JP2567101B2 - 帯電用部材、帯電装置および電子写真装置 - Google Patents

帯電用部材、帯電装置および電子写真装置

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は帯電用部材に関し、特には、接触配置された
被帯電体に対して帯電を行う帯電用部材、それを有する
帯電装置および電子写真装置に関する。
〔従来の技術〕
電子写真方法においては、たとえばセレン,硫化カド
ミウム,酸化亜鉛,アモルフアスシリコン,有機光導電
体などを感光層に用いた電子写真感光体に、帯電,露
光,現像,転写,定着,クリーニングなどの基本的プロ
セスを行うことにより画像を得ている。この際、帯電プ
ロセスは従来より殆ど金属ワイヤーに高電圧(DC5〜8K
V)を印加し発生するコロナにより帯電を行っている。
しかし、この方法ではコロナ帯電時に発生する多量のオ
ゾンやNOx等のコロナ生成物により感光体表面が変質し
画像ボケや劣化が進行したり、ワイヤーの汚れが画像品
質に影響し、画像白抜けや黒スジを生じる等の問題があ
った。
さらに、電力的にも感光体に向かう電流は、その5〜
30%にすぎず、殆どがシールド板に流れ帯電手段として
は効率の悪いものであった。
このような問題点を補うために、コロナ放電器を利用
しないで特開昭57−178267号公報、特開昭56−104351号
公報、特開昭58−40566号公報、特開昭58−139156号公
報、特開昭58−150975号公報などに提案されているよう
に、接触帯電させる方法が研究されている。
具体的には、感光体表面に1〜2KV程度の直流電圧を
外部より印加した導電性弾性ローラ等の帯電用部材を接
触させることにより感光体表面に電荷を直接注入して感
光体表面を所定の電位に帯電させるものである。
このような導電性弾性ローラ等の帯電用部材は、金属
芯材にカーボンなどの導電性粒子を分散した導電ゴムが
固着されており、導電ゴム部に分散させるカーボンの量
が増加し密になるほどゴム硬度が上昇する。そのため、
カーボン分散度のムラやバラツキがゴム硬度が変化し、
ローラ表面における硬度の部分的バラツキがあらわれや
すく、感光体面への密着度の妨げとなっていた。
さらに感光体面への密着をよくするため電極ローラの
ゴム硬度を例えば40゜以下におとしてニツプ幅をふやす
場合においても、金属芯材に導電ゴムのみを設ける単層
構造の電極ローラにおいては、ゴム硬度をおとすために
カーボンの分散量をへらし粗にするためローラ表面にお
ける導電性のバラツキやローラ硬度のバラツキが出やす
くなっていた。このような表面の不均一性は感光体に対
して均一な帯電を行うことができず、帯電ムラの原因と
なっている。
また、実開昭57−199349号公報のように電極ローラを
弾性ゴム層と半導電性ゴム層の二層構造にすることによ
ってローラの硬度を弾性ゴム層で調節し、ニツプ幅を増
大させることも提案されている。しかしながら、この場
合にも感光体面に圧接される電極ローラ表面の凹凸によ
って密着面が得られにくく、帯電ムラとなりやすかっ
た。
このように、前述のように帯電用部材を用いて接触帯
電法により帯電処理しても、感光体表面の各部均一な帯
電はなされず、斑点状の帯電ムラを生じてしまうので、
例えば、反転現像方式ではその斑点状の帯電ムラ状態の
感光体に光像露光以下のプロセスを適用しても出力画像
は斑点状の帯電ムラに対応した斑点状の黒点画像(黒ポ
チ)となり、正現像方式では斑点状のムラに対して斑点
状の白点画像(白ポチ)となり、高品位な画像は得られ
ていない。
このような問題点を解決して帯電ムラをなくすため
に、帯電用部材への直流電圧に交流電圧を重畳すること
が提案されている。
直流電圧の印加のみでは、その帯電性は、帯電部材の
表面性に大きく影響されてしまうが、直流電圧(VDC
に交流電圧(VAC)重畳することによって脈流電圧(VDC
+VAC)を印加して、帯電用部材の表面性による影響を
受けずに均一な帯電を行うものである。
この場合、帯電の均一性を保持して、正現像方式にお
ける白ポチ、反転現像方式における黒ポチ,かぶりとい
った画像欠陥を防ぐためには、重畳する交流電圧が、あ
る程度のピーク間電位差(VP-P)をもっていることが必
要である。
しかしながら、画像欠陥を防ぐために、重畳する交流
電圧を上げていくと、脈流電圧の印加電圧によって、感
光体内部の塗工時におけるわずかな欠陥部位において放
電絶縁破壊が起こりやすくなる。さらにピンホールがあ
る場合、そこの部位が導通路となって電流がリークして
帯電用部材に印加された電圧が降下してしまうという問
題点があった。この場合、正現像系においては接触部分
の長手方向にわたって画像が白ヌケし、反転現像系にお
いては黒オビが発生してしまう。
さらに、帯電用部材の硬度によって、重畳印加する交
流電圧の周波数により帯電部材の振動が起こり、この振
動が密着する感光体に伝わって、感光体から不快な騒音
が発生してしまうという問題点もあった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、帯電ムラのない均一な帯電能を有
し、画像欠陥のない良好な画質が得られる帯電用部材を
提供することにある。
また、本発明の目的は、感光体の欠陥部位における絶
縁破壊を起こすことなく、さらにピンホールがある場合
にも電流リークに伴なう電圧降下を防止する帯電用部材
を提供することにある。
また、本発明の目的は、印加する交流電圧に伴なう振
動による不快な騒音を防止する帯電用部材を提供するこ
とにある。
また、本発明の目的は、柔軟性を付与するために可塑
剤を加えても、表面に浸み出さない帯電用部材を提供す
ることにある。
また、本発明の目的は、上記帯電用部材を有する帯電
装置および電子写真装置を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、導電性基体、弾性層、導電層、
内部抵抗層および表面抵抗層をこの順に有することを特
徴とする帯電用部材(但し、導電層がN−メトキシメチ
ル化ナイロンを含有し、内部抵抗層がエピクロルヒドリ
ン−エチレンオキサイド共重合ゴムを含有し、且つ表面
抵抗層がN−メトキシメチル化ナイロンを含有する帯電
用部材を除く)である。
また、本発明は、電子写真感光体に接触配置され、外
部から電圧を印加されることにより該電子写真感光体を
帯電する帯電用部材を有する帯電装置において、該帯電
用部材が、導電性基体、弾性層、導電層、内部抵抗層お
よび表面抵抗層をこの順に有することを特徴とする帯電
装置(但し、導電層がN−メトキシメチル化ナイロンを
含有し、内部抵抗層がエピクロルヒドリン−エチレンオ
キサイド共重合ゴムを含有し、且つ表面抵抗層がN−メ
トキシメチル化ナイロンを含有する帯電装置を除く)で
ある。
また、本発明は、電子写真感光体、該電子写真感光体
に接触配置され、外部から電圧を印加されることにより
該電子写真感光体を帯電する帯電用部材、露光手段、現
像手段および転写手段を有する電子写真装置において、
該帯電用部材が、導電性基体、弾性層、導電層、内部抵
抗層および表面抵抗層をこの順に有することを特徴とす
る電子写真装置(但し、導電層がN−メトキシメチル化
ナイロンを含有し、内部抵抗層がエピクロルヒドリン−
エチレンオキサイド共重合ゴムを含有し、且つ表面抵抗
層がN−メトキシメチル化ナイロンを含有する電子写真
装置を除く)である。
以下、便宜上電子写真装置における感光体の帯電処理
(除電処理も含む)を例にして説明する。
本発明の帯電用部材1は、第1図に示すように基本的
には導電性基体2上に弾性層,導電層4および抵抗層5
の順で機能分離型構造に構成されており、且つ抵抗層5
は、内部抵抗層5aと表面抵抗層5bの2層構造となってい
る。
また、この帯電用部材を用いて感光体に対して帯電を
行う場合は、第2図に示すように帯電用部材1に接続さ
れている外部電源6から電圧を印加することにより、帯
電用部材1に接触配置されている感光体に対して帯電を
行う。
帯電用部材が本発明の構成をとることにより、感光体
に対する密着面積・ニツプ幅が広がり均一に接触するこ
とができる。このため、帯電ムラのない均一な帯電を行
うことができるので正現像方式における白ポチ、反転現
像方式における黒ポチなどの画像欠陥をなくし、良好な
画像を得ることができる。
すなわち、抵抗層は、ナイロン,セルロース,ポリエ
ステル,ポリエチレンなどの薄膜樹脂層で形成すること
ができるので、その表面が均一になり平滑で厚さムラが
小さくなる。また帯電用部材の内部に弾性層と導電層を
別々に設けることにより、柔軟性と導電性をそれぞれ別
々にコントロールすることができ、従来軟質化の難しい
導電性ゴムの問題を解決した。このような構成をもった
本発明の帯電用部材は、導電層によって充分な導電性を
維持し、しかも弾性層の柔軟性と、抵抗層の表面平滑性
によって感光体に対する均一な密着性を得ることができ
るので、帯電ムラのない均一な帯電を行うことができ
る。
さらに本発明では、導電層と抵抗層を別々に設けるこ
とにより、感光体の内部欠陥に起因する絶縁破壊を防止
し、またピンホールがある場合にも正現像方式において
は接触部分の長手方向にわたる白ヌケ、反転現像方式に
おいては黒スジ等の画像欠陥を防止して優れた画像を得
ることができる。
すなわち、感光体を塗工する上で通常、ゴミ,打痕等
の塗膜欠陥は避けられない問題があるが、この感光体に
帯電部材の導電層が直接接触していると、欠陥部分の低
抵抗性のため、この欠陥に対して局部的に電荷が集中し
て絶縁破壊が起こりやすくなる。また、感光体上にピン
ホールがある場合、導電層と接触している感光体内部に
導通路が形成されて、リークが発生し電荷が逃げてしま
う。このため、印加電圧の外部電源部には負荷がかか
り、感光体上に印加される電圧が降下してしまうという
現象が起こる。この現象ではピンホールのある感光体と
帯電用部材の接触部分に電荷がのらなくなるので、画像
としてみると正現像方式では接触部分の長手方向にわた
る白ヌケ、反転現像方式では接触部分の長手方向にわた
る黒スジとなって現れる。
これに対して、本発明の構成の帯電用部材は感光体と
の接触部分が抵抗層であるため、電荷が分散され欠陥部
分の絶縁破壊を防止することができる。また、感光体の
ピンホール部分で導通していても、抵抗層の存在によっ
て印加電圧に対する抵抗が保たれるので外部電源部に負
荷がかからなくなり電圧降下を防止することができる。
したがってピンホールに起因する白ヌケあるいは黒スジ
といった画像欠陥を防止することができる。
さらに、本発明の帯電用部材は、外部電源より印加重
畳される交流電圧の交流波による騒音を防止または、低
減することができる。
すなわち、従来の帯電用部材では、導電性を保持する
がために柔軟性に難点があり、印加電圧の交流波が帯電
用部材に振動を起こしてしまう。この振動は、帯電用部
材に接触配置されている感光体にそのまま伝わり、感光
体および感光体内部から不快な騒音が発生する。これに
対して本発明の帯電用部材は、導電性基体と導電層の間
にある弾性層の柔軟性によって脈流印加電圧に伴なう振
動を吸収する。このため、帯電部材に接触している感光
体には振動が伝わらなくなるので、振動に伴なう感光体
および感光体内部からの不快な騒音を防止または低減す
ることができる。
さらに本発明の帯電用部材は、前述したように抵抗層
が2層構造となっている。
すなわち、抵抗層形成用材料として、柔軟性を高める
ために樹脂やゴムに配合剤として可塑剤を加えたものを
用いると、添加された可塑剤が帯電用部材の耐久や使用
環境によって抵抗層表面に浸み出し(移行)してくる場
合がある。この場合、帯電用部材と接触配置されている
感光体が、浸み出した可塑剤によって悪影響を受け、感
光体中の光導電材料が変性したり、帯電用部材に感光体
がはりついて感光体表面がはがれてしまう。このような
悪影響を防止するために本発明では帯電用部材の抵抗層
を内部抵抗層と表面抵抗層の2層に分けている。これに
よって、内部抵抗層に柔軟性をもたせるために、可塑剤
等の柔軟性付与剤を添加し、その上に表面抵抗層を設け
ることにより可塑剤等の表面への浸み出しを防止し、い
っそう柔軟性が付与された帯電用部材となる。このよう
な帯電用部材は、感光体との密着性がいっそう向上し帯
電能や騒音防止にいっそう効果がある。
以下、本発明の帯電用部材の構成について説明する。
導電性基体としては、鉄,銅,ステンレスなどの金
属、カーボン分散樹脂、金属粒子分散樹脂などの導電性
樹脂等を用いることができ、その形状としては、棒状,
板状などが使用できる。
弾性層は、弾性に富み、硬度の低い層であり、柔軟性
による感光体との密着性および振動吸収性の点から、JI
SK−6301の測定法に準拠したJIS−A型測定器(テクロ
ツクGS−706:テクロツク社製)により測定したゴム硬度
で35度以下、さらには30度以下、特には12度〜25度の範
囲が好ましい。また、弾性層の膜厚も前記の点から1.5m
m以上、さらには2mm以上、特には3mm〜13mmの範囲が好
ましい。弾性層は、形成用材料としてクロロプレンゴ
ム,イソプレンゴム,EPDMゴム,ポリウレタンゴム,エ
ポキシゴム,プチルゴムなどのゴムないしはスポンジ
や、スチレン−ブタジエンサーモプラスチツクエラスト
マー,ポリウレタン系サーモプラスチツクエラストマ
ー,ポリエステル系サーモプラスチツクエラストマー,
エチレン−酢酸ビニル系サーモプラスチツクエラストマ
ーなどのサーモプラスチツクエラストマー等が挙げられ
る。また必要に応じて弾性層にはその硬度を調節するた
めに、導電性粒子を加えてもよい。
導電層は、電気伝導性の高い層であり、体積抵抗率10
7Ω・cm以下、更には106Ω・cm以下特に10-2Ω・cm〜10
6Ω・cmの範囲の導電性をもった層である。また導電層
の膜厚は、下層の弾性層の柔軟性を上層の抵抗層に伝え
るため薄層にすることが望ましく、3mm以下、さらには2
mm以下、特には20μm〜1mmの範囲が好ましい。
導電層形成用材料としては、金属蒸着膜,導電性粒子
分散樹脂,導電性樹脂などを用いることができる。具体
的には金属蒸着膜としては、アルミニウム,インジウ
ム,ニツケル,銅,鉄等の金属を蒸着したものが挙げら
れる。導電性粒子分散樹脂としては、カーボン,アルミ
ニウム,ニツケル,酸化チタン等の導電性粒子をウレタ
ン,ポリエステル,酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、
ポリメタクリル酸メチル等の樹脂中に分散したものが挙
げられる。導電性樹脂としては、4級アンモニウム塩含
有ポリメタクリル酸メチル,ポリビニルアニリン,ポリ
ビニルピロール,ポリジアセチレン,ポリエチレンイミ
ン等が挙げられる。これらの中でも導電性のコントロー
ルの点からは、導電性粒子分散樹脂が好ましい。
内部抵抗層は下層の導電層よりも抵抗が高くなるよう
に形成されており、導電層の体積抵抗率よりも10〜106
倍、特には102〜105倍の範囲で抵抗が高くなっているこ
とが好ましい。内部抵抗層の体積抵抗率は106Ω・cm〜1
012Ω・cmの範囲、特には107Ω・cm〜1011Ω・cmの範囲
が好ましい。また、内部抵抗層の膜厚は、1μm〜450
μm、特には50μm〜200μmの範囲が好ましい。
内部抵抗層形成用材料としては、エチルセルロース,
ニトロセルロース,メトキシメチル化ナイロン,エトキ
シメチル化ナイロン,共重合ナイロン,ポリビニルピロ
リドン,カゼイン等の樹脂あるいはこれらの樹脂の混合
物あるいはこれらの樹脂に少量の導電性粒子を分散させ
たものなどの半導電性樹脂、カーボン,アルミニウム,
酸化インジウム,酸化チタン等の導電性粒子をウレタ
ン,ポリエステル,酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体,
ポリメタクリル酸エステル等の絶縁樹脂中に、少量分散
して抵抗を調節したものなどの導電性粒子分散絶縁樹
脂、エピクロルヒドリンゴム,エピクロルヒドリン−コ
チレンオキシドゴム,ポリウレタンゴム,エポキシゴ
ム,ブチルゴム,クロロプレンゴム,スチレン−ブタジ
エンゴム等のゴムあるいはこれらのゴムの混合物あるい
はこれらのゴムに導電性粒子を分散含有させたものなど
の半導電性ゴムなどが挙げられる。これらの中でもエピ
クロルヒドリンゴム,エピクロルヒドリン−エチレンオ
キシドゴムなどの半導電性ゴムが好ましい。
可塑剤としてはフタル酸ジブチル等のフタル酸系化合
物、リン酸トリクレジル等のリン酸系化合物、アルキル
エポキシステアレート等のエポキシ系化合物などが挙げ
られる。
内部抵抗層が樹脂で形成されている場合、柔軟性の点
から樹脂の引張弾性係数は200Kgf/mm2以下、特には50Kg
f/mm2〜150Kgf/mm2の範囲が好ましい。また、ゴムで形
成されている場合、前述したゴム硬度で35度以下特には
10度〜30度の範囲が好ましい。
表面抵抗層は、内部抵抗層の場合と同様に導電層より
も抵抗が高くなるように形成されており、導電層の体積
抵抗率よりも10〜106倍、特には102〜105倍の範囲で抵
抗が高くなっていることが好ましい。また、表面抵抗層
の抵抗は内部抵抗層のそれより低くても高くてもまた同
じでもよい。帯電の均一性の点からは、内部抵抗層の抵
抗は表面抵抗層のそれよりも1〜50倍、特には2〜10倍
高い方が好ましい。表面抵抗層の体積抵抗率は106Ω・c
m〜1012Ω・cmの範囲、特には107Ω・cm〜1011Ω・cmの
範囲が好ましい。また、表面抵抗層の膜厚は、下層の内
部抵抗層の柔軟性をそこなわないように内部抵抗層の膜
厚よりも薄くすることが望ましく、0.1μm〜50μm、
特には1μm〜30μmが好ましい。
表面抵抗層形成用材料としては、前述したような半導
電性樹脂や導電性粒子分散絶縁樹脂などの樹脂が挙げら
れる。
本発明の帯電用部材においてはこれらの層の他に、各
層の接着性を向上させる接着層などの他の層を設けても
よい。
本発明による帯電用部材は例えば、以下のようにして
製造される。
まず、帯電用部材の導電性基体として金属棒を用意す
る。弾性層の材料をこの金属棒の上に熔融成型,注入成
型,浸漬塗工あるいはスプレー塗工等により成型し弾性
層を設ける。
次に導電層の材料を弾性層の上に熔融成型,注入成
型,浸漬塗工あるいはスプレー塗工等により成型し導電
層を設ける。
最後に抵抗層の材料を導電層の上に浸漬塗工,スプレ
ー塗工,グラビア塗工等により塗装し抵抗層を設ける。
帯電用部材の形状としては、ローラー,ブレード,ベ
ルトなどのいずれの形状をとってもよく、電子写真装置
の仕様,形態にあわせて選択可能である。
また、帯電用部材の用途は、1次帯電熔,転写帯電
用,除電帯電用など種々挙げることができる。
本発明に用いられる被帯電体は誘電体,電子写真感光
体など種々あるが、電子写真感光体の場合は第3図のよ
うに構成される。
電子写真感光体7は、導電性支持体8の上に感光層9
が設けられる。導電性支持体8としては、支持体自体が
導電性をもつもの、例えばアルミニウム,アルミニウム
合金,ステンレスなどを用いることができ、そのほかに
アルミニウム,アルミニウム合金,酸化インジウム−酸
化錫合金などを真空蒸着によって被膜形成された層を有
する前記導電性支持体やプラスチツク、導電性粒子(例
えばカーボンブラツク,酸化錫粒子など)を適当なバイ
ンダーとともにプラスチツクや紙に含浸した支持体、導
電性バインダーを有するプラスチツクなどを用いること
ができる。
導電性支持体8と感光層9の中間に、バリヤー機能と
接着機能をもつ下引層を設けることもできる。下引層は
カゼイン,ポリビニルアルコール,ニトロセルロース,
エチレン−アクリル酸コポリマー,ポリアミド,ポリウ
レタン,ゼラチン,酸化アルミニウムなどによって形成
できる。下引層の膜厚は5μm以下、好ましくは0.5μ
m〜3μmが適当である。下引層はその機能を発揮する
ためには、体積抵抗層は107Ω・cm以上であることが望
ましい。
感光層はたとえば、有機光導電体、アモルフアスシリ
コン、セレンなどの光導電体を必要に応じて結着剤と共
に塗料化して塗布形成または真空蒸着によってされる。
また、有機光導電体を用いる場合、感光層9は第4図に
示したように電荷担体を発生する能力をもつ電荷発生層
10と発生した電荷担体を輸送する能力を持つ電荷輸送層
11との積層構造からなる感光層も有効に用いることがで
きる。
電荷発生層は、アゾ顔料,キノン顔料,キノシアニン
顔料,ペリレン顔料,インジゴ顔料,ビスベンゾイミダ
ゾール顔料,フタロシアニン顔料,キナクドリン顔料な
どの電荷発生材料の1種類あるいは2種類以上を蒸着す
るか、または適当なバインダーと共に、(バインダーが
無くても可)分散し塗工によって形成できる。
バインダーは広範な絶縁性樹脂または有機光導電性ポ
リマーから選択できる。たとえば絶縁性樹脂としてはポ
リビニルブチラール,ポリアリレート(ビスフエノール
Aとフタル酸の縮重合体等),ポリカーボネート,ポリ
エステル,フエノキシ樹脂,アクリル樹脂,ポリアクリ
ルアミド樹脂,ポリアミド,セルロース系樹脂,ウレタ
ン樹脂,エポキシ樹脂,カゼイン,ポリビニルアルコー
ルなどをあげることができる。また、有機光導電性ポリ
マーとしてはポリビニルカルバゾール,ポリビニルアン
トラセン,ポリビニルピレンなどが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は0.01μm〜15μm、好ましくは0.
05μm〜5μmであり、電荷発生材料と結着剤との重量
比は10:1〜1:20である。
電荷発生層用塗料に用いる溶剤は、使用する樹脂や電
荷輸送材料の溶解性や分散安定性から選択されるが、有
機溶剤としてはアルコール類,スルホキシド類,エーテ
ル類,エステル類,脂肪族ハロゲン化炭化水素類あるい
は芳香族化合物などを用いることができる。
塗工は、浸漬コーテイング法、スプレーコーテイング
法、マイヤーバーコーテイング法、ブレードコーテイン
グ法などのコーテイング法を用いて行うことができる。
電荷輸送層は、電荷輸送材料を成膜性のある樹脂に溶
解させて形成される。本発明に用いられる有機の電荷輸
送材料の例としては、ヒドラゾン系化合物,スチルベン
系化合物,ピラゾリン系化合物,オキサゾール系化合
物,チアゾール系化合物,トリアリールメタン系化合物
などが挙げられる。これらの電荷輸送物質は1種または
2種以上組み合わせて用いることができる。
電荷輸送層に用いる結着剤の例としては、フエノキシ
樹脂,ポリアクリルアミド,ポリビニルブチラール,ポ
リアリレート,ポリスルホン,ポリアミド,アクリル樹
脂,アクリロニトリル樹脂,メタクリル樹脂,塩化ビニ
ル樹脂,酢酸ビニル樹脂,フエノール樹脂,エポキシ樹
脂,ポリエステル,アルキド樹脂,ポリカーボネート,
ポリウレタンあるいはこれらの樹脂の繰返し単位のうち
2つ以上を含む共重合体、たとえばスチレン−ブタジエ
ンコポリマー,スチレン−アクリロニトリルコポリマ
ー,スチレン−マレイン酸コポリマーなどを挙げること
ができる。また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ
ビニルアントラセン、ポリビニルビレンなどの有機光導
電性ポリマーからも選択できる。
電荷輸送層の膜厚は5〜50μm、好ましくは8〜20μ
mであり、電荷輸送物質と結着剤との重量比は5:1〜1:
5、好ましくは3:1〜1:3程度である。
塗工は前述のようなコーテイング法を行うことができ
る。
さらに色素、顔料、有機電荷輸送物質などは、一般に
オイルなどによる汚れ、紫外線、オゾンなどに弱いため
必要に応じて保護層を設けてもよい。この保護層上に静
電潜像を形成するためには表面抵抗率が1011Ω以上であ
ることが望ましい。
本発明で用いることができる保護層はポリビニルブチ
ラール,ポリエステル,ポリカーボネート,アクリル樹
脂,メタクリル樹脂,ナイロン,ポリイミド,ポリアリ
レート,ポリウレタン,スチレン−プタジエンコポリマ
ー,スチレン−アクリル酸コポリマー,スチレン−アク
リロニトリルコポリマーなどの樹脂を適当な有機溶剤に
よって溶解した液を感光層の上に塗布、乾燥して形成で
きる。この際、保護層の膜厚は、一般に0.05μm〜20μ
m好ましくは1μm〜5μmの範囲である。この保護層
中に紫外線吸収剤などを含ませてもよい。
本発明の帯電用部材は、第5図に示すような電子写真
装置に適用することができる。この装置は、電子写真感
光体7の周面上に帯電用部材である1次帯電ローラー1,
像露光手段12,現像手段13,転写帯電手段14,クリーニン
グ手段15,前露光手段16が配置されている。
電子写真感光体7上に接触配置されている1次帯電ロ
ーラー1に外部より電圧を印加し、電子写真感光体7表
面を帯電させ、像露光手段12によって原稿上の画像を感
光体に像露光し静電潜像を形成する。次に現像手段13中
の現像剤を感光体に付着させることにより感光体上の静
電潜像を現像(可視像化)し、さらに感光体上の現像剤
を転写帯電手段14によって紙などの被転写部材17に転写
し、クリーニング手段15によって転写時に紙に転写され
ずに感光体上に残った現像剤を回収する。
このような電子写真プロセスによって画像を形成する
ことができるが、感光体に残留電荷が残るような場合に
は、1次帯電を行う前に前露光手段16によって感光体に
光を当て残留電荷を除電したほうがよい。
像露光手段12の光源は、ハロゲン光,蛍光灯光,レー
ザー光,LEDなどを用いることができる。
現像手段としては、2成分現像法、磁性トナーあるい
は非磁性トナーを用いる1成分現像法などに使用される
装置が挙げられる。また、現像方式は、正現像方式であ
ってもよく、反転現像方式であってもよい。
本発明における感光体に接触させる帯電部材の設置に
ついても特定の方法に限らず帯電部材は固定方式、感光
体と同方向または逆方向で回転等の移動方式いずれの方
式を用いることもできる。さらに帯電部材に感光体上の
トナークリーニング装置として機能させることも可能で
ある。本発明の直接帯電方法における帯電用部材への印
加電圧は直流電圧と交流電圧を重畳した脈流電圧の形で
印加する。この際、この印加電圧は、±200V〜±1500V
の直流電圧とピーク間電圧2000V以下の交流電圧を重畳
した脈流電圧が好ましい。
電圧その印加方法に関しては各々の電子写真装置の仕
様にもよるが瞬時に所望する電圧を印加する方式の他に
も感光体の保護の目的で段階的に印加電圧を上げていく
方式、直流に交流を重畳させた形で印加の場合ならば直
流→交流または交流→直流の順序で電圧を印加する方式
をとることができる。
また、本発明の帯電用部材は、低電圧の直流電圧を印
加することも可能である。
また本発明においては、画像露光、現像、およびクリ
ーニング等のプロセスは電子写真の分野に公知の任意の
方法を採用することができ現像剤の種類など特定のもの
に限定されるものではない。本発明の帯電用部材を用い
た電子写真装置は複写機だけでなく、レーザープリンタ
ーやCRTプリンター、電子写真式製版システムなどの電
子写真応用分野にも用いることができる。
本発明の帯電用部材は、機械的強度、化学的安定性の
点で劣化を受けやすい、有機光導電体を含有する感光層
を有する電子写真感光体に適用することにより、その特
性を顕著に発揮することができる。
実施例1 帯電用部材を以下のようにして製造した。ただし、部
は重量部を示す。
まず、φ5mm,長さ250mmの鉄芯を軸に、クロロプレン
ゴムでJISK−6301に基づいたJIS−A型測定器により測
定したゴム硬度で15゜(TECLOCK社製ゴム硬度計[テク
ロツクGS−706])、φ30mm,長さ230mmになるように溶
融成型し、膜厚12.5mmの弾性層を形成した。
次に導電性カーボン粒子分散ポリウレタン塗料(シン
トロン,神東塗料製)を弾性層の上に浸漬塗工し、乾燥
後、膜厚20μmの導電層を設けた。
次にエチルセルロース10部、ジ−2−エチルヘキシル
フタレート(DOP)1部をメタノール90部に溶解し、こ
の導電層の上に浸漬塗工し、乾燥後、膜厚80μmの内部
抵抗層を設けた。次に導電性カーボン(ケツツエンブラ
ツク,ライオン製)1部、エチルセルロース19部、界面
活性剤(ソルビトール,味の素製)0.01部をメタノール
80部に混合し、ボールミル分散し、表面抵抗層塗液を作
成した。この塗液を内部抵抗層の上にスプレー塗工し、
乾燥後、膜厚が20μmとなるように表面抵抗層を設け、
1次帯電ローラーNo.1を製造した。
なお、導電層と内部抵抗層と表面抵抗層はそれぞれAl
シート上に別途浸漬塗工し、体積抵抗率を測定した。
次に、以下のようにして電子写真感光体を製造した。
まず、導電性支持体として、肉厚0.5mmで60φ×260mm
のアルミニウムシリンダーを用意した。
次に、共重合ナイロン(商品名:CM8000,東レ(株)
製)4部およびタイプ8ナイロン(商品名:ラツカマイ
ド5003,大日本インキ(株)製)4部をメタノール50
部、n−ブタノール50部に溶解し、上記導電性支持体上
に浸漬塗布して0.6μm厚のポリアミド下引き層を形成
した。
次に、下記構造式のジスアゾ顔料を10部、 及びポリビニルプチラール樹脂(商品名:エスレツクBM
2,積水化学(株)製)10部を、シクロヘキサノン120部
と共にサンドミル装置で10時間分散した。分散液にメチ
ルエチルケトン30部を加えて上記下引き層上に塗布し、
0.15μm厚の電荷発生層を形成した。
次に、重量平均分子量2万のポリカーボネートZ樹脂
(三菱瓦斯化学(株)製)10部を用意し、下記構造式の
ヒドラゾン化合物 10部と共にモノクロルベンゼン80部に溶解した。これを
上記電荷発生層上に塗布して、16μm厚の電荷輸送層を
形成し、感光体No.1を製造した。
前記の感光体No.1を用い、1次コロナ帯電器の代り
に、1次帯電ローラNo.1を取り付け、第5図のような構
成に改造した正現像方式の電子写真複写機(PC−10:キ
ヤノン製)を用いて、1次帯電ローラに直流−750V,交
流ピーク間電圧1300Vを重量印加し、暗部電位,明部電
位,画像欠陥,感光体にφ1mmのピンホールをあけた場
合のリークの検討及び騒音測定(複写機から水平に1m離
れた所で測定)を行った。
これらの結果を第1表に示す。
実施例2 φ24mm,長さ250mmの鉄芯を軸に、クロロプレンゴムで
φ30mm,長さ230mmになるように溶融成型し、膜厚3mmの
弾性層を形成した。弾性層のゴム硬度は15゜であった。
次に、この導電層の上に実施例1と同様にして導電層
と内部抵抗層を設けた。
次にアルミニウム粉体(アルペースト54−137,東洋ア
ルミニウム製)1部、エチルセルロース19部、界面活性
剤(ソルスパース,ICI製)0.01部をメタノール80部に混
合し、ボールミル分散し、表面抵抗層塗液を作成した。
この塗液を内部抵抗層の上にスプレー塗工し、乾燥後、
膜厚が20μmとなるように表面抵抗層を設け、1次帯電
ローラーNo.2を製造した。
この1次帯電ローラーを実施例1と同様にして測定,
評価した結果を第1表に示す。
実施例3 実施例1の1次帯電ローラーにおいて弾性層のゴム硬
度を35゜にする他は、実施例1と同様にして導電層まで
を形成した。
次にエチルセルロース10部、ジブチルフタレート(DB
P)1部をメタノール90部に溶解し、導電層の上に浸漬
塗工し、乾燥後、膜厚80μmの内部抵抗層を設けた。
次に酸化インジウム粉体(同和ケミカル製)1部、ニ
トロセルロース19部をメタノール70部に混合し、ボール
ミル分散し、表面抵抗層塗液を作成した。この塗液を内
部抵抗層上にスプレー塗工し、乾燥後、膜厚が20μmと
なるように表面抵抗層を設け、1次帯電用ローラーNo.3
を製造した。
この1次帯電ローラーを実施例1と同様にして測定,
評価した結果を第1表に示す。
実施例4 実施例1の1次帯電ローラーにおいて、弾性層のクロ
ロプレンゴムをEPDMゴムにする他は実施例1と同様にし
て弾性層までを設けた。弾性層のゴム硬度は25゜であっ
た。
次に導電性カーボン粒子分散ポリウレタン塗料(シン
トロン:神東塗料製)を弾性層の上に浸漬塗工し、乾燥
後、膜厚1mmの導電層を設けた。
次にエピクロルヒドリンゴム(ヒドリン,日本ゼオン
製)10部、トリクレジルホスフエート(TCP)1部、酸
化亜鉛0.3部、粉末イオウ0.2部、加硫促進剤(トリメル
カプトトリアジン)0.1部、THF90部を混合し、導電層の
上に浸漬塗工し、乾燥後膜厚90μmの内部抵抗層を設け
た。
次に導電性カーボン(ケツツエンブラツク,ライオン
製)1部、メトキシメチル化ナイロン19部、界面活性剤
(ソルビトール,味の素製)0.01部をメタノール80部に
混合し、ボールミル分散し、表面抵抗層塗液を作成し
た。この塗液を内部抵抗層の上にスプレー塗工し、乾燥
後、膜厚が10μmとなるように表面抵抗層を設け、1次
帯電用ローラーNo.4を製造した。
この1次帯電ローラーを実施例1と同様にして測定,
評価した結果を第1表に示す。
実施例5 実施例4の1次帯電ローラーにおいて、内部抵抗層に
おけるエピクロルヒドリンゴムをエピクロルヒドリン・
エチレンオキシドゴム(ゲクロン,日本ゼオン製)にす
る他は、実施例4と同様にして1次帯電用ローラーをN
o.5を製造した。
この1次帯電用ローラーを実施例1と同様にして測
定,評価した結果を第1表に示す。
実施例6 実施例1で用いた鉄芯を軸に、ウレタンサーモプラス
チツクエラストマー(ミラクトラン,日本ポリウレタン
工業)でゴム硬度は12゜,φ31mm,長さ230mmになるよう
溶融成型し、膜厚13mmの弾性層を形成した。
次にアルミ粒子10部をブチラール樹脂(エスレツクBL
S積水化学製)10部とメチルエチルケトン80部に分散
し、この塗液を弾性層の上に浸漬塗工し、乾燥後、膜厚
60μmの導電層を設けた。
次にポリエステルポリオール(ニツポラン4032,日本
ポリウレタン工業製)10部、イソシアネート(コロネー
ト65,日本ポリウレタン製)10部、ジ−2−エチルヘキ
シルフタレート(DOP)1部、亜鉛粉末0.3部、イオウ粉
末0.2部、加硫促進剤(トリメルカプトトリアジン)0.1
部をMEK80部に混合し、導電層の上に浸漬塗工し、乾燥
後膜厚95μmのポリウレタンゴムによる内部抵抗層を設
けた。
次に導電性カーボン(ケツツエンブラツク,ライオン
製)1部、ナイロン6−66−10(アミランCM−8000,東
レ製)19部をメタノール80部に混合し、ボールミル分散
し、表面抵抗層塗液を作成した。この塗液を内部抵抗層
の上にスプレー塗工し、乾燥後、膜厚が5μmとなるよ
うに表面抵抗層を設け、1次帯電ローラーNo.6を製造し
た。
この1次帯電用ローラーを実施例1と同様にして測
定,評価した結果を第1表に示す。
実施例7 実施例1で用いた鉄芯を軸に、スチレンブタジエンサ
ーモプラスチツクエラストマー(デンカSTR,電気化学工
業製)で、ゴム硬度は15゜,φ27mm,長さ230mmになるよ
うに溶融成型し、膜厚11mmの弾性層を形成した。
次にTiO2粒子10部をブチラール樹脂(エスレツクBLS,
積水化学製)10部とメチルエチルケトン80部に分散し、
この塗料を弾性層の上に浸漬塗工し、乾燥後、膜厚1.5m
mの導電層を設けた。
次にニトロセルロース10部、ジ−2−エチルヘキシル
フタレート(DOP)1部をメタノール90部に溶解し、導
電層の上に浸漬塗工し、乾燥後膜厚95μmの内部抵抗層
を設けた。
次に酸化チタン粒子(ECT−62:チタン工業製)0.1
部、ニトロセルロース10部をメタノール190部に混合、
ボールミル分散し、表面抵抗層塗液を作成した。この塗
液を内部抵抗層の上にスプレー塗工し、乾燥後、膜厚が
5μmの表面抵抗層を設け、1次帯電ローラーNo.7を製
造した。
この1次帯電用ローラーを実施例1と同様にして測
定,評価した結果を第1表に示す。
実施例8 実施例7と同様にして導電層までを形成した1次帯電
用ローラーを用意した。
次にポリエステルポリオール(ニツポラン4032,日本
ポリウレタン工業製)10部と、イソシアネート(コロネ
ート65,日本ポリウレタン製)10部、ジ−2−エチルヘ
キシルフタレート(DOP)1部、亜鉛粉末0.3部、イオウ
粉末0.2部、加硫促進剤(トリメルカプトトリアジン)
0.1部をMEK80部に混合し、導電層の上に浸漬塗工し、乾
燥後膜厚95μmのポリウレタンゴムによる内部抵抗層を
設けた。
次にエチルセルロース10部をメタノール90部に溶解
し、表面抵抗層塗液を作成した。この塗液を内部抵抗層
の上にスプレー塗工し、乾燥後、膜厚が10μmの表面抵
抗層を設け、1次帯電ローラーNo.8を製造した。
この1次帯電用ローラーを実施例1と同様にして測
定,評価した結果を第1表に示す。
参考例1および2 実施例1の1次帯電用ローラーにおいて、表面抵抗層
を設けずに、内部抵抗層の膜厚を100μmとする以外は
実施例1と同様にして1次帯電用ローラーNo.9を製造し
た。
また、実施例2の1次帯電用ローラーにおいて、表面
抵抗層を設けずに、内部抵抗層の膜厚を100μmとする
以外は実施例1と同様にして1次帯電用ローラーNo.10
を製造した。
これらの1次帯電用ローラーを実施例1と同様にして
測定,評価した結果を第1表に示す。
比較例1 1次帯電ローラーNo.1のうち、抵抗層を形成しない他
は実施例1と同様にして1次帯電ローラーNo.11を製造
した。これを実施例1と同様にして測定,評価した結果
を第1表に示す。
比較例2 φ5mm,長さ250mmの鉄芯を軸に、EPDMゴム90部、導電
性カーボン(ケツツエンブラツク,ライオン製)10部、
ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)5部をφ30m
m,長さ230mmになるよう溶融成型し、膜厚12.5mmの弾性
層を設けた。この弾性層のゴム硬度は45゜であり、体積
抵抗率は9×103Ω・cmであった。
次にEPDMゴム95部、導電性カーボン(ケツツエンブラ
ツク,ライオン製)5部、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート(DOP)5部をモノクロルベンゼン400部に混合
し、ボールミル分散し、この塗液を弾性層の上に乾燥
後、膜厚20μmとなるように導電層を設け、1次帯電用
ローラーNo.12を製造した。これを実施例1と同様にし
て測定,評価した結果を第1表に示す。
比較例3 比較例2の1次帯電用ローラーのうち、導電層を設け
ない他は比較例2と同様にして1次帯電用ローラーNo.1
3を製造した。
これを実施例1と同様にして測定,評価した結果を第
1表に示す。
第1表の結果から明らかなように本発明の帯電用部材
は画像欠陥がなく良好な画質が得られる。また、ピンホ
ールに対するリークは発生しない。さらに内部抵抗層の
存在により帯電用部材の柔軟性がさらに増すため、印加
電圧による騒音量が抑制される。
実施例16 帯電用部材No.1〜8,12,13をそれぞれ複写機内に2日
間稼動させずに放置した。
その結果、帯電用部材No.12とNo.13では、帯電用部材
の表面層中の可塑剤が浸み出してきて、帯電用部材と感
光体が付着していた。さらに、駆動させてコピーを取ろ
うとしたところ、付着部分の感光層がはがれてしまっ
た。
一方、帯電用部材No.1〜8では、いずれも帯電用部材
と感光体が付着するということはなく、良好なコピー画
像が得られた。
〔発明の効果〕
以上のように本発明の帯電用部材によれば、均一な帯
電能を有し、良好な画像が得られる。また、ピンホール
に対するリークも発生しない。また、印加電圧による騒
音量を抑制することができる。さらに感光体に対して浸
み出し等による影響を与えない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の帯電用部材における導電性基体の軸方
向に対して垂直方向(a)および平行方向の断面模式
図、第2図は帯電用部材を用いて感光体に帯電を行う模
式図、第3図および第4図は電子写真感光体の層構成を
表わす断面模式図、第5図は帯電用部材を用いた電子写
真装置の断面模式図を示す。 1……帯電用部材、2……導電性基体、3……弾性層、
4……導電層抵抗層、5a……内部抵抗層、5b……表面抵
抗層

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体、弾性層、導電層、内部抵抗層
    および表面抵抗層をこの順に有することを特徴とする帯
    電用部材(但し、導電層がN−メトキシメチル化ナイロ
    ンを含有し、内部抵抗層がエピクロルヒドリン−エチレ
    ンオキサイド共重合ゴムを含有し、且つ表面抵抗層がN
    −メトキシメチル化ナイロンを含有する帯電用部材を除
    く)。
  2. 【請求項2】電子写真感光体に接触配置され、外部から
    電圧を印加されることにより該電子写真感光体を帯電す
    る帯電用部材を有する帯電装置において、該帯電用部材
    が、導電性基体、弾性層、導電層、内部抵抗層および表
    面抵抗層をこの順に有することを特徴とする帯電装置
    (但し、導電層がN−メトキシメチル化ナイロンを含有
    し、内部抵抗層がエピクロルヒドリン−エチレンオキサ
    イド共重合ゴムを含有し、且つ表面抵抗層がN−メトキ
    シメチル化ナイロンを含有する帯電装置を除く)。
  3. 【請求項3】電子写真感光体、該電子写真感光体に接触
    配置され、外部から電圧を印加されることにより該電子
    写真感光体を帯電する帯電用部材、露光手段、現像手段
    および転写手段を有する電子写真装置において、該帯電
    用部材が、導電性基体、弾性層、導電層、内部抵抗層お
    よび表面抵抗層をこの順に有することを特徴とする電子
    写真装置(但し、導電層がN−メトキシメチル化ナイロ
    ンを含有し、内部抵抗層がエピクロルヒドリン−エチレ
    ンオキサイド共重合ゴムを含有し、且つ表面抵抗層がN
    −メトキシメチル化ナイロンを含有する電子写真装置を
    除く)。
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