JP3026290B2 - 電子写真用帯電ロール - Google Patents
電子写真用帯電ロールInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写機に使用
するための帯電ロールに関するものである。
するための帯電ロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機の帯電ロールに用いられ
る導電性ロールは、103 〜109 Ω/cm2 程度の範
囲内の導電性を有することが求められており、通常、金
属シャフトとその外周面に形成された導電性層とによっ
て構成されている。このような導電性ロールは、帯電ロ
ールとして充分な機能を果たすためには、電気抵抗レベ
ルが、上記したように、103 〜109 Ω/cm2 の範
囲に入るのが望ましいとされている。帯電ロールは感光
ドラムの外周面に圧接させて回転させ、接触部の摺動摩
擦によって感光ドラムの外周面を帯電させるため、帯電
ロールには弾性が要求される。このため上記導電性層
は、一般に、シリコーンゴム等の合成ゴム中に導電性粉
末や導電性繊維(カーボンブラック、金属粉末、金属酸
化物、カーボン繊維等)を混入した導電性ゴム組成物に
よって形成されている(特開昭58−49960号公
報、実開昭58−88645号公報)。また、合成ゴム
本来のイオン導電性を利用し、あるいはこれに高誘電性
液体やイオン性物質を添加して、上記合成ゴムのイオン
導電性を補強したイオン導電性弾性層を備えた帯電ロー
ルも知られている(特開平1−277257号公報、特
開平2−198470号公報)。しかしながら、導電性
ゴム層と感光体表面とが直接接触した状態で帯電を繰り
返すと、ゴム層に含まれている低分子量成分が感光体に
移行して画像欠陥を引き起こすという問題が生じる。ま
たゴム層が感光体との接触によって磨耗して、ロール表
面の凹凸が初期状態から大きく変化して帯電の均一性が
損なわれるという問題が生じる。また導電性ゴム層の導
電度が高い場合には、感光体の欠陥部分に過大な電流が
流れるいわゆるピンホールリークが生じ、画像欠陥が現
れる。
る導電性ロールは、103 〜109 Ω/cm2 程度の範
囲内の導電性を有することが求められており、通常、金
属シャフトとその外周面に形成された導電性層とによっ
て構成されている。このような導電性ロールは、帯電ロ
ールとして充分な機能を果たすためには、電気抵抗レベ
ルが、上記したように、103 〜109 Ω/cm2 の範
囲に入るのが望ましいとされている。帯電ロールは感光
ドラムの外周面に圧接させて回転させ、接触部の摺動摩
擦によって感光ドラムの外周面を帯電させるため、帯電
ロールには弾性が要求される。このため上記導電性層
は、一般に、シリコーンゴム等の合成ゴム中に導電性粉
末や導電性繊維(カーボンブラック、金属粉末、金属酸
化物、カーボン繊維等)を混入した導電性ゴム組成物に
よって形成されている(特開昭58−49960号公
報、実開昭58−88645号公報)。また、合成ゴム
本来のイオン導電性を利用し、あるいはこれに高誘電性
液体やイオン性物質を添加して、上記合成ゴムのイオン
導電性を補強したイオン導電性弾性層を備えた帯電ロー
ルも知られている(特開平1−277257号公報、特
開平2−198470号公報)。しかしながら、導電性
ゴム層と感光体表面とが直接接触した状態で帯電を繰り
返すと、ゴム層に含まれている低分子量成分が感光体に
移行して画像欠陥を引き起こすという問題が生じる。ま
たゴム層が感光体との接触によって磨耗して、ロール表
面の凹凸が初期状態から大きく変化して帯電の均一性が
損なわれるという問題が生じる。また導電性ゴム層の導
電度が高い場合には、感光体の欠陥部分に過大な電流が
流れるいわゆるピンホールリークが生じ、画像欠陥が現
れる。
【0003】このような問題を解決するために、導電性
ゴム層の表面に抵抗の低い樹脂よりなる樹脂層を保護層
として設けることが行われている(特開昭58−194
061号公報、特開昭64−66674号公報)。しか
しながら、この場合、環境条件によって抵抗値が変化
し、画像濃度が環境条件によって変わるという問題があ
った。また感光体への帯電を繰り返し行うに伴って、樹
脂層が不均一に磨滅して放電ムラが生じたり、樹脂層表
面に放電生成物やトナーの構成材料の一部が付着して、
画像欠陥を引き起こす等の問題が避けられなかった。ま
た、ピンホールリークの発生を防ぐ目的で、導電性弾性
体層と表面樹脂層との中間に108 Ωcm程度の抵抗を
有するイオン導電性のゴム材料からなる中間層を介在さ
せるという試みもなされているが、この場合の中間層の
膜厚は100μm程度であり、均一な膜厚を得るのが難
しい等、製造上の問題とともに、環境条件によって帯電
ロールの抵抗値が変化するため、帯電ロールへの印加電
圧を定電流制御する必要がある等使用上の問題も残され
ている。
ゴム層の表面に抵抗の低い樹脂よりなる樹脂層を保護層
として設けることが行われている(特開昭58−194
061号公報、特開昭64−66674号公報)。しか
しながら、この場合、環境条件によって抵抗値が変化
し、画像濃度が環境条件によって変わるという問題があ
った。また感光体への帯電を繰り返し行うに伴って、樹
脂層が不均一に磨滅して放電ムラが生じたり、樹脂層表
面に放電生成物やトナーの構成材料の一部が付着して、
画像欠陥を引き起こす等の問題が避けられなかった。ま
た、ピンホールリークの発生を防ぐ目的で、導電性弾性
体層と表面樹脂層との中間に108 Ωcm程度の抵抗を
有するイオン導電性のゴム材料からなる中間層を介在さ
せるという試みもなされているが、この場合の中間層の
膜厚は100μm程度であり、均一な膜厚を得るのが難
しい等、製造上の問題とともに、環境条件によって帯電
ロールの抵抗値が変化するため、帯電ロールへの印加電
圧を定電流制御する必要がある等使用上の問題も残され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、これま
での帯電ロールは、いずれも感光体汚染、ピンホールリ
ーク、抵抗値の環境変化、異物付着や磨耗による劣化等
の問題があり、満足しうるものが得られていなかった。
本発明は、従来の技術における上記のような事情に鑑み
てなされたものである。したがって、本発明の目的は、
耐久性があり、抵抗値が環境条件で安定であり、かつピ
ンホールリークや感光体汚染の心配のない、優れた品質
の帯電ロールを提供することにある。
での帯電ロールは、いずれも感光体汚染、ピンホールリ
ーク、抵抗値の環境変化、異物付着や磨耗による劣化等
の問題があり、満足しうるものが得られていなかった。
本発明は、従来の技術における上記のような事情に鑑み
てなされたものである。したがって、本発明の目的は、
耐久性があり、抵抗値が環境条件で安定であり、かつピ
ンホールリークや感光体汚染の心配のない、優れた品質
の帯電ロールを提供することにある。
【0005】上記の目的を達成するために、検討した結
果、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロンのう
ち少なくとも1つを重合単位として共重合ナイロンを用
いると、優れた品質の帯電ロールが得られることを見出
し、この発明を完成するに至った。本発明の電子写真用
帯電ロールは、ロール軸体の外周に同心円状に形成され
た導電性弾性体層、およびその上に形成されたアルコー
ル系の溶剤に不溶な樹脂よりなる中間層の上に、610
ナイロン、11ナイロンおよび12ナイロンのうち少な
くとも1つを重合単位として含む共重合ナイロン樹脂中
に金属酸化物または金属酸化物被覆微粒子よりなる導電
性微粒子を分散した樹脂層が形成されていることを特徴
とする。
果、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロンのう
ち少なくとも1つを重合単位として共重合ナイロンを用
いると、優れた品質の帯電ロールが得られることを見出
し、この発明を完成するに至った。本発明の電子写真用
帯電ロールは、ロール軸体の外周に同心円状に形成され
た導電性弾性体層、およびその上に形成されたアルコー
ル系の溶剤に不溶な樹脂よりなる中間層の上に、610
ナイロン、11ナイロンおよび12ナイロンのうち少な
くとも1つを重合単位として含む共重合ナイロン樹脂中
に金属酸化物または金属酸化物被覆微粒子よりなる導電
性微粒子を分散した樹脂層が形成されていることを特徴
とする。
【0006】次に、この発明を詳細に説明する。図1は
本発明の電子写真用帯電ロールの実施例の断面図であ
る。図中、1はロール軸体、2は導電性弾性体層、3は
中間層、4は表面樹脂層である。
本発明の電子写真用帯電ロールの実施例の断面図であ
る。図中、1はロール軸体、2は導電性弾性体層、3は
中間層、4は表面樹脂層である。
【0007】本発明において、610ナイロン、11ナ
イロンおよび12ナイロンのうち少なくとも1つを重合
単位として含む共重合ナイロン樹脂中に導電性粒子を分
散した樹脂層(以下、表面樹脂層という。)は、ロール
軸体の表面に直接設けずに、ロール軸体の外周に同心円
状に形成された導電性弾性体層、およびその上に形成さ
れた導電性粒子を分散した樹脂からなる中間層を介して
設けられる。
イロンおよび12ナイロンのうち少なくとも1つを重合
単位として含む共重合ナイロン樹脂中に導電性粒子を分
散した樹脂層(以下、表面樹脂層という。)は、ロール
軸体の表面に直接設けずに、ロール軸体の外周に同心円
状に形成された導電性弾性体層、およびその上に形成さ
れた導電性粒子を分散した樹脂からなる中間層を介して
設けられる。
【0008】本発明において、導電性弾性体層として
は、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、EP
DM、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合
ゴム等のゴム材料に、カーボンブラックや金属酸化物、
或いは過塩素酸リチウム等の導電材料を分散したものが
適当である。また、導電性弾性層は、単層ではなく多層
構造であってもよい。
は、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、EP
DM、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合
ゴム等のゴム材料に、カーボンブラックや金属酸化物、
或いは過塩素酸リチウム等の導電材料を分散したものが
適当である。また、導電性弾性層は、単層ではなく多層
構造であってもよい。
【0009】また、中間層は、導電性粒子を分散した樹
脂から形成されるが、用いる材料としては、表面樹脂層
の塗布液によって溶解しない樹脂から選択しなければな
らない。したがって、アルコール系の溶剤に不溶なポリ
エステル、フェノール、アクリル、ポリウレタン、エポ
キシ樹脂、シアノエチル化樹脂等の樹脂が使用される。
本発明の帯電ロールにおいて、アルコール系の溶剤に不
溶な樹脂よりなる中間層が存在すると、導電性弾性体層
と表面樹脂層の2層構成の場合と比較して、さらにピン
ホールリークが著しく生じ難くなる。そのメカニズムは
必ずしも明らかではないが、導電性粒子の分散状態が異
なる2つの層を積層することによって両者の界面で電路
切断が生じ、そこで過大電流が流れることが防止される
と推測される。
脂から形成されるが、用いる材料としては、表面樹脂層
の塗布液によって溶解しない樹脂から選択しなければな
らない。したがって、アルコール系の溶剤に不溶なポリ
エステル、フェノール、アクリル、ポリウレタン、エポ
キシ樹脂、シアノエチル化樹脂等の樹脂が使用される。
本発明の帯電ロールにおいて、アルコール系の溶剤に不
溶な樹脂よりなる中間層が存在すると、導電性弾性体層
と表面樹脂層の2層構成の場合と比較して、さらにピン
ホールリークが著しく生じ難くなる。そのメカニズムは
必ずしも明らかではないが、導電性粒子の分散状態が異
なる2つの層を積層することによって両者の界面で電路
切断が生じ、そこで過大電流が流れることが防止される
と推測される。
【0010】本発明において、表面樹脂層に用いる共重
合ナイロンは、610ナイロン、11ナイロン、12ナ
イロンの内のいずれか1種または複数種を重合単位とし
て含むものであって、この共重合体に含まれる他の重合
単位としては、6ナイロン、66ナイロン等が挙げられ
る。ここで、610ナイロン、11ナイロン、12ナイ
ロンよりなる重合単位が共重合体中に含まれる割合は、
重量比で合わせて10%以上であるのが好ましい。上記
重合単位が10%以上の場合は、調液性および表面層塗
布時における成膜性に優れるとともに、特に繰り返し使
用時における樹脂層の磨耗や樹脂層への異物付着が少な
く、ロールの耐久性が優れ、また同時に吸湿性が低く、
環境による特性の変化も少なくなる。また上記表面樹脂
層に用いる導電性材料としては、粒径が3μm以下で体
積抵抗率が109 Ωcm以下であるものが望ましい。例
えば、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、CeO2 、Zr
O2 、In2 O3 等の金属酸化物、あるいはBaSO4
やTiO2 のような微粒子の表面にこれらの金属酸化物
を被覆したもの等を用いることができる。このような導
電材料によって抵抗制御を行うことにより、表面樹脂層
の抵抗値は環境条件によって変化せず、安定な特性が得
られる。さらに、上記表面樹脂層には、フッ素系あるい
はシリコーン系の樹脂或いは微粒子を添加してもよく、
その場合、表面が疎水性となってロール表面への異物の
付着が防止されるように作用する。またアルミナやシリ
カのような絶縁性の粒子を添加して、ロールの表面に凹
凸を付与し、感光体との摺擦時の負担を小さくしてロー
ルと感光体相互の耐磨耗性を向上させることも可能であ
る。また導電性弾性体層或いは中間層との接着性向上の
ためにカップリング剤を添加することも可能である。
合ナイロンは、610ナイロン、11ナイロン、12ナ
イロンの内のいずれか1種または複数種を重合単位とし
て含むものであって、この共重合体に含まれる他の重合
単位としては、6ナイロン、66ナイロン等が挙げられ
る。ここで、610ナイロン、11ナイロン、12ナイ
ロンよりなる重合単位が共重合体中に含まれる割合は、
重量比で合わせて10%以上であるのが好ましい。上記
重合単位が10%以上の場合は、調液性および表面層塗
布時における成膜性に優れるとともに、特に繰り返し使
用時における樹脂層の磨耗や樹脂層への異物付着が少な
く、ロールの耐久性が優れ、また同時に吸湿性が低く、
環境による特性の変化も少なくなる。また上記表面樹脂
層に用いる導電性材料としては、粒径が3μm以下で体
積抵抗率が109 Ωcm以下であるものが望ましい。例
えば、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、CeO2 、Zr
O2 、In2 O3 等の金属酸化物、あるいはBaSO4
やTiO2 のような微粒子の表面にこれらの金属酸化物
を被覆したもの等を用いることができる。このような導
電材料によって抵抗制御を行うことにより、表面樹脂層
の抵抗値は環境条件によって変化せず、安定な特性が得
られる。さらに、上記表面樹脂層には、フッ素系あるい
はシリコーン系の樹脂或いは微粒子を添加してもよく、
その場合、表面が疎水性となってロール表面への異物の
付着が防止されるように作用する。またアルミナやシリ
カのような絶縁性の粒子を添加して、ロールの表面に凹
凸を付与し、感光体との摺擦時の負担を小さくしてロー
ルと感光体相互の耐磨耗性を向上させることも可能であ
る。また導電性弾性体層或いは中間層との接着性向上の
ためにカップリング剤を添加することも可能である。
【0011】本発明の電子写真用帯電ロールにおいて、
導電性弾性体層の膜厚は500μmないし5mm、中間
層の膜厚は5μmないし500μm、表面樹脂層の膜厚
は5μmないし200μmであることが望ましい。
導電性弾性体層の膜厚は500μmないし5mm、中間
層の膜厚は5μmないし500μm、表面樹脂層の膜厚
は5μmないし200μmであることが望ましい。
【0012】本発明の電子写真用帯電ロールは、例えば
次のようにして作製される。すなわち、まず導電性カー
ボン等の導電性物質を配合した合成ゴム等の弾性体を、
接着剤処理した金属シャフトの外周にまきつけ、金型加
硫した後、研磨して導電性弾性層を形成させる。次に、
中間層形成用塗布液を塗工し、乾燥させて中間層を形成
する。次に、610ナイロン、11ナイロンあるいは1
2ナイロンを重合単位として含む共重合ナイロンをメタ
ノール等の溶剤に溶かした溶液にSnO2 等の金属酸化
物等の導電材料を分散した塗液を作り、これを前記中間
層の外周面に塗工し乾燥させればよい。
次のようにして作製される。すなわち、まず導電性カー
ボン等の導電性物質を配合した合成ゴム等の弾性体を、
接着剤処理した金属シャフトの外周にまきつけ、金型加
硫した後、研磨して導電性弾性層を形成させる。次に、
中間層形成用塗布液を塗工し、乾燥させて中間層を形成
する。次に、610ナイロン、11ナイロンあるいは1
2ナイロンを重合単位として含む共重合ナイロンをメタ
ノール等の溶剤に溶かした溶液にSnO2 等の金属酸化
物等の導電材料を分散した塗液を作り、これを前記中間
層の外周面に塗工し乾燥させればよい。
【0013】
【実施例】つぎに、本発明の実施例について、参考例お
よび比較例と併せて説明する。 [参考例1] 6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、12ナイ
ロンからなる共重合ナイロン(CM8000、東レ社
製)45重量部とBaSO4 微粒子表面に酸化錫を被覆
した導電性微粒子(PASTRAN、三井金属社製)5
5重量部に対し、メタノールを溶剤として加え、サンド
グラインダーミルで約1時間分散して表面樹脂層形成用
の塗布液を得た。この塗布液を粘度調整した後、浸漬塗
布液として浸漬塗布槽に注入した。一方、シャフト径が
8mmφの金属シャフトを用意し、その外周に導電性カ
ーボンを配合したEPDMゴム組成物(硬度40°、電
気抵抗104 Ωcm)を巻き付けて導電性層を形成し
た。この導電性弾性層の厚みは3mmとした。そして、
上記導電性弾性層付金属シャフトを、先に準備した表面
樹脂層形成用の塗布液に浸漬してコーティングを行い、
130℃で10分間乾燥して溶剤を除去し、表面樹脂層
を形成した。この場合、表面樹脂層の厚みは20μmと
した。このようにして目的とする帯電ロールを得た。 [参考例2]参考例 1において、導電性微粒子(PASTRAN、三
井金属社製)を導電性ZnO微粒子(三井金属社製)に
代えて用いた以外は、同様の処方で帯電ロールを得た。
よび比較例と併せて説明する。 [参考例1] 6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、12ナイ
ロンからなる共重合ナイロン(CM8000、東レ社
製)45重量部とBaSO4 微粒子表面に酸化錫を被覆
した導電性微粒子(PASTRAN、三井金属社製)5
5重量部に対し、メタノールを溶剤として加え、サンド
グラインダーミルで約1時間分散して表面樹脂層形成用
の塗布液を得た。この塗布液を粘度調整した後、浸漬塗
布液として浸漬塗布槽に注入した。一方、シャフト径が
8mmφの金属シャフトを用意し、その外周に導電性カ
ーボンを配合したEPDMゴム組成物(硬度40°、電
気抵抗104 Ωcm)を巻き付けて導電性層を形成し
た。この導電性弾性層の厚みは3mmとした。そして、
上記導電性弾性層付金属シャフトを、先に準備した表面
樹脂層形成用の塗布液に浸漬してコーティングを行い、
130℃で10分間乾燥して溶剤を除去し、表面樹脂層
を形成した。この場合、表面樹脂層の厚みは20μmと
した。このようにして目的とする帯電ロールを得た。 [参考例2]参考例 1において、導電性微粒子(PASTRAN、三
井金属社製)を導電性ZnO微粒子(三井金属社製)に
代えて用いた以外は、同様の処方で帯電ロールを得た。
【0014】[比較例1]参考例 1において、共重合ナイロン(CM8000、東
レ社製)の代わりにウレタン樹脂(SIT−332、三
洋化成社製)を用いた以外は、同様の処方で帯電ロール
を得た。 [比較例2]参考例 1において、共重合ナイロン(CM8000、東
レ社製)の代わりに、アクリル樹脂(BR−77、三菱
レーヨン社製)を用いた以外は、同様の処方で帯電ロー
ルを得た。 [比較例3]参考例 1において、共重合ナイロン(CM8000、東
レ社製)の代わりに、メトキシメチル化ナイロン(T−
8ナイロン、ユニチカ社製)を用いた以外は、同様の処
方で帯電ロールを得た。
レ社製)の代わりにウレタン樹脂(SIT−332、三
洋化成社製)を用いた以外は、同様の処方で帯電ロール
を得た。 [比較例2]参考例 1において、共重合ナイロン(CM8000、東
レ社製)の代わりに、アクリル樹脂(BR−77、三菱
レーヨン社製)を用いた以外は、同様の処方で帯電ロー
ルを得た。 [比較例3]参考例 1において、共重合ナイロン(CM8000、東
レ社製)の代わりに、メトキシメチル化ナイロン(T−
8ナイロン、ユニチカ社製)を用いた以外は、同様の処
方で帯電ロールを得た。
【0015】[実施例1] ポリエステル樹脂(VYLON300、東洋紡社製)4
0重量部とBaSO4微粒子表面に酸化錫を被覆した導
電性微粒子(PASTRAN、三井金属社製)60重量
部に対し、メチルエチルケトンとシクロヘキサノンを溶
剤として加え、サンドグラインダーミルで約1時間分散
して中間層形成用の塗布液を得た。また6ナイロン、6
6ナイロン、610ナイロン、12ナイロンからなる共
重合ナイロン45重量部と上記PASTRAN55重量
部に対し、メタノールを溶剤として加え、サンドグライ
ンダーミルで約1時間分散して表面樹脂層形成用の塗布
液を得た。これらの塗布液を粘度調整した後、浸漬塗布
液として浸漬塗布槽に注入した。一方、シャフト径が8
mmφの金属シャフトを用意し、その外周に導電性カー
ボンを配合したEPDMゴム組成物(硬度40°、電気
抵抗104 Ωcm)を巻き付けて導電性層を形成した。
この導電性弾性層の厚みは3mmとした。そして、上記
導電性弾性層付金属シャフトを、先に準備した中間層形
成用の塗布液に浸漬してコーティングを行い、130℃
で10分間乾燥して溶剤を除去し、中間層を形成した。
この中間層の厚みは40μmとした。次に、これを先に
準備した表面樹脂層形成用の塗布液に浸漬して、コーテ
ィングを行い、130℃で10分間乾燥して溶剤を除去
し、表面樹脂層を形成した。この表面樹脂層の厚みは2
0μmとした。このようにして目的とする帯電ロールを
得た。 [実施例2] 実施例1において、中間層のポリエステル樹脂の代わり
にシアノエチル化樹脂(シアノレジン、信越化学社製)
を用いた以外は、同様の処方で帯電ロールを得た。 [実施例3] 実施例1において、EPDMゴムの代わりにウレタンゴ
ムを用いた以外は、同様の処方で帯電ロールを得た。
0重量部とBaSO4微粒子表面に酸化錫を被覆した導
電性微粒子(PASTRAN、三井金属社製)60重量
部に対し、メチルエチルケトンとシクロヘキサノンを溶
剤として加え、サンドグラインダーミルで約1時間分散
して中間層形成用の塗布液を得た。また6ナイロン、6
6ナイロン、610ナイロン、12ナイロンからなる共
重合ナイロン45重量部と上記PASTRAN55重量
部に対し、メタノールを溶剤として加え、サンドグライ
ンダーミルで約1時間分散して表面樹脂層形成用の塗布
液を得た。これらの塗布液を粘度調整した後、浸漬塗布
液として浸漬塗布槽に注入した。一方、シャフト径が8
mmφの金属シャフトを用意し、その外周に導電性カー
ボンを配合したEPDMゴム組成物(硬度40°、電気
抵抗104 Ωcm)を巻き付けて導電性層を形成した。
この導電性弾性層の厚みは3mmとした。そして、上記
導電性弾性層付金属シャフトを、先に準備した中間層形
成用の塗布液に浸漬してコーティングを行い、130℃
で10分間乾燥して溶剤を除去し、中間層を形成した。
この中間層の厚みは40μmとした。次に、これを先に
準備した表面樹脂層形成用の塗布液に浸漬して、コーテ
ィングを行い、130℃で10分間乾燥して溶剤を除去
し、表面樹脂層を形成した。この表面樹脂層の厚みは2
0μmとした。このようにして目的とする帯電ロールを
得た。 [実施例2] 実施例1において、中間層のポリエステル樹脂の代わり
にシアノエチル化樹脂(シアノレジン、信越化学社製)
を用いた以外は、同様の処方で帯電ロールを得た。 [実施例3] 実施例1において、EPDMゴムの代わりにウレタンゴ
ムを用いた以外は、同様の処方で帯電ロールを得た。
【0016】[比較例4] 実施例1において、表面樹脂層の共重合ナイロン(CM
8000、東レ社製)の代わりにウレタン樹脂を用いた
以外は、同様の処方で帯電ロールを得た。
8000、東レ社製)の代わりにウレタン樹脂を用いた
以外は、同様の処方で帯電ロールを得た。
【0017】これらの帯電ロールを電子写真方式のプリ
ンターに登載し、有機感光体ドラムと帯電ロールを接触
回転しつつ、帯電ロールにDC成分を重畳したAC電圧
を印加して感光体を帯電させることにより画像を繰り返
し作成した。この試験は高温高湿環境(28℃、85%
RH)と低温低湿環境(10℃、15%RH)で断続的
に行われた。この場合、参考例1および参考例2の帯電
ロールは2万枚のプリントにおいて良好な画像が得られ
た。これに対して、実施例1、実施例2および3の場合
は、さらにピンホールに対して有効であり、3万枚のプ
リントにおいても良好な画像が得られた。また、比較例
1および4の帯電ロールを用いた場合、約1千枚のプリ
ントを行った時点で画像にスジ状の欠陥が現れ、さらに
約5千枚のプリントを行った時点で画像ムラが発生し
た。このスジ状の欠陥は帯電ロール表面に、放電生成物
やトナーの構成材料の一部がスジ状に付着したことが原
因と推定され、また画像ムラはロール表面の樹脂層が部
分的に磨滅し、放電が不均一になったためと推定され
る。また、比較例2の場合、約5千枚のプリントを行っ
た時点で、画像むらが発生した。この画像むらは、帯電
ロール表面にクラックが入り、トナーが付着したことが
原因と推定された。また、比較例3の場合は、帯電ロー
ルの摩耗が激しく、トナーの付着が発生し、画像欠陥が
発生した。
ンターに登載し、有機感光体ドラムと帯電ロールを接触
回転しつつ、帯電ロールにDC成分を重畳したAC電圧
を印加して感光体を帯電させることにより画像を繰り返
し作成した。この試験は高温高湿環境(28℃、85%
RH)と低温低湿環境(10℃、15%RH)で断続的
に行われた。この場合、参考例1および参考例2の帯電
ロールは2万枚のプリントにおいて良好な画像が得られ
た。これに対して、実施例1、実施例2および3の場合
は、さらにピンホールに対して有効であり、3万枚のプ
リントにおいても良好な画像が得られた。また、比較例
1および4の帯電ロールを用いた場合、約1千枚のプリ
ントを行った時点で画像にスジ状の欠陥が現れ、さらに
約5千枚のプリントを行った時点で画像ムラが発生し
た。このスジ状の欠陥は帯電ロール表面に、放電生成物
やトナーの構成材料の一部がスジ状に付着したことが原
因と推定され、また画像ムラはロール表面の樹脂層が部
分的に磨滅し、放電が不均一になったためと推定され
る。また、比較例2の場合、約5千枚のプリントを行っ
た時点で、画像むらが発生した。この画像むらは、帯電
ロール表面にクラックが入り、トナーが付着したことが
原因と推定された。また、比較例3の場合は、帯電ロー
ルの摩耗が激しく、トナーの付着が発生し、画像欠陥が
発生した。
【0018】
【発明の効果】以上のように、本発明の電子写真用帯電
ロールは、磨耗しにくく、帯電ロールへの異物の付着が
見られない等の点で耐久性に優れ、またピンホールリー
クを起こしにくい。また抵抗値が環境条件で安定であ
り、感光体汚染等がない優れた特性を有する。
ロールは、磨耗しにくく、帯電ロールへの異物の付着が
見られない等の点で耐久性に優れ、またピンホールリー
クを起こしにくい。また抵抗値が環境条件で安定であ
り、感光体汚染等がない優れた特性を有する。
【図1】 本発明の電子写真用帯電ロールの一実施例の
模式的断面図である。
模式的断面図である。
1…ロール軸体、2…導電性弾性体層、3…中間層、4
…表面樹脂層。
…表面樹脂層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 幸広 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 岡 孝造 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−50187(JP,A) 特開 平2−49056(JP,A) 特開 平3−101766(JP,A) 特開 平3−10267(JP,A) 特開 平3−9381(JP,A) 特開 平4−285975(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/02 G03G 15/02
Claims (1)
- 【請求項1】 ロール軸体の外周に同心円状に形成され
た導電性弾性体層、およびその上に形成されたアルコー
ル系の溶剤に不溶な樹脂よりなる中間層の上に、610
ナイロン、11ナイロンおよび12ナイロンのうち少な
くとも1つを重合単位として含む共重合ナイロン樹脂中
に金属酸化物または金属酸化物被覆微粒子よりなる導電
性微粒子を分散した樹脂層が形成されていることを特徴
とする電子写真用帯電ロール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5232182A JP3026290B2 (ja) | 1993-08-26 | 1993-08-26 | 電子写真用帯電ロール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5232182A JP3026290B2 (ja) | 1993-08-26 | 1993-08-26 | 電子写真用帯電ロール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0764378A JPH0764378A (ja) | 1995-03-10 |
JP3026290B2 true JP3026290B2 (ja) | 2000-03-27 |
Family
ID=16935298
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5232182A Expired - Fee Related JP3026290B2 (ja) | 1993-08-26 | 1993-08-26 | 電子写真用帯電ロール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3026290B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100587616C (zh) * | 2006-11-02 | 2010-02-03 | 富士施乐株式会社 | 充电辊、电子照相处理盒和成像设备 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5792533A (en) * | 1995-08-16 | 1998-08-11 | Ricoh Company, Ltd. | Electrostatic charging roller |
JP5120310B2 (ja) | 2009-03-27 | 2013-01-16 | 富士ゼロックス株式会社 | 帯電部材、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 |
JP5750931B2 (ja) | 2011-02-17 | 2015-07-22 | 富士ゼロックス株式会社 | 帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 |
JP2017062322A (ja) | 2015-09-24 | 2017-03-30 | 富士ゼロックス株式会社 | 帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 |
-
1993
- 1993-08-26 JP JP5232182A patent/JP3026290B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100587616C (zh) * | 2006-11-02 | 2010-02-03 | 富士施乐株式会社 | 充电辊、电子照相处理盒和成像设备 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0764378A (ja) | 1995-03-10 |
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