JP4091996B2 - 包装材料の殺菌装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス状殺菌剤を包装材料の表面に接触させて包装材料を殺菌する包装材料の殺菌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
食品や、医薬品などといった内容物を紙製又はプラスチック製の容器、すなわち包装材料によって包装するという包装形態は既に広く知られている。このような包装形態を実現するために、包装材料の成形、内容物の充填及び包装材料の密封などといった一連の処理を自動的に行うようにした充填包装装置は既に知られている。また、この種の充填包装装置において、内容物を充填する前の包装材料を殺菌すると共に装置内部の全体を無菌又は減菌状態に保持するようにした、いわゆる無菌充填包装装置も知られている。
【0003】
従来、包装材料などを殺菌するため、包装材料などの表面に殺菌剤、例えば過酸化水素水(H2O2)を接触させることが知られている。また、特開平3−200524号公報には、その殺菌剤をガス状にして包装材料などの表面に供給するようにした殺菌方法が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガス状殺菌剤を用いた上記従来の殺菌装置では、包装材料の開口に対して開口面積の狭いノズルを用いて包装材料の内部にガス状殺菌剤を噴霧していた。この従来装置では、ノズル面積が包装材料の開口よりも非常に狭いので、ノズルから放出されたガス状殺菌剤が包装材料の開口とノズルとの間の隙間から外部へ自由に漏れ出てしまい、よって、包装材料の内部表面の全域にわたってまんべんなく殺菌剤を供給することができなかった。
本発明は、上記の問題点を解消するためになされたものであって、包装材料の殺菌対象となる部分の全体にまんべんなく均一に殺菌剤を接触させることができる殺菌装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係る包装材料の殺菌装置は、加熱により気化したガス状殺菌剤を包装材料の表面に接触させて包装材料を殺菌する包装材料の殺菌装置において、前記ガス状殺菌剤を前記包装材料へ向けて噴霧する殺菌剤噴霧ノズルと、その殺菌剤噴霧ノズルの先端に設けられていて前記包装材料の開口を覆う遮蔽カバーとを有し、前記遮蔽カバーは、前記包装材料から離れる退避位置と、前記包装材料に近接する噴霧位置との間で移動し、前記遮蔽カバーは、前記噴霧位置において前記包装材料の開口を覆うと共に該包装材料の側面を隙間を開けて覆い、前記包装材料の外面に向かって冷却エアを放出するエアーノズルと、殺菌剤をガス化して前記殺菌剤噴霧ノズルへ供給する殺菌剤ガス化装置とをさらに有し、該殺菌剤ガス化装置は、殺菌剤及び無菌エアを放出する2流体ノズルと、該2流体ノズルから放出される前記殺菌剤が当たる位置に配置されたヒータと、前記2流体ノズルから前記殺菌剤を間欠的に放出するように制御する制御装置とを有することを特徴とする。遮蔽カバーによって包装材料の開口を覆うことにより、包装材料の内部へ送り込んだガス状殺菌剤がその開口から外部へ漏れ出ることが防止され、よって、ガス状殺菌剤を包装材料の内部の全面に均一且つ十分に接触させることができる。
【0006】
遮蔽カバーは単なる平板であってもよいが、望ましくは、その遮蔽カバーの外周端縁に包装材料へ向けて突出する張出し部を設ける。こうすれば、ガス状殺菌剤が包装材料の開口から漏れ出ることをより一層確実に防止できる。遮蔽カバーは、包装材料に対して常に一定の位置に固定設置することもできる。しかしながら望ましくは、遮蔽カバーを、包装材料から離れる退避位置と、包装材料に近接する噴霧位置との間で移動できるように構成する。こうすれば、包装材料を搬送するときには遮蔽カバーを退避位置に退避させておいて包装材料の自由な移動を許容でき、一方、包装材料に対してガス状殺菌剤を噴霧するときには遮蔽カバーを噴霧位置へ移動させて、殺菌剤の漏れをより確実に防止する。
【0007】
遮蔽カバーは、望ましくは、単に包装材料の開口を覆うだけでなく、その側面をも覆うようにする。こうすれば、殺菌剤噴霧ノズルから噴霧されるガス状殺菌剤を包装材料の内部へ送り込むのと同時に、そのガス状殺菌剤を包装材料の外部表面に沿っても流すことができ、従って、包装材料の内部表面と外部表面とを同時に殺菌できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る包装材料の殺菌装置を用いた無菌充填包装装置の一実施形態を示している。この無菌充填包装装置は、駆動ローラ1と従動ローラ2との間に掛け渡された無端で環状の搬送ベルト3と、その搬送ベルト3を気密に包囲する密封チャンバ4とを有している。搬送ベルト3の上側走行部は従動ローラ2から駆動ローラ1へ向かって図の右側から左側へ移動し、一方、搬送ベルト3の下側走行部は駆動ローラ1から従動ローラ2へ向かって図の左側から右側へ移動する。本実施形態では、搬送ベルト3が包装材料搬送手段を構成し、その搬送ベルト3の上側走行部が包装材料の搬送路に相当する。
【0009】
搬送ベルト3は、例えば図9に示すように、ベルト基板5の中に複数の包装材料収納用の開口6を開けることによって形成されている。図では、搬送ベルト3の移動方向Fに関して2列の開口6が一定の間隔Dで連続して設けられる。しかしながら、開口6の列は1列とすることもできるし、3列以上とすることもできる。また、間隔Dも自由に設定できる。本実施形態では包装材料として、図8に示すようなカップ容器7を考える。このカップ容器7は、その上端に開口26を有し、さらにその上端周縁にフランジ8を有している。容器開口26を通してカップ容器7の内部に内容物、例えば流状食品を注入した後、フランジ8に円形状の蓋材9を加熱溶着することによって、内容物入りの製品容器が完成する。図9において、カップ容器7はその底部から開口6の中に挿入され、フランジ8が開口6の周縁に引っ掛かった状態で搬送ベルト3に支持される。
【0010】
図1に戻って、本実施形態の無菌充填包装装置は、包装材料供給ステージ10と、殺菌ステージ11と、乾燥ステージ12と、内容物充填ステージ13と、密封ステージ14と、そして製品容器取出しステージ15とを有している。殺菌ステージ11は、殺菌剤噴霧室16及び殺菌剤ガス室17によって構成される。包装材料供給ステージ10と殺菌剤噴霧室16との間、殺菌剤噴霧室16と殺菌剤ガス室17との間、殺菌剤ガス室17と乾燥ステージ12との間、そして乾燥ステージ12と内容物充填ステージ13との間のそれぞれの位置には、各ステージを互いに区分けするための隔壁18が配設される。これらの隔壁18は、図の紙面に対して直角の方向に延びる支軸19を中心として、図1に示す垂直位置と図5に示す水平位置との間で旋回移動できる。
【0011】
包装材料供給ステージ10内の密封チャンバ4には、カップ容器7を補給するための補給用開口20、エアー排気口21a及びエアー排気口21bが設置される。各エアー排気口21a及び21bの中には流量調節弁22が設けられる。殺菌剤噴霧室16には次の各要素、すなわち、殺菌剤噴霧ノズル23、そのノズル23を昇降移動させるノズル昇降装置24、そして、搬送ベルト3従って包装材料の搬送路を挟んで殺菌剤噴霧ノズル23に対向して配設されたエアーノズル25を有している。
【0012】
エアーノズル25は、例えば図6に示すように、ほぼ円盤形状に形成され、そしてその上面には多数の微細な通気穴29が形成される。また、図1において、このエアーノズル25には送風管31を介して冷却エアー供給源32が接続される。冷却エアー供給源32は低温空気を送風管31へ送り出し、その送り出された低温空気は、図6に破線矢印Aで示すように各通気穴29から外部へ噴出される。噴出した低温空気は、図3に示すように、カップ容器7の底部の外側に吹き付けられてそのカップ容器7を外側から冷却する。
【0013】
図2の殺菌剤噴霧室16において、殺菌剤噴霧ノズル23の先端には、カップ容器7の上端開口26の全面を覆う円盤形状の遮蔽カバー27が設けられる。また、この遮蔽カバー27の外周端縁にはカップ容器7へ向けて下方へ突出するリング状の張出し部28が設けられる。殺菌剤噴霧ノズル23は、図3において、ノズル昇降装置24によって駆動されて破線で示す退避位置Tと実線で示す噴霧位置Sとの間で昇降移動する。ノズル昇降装置24は、それ自体周知の任意の機構によって構成される。
【0014】
図1において、殺菌剤噴霧ノズル23は連結管51を介して殺菌剤ガス化装置33に接続される。この殺菌剤ガス化装置33は、図4に示すように、ガス化室34及びそのガス化室34の上面に設置された2流体ノズル36を有している。2流体ノズル36の一方の入力ポートには殺菌剤としての過酸化水素水(H2O2)を供給するための殺菌剤供給系37が接続され、他方の入力ポートには無菌エアーを供給するためのエアー供給系38が接続される。ガス化室34の上部、殺菌剤噴霧ノズル23の外周部及び連結管51の外周部のそれぞれには、ヒータ52が設けられる。また、ガス化室34の底部にはガス化ヒータ53が設けられる。
【0015】
殺菌剤供給系37は、圧縮エアー及び殺菌剤を搬送するガス管39と、ガス管39上に設けられた手動バルブ41と、ガス管39上に設けられていて過酸化水素水Hを貯留した殺菌剤タンク42と、ガス管39及びその中を流れる殺菌剤を加熱するヒータ45と、そしてガス管39上に設けられた殺菌剤側バルブ43とを有している。殺菌剤側バルブ43は、バルブ制御装置44からの指令に基づいて開閉する。
【0016】
エアー供給系38は、圧縮エアーを搬送するガス管46と、ガス管46上に設けられたエアー側バルブ47と、ガス管46内を流れるエアーを除菌するエアー除菌フィルタ48と、そしてガス管46及びその中を流れるエアーを加熱するヒータ49とを有している。エアー側バルブ47は、バルブ制御装置44からの指令に基づいて開閉する。
【0017】
図1に戻って、殺菌剤噴霧室16の後段位置に配設された殺菌剤ガス室17の上面には、殺菌剤ガス化装置33から延びる連結管51に接続するガス吐出管54及びヒータ55が設けられる。また、図2に示すように、搬送ベルト3の下方位置に液滴受け皿56が設けられ、その受け皿56の底部に通気穴57が設けられる。また、図1において、殺菌剤ガス室17の底部には、そのガス室17内の空気を外部へ排出するための排気装置58が設置される。また、殺菌剤ガス室17の入口17a及び出口17bには、開閉可能なシャッター30が設置される。
【0018】
乾燥ステージ12には、搬送ベルト3を挟んで一対のエアー配管59が設置されている。これらのエアー配管59は乾燥空気供給源61に接続されていて、その乾燥空気供給源61で発生した高温で乾燥した空気がそれらのエアー配管59を通して搬送ベルト3に支持されたカップ容器7へ上下から吹き付けられる。また、乾燥ステージ12内の密封チャンバ4の底面には流量調節弁22を備えたエアー排気口21cが設けられる。さらに、内容物充填ステージ13には、内容物、例えば流状食品を貯留した内容物タンク62が設置され、その内容物タンク62から垂下する充填ノズル63が搬送ベルト3の上方に位置している。
【0019】
密封ステージ14内には、蓋材搬送/殺菌装置64及びシール/カット装置65が設置されている。蓋材搬送/殺菌装置64は、蓋材供給ロール66から蓋材巻取りロール67に至る蓋材搬送系と、殺菌剤としての過酸化水素水Hを貯留した殺菌剤バス68と、そして、シート状の蓋材を乾燥するための蓋材乾燥装置69とを有している。シール/カット装置65は、搬送ベルト3に対して進退移動、すなわち図において上下移動することによって、シート状の蓋材からカップ容器7の開口に合った大きさの円形状の蓋材9(図8参照)を打ち抜き、それと同時に、打ち抜いたその蓋材をカップ容器7の上端フランジ8(図8参照)に加熱溶融定着、すなわちヒートシールする。
【0020】
図1において、製品容器取出しステージ15内の密封チャンバ4の上面には容器取出し用の開口71が設けられ、さらに搬送ベルト3を挟んでその開口71に対向して容器排出装置72が設けられる。容器排出装置72は、図示しない駆動装置によって駆動されて上下方向へ昇降移動するようになっており、上方向へ移動するときに搬送ベルト3に支持されているカップ容器7を上方へ押し上げて搬送ベルト3から外し、さらに容器取出し用開口71を通して外部へ排出する。なお、製品容器取出しステージ15内の密封チャンバ4の側面には、密封チャンバ4の内部の全域を無菌の陽圧状態に設定するための無菌エアー導入口73が設けられ、その導入口73の内部には流量調節弁22が配設される。
【0021】
以下、上記構成より成る無菌充填装置の動作について説明する。
(充填包装装置内部の殺菌処理)
図1の充填包装装置を用いて充填包装作業を実行するにあたっては、その充填包装作業が無菌状態下で行われるようにするために、充填包装装置の内部全域を殺菌する必要がある。その装置殺菌は、例えば、以下のようにして行われる。
【0022】
まず、図10に示すように、無菌エアー導入口73内の流量調節弁22及び各エアー排気口21a,21b,21c内の流量調節弁22を全て開状態に設定する。また、殺菌剤ガス室17の入口17a及び出口17bに設けたシャッター30を開状態に設定する。また、製品容器取出しステージ15内の容器取出し用開口71を蓋75によって遮蔽する。この状態で、無菌エアー導入口73から高温の無菌エアーを密封チャンバ4の内部へ導入し、同時に、乾燥ステージ12内の乾燥空気供給源61を作動してエアー配管59から密封チャンバ4の内部へ高温乾燥空気を導入する。こうして導入された高温流体は図に矢印で示すようにチャンバ4の内部を流れて該部を高温に加熱した後、各エアー排気口21a,21b,21cから外部へ排気される。
【0023】
以上のようにしてチャンバ4の内部が所定の高温状態に設定されると、次に、図5に示すように、無菌エアー導入口73内の流量調節弁22及び各エアー排気口21a,21b,21c内の流量調節弁22を全て閉状態に設定する。また、容器取出し用開口71を蓋75によって覆う。この状態でチャンバ4の内部はほぼ気密状態に密封される。そしてさらに、各隔壁18を図10の垂直状態から図8に示すように水平状態へと旋回する。これにより、チャンバ4の内部が、各ステージに区分けされていた状態から1つの空間へと開放される。その後、殺菌剤噴霧室16内の殺菌剤噴霧ノズル23からガス状の過酸化水素水を噴霧してそれをチャンバ4の内部の隅々まで行き渡らせる。このとき、ガス状の過酸化水素水の流れを促進するために、チャンバ4内の適所に設置した回転羽根74を回転させてガス状の過酸化水素水を撹拌することが望ましい。こうしてガス状の過酸化水素水をチャンバ4の内部全体に充満させることにより、チャンバ4の内部を殺菌する。
【0024】
以上の装置殺菌処理が完了すると、再び、無菌エアー導入口73内の流量調節弁22及び各エアー排気口21a,21b,21c内の流量調節弁22が、図10に示すように開状態に設定され、さらにエアー導入口73から無菌エアーが再び導入される。こうして、チャンバ4の内部に再びエアー流が形成され、このエアー流によってチャンバ4内のガス状の過酸化水素水が除去される。以上によりチャンバ4内の殺菌処理が完了し、その後、以下のようにしてカップ容器7に対する内容物の充填包装処理が実行される。なお、その充填包装処理は、無菌エアー導入口73から無菌エアーを導入してチャンバ4内に図10に示すような無菌エアーの流れを形成することによってチャンバ4内を陽圧状態に保持した状態で実行される。この陽圧状態の保持により、カップ容器7に対して充填包装処理を行っている間に外部からチャンバ4の内部へ雑菌が進入することを防止する。また、隔壁18は垂直状態に戻される。
【0025】
(内容物の充填包装処理)
図1において、包装材料供給ステージ10内の補給用開口20からカップ容器7が供給される。そして一方、搬送ベルト3が間欠的に周回移動を開始する。補給用開口20から供給されたカップ容器7は、搬送ベルト3の開口6(図9参照)に1個づつ挿入され、そして搬送ベルト3の周回移動に従って図1の左方向へ搬送される。搬送されるカップ容器7は、まず、殺菌ステージ11の殺菌剤噴霧室16内へ運ばれる。
【0026】
カップ容器7が搬送される一方で、殺菌ステージ11内の殺菌剤ガス化装置33は次のように動作する。すなわち、図4において、エアー供給系38内のエアー側バルブ47は常に開状態にあり、一方、殺菌剤側バルブ43は所定時間間隔で開閉を繰り返す。例えば、1秒間閉じて、0.5秒間開くという間欠開閉動作を繰り返す。殺菌剤側バルブ43が開状態にあると、2流体ノズル36からガス化室34の内部へ過酸化水素水が液滴状に噴出され、その過酸化水素水がガス化ヒータ53の上で蒸発してガス化し、そのガス化した過酸化水素水がエアー供給系38から送り込まれる無菌エアーに載って連結管51を通して殺菌剤噴霧ノズル23へ搬送され、さらにそのノズル23から外部へ噴霧される。他方、殺菌剤側バルブ43が閉状態にあると、殺菌剤供給系37からガス化室34内への過酸化水素水の供給が行われず、ガス化室34内にはエアー供給系38からの無菌エアーだけが供給される。この場合には、ガス化室34の中に残存するガス状の過酸化水素水がその供給された無菌エアーに載ってノズル23から外部へ噴霧される。
【0027】
以上の操作の結果、殺菌剤供給系37からの過酸化水素水の供給は間欠的に行われるが、エアー供給系38からの無菌エアーの供給は連続して行われるので、殺菌剤噴霧ノズル23へは連続してガス化された過酸化水素水が供給され、従って、そのノズル23からは常時、ガス化された過酸化水素水が噴霧される。
【0028】
以上の動作中、2流体ノズル36からガス化室34の内部へ過酸化水素水を間欠的に噴出することにより、ガス化ヒータ53上で過酸化水素水が蒸発した後、過酸化水素水の噴出が所定時間停止すると、その停止時間中にガス化ヒータ53の表面温度が所定の高温に回復する。過酸化水素水を常時連続してガス化室内へ噴出するようにするとガス化ヒータ53の表面温度が低下して過酸化水素水を十分に気化させることができなくなるおそれがあるが、過酸化水素水を間欠的に噴出させるようにした本実施形態によれば、そのようなガス化ヒータ53の温度低下の心配はない。なお、エアー供給系38内に設けたヒータ49によって無菌エアーを予備的に加熱し、さらに殺菌剤供給系37内に設けたヒータ42によって過酸化水素水を予備的に加熱することにより、ガス化ヒータ53による過酸化水素水のガス化を促進できる。
【0029】
図1に戻って、搬送ベルト3によって搬送されるカップ容器7が殺菌剤噴霧ノズル23の下方位置に運ばれてそこに停止すると、図3に示すように、ノズル昇降装置24によって駆動されてノズル23が下方へ降下して、その先端の遮蔽カバー27の周縁張出し部28がカップ容器7のフランジ8の直上位置にセットされる。これにより、カップ容器7の開口26が遮蔽カバー27によってほぼ隙間なく覆われる。この状態で、ノズル23からガス状の過酸化水素水が噴霧されるので、噴霧された過酸化水素水は遮蔽カバー27の働きによって外部へ漏れることなく、カップ容器7の内部へ効率良く供給される。供給されたガス状過酸化水素水はカップ容器7の内部表面に接触してそこに付着する。遮蔽カバー27によってガス状過酸化水素水の外部への漏れが確実に防止されるので、過酸化水素水はカップ容器7の内部表面に均一且つ十分に付着する。このことは、カップ容器7の内部表面の全域がムラ無く均一に殺菌できるということ意味している。
【0030】
以上のようにガス状過酸化水素水がカップ容器7に供給される間、カップ容器7の下方位置に配置されたエアーノズル25から低温空気が放出され、その放出された低温空気によってカップ容器7が底部及び側部の外側から冷却される。このようにして、カップ容器7へのガス状過酸化水素水の供給とそのカップ容器7の冷却とを同時に行うことにより、カップ容器7の内部表面に接触した過酸化水素水は効率良く、しかも均一に凝縮して、カップ容器7の内部表面に十分な量でしかも均一に付着する。
【0031】
内部表面に均一で十分な量の過酸化水素水が付着したカップ容器7は、その後、図1において搬送ベルト3によって搬送されて殺菌剤ガス室17へ送られる。ガス室17の入口17aに設けたシャッタ30は、カップ容器7が到来したときに開いてそのカップ容器7の通過を許容し、そのカップ容器7が通過し終わった後に閉じてガス室17を密封する。ガス室17の上面に設けたガス吐出管54はその下部に複数の小さな通気口を有していて、それらの通気口からガス状の過酸化水素水を連続して吐出しており、その吐出された過酸化水素水がガス室17の内部に充満している。ガス室17の上面に設けたヒータ55は、例えば室内の温度を122℃〜150℃程度に維持して過酸化水素水がガス状態を維持できるようにしている。カップ容器7がガス室17の内部へ送られると、そのガス室17を通過する間にそのカップ容器7の外周側面及びフランジ8の表面に過酸化水素水が十分に付着する。
【0032】
搬送ベルト3の下方には通気口57が設けられ、排気装置58によって空気が引かれるとき、搬送ベルト3のまわりの空気が通気口57を通して下方へ引かれる。これにより、ガス室17の内部のガス状過酸化水素水が隣接する殺菌剤噴霧室16や、乾燥ステージ12へ漏れ出ることを防止する。また、通気口57を通して上下方向へ空気流を形成することにより、ヒータ55から発散する熱がガス室17の上部に滞留することを防止できる。搬送ベルト3の下方位置に設けた液滴受け皿56はガス室17の上部に結露した過酸化水素水の液滴を回収するために用いられる。
【0033】
殺菌剤噴霧室16を通過することによりその内部表面にまんべんなく過酸化水素水が付着し、さらにガス室17を通過することによりその外部表面にまんべんなく過酸化水素水が付着するに至ったカップ容器7は、その後、搬送ベルト3によって搬送されて乾燥ステージ12へ搬送される。このとき、ガス室17の出口17bに設けたシャッタ30はカップ容器7の通過を許容するために、開状態に開かれる。
【0034】
図1において、カップ容器7が乾燥ステージ12内へ入ると、一対のエアー配管59によって高温の乾燥空気が上下両方向からカップ容器7へ吹き付けられ、これにより、そのカップ容器7の内側表面及び外側表面に付着した過酸化水素水が活性化して所期の殺菌効果を発揮してカップ容器7の内外表面全域を殺菌する。また、乾燥空気によってカップ容器7から過酸化水素水が除去される。以上のようにして殺菌処理が終了したカップ容器7は、搬送ベルト3によって内容物充填ステージ13へ運ばれる。内容物充填ステージ13内の充填ノズル63からは、カップ容器7の搬送タイミングに同期したタイミングで内容物、すなわち流状食品が放出され、その放出された内容物がカップ容器7の内部へ収容される。そして内容物を収容したカップ容器7は、次いで、密封ステージ14へ搬送される。
【0035】
密封ステージ14内では、蓋材供給ロール66から繰り出されたシート状の蓋材が殺菌剤バス68内に貯留された液体状の過酸化水素水Hに浸漬されて殺菌され、さらに乾燥装置69を通過する間に乾燥処理を受け、そしてシール/カット装置65とカップ容器7との間まで搬送される。シール/カット装置65は、シート状の蓋材をカップ容器7の開口部の径に合った円形状に打ち抜き、さらに図8に示すようにその打ち抜いた円形状の蓋材9をフランジ8に溶融接着する。こうして内容物入りの製品容器が完成するが、これまでの全ての工程は無菌状態に保持された無菌チャンバ4の内部で行われるので、得られた製品容器も無菌状態である。完成した製品容器は、その後、製品容器取出しステージ15へ運ばれて、容器排出装置72によって搬送ベルト3から取り外され、さらに取出し用開口71を通して外部へ取り出される。
【0036】
以上説明したように、図3に示した第1の実施の形態によれば、遮蔽カバー27によってガス状過酸化水素水の外部への漏れが確実に防止されるので、過酸化水素水はカップ容器7の内部表面に均一且つ十分に付着し、その結果、カップ容器7をムラ無く均一に殺菌できる。特に、本実施の形態では、遮蔽カバー27の外周端縁にリング状の張出し部28を設けたので、カップ容器7の開口26をより確実に隙間無く覆うことが可能になり、その結果、ガス状過酸化水素水をより一層確実にカップ容器7の内部の隅々まで行き渡らせることができる。さらに、本実施の形態では、殺菌剤噴霧ノズル23従って遮蔽カバー27を、カップ容器7から離れる退避位置Tとカップ容器7に近接する噴霧位置Sとの間で移動させるようにしたので、カップ容器7の搬送を阻害することなく、遮蔽カバー27又は張出し部28を可能な限りカップ容器7へ近接、場合によっては接触させることができる。
【0037】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、図8に示すようなカップ容器7を包装の対象とした。これに対し、これから説明する第2の実施形態では、図11に示すような山形形状の頂部77を有する角筒形状の密封容器78や、図12に示すような平らな頂部79を有する角筒形状の密封容器81を包装の対象とする。これらの容器は、まず、ブランク材を折り畳んで容器底部Qを形成し、容器底部Qの反対側の容器開口を通して内容物を容器内部へ充填し、その後、容器頂部を山形形状77や平ら形状79に折り畳んで密封する。
【0038】
これらの容器に関しては、容器底部Qを形成した後、その容器の内部へ内容物を充填する前に、容器の内部を殺菌する必要がある。図13に示す殺菌装置はそのような殺菌処理を行う際に用いられる。この殺菌装置は、角筒状容器78又は81を搬送する搬送ベルト83と、先端に角筒形状の遮蔽カバー87を備えた殺菌剤噴霧ノズル23を有している。殺菌剤噴霧ノズル23は、図示しないノズル昇降装置によって駆動されて、図13に示す退避位置Tと図14に示す噴霧位置Sとの間で昇降移動する。噴霧位置Sまで降下した遮蔽カバー87は、容器開口26を覆うことはもとより、容器の側面をも覆っている。このとき、遮蔽カバー87と容器側面との間には適宜の隙間が形成される。
【0039】
図13において、容器底部Qが形成され、しかし頂部が開口26である角筒容器78,81が搬送ベルト83によって搬送されて殺菌剤噴霧ノズル23の下方位置に停止する。このとき、ノズル23及び遮蔽カバー87は退避位置Tに持ち上げられていて、容器78,81の移動を阻害しない。容器78,81が停止すると、図14に示すように殺菌剤噴霧ノズル23が降下して遮蔽カバー87が容器開口26から容器側面を覆う。この状態で、ノズル23からガス状過酸化水素水が噴霧され、その噴霧されたガス状過酸化水素水が容器78,81の内部へ供給される。
【0040】
遮蔽カバー87は容器開口26の全体を覆っているので噴霧された過酸化水素水は容器78,81の内部の隅々まで行き渡って該部に付着する。一方、遮蔽カバー87は容器側面まで延びていると共に、その遮蔽カバー87と容器側面との間には隙間が形成されるので、ノズル23から噴霧されたガス状過酸化水素水は容器78,81の内部へ向かうと同時に、上記の隙間を通って容器側面の全域に沿って流下して、その側面全域にムラ無く付着する。こうして、容器78,81の内部表面と外部表面の両面が同時に殺菌される。
【0041】
(第3の実施形態)
図15は、包装材料のさらに他の具体例である、円筒状容器82を示している。この円筒状容器82は、その頂部に円形状開口26を有しており、この開口26は蓋片84を容器頂部に接着することによって塞がれている。開口26は、容器82の内部に内容物を充填する際の内容物充填口として用いられると共に、充填された内容物を外部へ取り出す際の内容物取出し口としても用いられる。
【0042】
この種の円筒状容器82に対して殺菌処理を行うときには、図16に示すように、蓋片84が容器頂部に接着されないで開口26が露出した状態で容器82が殺菌剤噴霧ノズル23の下方位置へ搬送される。容器82がノズル23の下方位置で停止すると、ノズル23及びその先端に設けた円筒形状の遮蔽カバー97が降下して、その遮蔽カバー97によって容器頂部及び容器側面が覆われる。この状態でノズル23からガス状過酸化水素水が噴霧され、そして、噴霧されたガス状過酸化水素水は開口26を通して容器82の内部へ送り込まれる。一方、遮蔽カバー97は容器頂部及び容器側面の両方を覆っているので、ガス状過酸化水素水は容器内部へ入ると共に、蓋片84の表裏両面にも確実に付着し、さらに容器側面にも確実に付着する。こうして、容器82の内部表面及び外部表面の全ての面が同時に殺菌される。
【0043】
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はそれらの実施の形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した技術的範囲内で種々に改変できる。例えば、殺菌剤としては、過酸化水素水に限られず、過酢酸や、過酢酸と過酸化水素の混合物などを用いることもできる。また、包装材料は図8、図11、図12及び図15に示した容器に限られず、その他任意の形状の容器を用いることができる。また、包装材料の外側表面に低温空気を吹き付けるためのエアーノズルは、図6に示したような形状のノズルに限られず、その他の任意の構造のノズルを用いることができる。例えば図7に示すように、単なる円筒形状のノズル35を用いてエアーノズルを構成することもできる。
【0044】
また、包装材料に関する冷却方法も、低温空気の吹き付け処理に限られず、低温の冷却水をカップ容器の外側に吹き付けたり、包装材料を冷却水に浸漬させたり、あるいは、包装材料の外観形状に合致した冷却板をその包装材料に接触させる等の方法を採用することもできる。
【0045】
また、本発明に係る殺菌装置を適用できる充填包装装置は、図1に示した構造の装置に限られない。要は、包装材料を搬送するための搬送装置を有すると共に、包装材料の搬送路に沿って殺菌ステージ、内容物充填ステージなどの各種ステージが順を追って設置される構造の充填包装装置で有りさえすれば具体的な構造は任意である。例えば、包装材料の搬送装置を図1に示すような環状ベルトを用いて構成するのではなくて、円盤形状のターンテーブルによって構成することができる。このような装置では、ターンテーブルによって複数の包装材料を水平面内で環状に周回移動させ、その周回移動経路の上方位置に包装材料供給ステージ、殺菌ステージ、乾燥ステージ、内容物充填ステージ、密封ステージ、そして製品容器取出しステージなどの各種ステージをリング状の配置形態で配設する。
【0046】
【発明の効果】
本発明に係る包装材料の殺菌装置によれば、遮蔽カバーによって包装材料の開口を覆うことにより、包装材料の内部へ送り込んだガス状殺菌剤がその開口から外部へ漏れ出ることが防止され、よって、ガス状殺菌剤を包装材料の内部の全面に均一且つ十分に接触させることができる。
【0047】
本発明に係る包装材料の殺菌装置によれば、包装材料の内部へ送り込んだガス状殺菌剤が容器開口を介して外部へ漏れ出ることをより一層確実に防止できる。
【0048】
本発明に係る包装材料の殺菌装置によれば、包装材料の搬送の自由を確保でき、しかも遮蔽カバーをできる限り包装材料に近接させてガス状殺菌剤の漏れを防止できる。
【0049】
本発明に係る包装材料の殺菌装置によれば、包装材料の内部表面と外部表面の両方に同時に殺菌剤を接触させることができる。
【0050】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る殺菌装置を用いた無菌充填包装装置の一例を示す正面断面図である。
【図2】上記無菌充填包装装置の要部、特に包装材料に対する殺菌処理部を拡大して示す断面図である。
【図3】本発明に係る殺菌装置の一実施形態を示す断面図である。
【図4】図1に示した無菌充填包装装置の要部、特に殺菌剤をガス化するための装置の一例を示す断面図である。
【図5】図1に示す無菌充填包装装置に関してその装置の内部全体を殺菌する際の状態を示す断面図である。
【図6】包装材料を冷却するために低温気体を放出するエアーノズルの一例を示す斜視図である。
【図7】包装材料を冷却するために低温気体を放出するエアーノズルの他の一例を示す斜視図である。
【図8】包装材料の一例を示す斜視図である。
【図9】包装材料のための搬送手段の一例を示す斜視図である。
【図10】図1に示す無菌充填包装装置においてその装置の内部を無菌の陽圧状態に保持するための無菌エアーの流れを模式的に示す図である。
【図11】包装材料の他の一例を示す斜視図である。
【図12】包装材料のさらに他の一例を示す斜視図である。
【図13】本発明に係る殺菌装置の他の実施形態を示す断面図である。
【図14】図13の殺菌装置による殺菌処理時の状態を示す断面図である。
【図15】包装材料のさらに他の一例を示す斜視図である。
【図16】本発明に係る殺菌装置のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
3 包装材料搬送ベルト
4 密封チャンバ
5 ベルト基板
6 包装材料支持用の開口
7 カップ容器(包装材料)
8 フランジ
9 蓋材
10 包装材料供給ステージ
11 殺菌ステージ
12 乾燥ステージ
13 内容物充填ステージ
14 密封ステージ
15 製品容器取出しステージ
16 殺菌剤噴霧室
17 殺菌剤ガス室
17a 入口
17b 出口
18 隔壁
19 支軸
21a,21b,21c エアー排気口
23 殺菌剤噴霧ノズル
24 ノズル昇降装置
25 エアーノズル
26 容器開口
27 遮蔽カバー
28 張出し部
29 通気穴
30 シャッター
31 送風管
32 冷却エアー供給源
33 殺菌剤ガス化装置
34 ガス化室
35 エアーノズル
36 2流体ノズル
37 殺菌剤供給系
38 エアー供給系
45 ヒータ
48 エアー除菌フィルタ
49 ヒータ
51 連結管
52 ヒータ
53 ガス化ヒータ
54 ガス吐出管
55 ヒータ
58 排気装置
61 乾燥空気供給源
63 内容物充填ノズル
64 蓋材搬送/殺菌装置
65 シール/カット装置
71 容器取出し用開口
72 容器排出装置
73 無菌エアー導入口
78,81,82 容器(包装材料)
87,97 遮蔽カバー
H 過酸化水素水
Claims (1)
- 加熱により気化したガス状殺菌剤を包装材料の表面に接触させて包装材料を殺菌する包装材料の殺菌装置において、
前記ガス状殺菌剤を前記包装材料へ向けて噴霧する殺菌剤噴霧ノズルと、
その殺菌剤噴霧ノズルの先端に設けられていて前記包装材料の開口を覆う遮蔽カバーと
を有し、
前記遮蔽カバーは、前記包装材料から離れる退避位置と、前記包装材料に近接する噴霧位置との間で移動し、
前記遮蔽カバーは、前記噴霧位置において前記包装材料の開口を覆うと共に該包装材料の側面を隙間を開けて覆い、
前記包装材料の外面に向かって冷却エアを放出するエアーノズルと、
殺菌剤をガス化して前記殺菌剤噴霧ノズルへ供給する殺菌剤ガス化装置とをさらに有し、
該殺菌剤ガス化装置は、
殺菌剤及び無菌エアを放出する2流体ノズルと、
該2流体ノズルから放出される前記殺菌剤が当たる位置に配置されたヒータと、
前記2流体ノズルから前記殺菌剤を間欠的に放出するように制御する制御装置と
を有する
ことを特徴とする包装材料の殺菌装置。
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