JP2000116814A - 有機ハロゲン化合物を含有する静止誘導機器の無害化処理装置および方法 - Google Patents

有機ハロゲン化合物を含有する静止誘導機器の無害化処理装置および方法

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JP2000116814A
JP2000116814A JP29230598A JP29230598A JP2000116814A JP 2000116814 A JP2000116814 A JP 2000116814A JP 29230598 A JP29230598 A JP 29230598A JP 29230598 A JP29230598 A JP 29230598A JP 2000116814 A JP2000116814 A JP 2000116814A
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heating
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Akio Honchi
章夫 本地
Masaaki Mukaide
正明 向出
Hiroshi Hida
紘 飛田
Hiroshi Kawagoe
博 川越
Hiroshi Miyadera
博 宮寺
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機ハロゲン化合物を含有する静止誘導機器を
絶縁油と分離することなく一括して無害化処理する。 【解決手段】有機ハロゲン化合物を含有する静止誘導機
器4、水、および酸化剤を収納する圧力容器5と、該圧
力容器を加熱する加熱装置6からなり、前記圧力容器5
を加熱することにより、前記水を超臨界状態にして前記
有機ハロゲン化合物を酸化分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静止誘導機器中に含
まれる有機ハロゲン化合物を無害化処理する装置および
方法に係り、特に有機ハロゲン化合物を無害化処理し
て、残存する金属類を再利用することのできる有機ハロ
ゲン化合物の無害化処理装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機ハロゲン化合物の一種であるポリ塩
化ビフェニル(PCB)は、その毒性から1971年に
回収の指示が出され、1974年にはポリ塩化ビフェニ
ルの製造、輸入、および使用が禁止された。以来、使用
されなくなったポリ塩化ビフェニル、ポリ塩化ビフェニ
ルを含有した変圧器、コンデンサ、感圧紙等のポリ塩化
ビフェニル汚染物については、その一部が熱分解法によ
り焼却処理されたのみであり、大部分は、ダイオキシン
等の環境破壊物質の放出を理由に焼却処理が事実上禁止
され、現在に至るまで事業所などに保管されたままにな
っている。
【0003】ポリ塩化ビフェニルの処理については、前
記熱分解法以外に、t-BuOK法(カリウム・ターシ
ャリー・ブトキサイド法)、化学抽出分解法、アル
カリ触媒分解法(BCD法)、超臨界水酸化法、溶
融触媒抽出法(CEP法)、金属ナトリウム法、紫
外線照射並びに微生物分解を併用したPCB無害化処理
法、が知られている(環境管理Vol.33、No.8
(1997)、P.857〜863参照)。
【0004】また、ポリ塩化ビフェニルの有望な処理方
法として、(1)アルカリ触媒分解法、(2)化学抽出
分解法、(3)カリウム・ターシャリー・ブトキサイド
法、(4)触媒水素化脱塩素化法、(5)超臨界水酸化
法が知られている(月刊地球環境、3月号、(199
8)、P.22参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の処理方法は
いずれもポリ塩化ビフェニルの純液、あるいはポリ塩化
ビフェニルを含有する廃液のみの処理に関する技術であ
り、ポリ塩化ビフェニルを含有する静止誘導機器を一括
して無害化処理できる処理方法ではない。
【0006】ポリ塩化ビフェニルの多くは静止誘導機器
用に使用されており、特に柱上変圧器の絶縁油中に数〜
数十ppmの濃度で存在する。そしてこのポリ塩化ビフェ
ニルを含有する柱上変圧器は約400万台に上る。した
がって、柱上変圧器からポリ塩化ビフェニルを含有する
絶縁油を抽出し、処理することによって大部分のポリ塩
化ビフェニルを処理することができる。
【0007】しかし、柱上変圧器等の静止誘導機器は、
その構造が複雑で細隙を多く含むことから、ポリ塩化ビ
フェニルを含む絶縁油を全て抽出することは事実上不可
能であり、仮に、変圧器中身等に付着して残留するポリ
塩化ビフェニルを洗浄して除去するとすれば新たに洗浄
廃液が生じ、その処理が必要となる。
【0008】本発明は前記種々の問題点に鑑みてなされ
たもので、変圧器から絶縁油を分離することなく、その
ままの状態で無害化処理し、変圧器内の絶縁油に含まれ
るポリ塩化ビフェニルおよび変圧器に付着する絶縁油に
含まれるポリ塩化ビフェニル等の有機ハロゲン化合物を
同時に一括して無害化処理できる有機ハロゲン化合物の
無害化処理装置および方法に関する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために次のような手段を採用した。
【0010】有機ハロゲン化合物を含有する静止誘導機
器、水、および酸化剤を収納する圧力容器と、該圧力容
器を加熱する加熱装置からなり、前記圧力容器を加熱す
ることにより、前記水を超臨界状態にして前記有機ハロ
ゲン化合物を酸化分解することを特徴とする。
【0011】また、有機ハロゲン化合物および可燃物を
含有する静止誘導機器、水、並びに酸化剤を収納する圧
力容器と、該圧力容器を加熱する加熱装置からなり、前
記圧力容器を加熱することにより、前記水を超臨界状態
にして前記有機ハロゲン化合物および前記可燃物を酸化
分解することを特徴とする。
【0012】また、有機ハロゲン化合物および絶縁油を
含む可燃物を含有する静止誘導機器、水並びに酸化剤を
収納する第1の圧力容器と、第1の圧力容器を加熱する
第1の加熱装置と、有機ハロゲン化合物および絶縁油を
含む可燃物を含有する静止誘導機器、並びに酸化剤を収
納する第2の圧力容器と、該第2の圧力容器を加熱する
第2の加熱装置と、前記第1の圧力容器の底面と第2の
圧力容器を接続する配管と、前記配管に分岐接続した油
分離器からなり、前記圧力容器を加熱することにより、
前記水を超臨界状態にして前記有機ハロゲン化合物を酸
化分解する有機ハロゲン化合物を含有する静止誘導機器
の無害化処理装置において、前記第1の圧力容器内の水
を前記配管を介して前記第2の圧力容器に移送するとと
もに、前記第1の圧力容器内の絶縁油を前記油分離器で
回収する切り換え弁を備えたことを特徴とする。
【0013】また、前記有機ハロゲン化合物を含有する
静止誘導機器の無害化処理装置において、前記有機ハロ
ゲン化合物はポリ塩化ビフェニルであり、前記酸化剤は
過酸化水素であることを特徴とする。
【0014】また 前記有機ハロゲン化合物を含有する
静止誘導機器の無害化処理装置において、 前記静止誘
導機器は柱上変圧器であることを特徴とする。
【0015】また、有機ハロゲン化合物および絶縁油を
含む可燃物を含有する静止誘導機器、水並びに酸化剤を
収納する第1の圧力容器と、第1の圧力容器を加熱する
第1の加熱装置と、有機ハロゲン化合物および絶縁油を
含む可燃物を含有する機器、並びに酸化剤を収納する第
2の圧力容器と、該第2の圧力容器を加熱する第2の加
熱装置と、前記第1の圧力容器の底面と第2の圧力容器
を接続する配管と、前記配管に分岐接続した油分離器か
らなり、前記圧力容器を加熱することにより、前記水を
超臨界状態にして前記有機ハロゲン化合物を酸化分解す
る有機ハロゲン化合物を含有する静止誘導機器の無害化
処理方法において、前記有機ハロゲン化合物の酸化分解
反応後、前記第1の圧力容器内の水を前記配管を介して
前記第2の圧力容器に移送し、次いで、前記第1の圧力
容器内の絶縁油を前記油分離器で回収することを特徴と
する。
【0016】
【発明の実施の形態】ポリ塩化ビフェニルの有望な処理
方法として前記(1)アルカリ触媒分解法、(2)化学
抽出分解法、(3)カリウム・ターシャリー・ブトキサ
イド法、(4)触媒水素化脱塩素化法、(5)超臨界水
酸化法が知られていることは前述のとおりである。そし
てこれらの方法のうち、前記(1)ないし(4)の方法
はいずれもポリ塩化ビフェニルから塩素を除去して無害
化する方法である。この方法では無害化処理後にビフェ
ニル等の有機物が残り、また溶媒を場合には溶媒と絶縁
油の混合物の処理が必要になる。
【0017】これに対して、前記(5)の超臨界水酸化
法は、ポリ塩化ビフェニルを二酸化炭素にまで酸化する
方法であり、また溶媒として水を用いることができるこ
とから地球環境に与える負荷は極めて少ない。
【0018】そこで、前記超臨界水酸化法を前記柱上変
圧器の一括処理に適用すべく基礎実験を行った。
【0019】はじめに、ポリ塩化ビフェニルの選択酸化
の可能性を調べた。
【0020】絶縁油に含まれるポリ塩化ビフェニルは低
濃度であるため、ポリ塩化ビフェニルのみを選択的に酸
化処理する必要がある。絶縁油を同時に酸化すると多量
の酸化剤を要するとともに多量の酸化熱が発生して温度
制御が困難になるからである。
【0021】まず、流通式の反応装置を用意し、この装
置に水を4.0ml/分の流量で連続的に供給し、かつ
前記流通式の容器の出口の排出流量を調整することによ
って前記流通式の容器内の圧力を25MPaに維持しな
がら、前記流通式の反応装置の反応部を加熱して、反応
部を水の臨界温度以上である430℃にした。
【0022】次いで、前記流通式の装置の反応部直前
で、ポリ塩化ビフェニルを溶解したメタノールを0.5
ml/分の流量で注入して前記水と混合した。水と混合
したこの混合物は前記反応部を通過し、通過した後は直
ちに冷却した。反応部を通過する時間すなわち滞留期間
は約1分であった。この実験では酸化剤は添加していな
いが、ポリ塩化ビフェニルの分解率は69%であった。
【0023】酸化剤を含まない超臨界水の中においても
ポリ塩化ビフェニルは分解する。この分解は熱分解ある
いは加水分解によるものと考えられる。しかし分解率は
低く、高い分解率を得るには高温と長時間を要する。
【0024】次に、水に予め酸化剤として過酸化水素を
加えるほかは前記実験と同じ条件で同様に実験を行っ
た。前記過酸化水素はポリ塩化ビフェニルを酸化する当
量の80倍、メタノールを酸化する当量の0.15倍と
した。過酸化水素を加えることでポリ塩化ビフェニルの
分解率は99.6%に向上した。このときメタノールの
分解率は求めていないが、過酸化水素が全てメタノール
に消費されたとしてもメタノールは15%しか分解され
ないことを考慮すると、メタノールは酸化されずにほと
んど残留し、低濃度のポリ塩化ビフェニルが高率で分解
されたと考えられる。
【0025】このように、過酸化水素のような酸化剤を
添加すればポリ塩化ビフェニルは速やかに酸化分解し、
無害化される。
【0026】以上の実験結果から、溶媒に溶解したポリ
塩化ビフェニルを酸化分解して無害化するには、溶媒を
全て酸化分解するに要する量の酸化剤を供給する必要は
なく、ポリ塩化ビフェニルを酸化するのに要する量に対
して十分過大な量を供給すればよいことが分かる。この
ことはまた溶媒の回収が可能であることを示唆してい
る。
【0027】なお分解率は温度、圧力、対流時間等の反
応条件を変更することによって、さらに向上することが
できる。
【0028】次に、柱上変圧器と、その絶縁油の一括処
理について検討した。
【0029】まず、変圧器中身およびポリ塩化ビフェニ
ルを含んだ絶縁油、水、および過酸化水素をオートクレ
ーブ(圧力容器)に入れ、水の超臨界状態にまで昇温、
昇圧した。温度を450℃に設定し、設定温度に到達後
30分間保持し、その後冷却した。
【0030】冷却後に、水と絶縁油の両者に含まれるポ
リ塩化ビフェニルの濃度を求めて分解率を計算したとこ
ろ、99%以上という結果が得られた。過酸化水素の添
加量はポリ塩化ビフェニルに対して十分過剰(ポリ塩化
ビフェニルを酸化するために必要な当量の20倍以上)
であればよいことが確認できた。
【0031】以上の実験結果から、超臨界水酸化法によ
れば絶縁油を含めた柱上変圧器全体を一括処理でき、ま
た無害化された金属類および絶縁油を回収できるため、
これらを容易に廃棄でき、また再利用も可能であること
が分かる。
【0032】また、ポリ塩化ビフェニルが溶解している
絶縁油のような炭化水素は酸化剤により酸化されるの
で、ポリ塩化ビフェニルの酸化と絶縁油の酸化は同時に
進行しているものと考えられる。さらに前述のようにポ
リ塩化ビフェニルは酸化剤がなくてもある程度は分解す
るため、酸化と熱分解あるいは加水分解は相補う形で作
用するものと判断される。また、酸化による内部発熱が
熱分解や加水分解を促進している可能性もある。
【0033】最後に、処理後の変圧器中身を取り出して
全体を鉱油で洗浄し変圧器中身自体へのポリ塩化ビフェ
ニルの付着および残留の有無を調べたところ、洗浄した
鉱油にはポリ塩化ビフェニルは含まれていなかった。
【0034】超臨界状態の水は有機物の優れた溶媒とな
るため、変圧器の鉄心と巻線間等の細隙に残留する絶縁
油を容易に溶解するためと考えられるなお、処理後の熱
を回収して、再度超臨界状態に昇温するための熱源とし
て有効利用するためには、前記圧力容器を配管で接続し
て多段式のバッチ処理装置として構成し、処理後の水を
順次次段のバッチ装置に供給すればよい。
【0035】また、外部から供給する熱量の削減を図る
ためには、絶縁油を積極的に酸化して発生する酸化熱を
昇温に利用することができる。その際には、絶縁油の酸
化が急激に進む臨界温度近傍までは外部から加熱して昇
温し、それ以降は絶縁油の酸化熱で温度が上昇する。一
旦温度が上昇するとその後は放熱される熱量分を外部か
ら供給するのみでよい。
【0036】
【実施例】以上の考察に基づいて行われた本発明の実施
例を以下に説明する。
【0037】図1は本発明の第1の実施例に係る有機ハ
ロゲン化合物の無害化処理装置を示す図である。
【0038】図において、1は柱上変圧器、2は柱上変
圧器の容器、3は容器の蓋体であり容器2にボルト締め
している。4は変圧器の中身であり、鉄心、巻線、絶縁
紙等から構成される。5は圧力容器であり、圧力容器5
内には前記変圧器中身4を水および過酸化水素とともに
封入する。6は圧力容器を加熱する電気炉、7は変圧器
上部の水を撹拌する回転式の撹拌機であり、昇温時の温
度分布を均一にする。
【0039】ポリ塩化ビフェニルの無害化処理に際して
は、まず、ポリ塩化ビフェニルを含有する柱上変圧器の
中身および絶縁油を圧力容器内に収容し、さらに圧力容
器内に水、および酸化剤である過酸化水素を加える。絶
縁油中のポリ塩化ビフェニル濃度は50ppmであり、過
酸化水素の添加量はポリ塩化ビフェニルを酸化するのに
必要な当量の100倍とした。
【0040】次いで、これらを約450℃まで昇温し、
約30分間維持した後に冷却した。
【0041】冷却後に圧力容器から、変圧器中身、未分
解の絶縁油、および水を取り出して、絶縁油と水の両者
に含まれるポリ塩化ビフェニル濃度を求めて分解率を計
算したところ、99%以上であった。また処理後の変圧
器中身全体を鉱油で洗浄し変圧器中身へのポリ塩化ビフ
ェニルの付着および残留の有無を調べた。しかし洗浄し
た鉱油のポリ塩化ビフェニル濃度は検出限界以下であ
り、変圧器中身に残留するポリ塩化ビフェニルは認めら
れなかった。
【0042】さらに、酸化剤である過酸化水素の量のみ
をポリ塩化ビフェニルを酸化分解するするために必要な
当量の20倍、および50倍に変更し、他の条件は同じ
にして実験をしたところ、いずれの場合も100倍の場
合と同様であった。
【0043】さらに図1を用いて本発明の第2の実施例
を説明する。
【0044】この実施例では、過酸化水素量を、絶縁油
を酸化するために必要な当量の1.2倍(ポリ塩化ビフ
ェニルを酸化するに必要な当量に対しては非常に過剰な
量)を添加した。その際、発熱量が過大になって制御不
能になることを避けるため、絶縁油の量を減少し、水の
臨界温度から最大で約200℃だけ温度上昇する量にし
た。その他の条件は前記実施例1と同様にして昇温し
た。
【0045】その結果、昇温により水の臨界温度を超え
た時点から絶縁油の酸化による発熱と考えられる温度上
昇が確認された。実施例1と同様に約450℃で約30
分間維持したのち冷却した。処理後のポリ塩化ビフェニ
ル分析結果は実施例1と同様であった。
【0046】以上説明したように、水の臨界温度程度ま
で加熱して昇温すれば、絶縁油の酸化が顕著に現れて、
この酸化熱により内部から加熱される。この酸化熱を利
用すれば、外部から加熱する熱量を削減することができ
る。
【0047】絶縁油を減少させるために、処理できなか
った残りの絶縁油については、過酸化水素の添加量を、
ポリ塩化ビフェニルを酸化分解するに必要な当量の10
0倍にして実施例1と同様に処理した。
【0048】図2は本発明の第3の実施例に係る有機ハ
ロゲン化合物の無害化処理装置を示す図である。
【0049】図において、5Aは第1の圧力容器であ
り、圧力容器5A内には変圧器中身4を水および過酸化
水素とともに封入する。6は圧力容器を加熱する電気
炉、7は変圧器上部の水を撹拌する回転式の撹拌機であ
り、昇温時の温度分布を均一にする。また、5Bは第2
の圧力容器であり、圧力容器5B内には変圧器中身4を
過酸化水素とともに封入する。6は圧力容器を加熱する
電気炉、7は変圧器上部の水を撹拌する回転式の撹拌機
である。8は第1の圧力容器の底面と第2の圧力容器を
接続する配管、8Aは、配管の圧力容器5A側に設けた
バルブ、8Bは配管8の圧力容器5B側に設けたバル
ブ。9は配管8に分岐接続した油分離器、9Aは油分離
器9の配管側に設けたバルブ、9Bは油分離器の排出側
に設けたバルブである。
【0050】ポリ塩化ビフェニルの無害化処理に際して
は、まず、圧力容器5Aにポリ塩化ビフェニルを含んだ
絶縁油、変圧器中身、水、および過酸化水素を一括して
封入し、電気炉6を作動して圧力容器を450℃まで昇
温した。この温度で約30分間保持した後、電気炉を停
止して冷却を開始した。
【0051】温度が臨界点以下の350℃に達した時点
で、配管8に取り付けたバルブ8A、8Bを開にして圧
力容器低層部に溜まった水を主とする液体を圧力差によ
り圧力容器5Bに移送した。圧力容器5Aの低層部の前
記液体を移送した後、バルブ8Bを閉、バルブ9Aを開
にして圧力容器5Aの上層部に溜まった、絶縁油を主と
する液体を油分離器9に供給した。
【0052】圧力容器5Aの水を主とする液体を圧力容
器5Bに移送したのちの圧力容器5Bの温度は150℃
であった。このようにして水を主とする液体を第2の圧
力容器5Bに移送することにより、熱の有効利用を図る
ことができる。また、絶縁油を主とする液体を分離回収
することができるので、分離して廃棄すべき液体の総量
を削減することができる。
【0053】なお、以上は2台の圧力容器を用いた例を
示したが、3台以上の圧力容器を用い、これらの圧力容
器の底面を順次接続して、同様に運用することができる
ことは勿論である。
【0054】以上説明したように、有機ハロゲン化合物
を含有する機器、特に柱上変圧器の中身を絶縁油と分離
することなく一括して無害化処理できるため、機器に付
着、残留する有機ハロゲン化合物の洗浄、除去が不要に
なる。したがって洗浄液の処理という新たな負担を生じ
ることなく、変圧器を容易に廃棄処理できる。また金属
類や絶縁油を再利用することも可能になる。なお、以上
は変圧器の無害化処理について説明したが、リアクトル
等の静止誘導機器、およびコンデンサ等の電気機器に対
しても同様に適用できることは勿論である。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば有機ハロゲン化合物を含
有する静止誘導機器、特に柱上変圧器の中身を絶縁油と
分離することなく一括して無害化処理できる。また有機
ハロゲン化合物の無害化処理と並行して絶縁油を酸化す
るので、外部から供給する熱量を削減することができ
る。さらに複数の圧力容器の底面を配管で接続して高温
の処理水を再利用することにより外部から供給すべき熱
量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1および第2の実施例に係る有機ハ
ロゲン化合物の無害化処理装置を示す図である。
【図2】本発明の第3の実施例に係る有機ハロゲン化合
物の無害化処理装置を示す図である。
【符号の説明】
1 柱上変圧器 2 柱上変圧器の容器 3 柱上変圧器の蓋体 4 柱上変圧器の中身 5 圧力容器 6 電気炉 7 撹拌機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飛田 紘 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 川越 博 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 宮寺 博 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 2E191 BA12 BA13 BD00 BD11 4G075 AA15 BA05 BA06 BD11 BD30 CA02 CA65 CA66 DA02 5E050 CA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ハロゲン化合物を含有する静止誘導
    機器、水、および酸化剤を収納する圧力容器と、該圧力
    容器を加熱する加熱装置からなり、 前記圧力容器を加熱することにより、前記水を超臨界状
    態にして前記有機ハロゲン化合物を酸化分解することを
    特徴とする有機ハロゲン化合物を含有する静止誘導機器
    の無害化処理装置。
  2. 【請求項2】 有機ハロゲン化合物および可燃物を含有
    する静止誘導機器、水、並びに酸化剤を収納する圧力容
    器と、該圧力容器を加熱する加熱装置からなり、 前記圧力容器を加熱することにより、前記水を超臨界状
    態にして前記有機ハロゲン化合物および前記可燃物を酸
    化分解することを特徴とする有機ハロゲン化合物を含有
    する静止誘導機器の無害化処理装置
  3. 【請求項3】有機ハロゲン化合物および絶縁油を含む可
    燃物を含有する静止誘導機器、水並びに酸化剤を収納す
    る第1の圧力容器と、第1の圧力容器を加熱する第1の
    加熱装置と、 有機ハロゲン化合物および絶縁油を含む可燃物を含有す
    る静止誘導機器、並びに酸化剤を収納する第2の圧力容
    器と、該第2の圧力容器を加熱する第2の加熱装置と、 前記第1の圧力容器の底面と第2の圧力容器を接続する
    配管と、 前記配管に分岐接続した油分離器からなり、 前記圧力容器を加熱することにより、前記水を超臨界状
    態にして前記有機ハロゲン化合物を酸化分解する有機ハ
    ロゲン化合物を含有する静止誘導機器の無害化処理装置
    において、 前記第1の圧力容器内の水を前記配管を介して前記第2
    の圧力容器に移送するとともに、前記第1の圧力容器内
    の絶縁油を前記油分離器で回収する切り換え弁を備えた
    ことを特徴とする有機ハロゲン化合物を含有する静止誘
    導機器の無害化処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1の
    記載において、 前記有機ハロゲン化合物はポリ塩化ビフェニルであり、
    前記酸化剤は過酸化水素であることを特徴とする有機ハ
    ロゲン化合物を含有する静止誘導機器の無害化処理装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1の
    記載において、 前記静止誘導機器は柱上変圧器であることを特徴とする
    有機ハロゲン化合物を含有する静止誘導機器の無害化処
    理装置。
  6. 【請求項6】 有機ハロゲン化合物および絶縁油を含む
    可燃物を含有する静止誘導機器、水並びに酸化剤を収納
    する第1の圧力容器と、第1の圧力容器を加熱する第1
    の加熱装置と、 有機ハロゲン化合物および絶縁油を含む可燃物を含有す
    る静止誘導機器、並びに酸化剤を収納する第2の圧力容
    器と、該第2の圧力容器を加熱する第2の加熱装置と、 前記第1の圧力容器の底面と第2の圧力容器を接続する
    配管と、 前記配管に分岐接続した油分離器からなり、 前記圧力容器を加熱することにより、前記水を超臨界状
    態にして前記有機ハロゲン化合物を酸化分解する有機ハ
    ロゲン化合物を含有する静止誘導機器の無害化処理方法
    において、 前記有機ハロゲン化合物の酸化分解反応後、前記第1の
    圧力容器内の水を前記配管を介して前記第2の圧力容器
    に移送し、次いで、前記第1の圧力容器内の絶縁油を前
    記油分離器で回収することを特徴とする有機ハロゲン化
    合物を含有する静止誘導機器の無害化処理方法。
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