JP2010227390A - 有機ハロゲン化合物内蔵機器の無害化処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機ハロゲン化合物を含む絶縁油を内蔵する機器内に、水素供与体とアルカリ化合物の混合溶液を充填し、該機器内に残留する有機ハロゲン化合物を混合溶液に溶出させた処理液を触媒充填装置に流通させながら、断続的にマイクロ波を照射し、該処理液を機器に循環させることで有機ハロゲン化合物を溶出分解する。マイクロ波照射を停止した直後と再度開始する直前の有機ハロゲン化合物濃度の測定から、有機ハロゲン化合物の溶出速度を算出し、該溶出速度が所定の基準値以下に保たれ、かつ減少していくことを確認しながら洗浄を実施する。洗浄工程終了後に処理液を抜き出す。
【選択図】図2
Description
水素供与体とアルカリ化合物の混合溶液を充填する充填工程と、
該機器及びその内部の付属部材に残留する有機ハロゲン化合物を前記混合溶液に溶出させた処理液を触媒充填装置に流通させながら、該触媒充填装置内の処理液へ断続的にマイクロ波を照射して有機ハロゲン化合物を分解し、該処理液を機器と触媒充填装置間を循環させることにより機器及びその内部の付属部材に残留する有機ハロゲン化合物が卒業基準を満たすまで溶出分解を実施する洗浄工程と、を有し、
該洗浄工程において、マイクロ波照射を停止した直後及び再度開始する直前に、処理液を機器と触媒充填装置間を循環させた状態で、処理液中の有機ハロゲン化合物濃度を測定し、
該測定結果から、前記混合溶液への、前記機器及びその内部の付属部材に残留する有機ハロゲン化合物の溶出速度を算出し、
該溶出速度が所定の基準値以下に保たれ、かつ減少していくことを確認しながら、有機ハロゲン化合物の分解反応の進行状況を確認し、
洗浄工程終了後に処理液を抜き出すことを特徴とする有機ハロゲン化合物内蔵機器の無害化処理方法。
充填工程では、機器に水素供与体とアルカリ化合物の混合溶液を充填する。図2は、本発明の無害化処理方法の一実施形態を示す概略図であり、充填工程と併せて、有機ハロゲン化合物を混合溶液に溶出させた処理液を、機器と触媒充填装置間を循環させながら、触媒充填装置内の処理液へマイクロ波を照射し、機器及びその内部の付属部材に残留する有機ハロゲン化合物を溶出分解する洗浄工程を説明した図である。図2において、1は有機ハロゲン化合物を含有する絶縁油を内蔵する機器、2は処理液、3は機器内部の付属部材、10はマイクロ波照射装置、15は触媒充填装置である。
混合溶液の充填を開始すると、該混合溶液には、機器本体及び機器内部に存在する付属部材に残留する有機ハロゲン化合物が徐々に溶出されてくる。残留するPCBを前記混合溶液にある程度溶出させて処理液を調製し、この処理液を、次の洗浄工程に供給する。混合溶液の充填が終了するまでの間に処理液を調製することも可能であるが、充填終了後、混合溶液を充填した状態で所定時間放置しておくことが、残留PCBの溶出を促すことができるので好ましい。処理液調製の所要時間は、拡散シミュレーションによって求めてもよい。処理液調製に要する時間は、短い方が無害化処理時間の短縮という点からは好ましいが、通常、一昼夜ないし数週間浸漬させることにより、機器細部のコイル等に入り込んでいるPCBを混合溶液中に溶出させる。処理液の液温は特に限定されないが、60℃以下とすることが好ましい。
洗浄工程では、図2に示したように、調製された処理液2を、ポンプ11によりマイクロ波装置10内に設置された触媒充填装置15へ供給する。機器には、処理液2を、ポンプ11を介して触媒充填装置15に供給するための供給ライン12、及び、触媒充填装置から回収する回収ライン13が備えられている。これにより、機器内の処理液を触媒充填装置15に供給し、処理液中の有機ハロゲン化合物を触媒と接触させた後、処理液を機器1に循環させることができる。かくして、処理液が触媒と接触することにより、処理液中の有機ハロゲン化合物が分解することで、有機ハロゲン化合物の分解反応が進行する。
洗浄工程においては、マイクロ波照射を停止した直後及び再度開始する直前に、処理液を機器と触媒充填装置間を循環させた状態で、適宜処理液中の有機ハロゲン化合物濃度を測定する。濃度測定用の処理液は、容器1出口からマイクロ波装置10手前の位置(図2のライン12)からサンプリングすることが、マイクロ波停止中の溶出による有機ハロゲン化合物濃度の上昇を的確に確認出来る点より、好ましい。
有機ハロゲン化合物の溶出速度は、マイクロ波照射を停止した直後(時間:P1)と、再度開始する直前(時間:P2)に、処理液中の有機ハロゲン化合物濃度(C1、C2)を測定することにより、求めることができる。この間はマイクロ波照射を停止しており、有機ハロゲン化合物の分解よりも溶出が優先して起こるために、有機ハロゲン化合物の溶出量がわかれば、機器内部に残留する有機ハロゲン化合物の量を間接的に推定することが可能になるからである。また、処理液は循環されているため、処理液中の有機ハロゲン化合物の濃度分布も僅かである。
溶出速度(V)=(C2−C1)/(P2−P1)
上記の溶出速度の算出をマイクロ波の照射と停止を繰り返す度に実施する。図4は、上記の式を用いて算出した有機ハロゲン化合物(PCB)の溶出速度と分解処理時間との関係を示したグラフである。処理時間が増加するに従い、有機ハロゲン化合物の溶出・分解が繰り返されることで、機器内に残留する有機ハロゲン化合物は減少する。そのため、有機ハロゲン化合物の溶出速度は、処理時間と共に低下する。この溶出速度が、所定の基準値以下に保たれていれば、機器内に残留する有機ハロゲン化合物が一定量以下になったことを示している。また、溶出速度が減少していくことを確認しながら、有機ハロゲン化合物の分解反応の進行状況を確認することで、機器内に残留する有機ハロゲン化合物の量が経時的に減少していくことがわかり、進行状況の把握の精度を上げることができる。イレギュラーにサンプリングした場合、たまたまPCB濃度が低い値を示すこともあり得るので、判定ミスが起きる恐れがあるが、本発明の方法では進行状況を把握することでこの判断ミスを回避している。
2 処理液
3 コイル(鉄心)
4 混合溶液
10 マイクロ波装置
11 ポンプ
12 供給ライン
13 回収ライン
15 触媒充填装置
Claims (10)
- 有機ハロゲン化合物を含む絶縁油を内蔵する機器内に、
水素供与体とアルカリ化合物の混合溶液を充填する充填工程と、
該機器及びその内部の付属部材に残留する有機ハロゲン化合物を前記混合溶液に溶出させた処理液を触媒充填装置に流通させながら、該触媒充填装置内の処理液へ断続的にマイクロ波を照射して有機ハロゲン化合物を分解し、該処理液を機器と触媒充填装置間を循環させることにより機器及びその内部の付属部材に残留する有機ハロゲン化合物が卒業基準を満たすまで溶出分解を実施する洗浄工程と、を有し、
該洗浄工程において、マイクロ波照射を停止した直後及び再度開始する直前に、処理液を機器と触媒充填装置間を循環させた状態で、処理液中の有機ハロゲン化合物濃度を測定し、
該測定結果から、前記混合溶液への、前記機器及びその内部の付属部材に残留する有機ハロゲン化合物の溶出速度を算出し、
該溶出速度が所定の基準値以下に保たれ、かつ減少していくことを確認しながら、有機ハロゲン化合物の分解反応の進行状況を確認し、
洗浄工程終了後に処理液を抜き出すことを特徴とする有機ハロゲン化合物内蔵機器の無害化処理方法。 - 前記充填工程の後に、機器に残留する有機ハロゲン化合物を、前記混合溶液に溶出させる処理液調製工程を有することを特徴とする、請求項1に記載の有機ハロゲン化合物内蔵機器の無害化処理方法。
- 前記洗浄工程における処理液温度が常温以上60℃以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機ハロゲン化合物内蔵機器の無害化処理方法。
- 前記機器が、柱上変圧器、大型変圧器又は油絶縁ケーブルの油槽のいずれかであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物内蔵機器の無害化処理方法。
- 前記機器及びその内部の付属部材の材料が、鉄、銅、碍子、紙又は木であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物内蔵機器の無害化処理方法。
- 前記有機ハロゲン化合物を含む絶縁油が、有機ハロゲン化合物からなる絶縁油であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物内蔵機器の無害化処理方法。
- 前記有機ハロゲン化合物がPCBであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物内蔵機器の無害化処理方法。
- 前記水素供与体が、複素環式化合物、アミン系化合物、アルコール系化合物、ケトン系化合物及び脂環式化合物からなる群から選ばれた少なくとも一つの化合物であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物内蔵機器の無害化処理方法。
- 前記アルカリ化合物が、苛性ソーダ、苛性カリ、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド及び水酸化カルシウムからなる群から選ばれた少なくとも一つの化合物であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物内蔵機器の無害化処理方法。
- 前記触媒が、炭素結晶化合物、金属担持炭素化合物、金属担持酸化物及び金属担持複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一つの化合物であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物内蔵機器の無害化処理方法。
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