JP5515272B2 - フランジ付き広口容器の殺菌方法及び装置 - Google Patents

フランジ付き広口容器の殺菌方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、トレー等のフランジ付き広口容器を殺菌する方法及び装置に関する。
袋に内容物を無菌充填するには、袋に形成する前のフィルム又はフィルムから形成した袋をあらかじめ殺菌処理しておく必要がある。
従来、フィルムの段階で殺菌する方法として、フィルムを走行させながら過酸化水素のミストを吹き付け、その後フィルムに温風を吹き付けて過酸化水素を乾燥させるということが行われている。このフィルムを用いることによって無菌の袋を製造することができる(例えば、特許文献2参照)。また、成形後の袋の殺菌には、ガンマ線、メチレンオキサイドガス等が用いられている。多数の袋を外装袋内に入れて密封したうえで、外装袋外からガンマ線を照射したり、外装袋をメチレンオキサイドガスの充満した部屋に入れたりして外装袋内の袋を殺菌処理している(例えば、特許文献2参照)。
また、カートンに内容物を無菌充填する場合も予めカートンを殺菌する必要がある。
従来、カートンを殺菌する方法として、口の開いたカートンを走行させながら過酸化水素をスプレーノズルによりカートンの内外面に向かって吹き付け、その後カートンに温風を吹き付けて過酸化水素を乾燥させるということが行われている(例えば、特許文献3参照)。
特開2003−118710号公報 特開2001−2029号公報 特開昭63−138931号公報
近年、トレー、カップ等のフランジ付き広口容器に内容物を無菌充填する方法が実用化されている。例えば、殺菌処理したトレーに米飯を充填し、トレーに蓋材を被せてトレーのフランジにヒートシールすることにより、米飯の包装品が製造されている。
このトレー等の広口容器の殺菌には、上述したガンマ線の照射等による殺菌方法を採用することができるが、この方法はバッチ式であるので殺菌処理速度が遅く、内容物の無菌充填の高速化に対処しえないという問題がある。また、広口容器の殺菌工程と内容物充填工程とを連続して行い難いという問題もある。
また、上述したフィルムの殺菌方法、カートンの殺菌方法は殺菌処理を速めることができるが、これらをトレー、カップ等のフランジ付き広口容器に適用することは困難である。フランジ付き広口容器を連続走行させながらそのフランジを含んだ全表面に殺菌剤のミストを均一に付着させるのは難しく殺菌にムラが生じやすい。大量の殺菌剤のミストを広口容器に吹き付けることも考えられるが、殺菌剤の消費量が増大し、また、殺菌剤によって殺菌装置の各部が腐食しやすくなるという問題が生じる。
したがって、本発明は、トレー、カップ等のフランジ付き広口容器の表面を少量の殺菌剤でムラなく適正に高速で殺菌処理することができる方法及び装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
すなわち、請求項1に係る発明は、フランジ付き広口容器(1)の外周から広口容器(1)の底面側に延びるスカート壁(6)で広口容器(1)の胴部(2)の外周を囲い、この広口容器(1)をスカート壁(6)ごとフランジ面と平行な方向に連続走行させながら、広口容器(1)の開口と底面にそれぞれ対向しかつ広口容器(1)の走行方向に交差する方向にそれぞれ伸びるスリット(8,8)から、広口容器(1)に向かって殺菌剤のミスト(b)を吹き付け、この殺菌剤のミスト(b)を広口容器(1)に向かって吹き付ける際は、上記スリット(8,8)の前後で広口容器(1)の開口と底面に夫々平行に延び、かつ、上記殺菌剤のミスト(b)を吹き付ける位置から下流側へと、上記殺菌剤のミスト(b)を吹き付けた広口容器(1)を所定時間保持する位置を通って広口容器(1)に付着した殺菌剤を乾燥させる位置の手前まで延び、殺菌剤が結露しないように加熱された邪魔板(30a,30b,30c,30d)によって、広口容器(1)の走行路を覆っておき、次いで、殺菌剤が付着し、上記邪魔板(30a,30b,30c,30d)外に出た広口容器(1)に対し、上記走行方向に交差する方向にそれぞれ伸びるスリット(7,7)から、広口容器(1)の開口と底面に向かって熱風(a)を吹き付けて広口容器(1)に付着した殺菌剤を乾燥させるフランジ付き広口容器の殺菌方法を採用する。
請求項に記載されるように、請求項1に記載のフランジ付き広口容器の殺菌方法において、広口容器(1)に殺菌剤のミスト(b)を吹き付けた後、広口容器(1)を所定時間保持し、しかる後に熱風(a)を吹き付けるようにしてもよい。
請求項に記載されるように、請求項1に記載のフランジ付き広口容器の殺菌方法において、広口容器(1)に付着した殺菌剤を乾燥させた後、直ちに広口容器(1)を集積するようにしてもよい。
請求項に記載されるように、請求項1に記載のフランジ付き広口容器の殺菌方法において、殺菌剤のミスト(b)を吹き付ける前に広口容器(1)を予備加熱するようにしてもよい。
また、請求項5に係る発明は、フランジ付き広口容器(1)の胴部(2)が嵌り込む嵌入穴(16)を有したリテーナ(10)と、リテーナ(10)における嵌入穴(16)の回りから広口容器(1)の底面側へと延びて広口容器(1)の胴部(2)の外周を囲むスカート壁(6)と、広口容器(1)をフランジ面と平行な方向にリテーナ(10)ごと連続走行させる走行手段(18)と、広口容器(1)の開口と底面にそれぞれ対向しかつ広口容器(1)の走行方向に交差する方向にそれぞれ伸びるスリット(8,8)から、広口容器(1)に向かって殺菌剤のミスト(b)を吹き付けて広口容器(1)の表面を殺菌する殺菌用ノズル(12,12)と、上記スリット(8,8)の前後で広口容器(1)の開口と底面に夫々平行に延び、かつ、上記殺菌剤のミスト(b)を吹き付ける位置から下流側へと、上記殺菌剤のミスト(b)を吹き付けた広口容器(1)を所定時間保持する位置を通って広口容器(1)に付着した殺菌剤を乾燥させる位置の手前まで延びて広口容器(1)の走行路を覆う邪魔板(30a,30b,30c,30d)と、邪魔板(30a,30b,30c,30d)を殺菌剤が結露しないように加熱するヒータと、広口容器(1)の開口と底面にそれぞれ対向しかつ広口容器(1)の搬送方向に交差する方向にそれぞれ伸びるスリット(7,7)から、上記邪魔板(30a,30b,30c,30d)外に出た広口容器(1)に向かって熱風(a)を吹き付けて広口容器(1)に付着した殺菌剤を乾燥させる乾燥用ノズル(13,13)とを具備したフランジ付き広口容器の殺菌装置を採用する。
請求項に記載されるように、請求項6に記載のフランジ付き広口容器の殺菌装置において、リテーナ(10)における広口容器(1)のフランジ(3)に対向する箇所に貫通孔(21)が穿設されたものとすることができる。
請求項に記載されるように、請求項に記載のフランジ付き広口容器の殺菌装置において、広口容器(1)のフランジ(3)に当たってフランジ(3)をリテーナ(10)上に浮上させる突起(22)が、リテーナ(10)における嵌入穴(16)の回りに設けられているものとすることができる。
請求項に記載されるように、請求項に記載のフランジ付き広口容器の殺菌装置において、走行手段が無端走行路(18)を有し、多数のリテーナ(10)が単列又は複数列でこの無端走行路(18)上に設けられているものとすることができる。
請求項に記載されるように、請求項に記載のフランジ付き広口容器の殺菌装置において、殺菌用ノズル(12)よりも上流側に広口容器(1)を予備加熱する予備加熱手段(11)が設けられたものとすることができる。
本発明によれば、トレー、カップ等のフランジ付き広口容器の表面を少量の殺菌剤でムラなく適正に高速で殺菌処理することができる。
以下、本発明の最良の形態について図面に基づいて説明する。
この実施の形態において、内容物を充填するフランジ付き広口容器は、例えばPP(ポリプロピレン)製シートを真空圧空成形することにより作られる。これにより、このフランジ付き広口容器には耐熱性が与えられ、例えば熱い米飯が充填された場合でも変形が防止される。また、後述の殺菌剤として用いられる過酸化水素の残留が防止される。
図7に示すように、このフランジ付き広口容器1はトレー状に形成され、比較的浅い胴部2と、胴部2の開口の回りに設けられるフランジ3とを備える。フランジ3の外周からはリム3aが垂下し、リム3aの所定箇所からは舌状の摘み片3bが外方向に突出する。摘み片3bはフランジ3に接着された後述の蓋材4(図1参照)をフランジ3から使用者が剥し取る際に用いられる。また、胴部2とフランジ3との境界にはスタッキングリブ3cが設けられる。スタッキングリブ3cは多数の広口容器1を積み重ねた際に広口容器同士が強く嵌り合わないようにするためのもので、充填機に供給した場合などにおいて広口容器1の山から広口容器1を一個ずつ確実に取り出しやすくするために設けられる。胴部2、フランジ3、リム3a、摘み片3b、スタッキングリブ3c等は、広口容器1の成形時に一体的に形成される。
上記フランジ付き広口容器1は、図1に示す工程1〜8からなる無菌充填方法で殺菌処理された後、内容物充填処理を経て無菌包装体5とされる。
図1に示すように、この無菌充填方法の開始に際し、広口容器1の外周から広口容器1の底面側に延びるスカート壁6で広口容器1の胴部2の外周を囲い、広口容器1をフランジ面と平行な方向にスカート壁6ごと連続走行させ、その走行中の広口容器1に対して次に述べる工程1〜8を順に実施する。
広口容器1及びスカート壁6は、具体的にはリテーナ10によって保持されつつ走行する。
(1)工程1
図1及び図2に示すように、広口容器1の予備加熱を行う。広口容器1の開口と底面にそれぞれ対向し、かつ広口容器1の走行方向に交差する方向にそれぞれ伸びるスリット7,7から広口容器1に向かって熱風aを吹き付ける。これにより、広口容器1を加熱し、次の工程2の殺菌剤による殺菌効果を高めることができる。この熱風aの流れは後述するように図6に示す通りである。
この予備加熱は必要に応じて設けられるもので省略可能であり、次の工程2から開始することも可能である。
(2)工程2
図1及び図3に示すように、広口容器1の全表面に殺菌剤を付着させて殺菌を行う。広口容器1の開口と底面にそれぞれ対向し、かつ広口容器1の走行方向に交差する方向にそれぞれ伸びるスリット8,8から広口容器1に向かって殺菌剤のミストbを吹き付けて広口容器1の表面を殺菌処理する。殺菌剤としては過酸化水素を用いることができる。過酸化水素のミストbの生成については後述する。
広口容器1の開口側では、胴部2の凹みによりミストbを取り込み、また、広口容器1の底側では、殺菌剤のミストbをスカート壁6が取り込むことから、広口容器1を高速で連続走行させてもミストbは広口容器1の胴部2からフランジ3にかけて全表面に満遍なく行き渡る。これにより、広口容器1の全表面が高速でムラなく殺菌される。
また、殺菌剤のミストbは広口容器1の開口側と底面側から広口容器1を挟むように吹き付けるので、広口容器1は軽いもの、面積の大きいものであっても、走行路から脱落することなく走行する。
図1、図3及び図5に示すように、この殺菌剤のミストbを広口容器1に向かって吹き付ける際は、広口容器1の開口と底面に夫々平行に延びる邪魔板30a,30b,30c,30dによって、広口容器1の走行路が上記スリット8,8の前後において上下から覆われる。
図1及び図5に示すように、スリット8,8の後側における上側の邪魔板30cは、リテーナ10に保持された広口容器1のフランジ3の後側まで覆うように延び、下側の邪魔板30dは、スカート壁6の後側まで覆うように延びている。また、スリット8,8の前側における上下の邪魔板30a,30bは、図1に示すように、次の保持工程(3)を通って乾燥工程(4)の手前まで延びている。
これにより、図5に示すように、上側のスリット8から吐出された殺菌剤のミストbは広口容器1の開口から胴部2内に流入し、フランジ3の上面に接触しながらフランジ3の外側へと流れる。また、このスリット8から吐出された殺菌剤のミストbは、広口容器1がスリット8の直下から次の保持工程(3)を通って乾燥工程(4)の手前に至るまでの間、広口容器1と上側の邪魔板30a,30cとの間に滞留し、広口容器1の胴部2の内面及びフランジ3の上面に薄い均一な皮膜となって付着する。
一方、下側のスリット8から吐出された殺菌剤のミストbは、図5に示すように、広口容器1の底面に沿って流れて広口容器1とスカート壁6との間に流入し、広口容器1の外面に接触する。また、この殺菌剤のミストbは、広口容器1が下側のスリット8の直上から次の保持工程(3)を通って乾燥工程(4)の手前に至るまでの間、広口容器1と下側の邪魔板30b,30dとスカート壁6との間に滞留し、広口容器1の外面に薄い均一な皮膜となって付着する。
なお、スリット8,8の前側における上下の邪魔板30a,30bは後側の邪魔板30c,30dと同程度の長さで設けてもよく、また、スリット8,8の後側における上下の邪魔板30c,30dは後方へより長く延ばすようにしてもよい。
このように、上下のスリット8,8から噴出した殺菌剤のミストbは、図1に示すように、上側の邪魔板30a,30cと広口容器1との間、及び下側の邪魔板30b,30dと広口容器1とスカート壁6との間に充満し、滞留するので、邪魔板30a,30b,30c,30d等の表面で結露しやすくなるが、この結露を防止するために必要に応じて邪魔板30a,30b,30c,30dに電気熱線等で発熱するヒータ31が取り付けられる。ヒータ31で邪魔板30a,30b,30c,30dが加熱されることにより、過酸化水素の結露が防止され、邪魔板30a,30b,30c,30dから広口容器1やその他の部位に向かって過酸化水素が滴下しないように処置される。
(3)工程3
この工程3では、工程2において殺菌剤である過酸化水素のミストbを吹き付けた広口容器1を所定時間保持する。これにより、殺菌剤のミストbが広口容器1の全表面に確実に行き渡り殺菌効果が高められる。
また、広口容器1は上下の邪魔板30a,30b,30c,30dによって挟まれていることから、殺菌剤のミストbは上下の邪魔板30a,30b,30c,30d間で滞留し、その結果、過酸化水素のミストbが広口容器1の全表面に均一な厚さの皮膜となって付着する。
(4)工程4
図1及び図6に示すように、広口容器1の開口と底面にそれぞれ対向し、かつ広口容器1の搬送方向に交差する方向にそれぞれ伸びるスリット7,7から、熱風aを広口容器1に向かって吹き付け、広口容器1に付着した殺菌剤である過酸化水素を乾燥させる。
広口容器1の開口側は胴部2の凹みにより熱風aを取り込み、また、広口容器1の底側では、熱風aをスカート壁6が取り込むので、広口容器1を連続走行させても広口容器1の胴部2からフランジ3にかけて熱風aが広口容器1の全表面にムラなく行き渡る。従って、広口容器1の全表面から過酸化水素が高速でムラなく除去される。
また、熱風aは広口容器1の開口側と底面側から広口容器1を挟むように吹き付けるので、広口容器1が軽いもの、面積の大きいものであっても、走行路から脱落することなく走行可能である。
(5)工程5
図1に示すように、工程4と同様にして、熱風aをスリット7,7から広口容器1に吹き付けて、広口容器1の表面に付着した過酸化水素を乾燥除去する。
(6)工程6
図1に示すように、工程4と同様にして、熱風aをスリット7,7から広口容器1に吹き付けて、広口容器1の表面に付着した過酸化水素を乾燥除去する。
工程4,5,6は必要に応じて増減可能である。工程1〜工程6が殺菌工程に該当し、その実行により広口容器1の表面の殺菌が完了する。
工程6の後、直ちに広口容器1を集積して図示しない外装袋等の中に入れ、無菌状態で保管するようにしてもよい。これにより、例えば内容物の充填装置が離れた箇所に存在した場合であっても多量の広口容器1を速やかに充填装置に供給することが可能である。
また、工程4,5,6のいずれかの後に、洗浄工程を介在させることも可能である。無菌水等の洗浄液を広口容器1に対して吹き掛け、あるいは広口容器1を洗浄液内に浸漬することにより、広口容器1に付着した殺菌剤をより適正に除去することができる。
(7)工程7
図1に示すように、殺菌処理された広口容器1に開口から内容物cを充填する。内容物cとしては、例えば炊飯後の米飯、スープとすることができる。
(8)工程8
広口容器1の開口に蓋材4を被せ、蓋材4を広口容器1のフランジ3に接着する。これにより、広口容器1を使用した無菌包装体5が完成する。
次に、上記工程1〜8を実施するための無菌充填装置について説明する。
図1に示すように、無菌充填装置はその全体を覆う無菌チャンバー9を備える。無菌チャンバー9の前後端には広口容器1の入口9aと、無菌包装体5の出口9bがそれぞれ設けられる。無菌チャンバー9内は予め殺菌剤ミストの供給、紫外線照射等により殺菌される。また、無菌チャンバー9内には無菌エアが常時吹き込まれ、この無菌エアが無菌チャンバー9の入口9aと出口9bから吹き出るようになっており、これにより無菌チャンバー9内の無菌状態が維持される。
無菌充填装置は、フランジ付き広口容器1を保持するリテーナ10、広口容器1の胴部2の外周を取り囲むスカート壁6、リテーナ10を連続走行させる走行手段、予備加熱用ノズル11、殺菌用ノズル12、乾燥用ノズル13、充填部14、蓋材シール部15等を上記無菌チャンバー9内に備える。
リテーナ10は、図4及び図5に示すように構成される。リテーナ10は、平板10aをその主体として備える。平板10aの中央には広口容器1の胴部2が嵌り込む嵌入穴16が形成される。嵌入穴16は、広口容器1のフランジ3の内周よりやや小さく、胴部2の外周よりやや大きくなるように形成される。これにより、広口容器1の胴部2が嵌入穴16に挿入されると、フランジ3が嵌入穴16の周縁の上側に留まり、胴部2が嵌入穴16の周縁から下方に突出する。
リテーナ10は多数用意され、図1に示すように、広口容器1をフランジ面と平行な方向にリテーナ10ごと連続走行させる走行手段に取り付けられる。走行手段は例えばスプロケットホイール17a,17b間に水平に掛け渡される無端チェーン18として構成され、多数のリテーナ10が単列又は複数列でこの無端チェーン18に所定の間隔で取り付けられる。図2は広口容器1を二列で搬送するリテーナ10を示している。
無端チェーン18は図示しない制御部で制御されるモータにより連続走行可能である。このように、無端チェーン18の駆動によりリテーナ10が広口容器1を保持しつつ連続走行するので、広口容器1の殺菌処理、内容物の充填等の高速化が可能になる。
スカート壁6は、図4及び図5に示すように、リテーナ10の平板10aの下面に、嵌入穴16の回りから広口容器1の底面側へと延びるように取り付けられる。これにより、スカート壁6は、リテーナ10に保持された広口容器1の胴部2をその外周から取り囲む。
スカート壁6は、この実施の形態では下方に向かうに連れて末広がりに拡開した四角錐台形に形成されるが、四角錐台形に限らず、円錐台形に形成してもよいし、広口容器1の胴部2における外周の輪郭に倣うように形成してもよい。あるいは、倒四角錐台形、倒円錐台形、傾斜のない四角柱形、一対の対向壁のみ傾斜させ他の一対の対向壁は垂直壁とする等種々変更可能である。
予備加熱用ノズル11は、図1に示すように、広口容器1を保持したリテーナ10の走行路を上下から挟むように対向配置される。
図2に示すように、上側の予備加熱用ノズル11は、リテーナ10の走行路を横断する方向に伸びる箱体11aを有し、この箱体11aの下端に広口容器1の開口に対向しかつ広口容器1の搬送方向に交差する方向に伸びるスリット7を有する。箱体11aは図示例では角筒形として形成されるが、円筒形等他の形状にすることも可能である。
この上側の予備加熱用ノズル11は、箱体11a内に供給された熱風aをスリット7からリテーナ10に保持された広口容器1にその開口側から吹き付けて広口容器1を次の殺菌のために予備加熱する。
また、下側の予備加熱用ノズル11は、広口容器1の底面に対向しかつ広口容器1の搬送方向に交差する方向に伸びるスリット7から、広口容器1に底面側から熱風aを吹き付けて予備加熱するようになっている。下側の予備加熱用ノズル11は、上側の予備加熱用ノズル11とスリット7の開口方向が逆である点を除いてまったく同じ構成である。
この下側の予備加熱用ノズル11から吐出される熱風aはスカート壁6内に取り込まれ、スカート壁6で案内されつつ流れるので、広口容器1の胴部2における外面の全面に接触することになる。従って、広口容器1が連続走行していても胴部2の適正な予備加熱が可能となる。
また、この予備加熱をより効果的に行うため、図4に示すように、リテーナ10の平板10aにおける広口容器1のフランジ3、摘み片3bに対向する箇所には、多数の小さい貫通孔21が穿設される。これにより、広口容器1に底面側から吹き付けられた熱風bは、図5に示す胴部2の外面と嵌入穴16との間の隙間16aに加え、貫通孔21からもフランジ3やスタッキングリブ3cの裏面へと流れ、このフランジ3等の裏面や陰になった部分にも熱風aを接触させて適正に予備加熱をすることができる。
貫通孔21は、円形、楕円形、正方形、長方形、スリット形等、熱風aや後述する殺菌剤のミストbが通過しやすい所望の形状に形成され、また、所望の個数、配列で設けられる。
この予備加熱をさらに効果的に行うため、図4に示すように、リテーナ10の平板10aにおける嵌入穴16の回りの箇所には、広口容器1のフランジ3に当たってフランジ3をリテーナ10の平板10a上に浮上させる突起22が設けられる。この突起22によりフランジ3がリテーナ10の平板10aから離反することで、熱風aがフランジ3の裏面等へさらに円滑に導かれ、フランジ3等の陰になった部分であっても適正に予備加熱される。
上下の予備加熱用ノズル11,11のスリット7,7は広口容器1の走行路方向でずれていてもよいが、望ましくは両者のスリット7,7が広口容器1の走行路を挟んで正対するように配置される。スリット7,7同士を正対させておくことで、広口容器1に上下から同じ風圧を作用させ、リテーナ10からの広口容器1の脱落を防止することができる。
この無菌充填装置は、図2に示すように予備加熱用の熱風aを作るためにブロア23、フィルタ24、加熱器25等を備える。ブロア23からの送風をフィルタ24で除菌し、加熱器25で加熱して熱風aを作り、この熱風aを上下の予備加熱用ノズル11,11の箱体11a,11a内に供給するようになっている。
なお、予備加熱用ノズル11は広口容器1を予備加熱する必要がない場合は省略される。
殺菌用ノズル12は、図1に示すように、広口容器1を保持したリテーナ10の走行路を上下から挟むように対向配置される。
図3に示すように、上側の殺菌用ノズル12は、リテーナ10の走行路を横断する方向に伸びる箱体12aを有し、この箱体12aの下端に広口容器1の開口に対向しかつ広口容器1の搬送方向に交差する方向に伸びるスリット8を有する。箱体12aは図示例では角筒形として形成されるが、円筒形等他の形状にすることも可能である。
また、下側の殺菌用ノズル12は、広口容器1の底面に対向しかつ広口容器1の搬送方向に交差する方向に伸びるスリット8から、広口容器1の底面に向かって殺菌剤のミストbを吹き付けるようになっている。下側の殺菌用ノズル12は、上側の殺菌用ノズル12とスリット8の開口方向が逆である点を除いて同じ構成である。
図1、図3及び図5に示すように、上記上下の殺菌用ノズル12,12の箱体12a,12aには、それらのスリット8,8から吐出される殺菌剤のミストbを広口容器1へと案内する通路を形成する案内板32が各スリット8,8を前後から挟むように連結され、また、案内板32の先端において各スリット8,8の前後で広口容器1の開口と底面に夫々平行に延びて広口容器1の走行路を覆う邪魔板30a,30b,30c,30dが設けられる。
図1及び図5に示すように、スリット8,8よりも前側における上側の邪魔板30cは、リテーナ10に保持されたフランジ3の後側まで覆うように延び、下側の邪魔板30dは、スカート壁6の後側まで覆うように延びる。また、スリット8,8よりも後側における上下の邪魔板30a,30bは、図1に示すように、最初の乾燥用ノズル13の近傍へと延びる。
なお、各邪魔板30a,30b,30c,30dの長さ及び幅は、適宜所望の大きさに変更可能である。
上側の殺菌用ノズル12は、箱体12a内に供給された殺菌剤のミストbをスリット8からリテーナ10に保持された広口容器1に向かって吹き付け、これにより、殺菌剤のミストbが案内板32,32間を図5中矢印方向に広口容器1に向かって流れる。図5に示すように、上側のスリット8から吐出された殺菌剤のミストbは広口容器1の開口から胴部2内に流入し、フランジ3の上面に接触しながらフランジ3の外側へと流れる。また、このスリット8から吐出された殺菌剤のミストbは、広口容器1がスリット8の直下から乾燥用ノズル13の近傍に至るまでの間、広口容器1と上側の邪魔板30aとの間に滞留し、広口容器1の内面及びフランジ3の上面に薄い均一な皮膜となって付着する。
一方、下側の殺菌用ノズル12は、箱体12a内に供給された殺菌剤のミストbをスリット8からリテーナ10に保持された広口容器1に向かって下方から吹き付ける。これにより、殺菌剤のミストbが案内板32,32間を図5中矢印方向に広口容器1に向かって流れる。下側のスリット8から吐出された殺菌剤のミストbは、図5に示すように、広口容器1の底面に沿って流れて広口容器1とスカート壁との間に流入し、広口容器1の外面に接触する。また、この殺菌剤のミストbは、広口容器1がスリット8の直上から最初の乾燥用ノズル13の近傍に至るまでの間、広口容器1と下側の邪魔板30bとスカート壁6との間に滞留し、広口容器1の外面に薄い均一な皮膜となって付着する。
さらに、この下方から広口容器1に向かって吹き付けられる殺菌剤のミストbは、図5中矢印で示すように、広口容器1の胴部2の外面に接触し、胴部2とリテーナ10の嵌入穴16との間の隙間16aからリテーナ10の平板10aの上面へと流れフランジ3、リム3a、スタッキングリブ3c、摘み片3b等の裏面に接触する。これにより、広口容器1のフランジ3の下面、胴部2の外面等広口容器1の下側全面が殺菌される。
図5中矢印で示すように、この下方から広口容器1に向かって吹き付けられる殺菌剤のミストbは、胴部2と嵌入穴16との間の隙間16aに加え、リテーナ10に形成された上記貫通孔21からもフランジ3、リム3a、スタッキングリブ3c、摘み片3b等の裏面へと流れ、このフランジ3等の陰になった部分にもムラなく接触して殺菌する。しかも、広口容器1のフランジ3は上記突起22によりリテーナ10の平板10a上に浮上するので、殺菌剤のミストbは、図5中矢印で示すように、フランジ3等の裏面に円滑に接触し、フランジ3等の陰になった部分をムラなく適正に殺菌する。
上下の殺菌用ノズル12,12のスリット8,8は広口容器1の走行方向でずれていてもよいが、望ましくは両者のスリット8,8が広口容器1の走行路を挟んで正対するように配置される。スリット8,8同士を正対させておくことで、広口容器1に上下から同じ風圧を作用させ、リテーナ10からの広口容器1の脱落を防止することができる。
上下スリット8,8から噴出した殺菌剤のミストbは、図1に示すように、上側の邪魔板30a,30cと広口容器1との間、及び下側の邪魔板30b,30dと広口容器1とスカート壁6との間に充満する。そのため、殺菌剤である過酸化水素は邪魔板30a,30b,30c,30d等の表面で結露しやすくなるが、この結露を防止するために図1及び図5に示すように必要に応じて邪魔板30a,30b,30c,30dや案内板32に電気熱線等で発熱するヒータ31が取り付けられる。ヒータ31で邪魔板30a,30b,30c,30dや案内板32を加熱して殺菌剤である過酸化水素の結露を防止し、広口容器1や無菌充填装置の各部へ過酸化水素が滴下しないようにすることができる。
上記無菌充填装置は、図3に示すような殺菌剤である過酸化水素のミストbを作るためのミスト生成器26を備える。
このミスト生成器26は、殺菌剤である過酸化水素の水溶液を滴状にして供給する二流体スプレーである過酸化水素供給部27と、この過酸化水素供給部27から供給された過酸化水素の噴霧をその沸点以上非分解温度以下に加熱して気化させる気化部28とを備える。過酸化水素供給部27は、過酸化水素供給路27a及び圧縮空気供給路27bからそれぞれ過酸化水素の水溶液と圧縮空気を導入して過酸化水素の水溶液を気化部28内に噴霧するようになっている。気化部28は内外壁間にヒータ28aを挟み込んだパイプであり、パイプ内に吹き込まれた過酸化水素の噴霧を加熱し気化させる。気化した過酸化水素のガスはノズル29から殺菌用ノズル12,12の箱体12a,12a内へと流れ、スリット8,8から広口容器1の上下面に向かって噴出する。気化部28内で気化した過酸化水素は、スリット8,8を出て広口容器1の近傍に至るまでの間に沸点以下の温度まで降下することにより、一部が凝縮し液化する。これにより、過酸化水素の気液混合体である微細なミストbが生成される。この過酸化水素の微細なミストbがスリット8,8から上記予備加熱した広口容器1に吹き付けられ、広口容器1の表面に薄い皮膜となって付着する。広口容器1の表面に付着したミストbは結露し、高濃度の過酸化水素となって、広口容器1の表面を速やかに殺菌する。
乾燥用ノズル13は、図1に示すように、広口容器1を保持したリテーナ10の走行路を上下から挟むように対向配置される。また、乾燥用ノズル13は上記殺菌用ノズル12の位置から所定距離だけ離れた位置に設置される。これにより、殺菌剤のミストbが付着した広口容器1は一定時間そのまま保持され、ミストbが広口容器1の全表面に行き渡った後に、乾燥処理に付されることになる。
乾燥用ノズル13は、図2に示した予備加熱用ノズル11と同様に構成され、また広口容器1の走行路の上下に同様に配置されるので、その詳細な説明は省略する。乾燥用の熱風aの生成は望ましくは上記予備加熱用の熱風aを作るためのブロア23、フィルタ24、加熱器25等が共用され、加熱器25から出る熱風aが予備加熱用ノズル11と乾燥用ノズル13とに分配される。
乾燥用ノズル13は上下一対のみ設けてもよいが、広口容器1に付着した殺菌剤の除去具合に応じて、図1に示すように、広口容器1の走行路に沿って複数対配置される。
上側の乾燥用ノズル13は、箱体13a内に供給された熱風aをスリット7からリテーナ10に保持された広口容器1に向かって吹き付ける。これにより、熱風aが図6中矢印方向に流れて広口容器1のフランジ3の上面、胴部2等の内面に接触し、これらの箇所に付着した殺菌剤である過酸化水素を乾燥させ除去する。
また、下側の乾燥用ノズル13は、箱体13a内に供給された熱風aをスリット7からリテーナ10に保持された広口容器1に向かって下方から吹き付ける。この吹き付けられた熱風aは、図6中矢印で示すように、広口容器1の胴部2の外面に接触し、胴部2とリテーナ10の嵌入穴16との間の隙間16aからリテーナ10の平板10aの上面へと流れフランジ3、リム3a、スタッキングリブ3c、摘み片3b等の裏面に接触する。これにより、広口容器1のフランジ3の下表面、胴部2の外表面等に付着した殺菌剤である過酸化水素が除去される。
この下側の乾燥用ノズル13から吐出される熱風aはスカート壁6内に取り込まれ、スカート壁6で案内されつつ流れるので、広口容器1の胴部2の外面にムラなく接触することになる。従って、広口容器1が連続走行していても胴部2の表面から殺菌剤を適正に除去することが可能となる。
また、熱風aは、図6中矢印で示すように、胴部2と嵌入穴16との間の隙間16aに加え、リテーナ10に形成された上記貫通孔21からもフランジ3、リム3a、スタッキングリブ3c、摘み片3b等の裏面へと流れ、このフランジ3等の陰になった部分にもムラなく接触して殺菌剤を除去する。
さらに、広口容器1のフランジ3は上記突起22によりリテーナ10の平板10a上に浮上するので、熱風aは、図5中矢印で示すように、フランジ3等の裏面にさらに円滑に接触し、フランジ3等の陰になった部分からも殺菌剤を適正に除去する。
上下の乾燥用ノズル13,13のスリット7,7は広口容器1の走行路方向でずれていてもよいが、望ましくは両者のスリット7,7が広口容器1の走行路を挟んで正対するように配置される。スリット7,7同士を正対させておくことで、広口容器1に上下から同じ風圧を作用させ、リテーナ10からの広口容器1の脱落を防止することができる。
充填部14は、図1に示すように、広口容器1の走行路において乾燥用ノズル13よりも下流側に設置される。充填部14は、リテーナ10により運ばれて来た殺菌済みの広口容器1内に例えば炊飯直後の米飯を所定量充填するようになっている。充填部14は公知であるからその詳細な説明は省略する。
蓋材シール部15は、図1に示すように、広口容器1の走行路において充填部14よりも下流側に設置される。蓋材シール部15は、リテーナ10により運ばれて来た充填済みの広口容器1の開口に蓋材4を被せ、この蓋材4の回りを広口容器1のフランジ3にヒートシールするようになっている。この蓋材シール部15は公知であるからその詳細な説明は省略する。
次に、上記構成の無菌充填装置の作用について説明する。
図1に示すように、無菌チャンバー9内にその入口9aから広口容器1を供給してリテーナ10の嵌入穴16内に挿入する。この広口容器1の供給はロボット等の公知の供給装置により行われる。
リテーナ10は無端チェーン18の駆動により、常時所定速度で連続走行し、受け取った広口容器1を予備加熱用ノズル11,11へと送る。
予備加熱用ノズル11,11は、広口容器1の開口と底面に向かってそれぞれ熱風aを吹き付ける。これにより、広口容器1が所定温度まで加熱される。
予備加熱用ノズル11,11は広口容器1の開口側と底面側から広口容器1を挟むように熱風aを吹き付けるので、広口容器1は軽いもの、面積の大きいものであっても、リテーナ10から脱落することなく走行する。
リテーナ10は、この予備加熱された広口容器1を次の殺菌用ノズル12,12へと送る。
殺菌用ノズル12,12は、スリット8,8から広口容器1の開口と底面に向かって殺菌剤のミストbを吹き付ける。
図5に示すように、上側のスリット8から吐出された過酸化水素のミストbは広口容器1の開口から胴部2内に流入し、フランジ3の上面に接触しながらフランジ3の外側へと流れる。このスリット8から吐出された過酸化水素のミストbは、広口容器1がスリット8の直下から乾燥用ノズル13の近傍に至るまでの間、広口容器1と上側の邪魔板30a,30cとの間に滞留し、広口容器1の内面及びフランジ3の上面に薄い均一な皮膜となって付着する。
一方、下側のスリット8から吐出された過酸化水素のミストbは、図5に示すように、広口容器1の底面に沿って流れて広口容器1とスカート壁6との間に流入し、広口容器1の外面に接触する。この過酸化水素のミストbは、広口容器1がスリット8の直上から乾燥用ノズル13の近傍に至るまでの間、広口容器1と下側の邪魔板30b,30dとスカート壁6との間に滞留し、広口容器1の外面に薄い均一な皮膜となって付着する。
また、下側からの過酸化水素のミストbは、図5中矢印で示すように、胴部2と嵌入穴16との間の隙間16aに加え、リテーナ10に形成された貫通孔21からもフランジ3、リム3a、スタッキングリブ3c、摘み片3b等の裏面へと流れ、このフランジ3等の陰になった部分にもムラなく接触して殺菌する。
さらに、広口容器1のフランジ3は突起22によりリテーナ10の平板10a上に浮上する。このため、殺菌剤のミストbは、図5中矢印で示すように、フランジ3等の裏面にムラなく接触し、フランジ3等の陰になった部分を適正に殺菌する。
リテーナ10は、過酸化水素が塗布された広口容器1を保持しつつ走行し、過酸化水素による殺菌効果が高まるのを待って広口容器1を次の乾燥用ノズル13へと送る。
乾燥用ノズル13,13は、スリット7,7から広口容器1の開口と底面に向かって熱風aを吹き付けて広口容器1の表面を加熱しこの表面に付着した過酸化水素を乾燥させる。
リテーナ10に取り付けられたスカート壁6は、下側の乾燥用ノズル13から吐出された熱風aを取り込み、広口容器1の方へと案内する。これにより、広口容器1を高速で連続走行させても熱風aは広口容器1の胴部2からフランジ3にかけて満遍なく行き渡る。
また、熱風aは、図6中矢印で示すように、胴部2と嵌入穴16との間の隙間16aに加え、リテーナ10に形成された貫通孔21からもフランジ3、リム3a、スタッキングリブ3c、摘み片3b等の裏面へと流れ、このフランジ3等の陰部分にもムラなく接触して加熱する。
さらに、広口容器1のフランジ3は突起22によりリテーナ10の平板10a上に浮上する。このため、熱風aは、図6中矢印で示すように、フランジ3等の裏面にムラなく接触し、フランジ3等の陰になった部分も適正に加熱する。
この熱風aの吹き付けは、多段階にわたって行われ、広口容器1の表面から過酸化水素が残留しないように除去される。
広口容器1の走行中、熱風aは広口容器1の開口側と底面側から広口容器1を挟むように吹き付けるので、広口容器1が軽いもの、面積の大きいものであっても、リテーナ10からの脱落が防止される。
リテーナ10は、殺菌され過酸化水素が除去された広口容器1を保持しつつ走行し、広口容器1を次の充填部14へと送る。充填部14は、連続走行する広口容器1に開口から米飯等の内容物cを定量充填する。
リテーナ10は、内容物cが充填された広口容器1を保持しつつ走行し、広口容器1を次の蓋材シール部15へと送る。蓋材シール部15は広口容器1の開口に蓋材4を被せ、蓋材4を広口容器1のフランジ3に接着し密封する。これにより、無菌包装体5が完成する。
無菌チャンバー9の出口9bには図示しないがロボット等の公知の取出装置が設けられ、この取出装置が無菌包装体5をリテーナ10から抜き取り、無菌チャンバー9外に取り出す。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態では殺菌対象をトレー状の広口容器としたが、カップ状の広口容器等、他の形状の容器についても適用可能であり、ポリプロピレン以外の材料で形成した広口容器についても適用可能である。また、上記実施の形態では殺菌剤として過酸化水素を使用したが、これに代えて他の殺菌剤を使用することも可能である。また、突起や貫通孔を省略したリテーナを用いることも可能である。また、本発明は広口容器やリテーナを間欠走行させる場合だけでなく、連続走行させる場合についても適用可能である。
<実験例>
図7(A)(B)に示す形状であって、胴部の開口を150mm×108mm、高さを30mm、フランジ幅を10mmとした広口容器を多数用意し、枯草菌芽胞を塗布したBI(biological indicator)を各広口容器の内面である胴部の上中下の各所に貼着した。また、広口容器の外面であるフランジ裏、スタッキングリブ、胴部下にそれぞれ貼着した。
過酸化水素のミストを吐出する殺菌用ノズルのスリットは、長さ350mm、巾1mmとした。邪魔板は広口容器の内面側すなわち上側においてそれぞれノズルの前後に50mmずつ突出させ、広口容器の外面側すなわち下側においてそれぞれノズルの前後に85mmずつ突出させた。
リテーナは図4に示したものを用いた。
過酸化水素のミスト生成器は、図3に示したものを広口容器の上側ノズルと下側ノズルとに夫々用意し、上側ノズル用のミスト生成器では噴霧エア量を0.1m3/min、気化温度を280℃とし、下側ノズル用のミスト生成器では噴霧エア量を0.25m3/min、気化温度を280℃とし、過酸化水素の供給量は下表1〜4の通り種々変更してミストを生成した。
熱風を吐出する乾燥用ノズルのスリットは殺菌用ノズルのものと同じとし、広口容器の内面側に吹き付ける熱風は180℃、0.8m3/minとし、外面側に吹き付ける熱風は180℃、0.4m3/minとした。
邪魔板を装備した殺菌装置と邪魔板の無い従来の殺菌装置とを用いて、上記広口容器について図1(2)〜(6)の各処理を行った。その後、広口容器にトリプトソイブイヨン培地を無菌的に分注し、培養、殺菌性の有無を評価した。各殺菌条件における試験結果から確率論的に最確数(MPN:most probable number)で生残菌数を算出し、付着菌数と生残菌数との対数値を次の式により求めて殺菌効果を評価した。
殺菌効果(LRV((Logarithmic reduction value))=log(付着菌数/生残菌数)
殺菌効果は次の表1〜表4に示す通りである。
表1,2は広口容器の内面すなわち上側についての殺菌効果を示し、表1は邪魔板の無い従来の殺菌装置を用いた場合の殺菌効果を示し、表2は邪魔板の備わった殺菌装置を用いた場合の殺菌効果を示す。また、表3,4は広口容器の外面すなわち下側についての殺菌効果を示し、表3は邪魔板の無い従来の殺菌装置を用いた場合の殺菌効果を示し、表4は邪魔板の備わった殺菌装置を用いた場合の殺菌効果を示す。
表1〜4中、例えば0/5、4/5は(菌が発生した陽性の広口容器の個数)/(広口容器の全個数)を表し、カッコ内の例えば6、5.2は殺菌効果を表す。
Figure 0005515272
Figure 0005515272
Figure 0005515272
Figure 0005515272
表1と表2の対比から明らかなように、広口容器の内面についてすべての箇所において6Dの殺菌効果を得るためには、従来の殺菌方法及び装置によれば過酸化水素の供給量が16g/min以上必要であったが、本発明によれば、10g/minで十分な殺菌効果を得ることができ、過酸化水素の供給量を低減することができた。
また、表3と表4の対比から明らかなように、広口容器の外面についてすべての箇所において6Dの殺菌効果を得るためには、従来の殺菌方法及び装置によれば過酸化水素の供給量が20g/min以上必要であったが、本発明によれば、16g/min程度で十分な殺菌効果を得ることができ、過酸化水素の供給量を低減することができた。
本発明に係るフランジ付き広口容器の殺菌装置を示す垂直断面図である。 図1中、工程1を示す斜視図である。 図1中、工程2を示す斜視図である。 リテーナを示す斜視図である。 図3中、V−V線矢視断面図である。 図1中、工程4〜6の各々を示す断面図である。 フランジ付き広口容器の一例を示し、(A)(B)はそれぞれ開口側と底面側から見た斜視図である。
符号の説明
1…広口容器
2…胴部
3…フランジ
6…スカート壁
7…スリット
8…スリット
10…リテーナ
11…予備加熱用ノズル
12…殺菌用ノズル
13…乾燥用ノズル
16…嵌入穴
18…無端チェーン
21…貫通孔
22…突起
30a,30b,30c,30d…邪魔板
31…ヒータ
a…熱風
b…ミスト

Claims (9)

  1. フランジ付き広口容器の外周から広口容器の底面側に延びるスカート壁で広口容器の胴部の外周を囲い、この広口容器をスカート壁ごとフランジ面と平行な方向に連続走行させながら、広口容器の開口と底面にそれぞれ対向しかつ広口容器の走行方向に交差する方向にそれぞれ伸びるスリットから、広口容器に向かって殺菌剤のミストを吹き付け、この殺菌剤のミストを広口容器に向かって吹き付ける際は、上記スリットの前後で広口容器の開口と底面に夫々平行に延び、かつ、上記殺菌剤のミストを吹き付ける位置から下流側へと、上記殺菌剤のミストを吹き付けた広口容器を所定時間保持する位置を通って広口容器に付着した殺菌剤を乾燥させる位置の手前まで延び、殺菌剤が結露しないように加熱された邪魔板によって、広口容器の走行路を覆っておき、次いで、殺菌剤が付着し、上記邪魔板外に出た広口容器に対し、上記走行方向に交差する方向にそれぞれ伸びるスリットから、広口容器の開口と底面に向かって熱風を吹き付けて広口容器に付着した殺菌剤を乾燥させることを特徴とするフランジ付き広口容器の殺菌方法。
  2. 請求項1に記載のフランジ付き広口容器の殺菌方法において、広口容器に殺菌剤のミストを吹き付けた後、広口容器を所定時間保持し、しかる後に熱風を吹き付けることを特徴とするフランジ付き広口容器の殺菌方法。
  3. 請求項1に記載のフランジ付き広口容器の殺菌方法において、広口容器に付着した殺菌剤を乾燥させた後、直ちに広口容器を集積することを特徴とするフランジ付き広口容器の殺菌方法。
  4. 請求項1に記載のフランジ付き広口容器の殺菌方法において、殺菌剤のミストを吹き付ける前に広口容器を予備加熱することを特徴とするフランジ付き広口容器の殺菌方法。
  5. フランジ付き広口容器の胴部が嵌り込む嵌入穴を有したリテーナと、リテーナにおける嵌入穴の回りから広口容器の底面側へと延びて広口容器の胴部の外周を囲むスカート壁と、広口容器をフランジ面と平行な方向にリテーナごと連続走行させる走行手段と、広口容器の開口と底面にそれぞれ対向しかつ広口容器の走行方向に交差する方向にそれぞれ伸びるスリットから、広口容器に向かって殺菌剤のミストを吹き付けて広口容器の表面を殺菌する殺菌用ノズルと、上記スリットの前後で広口容器の開口と底面に夫々平行に延び、かつ、上記殺菌剤のミストを吹き付ける位置から下流側へと、上記殺菌剤のミストを吹き付けた広口容器を所定時間保持する位置を通って広口容器に付着した殺菌剤を乾燥させる位置の手前まで延びて広口容器の走行路を覆う邪魔板と、邪魔板を殺菌剤が結露しないように加熱するヒータと、広口容器の開口と底面にそれぞれ対向しかつ広口容器の搬送方向に交差する方向にそれぞれ伸びるスリットから、上記邪魔板外に出た広口容器に向かって熱風を吹き付けて広口容器に付着した殺菌剤を乾燥させる乾燥用ノズルとを具備したことを特徴とするフランジ付き広口容器の殺菌装置。
  6. 請求項5に記載のフランジ付き広口容器の殺菌装置において、リテーナにおける広口容器のフランジに対向する箇所に貫通孔が穿設されたことを特徴とするフランジ付き広口容器の殺菌装置。
  7. 請求項5に記載のフランジ付き広口容器の殺菌装置において、広口容器のフランジに当たってフランジをリテーナ上に浮上させる突起が、リテーナにおける嵌入穴の回りに設けられていることを特徴とするフランジ付き広口容器の殺菌装置。
  8. 請求項5に記載のフランジ付き広口容器の殺菌装置において、走行手段が無端走行路を有し、多数のリテーナが単列又は複数列でこの無端走行路上に設けられていることを特徴とするフランジ付き広口容器の殺菌装置。
  9. 請求項5に記載のフランジ付き広口容器の殺菌装置において、殺菌用ノズルよりも上流側に広口容器を予備加熱する予備加熱手段が設けられたことを特徴とするフランジ付き広口容器の殺菌装置。
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