JP2010231103A - 帯電部材、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材と、基材上に設けられ、被帯電体に接触する、表面粗さRzが2μm以上20μm以下であり、且つ、(A)樹脂及び(B)前記表面粗さを形成するための導電性粒子を含有する導電性最外層32とを少なくとも備え、電圧が印加された状態で被帯電体に接触することにより、被帯電体を帯電させる帯電部材121。
【選択図】図1
Description
接触帯電方式の帯電装置には、像保持体表面と直接接触し、像保持体表面の動きに合わせて従動回転して像保持体を帯電させる帯電部材が備えられている。
この帯電部材により、像保持体の帯電が行われる際には、像保持体上のトナーやトナーの外添剤がこの帯電部材に付着することが多く、こうした付着物により帯電部材の表面の抵抗(表面抵抗)にばらつきが生じて帯電性能が不安定化することがある。このため、トナーやトナーの外添剤の付着防止のために、帯電部材の最外層に特定の材料を用いる技術が提案されている(例えば、特許文献1から4参照。)。
請求項1に係る発明は、
基材と、該基材上に設けられ、被帯電体に接触する、表面粗さRzが2μm以上20μm以下であり、且つ、(A)樹脂及び(B)前記表面粗さを形成するための導電性粒子を含有する導電性最外層とを少なくとも備え、電圧が印加された状態で前記被帯電体に接触することにより前記被帯電体を帯電させる帯電部材である。
前記導電性最外層が、さらに、(C)前記(B)特定導電性粒子よりも平均粒子径の小さい導電性粒子を含有する請求項1に記載の帯電部材である。
請求項3に係る発明は、
前記(B)特定導電性粒子の円形度が0.8以上1.0以下である請求項1又は請求項2に記載の帯電部材である。
前記(A)樹脂がポリアミド樹脂を含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の帯電部材である。
請求項5に係る発明は、
前記ポリアミド樹脂がメトキシメチル化ナイロンである請求項4に記載の帯電部材である。
像保持体と、該像保持体に接触する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の帯電部材とを少なくとも備えるプロセスカートリッジである。
請求項7に係る発明は、
像保持体と、前記像保持体と接するように配設される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の帯電部材と、前記像保持体と前記帯電部材との接触面の法線方向に前記帯電部材を前記像保持体へ押付ける力が働くように前記帯電ロールを圧接するための押圧部材と、帯電した前記像保持体に静電潜像形成するための露光装置と、前記像保持体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像装置と、前記トナー像を被転写体に転写する転写装置と、を備える画像形成装置である。
請求項2に記載の発明によれば、本実施形態の導電性最外層が小粒径の導電性粒子を含有しない場合に比較して、より長期間にわたり、被帯電体にばらつきのない帯電を付与しうる帯電部材が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、円形度を考慮しない場合に比較して、長期間にわたり、被帯電体にばらつきのない帯電を付与しうる帯電部材が提供される。
請求項7に記載の発明によれば、本実施形態の構成を有しない場合に比較して、長期間にわたり、被帯電体にばらつきのない帯電を付与しうる帯電部材を備える画像形成装置が提供される。
本実施形態の帯電部材は、基材と、該基材上に設けられ、被帯電体に接触する、表面粗さRzが2μm以上20μm以下であり、且つ、(A)樹脂及び(B)前記表面粗さを形成するための導電性粒子を含有する導電性最外層とを少なくとも備え、電圧が印加された状態で前記被帯電体に接触することにより前記被帯電体を帯電させることを特徴とする。なお、本実施形態において「導電性最外層」とは、導電性及び半導電性の特性を有する最外層を包含するものとする。
(帯電部材)
図1は、本実施形態に係る帯電部材を示す概略斜視図である。図2は、本実施形態に係る帯電部材の概略断面図である。なお、図2は、図1のA−A断面図である。
なお、ここでは、ロール部材の形態を例に挙げるが、帯電部材の形状としては、特に限定されるものではないが、ロール状、ブラシ状、ベルト(チューブ)状、ブレード状等の形状を挙げられる。これらのなかでも、本実施形態において説明するロール状部材が好ましく、則ち、いわゆる帯電ロールの形態をとるものが好ましい。
なお、本明細書において導電性とは、20℃における体積抵抗率が1×10Ωcm未満であることを意味する。また、本明細書において半導電性とは、20℃における体積抵抗率が1×10Ωcm以上1×1010Ωcm以下であることを意味する。
本実施形態における基材は、帯電ロールの電極及び支持部材として機能するものであり、例えば、その材質としては鉄(快削鋼等),銅,真鍮,ステンレス,アルミニウム,ニッケル等の金属が挙げられる。本実施形態においては、シャフト30は、導電性の棒状部材であり、シャフト30としては、外周面にメッキ処理を施した部材(例えば樹脂や、セラミック部材)、導電剤が分散された部材(例えば樹脂や、セラミック部材)等も挙げられる。シャフト30は、中空状の部材(筒状部材)であってもよし、非中空状の部材であってもよい。
これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これら導電剤の粒子径としては、1nm以上200nm以下であることが好ましい。なお、平均粒子径は、以下の方法で測定される。
導電剤を電子顕微鏡で観察し、導電剤の100個の直径を測定し、その平均をとることで平均粒子径とした。本明細書では、この方法により測定した値を用いている。
また、粒子径は、例えば、シスメックス社製ゼータサイザーナノZSを用いて測定してもよい。
本実施形態における導電性最外層32(本実施形態の帯電部材)は、基材と、該基材上に設けられ、被帯電体に接触する、表面粗さRzが2μm以上20μm以下であり、且つ、(A)樹脂と、導電性最外層32の表面(帯電部材121外周面)に凹凸(前記特定の表面粗さ)を付与するための(B)特定導電性粒子を含有し、必要に応じて、(C)前記(B)特定導電性粒子よりも平均粒子径の小さい導電性粒子、粒子、その他添加剤等を含んで構成される。
樹脂としては、最外層を構成する樹脂皮膜を形成しうる樹脂が選択される。
前記最外層を構成する樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂が好ましく挙げられる。
また、共重合ナイロン(アミランCM8000:東レ社製)も好ましく挙げられ、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、の内のいずれか1種又は複数種を重合単位として含むものであって、この共重合体に含まれる他の重合単位としては、6ナイロン、66ナイロン等が挙げられる。また、樹脂としては、上記導電性弾性層31に配合される弾性材料を適用してもよい。
これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよいが、効果の観点からは、樹脂の主成分としてポリアミド樹脂を含有することが好ましい。
ポリアミド樹脂はトナー及び外添剤の付着性がよく、また、被帯電体との接触による摩擦帯電をおこして被帯電部材をプラスに帯電させるといった事態を生じ難く、このため、帯電部材に対するトナーや外添剤の付着が抑制される。
本実施形態に使用しうるポリアミド樹脂については、特に制限は無いが、ポリアミド樹脂ハンドブック,福本修,8400,(日刊工業新聞社)に記述のポリアミド樹脂はいずれも使用することができ、なかでも、アルコール可溶性ポリアミドが好ましい。
アルコール可溶性ポリアミドとしては、N−アルコキシメチル化ポリアミドが好ましく、さらにはN−メトキシメチル化ポリアミド(N−メトキシメチル化ナイロン:トレジン:ナガセケムテックス社製)が好ましい。
また、ポリエステル樹脂としては、酸由来構成成分と、アルコール由来構成成分とを含むポリエステル樹脂が用いられ、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。
前記ポリエステル樹脂は、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成されるものである。本明細書において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
以下、ポリエステル樹脂の合成に用いうる各成分について述べる。
前記酸由来構成成分は、脂肪族ジカルボン酸が望ましく特に直鎖型のカルボン酸が望ましい。例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、この限りではない。
前記酸由来構成成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸由来構成成分のほか、2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分等の構成成分が含まれているのが好ましい。
なお、前記2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分には、2重結合を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、2重結合を持つジカルボン酸の低級アルキルエステル又は酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。また、前記スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分には、スルホン酸基を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、スルホン酸基を持つジカルボン酸の低級アルキルエステル又は酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。
前記2重結合を持つジカルボン酸はとしてジカルボン酸が好ましく、ジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、フマル酸、マレイン酸等が好ましい。
アルコール構成成分としては、例えば、エチレングリコール、1、3−プロパンジオール、1、4−ブタンジオール、1、5ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、1、7−ヘプタンジオール、1、8−オクタンジオール、1、9−ノナンジオール、1、10−デカンジオール、1、11−ドデカンジオール、1、12−ウンデカンジオール、1、13−トリデカンジオール、1、14−テトラデカンジオール、1、18−オクタデカンジオール、1、20−エイコサンジオール、などが挙げられるが、この限りではない。
必要に応じて含まれるその他の成分としては、2重結合を持つジオール由来構成成分、スルホン酸基を持つジオール由来構成成分等の構成成分である。
前記2重結合を持つジオールとしては、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオール等が挙げられる。
前記スルホン酸基を持つジオールとしては、1,4−ジヒドロキシ−2−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、1,3−ジヒドロキシメチル−5−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、2−スルホ−1,4−ブタンジオールナトリウム塩等が挙げられる。
本実施形態において樹脂として使用しうるポリエステル樹脂は、上記酸由来構成成分とアルコール由来構成成分とを用いて常法により合成されるものである。
これらの中でも、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂が好ましく、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂がさらに好ましく、ビスフェノール型エポキシ樹脂が特に好ましい。
前記表面粗さRzを形成するために、導電性最外層には、(B)前記表面粗さを形成するための導電性粒子(以下、適宜、(B)特定導電性粒子と称する)を含有する。則ち、(B)特定導電性粒子を(A)樹脂中に含有させて最外層を形成することで、最外層の表面には、(B)特定導電性粒子の粒子径に沿った表面凹凸が形成される。この凹凸により、被帯電体との接触が好適に行われ、且つ、凹凸を形成する(B)粒子自体が導電性を有することから、粒子に起因する帯電のばらつが効果的に抑制される。
(B)特定導電性粒子を構成する素材としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、フェノール樹脂を焼結して得られる炭素粒子、金属粒子、金属酸化物粒子が挙げられ、これらは何れも本実施形態に使用される。
(B)特定導電性粒子における導電性とは、体積抵抗率が10Ωcm未満であることを意味し、該体積抵抗率の上記材料から適宜選択される。
(B)特定導電性粒子において、金属粒子、金属酸化物粒子は比重が重いため、帯電部材表面へ塗布する際に沈降などによる表面の不均一化のおそれがあるため、比重が2g/cm3以下の素材、好ましくは、比重 0.1g/cm3以上 2g/cm3以下の材料により形成される粒子であることが好ましい。このような比重の導電性粒子としては、例えば、フェノール樹脂粒子を焼成したアモルファスカーボンの微粒子(ユニチカ製 ユニベックスGCP)、炭素及び黒鉛質の球状微粒子(日本カーボン製ニカビーズICB、ニカビーズMC、ニカビーズPC)が挙げられる。
(形状)
本実施形態に係る(B)特定導電性粒子の平均円形度は0.8以上1.0以下であることが好ましい。
平均円形度は、シスメックス社製フロー式粒子像分析装置FPIA−3000を用いて測定した。
円形度は下記の式で求められる。
円形度=粒子投影面積と等しい円の周囲長/粒子周囲長=[2×(Aπ) 1/2]/PM
(上式においてAは投影面積、PMは周囲長を表す。)
粒子5000個分の円形度の平均を平均円形度とした。
上記円形度に示すように、(B)特定導電性粒子は球状、あるいは、それに近似した形状を有することが好ましい。前記形状を有することにより、角がある不定形の粒子形状に比較して、(B)特定導電性粒子表面に存在する(A)樹脂の厚みのばらつきが抑制され、これにより被帯電体に対してばらつきのない帯電が付与されることになる。
本実施形態に係る(B)特定導電性粒子の体積平均粒子径は、2μm以上20μm以下であることが好ましく、3μm以上15μm以下であることがより好ましく、3μm以上12μm以下であることがさらに好ましい。
このような平均形状係数及び体積平均粒子径を満たす(B)特定導電性粒子を用いることにより、上記表面粗さが達成され、得られる帯電部材は、トナーや外添剤の付着に起因する汚染の発生が抑制され、ばらつきのない帯電を長期にわたって付与しうるものとなる。
本実施形態に係る導電性最外層の導電性向上の観点から、最外層には、(C)前記(B)特定導電性粒子よりも平均粒子径の小さい導電性粒子(以下、適宜、(C)導電剤と称する)を含有することが好ましい。(C)導電剤としては、前記導電性弾性層において用いた導電剤を同様に用いられる。(C)導電剤の好ましい粒子径は前述の通りである。
また、その他添加剤としては、例えば、導電剤、軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、酸化防止剤、界面活性剤、カップリング剤等の通常表面層に添加され得る材料が挙げられる。
導電性最外層中の各成分の含有量としては、(A)樹脂が20質量%以上 99質量%以下、好ましくは、10質量%以上95%以下であり、(B)特定導電性粒子が1質量%以上50質量%以下、好ましくは、3質量%以上45質量%以下であり、さらに所望により加えられる(C)導電剤が1質量%以上50質量%以下、好ましくは、1質量%以上30質量%以下である。
層の厚みや(B)特定導電性粒子の分散状態のばらつきを抑制する観点から、塗布液組成物中の固形分濃度は5質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
導電性最外層塗布液組成物層の形成方法としては、基材上にディップ法、スプレー法、真空蒸着法、プラズマコーティング法等で形成する方法のいずれを用いてもよいが、製造工程の簡易性の点では浸漬法が有利である。
形成された塗布液層の乾燥条件は、用いる樹脂や触媒の種類、量に応じて決定されるが、乾燥温度としては40℃以上200℃以下であることが好ましく、50℃以上 180 ℃以下であることがより好ましい。乾燥時間は、5分以上 5時間以下であることが好ましく、10分以上3時間以下であることがより好ましい。
乾燥手段としては、熱風乾燥などが挙げられる。
本実施形態に係る導電性最外層の硬化を促進するために、触媒を使用してもよい。硬化触媒として酸系の触媒を好ましく用いられる。
酸系の触媒としては、酢酸、クロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、乳酸などの脂肪族カルボン酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸などの芳香族カルボン酸、メタンスルホン酸、ドデシルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、などの脂肪族、および芳香族スルホン酸類などが用いられるが、含硫黄系材料を用いることが好ましい。
有機スルホン酸及び/又はその誘導体としては、例えば、パラトルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸(DNNSA)、ジノニルナフタレンジスルホン酸(DNNDSA)、ドデシルベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸等が挙げられる。これらの中でも、触媒能、成膜性の観点から、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸が好ましい。また、導電性最外層形成用塗布液組成物中で、ある程度解離可能であれば、有機スルホン酸塩を用いてもよい。
熱潜在性触媒として、たとえば、有機スルホン化合物等をポリマーで被覆して粒子状に成形したマイクロカプセル、ゼオライト等の空孔化合物に酸等を吸着させたもの、プロトン酸及び/又はプロトン酸誘導体を塩基でブロックした熱潜在性プロトン酸触媒や、プロトン酸及び/又はプロトン酸誘導体を一級もしくは二級のアルコールでエステル化したもの、プロトン酸及び/又はプロトン酸誘導体をビニルエーテル類及び/又はビニルチオエーテル類でブロックしたもの、三フッ化ホウ素のモノエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素のピリジン錯体などがあげられる。
中でも、触媒能、保管安定性、入手性、コストの面でプロトン酸及び/又はプロトン酸誘導体を塩基でブロックしたものが好ましい。
アミン類として、1級、2級又は3級アミンに分類される。特に制限はなく、本発明ではいずれを使用してもよい。
2級アミンとして、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジn−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジt−ブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、N−イソプロピルN−イソブチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジセカンダリーブチルアミン、ジアリルアミン、N−メチルヘキシルアミン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、モルホリン、N−メチルベンジルアミン等が挙げられる。
これらの熱潜在性触媒は単独又は二種類以上組み合わせて使用してもよい。
熱潜在性触媒の配合量は樹脂溶液中の固形分100部に対して、0.01質量%以上20質量%以下であることが好ましく、特に0.1質量%以上10質量%以下が適している。20質量%を超える添加量であると、焼成処理後に異物となって析出することがあり、0.01質量%以下では触媒活性が低くなる。
本実施形態におけるゲル分率の測定は、JIS K6796に準じて行われる。
具体的には、導電性最外層材料を溶剤に溶解して得られた導電性最外層形成用塗布液組成物をアルミ板にバーコータで塗布し、塗布液の厚さが100ミクロンの膜を作製する。これを十分に乾燥したのち、塗布液に含まれる樹脂及び触媒の種類に応じた硬化温度および硬化時間で加熱硬化する。室温(25℃)まで冷却後、作製した導電性最外層の重量を測定し、これを溶剤抽出前の材料の重量とした。
次に、この導電性最外層を、塗布液を調製するのに用いた溶剤中に24時間浸漬したのち、溶剤をろ過し、残留した導電性最外層樹脂フイルム物を十分にろ過し、重量を測定する。この重量を抽出後の重量とする。
以下の式に従って、架橋度を算出する。
(式) ゲル分率=100×(抽出後の重量)/(溶剤抽出前の重量)
算出した架橋度が50%以上となっていると導電性最外層中のポリマーの架橋密度が向上しており、耐クラック性が良好な膜であると判断される。
測定サンプルは、帯電部材から最外層部分だけを切り出して測定してもよい。
上記方法により、基材上に、導電性最外層を有する本実施形態の帯電部材を得る。
以下、本実施形態に係る帯電装置について説明する。図3は、本実施形態に係る帯電装置の概略斜視図である。本実施形態に係る帯電装置は、帯電部材として、上記本実施形態に係る帯電部材を適用した形態である。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を備える。そして、帯電手段(帯電装置)として、上記本実施形態に係る帯電装置を適用する。
先ず、ホーニング処理を施した外径Φ84mmの円筒状アルミニウム基材を準備した。次に、ジルコニウム化合物(商品名:オルガチックスZC540、マツモト製薬社製)を100質量部、シラン化合物(商品名:A1100、日本ユニカー社製)を10質量部、イソプロパノールを400質量部、及びブタノールを200質量部を混合し、下引層形成用塗布液を得た。
この塗布液をアルミニウム基材上に浸漬塗布し、150℃で10分間加熱乾燥し、0.1μmの下引層を形成した。
この塗布液を下引層上に浸漬塗布し100℃で10分間加熱乾燥し、膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
レゾール型フェノール樹脂(PL−2211、群栄化学製)を7質量部、及びメチルフェニルポリシロキサン0.03質量部を準備した。これをイソプロパノール15部及びメチルエチルケトン5質量部に溶解させ、保護層形成用塗布液を得た。
この塗布液を浸漬コーティング法で感光体1上に塗布し、130℃で40分乾燥させ、膜厚3μmの保護層を形成した。得られた感光体を「感光体2」とした。
イノアックコーポレーション製ポリウレタンEP70を20mm×20mm×250mmの大きさにカットし、帯電部材用クリーニングパッドaとした。
さらに、該クリーニングパッドaにSUS303により形成された外径φ5mm、長さ230mmの芯材を挿入し、ホットメルト接着剤で芯材とウレタンフォームにより形成されたクリーニングパッドaとを接着させた後、芯材両端からそれぞれ5mm位置までのクリーニングパッドaを切り落とし、弾性ロール素材を得た。研削処理し、外径φ9mmの帯電部材用クリーニングロールaを得た。
また、使用したウレタンフォームをイノアックコーポレーション性ポリウレタンRSCに換えた他が同様にして帯電部材用クリーニングロールbを得た。
−導電性弾性層の形成−
下記表に示した組成の混合物をオープンロールで混練りし、SUS303により形成された直径8mmの導電性支持体表面に接着層を介してプレス成形機を用いて直径15mmのロールを形成、その後研磨により直径14mmの導電性弾性ロールA、Bを得た。なお、下記配合量は「質量部」である。
−導電性最外層の形成−
下記組成の混合物をメタノールで希釈し、ビーズミルにて分散し得られた分散液を、前記導電性弾性ロールAの表面に浸漬塗布した後、180℃で30分間加熱乾燥し、厚さ7μmの表面層を形成し、実施例1の帯電部材(帯電ロール1)を得た。
これを、前記感光体1を組み込んだ画像形成装置に組み込み、画像形成装置を得た。
−組成−
・(A)樹脂 100重量部
(N−メトキシメチル化ナイロン1:F30K、ナガセケムテックス社製)
・(B)特定導電性粒子(導電性フィラー1) 30重量部
(ニカビーズPC0520、日本カーボン社製、体積平均粒子径:
6.7μm、平均円形度 0.95)
・(C)導電剤 17重量部
(カーボンブラック MONAHRCH1000、キャボット社製、
体積平均粒子径:43nm)
・触媒 4.4重量部
(B)特定導電性粒子として導電性フィラー2(ニカビーズPC1020、日本カーボン社製、体積平均粒子径:13μm、平均円形度:0.93)を用いた以外は、実施例1と同様にして導電性最外層を形成し、導電性ロール2を得た。
(B)特定導電性粒子として導電性フィラー3(ニカビーズMC0520、日本カーボン社製、体積平均粒子径:6.7μm、平均円形度:0.98)を用いた以外は、実施例1と同様にして導電性最外層を形成し、導電性ロール3を得た。
(B)特定導電性粒子として導電性フィラー4(ニカビーズMC1020、日本カーボン社製、体積平均粒子径:13.9μm、平均円形度 0.98)を用いた以外は、実施例1と同様にして導電性最外層を形成し、導電性ロール4を得た。
(B)特定導電性粒子として導電性フィラー5(ニカビーズMC0520、日本カーボン社製、体積平均粒子径:6.7μm、円形度:0.81)を用いた以外は、実施例1と同様にして導電性最外層を形成し、導電性ロール5を得た。
(B)特定導電性粒子として導電性フィラー6(ニカビーズMC0520、日本カーボン社製、体積平均粒子径:6.7μm、円形度:0.75)を用いた以外は、実施例1と同様にして導電性最外層を形成し、導電性ロール6を得た。
実施例1で得た導電性ロール1を、前記感光体1に換えて感光体2を組み込んだ画像形成装置に組み込み、画像形成装置を得た。
導電性最外層を形成する導電性弾性ロールAを導電性弾性ロールBに換えた以外は、実施例1と同様にして導電性最外層を形成し、導電性ロール8を得た。
実施例1で得た導電性ロール1を、前記クリーニングロールaに換えてクリーニングロールbを組み込んだ画像形成装置に組み込み、画像形成装置を得た。
実施例1で得た導電性ロール1を、前記クリーニングロールaに換えてクリーニングパッドaを組み込んだ画像形成装置に組み込み、画像形成装置を得た。
(B)特定導電性粒子の添加量を30質量部から5質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして導電性最外層を形成し、導電性ロール11を得た。
(B)特定導電性粒子の添加量を30質量部から50質量部に変え、(B)特定導電性粒子として導電性フィラー2(ニカビーズPC1020、日本カーボン社製、体積平均粒子径:13μm、円形度:0.93)を用いた以外は、実施例1と同様にして導電性最外層を形成し、導電性ロール12を得た。
(A)樹脂の配合を以下に変更した以外は、実施例1と同様にして導電性最外層を形成し、導電性ロール13を得た。
N−メトキシメチル化ナイロン1:F30K、ナガセケムテックス社製) 90重量部
ポリビニルアセタール樹脂:エスレックBL−1、積水化学工業社製 10重量部
(A)樹脂の配合を以下に変更した以外は、実施例1と同様にして導電性最外層を形成し、導電性ロール14を得た。
N−メトキシメチル化ナイロン1(F30K、ナガセケムテックス社製) 90重量部
メラミン樹脂(MW30M、三和ケミカル社製) 10重量部
(B)特定導電性粒子を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして導電性最外層を形成し、導電性ロールC1を得た。
(B)特定導電性粒子の添加量を30質量部から100質量部に変え、(B)特定導電性粒子として導電性フィラー2(ニカビーズPC1020、 日本カーボン社製:体積平均粒子径 13μm 、円形度 0.93)を用いた以外は、実施例1と同様にして導電性最外層を形成し、導電性ロールC2を得た。
(B)特定導電性粒子に換えて、絶縁性粒子(SBX−6、積水化学社製、体積平均粒子径:6μm、平均円形度:0.99)を添加した以外は、実施例1と同様にして導電性最外層を形成し、導電性ロールC2を得た。
各実施例および比較例で得られた帯電ロールについて、表面粗さ、帯電特性、耐久性及び画質を評価した。
−表面粗さ−
帯電ロール表面の十点平均表面粗さRzを、JIS B0601(1994)に準拠して測定した。具体的には、23℃・55RH%の環境下において、接触式表面粗さ測定装置(サーフコム570A、東京精密社製)を用いて測定した。表面粗さの測定に際しては、測定距離を2.5mmとし、接触針としてはその先端がダイヤモンド(5μmR、90°円錐)のものを用い、場所を変えて3回繰り返し測定した際の平均値を十点平均表面粗さRzとして求めた。
前記で得た帯電ロールを、DocuCentreIII C3300(富士ゼロックス社製)に、該装置に備えられる帯電ロールの代わりに装着し、10℃、15%RH環境下、A4用紙(富士ゼロックス社製C2紙)で50%ハーフトーン画像を印刷する。帯電装置にかかる交流電流値を1.0mAから段階的に変化(増加)させたときの画像欠陥の消失した交流電流値を読み取った。
A:交流電流値が1.35mA以下のとき画像欠陥が消失
B:交流電流値が1.35mAを超え1.4mA以下のとき画像欠陥が消失
C:交流電流値が1.4mAを超え1.5mA以下のとき画像欠陥が消失
D:交流電流値が1.5mAを超えたとき画像欠陥が消失
帯電ロールをDocuCentre Color400CP(富士ゼロックス社製)のドラムカートリッジに装着し、A4用紙50,000枚印字テスト(10℃、15%RH環境下で50,000枚)を行った後に、DocuCentre Color400CPで50%ハーフトーン画像を印刷し、得られた画像を目視で観察し、以下の基準で判定した。
A:画像乱れが全く無い
B:画像の乱れはあるが極軽微で全く問題ない
C:若干の画像の乱れはあるが問題ない
D:画像の乱れ部分がある
E:大部分に画像の乱れが発生
上記評価結果を下記表2及び表3に示す。
12 帯電装置
14 露光装置
16 現像装置
18 転写装置
20 クリーニング装置
22 定着装置
24 筐体
24A 開口部
24B 開口部
24C 取り付けレール
30 シャフト
31 導電性弾性層
32 導電性最外層
101 画像形成装置
102 プロセスカートリッジ
121 帯電部材
122 クリーニング部材
123 導電性軸受け
122A シャフト
122B 弾性層
124 電源
Claims (7)
- 基材と、該基材上に設けられ、被帯電体に接触する、表面粗さRzが2μm以上20μm以下であり、且つ、(A)樹脂及び(B)前記表面粗さを形成するための導電性粒子を含有する導電性最外層とを少なくとも備え、電圧が印加された状態で前記被帯電体に接触することにより前記被帯電体を帯電させる帯電部材。
- 前記導電性最外層が、さらに、(C)前記(B)特定導電性粒子よりも平均粒子径の小さい導電性粒子を含有する請求項1に記載の帯電部材。
- 前記(B)特定導電性粒子の円形度が0.8以上1.0以下である請求項1又は請求項2に記載の帯電部材。
- 前記(A)樹脂がポリアミド樹脂を含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の帯電部材。
- 前記ポリアミド樹脂がメトキシメチル化ポリアミドである請求項4に記載の帯電部材。
- 像保持体と、該像保持体に接触する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の帯電部材とを少なくとも備えるプロセスカートリッジ。
- 像保持体と、
前記像保持体と接するように配設される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の帯電部材と、
前記像保持体と前記帯電部材との接触面の法線方向に前記帯電部材を前記像保持体へ押付ける力が働くように前記帯電ロールを圧接するための押圧部材と、
帯電した前記像保持体に静電潜像形成するための露光装置と、
前記像保持体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像装置と、
前記トナー像を被転写体に転写する転写装置と、
を備える画像形成装置。
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