6と蓋材までの距離は30mmとした。蓋材1の下部に設ける殺菌剤ガス吹き付けノズル5及び無菌エア吹き付けノズル6は、蓋材1の天面の下面までの距離が30mmである。
気化管が300℃に加熱された殺菌剤ガス生成器に35質量%の過酸化水素を含む過酸化水素水7g/min.を0.4MPaの圧力の空気と共に供給し、得られた過酸化水素水のガスを蓋材1の上部及び下部から蓋材1にそれぞれ1本の殺菌剤ガス吹き付けノズル5から吹き付けた。その後、蓋材1の上部に設けられた3本の無菌エア吹き付けノズル6から、1m3/min.の140℃に加熱された無菌エアを蓋材1に吹き付けた。
あらかじめ、蓋材1の蓋材保持具4と接する1箇所に、指標菌としてBacillus atrophaeus (ATCC9372)を2.2×103、104、105cfu/spotになるように芽胞懸濁液を1μlずつ付着させた。菌液を乾燥後に上述の殺菌をn=5で行った。蓋材1の内面側に培養液を充填し、35℃7日間培養後、培養液の陽性本数を確認し、最確数(MPN:Most Probable Number)法から生残菌数を推定し、殺菌効果LRVを算出した。効果は当初の菌液の生菌数の対数値から、培養後の生菌数の対数値を引いた数値とした。殺菌効果は、LRV>6であった。
(本発明の実施の形態2)
本発明の実施の形態1は、蓋材1に過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けることにより蓋材1を殺菌する形態であるが、実施の形態2は、蓋材1に電子線を照射して蓋材1を殺菌する形態である。図7に示すように、少なくとも容器2の口部外側面を覆うように成形された蓋材1を、容器2の口部天面2aに熱融着される蓋材1の熱融着される面を略水平に保持しながら水平に移動する蓋材保持具4に載置されて搬送される蓋材1の全面に電子線を照射して、蓋材1を殺菌する。
蓋材1及び蓋材保持具4は実施の形態1と同様であり、実施の形態1と同様に蓋材1は蓋材保持具4に載置される。載置された蓋材1は略水平に搬送されながら、図7に示すように、傾斜された搬送路を備え、電子線が外部に漏れないように遮蔽する遮蔽装置12の中に搬送される。遮蔽装置12の傾斜部を通過後、蓋材保持具4は略水平に戻され、蓋材1が略水平となった状態で、蓋材1の上部及び下部に設けられた電子線照射装置11から電子線が照射される。電子線が照射された蓋材1は、さらに下方向に傾斜する傾斜部を経て、水平とされる。遮蔽装置12に傾斜部を設けるのは、電子線照射装置11から照射される電子線が外部に漏れないようにするためである。遮蔽装置12に傾斜部を設けないと、開口部が大きいため、電子線及び電子線が金属面に衝突して発生するX線が外部に漏れるおそれがある。直進する電子線及びX線が金属に当たって角度を変えても遮蔽装置12に傾斜部を設けることで、開口部から電子線及びX線が外部に漏れる可能性を抑えることができる。遮蔽装置12は密度の高い金属とすることで、透過して電子線が外部に漏れることを防ぐ。
電子線照射装置11は、加速電圧が80kev〜200kevという比較的低い加速電圧の装置を使用する。蓋材1の表面を殺菌することが目的であり、低い加速電圧の電子線照射装置で十分であり、安全性も高い。電子線の照射線量は10kGy〜25kGyが適当である。10kGy未満では殺菌が不十分であり、25kGyを超える線量は蓋材1の表面を殺菌するには無駄である。
蓋材保持具4の形状は実施の形態1と同様である。蓋材保持具4は蓋材1の熱融着される面の一部を接触して保持する。蓋材保持具4と蓋材1が接触している部分には電子線が照射されず、蓋材保持具4と接触している蓋材1の部分が殺菌されないおそれがある。そのため、蓋材1が下部から電子線を照射されるとき、蓋材1と蓋材保持具4の接触する部分を離反させることにより、蓋材1と蓋材保持具4が接触する部分に電子線が照射されるようにする。図10(J)は離反させるための離反治具13が通過するための切り込みを入れた蓋材保持具4の側面図であり、図10(K)は蓋材1の先端が離反治具13により浮き上がった状態を、図10(L)は蓋材1の後端が離反治具13により浮き上がった状態を示す。
図10(J)に示すように、蓋材1を保持する蓋材保持具4には、固定されている離反治具13を通過できるように切り込み14が設けられる。図10(J)の上図は蓋材保持具4が円筒形状の場合を示し、下図は蓋材保持具4の蓋材との接触部は鋸歯状の場合を示す。いずれも、無端チェーンにより略水平に搬送される蓋材保持具4が、搬送路上に固定されて設けられる離反治具13を通過できるように、蓋材保持具4の側面に切り込み14が設けられる。図10(K)に示すように、離反治具13は、蓋材保持具4に設けられる切り込み14を通過できる厚さで、搬送される蓋材保持具4に保持される蓋材1の容器2の口部外表面を覆うように成形されている側面の進行方向先端部を乗り上げさせることにより蓋材1を浮き上がらせる形状となっている。例えば図10の(K)及び(L)に示すように、離反治具13は、大きさの異なる二つの円弧により形成される形状であり、蓋材1が滑り易く、傷つきにくいように、高密度ポリエチレン又はテフロン(登録商標)等の樹脂又はステンレスのような金属により製作される。また、保形性のあるφ0.5mm〜φ1.0mm の金属線により製作されても構わない。
図10(K)に示すように、離反治具13の大きな円弧部分により蓋材1の端部側面は進行に伴って徐々に持ち上げられ、円弧の交点を最大高さとして蓋材1は浮き上がる。蓋材1と蓋材保持具4と接触する部分は離反し、電子線照射装置11から照射される電子線が接触する部分にも照射される。離反治具13を通過した蓋材1は、蓋材保持具4と接触して保持される。その後、蓋材1の容器2の口部外表面を覆うように成形されている側面の進行方向後端部が、離反治具13の大きな円の部分に乗り上げることにより、再度蓋材1が浮き上がる。蓋材1と蓋材保持具4と接触する部分は離反し、電子線照射装置11から照射される電子線が接触する部分にも照射される。このように、蓋材1は2回浮き上がり、蓋材1と蓋材保持具4と接触する部分に電子線が照射されることで、蓋材1の下面も完全に殺菌される。
図1に示す無菌充填機の工程において、蓋材殺菌及び容器殺菌から密封までの工程は無菌雰囲気で行われる。そのため、蓋材殺菌及び容器殺菌から密封までの工程が行われる部位はチャンバーで覆われ、無菌充填機の稼働前にCOP(Cleaning Out of Place)及びSOP(Sterilizing Out of Place)が行われ、その後無菌エアが供給されることで無菌雰囲気が維持される。電子線が照射される遮蔽装置12の内部もCOP及びSOPが行われるが、遮蔽装置12内は殺菌剤を使用することもないため、通常COPの必要はない。しかし、SOPは行われなければならない。SOPは遮蔽装置12の内部に実施の形態1で蓋材1の殺菌に使用する過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き込み、さらに無菌エアで乾燥することにより行われる。電子線照射装置11の電子線が照射される照射窓は、電子線が透過し易い素材であるチタンの箔が使用される。しかし、チタンの箔は過酸化水素により劣化するため、SOPを繰り返すとチタンの箔が損傷されるおそれがある。そのため、図9に示すようにSOPをする際は電子線照射装置11を後退させ、遮蔽装置12の空間と電子線照射装置11をシャッター15により遮蔽する。
図9(H)は蓋材保持具4に保持されて搬送される蓋材1の上部及び下部から電子線照射装置11により電子線が照射されている状態を示す。このとき、シャッター15は電子線照射装置11を塞ぐことなく電子線照射装置11の近傍に格納されている。無菌充填機での生産が終了し、再度無菌充填機を稼働させるとき、遮蔽装置12内はSOPされる。このとき、図9(I)に示すように、格納されていたシャッター15が移動して電子線照射装置11を遮蔽し、電子線照射装置11のチタン箔からなる照射窓に過酸化水素が接触することを防止する。SOPされた遮蔽装置12内は無菌窒素が供給され、無菌雰囲気が維持される。無菌エアでは含まれる酸素が電子線によりオゾンとなり、機器を損傷するおそれがあり、外部にオゾンを含む気体が漏れると労働衛生上問題があるため、無菌窒素を遮蔽装置12内に供給する。
電子線が照射されて殺菌された蓋材1は、実施の形態1と同様に図7に示すように、水平方向から垂直方向に搬送され、無菌エア噴射装置8による蓋材1の下面への無菌エアの噴射、又は下面をプッシャー9により押すことで、蓋材1は蓋材保持具4から脱離され、自重落下シュート10に移載され、自重落下シュート10を落下しながら、殺菌された内容物が充填された容器2の口部天面2aに被せられる。蓋材1が脱離した蓋材保持具4は、反転して逆さまの状態で水平に無端チェーン又は無端ベルトにより搬送され、その後垂直方向に立ち上がり、蓋材1が載置される水平方向とされる。
容器2の口部天面2aは、自重落下シュート10から落下する蓋材1の容器2の口部外表面を覆うように成形された蓋材1の端部を引っ張りながら蓋材1を自重落下シュート10から落下させ、殺菌された内容物が充填されてヘッドスペースが窒素置換された容器2の口部天面2aに蓋材1が被せられる。
図8は蓋材1を蓋材保持具4から脱離させる別な方法を示している。図7は殺菌された蓋材1を水平から垂直方向に搬送しながら脱離する方法示したが、図8は蓋材1を水平に搬送しながら、蓋材1の下部から無菌エアを蓋材1の下面に噴射させ、浮き上がった蓋材1の側面に無菌エアを噴射させて水平方向に蓋材1を移動させて自重落下シュート10に蓋材1を移載させるものである。図7、図8いずれの方法により殺菌された蓋材を自重落下シュート10に移載しても構わない。
蓋材1が被せられた容器2は、ヒートシール、超音波シール又は高周波シール等により、容器2の口部天面2aと殺菌された蓋材1の内面が熱融着されることにより密封される。密封された容器2は無菌雰囲気に搬送され、口部にキャップが巻き締められキャッピングされる。
図7に示す装置を作製し、以下のような評価を実施した。PET12μm/Al40μm/PE50μmという層構成の蓋材フィルムを実施例1と同様に成形し蓋材1を作成した。蓋材1は円形で天面は平坦で、天面の径は40mmφ、端部が容器2の口部外表面を覆うように成形されているが、側面の高さは5mmで折り曲げ角度は92°〜95°とした。
蓋材保持具4は図6(E)に示す、ピンの先端が蓋材1の熱融着される面を接触して保持するタイプであって、ピンは8本とした。ピンは38mmφの円周内に位置して蓋材1を水平に保持する。ピンは2mmφの円柱であって、先端は球形とした。また、ピンの長さは15mmとした。ピンの下部は円筒形状として両側面を無端ベルトに接合して搬送される。搬送速度は15m/min.とした。
ピンの下部には蓋材1を蓋材保持具4から浮かせるための図10に示すような10mmφと7mmφの大きさの異なる二つの円弧により形成される形状の離反治具13が通るように、ピンの先端から3mm下の位置まで、幅2mmの切り込み14を設けた。また、切り込み14は蓋材保持具4の中心点から12.5mmの位置に2本設けた。離反治具13は厚さ1mmのテフロン(登録商標)板製とした。
90kevの加速電圧を有する電子線照射装置11により、蓋材1の上部及び下部から蓋材1の全面に10kGrの電子線を照射した。電子線の照射窓から蓋材1の天面及び下面までの距離は20mmであった。
あらかじめ、蓋材1の蓋材保持具4と接する1箇所に、指標菌としてBacillus pumils(ATCC27142)を2.2×103、104、105cfu/spotになるように芽胞懸濁液を1μlずつ付着させた。菌液を乾燥後に上述の殺菌をn=5で行った。蓋材1の内面側に培養液を充填し、37℃7日間培養後、培養液の陽性本数を確認し、最確数法から生残菌数を推定した。効果は当初の菌液の生菌数の対数値から、培養後の生菌数の対数値を引いた数値とした。殺菌効果は、LRV>6であった。
本発明は以上説明したように構成されるが、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨内において種々変更可能である。
1…蓋材
2…容器
4…蓋材保持具
5…殺菌剤吹き付けノズル
6…無菌エア吹き付けノズル
7…ガイドレール
11…電子線照射装置
13…離反治具

Claims (24)

  1. 殺菌された容器に殺菌された内容物を無菌雰囲気で充填し、内容物が充填された容器の口部天面に殺菌された蓋材が熱融着されることにより前記容器が密封される無菌充填機において、
    少なくとも前記容器の口部外側面を覆うように成形された前記蓋材を、前記容器の口部天面に熱融着される前記蓋材の熱融着される面を下面として略水平に保持しながら水平に移動する蓋材保持具に載置し、当該蓋材保持具に載置されて搬送される前記蓋材の全面を殺菌することを特徴とする蓋材の殺菌方法。
  2. 請求項1に記載された蓋材の殺菌方法において、
    前記蓋材保持具が前記蓋材の熱融着される面の一部を接触して保持することを特徴とする蓋材の殺菌方法。
  3. 請求項2に記載された蓋材の殺菌方法において、
    前記蓋材保持具が複数のピンから形成され、当該ピンの先端が前記蓋材の熱融着される面の一部に接触して保持することを特徴とする蓋材の殺菌方法。
  4. 請求項2に記載された蓋材の殺菌方法において、
    前記蓋材保持具が複数の鋸歯状の先端を有し、当該鋸歯状の先端が前記蓋材の熱融着される面の一部に接触して保持することを特徴とする蓋材の殺菌方法。
  5. 請求項2に記載された蓋材の殺菌方法において、
    前記蓋材保持具が複数の円弧状の先端を有し、当該円弧状の先端が前記蓋材の熱融着される面の一部に接触して保持することを特徴とする蓋材の殺菌方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載された蓋材の殺菌方法において、
    前記蓋材保持具に載置されて搬送される前記蓋材は、前記蓋材の上部から過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けられ、さらに下部より過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けられることにより殺菌されることを特徴とする蓋材の殺菌方法。
  7. 請求項6に記載の蓋材の殺菌方法において、
    前記蓋材が下部より過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けられるとき、前記蓋材の上面にガイドレールを設けることにより前記蓋材が前記蓋材保持具から脱離しないようにすることを特徴とする蓋材の殺菌方法。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の蓋材の殺菌方法において、
    前記蓋材に過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けた後、前記蓋材に加熱された無菌エアを吹き付けることを特徴とする蓋材の殺菌方法。
  9. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載された蓋材の殺菌方法において、
    前記蓋材保持具に載置されて搬送される前記蓋材は、前記蓋材の上部及び下部から電子線を照射されることにより殺菌されることを特徴とする蓋材の殺菌方法。
  10. 請求項9に記載された蓋材の殺菌方法において、
    前記蓋材が下部から前記電子線が照射されるとき、前記蓋材と前記蓋材保持具の接触する部分を離反させることにより、前記蓋材と前記蓋材保持具が接触する部分に前記電子線が照射されることを特徴とする蓋材の殺菌方法。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載された蓋材の殺菌方法において、
    前記蓋材は自重落下シュートにより落下しながら前記蓋材保持具に載置されることを特徴とする蓋材の殺菌方法。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載された蓋材の殺菌方法において、
    殺菌された前記蓋材は無菌エアの吹き付け又はプッシャーにより押されることで前記蓋材保持具から脱離し、自重落下シュートに移載され、自重落下シュートにより落下しながら前記容器の口部天面に被せられることを特徴とする蓋材の殺菌方法。
  13. 殺菌された容器に殺菌された内容物を無菌雰囲気で充填し、内容物が充填された容器の口部天面に殺菌された蓋材が熱融着されることにより前記容器が密封される無菌充填機において、
    少なくとも前記容器の口部外側面を覆うように成形された前記蓋材を、前記容器の口部天面に熱融着される前記蓋材の熱融着される面を下面として略水平に保持しながら水平に移動する蓋材保持具を備え、当該蓋材保持具に載置されて搬送される前記蓋材の全面を殺菌する蓋材殺菌装置を備えることを特徴とする蓋材の殺菌装置。
  14. 請求項13に記載された蓋材の殺菌装置において、
    前記蓋材保持具が前記蓋材の熱融着される面の一部を接触して保持する接触部を有することを特徴とする蓋材の殺菌装置。
  15. 請求項14に記載された蓋材の殺菌装置において、
    前記接触部がピンの先端であって、前記蓋材保持具が複数の前記ピンを有することを特徴とする蓋材の殺菌装置。
  16. 請求項14に記載された蓋材の殺菌装置において、
    前記接触部が鋸歯状の先端であって、前記蓋材保持具が複数の鋸歯状の先端を有することを特徴とする蓋材の殺菌装置。
  17. 請求項14に記載された蓋材の殺菌装置において、
    前記接触部が円弧状の先端であって、前記蓋材保持具が複数の円弧状の先端を有することを特徴とする蓋材の殺菌装置。
  18. 請求項13乃至請求項17のいずれか1項に記載された蓋材の殺菌装置において、
    前記蓋材殺菌装置が、前記蓋材保持具に載置されて搬送される前記蓋材の上部及び下部から過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付ける殺菌剤吹き付けノズルを備えることを特徴とする蓋材の殺菌装置。
  19. 請求項18に記載の蓋材の殺菌装置において、
    前記蓋材殺菌装置が、前記蓋材が下部より過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けられるとき、前記蓋材が前記蓋材保持具から脱離しないように前記蓋材の上面にガイドレールを備えることを特徴とする蓋材の殺菌装置。
  20. 請求項18又は請求項19に記載の蓋材の殺菌装置において、
    前記蓋材殺菌装置が、前記蓋材に過酸化水素水のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を吹き付けた後、前記蓋材に加熱された無菌エアを吹き付ける無菌エア吹き付けノズルを備えることを特徴とする蓋材の殺菌装置。
  21. 請求項13乃至請求項17のいずれか1項に記載された蓋材の殺菌装置において、
    前記蓋材殺菌装置が、前記蓋材保持具に載置されて搬送される前記蓋材の上部及び下部から電子線を照射する電子線照射装置を備えることを特徴とする蓋材の殺菌装置。
  22. 請求項21に記載された蓋材の殺菌装置において、
    前記蓋材が下部から前記電子線が照射されるとき、前記蓋材と前記蓋材保持具が接触する部分に前記電子線が照射されるように、前記蓋材と前記蓋材保持具の接触する部分を離反させる離反治具が設けられることを特徴とする蓋材の殺菌装置。
  23. 請求項13乃至請求項22のいずれか1項に記載された蓋材の殺菌装置において、
    前記蓋材が落下しながら前記蓋材保持具に載置される自重落下シュートを備えることを特徴とする蓋材の殺菌装置。
  24. 請求項13乃至請求項23のいずれか1項に記載された蓋材の殺菌装置において、
    殺菌された前記蓋材を前記蓋材保持具から脱離させる無菌エア噴射装置又はプッシャーを備え、脱離した前記蓋材を前記容器の口部天面に被せる自重落下シュートを備えることを特徴とする蓋材の殺菌装置。
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