JP2005156920A - 帯電装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 DC帯電方式で、帯電前除電手段を備えずとも、均一に帯電できる帯電装置を実現する。
【解決手段】 温度23℃、湿度50%RH環境下で、動的スパイク放電電流測定において、測定時間0.1sを10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値の10点平均Ispが、Isp<1000μAを満たし、かつ10点平均表面粗さRzが、3μm<Rz<100μm、かつ凹凸の平均間隔Smが、15μm<Sm<1000μmを満たす帯電部材を備えていることを特徴とする帯電装置。
【選択図】 図11

Description

本発明は、帯電部材を用いた帯電装置及び前記帯電装置を備えた画像形成装置に関する。より詳しくは、接触または近接帯電手段を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置に用いられる帯電装置及び前記帯電装置を備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式のレーザービームプリンタ、複写機及びファクシミリ等として採用される従来の画像形成装置は、像担持体として光導電性物質を利用した回転ドラム型の感光体を用いるのが一般的であり、
(a)この回転感光体表面を帯電手段により、所定の極性、電位に一様かつ均一に帯電する帯電工程
(b)その回転感光体の一様帯電面に像露光手段(レーザー光走査露光手段、原稿画像の投影結像露光手段等)により像露光を行って露光画像情報に対応した静電潜像を形成させる像露光工程
(c)形成された静電潜像を現像手段によりトナー画像として現像する現像工程
(d)そのトナー画像を転写手段により感光体側から紙などの転写材に転写する転写工程
(e)感光体から分離させた転写材のトナー画像を定着手段により転写材面に熱や圧力などで定着する定着工程
(f)転写材に対するトナー画像転写後の感光体面に転写されずに残留したトナーを除去して感光体面を清掃するクリーニング工程
によって画像形成を実行させ、画像形成物(複写物、印刷物)を得るものである。そしてクリーニング後の感光体は繰り返して画像形成に供するものである。
上記(a)〜(f)の各工程及び手段としては、具体的には種々の方式及び構成が知られている。
従来、電子写真方式の画像形成装置において、被帯電体である感光体表面を一様に全面帯電するための帯電手段としては、金属ワイヤに高電圧(直流電圧6〜8kV)を印加して、発生するコロナシャワーにより感光体面を帯電させるコロナ放電器が広く利用されていた。このコロナ放電器にあっては、感光体をある一定の電位に均一に帯電する手段としては有効であるが、反対に、コロナ放電による帯電処理にあっては高圧電源を必要とし、放電に伴いオゾンが大量に発生する。オゾンが大量に発生すると、環境に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらに、オゾンによって帯電部材、感光体が劣化するという問題点もあった。
上記のコロナ放電器に対して、帯電部材を感光体に接触させながら電圧を印加して、感光体表面を帯電させる接触帯電方式が実用化されている。これは、感光体に、ローラ型、ブレード型、ブラシ型及び磁気ブラシ型等の電荷供給部材としての帯電部材を接触させ、この接触帯電部材に所定のバイアスを印加して感光体面を一様に帯電させるものである。この帯電方式は電源の低電圧化を図ることができ、帯電処理に起因するオゾンの発生量が少ないという利点を有している。また、コロナ電極ワイヤの使用に伴う塵埃の静電吸着がなく、高圧電源を必要としないなどの利点も有している。
この中でも、特に接触帯電部材として導電性ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式が、帯電安定性という点から好ましく用いられている。
具体的には、帯電は帯電部材から被帯電体への放電によって行われるため、ある閾値電圧以上の電圧を印加することによって帯電が開始される。例を示すと、厚さ25μmのOPC感光体に対して帯電ローラを加圧当接させた場合には、約600V以上の電圧を印加すれば感光体の表面電位が上昇を始め、それ以降は印加電圧に対して傾き1で線形に感光体表面電位が上昇する。以後、この閾値電圧を放電開始電圧(帯電開始電圧)Vthと定義する。つまり、電子写真に必要とされる感光体表面電位Vd(暗部電位)を得るためには、帯電ローラにはVd+Vthという必要とされる電位Vd以上の直流電圧(DC電圧)が必要となる。このようにしてDC電圧のみを接触帯電部材に印加して帯電を行う方式を「DC帯電方式」と称す。
従来、帯電ローラは、導電性支持体上に抵抗層を設けることにより、または、導電性支持体上に少なくとも弾性層と抵抗層を設け、上層の抵抗層に適度な体積抵抗を保持させ、下層の弾性層に被帯電体との当接を適正にするための適度な弾性を保持させることにより、被帯電体の帯電均一性の向上や感光体等の被帯電体表面のピンホール、傷等によるリーク防止等が図られてきた。
弾性層には、カーボンブラック、グラファイト、金属粉及び金属酸化物等の導電性粉末を弾性材料中に分散した層を用いる。弾性材料としては、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)、ウレタンゴム(U)及びシリコーンゴム等の合成ゴム、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンスチレン(SRS)、ポリオレフィン系及びポリウレタン系熱可塑性エラストマー及びそれらの混合体等が用いられる。弾性層は所要の低抵抗化のために弾性材料中にかなり多量の導電性微粉末等を配合するが、多量の導電性微粉末の配合は弾性材料の硬度を上げる結果となり、その硬度を所要のものに下げるためにかなり多量の軟化油や可塑剤が配合される。弾性層は金型成形等で形成されることが多い。
また、抵抗層には、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂及びフッ素樹脂等の高分子化合物にカーボンブラック及び金属酸化物等の導電性粒子を分散した層が用いられる。抵抗層は、浸漬塗工、スプレー塗工及びロール塗工等により形成されることが多い。
ところで、帯電の均一性に関して、ローラ帯電方式はコロナ帯電方式に比較してやや劣っているのが現実である。
この帯電均一性を改善するために、特許文献1(特開昭63−149668号公報)に開示されているように、所望の被帯電体表面電位Vdに相当する直流電圧(DC電圧)に帯電開始閾値(Vth)の2倍以上のピーク間電圧を持つ交流電圧成分(AC電圧成分)を重畳した電圧を接触帯電部材に印加する「AC帯電方式」が用いられる。これは、AC電圧による電位のならし効果により、被帯電体の電位がAC電圧のピークの中央である電位Vdに収束し、帯電が環境等の外的状況には影響されることのない優れた接触帯電方法である。
しかしながら、上記公報に開示された方法では、直流電圧印加時における帯電開始電圧(Vth)の2倍以上のピーク間電圧である高圧の交流電圧を重畳させるため、直流電源とは別に交流電源が必要となり、装置自体のコストアップを招く。更には、交流電流を多量に消費することにより、帯電ローラ及び感光体の耐久性が低下するという問題点があった。
これらの問題は、帯電ローラに直流電圧のみを印加して帯電を行うDC帯電方式を用いることで解消することはできる。
ところが、上記のようなDC帯電方式を採用することで、新たな問題が発生する。
AC帯電方式では、DC電圧を帯電部材に印加することで発生する電位を付与する放電と、AC電圧を帯電部材に印加することで発生する電位をならす放電で帯電をすることができる。この方式では、一回の放電で発生する放電電荷量が大きく、長手方向の帯電面積が広くても均一に帯電することができる。
これに対して、DC帯電方式では、電位を付与する放電のみで均一に帯電できなければならない。すなわち、被帯電体の帯電領域全域において、過剰もしくは過小な電荷分布は存在してはならない。従って、一回の放電で発生する放電電荷量が大きい、または長手方向の帯電面積が広い場合、一部の帯電領域が過剰もしくは過小な電荷分布になりやすい。
ここで、本発明の考案者は、一回の放電で帯電する長手方向の帯電面積は、帯電部材の表面粗さ及び凹凸の間隔に相関があることを発見した。
これまでに提案されてきた帯電部材は、一回の放電で発生する放電電荷量と、表面粗さ及び凹凸の間隔を同時に規定した例はない。
特許文献2(特開平7-199593号)では、接触帯電部材の放電電荷放出面の任意の位置における凹凸のうち、隣り合う凸部間の距離が10〜100μmの範囲で凹部深さが凸部間距離の3/4以下であり、帯電部材の10点平均表面粗さRzが3μm以上の帯電装置が提案されている。この提案では、帯電ローラ全体、または表面層の抵抗について規定されていない。また、表面形状だけでは、帯電部材に帯電バイアスを印加した時に、一回の放電で発生する放電電荷量や長手方向の帯電面積は決まらない。
特許文献3(特開平8-110674号)では、帯電ローラと金属試験ローラを重ねて、試験ローラの自重で線接触させ、両ローラの間に電圧100Vを印加した時に線接触部の1cm当りの電流値が20乃至225nAになるような体積抵抗率を持つ電気抵抗材を、その芯金の周囲に単層又は複数層設けて構成される帯電ローラ及び試験装置が提案されている。この提案では、放電していない通電状態における電流で規定されているため、帯電部材に帯電バイアスを印加した時に、一回の放電で発生する放電電荷量は分からない。
各々の帯電部材について、-200Vを印加した時に流れるDC電流と、画像形成時の電圧-1200Vを印加した時に流れるスパイク放電電流Ispを測定した例を、図12に示す。ここで、動的スパイク放電電流測定において、測定時間0.1sを10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値の10点平均Ispとした(詳細は後述する)。Ispは、一回の放電で発生する放電電荷量の大きさを示す。
図12に示したとおり、-200V程度の低い電圧を印加した時の抵抗を測定しても、画像形成時において一回の放電で発生する放電電荷量の大きさは分からない。
また、帯電部材の表面粗さや、凹凸の間隔が規定されていないので、一回の放電で帯電する長手方向の帯電面積は決まらない。
ここで、一回の放電で発生する放電電荷量が大きく、長手方向の帯電面積が広い帯電ローラを用いたDC帯電方式の課題を示す。
はじめに、帯電前に除電手段を備えている例を示す。除電手段を備えている場合、被帯電領域全域に渡って、|帯電部材に印加する電圧Va−帯電前電位Vb|(ΔV)が一定になるので、帯電時に発生する個々の放電の電荷量及び長手方向の帯電面積は安定化しやすい。
しかし、プロセススピード変化や温度湿度環境変化、使用に伴う被帯電体の膜厚変化・帯電部材の抵抗変化等、帯電条件が変化すると、個々の放電の電荷量及び長手方向の帯電面積が変化する。それに伴い、一部の帯電領域が過剰もしくは過小な電荷分布になり、被帯電体にトナーを現像した時に白スジ・黒スジ・白ポチ等の帯電不良となる。
従って、使用条件によって帯電条件が変化しても帯電不良が起きない為には、一回の放電で発生する放電電荷量が小さく、長手方向の帯電面積が狭いことが望ましい。
しかし、これまでに、一回の放電で発生する放電電荷量が小さく、長手方向の帯電面積が狭い構成を実現する帯電ローラは提案されていない。
次に、帯電前に除電手段を備えていない例を示す。除電手段を備えていない場合、画像形成条件によって、帯電前電位は暗電位Vdから明電位Vl(条件によっては0V)まで存在する。例えば、ベタ白画像を出力した場合、帯電前電位はVdに近く、ベタ黒画像を出力した場合、帯電前電位はVlに近い。
これは、出力画像により露光条件が変化し、また転写条件により転写後電位が変化する為である。従って、帯電前の被帯電領域の電位は不均一であり、|帯電部材に印加する電圧Va−帯電前電位Vb|(ΔV)も一定ではなく、|Va−Vd|から|Va−Vl|(条件によっては|Va|)の電位差が存在する。
ここで、条件を分類して考察する。
一回の放電電荷量が大きく、長手方向の帯電面積が広い場合、ΔVによって帯電均一性は変化し、スジ状の帯電不良が発生しやすい。従って、どのような露光条件でも均一に帯電するのは難しい。
一回の放電電荷量が小さく、長手方向の帯電面積が広い場合、ΔVの値に関わらず、スジ状の帯電不良が発生しやすい。従って、均一に帯電するのは難しい。
一回の放電電荷量が大きく、長手方向の帯電面積が狭い場合、ΔVの値に関わらず、ポチ状の帯電不良が発生しやすい。従って、均一に帯電するのは難しい。
一回の放電電荷量が小さく、長手方向の帯電面積が狭い場合、ΔVの値に関わらず、均一に帯電できる。この場合、プロセススピード変化や温度湿度環境変化、使用に伴う被帯電体の膜厚変化・帯電部材の抵抗変化等、帯電条件が変化しても均一に帯電できる。
しかし、これまでに、一回の放電で発生する放電電荷量が小さく、長手方向の帯電面積が狭い構成を実現する帯電ローラは提案されていない。
特開昭63−149668号公報 特開平7−199593号公報 特開平8−110674号公報 機能性添加材料の新展開(発行;株式会社東レリサーチセンター、1993年4月1日発行) 便覧ゴム・プラスチック配合薬品最新版(発行所:株式会社ラバーダイジェスト社、1989年3月30日発行) ゴム工業便覧<第四版>(発行所;株式会社大成社、平成6年5月31日発行) フィラー活用事典(発行所;社団法人日本ゴム協会、平成6年1月20日発行) 電子材料シリーズフェライト(発行所;丸善株式会社、平成9年10月10日発行の第5刷) 新版活性炭−基礎と応用(発行所;株式会社講談社、1992年10月20日発行の第2刷) 固体潤滑ハンドブック(発行所;株式会社幸書房、昭和57年3月15日発行の二版)
そこで、本発明では、画像を出力する為の露光条件変化やプロセススピード変化、温度湿度環境変化、使用に伴う被帯電体の膜厚変化等の、帯電条件が変化しても帯電不良が起きない帯電装置を実現する。
本発明は下記の構成を特徴とする帯電装置及び画像形成装置である。
(1) 帯電部材に電圧を印加して被帯電体を帯電する帯電装置において、温度23℃、湿度50%RH環境下で、動的スパイク放電電流測定において、測定時間0.1sを10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値の10点平均Ispが、Isp<1000μAを満たし、かつ10点平均表面粗さRzが、3μm<Rz<100μm、かつ凹凸の平均間隔Smが、15μm<Sm<1000μmを満たす帯電部材を備えていることを特徴とする帯電装置。
(2) 帯電部材に電圧を印加して被帯電体を帯電する帯電装置において、温度23℃、湿度50%RH環境下で、動的スパイク放電電流測定において、測定時間0.1sを10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値の10点平均Ispが、Isp<750μAを満たし、かつ10点平均表面粗さRzが、3μm<Rz<100μm、かつ凹凸の平均間隔Smが、15μm<Sm<1000μmを満たす帯電部材を備えていることを特徴とする帯電装置。
(3) 帯電部材に電圧を印加して被帯電体を帯電する帯電装置において、温度15℃、湿度10%RH環境下で、動的スパイク放電電流測定において、測定時間0.1sを10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値の10点平均Ispが、Isp<1500μAを満たし、かつ10点平均表面粗さRzが、3μm<Rz<100μm、かつ凹凸の平均間隔Smが、15μm<Sm<1000μmを満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の帯電部材を備えていることを特徴とする帯電装置。
(4) 帯電部材に電圧を印加して被帯電体を帯電する帯電装置において、温度15℃、湿度10%RH環境下で、動的スパイク放電電流測定において、測定時間0.1sを10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値の10点平均Ispが、Isp<1000μAを満たし、かつ10点平均表面粗さRzが、3μm<Rz<100μm、かつ凹凸の平均間隔Smが、15μm<Sm<1000μmを満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の帯電部材を備えていることを特徴とする帯電装置。
(5) 10点平均表面粗さRzが、4μm<Rz<50μmを満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の帯電部材を備えていることを特徴とする帯電装置。
(6) 凹凸の平均間隔Smが、20μm<Sm<750μmを満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の帯電部材を備えていることを特徴とする帯電装置。
(7) 導電性基体と、この導電性基体上に形成され少なくとも導電性を有する被覆層とにより構成され、前記被覆層が2層以上で構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の帯電部材を備えていることを特徴とする帯電装置。
(8) 導電性基体と、この導電性基体上に形成され少なくとも導電性を有する被覆層とにより構成され、前記被覆層が1層で構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の帯電部材を備えていることを特徴とする帯電装置。
(9) 請求項1〜8に記載の帯電装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
(10) 帯電前に被帯電体の電位を除電する装置を備えていないことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
(11) 帯電前に被帯電体の電位を除電する装置を備えていることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
(12) 帯電部材に直流電圧を印加する手段を備えていることを特徴とする請求項9〜11に記載の画像形成装置。
(13) 直流電圧に、ピーク間電圧Vppが放電開始電圧Vthの2倍未満である交流電圧を重畳した電圧を、帯電部材に印加する手段を備えていることを特徴とする請求項9〜11に記載の画像形成装置。
本発明の請求項に記載の帯電装置を用いると、一回の放電で、過剰な放電電荷量が発生しない。また、一回の放電で帯電する領域が狭い。トナーを静電潜像に現像した時に、スジ状またはポチ状の画像不良が発生しない。放電電荷量の小さなスパイク放電のみで帯電する。
本発明の請求項に示した帯電装置を用いて被帯電体をDC帯電方式で帯電することで、一回の放電で発生する放電電荷量が小さく、帯電する領域が長手方向に狭くなる。
これにより、一回の放電で発生する放電電荷量が小さい為、過剰な放電に起因する白スジ、白ポチ等の帯電不良が発生しない。また、一回の放電で帯電する領域が長手方向に狭いため、スジ状の帯電不良が発生しない。
本発明の請求項に示す帯電装置は、N/N環境(温度23℃、湿度50%RH)とL/L環境(温度15℃、湿度10%RH)をはじめ、N/N環境とL/L環境の中間の環境や、高温高湿であるH/H環境(温度30℃、湿度80%RH)等、他の環境においても、良好に帯電することができた。
帯電前除電装置が無い場合、画像露光条件によって帯電前電位Vbは暗電位Vdから明電位Vlまで存在するため、|帯電部材に印加する電圧Va−帯電前電位Vb|(ΔV)は変化し、スパイク放電の大きさが変化する。このように帯電時に発生するスパイク放電の大きさが変化する場合でも、本発明の請求項に示した帯電装置を用いると安定して均一に帯電できる。
帯電前除電装置が有る場合でも、プロセススピードや感光ドラムの膜厚等の帯電条件が変化しても均一に帯電できる。
また、ピーク間電圧Vppが放電開始電圧Vthの2倍未満しかないAC帯電方式でも、均一に帯電できる。この帯電方式では、AC電圧を帯電部材に印加するので、帯電部材表面についた付着物を引き剥がしながら帯電することができる。
以下、帯電部材に直流電圧のみを印加する画像形成装置において本発明の帯電装置を使用した場合について詳しく説明する。
(1)実施の形態の概略
本発明における帯電部材の構成としては、従来既知の構成を使用することができ、例えば、金属等の導電性支持体上にエラストマー、樹脂等を一層以上被覆する構成を汎用的に使用する。
本実施における帯電部材被覆層は、感光体等の他の部材と接触可能性があるため、他の部材を汚染してしまう材料では好ましくなく、表面離型性のよいものが好ましいといえる。従って、被覆層材料としては、高分子化合物を、特に、樹脂を用いるのが好ましいといえる。被覆層材料の詳細については、後に詳述する。
また、表面制御の方法として、表面を機械的に研磨する方法を挙げることができる。粗面化方法としては、研磨粒子や、研磨粒子をテープ及び紙等に接着させそれを押し当てることで研磨する等の公知の研磨方法を使用することができる。また、研磨粒子を表面にぶつけるサンドブラスト法なども用いることができる。
本発明の帯電部材は、被覆層が2層以上で構成されていることが好ましい。特に、導電性及び弾性を有する被覆層に相当する弾性層上に前述した被覆層をもうけることが好ましい。これは、被帯電体としての感光体に対する給電や、帯電部材の感光体に対する良好な均一密着性を確保するためである。また、本発明では、最表面の被覆層を特に表面層と記載することにする。
(2)帯電部材の詳細な説明
続いて、本発明に用いる帯電部材について、更に、詳細に説明する。
本実施の形態の帯電部材(ローラ形状のものを特に「帯電ローラ」という)に関しての例を図2から図9に示す。
例えば帯電部材は図2に示すようにローラ形状であり、導電性基体2aと、その外周一帯に形成された弾性層2bと、更にその外周に形成された表面層2dから構成されている。
本実施の形態における帯電部材の他の構成を図3から図5に示す。図3に示すように、帯電部材は弾性層2bと表面層2dとの間に抵抗層2cを設けた三層構造であってもよいし、図4に示すように抵抗層2cと表面層2dの間に第2の抵抗層2eを設けた四層構造であってもよいし、更に抵抗層を設けて、導電性基体2aの上に四層以上を形成した構造であってもよい。また、図5に示すように表面層のみを導電性基体2a上に設けた一層構造であってもよい。一層構造の場合、簡易な構成の為、低コストで帯電部材を作製できる。
更には、本発明の帯電部材はローラ形状に限られることはなく、図6から図9に代表される様に、シート、ベルト、フィルム及び板状等の様々な形状をとることが可能であり、それぞれに対して、前述した層構成をとることが可能である。
本実施の形態において用いられる表面層2dを構成する材料としては、樹脂及びエラストマーならばどのようなものを用いてもよい。樹脂としては、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(SEBC)、オレフィン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(CEBC)等が挙げられる。また、エラストマーとしては、合成ゴム及び熱可塑性エラストマーが挙げられ、例えば、合成ゴムとしては、天然ゴム(加硫処理等)、EPDM、SBR、シリコーンゴム、ウレタンゴム、IR、BR、NBR、CR等が挙げられる。熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー及び塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。これらの材料は、単独または二種類以上を混合してもよく、共重合体であってもよい。
表面層2dは、帯電部材の最表面を構成し、被帯電体である感光体と接触するため、感光体を汚染してしまう材料では好ましくない。また、表面離型性のよいものが好ましいといえる。従って、表面層材料としては、樹脂を用いるのが好ましいといえる。
表面層2dには、各種導電性微粒子を添加し、体積抵抗率を所望の値に調整することが好ましい。導電性微粒子としては、前述した導電性微粒子を挙げることできる。これらの導電性微粒子は表面(疎水化)処理を施してもよく、また、所望の体積抵抗率を得るためにはこれらの各種導電剤を二種以上併用してもよい。表面処理については、前述した通りである。
また、表面層2dには、導電性あるいは表面性の制御及び補強性の向上を目的として、各種微粒子が含有されてもよい。微粒子としては特に制限はなく、前述した微粒子を用いることができる。これらの微粒子は1種でも2種以上併用してもよく、各種の表面処理、変性、官能基や分子鎖の導入、コート等を施したものでもよい。
更に、表面層は離型性物質を含有しても良い。離型性物質を含有すれば表面層の摩擦係数を小さくすることが可能になるので、帯電部材表面の汚れ付着を低減でき耐久性が向上するとともに、感光体と帯電部材間での相対移動が滑らかになるのでスティックスリップのような不規則な移動状態の出現をへらし、その結果変音の発生や帯電部材表面の不規則な磨耗等の回転ムラに起因するであろうと思われる種々の現象を改善することができる。さらには離型性物質が液体の場合には帯電部材表面層を形成するときに平滑剤(レベリング剤)としても作用するため、表面層を平滑に形成することが可能になる。離型性物質には種々のものがあり分類の仕方もいろいろあるが、機能面から考えると、低表面エネルギーを利用するものと摺動性を利用するものが多い。また、その性状も液体であったり,固体であったりする。例えば固体で摺動性をもつものは一般に固体潤滑剤として知られており、非特許文献7に記載の物質を使用することができる。
また、珪素やフッ素を分子内に含む化合物がオイル状であるいは固体(離型性樹脂あるいは粉末、ポリマーの一部に離形成を有する部位を導入したもの)状で使用される。さらには、ワックスや高級脂肪酸(その塩やエステル、その他誘導体を含む)も挙げることができる。
本実施の形態において用いられる弾性層2bは、被帯電体としての感光体1に対する給電や、帯電部材の感光体に対する良好な均一密着性を確保するために、適当な導電性と弾性とを有するものである。
また、ローラ形状である帯電ローラ2は、帯電ローラ2と感光体1の均一密着性を確保するために、弾性層2bの研磨によって中央部を一番太く、両端部にいくほど細くなる形状、いわゆるクラウン形状に形成することが好ましい。一般に使用されている帯電ローラは、導電性支持体2aの両端部に所定の押圧力が与えられて感光体1と当接するので、中央部の押圧力が小さく、両端部ほど大きくなっているために、帯電ローラの真直度が十分であれば問題ないが、十分でない場合には中央部と両端部に対応する画像に濃度ムラが生じてしまう場合がある。上記クラウン形状はこれを防止するために形成される。
本実施の形態において用いられる弾性層2bの材料としては、合成ゴム及び熱可塑性エラストマーのようなエラストマーならばどのようなものを用いてもよい。エラストマーについては、表面層に記載したものと同様のエラストマーを用いることができる。
また、これらの弾性材料を発泡成形した発泡体を弾性材料として用いてもよい。好ましくは、帯電部材と感光体とのニップを確保するため、弾性層材料には、合成ゴム材料を用いるのがよいといえる。
弾性層2bの導電性は、上記の弾性材料中にカーボンブラック、導電性金属酸化物、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩等の導電剤を適宜添加することにより、108Ω・cm未満に調整されることが好ましい。弾性層2bの導電性が108Ω・cm以上であると、帯電部材の帯電能力が低くなり、被帯電体を均一に帯電する、帯電均一性を満足することができなくなってしまう。この場合には、帯電部材周期長手ムラとなって画像不良が発生してしまうことが多い。また、弾性層2bの弾性や硬度は、軟化油、可塑剤等の添加及び上記弾性材料を発砲させることにより調整される。
弾性層表面状態の制御方法としては、前述した機械的研磨を用いることが好ましい。より好ましくは、砥石により研磨する方法が好ましいといえる。一般的に、ローラ形状の弾性体を研磨する方法は、トラバース方式という研磨方法がとられている。この方式は短い砥石をローラに準じて移動させることにより、ローラを研磨するものである。それに対して、幅広研磨方式という研磨方法も存在する。この方式は、文字通り幅の広い砥石、即ち、ローラ長さと同程度の幅の砥石を用い、それを一度押し当てることにより、僅かな時間でローラ研磨ができるという方式である。
一度に研磨可能であるので、砥石の形状を制御すれば、容易に、所望の表面粗さの弾性層を作成することができる。作業の効率化等を考慮すると、幅広研磨方式がより好ましいといえる。
本実施の形態の帯電部材には、弾性層中に含有される軟化油や可塑剤等の帯電部材表面へのブリードアウトを防止する目的で、弾性層2bに接した位置に抵抗層2cを設けることができる。上記抵抗層2cを構成する材料は、弾性層2bに用いられる材料と同様のものを用いることができる。また、上記抵抗層2cは、導電性または半導電性を有していることが好ましい。導電性材料は表面層2dに挙げられた各種導電剤を用いることができる。この場合、所望の体積抵抗率を得るためには、前記各種導電剤を二種以上併用してもよい。
本実施の形態において用いられる導電性基体2aは、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケルなどの金属材料を用いることができる。更に、これらの金属表面に耐傷性付与を目的としてメッキ処理を施しても構わないが、導電性を損なわないことが必要である。
表面層2dの体積抵抗率は、弾性層の体積抵抗率より大きく、1016Ω・cm以下に調整されることが好ましい。表面層2dの体積抵抗率が弾性層よりも小さいと被帯電体表面のピンホール及び傷等によるリークを防止することができなくなり、1016Ω・cmよりも大きいと帯電ローラの帯電能力が低くなり、帯電均一性を満足することができなくなってしまう。
抵抗層2cの体積抵抗率は、表面層2dの体積抵抗率以下、弾性層2bの体積抵抗率以上に調整されることが好ましい。本範囲を外れると、帯電均一性を満足することができなくなってしまうことがある。
なお、前記弾性層2b、表面層2d及び抵抗層2cには、前述した各種材料の他にも他の機能を有する材料を適宜用いることができる。このような他の材料としては、例えば弾性層2bでは、2−メルカプトベンズイミダゾール等の老化防止剤、ステアリン酸及びステアリン酸亜鉛に代表される滑剤等を例示することができる。
また、前記弾性層、表面層及び抵抗層には、表面処理を施してもよい。表面処理としては、UV及び電子線を用いた表面加工処理、化合物等を表面に付着及び含浸させる表面改質処理等の方法を挙げることができる。
また、前記弾性層2b、表面層2d及び抵抗層2cの導電性(体積抵抗率)の測定は、例えば抵抗測定装置(三菱化学(株)製絶縁抵抗計Hiresta−UP)を用いて行う。より詳しくは、前記弾性層2bにおいては、弾性層材料自体を2mm厚に膜成形し、温度23℃湿度50%の環境で250Vの電圧を30秒間印加して導電性の測定を行う。表面層2d及び抵抗層2cにおいては、各々の層を形成したものと同一の結着樹脂を塗料化し、そのクリア塗料をアルミシート上にコーティングし、上記の条件でそれぞれの層の導電性を測定する。
また、前記弾性層2b、表面層2d及び抵抗層2cの作製は、各層を好適な層厚に形成するのに適当な方法であれば特に限定されず、樹脂化合物の層形成において公知の方法を用いて作製することができる。これらの層の作製は、例えば、予め所定厚に形成されたシート状またはチューブ状の層を接着または被覆することによって行ってもよいし、静電スプレーやディッピング塗工等、従来知られている工法によって、またはそれに準じて行ってもよい。また、押出し成形によって大まかに層形成した後に研磨等によって形状を整える方法であってもよいし、型内で所定の形状に材料を硬化、成形する方法であってもよい。
静電スプレーやディッピング塗工法を用いる場合には、各種溶剤を使用することが多い。用いる溶剤としては、特に制限はないが、用いる高分子化合物が溶解しやすい溶剤を用いることが必要である。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、クロロホルム、塩化エチレン、ジクロルエチレン、四塩化炭素、トリクロロエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、リグロイン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合物が用いられる。
続いて、本発明の帯電部材の表面性を達成するための手段について、詳細に説明する。帯電部材表面の制御方法としては、例えば、適切な微粒子を被覆層に含有させる方法を挙げることができるし、その他、天然繊維や化学繊維及びガラス繊維等を被覆層中に含有させる方法も挙げることができる。特に、本発明の様な、微細な表面制御をする場合には、繊維等ではなく、微粒子を使用することが好ましいといえる。
微粒子としては、導電性を有する導電性微粒子であっても良いし、他の絶縁性の微粒子であっても良いが、前述したように、被覆層には樹脂を使用するのが好ましいため、表面制御のために添加する微粉体としては、高分子化合物が好ましく、特に、樹脂材料からなる微粉体を含有することが好ましい。被覆層の微粒子の存在状態により表面制御を行うため、被覆層と同じ様な構造をもつ樹脂を用いることが特に好ましいといえる。これにより、微粒子の存在制御、即ち、樹脂に対する微粒子の分散性等の制御が容易になるのである。
ところで、本発明で使用する微粒子については、1×1010Ω・cm未満以下の体積抵抗率を有する微粒子を導電性微粒子、1×1010Ω・cmより大きい以上の体積抵抗率を有する微粒子を絶縁性微粒子と定義することにする。導電性微粒子としては、カーボンブラック、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、銅、アルミニウム、ニッケル等が挙げられる。絶縁性微粒子としては、公知の樹脂(例えば、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂等、及びこれらの共重合体や変性物及び誘導体)からなる粒子を挙げることができる。また、非特許文献1〜4に記載されているもののなかから適時使用してもよい。さらには、酸化鉄類(フェライト、マグネタイト、ヘマタイト等)や活性炭等も使用できる。フェライトとしては例えば、非特許文献5に、活性炭としては、非特許文献6に記載されているものを挙げることができる。
これらの微粒子は1種でも2種以上併用してもよく、各種の表面処理、変性、官能基や分子鎖の導入、コート等を施したものでもよい。表面処理としては、カップリング処理及び脂肪酸処理が挙げられる。カップリング処理としては、シランカップリング剤及びチタネート系カップリング剤等を用いたもの、脂肪酸処理としては、ステアリン酸等の酸を用いたものが代表的である。
また、前記弾性層2b、表面層2d及び抵抗層2cの層厚は、それぞれの層の機能の発現を損なわない範囲であれば特に限定されないが、弾性層であれば0.3mm以上であることが好ましい。弾性層の層厚が0.3mmより小さくになると、弾性層に適度な弾性を保持させることができず、被帯電体との当接が適正でなくなるため、帯電均一性を満足することができなくなってしまうという不都合が生じ好ましくない。
また、表面層及び抵抗層であればその層厚は1μm〜1000μmであることが好ましい。表面層の層厚が上記範囲よりも小さすぎると層厚のムラが発生しやすくなるとともに弾性層の凹凸がそのまま帯電部材表面にあらわれてしまう。これにより帯電均一性を満足することができなくなるとともに、帯電部材表面があれているために、トナー粒子及び外添剤がローラ表面に付着しやすくなるという不都合が生じ好ましくない。また、上記範囲よりも厚すぎると弾性層に保持させた適度な弾性が失われ、被帯電体との当接が適正でなくなるため、帯電均一性を満足させることができなくなってしまうという不都合が生じ好ましくない。
なお、本発明のにおける、十点平均表面粗さRz、表面凹凸平均間隔Smは、JISB0601(2001)に基づき、サーフコーダーSE−3400(小坂研究所製)にて、カットオフを0.8mm、測定長さを8mmとして測定を行う。より詳しくは、本測定器により、本帯電部材の任意の6点を測定し、その6点の平均値をもって、各測定値とした。
また、前記弾性層2b、表面層2d及び抵抗層2cの層厚は、層断面を光学顕微鏡または電子顕微鏡により観察し、その層厚を実測することにより求める。具体的には、ローラをカッターナイフ等により切断し、その切断部分を光学あるいは電子顕微鏡により観察し、それぞれの層厚を測定する。
本発明に用いる微粒子の粒子径の測定は、島津製作所製レーザ回折式粒度分布測定装置SALD-7000を用いて行う。まず、蒸留水に少量の界面活性剤0.2wt%を添加した溶液を用意する。界面活性剤は特に限定するものでなく、市販のものならどのようなものでも用いることができる。この溶液を硝子瓶に入れて、少量の微粒子を投入し、5分程度超音波をかけて分散させる。この溶液を測定セルに投入し、測定を行う。これにより、微粒子の粒度分布を測定することができる。測定可能な粒子径の範囲は0.015〜500μmである。また、本発明における微粒子の平均粒子径は、前記装置によって測定した体積平均粒子径をもって、本発明の平均粒子径とする。
更に、本発明にもちいる微粒子の体積抵抗率は、Loresta-GPまたはHiresta-UP にMCP−PD41(すべて三菱化学(株)社製)を接続して測定した値をもって微粒子の体積抵抗率とした。サンプル量は微粒子の密度等によって適時調節するのが好ましい。例えば、酸化錫においては1.5g、カーボンブラックにおいては0.5gとし、印加圧力は一定の10.1MPa(102kgf/cm2)とした。印加電圧は、Loresta-GPにより測定する際には10vに固定し、Hiresta-UPにより測定する際には、印加電圧により測定する抵抗領域が異なるため、測定する抵抗値にあわせて適時印加電圧を変化させた。
本発明について、実施例により、更に具体的に説明するが、本発明の要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜実施例12)
以下で、実施例1から実施例12までに示す通り帯電部材を作製した。それらの帯電部材を備えた帯電装置を用いることで、被帯電体を均一に帯電できることを示す。
(実施例1から実施例4まで)
下記の要領で本実施の形態の導電性部材に用いる弾性層を作製した。
エピクロルヒドリンゴム 100重量部
過塩素酸リチウム 5重量部
カーボンブラック 15重量部
以上の材料を45℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練し、原料コンパウンドを調製した。このコンパウンドに原料のエピクロルヒドリンゴム100質量部に対し、加硫剤としての硫黄1質量部、加硫促進剤としてのDM(ジベンゾチアジルスルフィド)1質量部及びTS(テトラメチルチウラムモノスルフィド)0.5質量部を加え、20℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練した。得られたコンパウンドを、φ6mmステンレス製の芯金に外径φ14mmのローラ状になるように押出し成型機にて成型し、加熱蒸気加硫した後、外径がφ12mmになるように研磨加工を行い、弾性層を得た。この際、研磨加工においては、幅広研磨方式を採用した。ローラ長は232mmとした。
前記弾性層の上に表面層2dを被覆形成した。表面層2dは下記に示す表面層塗料をディッピング法にてコート成形した。ディッピング回数は2回とした。
まず、表面層の塗料として、
メチルエチルケトン 150重量部
ポリエステル 100重量部
フッ素樹脂 30重量部
カーボンブラック 20重量部
を用い、ガラス瓶を容器として混合溶液を作成した。これに、分散メディアとして、ガラスビーズ(平均粒径φ0.8mm)を充填率80%になるように充填し、ペイントシェーカー分散機を用いて12時間分散し、ディッピング用の表面層用塗料を調製した。
前記弾性層の表面上に表面層用塗料をディッピング法にて2回コートした。引き上げ速度は、6mm/secとした。まず、1コート目を塗工した後10〜30分間常温で風乾し、ローラを反転させて2コート目を1コート目と同様に塗工する。この後、30分間以上常温で風乾し、続いて、熱風循環乾燥機中で温度80℃にて1時間、さらに熱風循環乾燥機中で温度160℃にて1時間乾燥した。
このあとで、所望の10点平均表面粗さRz、凹凸の平均間隔Sm になるように表面を研磨加工した。
表面層の膜厚が20μmの帯電ローラが得られた。
(実施例5から実施例7まで)
下記の要領で本実施の形態の導電性部材に用いる弾性層を作製した。
熱硬化性ポリウレタン 100重量部
過塩素酸リチウム 5重量部
カーボンブラック 15重量部
以上の材料を、φ6mmステンレス製の芯金に外径φ14mmのローラ状になるように型成形にて成型し、加熱した後、外径がφ12mmになるように研磨加工を行い、弾性層を得た。この際、研磨加工においては、幅広研磨方式を採用した。ローラ長は232mmとした。
前記弾性層の上に表面層2dを被覆形成した。表面層2dは下記に示す表面層塗料をディッピング法にてコート成形した。ディッピング回数は2回とした。
まず、表面層の塗料として、
トルエン 200重量部
イソプロピルアルコール 50重量部
酢酸エチル 10重量部
ウレタンポリオール 100重量部
カーボンブラック 50重量部
を用い、ガラス瓶を容器として混合溶液を作成した。これに、分散メディアとして、ガラスビーズ(平均粒径φ0.8mm)を充填率80%になるように充填し、ペイントシェーカー分散機を用いて12時間分散した。分散溶液にポリイソシアネート樹脂を40重量部添加し、ディッピング用の表面層用塗料を調製した。
前記弾性層の表面上に表面層用塗料をディッピング法にて2回コートした。引き上げ速度は、6mm/secとした。まず、1コート目を塗工した後10〜30分間常温で風乾し、ローラを反転させて2コート目を1コート目と同様に塗工する。この後、30分間以上常温で風乾し、続いて、熱風循環乾燥機中で温度80℃にて1時間、さらに熱風循環乾燥機中で温度160℃にて1時間乾燥した。
この後で、所望の10点平均表面粗さRz、凹凸の平均間隔Sm になるように表面を研磨加工した。
表面層の膜厚が25μmの帯電ローラが得られた。
(実施例8)
表面層の塗料に混合するカーボンブラックの量を30重量部にした以外は、実施例5から実施例7までの製法と同様である。
表面層の膜厚が25μmの帯電ローラが得られた。
(実施例9)
表面層の塗料に混合するウレタンポリオールの量を200重量部、ポリイソシアネート樹脂の量を100重量部、カーボンブラックの量を100重量部にした以外は、実施例5から実施例7までの製法と同様である。表面層の膜厚が40μmの帯電ローラが得られた。
(実施例10)
表面層の塗料に混合するウレタンポリオールの量を300重量部、ポリイソシアネート樹脂の量を150重量部、カーボンブラックの量を150重量部にした以外は、実施例5から実施例7までの製法と同様である。表面層の膜厚が60μmの帯電ローラが得られた。
(実施例11)
表面層の塗料に混合するウレタンポリオールの量を400重量部、ポリイソシアネート樹脂の量を250重量部、カーボンブラックの量を250重量部にした以外は、実施例5から実施例7までの製法と同様である。表面層の膜厚が100μmの帯電ローラが得られた。
(比較例3)
表面層の塗料に混合するカーボンブラックの量を20重量部にした以外は、実施例5から実施例7までの製法と同様である。
表面層の膜厚が25μmの帯電ローラが得られた。
(比較例4)
弾性層の表面上に表面層用塗料をディッピングする時の引き上げ速度を、10mm/secとした以外は、実施例11の製法と同様である。
表面層の膜厚が150μmの帯電ローラが得られた。
(実施例12、及び比較例1)
実施例5から実施例7までの製法と同様に、導電性部材に用いる弾性層を作製した。
前記弾性層の上に抵抗層を被覆形成した。抵抗層は下記に示す抵抗層塗料をディッピング法にてコート成形した。ディッピング回数は2回とした。
まず、抵抗層の塗料として、
メチルエチルケトン 50重量部
アクリル樹脂 100重量部
カーボンブラック 30重量部
を用い、ガラス瓶を容器として混合溶液を作成した。
この溶液に、分散メディアとして、ガラスビーズ(平均粒径φ0.8mm)を充填率80%になるように充填し、ペイントシェーカー分散機を用いて12時間分散し、ディッピング用の表面層用塗料を調製した。
前記弾性層の表面上に抵抗層用塗料をディッピング法にて2回コートした。引き上げ速度は、10mm/secとした。まず、1コート目を塗工した後10〜30分間常温で風乾し、ローラを反転させて2コート目を1コート目と同様に塗工する。この後、30分間以上常温で風乾し、続いて、温度160℃にて1時間加熱した。
抵抗層の膜厚が200μmの帯電ローラが得られた。
前記抵抗層の上に表面層2dを被覆形成した。表面層2dは下記に示す表面層塗料をディッピング法にてコート成形した。ディッピング回数は2回とした。
まず、表面層の塗料として、
メチルエチルケトン 150重量部
ポリウレタン樹脂 100重量部
フッ素樹脂 50重量部
カーボンブラック 30重量部
を用い、ガラス瓶を容器として混合溶液を作成した。これに、分散メディアとして、ガラスビーズ(平均粒径φ0.8mm)を充填率80%になるように充填し、ペイントシェーカー分散機を用いて12時間分散した。分散溶液にポリイソシアネート樹脂を40重量部添加し、ディッピング用の表面層用塗料を調製した。
前記抵抗層の表面上に表面層用塗料をディッピング法にて1回コートした。引き上げ速度は、3mm/secとした。塗工した後10〜30分間常温で風乾し、続いて、熱風循環乾燥機中で温度80℃にて1時間、さらに熱風循環乾燥機中で温度160℃にて1時間乾燥した。
この後で、所望の10点平均表面粗さRz、凹凸の平均間隔Sm になるように表面を研磨加工した。表面層の膜厚が5μmの帯電ローラが得られた。
(比較例2)
実施例5から実施例7までの製法と同様に、導電性部材に用いる弾性層を作製した。
前記弾性層の上に抵抗層を被覆形成した。抵抗層は下記に示す抵抗層塗料をディッピング法にてコート成形した。ディッピング回数は2回とした。
まず、抵抗層の塗料として、
メチルエチルケトン 50重量部
エピクロルヒドリンゴム 100重量部
カーボンブラック 20重量部
を用い、ガラス瓶を容器として混合溶液を作成した。これに、分散メディアとして、ガラスビーズ(平均粒径φ0.8mm)を充填率80%になるように充填し、ペイントシェーカー分散機を用いて12時間分散し、ディッピング用の表面層用塗料を調製した。
前記弾性層の表面上に抵抗層用塗料をディッピング法にて2回コートした。引き上げ速度は、10mm/secとした。まず、1コート目を塗工した後10〜30分間常温で風乾し、ローラを反転させて2コート目を1コート目と同様に塗工する。この後、30分間以上常温で風乾し、続いて、温度160℃にて1時間加熱した。
抵抗層の膜厚が200μmの帯電ローラが得られた。
前記抵抗層の上に表面層2dを被覆形成した。表面層2dは下記に示す表面層塗料をディッピング法にてコート成形した。ディッピング回数は2回とした。
まず、表面層の塗料として、
メチルエチルケトン 150重量部
ポリウレタン樹脂 100重量部
フッ素樹脂 50重量部
カーボンブラック 30重量部
を用い、ガラス瓶を容器として混合溶液を作成した。これに、分散メディアとして、ガラスビーズ(平均粒径φ0.8mm)を充填率80%になるように充填し、ペイントシェーカー分散機を用いて12時間分散した。分散溶液にポリイソシアネート樹脂を40重量部添加し、ディッピング用の表面層用塗料を調製した。
前記抵抗層の表面上に表面層用塗料をディッピング法にて1回コートした。引き上げ速度は、3mm/secとした。塗工した後10〜30分間常温で風乾し、続いて、熱風循環乾燥機中で温度80℃にて1時間、さらに熱風循環乾燥機中で温度160℃にて1時間乾燥した。
この後で、所望の10点平均表面粗さRz、凹凸の平均間隔Sm になるように表面を研磨加工した。表面層の膜厚が5μmの帯電ローラが得られた。
表2に、実施例1から実施例12まで、及び比較例1から比較例4で作製した帯電ローラの十点平均表面粗さRz、表面凹凸平均間隔Smの測定結果を示す。
表2に示した通り、2μm<Rz<150μm、14μm<Sm<1200μmの帯電ローラを作製することができた。
(1)動的スパイク放電電流測定方法の説明
次に、動的スパイク放電電流測定方法について説明する。
帯電部材に直流電圧を印加するDC帯電方式では、スパイク状の放電(以下スパイク放電と呼ぶ)を多数発生させることで帯電する。
そこで、スパイク放電の放電電荷量の測定方法を示す。
図10はスパイク放電電流測定装置の概略構成図である。
感光ドラム1は、本実施の測定方法では負帯電の有機感光体で、アルミニウム製のドラム基体1a上に感光体層1bを有しており、所定の周速で矢印方向(時計方向)に回転駆動され、その回転過程において接触する帯電ローラ2により負極性の一様な帯電を受ける。
本測定例では、感光層の膜厚が25μm、比誘電率が3.0、直径が30mm、10点平均表面粗さが0.5μmの感光ドラムを用い、回転駆動装置(不図示)によって、プロセススピード100mm/sで感光ドラムを回転させた。
例えば帯電部材は図2に示すようにローラ形状であり、導電性基体2aと、その外周一帯に形成された弾性層2bと、更にその外周に形成された表面層2dから構成されている。
本実施例では、帯電ローラ2は、導電性基体2aと、その外周一帯に形成された弾性層2b一層と、更にその外周に形成された表面層2dから構成されている例と、弾性層2bと表面層2dとの間に抵抗層2cを設けた三層構造の例を示す。
接触帯電手段としての帯電ローラ2は回転自在であり、感光ドラム1と接触することで従動回転する。本発明の実施例で挙げられる各々の帯電部材について動的スパイク放電電流測定を行った。
直流電圧電源S1から、直流電圧Vaが芯金2aを介して帯電ローラ2に印加されることで、回転する感光ドラム1の表面が帯電される。本実施例では、直流電圧-1200Vを帯電ローラ2に印加した。
10は感光ドラム1を介して帯電ローラ2に流れる帯電電流の時間変化を測定する帯電電流波形測定装置である。帯電電流測定装置10を感光ドラム基体とグラウンドの間に設ける。帯電電流測定装置10は、帯電ローラ2と比べて充分小さい負荷抵抗1kΩと、その負荷抵抗を流れる電流を測定する装置からなる。
ここでは、サンプリング周波数が200MS/sのオシロスコープを用いた。測定した帯電電流波形は、スパイク放電電流抽出装置11へ入力する。
11は、スパイク放電電流抽出装置である。図11にスパイク放電電流の測定例を示す。測定例では、スパイク放電電流の立ち上がり時間は約0.3us、時定数は約1us、最大瞬時値は100μAである。帯電部材に直流電圧を印加するDC帯電方式では、時定数及び最大瞬時値の異なるスパイク放電の重ね合わせにより帯電される。ここで、スパイク放電の立ち上がり時間τは、100us以下である。
本実施例では、コンピュータを用いて帯電電流波形データからノイズを除去し、スパイク放電電流を抽出した。抽出したスパイク放電電流は、統計処理装置12へ入力する。
12は、統計処理装置である。スパイク放電電流抽出装置11から入力されたスパイク放電電流情報を所定の方法にしたがって統計処理する機能を有する。
本実施例では、0.1sの間スパイク放電電流を測定し、0.01sごとに10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値Isp1, sp2,…, Isp10の10点平均Ispを求めた。ただし、ここで求めたIsp1, Isp2,…,Isp10は、スパイク放電電流の瞬時値の絶対値が最大となる値である。
13は前露光装置である。スパイク放電電流測定時には、帯電部上流で感光ドラムを露光し、帯電電位を0Vにする。これにより、帯電部上流における感光ドラム表面電位Vbと帯電ローラに印加する直流電圧Vaの差を一定に保つことができる。
帯電部材には抵抗を制御する導電材として、各種のイオン導電物質が使用されている。イオン導電物質は、温度・湿度の変化による抵抗変動の影響が大きい。そこで、帯電部材の環境変動も考慮して放電電流を測定する必要がある。
そこで、N/N環境下(温度23℃、湿度50%RH)と、L/L環境下(温度15℃、湿度10%RH)で動的スパイク放電電流測定を行った。
ここで、温度±1℃、湿度±1%RH程度ずれても測定誤差の範囲内に収まることを確認した。N/N環境下と、L/L環境下での測定結果を表3に示す。
(2)画像形成装置の説明
図1に示す画像形成装置を用いて、画像を出力した。
(2-1)画像形成装置及びプロセスカートリッジ
まず、画像形成装置及びプロセスカートリッジの概略構成について説明する。
図1は、画像形成装置の概略構成図である。
画像形成装置は、転写式電子写真利用の反転現像方式の装置である。
1は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(感光体)である。この感光体1は、図中の矢印が示す時計回りに所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動する。プロセススピードは可変である。
感光体1には、例えばロール状の導電性支持体と該支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有するような前述した感光体を採用することができる。また、感光体1は、感光体表面を所定の極性、電位に帯電させるための電荷注入層を更に有していてもよい。
2は帯電部材としての帯電ローラである。帯電ローラ2と帯電ローラ2に帯電バイアスを印加する帯電バイアス印加電源S1とによって帯電手段が構成されている。帯電ローラ2は、感光体1に所定の押圧力で接触させてあり、本例では感光体1の回転に対して順方向に回転駆動する。この帯電ローラ2に対して帯電バイアス印加電源S1から、所定の直流電圧(例えば−1000V)が印加されることで、感光体1の表面が所定の極性電位(例えば暗部電位−400V)に一様に接触帯電方式のうちのDC帯電方式で帯電処理される。
3は露光手段である。この露光手段3には公知の手段を利用することができ、例えばレーザービームスキャナー等を好適に例示することができる。感光体1の帯電処理面に該露光手段3により目的の画像情報に対応した像露光がなされることにより、感光体帯電面の露光明部の電位(本例では明部電位−150Vとする)が選択的に低下(減衰)して感光体1に静電潜像が形成される。
4は現像手段である。現像手段4としては公知の手段を利用することができ、例えば本例における現像手段4は、トナーを収容する現像容器の開口部に配設されてトナーを担持搬送するトナー担持体4aと、収容されているトナーを撹拌する撹拌部材4bと、トナー担持体4aのトナーの担持量(トナー層厚)を規制するトナー規制部材4cとを有する構成とされている。現像手段4は、感光体1表面の静電潜像の露光明部に、感光体1の帯電極性と同極性に帯電(本例では現像バイアス−350Vとする)しているトナー(ネガトナー)を選択的に付着させて静電潜像をトナー像として可視化する。現像方式としては特に制限はなく、既存の方法のすべてを用いることができる。既存の方法としては、例えば、ジャンピング現像方式、接触現像方式及び磁気ブラシ方式等が存在するが、特にカラー画像を出力する画像形成装置には、トナーの飛散性改善等の目的より、接触現像方式が好ましいといえる。接触現像方式に用いられるトナー担持体4aとしては、接触安定性の確保という面から、ゴム等の弾性を有する化合物を用いることが望ましい。例えば、金属等の導電性支持体上に導電性を付与した弾性層を設ける現像ローラを例示することができる。上記の弾性層は、弾性材料を発泡成形した発泡体を弾性材料として用いてもよい。また、更にこの上に層を設けたり、表面処理を施したりしてもよい。表面処理としては、UV及び電子線を用いた表面加工処理、化合物等を表面に付着及び含浸させる表面改質処理等の方法を挙げることができる。
5は転写手段としての転写ローラである。転写ローラ5は公知の手段を利用することができ、例えば金属等の導電性支持体上に中抵抗に調製された弾性樹脂層を被覆してなる転写ローラ等を例示することができる。転写ローラ5は、感光体1に所定の押圧力で接触させて転写ニップ部を形成させてあり、感光体1の回転と順方向に感光体1の回転周速度とほぼ同じ周速度で回転する。また、転写バイアス印加電源S2からトナーの帯電特性とは逆極性の転写電圧が印加される。転写ニップ部に対して不図示の給紙機構部から転写材Pが所定のタイミングで給紙され、その転写材Pの裏面が転写電圧を印加した転写ローラ5により、トナーの帯電極性とは逆極性に帯電されることにより、転写ニップ部において感光体1面側のトナー画像が転写材Pの表面側に静電転写される。
転写ニップ部でトナー画像の転写を受けた転写材Pは感光体面から分離して、不図示のトナー画像定着手段へ導入されて、トナー画像の定着を受けて画像形成物として出力される。両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合は、この画像形成物が不図示の再循環搬送機機構に導入されて転写ニップ部へ再導入される。
転写残余トナー等の感光体1上の残留物は、ブレード型等のクリーニング手段(不図示)により、感光体上より回収される。この後、再び帯電ローラ2による帯電を受け、繰り返し画像形成を行うのである。
なお、本例の画像形成装置は、一以上の手段等を、例えば樹脂成形体等の支持部材によって支持し、この構成のまま画像形成装置本体に着脱自在に構成されたプロセスカートリッジを有する装置であることが好ましい。プロセスカートリッジとしては、それぞれの部材のみを着脱自在に構成してもよいし、例えば感光体1と帯電部材2、感光体1と帯電部材2と現像手段4、感光体1と帯電部材2と転写手段5等、様々な組み合わせが考えられるが、前述した手段等や組み合わせに限定されず、手段や部材の寿命、またはトナーの消費の程度などを考慮して選択することが好ましい。この中でも、特にメンテナンスフリーとして好ましいのは、感光体1、帯電部材2、現像手段4を一体に支持したプロセスカートリッジであるといえる。
(2-2)帯電前除電手段が無い場合の画像評価方法
以下で、帯電前除電手段が無い場合の画像評価方法について説明する。
帯電前に除電手段を備えていない場合、帯電前電位は暗電位Vdから明電位Vl(条件によっては0V)まで存在する。例えば、ベタ白画像を出力した場合、帯電前電位はVdに近く、ベタ黒画像を出力した場合、帯電前電位はVlに近い。これは、出力画像により露光条件が変化し、また転写条件により転写後電位が変化する為である。帯電前の被帯電領域の電位が不均一であるため、|帯電部材に印加する電圧Va−帯電前電位Vb|(ΔV)も一定ではなく、|Va−Vd|から|Va−Vl|(条件によっては|Va|)の電位差が存在する。
ここで、スパイク放電の放電電荷量の大きさは、ΔVに強く依存している。
すなわち、ΔVによって放電状態が著しく変化する。
帯電前除電手段が無い場合、実使用条件で存在するどのようなΔVでも感光ドラムを均一に帯電できなければならない。
そこで、以下に示す方法を用いて、帯電均一性を評価した。
図1に示す電子写真方式の画像形成装置において、実施例及び比較例で作製した帯電部材を取り付け、N/N環境(温度23℃、湿度50%)、L/L環境(温度15℃、湿度10%)下において、前述した画像形成動作によって画像出力を行った。
画像書き込み用露光装置の露光強度を変化させて、画像露光後のドラム電位が暗電位Vdから明電位Vlまで10段階で変化する画像を出力した。
このようにして、暗電位Vdから明電位Vlまで10段階で分割された各々の帯電前電位について、帯電均一性を評価した。
使用する画像形成装置は、プロセススピード100mm/secに設定した。
感光層の膜厚が25μm、比誘電率が3.0、直径が30mm、10点平均表面粗さが0.5μmの感光ドラムを画像出力時に用いた。
帯電後のドラム電位分布を顕像化する為に、現像バイアスを“暗電位Vd−100V”に設定して、トナーを感光ドラムに現像した。
N/N環境下での画像出力結果を表4に、L/L環境下での画像出力結果を表5に示す。表中の画像レベルは、○が10段階の帯電前電位全てで良い、△は10段階の帯電前電位のうちいずれかで帯電不良が発生しているが許容範囲である、×は10段階の帯電前電位のうちいずれかで帯電不良が発生していて許容できないというレベルである。
(2-3)帯電前除電手段が無い場合の画像出力結果
以下で、画像出力結果を分析する。
N/N環境下(温度23℃、湿度50%RH)で、帯電不良が発生しても許容である範囲は、スパイク放電電流の最大瞬時値の10点平均Ispが、Isp<1000μAを満たし、かつ10点平均表面粗さRzが、3μm<Rz<100μm、かつ凹凸の平均間隔Smが、15μm<Sm<1000μmを満たす場合である。
その中で帯電均一性が良好な範囲は、スパイク放電電流の最大瞬時値の10点平均Ispが、Isp<750μAを満たし、かつ10点平均表面粗さRzが、4μm<Rz<50μm、かつ凹凸の平均間隔Smが、20μm<Sm<500μmを満たす場合である。
また、L/L環境下(温度10℃、湿度15%RH)で、帯電不良が発生しても許容である範囲は、スパイク放電電流の最大瞬時値の10点平均Ispが、Isp<1500μAを満たし、かつ10点平均表面粗さRzが、3μm<Rz<100μm、かつ凹凸の平均間隔Smが、15μm<Sm<1000μmを満たす場合である。
その中で帯電均一性が良好な範囲は、スパイク放電電流の最大瞬時値の10点平均Ispが、Isp<1000μAを満たし、かつ10点平均表面粗さRzが、4μm<Rz<50μm、かつ凹凸の平均間隔Smが、20μm<Sm<500μmを満たす場合である。
ここで、帯電前除電手段がない時のDC帯電方式におけるスパイク放電発生特性と帯電均一性の関係を定性的にまとめると、以下のようになる。
一回のスパイク放電の放電電荷量が大きく、長手方向の帯電面積が広い場合、|帯電部材に印加する電圧Va−帯電前電位Vb|(ΔV)によって帯電均一性は変化し、スジ状の帯電不良が発生しやすい。従って、画像露光条件によっては均一に帯電するのは難しい。
一回のスパイク放電の放電電荷量が小さく、長手方向の帯電面積が広い場合、ΔVの値に関わらず、スジ状の帯電不良が発生しやすい。従って、均一に帯電するのは難しい。
一回のスパイク放電の放電電荷量が大きく、長手方向の帯電面積が狭い場合、ΔVが大きい時にポチ状の帯電不良が発生しやすい。従って、均一に帯電するのは難しい。
一回のスパイク放電の放電電荷量が小さく、長手方向の帯電面積が狭い場合、ΔVの値に関わらず、均一に帯電できる。
次に、帯電ローラの表面粗さと帯電均一性の詳細な関係についてまとめると、以下のようになる。一回の放電で帯電する領域は、10点平均表面粗さRz及び凹凸の平均間隔Smに強く依存している。
ケース1)
10点平均表面粗さRzが3μm以下の平滑な帯電ローラの場合、凹凸の平均間隔Smの値に関わらず、一回の放電で帯電する領域が長手方向に広がる。この場合、一回の放電電荷量に関わらず、スジ状の帯電不良が発生する。
ケース2)
10点平均表面粗さRzが100μm以上の粗い帯電ローラの場合、凹凸の平均間隔Smや一回の放電電荷量に関わらず、一回の放電で帯電する領域が長手方向に広がりスジ状の帯電不良か、一回の放電で帯電する領域が非常に狭くなりポチ状の帯電不良が発生し、安定して帯電できる領域は存在しない。
ケース3)
10点平均表面粗さRzが3μm<Rz<100μm で、凹凸の平均間隔Smが15μm以下の帯電ローラの場合、凹凸の平均間隔Smが短すぎる為、複数の凸部において同時に放電が発生する。このため、一回の放電電荷量に関わらず、一回の放電で帯電する領域が長手方向に広がりスジ状の帯電不良になりやすい。
ケース4)
10点平均表面粗さRzが3μm<Rz<100μm で、凹凸の平均間隔Smが1000μm以上の帯電ローラの場合、凹凸の平均間隔Smが長すぎる為、放電が起きる際に凸部や凹部の影響が小さくなる。このため、一回の放電電荷量に関わらず、一回の放電で帯電する領域が長手方向に広がりスジ状の帯電不良になりやすい。
ケース5)
10点平均表面粗さRzが3μm<Rz<100μm で、凹凸の平均間隔Smが15μm<Sm<1000μm の帯電ローラの場合、一回の放電電荷量がある程度小さければ、一回の放電で帯電する領域が長手方向に広がらずスジ状の帯電不良が発生しにくく、局所的に過剰に帯電するポチ状の帯電不良も発生しにくい。
本実施例では動的スパイク放電電流測定方法として、0.1sの間スパイク放電電流を測定し、0.01sごとに10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値Isp1,Isp2,…,Isp10の10点平均Ispを求めた。
ケース5では、IspがN/N環境下では1000μA未満、L/L環境下では1500μA未満の場合、帯電不良が発生しにくい。
より好ましくは、IspがN/N環境下では750μA未満、L/L環境下では1000μA未満の場合、帯電不良が発生しにくい。
ケース6)
10点平均表面粗さRzが4μm<Rz<50μm で、凹凸の平均間隔Smが20μm<Sm<500μm の帯電ローラの場合、一回の放電電荷量がある程度小さければ、一回の放電で帯電する領域が長手方向に広がらずスジ状の帯電不良が発生せず、局所的に過剰に帯電するポチ状の帯電不良も発生しない。
ケース6では、IspがN/N環境下では1000μA未満、L/L環境下では1500μA未満の場合、帯電不良が発生しにくい。
より好ましくは、IspがN/N環境下では750μA未満、L/L環境下では1000μA未満の場合、帯電不良が発生しない。
このように、ケース5及びケース6で挙げた帯電ローラは、実際に使用できるレベルにある。ここでは、N/N環境とL/L環境についてのみ測定を行ったが、本件で作成した帯電ローラについては、H/H環境(温度30℃、湿度80%RH)等、他の環境についても良好に帯電することができた。本実施例以外でも、N/N環境とL/L環境について測定をするだけで、ほぼ帯電ローラのスパイク放電発生特性を把握できることを確認した。ただし、必要に応じてH/H環境(温度30℃、湿度80%RH)等、他の環境下で動的スパイク放電電流測定を行ってもよい。
本実施例では動的スパイク放電電流測定方法として、0.1sの間スパイク放電電流を測定し、0.01sごとに10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値Isp1,Isp2,…,Isp10の10点平均Ispを求めた。
しかし、スパイク放電電流の発生状況を定量化する方法は、上記の方法に限定するものではない。例えば、測定時間を変えてもよいし、分割する区間の数を変えてもよい。
特に、動的スパイク放電電流測定時間を、帯電ローラが一周する時間以上に設定することで、帯電ローラ全体のスパイク放電発生特性を把握することができる。
ただし、Ispの算出方法によって、Ispの上限は変化するので、適宜設定し直す必要がある。
本実施例では、スパイク放電電流の大きさを見積もる制御変数として最大瞬時電流を用いたが、スパイク放電電流の大きさを見積もることができるならばどのような制御変数でもよい。所定の閾値以上に流れているスパイク放電電流の時間積分値(一回の放電で発生する放電電荷量)を例に挙げる。
放電電荷量の大きなスパイク放電を見積もる量として、以下に示すQspを求めた。
0.1sの間連続してスパイク放電電流を測定し、0.01sごとに10分割し、分割した各々の時間内における一回の放電で発生する放電電荷量の最大値Qsp1, Qsp2,…,Qsp10の10点平均Qspを求めた。ただし、ここで求めたQsp1,Qsp2,…,Qsp10は、一回の放電で発生する放電電荷量の絶対値が最大となる値である。また、Qsp1,Qsp2,…,Qsp10は、少なくとも最大瞬時電流が10μA以上流れているスパイク放電の時間積分値である。
QspとIspを同時に測定した実測例を図13に示す。
QspはIspとほぼ比例しており、放電電荷量の大きなスパイク放電の発生状況を見積もる量として、適切であることが分かる。
本実施例では、動的スパイク放電電流測定時のプロセススピードは100mm/sに設定した。しかし、本発明における請求項を満たす帯電ローラを用いて帯電した場合、少なくとも10mm/s以上400mm/s以下ならば均一に帯電できることを確認した。25mm/s以上300mm/s以下ならばより好ましく、均一に帯電できることを確認した。
従って、プロセススピード100mm/sで動的スパイク放電電流測定をして、帯電ローラのスパイク放電発生特性を把握することで、画像形成時のプロセススピードが10mm/sから400mm/sまでの帯電均一性を評価できる。
ただし、動的スパイク放電電流測定時のプロセススピードを100mm/sに限定するものではない。
他のプロセススピードで動的スパイク放電電流測定を行ってもよい。
本実施例では、感光層の膜厚が25μmの感光ドラムを動的スパイク放電電流測定時に用いた。
しかし、本発明における請求項を満たす帯電ローラを用いて帯電した場合、少なくとも感光層の膜厚が3μm以上50μm以下ならば均一に帯電できることを確認した。5μm以上40mm/s以下ならばより好ましく、均一に帯電できることを確認した。
従って、感光層の膜厚が25μmの感光ドラムを用いて動的スパイク放電電流測定をして、帯電ローラのスパイク放電発生特性を把握することで、画像形成時に使用する感光ドラムの感光層の膜厚が3μmから50μmまでの帯電均一性を評価できる。
ただし、動的スパイク放電電流測定時の感光ドラム感光層の膜厚を25μmに限定するものではない。他の膜厚で動的スパイク放電電流測定を行ってもよい。
これまでに発明者が得た知見では、感光ドラム膜厚が厚くなるに従って、スパイク放電電流の瞬時値が大きくなる。従って、均一に帯電できるローラを判別するためのIspの閾値も変化する。表8に、動的スパイク放電電流測定時の感光ドラム感光層の膜厚を15μmにした時の測定例を示す。表に示したとおり、感光層の膜厚が15μmの時は、使用可能なレベルで均一に帯電できるローラのIspは、200μA未満、より好ましくは150μA未満である。
ここで、膜厚25μmで均一に帯電できる帯電ローラは、膜厚15μmでも均一に帯電できた。
このように、帯電ローラのスパイク放電発生特性をより正確に把握したい場合は、動的スパイク放電電流測定時に膜厚が厚い感光ドラムを使用したほうがよい。
実際に画像形成時に用いる感光ドラムの膜厚と、動的スパイク放電電流測定時に用いる感光ドラムの膜厚が違っていてもよい。
本実施例では、感光層の比誘電率が3.0の感光ドラムを動的スパイク放電電流測定時に用いた。一般的に、帯電電位が同じ場合、感光層の比誘電率が高い方が、帯電に必要な電荷量が大きい。しかし、本発明における請求項を満たす帯電ローラを用いて帯電した場合、少なくとも感光層の比誘電率が1.1以上30以下ならば使用可能なレベルで均一に帯電できることを確認した。1.2以上20以下ならばより好ましく、均一に帯電できることを確認した。
従って、感光層の比誘電率が3.0の感光ドラムを用いて動的スパイク放電電流測定をして、帯電ローラのスパイク放電発生特性を把握することで、画像形成時に使用する感光ドラムの感光層の比誘電率が1.1から30までの帯電均一性を評価できる。
ただし、動的スパイク放電電流測定時の感光層の比誘電率を3.0に限定するものではない。
本実施例では、直径が30mmの感光ドラムを動的スパイク放電電流測定時に用いた。
しかし、本発明における請求項を満たす帯電ローラを用いて帯電した場合、少なくとも感光ドラムの直径が10mm以上ならば使用可能なレベルで均一に帯電できることを確認した。15mm以上ならばより好ましく、均一に帯電できることを確認した。
従って、感光ドラムの直径が30mmの感光ドラムを用いて動的スパイク放電電流測定をして、帯電ローラのスパイク放電発生特性を把握することで、画像形成時に使用する感光ドラムの直径が10mm以上の帯電均一性を評価できる。
ただし、動的スパイク放電電流測定時の感光ドラムの直径を30mmに限定するものではない。
本実施例では、表面層の10点平均表面粗さが0.5μmの感光ドラムを動的スパイク放電電流測定時に用いた。
しかし、本発明における請求項を満たす帯電ローラを用いて帯電した場合、少なくとも感光ドラム表面層の10点平均表面粗さが2μm以下ならば使用可能なレベルで均一に帯電できることを確認した。1μm以上ならばより好ましく、均一に帯電できることを確認した。
従って、感光ドラム表面層の10点平均表面粗さが0.5μmの感光ドラムを用いて動的スパイク放電電流測定をして、帯電ローラのスパイク放電発生特性を把握することで、画像形成時に使用する感光ドラム表面層の10点平均表面粗さが2μm以下の帯電均一性を評価できる。
ただし、動的スパイク放電電流測定時の感光ドラム表面層の10点平均表面粗さを0.5μmに限定するものではない。
本実施例では、動的スパイク放電電流測定時に、帯電ローラに印加する電圧を、-1200Vに設定した。
しかし、本発明における請求項を満たす帯電ローラを用いて帯電した場合、少なくとも帯電ローラに印加する電圧が-2500V以下ならば使用可能なレベルで均一に帯電できることを確認した。-2000V以下ならばより好ましく、均一に帯電できることを確認した。
従って、動的スパイク放電電流測定時に、帯電ローラに印加する電圧を、-1200Vに設定して、帯電ローラのスパイク放電発生特性を把握することで、画像形成時に帯電ローラに印加する電圧が-2500V以下の帯電均一性を評価できる。
ただし、動的スパイク放電電流測定時に、帯電ローラに印加する電圧を-1200Vに限定するものではない。
本実施例では、帯電均一性を確認する画像評価時に、現像剤にキャリアを含まない1成分接触現像方式の画像形成装置を用いた。しかし、本発明における請求項を満たす帯電ローラを用いて帯電した場合、ジャンピング現像方式や、現像剤にキャリアを含む2成分接触現像方式等の現像方式を用いても使用可能なレベルで均一に帯電できることを確認した。
従って、現像剤にキャリアを含まない1成分接触現像方式の画像形成装置を用いて画像出力した時に帯電不良が発生しなければ、他の現像方式でも帯電不良は発生しない。
ただし、帯電均一性を確認する画像評価時に、現像剤にキャリアを含まない1成分接触現像方式の画像形成装置を用いることを限定するものではない。
本実施例では、帯電ローラの直径は12mmであるが、これに限定するものではない。
しかし、本発明における請求項を満たす帯電ローラを用いて帯電した場合、少なくとも帯電ローラの直径が3mm以上ならば使用可能なレベルで均一に帯電できることを確認した。4mm以上ならばより好ましく、均一に帯電できることを確認した。
これまでの直流電圧を帯電部材に印加する帯電装置では、帯電前除電手段が多く用いられてきた。帯電前除電手段が有る場合でも、あるプロセス条件では均一に帯電できていても、温度や湿度環境、被帯電体の膜厚、プロセススピード等のプロセス条件が変化すると、帯電不良が発生することが多くあった。これは、プロセス条件が変化すると、スパイク放電の放電電荷量及び長手方向の帯電領域が大きく変化することに起因する。
帯電前除電手段がない場合、帯電前電位が暗電位Vdから明電位Vlまで存在するので、スパイク放電の放電電荷量及び長手方向の帯電領域を安定させることができなかった。したがって、帯電前除電手段がない場合、安定して均一に帯電することはできなかった。
しかし、本発明の請求項に記載の帯電装置を用いると、スパイク放電の放電電荷量は常に小さく、長手方向の帯電領域も狭い。したがって、DC帯電方式において帯電前除電手段がない場合で、温度や湿度環境、被帯電体の膜厚、プロセススピード等のプロセス条件が変化しても、被帯電体を均一に帯電することができる。
したがって、帯電前除電手段がない簡易な構成で、DC帯電方式が実現できる。
(2-4)帯電前除電手段が有る場合の画像評価方法
以下で、帯電前除電手段が有る場合の画像評価方法について説明する。
この画像評価方法では、帯電前除電手段として帯電前露光装置を用いた。
これにより、帯電前電位は0Vにすることができる。
したがって、帯電前の被帯電領域の電位が均一であるため、|帯電部材に印加する電圧Va−帯電前電位Vb|(ΔV)が一定になるので、帯電時に発生するスパイク放電の放電電荷量及び帯電領域は安定化しやすい。
しかし、プロセススピード変化や温度湿度環境変化、使用に伴う被帯電体の膜厚変化・帯電部材の抵抗変化等、帯電条件が変化すると、スパイク放電の放電電荷量及び帯電領域が変化する。それに伴い、一部の帯電領域が過剰もしくは過小な電荷分布になり、被帯電体にトナーを現像した時に白スジ・黒スジ・白ポチ等の帯電不良となる。
従って、想定されうる実使用条件内で帯電不良が起きてはならない。
そこで、以下に示す評価方法を用いて、帯電均一性を評価した。
図1に示す電子写真方式の画像形成装置において、実施例及び比較例で作製した帯電部材を取り付け、前述した画像形成動作によって画像評価を行った。
実使用条件として、プロセススピードを25mm/s、100mm/s、200mm/sの3条件、環境はN/N環境(温度23℃、湿度50%)、L/L環境(温度15℃、湿度10%)の2条件、感光ドラムの膜厚は25μm、20μm、15μmの3条件変化させた。
このようにして、各条件について、ポチ及びスジ状の帯電均一性を評価した。
感光層の比誘電率が3.0、直径が30mm、10点平均表面粗さが0.5μmの感光ドラムを画像出力時に用いた。
帯電後のドラム電位分布を顕像化する為に、現像バイアスを“暗電位Vd−100V”に設定して、トナーを感光ドラムに現像した。
N/N環境下での画像評価結果を表6に、L/L環境下での画像評価結果を表7に示す。
表中の画像レベルは、○が良い、△は帯電不良が発生しているが許容範囲である、×は帯電不良が発生していて許容できないレベルである。
(2-5)帯電前除電手段が有る場合の画像評価結果
以下で、画像評価結果を分析する。
N/N環境下(温度23℃、湿度50%RH)で、帯電不良が発生しても許容範囲は、スパイク放電電流の最大瞬時値の10点平均Ispが、Isp<1000μAを満たし、かつ10点平均表面粗さRzが、3μm<Rz<100μm、かつ凹凸の平均間隔Smが、15μm<Sm<1000μmを満たす場合である。
その中で帯電均一性が良好な範囲は、スパイク放電電流の最大瞬時値の10点平均Ispが、Isp<750μAを満たし、かつ10点平均表面粗さRzが、4μm<Rz<50μm、かつ凹凸の平均間隔Smが、20μm<Sm<500μmを満たす場合である。
また、L/L環境下(温度10℃、湿度15%RH)で、帯電不良が発生しても許容範囲は、スパイク放電電流の最大瞬時値の10点平均Ispが、Isp<1500μAを満たし、かつ10点平均表面粗さRzが、3μm<Rz<100μm、かつ凹凸の平均間隔Smが、15μm<Sm<1000μmを満たす場合である。
その中で帯電均一性が良好な範囲は、スパイク放電電流の最大瞬時値の10点平均Ispが、Isp<1000μAを満たし、かつ10点平均表面粗さRzが、4μm<Rz<50μm、かつ凹凸の平均間隔Smが、20μm<Sm<500μmを満たす場合である。
ここで、帯電前除電手段がある時のDC帯電方式におけるスパイク放電発生特性と帯電均一性の関係を定性的にまとめると、以下のようになる。
一回のスパイク放電の放電電荷量が大きく、長手方向の帯電領域が広い場合、プロセススピードや感光ドラムの膜厚等の帯電条件が変化することによって帯電均一性は変化し、スジ状の帯電不良が発生しやすい。従って、帯電ローラを使用する画像形成条件によっては、均一に帯電するのは難しい。
一回のスパイク放電の放電電荷量が小さく、長手方向の帯電領域が広い場合、プロセススピードや感光ドラムの膜厚等の帯電条件に関わらず、スジ状の帯電不良が発生しやすい。従って、均一に帯電するのは難しい。
一回のスパイク放電の放電電荷量が大きく、長手方向の帯電領域が狭い場合、感光ドラムの膜厚が厚い時にポチ状の帯電不良が発生しやすい。従って、均一に帯電するのは難しい。
一回のスパイク放電の放電電荷量が小さく、長手方向の帯電領域が狭い場合、プロセススピードや感光ドラムの膜厚等の帯電条件に関わらず、均一に帯電できる。
次に、帯電ローラの表面粗さと帯電均一性の詳細な関係をまとめると、以下のようになる。
一回の放電で帯電する領域は、10点平均表面粗さRz及び凹凸の平均間隔Smに強く依存している。
ケース1)
10点平均表面粗さRzが3μm以下の平滑な帯電ローラの場合、凹凸の平均間隔Smの値に関わらず、一回の放電で帯電する領域が長手方向に広がる。
Ispが500μA以上の場合、プロセススピードや感光ドラムの膜厚等の帯電条件が変化することによって帯電均一性は変化する。使用できるレベルで均一に帯電できる条件が存在するが、使用条件が変化するとスジ状の帯電不良が発生しやすい。
また、Ispが500μA未満の場合、どのような使用条件でもスジ状の帯電不良が発生しやすい。
ケース2)
10点平均表面粗さRzが100μm以上の粗い帯電ローラの場合、凹凸の平均間隔Smや一回の放電電荷量に関わらず、一回の放電で帯電する領域が長手方向に広がりスジ状の帯電不良が発生しやすいか、一回の放電で帯電する領域が非常に狭くなりポチ状の帯電不良が発生しやすく、実使用条件内で安定して帯電できない。
ケース3)
10点平均表面粗さRzが3μm<Rz<100μm で、凹凸の平均間隔Smが15μm以下の帯電ローラの場合、凹凸の平均間隔Smが短すぎる為、複数の凸部において同時に放電が発生する。このため、一回の放電電荷量に関わらず、一回の放電で帯電する領域が長手方向に広がりスジ状の帯電不良が発生しやすく、実使用条件内で安定して帯電できない。
ケース4)
10点平均表面粗さRzが3μm<Rz<100μmで、凹凸の平均間隔Smが1000μm以上の帯電ローラの場合、凹凸の平均間隔Smが長すぎる為、放電が起きる際に凸部や凹部の影響が小さくなる。このため、一回の放電電荷量に関わらず、一回の放電で帯電する領域が長手方向に広がりスジ状の帯電不良が発生しやすく、実使用条件内で安定して帯電できない。
ケース5)
10点平均表面粗さRzが3μm<Rz<100μm で、凹凸の平均間隔Smが15μm<Sm<1000μm の帯電ローラの場合、一回の放電電荷量がある程度小さければ、一回の放電で帯電する領域が長手方向に広がらずスジ状の帯電不良が発生しにくく、局所的に過剰に帯電するポチ状の帯電不良も発生しにくい。
本実施例では動的スパイク放電電流測定方法として、0.1sの間スパイク放電電流を測定し、0.01sごとに10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値Isp1,Isp2,…,Isp10の10点平均Ispを求めた。
ケース5では、IspがN/N環境下では1000μA未満、L/L環境下では1500μA未満の場合、帯電不良が発生しにくい。
より好ましくは、IspがN/N環境下では750μA未満、L/L環境下では1000μA未満の場合、帯電不良が発生しにくい。
ケース6)
10点平均表面粗さRzが4μm<Rz<50μmで、凹凸の平均間隔Smが20μm<Sm<500μm の帯電ローラの場合、一回の放電電荷量がある程度小さければ、一回の放電で帯電する領域が長手方向に広がらずスジ状の帯電不良が発生せず、局所的に過剰に帯電するポチ状の帯電不良も発生しない。
ケース6では、IspがN/N環境下では1000μA未満、L/L環境下では1500μA未満の場合、帯電不良が発生しにくい。
より好ましくは、IspがN/N環境下では750μA未満、L/L環境下では1000μA未満の場合、帯電不良が発生しない。
このように、ケース5及びケース6で挙げた帯電ローラは、実際に使用できるレベルにある。ここでは、N/N環境とL/L環境についてのみ測定を行ったが、本件で作成した帯電ローラについては、H/H環境(温度30℃、湿度80%RH)等、他の環境についても良好に帯電することができた。本実施例以外でも、N/N環境とL/L環境について測定をするだけで、ほぼ帯電ローラのスパイク放電発生特性を把握できることを確認した。ただし、必要に応じてH/H環境(温度30℃、湿度80%RH)等、他の環境下で測定を行ってもよい。
本実施例では動的スパイク放電電流測定方法として、0.1sの間スパイク放電電流を測定し、0.01sごとに10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値Isp1,Isp2,…,Isp10の10点平均Ispを求めた。
しかし、スパイク放電電流の発生状況を定量化する方法は、上記の方法に限定するものではない。例えば、測定時間を変えてもよいし、分割する区間の数を変えてもよい。
特に、動的スパイク放電電流測定時間を、帯電ローラが一周する時間以上に設定することで、帯電ローラ全体のスパイク放電発生特性を把握することができる。
ただし、Ispの算出方法によって、Ispの上限は変化するので、適宜設定し直す必要がある。
本実施例では、スパイク放電電流の大きさを見積もる制御変数として最大瞬時電流を用いたが、スパイク放電電流の大きさを見積もることができるならばどのような制御変数でもよい。所定の閾値以上に流れているスパイク放電電流の時間積分値(一回の放電で発生する放電電荷量)を例に挙げる。
放電電荷量の大きなスパイク放電を見積もる量として、以下に示すQspを求めた。
0.1sの間連続してスパイク放電電流を測定し、0.01sごとに10分割し、分割した各々の時間内における一回の放電で発生する放電電荷量の最大値Qsp1,Qsp2,…,Qsp10の10点平均Qspを求めた。ただし、ここで求めたQsp1,Qsp2,…,Qsp10は、一回の放電で発生する放電電荷量の絶対値が最大となる値である。また、Qsp1,Qsp2,…,Qsp10は、少なくとも最大瞬時電流が10μA以上流れているスパイク放電の時間積分値である。
QspとIspを同時に測定した実測例を図13に示す。
QspはIspにほぼ比例しており、放電電荷量の大きなスパイク放電の発生状況を見積もる量として、適切であることが分かる。
本実施例では、感光層の比誘電率が3.0の感光ドラムを動的スパイク放電電流測定時に用いた。
しかし、本発明における請求項を満たす帯電ローラを用いて帯電した場合、少なくとも感光層の比誘電率が1.1以上30以下ならば使用可能なレベルで均一に帯電できることを確認した。1.2以上20以下ならばより好ましく、均一に帯電できることを確認した。
従って、感光層の比誘電率が3.0の感光ドラムを用いて動的スパイク放電電流測定をして、帯電ローラのスパイク放電発生特性を把握することで、画像形成時に使用する感光ドラムの感光層の比誘電率が1.1から30までの帯電均一性を評価できる。
ただし、動的スパイク放電電流測定時の感光層の比誘電率を3.0に限定するものではない。
本実施例では、直径が30mmの感光ドラムを動的スパイク放電電流測定時に用いた。
しかし、本発明における請求項を満たす帯電ローラを用いて帯電した場合、少なくとも感光ドラムの直径が10mm以上ならば使用可能なレベルで均一に帯電できることを確認した。15mm以上ならばより好ましく、均一に帯電できることを確認した。
従って、感光ドラムの直径が30mmの感光ドラムを用いて動的スパイク放電電流測定をして、帯電ローラのスパイク放電発生特性を把握することで、画像形成時に使用する感光ドラムの直径が10mm以上の帯電均一性を評価できる。
ただし、動的スパイク放電電流測定時の感光ドラムの直径を30mmに限定するものではない。
本実施例では、表面層の10点平均表面粗さが0.5μmの感光ドラムを動的スパイク放電電流測定時に用いた。
しかし、本発明における請求項を満たす帯電ローラを用いて帯電した場合、少なくとも感光ドラム表面層の10点平均表面粗さが2μm以下ならば使用可能なレベルで均一に帯電できることを確認した。1μm以上ならばより好ましく、均一に帯電できることを確認した。
従って、感光ドラム表面層の10点平均表面粗さが0.5μmの感光ドラムを用いて動的スパイク放電電流測定をして、帯電ローラのスパイク放電発生特性を把握することで、画像形成時に使用する感光ドラム表面層の10点平均表面粗さが2μm以下の帯電均一性を評価できる。
ただし、動的スパイク放電電流測定時の感光ドラム表面層の10点平均表面粗さを0.5μmに限定するものではない。
本実施例では、動的スパイク放電電流測定時に、帯電ローラに印加する電圧を、-1200Vに設定した。
しかし、本発明における請求項を満たす帯電ローラを用いて帯電した場合、少なくとも帯電ローラに印加する電圧が-2500V未満ならば使用可能なレベルで均一に帯電できることを確認した。-2000V未満ならばより好ましく、均一に帯電できることを確認した。
従って、動的スパイク放電電流測定時に、帯電ローラに印加する電圧を、-1200Vに設定して、帯電ローラのスパイク放電発生特性を把握することで、画像形成時に帯電ローラに印加する電圧が-2500V未満の帯電均一性を評価できる。
ただし、動的スパイク放電電流測定時に、帯電ローラに印加する電圧を-1200Vに限定するものではない。
本実施例では、帯電均一性を確認する画像評価時に、現像剤にキャリアを含まない1成分接触現像方式の画像形成装置を用いた。しかし、本発明における請求項を満たす帯電ローラを用いて帯電した場合、ジャンピング現像方式や、現像剤にキャリアを含む2成分接触現像方式等の現像方式を用いても使用可能なレベルで均一に帯電できることを確認した。
従って、現像剤にキャリアを含まない1成分接触現像方式の画像形成装置を用いて画像出力した時に帯電不良が発生しなければ、他の現像方式でも帯電不良は発生しない。
ただし、帯電均一性を確認する画像評価時に、現像剤にキャリアを含まない1成分接触現像方式の画像形成装置を用いることを限定するものではない。
本実施例では、帯電ローラの直径は12mmであるが、これに限定するものではない。
しかし、本発明における請求項を満たす帯電ローラを用いて帯電した場合、少なくとも帯電ローラの直径が3mm以上ならば使用可能なレベルで均一に帯電できることを確認した。4mm以上ならばより好ましく、均一に帯電できることを確認した。
これまでの直流電圧を帯電部材に印加する帯電装置では、あるプロセス条件では均一に帯電できていても、温度や湿度環境、被帯電体の膜厚、プロセススピード等のプロセス条件が変化すると、帯電不良が発生することが多くあった。これは、プロセス条件が変化すると、スパイク放電の放電電荷量及び長手方向の帯電領域が大きく変化することに起因する。
しかし、本発明の請求項に記載の帯電装置を用いると、スパイク放電の放電電荷量は常に小さく、長手方向の帯電領域も狭い。したがって、DC帯電方式において帯電前除電手段がある場合で、温度や湿度環境、被帯電体の膜厚、プロセススピード等のプロセス条件が変化しても、被帯電体を均一に帯電することができる。
(実施例13)
本発明では、図1に示した電子写真装置を画像形成に用いた。動作等の詳細な説明は、既述の通りである。本発明の請求項で規定した帯電装置を用いることにより、実際に使用する条件内では帯電不良の発生しない電子写真装置が得られた。
(実施例14)
実施例1〜13では、帯電部材に直流電圧を印加するDC帯電方式を例に挙げた。しかし、これに限定するものではない。本発明により考案された帯電部材をAC帯電方式に用いてもよい。通常のAC帯電方式では、帯電開始閾値(Vth)の2倍以上のピーク間電圧を持つ交流電圧を帯電部材に印加することで、帯電電位をならし均一に帯電する。したがって、ピーク間電圧Vppが放電開始電圧Vthの2倍未満しかない場合、電位付与成分しか放電せず、電位をならす成分の放電が存在しない為、均一に帯電できない。しかし、本発明の請求項に示した帯電部材を備えた帯電装置の場合、ピーク間電圧Vppが放電開始電圧Vthの2倍未満しかない時でも均一に帯電できる。
この帯電方式では、AC電圧を帯電部材に印加するので、帯電部材表面についた付着物を引き剥がしながら帯電することができる。
Figure 2005156920
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本発明の画像形成装置における一実施の形態を示す概略構成図である。 本発明の帯電部材の一例を示す概略図である。 本発明の帯電部材の他の例を示す概略図である。 本発明の帯電部材の他の例を示す概略図である。 本発明の帯電部材の他の例を示す概略図である。 本発明の帯電部材の他の例を示す概略図である。 本発明の帯電部材の他の例を示す概略図である。 本発明の帯電部材の他の例を示す概略図である。 本発明の帯電部材の他の例を示す概略図である。 動的放電電流測定に用いるスパイク放電電流測定装置の概略構成図である。 スパイク放電電流の測定例である。 -200Vを印加した時に流れるDC電流と、画像形成時の電圧-1200Vを印加した時に流れるスパイク放電電流Ispを測定した例である。 0.1sを10分割した各々の時間内における、スパイク放電電流の最大瞬時値Isp1,Isp2,…,Isp10の10点平均Ispと、一回の放電で発生する放電電荷量の最大値Qsp1,Qsp2,…,Qsp10の10点平均Qspを同時に算出した測定例である。
符号の説明
1 像担持体(感光体)
2 帯電部材(帯電ローラ)
2a 導電性支持体
2b 弾性層
2c 抵抗層
2d 表面層
2e 第2の抵抗層
3 像露光手段
4 現像手段
4a トナー担持体
4b 撹拌部材
4c トナー磁性部材
5 転写手段
6 クリーニング手段
10 帯電電流波形測定装置
11 スパイク放電電流抽出装置
12 統計処理装置
13 帯電前露光装置
L レーザー光
S1,S2,S3 バイアス印加電源
P 転写材

Claims (13)

  1. 帯電部材に電圧を印加して被帯電体を帯電する帯電装置において、
    温度23℃、湿度50%RH環境下で、動的スパイク放電電流測定において、
    測定時間0.1sを10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値の10点平均Ispが、Isp<1000μAを満たし、かつ
    10点平均表面粗さRzが、3μm<Rz<100μm、かつ
    凹凸の平均間隔Smが、15μm<Sm<1000μmを満たす帯電部材を備えていることを特徴とする帯電装置。
  2. 帯電部材に電圧を印加して被帯電体を帯電する帯電装置において、
    温度23℃、湿度50%RH環境下で、動的スパイク放電電流測定において、
    測定時間0.1sを10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値の10点平均Ispが、Isp<750μAを満たし、かつ
    10点平均表面粗さRzが、3μm<Rz<100μm、かつ
    凹凸の平均間隔Smが、15μm<Sm<1000μmを満たす帯電部材を備えていることを特徴とする帯電装置。
  3. 帯電部材に電圧を印加して被帯電体を帯電する帯電装置において、
    温度15℃、湿度10%RH環境下で、動的スパイク放電電流測定において、
    測定時間0.1sを10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値の10点平均Ispが、Isp<1500μAを満たし、かつ
    10点平均表面粗さRzが、3μm<Rz<100μm、かつ
    凹凸の平均間隔Smが、15μm<Sm<1000μmを満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の帯電部材を備えていることを特徴とする帯電装置。
  4. 帯電部材に電圧を印加して被帯電体を帯電する帯電装置において、
    温度15℃、湿度10%RH環境下で、動的スパイク放電電流測定において、
    測定時間0.1sを10分割し、分割した各々の時間内におけるスパイク放電電流の最大瞬時値の10点平均Ispが、Isp<1000μAを満たし、かつ
    10点平均表面粗さRzが、3μm<Rz<100μm、かつ
    凹凸の平均間隔Smが、15μm<Sm<1000μmを満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の帯電部材を備えていることを特徴とする帯電装置。
  5. 10点平均表面粗さRzが、4μm<Rz<50μmを満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の帯電部材を備えていることを特徴とする帯電装置。
  6. 凹凸の平均間隔Smが、20μm<Sm<750μmを満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の帯電部材を備えていることを特徴とする帯電装置。
  7. 導電性基体と、この導電性基体上に形成され少なくとも導電性を有する被覆層とにより構成され、
    前記被覆層が2層以上で構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の帯電部材を備えていることを特徴とする帯電装置。
  8. 導電性基体と、この導電性基体上に形成され少なくとも導電性を有する被覆層とにより構成され、
    前記被覆層が1層で構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の帯電部材を備えていることを特徴とする帯電装置。
  9. 請求項1〜8に記載の帯電装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  10. 帯電前に被帯電体の電位を除電する装置を備えていないことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 帯電前に被帯電体の電位を除電する装置を備えていることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  12. 帯電部材に直流電圧を印加する手段を備えていることを特徴とする請求項9〜11に記載の画像形成装置。
  13. 直流電圧に、ピーク間電圧Vppが放電開始電圧Vthの2倍未満である交流電圧を重畳した電圧を、帯電部材に印加する手段を備えていることを特徴とする請求項9〜11に記載の画像形成装置。
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