JPH0862940A

JPH0862940A - 電子写真用帯電ロール

Info

Publication number: JPH0862940A
Application number: JP22085294A
Authority: JP
Inventors: Kozo Oka; 孝造岡; Kazuhiko Yanagida; 和彦柳田; Taketoshi Hoshizaki; 武敏星崎; Kazuhiro Koseki; 一浩小関; Satoshi Yoshida; 聡吉田
Original assignee: Fuji Xerox Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date: 1994-08-24
Filing date: 1994-08-24
Publication date: 1996-03-08

Abstract

(57)【要約】【目的】高速度での使用に耐え、長期的な使用におけ
る帯電維持性があり、電気抵抗率が環境条件で安定で、
かつピンホールリークや感光体汚染の心配のない、優れ
た品質の帯電ロールの提供。【構成】導電性シャフト上に導電性層を有する電子写
真用帯電ロールにおいて、該導電性層が、電気抵抗率
０．１〜１０Ω・ｃｍのＳｎＯ_2-x（０≦ｘ≦１）で被
覆されたＢａＳＯ₄粒子と、電気抵抗率１０⁵〜１０⁷
Ω・ｃｍのＳｎＯ_2-x（０≦ｘ≦１）で被覆されたＢａ
ＳＯ₄粒子とを樹脂中に分散した層を含むことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、電子写真複写機の帯
電ロールに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】電子写真複写機の帯電ロールに用いられ
る導電性ロールは、電気抵抗１０³〜１０⁹Ω（電気抵
抗は１ｃｍ²の面積の電極を用いた測定値である。）程
度の範囲内の導電性を有することが求められており、通
常、金属シャフトとその外周面に形成された導電性層と
によって構成されている。このような導電性ロールは、
帯電ロールとして十分な機能を果たすためには，電気抵
抗レベルが、先に述べたように、１０³〜１０⁹Ωの範
囲に入るのが望ましいとされている。帯電ロールは、感
光ドラムの外周面に圧接させて回転させ、接触部の摺動
摩擦によって感光ドラムの外周面を帯電させるものであ
り、そのため、帯電ロールには弾性が要求される。した
がって、帯電ロールにおける上記導電性層は、一般に
は、シリコーンゴム等の合成ゴム中に導電性粉末や導電
性繊維（カーボンブラック、金属粉末、カーボン繊維
等）を混入した導電性ゴム組成物によって形成されてい
る。また、合成ゴム本来のイオン導電性を利用し、ある
いはこれに高誘電性液体やイオン性物質を添加し、上記
合成ゴムのイオン導電性を補強したイオン導電性弾性層
を備えた帯電ロールも知られている。しかしながら、こ
れらの導電性ゴム層を有する帯電ロールを用い、導電性
ゴム層と感光体表面とが直接接触した状態で帯電を繰り
返すと、導電性ゴム層に含まれる低分子量成分が感光体
に移行して画像欠陥を引き起こすという問題が生じる。
また、ゴムが感光体との接触で磨耗してロール表面の凹
凸が初期状態から大きく変化して帯電の均一性が損なわ
れるという問題が生じる。また、導電性ゴム層の導電度
が高い場合には、感光体の欠陥部分に過大な電流が流れ
る、いわゆるピンホールリークが生じ、画像欠陥が現れ
る。

【０００３】このような問題を改善するために、導電性
ゴム層の表面に電気抵抗率の低い樹脂を保護層として設
けることが行われているが、この場合、環境条件によっ
て電気抵抗が変化し、画像濃度が環境条件によって変わ
るという問題があった。このため表面樹脂層にカーボン
ブラックなどの導電性材料を加える試みがなされている
が、感光体の欠陥の種類によっては感光体或いは帯電ロ
ールの絶縁破壊を防ぐことができないという問題があ
り、このため電気抵抗率が１０¹〜１０⁵Ω・ｃｍの導
電性粒子を樹脂に加えることが試みられている（特開昭
６４−６６６７５号公報）。しかしながら、この場合、
帯電のプロセススピードが１００ｍｍ／ｓｅｃを越える
高速帯電においては帯電能力が十分ではなく、特に長期
的な使用において安定な帯電特性を維持することが困難
であり、問題が残されていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このように、これまで
の帯電ロールは、いずれも感光体汚染、ピンホールリー
ク、電気抵抗の環境変化、異物付着や磨耗による劣化、
高速度で帯電するときの帯電不良、長期的な使用におけ
る帯電維持性の劣化などの問題があり、満足し得るもの
が得られていなかった。本発明は、このような事情に鑑
みてなされたものであって、高速度での使用に耐え、長
期的な使用における帯電維持性があり、電気抵抗率が環
境条件で安定で、かつ、ピンホールリークや感光体汚染
の心配のない、優れた品質の帯電ロールの提供をその目
的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明者等は検討の結果、ＳｎＯ_2-x（０≦ｘ≦
１）で被覆された電気抵抗率が１０Ω・ｃｍ以下のＢａ
ＳＯ₄粒子と、１０⁵Ω・ｃｍ以上のＢａＳＯ₄粒子と
を含む樹脂層によって表面あるいは内部が形成されたも
のを使用することにより、上記の目的を達成することを
見出だし、本発明を完成するに至った。したがって、本
発明の電子写真用帯電ロールは、導電性シャフト上に導
電性層を有するものであって、導電性層が、電気抵抗率
０．１〜１０Ω・ｃｍのＳｎＯ_2-x（０≦ｘ≦１）で被
覆されたＢａＳＯ₄粒子と、電気抵抗率１０⁵〜１０⁷
Ω・ｃｍのＳｎＯ_2-x（０≦ｘ≦１）で被覆されたＢａ
ＳＯ₄粒子とを樹脂中に分散した層を含むことを特徴と
する。

【０００６】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
帯電ロールにおいて、導電性シャフト上に設けられる導
電性層は、導電性弾性層と表面樹脂層とよりなる積層構
造のものであってもよい。帯電ロールをアモルファスシ
リコンのように表面が強固な感光体を帯電する目的で使
用する場合には、上記のような導電性弾性層を設けず、
導電性シャフトの外周に直接に上記の表面樹脂層を形成
してもよい。さらに導電性弾性層と表面樹脂層との間
に、接着性や絶縁耐圧の改善等の目的で中間樹脂層を設
けてもよい。本発明においては、上記のＳｎＯ_2-x（０
≦ｘ≦１）で被覆されたＢａＳＯ₄粒子（以下、「酸化
錫被覆ＢａＳＯ₄粒子」という。）は、導電性層を形成
する層に含有させるが、中間樹脂層が存在する場合にお
いては、電気抵抗率０．１〜１０Ω・ｃｍの酸化錫被覆
ＢａＳＯ₄粒子および電気抵抗率１０⁵〜１０⁷Ω・ｃ
ｍの酸化錫被覆ＢａＳＯ₄粒子の両者を、少なくとも表
面樹脂層および中間樹脂層のいずれか一方に含有させる
ことが必要である。したがって、中間樹脂層には、上記
電気抵抗率０．１〜１０Ω・ｃｍの酸化錫被覆ＢａＳＯ
₄粒子および電気抵抗率１０⁵〜１０⁷Ω・ｃｍの酸化
錫被覆ＢａＳＯ₄粒子のいずれか一方のみが含有されて
もよい。

【０００７】本発明の帯電ロールは、例えば、次のよう
にして作製することができる。すなわち、まず導電性カ
ーボン等の導電性物質を配合した合成ゴム等の弾性体
を、接着剤で処理した金属シャフトの外周に巻き付け、
金型加硫した後、研磨して導電性弾性層を形成させる。
次に、共重合ナイロン等の耐久性に優れた溶剤可溶性の
樹脂を適当な溶剤に溶かした溶液に、電気抵抗率０．１
〜１０Ω・ｃｍの酸化錫被覆ＢａＳＯ₄粒子と、電気抵
抗率１０⁵〜１０⁷Ω・ｃｍの酸化錫被覆ＢａＳＯ₄粒
子との両者を分散した塗布液を作り、これを前記導電性
弾性層の外周面に塗工し乾燥させればよく、それにより
本発明の帯電ロールを得ることができる。

【０００８】本発明において、導電性シャフトとして
は、アルミニウム合金、ステンレス鋼、真鍮等の金属シ
ャフトが好ましく使用される。上記の導電性弾性層とし
ては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、Ｅ
ＰＤＭゴム等のゴム材料にカーボンブラックや金属酸化
物、あるいは過塩素酸リチウム等の導電性物質を分散し
たものが適当である。導電性弾性層の膜厚は、０．１〜
１０ｍｍの範囲に設定するのが好ましい。中間樹脂層に
用いる材料は、樹脂あるいはゴム材料から選択すること
ができる。すなわち、ポリエステル、フェノール樹脂、
アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、セルロー
ス系樹脂、ポリビニルアルコール、プルラン等の樹脂、
あるいはエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重
合ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ＥＰＤＭゴム
等が適当である。また、表面樹脂層において用いるのに
適当な樹脂としては、ポリアミド、ポリエステル、フェ
ノール樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹
脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などをあげることがで
きる。

【０００９】また、本発明において用いる酸化錫被覆Ｂ
ａＳＯ₄粒子は、電気抵抗率０．１〜１０．０Ω・ｃｍ
の範囲のものと、電気抵抗率の１０⁵〜１０⁷Ω・ｃｍ
のものとの両者が使用される。ＢａＳＯ₄粒子の電気抵
抗率は、ＳｎＯ_2-x（０≦ｘ≦１）のｘの値とその含有
率を変えることにより調整することができる。また、導
電性付与のためにＳｎＯ_2-x（０≦ｘ≦１）がアンチモ
ン、フッ素などの元素を含んでいてもよい。また、Ｂａ
ＳＯ₄粒子の粒径は、一般には０．０１〜５μｍの範囲
のものが使用される。ＢａＳＯ₄粒子のＳｎＯ_2-x（０
≦ｘ≦１）による表面被覆は、例えば、ＳｎＣｌ₄の水
溶液中にＢａＳＯ₄粒子を懸濁させて反応させ、その後
焼成する等の方法で実施することができる。また、Ｓｎ
Ｏ_2-x（０≦ｘ≦１）で表面が被覆されたＢａＳＯ₄粒
子中のＳｎＯ_2-x（０≦ｘ≦１）含有率は、好ましくは
５重量％ないし９０重量％の範囲であり、より好ましく
は６０〜９０重量％の範囲である。

【００１０】本発明において、表面樹脂層および中間樹
脂層に存在させるＳｎＯ_2-x（０≦ｘ≦１）で表面が被
覆された上記ＢａＳＯ₄粒子の樹脂に対する含有率は、
電気抵抗率０．１〜１０．０Ω・ｃｍの範囲のものと電
気抵抗率の１０⁵〜１０⁷Ω・ｃｍのものとの両者を合
わせて、好ましくは３０重量％から８０重量％の範囲で
あり、さらに好ましくは、４０重量％から７０重量％の
範囲である。ＳｎＯ_2-x（０≦ｘ≦１）で表面が被覆さ
れているＢａＳＯ₄粒子の表面樹脂層および中間樹脂層
における樹脂に対する含有率が少なすぎると、十分な感
光体の帯電電位が得られず、多すぎると表面樹脂層およ
び中間樹脂層の絶縁破壊が発生しやすくなると共に膜の
強度が低下する。

【００１１】また、表面樹脂層および中間樹脂層に存在
させる上記の酸化錫被覆ＢａＳＯ₄粒子において、電気
抵抗率０．１〜１０．０Ω・ｃｍの範囲のものと電気抵
抗率の１０⁵〜１０⁷Ω・ｃｍのものとの配合割合は、
帯電の高速応答性と耐ピンホールリーク性のいずれを重
視するかによって任意に変化させることができる。すな
わち、帯電の高速応答性を重視する場合には、電気抵抗
率０．１〜１０．０Ω・ｃｍの範囲のものの割合を多く
し、耐ピンホールリーク性を重視する場合には、電気抵
抗率の１０⁵〜１０⁷Ω・ｃｍのものの割合を多くする
のが望ましい。通常は、前者と後者の混合比は９５：５
〜５：９５の範囲が好ましいが、帯電の高速応答性を重
視する場合は９５：５〜５０：５０の範囲、耐ピンホー
ルリーク性を重視する場合は５０：５０〜５：９５の範
囲が好ましい。本発明における表面樹脂層および中間樹
脂層の膜厚はいずれも５μｍ以上２００μｍ以下である
ことが望ましい。

【００１２】さらに、上記導電性層には、フッ素系の樹
脂や粒子を添加してその表面が疎水性となるようにし
て、帯電ロール表面への異物の付着を防止するような工
夫を施すことも可能である。また、アルミナやシリカの
ような絶縁性の粒子を添加して帯電ロールの表面に凹凸
を付与し、感光体との摺擦時の負担を小さくして帯電ロ
ールと感光体相互の耐磨耗性を向上させることも可能で
ある。

【００１３】

【作用】本発明においては、ＳｎＯ_2-x（０≦ｘ≦１）
で表面が被覆されているＢａＳＯ₄粒子によって抵抗制
御を行うことにより、導電性層の電気抵抗は環境条件に
よって変化せず、安定な特性が得られる。また、一般に
他の金属酸化物やカーボンブラックを分散して形成した
樹脂膜は電気抵抗の電界依存性が大きく、高電圧が帯電
ロールに印加されると、電気抵抗が急激に低下し、樹脂
膜が絶縁破壊を起こすが、本発明においては、電気抵抗
率の１０⁵〜１０⁷Ω・ｃｍの酸化錫被覆ＢａＳＯ₄粒
子を含有させているから、導電性層は電気抵抗の電界依
存性が小さく、感光体中に異物が存在して局所的に耐圧
が低くなっている感光体を帯電させる場合にも、ピンホ
ールリークが生じにくいという特徴を持っている。さら
に電気抵抗率０．１〜１０．０Ω・ｃｍの酸化錫被覆Ｂ
ａＳＯ₄粒子を含有することにより、帯電の高速応答性
に優れ、すなわち、高速での使用において感光体を十分
な電位にまで帯電することができ、かつ長期間使用時に
おいて帯電特性の安定性を示すことができる。以上のよ
うに本発明の帯電ロールが、帯電の高速応答性、帯電の
長期間使用時の安定性をもちながら、ピンホールリーク
を生じさせにくい性質を有する理由は必ずしも明らかで
はないが、本発明に用いる上記の導電性ＢａＳＯ₄粒子
は、その電気抵抗率の依存性が小さく、帯電性と耐ピン
ホールリーク性の両立に必要な適当な帯電ロールの電気
抵抗が、使用時の様々な条件において安定に保たれるか
らであり、さらに異なる電気抵抗率を有する導電性粒子
を混在させることにより、帯電の高速応答性と耐ピンホ
ールリーク性とのバランスがとれるためであると推定さ
れる。

【００１４】

【実施例】次に、実施例について、比較例と併せて説明
する。実施例１共重合ナイロン（ＣＭ８０００、東レ社製）４５重量部
とＢａＳＯ₄微粒子表面に酸化錫を被覆した導電性微粒
子（ＰＡＳＴＲＡＮＴＹＰＥ−ＩＶ、三井金属社製）
の高抵抗品（電気抵抗率５．０×１０⁵Ω・ｃｍ）２０
重量部、低抵抗品（電気抵抗率４．０Ω・ｃｍ）３５重
量部に対し、メタノール３５０重量部を溶剤として加
え、サンドグラインダーミルで約１時間分散して表面樹
脂層用の塗布液を得た。この塗布液を粘度調整した後、
ディップ塗布槽に注入した。一方、シャフト径が８ｍｍ
φのステンレス鋼製金属シャフトを用意し、その外周に
導電性カーボンを配合したＥＰＤＭゴム組成物（硬度５
０度、電気抵抗１０⁴Ω）を巻き付けて、金型に入れて
１６０℃で２０分処理し、次いで研磨機で研磨して厚み
３ｍｍの導電性弾性層を形成した。得られた導電性弾性
層付金属シャフトを、先に準備した塗布液入りディップ
塗布槽に浸漬し、塗布液をコーティングした。１５０℃
で１０分間乾燥して溶剤を除去し、厚さ２０μｍの表面
樹脂層を形成した。このようにして目的とする帯電ロー
ルを得た。実施例２実施例１において、共重合ナイロンの代わりにポリエス
エル樹脂（ＶＹＬＯＮ２９０、東洋紡社製）を用いた以
外は、同様の方法で帯電ロールを得た。

【００１５】実施例３シアノエチル化プルラン（シアノレジンＣＲ−Ｓ、信越
化学社製）２０重量部とシアノエチル化ポリビニルアル
コール（シアノレジンＣＲ−Ｖ、信越化学社製）２０重
量部、およびＢａＳＯ₄微粒子表面に酸化錫を被覆した
導電性微粒子（ＰＡＳＴＲＡＮＴＹＰＥ−ＩＶ、電気
抵抗率６．０Ω・ｃｍ、三井金属社製）６０重量部に対
し、シクロヘキサノン２７０重量部を溶剤として加え、
サンドグラインダーミルで約１時間分散して中間樹脂層
用の塗布液を得た。この塗布液を、粘度調整した後、デ
ィップ塗布槽に注入した。そして実施例１で述べた導電
性弾性層付き金属シャフトを、先に準備した塗布液入り
ディップ塗布槽に浸漬し、塗布液をコーティングして１
５０℃で１０分間乾燥して溶剤を除去し、第一層（中間
樹脂層）を形成した。この樹脂層の厚みは４０μｍとし
た。さらにその上に実施例１の材料を同様の方法で塗布
し、第二層（表面樹脂層）を形成した。この層の厚みは
２０μｍとした。このようにして目的とする帯電ロール
を得た。

【００１６】実施例４中間樹脂層を形成する樹脂として、ポリエステル樹脂
（ＶＹＬＯＮ３００、東洋紡社製）を４０重量部と、Ｂ
ａＳＯ₄微粒子表面に酸化錫を被覆した導電性微粒子
（ＰＡＳＴＲＡＮＴＹＰＥ−ＩＶ、三井金属社製）の
高抵抗品（電気抵抗率８．０×１０⁵Ω・ｃｍ）４０重
量部、低抵抗品（電気抵抗率３．０Ω・ｃｍ）２０重量
部に対し、メチルエチルケトン（ＭＥＫ）とシクロヘキ
サノンのそれぞれ１５０重量部を溶剤として加えてサン
ドグラインダーミルで約１時間分散して中間樹脂層用の
塗布液を得た。また、共重合ナイロン（ＣＭ８０００、
東レ社製）４５重量部と、ＢａＳＯ₄微粒子表面に酸化
錫を被覆した導電性微粒子（ＰＡＳＴＲＡＮＴＹＰＥ
−ＩＶ、三井金属社製）の低抵抗品（電気抵抗率３．０
Ωｃｍ）５５重量部に対し、メタノール３５０重量部を
溶剤として加えてサンドグラインダーミルで約１時間分
散して表面樹脂層用の塗布液を得た。これらの塗布液を
実施例３と同様の方法で順次塗布し、目的とする帯電ロ
ールを得た。実施例５実施例１においてディップ塗布の代わりにスプレー塗布
を用いた以外は、同様の方法で帯電ロールを得た。この
場合、表面樹脂層の厚みは４０μｍとした。

【００１７】実施例６中間樹脂層を形成する樹脂としてポリエステル樹脂（Ｖ
ＹＬＯＮ３００、東洋紡社製）を４０重量部と、ＢａＳ
Ｏ₄微粒子表面に酸化錫を被覆した導電性微粒子（ＰＡ
ＳＴＲＡＮＴＹＰＥ−ＩＶ、三井金属社製）の低抵抗
品（電気抵抗率８．０Ωｃｍ）６０重量部に対し、ＭＥ
Ｋとシクロヘキサノンのそれぞれ１５０重量部を溶剤と
して加えて、サンドグラインダーミルで約１時間分散し
て中間樹脂層用の塗布液を得た。また実施例１で述べた
処方に従って表面樹脂層用の塗布液を得た。これらの塗
布液を実施例３と同様の方法で順次塗布し、目的とする
帯電ロールを得た。

【００１８】比較例１実施例１において、ＰＡＳＴＲＡＮの代わりにカーボン
ブラック（ケッチェンブラック、アグゾ社製）を用いた
以外は、同様の方法で帯電ロールを得た。比較例２実施例３において、ＰＡＳＴＲＡＮの代わりに導電性酸
化亜鉛粒子を用いた以外は、同様の方法で帯電ロールを
得た。比較例３実施例１において、電気抵抗率１０²Ω・ｃｍのＰＡＳ
ＴＲＡＮを用いた以外は、同様の方法で帯電ロールを得
た。

【００１９】これらの帯電ロールを電子写真方式のプリ
ンターに搭載し、有機感光体ドラムと帯電ロールを接触
回転しつつ、帯電ロールにＤＣ成分を重畳したＡＣ電圧
を印加して、感光体ドラムを帯電させることにより画像
を繰り返し作製した。感光体ドラムと帯電ロールの帯電
のプロセススピードは１３０ｍｍ／ｓｅｃであった。こ
の試験は、高温高湿環境と低温低湿環境で断続的に行っ
た。その結果、実施例１〜６における帯電ロールの場合
は、２万枚のプリントにおいて良好な画像が得られた。
これに対し、比較例１、比較例２および比較例３の帯電
ロールを用いた場合、低温低湿環境で約１０００枚のプ
リントを行った時点で、画像に点状に欠陥が発生し、そ
れが線状の欠陥に変化していった。この欠陥は、感光体
の絶縁破壊による、いわゆるピンホールリークが原因で
あると想定される。さらに１万枚以上のプリントを実施
すると、帯電不良によってコントラストの低い画像とな
った。この原因は、表面樹脂層の電気抵抗率が徐々に増
加したためと推定される。また、比較例３の帯電ロール
を用いた場合、高温高湿環境においては正常な画像が得
られたが、低温低湿環境においては帯電不良によってコ
ントラストの低い画像となった。この原因は、表面樹脂
層の電気抵抗率が環境条件によって変化したためと推定
される。

【００２０】

【発明の効果】以上のように、この発明の帯電ロール
は、ピンホールリークを起こしにくく、また、帯電の高
速応答性に優れ、すなわち、高速での使用において感光
体を十分な電位に帯電させることが可能であり、また、
電気抵抗率が繰り返し使用と環境条件で安定であり、感
光体汚染を起こすことがないという優れた効果を奏す
る。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者小関一浩神奈川県南足柄市竹松1600番地富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者吉田聡神奈川県南足柄市竹松1600番地富士ゼロックス株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】導電性シャフト上に導電性層を有する電
子写真用帯電ロールにおいて、該導電性層が、電気抵抗
率０．１〜１０Ω・ｃｍのＳｎＯ_2-x（０≦ｘ≦１）で
被覆されたＢａＳＯ₄粒子と、電気抵抗率１０⁵〜１０
⁷Ω・ｃｍのＳｎＯ_2-x（０≦ｘ≦１）で被覆されたＢ
ａＳＯ₄粒子とを樹脂中に分散した層を含むことを特徴
とする電子写真用帯電ロール。
【請求項２】ＳｎＯ_2-x（０≦ｘ≦１）で被覆された
ＢａＳＯ₄粒子を樹脂中に分散した層が表面に設けられ
ていることを特徴とする請求項１記載の電子写真用帯電
ロール。