JP6119806B2 - 無菌袋詰め方法及び装置 - Google Patents
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Description
本発明は、無菌袋詰め方法及び装置に関する。
袋は、リクローズ性、携帯性、使用後の減容化等に優れていることから、液状飲料、ゼリー状飲料、流動食品等の無菌包装に適する。
従来、飲料等の無菌袋詰め製品の製造は、例えば特許文献1に記載されるような手順で行われている。
まず、袋が合成樹脂等で出来たシートをヒートシール等することによって作られる。この袋の一部は、中身である内容物の充填口とするために未シール部とされる。製袋された袋は、多数のものが集積されて外装体内に詰め込まれ、密封される。そして、外装体の全体にガンマ線が照射され、袋の内外面を含む外装体内の全体が殺菌処理される。
その後、外装体に包装された袋は、外装体ごと無菌充填機の前室である殺菌室内に取り込まれ、殺菌室にて外装体の外面が殺菌される。外装体は、殺菌室内で殺菌された後、殺菌室に隣接する充填室内に移送され、開封され、外装体から袋が取り出され、袋が一枚ずつターレットの旋回アームにセットされる。この外装体の開封から旋回アームへの袋のセットは、チャンバーに取り付けられた手袋を介するオペレーターの操作によって行われる。
旋回アームはチャンバー内で自動的に旋回運動が可能であり、その旋回円の回りには、袋の未シール部を開く開口手段、開口手段により開けられた開口から飲料等の内容物を袋内に充填する充填手段、充填手段による内容物の充填後に袋の未シール部をシールする密封手段等が配置される。
旋回アームにセットされた袋は、旋回アームと共に旋回しつつ、内容物を充填され、密封されて無菌袋詰め製品とされた後、チャンバー外に取り出される。
また、特許文献2に記載されるような手順で製造される場合もある。
これは連続充填包装方法であり、帯状フィルムを送りながら口栓を帯状フィルムに融着させ、帯状フィルムを殺菌液に浸漬させ、帯状フィルムに温風を吹き付けて帯状フィルム及び口栓に付着した殺菌液を乾燥させ、しかる後に製袋しつつ内容物を袋内に充填するとともに袋を密封しようというものである。
前者の無菌袋詰め方法は、袋をγ線で殺菌することから、袋から異臭が発生しやすいという問題がある。γ線以外に酸化エチレンガス(EOG)を用いて袋を殺菌することも考えられるが、その場合は酸化エチレンガス成分が袋内に残留しやすく、また、殺菌処理に長時間を要するという問題がある。また、オペレーターがチャンバー内で手袋を介した手作業によって外装体を開封し、袋を一枚ずつ外装体から取り出して旋回アームにセットしなければならないので、無菌袋詰め製品の製造効率が悪いという問題がある。
後者の無菌袋詰め方法は、フィルムに口栓を付着させた状態で殺菌するので、殺菌が不完全になったり、殺菌液が残留したりするおそれがあるという問題がある。また、走行するフィルムに口栓を仮止めした後に製袋することから、袋における口栓の位置や袋の形態に制限があるという問題がある。
従って、本発明は上記問題点を解決することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
なお、本発明の理解を容易にするため参照符号をカッコ書きで付するが、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、請求項1に係る発明は、多数の注出口部材(2)を入れた通気性のある注出口部材収納容器(4)を、殺菌チャンバー(5)内に入れ、殺菌チャンバー(5)に対する真空化と、過酸化水素のガスの導入と、無菌エアの導入とを順に行うことによって注出口部材(2)を注出口部材収納容器(4)と共に殺菌処理する注出口部材殺菌工程と、殺菌処理後の注出口部材(2)を注出口部材収納容器(4)ごと、上記殺菌チャンバー(5)に接続する無菌包装チャンバー(6)内に導入し、注出口部材収納容器(4)から注出口部材(2)を送り出す注出口部材供給工程と、袋用連続シート(7)を走行させつつ過酸化水素水で殺菌した後、上記無菌包装チャンバー(6)内に導入し、製袋しつつ上記殺菌処理後の注出口部材(2)を袋(1)ごとに固定する製袋工程と、製袋された袋(1)に内容物を充填する充填工程と、内容物が充填された袋(1)を密封する密封工程とを包含してなる無菌袋詰め方法を採用する。
請求項2に記載されるように、請求項1に記載の無菌袋詰め方法において、充填工程では、注出口部材(2)から袋(1)内に内容物を充填し、密封工程では、注出口部材(2)の開口を塞ぐことも可能である。
請求項3に記載されるように、請求項2に記載の無菌袋詰め方法において、密封工程では、注出口部材(2)の開口をあらかじめ殺菌処理された易開封シート(2d)で塞ぐか又はあらかじめ殺菌処理されたキャップ(2e)で塞ぐことも可能である。
請求項4に記載されるように、請求項1に記載の無菌袋詰め方法において、充填工程では、袋(1)の未シール部(1e)から内容物を充填し、密封工程では、未シール部(1e)をシールすることも可能である。
また、請求項5に係る発明は、多数の注出口部材(2)が収納される通気性のある注出口部材収納容器(4)と、室内に上記注出口部材収納容器(4)が収納された後、室内に対する真空化と、過酸化水素のガスの導入と、無菌エアの導入とが順に行われることによって注出口部材(2)を上記注出口部材収納容器(4)ごと殺菌処理する殺菌チャンバー(5)と、上記殺菌チャンバー(5)内から殺菌処理された後の注出口部材収納容器(4)が搬入される、上記殺菌チャンバーに接続する無菌包装チャンバー(6)と、上記無菌包装チャンバー(6)内で上記注出口部材収納容器(4)から注出口部材(2)を送り出す注出口部材供給手段と、袋用連続シート(7)を走行させつつ過酸化水素水で殺菌した後、上記無菌包装チャンバー(6)内に導入し、製袋しつつ上記殺菌処理後の注出口部材(2)を袋(1)ごとに固定する製袋手段と、製袋手段により製袋された袋(1)を上記無菌包装チャンバー(6)内で搬送する搬送手段と、搬送手段により搬送される袋(1)に内容物を充填する充填手段と、内容物が充填された袋(1)を密封する密封手段とを具備する無菌袋詰め装置を採用する。
請求項6に記載されるように、請求項5に記載の無菌袋詰め装置において、充填手段は、注出口部材(2)から袋(1)内に内容物を充填可能であり、密封手段は、注出口部材(2)をシール可能であるか又はキャッピング可能であるものとすることも可能である。
請求項7に記載されるように、請求項5に記載の無菌袋詰め装置において、充填手段は、袋(1)の未シール部(1e)を拡開したうえで未シール部(1e)から袋(1)内に内容物を充填可能であり、密封手段は、未シール部(1e)をシール可能であるものとすることも可能である。
本発明によれば、袋(1)を過酸化水素で殺菌することから、従来のγ線により袋(1)を殺菌する場合と異なり、袋(1)から異臭が発生するような不都合がない。また、従来の酸化エチレンガスを用いて袋(1)を殺菌する場合と異なり、(1)内に酸化エチレンガス成分が残留したり、殺菌処理に長時間を要したりするという不都合がない。さらに、注出口部材(2)と袋用連続シート(7)を別々に殺菌し、無菌包装チャンバー(6)内で合体させて製袋するので、袋全体としての殺菌性を高めることができ、袋(1)における過酸化水素の残留を防止することができる。
以下に本発明の実施の形態について説明する。
<実施の形態1>
最初に、この無菌袋詰め方法及び装置によって作られる未封状態の袋と、密封状態の袋とについて説明する。
最初に、この無菌袋詰め方法及び装置によって作られる未封状態の袋と、密封状態の袋とについて説明する。
図1(A)に示すように、未封状態の袋1は、前後二枚のシート3,3が重ね合わせられ、それらの上下辺と左右辺の三辺が上横ヒートシール部1a、下横ヒートシール部1d、左縦ヒートシール部1b及び右縦ヒートシール部1cによって閉じられることによって形成される。
袋1を構成するシート3,3は、樹脂の単層からなるもの、異種類の樹脂層が積層されたもの、アルミニウムフォイル等の金属層が樹脂層とともに積層されたもの等が適宜使用される。
なお、袋1は、必ずしも二枚のシート3,3で出来たものでなくてもよい。一枚のシートを二つ折りしたものであってもよい。
注出口部材2は、ポリプロピレン等の樹脂の射出成形等により筒状に形成される。注出口部材2が袋1の上横ヒートシール部1aに挟み込まれることによって、注出口部材2が袋1の上辺に固定される。注出口部材2を通して、袋1の内外が導通可能となり、内容物を袋1内に充填可能となり、袋1内の内容物を袋1外に注出可能となる。
注出口部材2の外側には、上横ヒートシール部1aに対応する箇所においてヒートシール用フランジ2bが形成され、このヒートシール用フランジ2bがヒートシールによってシート3,3に密着する。注出口部材2におけるヒートシール用フランジ2bよりも上側には支持用フランジ2cが形成される。後述するように、袋1を各種処理に付する際に、この支持用フランジ2cを介して袋1が各種機器に保持される。
この実施の形態1の場合、注出口部材2の袋外側における開口は、内容物の充填前は未だ易開封シート2dで密封されていない。また、キャップ2eも注出口部材2に螺合していない。これにより、袋1は未封状態にある。
この図1(A)に示した袋1は、図2及び図3に示す無菌袋詰め装置内で作られ、直ちに図1(B)に示すような無菌袋詰め製品とされる。
無菌袋詰め装置では、次に示す工程(I)〜(V)を経て図1(B)に示すような無菌の袋詰め製品が作られる。
(I)多数の注出口部材2を入れた通気性のある注出口部材収納容器4を、殺菌チャンバー5内に入れ、殺菌チャンバー5に対する真空化と、過酸化水素のガスの導入と、無菌エアの導入とを順に行うことによって注出口部材2を注出口部材収納容器5と共に殺菌処理する注出口部材殺菌工程。
(II)殺菌処理後の注出口部材2を注出口部材収納容器4ごと無菌包装チャンバー6内に導入し、注出口部材収納容器4から注出口部材2を送り出す注出口部材供給工程。
(III)袋用連続シート7を走行させつつ過酸化水素水で殺菌した後、上記無菌包装チャンバー6内に導入し、製袋しつつ上記殺菌処理後の注出口部材2を袋1ごとに固定する製袋工程。
(IV)製袋された袋1に内容物を充填する充填工程。
(V)内容物が充填された袋1を密封する密封工程。
上記工程Iで使用するために用意される図2及び図3に示した注出口部材収納容器4は、多数の注出口部材2を収納可能な入れ物である。この場合の注出口部材2は、袋1に取り付けられる以前の状態にあり、易開封シート2d及びキャップ2eが未着状態にある。注出口部材収納容器4は、過酸化水素のガスが外側から侵入しやすいように、カゴ等のごとき通気性のある入れ物として構成される。入れ物の形態としては、箱状のものであっても皿状のものであってもよい。
図2及び図3に示すように、殺菌チャンバー5は、工程IIで使用される無菌包装チャンバー6の一端に接続される。殺菌チャンバー5の相対向する一対の壁には開閉可能なシャッター5a,5bが設けられ、そのうち片方のシャッター5bは無菌包装チャンバー6との境に設けられる。
上記注出口部材収納容器4は、一方のシャッター5aが開けられることにより殺菌チャンバー5内へと搬入コンベア8によって搬入され、両シャッター5a,5bが閉じられることにより殺菌チャンバー5内に閉じ込められる。そして、注出口部材収納容器4及び注出口部材収納容器4内に装填された注出口部材2の殺菌が行われる。ただし、この実施の形態1では、注出口部材2に易開封シール2d及びキャップ2eが未だ取り付けられていない。
殺菌チャンバー5内での注出口部材2等の殺菌は、より詳しくは、次のようにして行われる。
(a)まず、殺菌チャンバー5内が図示しない真空ポンプによって真空域まで減圧されたうえで、過酸化水素のガスが殺菌チャンバー5内に導入される。これにより、過酸化水素のガスが殺菌チャンバー5内で拡散する。
(b)殺菌チャンバー5内に無菌化した大気を導入して、殺菌チャンバー5内で上記過酸化水素のガスを液体に凝結させる。これにより、過酸化水素のガスが注出口部材収納容器4や、注出口部材収納容器4内に装填された注出口部材2の全表面へと行き渡ったうえで液化する。
(c)殺菌チャンバー5内が上記真空ポンプによって真空域まで減圧されることにより、殺菌チャンバー5内から排気される。これにより、注出口部材収納容器4や、注出口部材収納容器4内に装填された注出口部材2の隅々に行き渡って液化した上記過酸化水素が再びガス化する。この再度のガス化過程で注出口部材収納容器4や、注出口部材収納容器4内に装填された注出口部材2の表面が殺菌処理される。
(d)上記(a)〜(c)の工程が必要に応じて複数回繰り返される。複数回繰り返されることにより、殺菌効果が高められる。
(e)上記(d)の工程が終了した後、必要に応じて殺菌チャンバー5内が換気され、殺菌チャンバー5内から残留過酸化水素が除去される。
なお、殺菌チャンバー5としては市販品を利用することができるので、その詳細な説明は省略する。
図2及び図3に示すように、上記殺菌チャンバー5には、上記工程IIで使用される無菌包装チャンバー6が隣設される。
殺菌チャンバー5内での殺菌処理が完了すると、無菌包装チャンバー6側のシャッター5bが開いて、注出口部材収納容器4が注出口部材2を収納した状態のままで無菌包装チャンバー6内に導入される。この導入作業は、殺菌チャンバー5内に設置された搬出コンベア9によって行われる。
無菌包装チャンバー6内には、図示しないが、過酸化水素等の殺菌剤を噴霧する殺菌剤噴霧ノズル、無菌エアを吐出する無菌エア吐出ノズル等が配置される。無菌包装チャンバー6内での無菌充填に先立ち、殺菌剤噴霧ノズルから過酸化水素等が噴霧されることにより、無菌包装チャンバー6内が殺菌処理され、殺菌処理後に無菌エア吐出ノズルから無菌エアが吐出されることにより、無菌包装チャンバー6内が陽圧に保たれ、無菌袋詰め製品の製造中、外部からの微生物等の侵入が阻止される。
無菌包装チャンバー6内における殺菌チャンバー5のシャッター5bに隣接した箇所には、搬送コンベア10が配置される。搬送コンベア10は、上記搬出コンベア9と交差する方向に伸び、搬出コンベア9によって無菌包装チャンバー6内に搬入された注出口部材収納容器4を搬送コンベア10の両端と中央との三位置間で搬送可能である。
上記注出口部材供給工程IIに対応して、注出口部材供給手段が無菌包装チャンバー6内に設けられる。
注出口部材供給手段は、具体的には、ロボット11と、パーツフィーダー12とで構成される。ロボット11の動作により、搬送コンベア10上の注出口部材収納容器4から注出口部材2が所定個数ずつ取り出され、パーツフィーダー12へ渡される。パーツフィーダー12はロボット11から注出口部材2を受け取る円盤状の受け台を有し、この受け台が振動しつつ注出口部材2を整列状態で次の製袋工程IIIへと供給する。
上記製袋工程IIIに対応して、製袋手段である製袋機が無菌包装チャンバー6内に設けられる。
製袋機は、袋用連続シート7の供給部と、袋用連続シート7から袋1を作りながら注出口部材2を各袋1に装着する製袋部とを具備する。
袋用連続シート7の供給部は、無菌包装チャンバー6の外部に配置され、袋用連続シート7を巻き取った繰出しロール7aと、この繰出しロール7aから繰り出される袋用連続シート7に過酸化水素水を塗布して殺菌する過酸化水素水の貯留槽13と、袋用連続シート7が貯留槽13から無菌包装チャンバー6内へと入る経路を覆う無菌チャンバー14とを備える。
袋用連続シート7の供給部において、袋用連続シート7が製袋部側からの牽引力により繰出しロール7aから引き出され、貯留槽13内を通過しつつ表裏両面に過酸化水素水を塗布される。袋用連続シート7は、過酸化水素水の塗布後、図示しないノズルからのホットエア等の吹き付けによって表面から過酸化水素が除去される。これにより、袋用連続シート7は殺菌され、無菌包装チャンバー6内へと導入される。
製袋部は、上記殺菌された袋用連続シート7を走行させつつ、図示しない各種ヒートシーラーによって図1(A)に示した各種ヒートシール部1a,1b,1c,1dを形成するとともに、所定のヒートシール部1aを形成する際に注出口部材2を同時にシート3,3側に溶着させ、その後、図示しないカッターによって袋1ごとに切断するようになっている。
この製袋部によって、図1(A)に示すような未封状態の袋1が無菌包装チャンバー6内で作られる。
なお、製袋部の構造は、市販の製袋機と同様であるから、詳細な説明は省略する。
上記充填工程IV及び密封工程Vに対応して、上記製袋された袋1を無菌包装チャンバー6内で搬送する搬送手段と、搬送される袋1に内容物を充填する充填手段と、内容物が充填された袋1を密封する密封手段とが設けられる。
袋1の搬送手段として、無菌包装チャンバー6内の略中央に、ロボット15と、水平面内で旋回運動をするターレット16とが設けられる。
ロボット15は、無菌包装チャンバー6内において製袋機の完成袋搬出部の近傍に設けられる。このロボット15によって、製袋機により作られた図1(A)に示したような袋1が逐次取り出される。
また、ロボット15の近傍にターレット16が設けられ、ロボット15によって、製袋機から取り出された袋1がこのターレット16に受け渡される。
ターレット16は、所定角度で配置された複数本の旋回アームを有し、各旋回アームの先端には、注出口部材2の支持用フランジ2c又はその近傍を掴むことにより袋1を正立状態で保持するクランパ16aが設けられる。ターレット16は隣り合う旋回アーム間の角度ずつ矢印方向に間欠回転可能であり、これにより各クランパ16aは各ステーションで一時停止可能である。
ターレット16の周りには、上記ロボット11の位置からターレット16の回転方向に見て、所定の各ステーションに、クランパ16aに保持された袋1に内容物を充填する充填手段と、内容物が充填された袋1を密封する密封手段と、密封された袋1である無菌の袋詰め製品をターレット16から受け取って無菌包装チャンバー6外へと搬出する搬出用コンベア17とが順次設けられる。
充填手段は、クランパ16aにより保持された袋1内に、その注出口部材2の開口から内容物を定量ずつ充填する充填ノズル18として構成される。
密封手段は、易開封シート2dの供給部と、易開封シート2dを注出口部材2の開口にシールするシール部とを具備する。
易開封シート2dの供給部は、無菌包装チャンバー6の外部に配置され、易開封シート2dの連続シートを巻き取った繰出しロール19aと、この繰出しロール19aから繰り出される連続シート19に過酸化水素水を塗布して殺菌する過酸化水素水の貯留槽20と、連続シート19が貯留槽20から無菌包装チャンバー6内へと入る経路を覆う無菌チャンバー21とを備える。
易開封シート2dの供給部において、連続シート19が図示しないニップローラの駆動により繰出しロール19から引き出され、貯留槽20内を通過しつつ表裏両面に過酸化水素水を塗布される。連続シート19は、過酸化水素水の塗布後、図示しないノズルからのホットエア等の吹き付けによって表面から過酸化水素が除去される。これにより、連続シート19は殺菌され、無菌包装チャンバー6内へと導入される。
シール部は、図示しないが、無菌包装チャンバー6内に導入された連続シート19を注出口部材2の開口に加熱圧着により接着する加熱盤と、注出口部材2の開口に接着されたシート部分を連続シート19から切り離すか又は打ち抜くカッターとを具備する。
この加熱盤とカッターの作用によって、注出口部材2の開口が易開封シート2dで閉じられ、これにより、内容物が充填された袋1が密封される。
次に、上記無菌袋詰め装置の作用について説明する。
(1)図1(A)に示した注出口部材2が、袋1に装着される前の状態で、図2及び図3に示す注出口部材収納容器4内に多数個入れられる。
(2)殺菌チャンバー5の入り口側のシャッター5aが開けられ、図2及び図3に示すように、注出口部材収納容器4が殺菌チャンバー5内に入れられた後、シャッター5aが閉じられる。これにより、殺菌チャンバー5が密閉される。
(3)上記(a)〜(e)の工程が実施されることにより、注出口部材収納容器4内の注出口部材2が、注出口部材収納容器4ごとむらなく殺菌される。
(4)殺菌チャンバー5内での殺菌処理が終了すると、無菌包装チャンバー6側のシャッター5bが開き、搬出コンベア9によって注出口部材収納容器4が無菌包装チャンバー6内に移送される。その後、シャッター5bが閉じられる。
無菌包装チャンバー6内は、あらかじめ過酸化水素の噴霧等により殺菌処理され、その後吹き込まれる無菌エアによって陽圧に保たれている。
注出口部材収納容器4は、まず、図2中、搬送コンベア10上の位置Iに載せられる。
次に、搬送コンベア10の作動により、注出口部材収納容器4が位置IIへと搬送され停
止する。
止する。
(5)ロボット11により、搬送コンベア10上の注出口部材収納容器4から注出口部材が所定個数ずつ取り出され、パーツフィーダー12へ送られる。
(6)一方、注出口部材2の殺菌処理等と並行して、製袋機によって、袋用連続シート7から袋1が無菌包装チャンバー6内において無菌状態で製造される。
この製袋機の製袋部に、上記パーツフィーダー12から注出口部材2が供給され、製袋部において注出口部材2が袋1に装着される。これにより、図1(A)、図2及び図3に示す袋1が製造され、順々に排出される。
この袋1は、ロボット15によってターレット16へ渡される。
(7)ターレット16はロボット15から渡される袋1を旋回アームのクランパ16aで受け取り、図2中矢印方向に旋回する。
袋1は、その注出口部材2が上向きとなった状態で注出口部材2の支持用フランジ2c下がクランパ16aにより掴まれる。
(8)ターレット16は所定角度ずつ間欠的に旋回し、クランパ16aで把持された袋1が一時停止すると、充填ノズル18が袋1の注出口部材2の開口に正対し、又は注出口部材2内に侵入し、所定量の内容物を袋1内に充填する。
(9)上記クランパ16aが次の位置に停止すると、シール部によって、注出口部材2の開口が易開封シート2dで塞がれる。これにより、袋1が密封され、袋内が無菌状態に保持される。
(10)上記クランパ16aが次の位置に停止すると、密封された袋1がクランパ16aから解放され、搬出用コンベア17によって受け取られて無菌包装チャンバー6外へと搬出される。
(11)無菌包装チャンバー6外へと搬出された袋1の注出口部材2に図示しないキャッパーによってキャップ2eが螺着される。
これにより、図1(B)に示す無菌の袋詰め製品が完成する。
なお、上記キャップ2eは、無菌包装チャンバー6内に殺菌処理した状態で供給し、無菌包装チャンバー6内で注出口部材2にキャッピングすることも可能である。
(12)以後、上記(1)〜(11)の動作が繰り返されて袋詰め製品の生産が続行される。
<実施の形態2>
この実施の形態2では、図4及び図5に示すように、実施の形態1における無菌包装チャンバー6内での易開封シート2dの装着が省略される。代わりに、無菌包装チャンバー6内でキャップ2eの装着が行われる。
この実施の形態2では、図4及び図5に示すように、実施の形態1における無菌包装チャンバー6内での易開封シート2dの装着が省略される。代わりに、無菌包装チャンバー6内でキャップ2eの装着が行われる。
図4に示すように、キャップ2eの殺菌処理のためにキャップ収納容器22が用意される。キャップ収納容器22は、注出口部材収納容器4と同様な構造である。
また、キャップ2eをキャップ収納容器22ごと殺菌処理するための殺菌チャンバー23が、無菌包装チャンバー6に接続される。殺菌チャンバー23は、注出口部材2を殺菌するための殺菌チャンバー5と同様な構造であり、殺菌チャンバー23の相対向する一対の壁には開閉可能なシャッター23a,23bが設けられ、そのうち片方のシャッター23bは無菌包装チャンバー6との境に設けられる。
上記キャップ収納容器22は、一方のシャッター23aが開けられることにより殺菌チャンバー23内へと搬入コンベア24によって搬入され、両シャッター23a,23bが閉じられることにより殺菌チャンバー23内に閉じ込められる。そして、キャップ収納容器22及びキャップ収納容器22内に装填されたキャップ2eの殺菌が行われる。
殺菌チャンバー23内でのキャップ2eの殺菌処理が完了すると、無菌包装チャンバー6側のシャッター23bが開いて、キャップ収納容器22がキャップ2eを収納した状態のままで無菌包装チャンバー6内に導入される。この導入作業は、殺菌チャンバー23内に設置された搬出コンベア25によって行われる。
無菌包装チャンバー6内における殺菌チャンバー23のシャッター23bに隣接した箇所には、搬送コンベア26が配置される。搬送コンベア26は、上記搬出コンベア25と交差する方向に伸び、搬出コンベア25によって無菌包装チャンバー6内に搬入されたキャップ収納容器22を搬送コンベア26の両端と中央との三位置間で搬送可能である。
搬送コンベア26上のキャップ収納容器22内からキャップ2eをターレット16側で搬送される袋1の注出口部材2へと供給するキャップ供給手段として、ロボット27と、パーツフィーダー28とが設けられる。
搬送コンベア26上のキャップ収納容器22内のキャップ2eは、ロボット27によってキャップ収納容器22内からパーツフィーダー28へと移し替えられる。ロボット27によってパーツフィーダー28に供給されたキャップ2eは、ターレット16側の所定のステーションに設置された図示しないキャッパーへと整列状態で送り出される。キャッパーに送られたキャップ2eは内容物が充填された袋1の注出口部材2にキャッパーによって螺着される。
なお、キャッパーは、市販品であって公知であるからその詳細な説明は省略する。
キャッパーによってキャッピングされることにより、図1(B)に示す袋1である無菌の袋詰め製品が完成し、この完成品は搬出用コンベア17によって受け取られて無菌包装チャンバー6外へと搬出される。
なお、実施の形態2において、実施の形態1の場合と同じ個所には同じ符号を付して示し、重複した説明を省略する。
<実施の形態3>
この実施の形態3では、図6(A)に示す未封状態の袋1が製袋機によって作られる。この袋1は前後二枚のシート3,3が重ね合わせられ、それらの上辺と左右辺の三辺が上横ヒートシール部1a、左縦ヒートシール部1b及び右縦ヒートシール部1cによって閉じられることによって形成される。下辺は、後に飲料等の内容物を袋1内に充填する際の充填口とするために未シール部1eとされる。この未シール部1eは左右辺のいずれかに設定し、下辺を下横ヒートシール部1dによって閉じておくことも可能である。この未シール部1eは、内容物が袋1内に充填された後、図6(B)に示すように、下横ヒートシール部1dによって閉じられる。
この実施の形態3では、図6(A)に示す未封状態の袋1が製袋機によって作られる。この袋1は前後二枚のシート3,3が重ね合わせられ、それらの上辺と左右辺の三辺が上横ヒートシール部1a、左縦ヒートシール部1b及び右縦ヒートシール部1cによって閉じられることによって形成される。下辺は、後に飲料等の内容物を袋1内に充填する際の充填口とするために未シール部1eとされる。この未シール部1eは左右辺のいずれかに設定し、下辺を下横ヒートシール部1dによって閉じておくことも可能である。この未シール部1eは、内容物が袋1内に充填された後、図6(B)に示すように、下横ヒートシール部1dによって閉じられる。
なお、袋1は、必ずしも二枚のシート3,3で出来たものでなくてもよい。一枚のシートを二つ折りしたものであってもよいし、チューブを扁平に押し潰したものであってもよい。
袋1を構成するシート3,3は、樹脂の単層からなるもの、異種類の樹脂層が積層されたもの、アルミニウムフォイル等の金属層が樹脂層とともに積層されたものが適宜使用される。
上横ヒートシール部1aには注出口部材2が挟み込まれることによって、注出口部材2が袋1の上辺に固定される。注出口部材2は、ポリプロピレン等の樹脂の射出成形等により筒状に形成される。注出口部材2を通して、袋1の内外が導通可能となり、袋1内の内容物を袋1外に注出可能となる。
注出口部材2の外側には、上横ヒートシール部1aに対応する箇所においてヒートシール用フランジ2bが形成され、このヒートシール用フランジ2bがヒートシールによってシート3,3に密着する。注出口部材2におけるヒートシール用フランジ2bよりも上側には支持用フランジ2cが形成される。袋1を各種処理に付する際に、必要に応じてこの支持用フランジ2cが使用される。
この実施の形態3の場合、注出口部材2の袋外側における開口は、あらかじめ易開封シート2dで密封されている。
ただし、注出口部材2は、易開封シート2dの上からキャップ2eが被せられ、このキャップが注出口部材2の回りに螺合したものであってもよい。すなわち、注出口部材2は、その本体とキャップ2eとが別体として作られた後に組み合わせられたいわゆる2ピース型のものであってもよい。あるいは、注出口部材2の開口が引きちぎり用薄肉部を介して密封する密封片によって遮蔽され、易開封シート2d及びキャップ2eが省略されたいわゆる1ピース型のものであってもよい(図示せず)。
無菌袋詰め装置では、次に示す工程(I)〜(V)を経て図6(B)に示すような無菌の袋詰め製品が作られる。
(I)多数の注出口部材2を入れた通気性のある注出口部材収納容器4を、殺菌チャンバー5内に入れ、殺菌チャンバー5に対する真空化と、過酸化水素のガスの導入と、無菌エアの導入とを順に行うことによって注出口部材2を注出口部材収納容器4と共に殺菌処理する注出口部材殺菌工程。
(II)殺菌処理後の注出口部材2を注出口部材収納容器4ごと無菌包装チャンバー6内に導入し、注出口部材収納容器4から注出口部材2を送り出す注出口部材供給工程。
(III)袋用連続シート7を走行させつつ過酸化水素水で殺菌した後、上記無菌包装チャンバー6内に導入し、製袋しつつ上記殺菌処理後の注出口部材2を各袋1に固定する製袋工程。
(IV)製袋された袋1に内容物を充填する充填工程。
(V)内容物が充填された袋1を密封する密封工程。
上記工程(I)で使用するために用意される注出口部材収納容器4は、図7及び図8に示すように、実施の形態1,2の場合と同様な構造である。
ただし、この場合注出口部材収納容器4に投入される注出口部材2は、易開封シート2dで開口が閉塞された状態にある。
上記工程(I)で使用される殺菌チャンバー5、上記工程(II)で使用される無菌包装チャンバー6、上記工程(III)で使用される製袋機、及び上記工程(IV)(V)で使用される搬送手段としてのロボット15、ターレット16、搬出用コンベア17等は、実施の形態1,2の場合と概ね同様な構造であるから、それらの詳細な説明は省略する。
ただし、この実施の形態3において上記工程(IV)(V)で使用されるロボット15は、製袋機から送り出される図6(A)に示したような袋1を、図8に示すように、注出口部材2が下向きになった倒立状態で取り出すように動作する。
また、ターレット16の各旋回アームの回りには、注出口部材2が下向きになった袋1の左右の縦ヒートシール部1b,1cを掴むことにより、袋1を逆さまに保持するクランパ16aが配置される。
ターレット16の周りにおける上記ロボット15の位置から搬出用コンベア17の位置に至るまでの各間欠停止位置には、旋回アームのクランパ16aに保持された袋1に内容物を充填する工程(IV)に対応した充填手段と、内容物が充填された袋1を密封する密封手段とが設けられる。
充填手段は、クランパ16aにより保持された袋1の未シール部1eを図示しないサッカーで吸着して袋1のシート3,3間を拡開し、開口を形成するオープナーと、未シール部1eから袋1内に内容物を充填する充填ノズル18とを具備する。オープナーや充填ノズル18はターレット16の所望の間欠停止位置に配置される。オープナーは公知の構造であるから、詳細な説明は省略する。
密封手段は、図示しないが、袋1の未シール部1eを二度にわたってヒートシールし、下横ヒートシール部1dを形成する第一のヒートシーラー及び第二のヒートシーラーと、下横ヒートシール部1dを冷却するクーラーとを具備する。ヒートシーラーやクーラーはターレット16の所望の間欠停止位置に配置される。ヒートシーラー及びクーラーは公知の構造であるから、詳細な説明は省略する。
ターレット16の旋回方向に見て密封手段の下流側におけるステーションには、密封された袋1をターレット16のクランパ16aから受け取って無菌包装チャンバー6外へと搬出する搬出用コンベア17が設けられる。
無菌包装チャンバー6外には、易開封シート2dで閉じられた注出口部材2に易開封シート2dの上からキャップ2eを螺着する図示しないキャッパーが設けられる。袋1がこのキャッパーを通過することにより、図6(B)に示す袋1である無菌の袋詰め製品が完成する。
次に、上記無菌袋詰め装置の作用について説明する。
(1)図6(A)に示した注出口部材2が、袋1に装着される前の状態で、図7及び図8に示す注出口部材収納容器4内に多数個入れられる。
(2)実施の形態1の場合と同様にして、注出口部材収納容器4内の注出口部材2が、注出口部材収納容器4ごとむらなく殺菌され、無菌包装チャンバー6内に移送される。また、製袋機によって袋本体が作られ、この袋本体に注出口部材2が供給されることによって、図6(A)に示す袋1が製造される。この袋1は、図8に示すように、ロボット15によって、注出口部材2が下向きになった倒立状態とされたうえでターレット16へ渡される。
(3)ターレット16はロボット15から渡される倒立状態の袋1を旋回アームのクランパ16aで受け取り、図7中矢印方向に旋回する。
(4)ターレット16は所定角度ずつ間欠的に旋回し、クランパ16aで把持された袋1が一時停止すると、オープナーによって袋1の上向きになった未シール部1eが拡開され、そこに開口が形成される。続いて、充填ノズル18が袋1の開口に正対し、又は開口から袋1内に侵入し、充填ノズル18から所定量の内容物が袋1内に充填される。
(5)上記クランパ16aが、続く三か所の各ステーションに停止すると、第一のヒートシーラー及び第二のヒートシーラーによって、上記未シール部1eが二度にわたってヒートシールされ、さらに、このヒートシールされた箇所がクーラーによって冷却される。これにより、袋1が無菌状態で密封される。
(6)上記クランパ16aが次のステーションに停止すると、密封された袋1がクランパ16aから解放され、搬出用コンベア17によって受け取られて無菌包装チャンバー6外へと搬出される。
(7)無菌包装チャンバー6外へと搬出された袋1の注出口部材2に、図示しないキャッパーによってキャップ2eが螺着される。
これにより、図6(B)に示す無菌の袋詰め製品が完成する。
(8)以後、上記(1)〜(7)の動作が繰り返されて袋詰め製品の生産が続行される。
なお、実施の形態3において、実施の形態1、2の場合と同じ個所には同じ符号を付して示し、重複した説明を省略する。
上記殺菌チャンバーを用いて、注出口部材の殺菌効果及び残留過酸化水素についての試験を以下のように行った。
1.試験のサンプルは次の四通りとした。
(1) 1ピース型の注出口部材
(2) 2ピース型の注出口部材
(3) 2ピース型の注出口部材のキャップ
(4) 開口を易開封性シートで閉じた2ピース型の注出口部材
(1) 1ピース型の注出口部材
(2) 2ピース型の注出口部材
(3) 2ピース型の注出口部材のキャップ
(4) 開口を易開封性シートで閉じた2ピース型の注出口部材
2.処理条件は次の通りである。
(1) 滅菌機として、上記殺菌チャンバーと同様な構造を有する市販の過酸化水素ガス滅菌装置を用いた。
(2) 処理条件
(i) 上記四通りのサンプルを各々1000個ずつ注出口部材収納容器に入れた。注出口部材収納容器は、各辺の長さが250mmである立方体のカゴとした。
(ii) サンプルをカゴに入れる前に、サンプルの所定箇所に直接、菌を塗布した。n数は、サンプルの種類別に5とした。
(iii) 殺菌処理は、過酸化水素ガス滅菌装置の標準的な条件によって行った。
(3) 菌付け箇所
(i) 1ピース型の注出口部材:外表面における天面、側面の四か所、及び開口端面、内表面における最奥部
(ii) 2ピース型の注出口部材:「外表面」におけるネジ山の四か所、支持用フランジの表裏各二か所、及びヒートシール用フランジの四か所、「内表面」における中央部側面の一か所
(iii) 2ピース型の注出口部材のキャップ:「外表面」における天面、側面の四か所、及び開口端面、「内表面」における天面
(iv) 開口を易開封性シートで閉じた2ピース型の注出口部材:上記(ii)と同じ
(4) 菌付け
(i) 菌種:B.atrophaeus ATCC9372
(ii) 菌数:2.5×105ケ/spot
(5) 残留過酸化水素量
抽出したサンプルの空洞内に満注量の純水を入れ、5分間放置後、純水中に溶出した過酸化水素量を酸素電極法により測定した。
なお、開口を易開封性シートで閉じていない2ピース型の注出口部材については、殺菌処理直後に開口を易開封性シートで閉じ、満注量の純水を入れることにより測定した。
(1) 滅菌機として、上記殺菌チャンバーと同様な構造を有する市販の過酸化水素ガス滅菌装置を用いた。
(2) 処理条件
(i) 上記四通りのサンプルを各々1000個ずつ注出口部材収納容器に入れた。注出口部材収納容器は、各辺の長さが250mmである立方体のカゴとした。
(ii) サンプルをカゴに入れる前に、サンプルの所定箇所に直接、菌を塗布した。n数は、サンプルの種類別に5とした。
(iii) 殺菌処理は、過酸化水素ガス滅菌装置の標準的な条件によって行った。
(3) 菌付け箇所
(i) 1ピース型の注出口部材:外表面における天面、側面の四か所、及び開口端面、内表面における最奥部
(ii) 2ピース型の注出口部材:「外表面」におけるネジ山の四か所、支持用フランジの表裏各二か所、及びヒートシール用フランジの四か所、「内表面」における中央部側面の一か所
(iii) 2ピース型の注出口部材のキャップ:「外表面」における天面、側面の四か所、及び開口端面、「内表面」における天面
(iv) 開口を易開封性シートで閉じた2ピース型の注出口部材:上記(ii)と同じ
(4) 菌付け
(i) 菌種:B.atrophaeus ATCC9372
(ii) 菌数:2.5×105ケ/spot
(5) 残留過酸化水素量
抽出したサンプルの空洞内に満注量の純水を入れ、5分間放置後、純水中に溶出した過酸化水素量を酸素電極法により測定した。
なお、開口を易開封性シートで閉じていない2ピース型の注出口部材については、殺菌処理直後に開口を易開封性シートで閉じ、満注量の純水を入れることにより測定した。
3.結果
(1) 殺菌評価
表1〜表4より明らかなように、いずれのサンプルについても6以上の殺菌効果を確認することができた。
(1) 殺菌評価
表1〜表4より明らかなように、いずれのサンプルについても6以上の殺菌効果を確認することができた。
(2) 残留過酸化水素量
いずれのサンプルにおいても内表面における残留過酸化水素量は、1ml当たり0.5ppm未満であった。充填量100mlの製品に換算すると、1ml当たり0.005ppm未満であるから、製品全体での残留過酸化水素量は極めて微量であることが分かる。
いずれのサンプルにおいても内表面における残留過酸化水素量は、1ml当たり0.5ppm未満であった。充填量100mlの製品に換算すると、1ml当たり0.005ppm未満であるから、製品全体での残留過酸化水素量は極めて微量であることが分かる。
1…袋
1e…未シール部
2…注出口部材
2d…易開封シート
2e…キャップ
4…注出口部材収納容器
5…殺菌チャンバー
6…無菌包装チャンバー
7…袋用連続シート
1e…未シール部
2…注出口部材
2d…易開封シート
2e…キャップ
4…注出口部材収納容器
5…殺菌チャンバー
6…無菌包装チャンバー
7…袋用連続シート
Claims (7)
- 多数の注出口部材を入れた通気性のある注出口部材収納容器を、殺菌チャンバー内に入れ、殺菌チャンバーに対する真空化と、過酸化水素のガスの導入と、無菌エアの導入とを順に行うことによって注出口部材を注出口部材収納容器と共に殺菌処理する注出口部材殺菌工程と、殺菌処理後の注出口部材を注出口部材収納容器ごと、上記殺菌チャンバーに接続する無菌包装チャンバー内に導入し、注出口部材収納容器から注出口部材を送り出す注出口部材供給工程と、袋用連続シートを走行させつつ過酸化水素水で殺菌した後、上記無菌包装チャンバー内に導入し、製袋しつつ上記殺菌処理後の注出口部材を袋ごとに固定する製袋工程と、製袋された袋に内容物を充填する充填工程と、内容物が充填された袋を密封する密封工程とを包含してなることを特徴とする無菌袋詰め方法。
- 請求項1に記載の無菌袋詰め方法において、充填工程では、注出口部材から袋内に内容物を充填し、密封工程では、注出口部材の開口を塞ぐことを特徴とする無菌袋詰め方法。
- 請求項2に記載の無菌袋詰め方法において、密封工程では、注出口部材の開口をあらかじめ殺菌処理された易開封シートで塞ぐか又はあらかじめ殺菌処理されたキャップで塞ぐことを特徴とする無菌袋詰め方法。
- 請求項1に記載の無菌袋詰め方法において、充填工程では、袋の未シール部から内容物を充填し、密封工程では、未シール部をシールすることを特徴とする無菌袋詰め方法。
- 多数の注出口部材が収納された通気性のある注出口部材収納容器と、室内に上記注出口部材収納容器が収納された後、室内に対する真空化と、過酸化水素のガスの導入と、無菌エアの導入とが順に行われることによって注出口部材を上記注出口部材収納容器ごと無菌処理する殺菌チャンバーと、上記殺菌チャンバー内から殺菌処理された後の注出口部材収納容器が搬入される、上記殺菌チャンバーに接続する無菌包装チャンバーと、上記無菌包装チャンバー内で上記注出口部材収納容器から注出口部材を送り出す注出口部材供給手段と、袋用連続シートを走行させつつ過酸化水素水で殺菌した後、上記無菌包装チャンバー内に導入し、製袋しつつ上記殺菌処理後の注出口部材を袋ごとに固定する製袋手段と、製袋手段により製袋された袋を上記無菌包装チャンバー内で搬送する搬送手段と、搬送手段により搬送される袋に内容物を充填する充填手段と、内容物が充填された袋を密封する密封工程とを具備することを特徴とする無菌袋詰め装置。
- 請求項5に記載の無菌袋詰め装置において、充填手段は、注出口部材から袋内に内容物を充填可能であり、密封手段は、注出口部材をシール可能であるか又はキャッピング可能であることを特徴とする無菌袋詰め装置。
- 請求項5に記載の無菌袋詰め装置において、充填手段は、袋の未シール部を拡開したうえで未シール部から袋内に内容物を充填可能であり、密封手段は、未シール部をシール可能であることを特徴とする無菌袋詰め装置。
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