JP2016068026A - 有害物質抽出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】PCB等の有害物質を含有するコンデンサやトランス等の有害物質含有物品から容易且つ短時間で有害物質を抽出すること。【解決手段】有害物質抽出装置10において、コイル26に高周波電流が供給されると、真空チャンバ24内の物品載置台28上のコンデンサ11の外周側及び穴を介した内部の導電材料が誘導加熱される。これによりコンデンサ11全体が短時間で加熱されて所定温度まで高まる。この加熱されたコンデンサ11に含まれるPCB油が加熱により短時間で分解され、その粘度が低下して流れ易くなる。流れ易くなったPCB油が、物品載置台28の貫通孔を流下し、配管内を通過してタンク32に流入される構成とした。【選択図】図1

Description

本発明は、人や動物等に有害な有害物質を含有するコンデンサ等の有害物質含有物品から、有害物質を抽出する有害物質抽出装置に関する。
有害物質としての有機化合物には、ハロゲンを含まない非環状と環状の炭化水素化合物や、ハロゲンを含む非環状と環状の有機ハロゲン化合物が含まれる。この有機ハロゲン化合物において、液体状有機ハロゲン化合物には、具体的に、PCB(Polychlorinated Biphenyl:ポリ塩化ビフェニル)が油に溶けたPCB油等の溶液や、ダイオキシンを含む溶液、DDT(Dichloro diphenyl trichloroethane:ジクロロジフェニルトリクロロエタン、有機塩素系の殺虫剤、農薬)を含む溶液等が挙げられる。
また、気体状の有害物質には、揮発性有機化合物等が挙げられる。この揮発性有機化合物にも、上述した炭化水素化合物や有機ハロゲン化合物が含まれる。気体状有機ハロゲン化合物には、具体的に、PCBが気化したガスや、PCBが燃焼したガス状のダイオキシンや、DDTがガス状となったもの等が挙げられる。
有機ハロゲン化合物であるPCBは、ダイオキシン類に含まれる。ダイオキシン類は、基本的には炭素で構成されるベンゼン環が、酸素で結合したりして、それに塩素が付いた構造を成す。また、PCBは、酸やアルカリに対する耐性が高く化学的に安定しており、熱的にも非常に安定で電気絶縁性に優れており、存在形態が液体から固体まで幅広く存在する。
このため、PCBは、有害物質含有物品としてのトランスやコンデンサ、並びに安定器等の絶縁油、電線等の可塑剤、各種化学工業等の諸工程における熱媒体、ノーカーボン紙(感圧複写紙)等、用途を問わず幅広い分野において大量に使用されてきた。なお、PCBを含む安定器としては、例えば、昭和1972年8月以前に製造された業務用・施設用蛍光灯等に用いられた安定器がある。
しかし、PCBは、有害物質であると共に、ある温度で気化して有害ガスとなり、また、燃焼するとダイオキシン等の有害ガスとなって環境汚染の原因となる。更に、PCBは、食物連鎖による生物濃縮により、特に魚介類を通してPCBに起因する有害物質が人体内に蓄積されること等が判明した。このため、PCBの製造は1972年に禁止されるに至った。
この結果、PCBの製造等による直接的な汚染問題は回避されたが、PCBはその汎用性の高さから現在でも多岐に渡り使用されており、現在ではPCBの処理や処分を人畜無害に行う必要がある。このPCBの処理や処分を行う場合、上述した有害物質含有物品においては、多くの場合、PCBを一旦抽出する必要がある。このPCBの抽出方法として、例えば特許文献1に記載の有害物処理設備がある。
有害物処理設備は、まず、PCBを含有するコンデンサやトランス等のPCB油入容器を洗浄し、この洗浄廃液中のPCBを所定の濃度まで濃縮する。濃縮したPCBを含む濃縮物をタンクに貯留し、このタンクに極性抽出溶剤を投入することでPCBを抽出する。抽出されたPCBは、有機物分解処理装置で分解処理されるようになっている。
特開2006−216070号公報
しかし、特許文献1の技術では、PCB油入容器からPCBを抽出する場合、PCB油入容器を一旦洗浄する。次に、その洗浄廃液中のPCBを所定の濃度まで濃縮する。次に、濃縮したPCBを含む濃縮物をタンクに貯留し、このタンクに極性抽出溶剤を投入してPCBを抽出するといった複数工程の手順が必要である。このため、PCB油入容器(有害物質含有物品)から容易且つ短時間でPCBを抽出することができないという問題がある。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、PCB等の有害物質を含有するコンデンサやトランス等の有害物質含有物品から容易且つ短時間で有害物質を抽出することができる有害物質抽出装置を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の有害物質抽出装置は、導電材料を含んで形成され、且つ液状又は固化状の有害物質を含有する物品が、当該物品に少なくとも1つ以上開口された穴が下方に向けて載置される載置面に、少なくとも1つ以上の貫通孔が設けられた載置手段と、前記載置手段に載置された前記物品を密閉状に収納するチャンバと、前記載置手段の前記貫通孔が設けられた位置の下側に、配管を介して配置されたタンクと、前記チャンバに収容された前記物品の近接位置に配置され、電源から高周波電流が供給される第1コイルと、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、第1コイルに高周波電流が供給されると、物品の外周側及び穴を介した内部の導電材料が誘導加熱され、これにより物品全体が短時間で加熱されて所定温度まで高まる。この加熱された物品に含まれる固化状の有害物質が短時間で溶融されて溶け出し、流れ易くなる。更に、液状の有害物質も、加熱により短時間で溶融され、その粘度が低下して流れ易くなる。流れ易くなった液状有害物質は、載置手段の貫通孔を流下し、配管内を通過してタンクに流入する。このように、有害物質を含有する物品から容易且つ短時間で有害物質を抽出することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記タンクを冷却する冷却手段を更に備えることを特徴とする。
この構成によれば、タンク内に貯留され液状有害物質が冷却されるので、液状有害物質の気化を抑制して外部へ漏れないようにすることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、電源から高周波電流が供給される第2コイルと、前記第2コイルの近傍に配置され、当該第2コイルへの高周波電流の供給時に誘導加熱されて発熱する導電性セラミックスを用いた熱分解手段と、前記チャンバ及び前記配管の少なくとも何れか一方の内部から気体を吸引して前記熱分解手段に導入する導入手段と、前記熱分解手段からガスを排出する排出手段と、を更に備えることを特徴とする。
この構成によれば、誘導加熱される物品から液状有害物質が流下する際に、チャンバ、配管及びタンク内で液状有害物質が気化した有害ガスが、導入手段によって熱分解手段へ導入される。この導入された有害ガスを導電性セラミックスの熱により無害に分解し、この分解ガスを排出手段から排出することができる。つまり、物品から有害物質を抽出時に、有害ガスが発生しても、それを無害なガスに分解することができる。
請求項4に係る発明は、請求項3において、前記導入手段は、前記チャンバ及び前記配管の内部から前記熱分解手段の側へ気体の吸引を行って、当該内部を真空状態とする真空手段を更に備えることを特徴とする。
この構成によれば、チャンバ内を真空状態とすることにより内部圧力が低くなるので、誘導加熱による有害物質の溶融が早くなる。つまり、物品に含有された液状又は液状が固化した有害物質を早く溶融して流れ易くすることができる。このため、有害物質の抽出を、より短時間で行うことができる。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか1項において、前記物品に少なくとも1つ以上の前記穴を開口する開口手段と、前記穴が開口された物品を、前記チャンバ内に収納する前に、前記載置手段に搬送し、前記穴を下方に向けて当該載置手段に載置する搬送手段と、開口対象の前記物品及び前記開口手段と、前記載置手段及び前記チャンバとを、前記搬送手段の搬送経路上で密閉状に囲む密閉手段と、前記密閉手段の内部に不活性ガスを充填すると共に、充填された不活性ガスを有害物質吸着手段を通した後に回収するガス生成回収手段と、を更に備えることを特徴とする。
この構成によれば、密閉手段内に不活性ガスを充填した後に、開口手段で物品に穴を開け、この物品を搬送手段で搬送し、穴を下に向けて載置手段に載置して、物品をチャンバ内に収納することができる。つまり、不活性ガス充填空間で物品に穴を開けるので、穴を開けた際に物品内部の有害物質が酸化して、有害ガスに変わることを防止することができる。また、穴の開いた物品を載置手段に載置してチャンバ内に収納する処理も、不活性ガス充填環境で行うので、その間も有害ガスの発生を防止することができる。また、上述した穴開け及び収納の処理終了後は、不活性ガスを回収することができるので、高価な不活性ガスを無駄に消費することが無くなる。また、不活性ガスを回収する前に、不活性ガスは有害物質吸着手段を通過するので、この際に、不活性ガス中に有害ガスが混入していても、それを吸着して除去することができる。
請求項6に係る発明は、請求項1〜4の何れか1項において、前記物品が有害物質含有紙である場合、当該有害物質含有紙を、高周波誘導可能な導電体で挟み組込体を形成し、前記組込体を前記チャンバに収容し、前記第1コイルに高周波電流を供給して当該組込体の前記導電体を誘導加熱することを特徴とする。
この構成によれば、第1コイルへ高周波電流が供給されると、有害物質含有紙を挟む各導電体が誘導加熱される。この誘導加熱により、各導電体の間の有害物質含有紙のうち紙が炭化され、紙に含有される有害物質が気体状の有害ガスとなる。この有害ガスは、導入手段によって熱分解手段へ導入され、無害なガスに分解される。一方、炭化された紙の炭素成分は、載置手段に残留する。このように、有害物質を含有する有害物質含有紙から容易且つ短時間で有害物質を抽出分解することができる。
請求項7に係る発明は、請求項6において、前記組込体は、前記導電体と前記有害物質含有紙とを、この順で交互に1乃至は複数段積み重ね、最上部に前記導電体を載置した構成を成すことを特徴とする。
この構成によれば、誘導加熱される上下の導電体間の有害物質含有紙のうち紙が炭化され、有害物質は気化して有害ガスとなる。紙の炭化成分には、高周波誘導により誘導電流が流れるので、炭化成分が更に微細に分離され、この際、炭化成分に僅かに有害物質が残留していたとしても、気化されて有害ガスとなる。また、炭化成分が微細に分離されると、その嵩が少なくなるが、各導電板は自重で下方に下がるので、常時、紙の炭化成分に導電板が当接する状態となる。このため、炭化されない紙が残存していても導電板の加熱で紙を炭化し、残留した有害物質も気化されて有害ガスとなる。
本発明の有害物質抽出装置によれば、PCB等の有害物質を含有するコンデンサやトランス等の有害物質含有物品から容易且つ短時間で有害物質を抽出することができる。
本発明の実施形態に係る有害物質抽出装置の構成を一部断面として示す図である。 (a)は本実施形態の有害物質抽出装置における有害物質分解装置の構成を示し、(b)は(a)に示すA1−A1の断面図である。 本実施形態の有害物質抽出装置でPCB含有ノーカーボン紙からPCBを抽出する際の構成を一部断面として示す図である。 本実施形態の有害物質抽出装置の真空チャンバ内に配備されるPCB含有ノーカーボン紙組込体の構成を示す斜視図である。
次に、本発明の実施の形態(以下、「実施形態」と称する)について説明する。
<実施形態の構成>
図1は、本発明の実施形態に係る有害物質抽出装置の構成を一部断面として示す図である。
図1に示す有害物質抽出装置10は、PCB等の有害物質を含有する有害物質含有物品(単に、物品ともいう)から有害物質を抽出するものである。物品には、PCB含有の電気機器としてのトランス、コンデンサ及び安定器、この他にPCB含有ノーカーボン紙、PCB油が付着した容器等がある。なお、PCB含有の電気機器は、その内外にアルミや銅、鉄等の金属である導電材料が使用されている。また、有害物質には、PCB以外に、ダイオキシン、DDT等の液体状有機ハロゲン化合物や、これ以外の各種有害な物質が存在する。
PCB含有の絶縁油を封入した電気機器としての高圧トランスは、PCB油とトリクロロベンゼンの混合液(例えば重量比3:2)で満たされている。例えば、50kVAのトランスには、約85kgのPCBが入っている。また、高圧コンデンサはPCB油で満たされている。例えば、100kVAのコンデンサには、約40kgのPCBが入っている。蛍光灯の安定器の中にも、低圧コンデンサが使用されており、このコンデンサ内の巻紙の隙間に少量のPCBが含浸されている。これら含浸されるPCBは粘度の高低に係わらず液状であるが、経年劣化等により液状が固化状となったPCBも存在する。
本実施形態では、有害物質含有物品から有害物質としてのPCB油を抽出する例を挙げて説明する。図1では、物品として、PCBを含有するコンデンサ11を例に挙げる。また、PCB油の抽出処理時に、PCBが気化した有害ガスも発生するが、これは後述の図2に示す有害ガス分解装置50で無害に分解されるようになっている。従って、有害物質抽出装置10は、有害ガス分解装置50を更に含む構成となる。
図1に示す有害物質抽出装置10は、コンデンサ11を載置するパレット20と、物品搬送装置21と、配管22aが接続された密閉室22と、複数のドリル23aを有するドリル駆動装置23と、配管24aが接続された真空チャンバ24と、チャンバ移動装置25と、誘導加熱コイル26と、交流電源27と、物品載置台28とを備える。
更に、有害物質抽出装置10は、配管29aが分岐接続された有害液抽出管29と、ゲートバルブ31aを開閉駆動するゲートバルブ駆動装置31と、タンク32と、配管33aを有する液体窒素供給装置33と、電磁バルブである開閉バルブ22b,22c,22d,24b,29bと、吸引ポンプ35と、真空ポンプ36と、活性炭フィルタ37と、ガス生成回収装置38と、制御装置40とを備えて構成されている。
なお、上記の各構成要素は請求項記載の各手段を次のように構成する。即ち、密閉室22は密閉手段、ドリル23aを有するドリル駆動装置23は開口手段、物品載置台28は載置手段、真空チャンバ24はチャンバ、コイル26は第1コイル、配管33aを有する液体窒素供給装置33は冷却手段、真空ポンプ36は真空手段、活性炭フィルタ37は有害物質吸着手段、ガス生成回収装置38はガス生成回収手段を構成する。
パレット20は、コンデンサ11を載置して保持する板状構造を有する。
物品搬送装置21は、コンデンサ11を、双方向矢印Y1で示すように、密閉室22の図示せぬ扉を介して外部から内部へ、又は内部から外部へ搬送する。密閉室22の扉は、コンデンサ11を密閉室22の内又は外へ通過させる際に開とされ、通過後に閉とされる。この閉により密閉室22は密閉状態となる。コンデンサ11は密閉室22内への搬送時にパレット20上に載置されるが、パレット20に載置した状態で密閉室22の内外に移動させてもよい。
また、物品搬送装置21は、密閉室22の内部に位置するパレット20上のコンデンサ11を上下反転させ、双方向矢印Y2(右方向)で示すように、物品載置台28の上に載置する機能も備える。なお、物品載置台28の上に上下反転されて載置されたコンデンサ11を、上下反転コンデンサ11とも称す。物品載置台28は周縁部分にまで、上下に貫通する多数の貫通孔を有する板状を成している。
なお、物品載置台28は、上面に載置される上下反転コンデンサ11が下方に落下しなければ、1つの大きい貫通穴が形成された構造であってもよい。この場合、1つの貫通穴の周縁部に上下反転コンデンサ11が載置されることになる。従って、上下反転コンデンサ11から抽出されるPCB油は、その貫通穴を通過して流れる。
更に、物品搬送装置21は、物品載置台28上の後述するPCB油抽出完了後の上下反転コンデンサ11を、双方向矢印Y2(左方向)で示すようにパレット20上に移動し、更に双方向矢印Y1(左方向)で示すように密閉室22の外部へ搬送する機能も備える。
物品搬送装置21には、物品載置台28が配置された位置に、上下に貫通する開口21aが形成されている。その開口21aは、物品搬送装置21の上面側が大口径で、下面側が小口径となっており、大口径と小口径を傾斜状に接続する、すり鉢状の傾斜面形状となっている。なお、大口径は、物品載置台28の幅よりもやや小さいサイズとなっている。
物品搬送装置21の下面には、有害液抽出管(単に、管ともいう)29の上端が、当該上端開口と開口21aとが連通する状態に接合されている。
有害液抽出管29の下端は、当該下端開口と、タンク21の上面に設けられた開口(図示せず)とが連通する状態に、タンク32の上面に接合されている。
つまり、物品搬送装置21の開口21aと、タンク21の上面に設けられた開口(図示せず)とは、有害液抽出管29を介して上下で連通状態となっている。
有害液抽出管29の上端部分には、ゲートバルブ31aが組み込まれている。このゲートバルブ31aは、ゲートバルブ駆動装置31によって、有害液抽出管29の上端開口を閉塞又は開放するように駆動される。
タンク32は、PCB油を貯留する箱形を成し、タンク32の外側面に、液体窒素供給装置33から矢印Y33で示すように、液体窒素を供給するために延びる配管33aが、所定回数巻回されて配設されている。タンク32は、配管33aへの液体窒素の循環により内部が冷却される。但し、タンク21の冷却は、それ以外の方法で行ってもよい。
タンク32を冷却すると、タンク32内が冷たく、これよりも上側の管29内が暖かいといった温度差が生じる。このため、矢印Y7で示すように上方からタンク32内に、後述のPCB油が流下した際に発生する気化PCBによる有害ガスが、冷たいタンク32内から温かな管29内へ上昇する。これにより、管29から分岐して真空ポンプ36で吸引されている配管29aに流入され易くなる。また、タンク32を冷却すると、タンク32に貯留されたPCB油の気化が抑制される。
密閉室22は、箱形を成し、物品搬送装置21の上面に配置されており、複数のドリル23aを有するドリル駆動装置23と、配管24aが接続された真空チャンバ24と、チャンバ移動装置25と、誘導加熱コイル26と、交流電源27と、物品載置台28とを密閉状態に収容する。また、密閉室22には、コンデンサ11の搬入出側の側壁に、上述した図示せぬ扉が開閉自在に取り付けられている。
ドリル駆動装置23は、複数のドリル23aを回動させてコンデンサ11の上面に複数の穴を開ける。この穴の径や深さは、この穴が下方を向く上下反転コンデンサ11から後述のようにPCB油を抜き取る際に、PCB油が下方に流れ易くなる径サイズや深さとする。また、複数の穴の位置は、上下反転コンデンサ11内のPCB油が効率良く流れる位置に開口されるようにするのが好ましい。
真空チャンバ24は、耐熱ガラスにより縦方向に長手状の椀形状に形成され、そのチャンバ側面に配管24aがチャンバ内部と連通状態に接合されている。真空チャンバ24の椀形状の開口端は、物品搬送装置21の上面に隙間なく載置される。これによって真空チャンバ24の内部を、上下反転コンデンサ11を収容する状態で、真空状態にできるようになっている。
なお、真空チャンバ24は、誘導加熱が行われず又は行われ難く、且つ耐熱性が高く、熱伸縮性が小さい、といった特性(この特性を、熱特性という)を有する材料であれば、耐熱ガラス以外の材料で形成されていてもよい。その熱特性を有する材料としては、ガラス以外に、一般的なセラミックス、アルミナ等がある。また、物品載置台28も熱特性を有する材料で形成してもよい。
チャンバ移動装置25は、真空チャンバ24を双方向矢印Y3で示す上下方向に移動させる駆動を行う。このチャンバ移動装置25は、真空チャンバ24を上方向に移動させる場合は、予め定められた上限位置まで移動させる。上限位置とは、当該上限位置の真空チャンバ24の下端側に、コンデンサ11を物品載置台28上に載置可能な空間ができる位置をいう。真空チャンバ24を下方向に移動させる場合は、真空チャンバ24の下端が物品搬送装置21の上面に密閉状に当接するまで移動させる。
交流電源27は、誘導加熱コイル(単に、コイルともいう)26に高周波電流を供給する。
コイル26は、真空チャンバ24の外周側に、所定間隔のギャップを介して周回方向に導線が所定回数巻き付けられて構成されている。このコイル26は、真空チャンバ24が物品搬送装置21の上に載置された際に、真空チャンバ24内の上下反転コンデンサ11を周回して囲むように巻き付けられている。また、コイル15の両端は、交流電源27の正極及び負極に接続されている。
但し、コイル15の配置は、後述のように物品載置台28上の上下反転コンデンサ11を誘導加熱する機能を果たせば、真空チャンバ24の外周側に他の様態で配置してもよい。例えば、コイル15は、導線を平面の円形状や楕円形状に巻回した平面状コイルや、導線を平面に蛇行した蛇行状コイル等でもよく、これらコイルを真空チャンバ24の外周側に1乃至は複数配置してもよい。
物品載置台28に載置された上下反転コンデンサ11は、交流電源27からコイル15に高周波電流が供給されると、その外周面並びに複数の穴を介した内部の導電部分に渦電流(誘導電流)が誘起され、この誘導電流によるジュール熱で外周及び内部が加熱される。この際の上下反転コンデンサ11の加熱温度は、約650℃になる。
但し、上下反転コンデンサ11の加熱温度は、後述する有害ガスを無害に分解可能な分解温度よりも低い温度であるが、その分解温度であってもよい。また、その加熱温度は、交流電源27からコイル26に高周波電流を供給する際の電力を変えることにより可変制御することができる。例えば、上下反転コンデンサ11の温度を図示せぬ温度センサで検出し、この検出温度が所定温度となるように、制御装置40で交流電源27の電力を制御すればよい。
上下反転コンデンサ11は、誘導加熱により650℃前後になると、内部のPCB油の粘性が低下して流れ易くなる。又は、コンデンサ11の内部に固化状のPCBが存在する場合は、それが溶融されて溶け出し、流れ易くなる。このような低粘性のPCB油は、矢印Y7で示すように、上下反転コンデンサ11の穴から有害液抽出管29内を流下してタンク32に流入する。
このように低粘性のPCB油が流下する際に、前述したようにPCB油が気化した有害ガスが発生する。タンク32内の有害ガスは、冷却されたタンク内部から温かな管29内へ上昇するので、矢印Y8で示すように、枝分かれした配管29a内に真空ポンプ36で吸引される。この吸引された有害ガスは、矢印Y9で示すように、有害ガス分解装置50(図2参照)へ排出されることになる。
但し、上下反転コンデンサ11の内部は、誘導加熱により低粘性となったPCB油が流下しながら、誘導加熱され続けるので、最終的には内部の全てのPCB油が流下したのち乾燥状態となる。
真空ポンプ36は、矢印Y6(右方向)及びY8で示すように、配管24a,29a内で吸引を行うことにより、真空チャンバ24、有害液抽出管29及びタンク32の各内部が連通する内部空間(連通内部空間という)を真空状態とする。但し、この際、有害液抽出管29のゲートバルブ31aが開状態とされ、開閉バルブ22cが閉、開閉バルブ24b,29bが開とされている。
このように真空チャンバ24内を真空状態として、内部の上下反転コンデンサ11を上述したように誘導加熱する。このように真空状態として誘導加熱を行うのは、真空チャンバ24内の内部圧が低いほどに、上下反転コンデンサ11のPCB油の粘性低下が早くなるためである。
密閉室22の側壁には、密閉室22に対して気体の流出(矢印Y4)及び流入(矢印Y5)を行うU字状の配管22aが取り付けられている。つまり、U字状の配管22aの流出端と流入端が、密閉室22の側壁外部に室内と連通する状態に取り付けられている。
U字状の配管22aの流入端と流出端との間には、吸引ポンプ35、開閉バルブ22b、活性炭フィルタ37、ガス生成回収装置38、開閉バルブ22dが、この順で所定間隔離間されて配設されている。ガス生成回収装置38と開閉バルブ22dとの間の配管22aは分岐され、この分岐部分から延びる配管22aの先端が、真空チャンバ24と開閉バルブ24bとの間の配管24aに連結されている。但し、その連結部分と上記の分岐部分との間には、開閉バルブ22cが配設されている。
ガス生成回収装置38は、アルゴンガス等の不活性ガスを生成すると共に、不活性ガスを回収する。活性炭フィルタ37は、不活性ガスに含まれる有害ガス等の不純物を吸着して除去する。ガス生成回収装置38で生成された不活性ガスは、配管22a及び開閉バルブ22dを介して、矢印Y5で示すように密閉室22へ導入される。又は、開閉バルブ22c及び配管22a,24aを介して真空チャンバ24へ導入される。これらの導入された不活性ガスは、矢印Y4で示す方向に吸引ポンプ35で吸引されて、ガス生成回収装置38で回収されるようになっている。なお、吸引ポンプ35は、ブロワでもよい。
密閉室22に流入される不活性ガスは、PCBが酸化反応によりダイオキシンに変わることを防止可能な濃度(この濃度を「必要濃度」という)とされる。PCBは、コンデンサ11の内部に存在するので、ドリル23aでコンデンサ11に開口した際に、密閉室22内に空気が存在する場合は、PCBが酸化反応によりダイオキシンに変わってしまう。これを防止するため、密閉室22に必要濃度の不活性ガスを充填する。
更に、密閉室22内に必要濃度の不活性ガスが充填されていることで、密閉室22内での引火を阻止可能となっている。コンデンサ11への穴開け処理や、交流電源27からコイル26への高周波電流の供給等の処理を行う際に、密閉室22内に僅かでも炭素が存在すると、引火する可能性がある。これを、不活性ガスの充填により阻止可能となっている。
また、ガス生成回収装置38からの不活性ガスの発生は、真空チャンバ24内にも行われる。これは、上下反転コンデンサ11からのPCB油の抽出終了直後に真空ポンプ36を止めても、真空チャンバ24内は所定時間の間は略真空状態である。このため、真空チャンバ24が物品搬送装置21に密着状態となっており、真空チャンバ24を上方に移動させることができない。そこで、不活性ガスを真空チャンバ24に導入し、真空チャンバ24内を大気圧と略同じとする。これにより真空チャンバ24を上方に移動可能となる。この移動後は、真空チャンバ24内に充満した不活性ガスが密閉室22内に排出されるので、この排出された不活性ガスを、矢印Y4で示す経路を介してガス生成回収装置38で回収するようになっている。
更に、PCB油の抽出終了後に真空ポンプ36を停止した際に、真空チャンバ24を含む連通内部空間にPCB油が残っていた場合、不活性ガスを入れないと、連通内部空間に酸素が入ってくる可能性がある。この場合、PCB油が酸化反応してダイオキシンが発生する。これを防止するため不活性ガスを導入する。
制御装置40は、物品搬送装置21と、ドリル駆動装置23と、チャンバ移動装置25と、交流電源27と、ゲートバルブ駆動装置31と、液体窒素供給装置33と、開閉バルブ22b,22c,22d,24b,29bと、吸引ポンプ35と、真空ポンプ36と、ガス生成回収装置38とを、上述した動作を行うように制御する。この制御の順序等については後述の実施形態の動作処理にて説明する。また、制御装置40は、有害ガス分解装置50(図2参照)についても後述のように制御する。
制御装置40の制御は、例えば、図示せぬ記憶手段に記憶されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)がRAM(Random Access Memory)等のメインメモリに展開して、実行することで実現される。
次に、図2に示す有害ガス分解装置50について説明する。図2(a)は、本実施形態の有害物質抽出装置10に接続される有害ガス分解装置50の構成を示し、(b)は(a)に示すA1−A1の断面図である。
有害ガス分解装置50は、気体導入管54aが配管29a(図1参照)に連通して接続されており、矢印Y9で示すように、一端側から有害ガスが流入(又は導入)され、この流入される有害ガスを無害に分解するものである。
この矢印Y9で示す有害ガスは、主に、有害物質抽出装置10(図1)でのPCB油の抽出処理時に発生したPCBの気化ガスである。しかし、有害ガス分解装置50は、PCB気化ガス以外にも、PCBが燃焼したダイオキシン、並びに、ガス状のDDT等の気体状有機ハロゲン化合物や、これ以外の各種有害ガス等の有害ガスを、高温の加熱により熱分解して無害な分解ガスとする処理を行う。この有害ガスを無害なガスに分解するということは、例えばPCBであれば、PCBを構成する炭素によるベンゼン環が分解されて、酸素や、塩素及び炭素に分離されることを指す。
有害ガス分解装置50は、筒状の導電性セラミックス51と、誘導加熱コイル52と、気体導入管54aと、気体排出管54bと、開閉バルブ55a,55bと、吸引装置56と、水スクラバ57と、活性炭フィルタ58と、交流電源(電源)59とを備えて構成されている。
なお、気体導入管54a及び気体排出管54bは、配管54a,54bともいう。また、図2に示す配管54a、開閉バルブ55a、並びに図1に示す配管29a、開閉バルブ29b及び真空ポンプ36(又はブロワ)は請求項記載の導入手段を構成する。図2に示す配管54b、開閉バルブ55b及び吸引装置56は請求項記載の排出手段を構成し、コイル52は請求項記載の第2コイルを構成する。
気体導入管54a及び気体排出管54bは、所定の長さを有する円管状を成し、円管状の内部に有害ガス又は分解ガスを通過させる。気体導入管54a及び気体排出管54bは、上述した熱特性を有する材料(例えば、アルミナ)で形成されている。
気体導入管54aは、配管29a(図1参照)に連通状態に接続されており、矢印Y9で示すように、一端側から有害ガスが流入(又は導入)される。更に、気体導入管54aは、他端側が導電性セラミックス51の入口側に接続され、一端側と他端側の間に開閉バルブ55aが配設されている。
気体排出管54bは、この一端側が、導電性セラミックス51の出口側に接続されている。気体排出管54bの一端側と、矢印Y10で示す分解ガス(後述)が排出される他端側との間には、一端側から他端側に向かって順に、開閉バルブ55b、吸引装置56、水スクラバ57及び活性炭フィルタ58が所定間隔で配設されている。
気体導入管54a及び気体排出管54bと、導電性セラミックス51との接続は、上述した熱特性を有する材料によるフランジ(図示せず)を介して行われたり、ネジ構造で螺合して行われたりする。
吸引装置56は、気体排出管54bの側から、気体導入管54aに向かって気体を吸引する動作を行う。即ち、気体導入管54aの入口から矢印Y9で示すように有害ガスや空気等の気体を吸引し、この吸引された気体が導電性セラミックス51を通って気体排出管54bの出口から排出(矢印Y10)されるように、吸引動作を行う。吸引装置56には、ブロワや、真空ポンプ以外の標準ポンプ等が適用される。但し、真空ポンプを適用してもよい。
各開閉バルブ55a,55bは、電磁バルブであり、気体導入管54a及び気体排出管54bの内部通路を、バルブ閉時に遮蔽状態、バルブ開時に開放状態とする。双方の開閉バルブ55a,55bの開時に、吸引装置56が吸引動作を行うと、気体導入管54aの流入口から矢印Y9で示す方向に有害ガスが流入して導電性セラミックス51を通過する。この通過時に分解された分解ガスが気体排出管54bを流れて、吸引装置56、水スクラバ57及び活性炭フィルタ58を通り、矢印Y10で示す方向に排出口から大気へ排出される。一方、各開閉バルブ55a,55bが閉時には、各開閉バルブ55a,55bで気体導入管54a及び気体排出管54bが遮蔽され、有害ガス及び分解ガスが遮断される。
誘導加熱コイル52は、導電性セラミックス51の外周側に、図2(a)及び(b)に示すように、所定間隔のギャップGを介して周回方向に導線が所定回数巻き付けられて構成されている。コイル52の両端は、交流電源59の正極及び負極に接続されている。交流電源59は、コイル52に高周波電流を供給する。
導電性セラミックス51は、高導電率を有して高周波誘導加熱が可能な発熱体となる熱分解手段53であり、尚且つ一般的なセラミックスの特性も有している。この導電性セラミックス51は、交流電源59からコイル52に高周波電流が供給されると、その外周面に渦電流(誘導電流)が誘起され、この誘導電流によるジュール熱で外周面から内部に向かって加熱される。この加熱による熱伝導で導電性セラミックス51の全体が高温となる。この温度は、実用補償温度としては1800℃位であるが、導電性セラミックス51の融点の温度、即ち3000℃強位までは加熱可能となっている。
本実施形態では、導電性セラミックス51の内部空間を、有害ガスの分解に必要な1350℃〜1500℃位の間の温度(分解温度という)に保持するようになっている。因みに、ベンゼン環の分解に必要な温度は、約1350℃である。
このような導電性セラミックス51は、内部を通過又は内部に接触や衝突する有害ガスを分解温度で無害に分解する。
また、導電性セラミックス51の分解温度は、交流電源59から高周波電流を供給する際の電力を変更することにより、周囲環境温度に応じた最低温度〜約3000℃の範囲で設定可能となっている。
分解温度の設定は、交流電源59の電力を調整して行うことができる。これは人が行ってもよいが、次のように自動で行ってもよい。例えば、導電性セラミックス51の温度を検出する図示せぬ温度センサを備え、制御装置40(図1参照)により、温度センサによる検出温度が、導電性セラミックス51の内部空間を分解温度以上となるように、交流電源59の電力を可変制御する。
水スクラバ57は、導電性セラミックス51で有害ガスが分解された後の分解ガス中に、分解されずに僅かに残留した有害成分を分離処理する。この水スクラバ57は、水等の液体を吸収液として、排ガス中の有害成分を吸収液の液滴や液膜中に捕集して分離する。
活性炭フィルタ58は、水スクラバ57で分離されずに臭気分子等の残留成分が残った際に、その残留成分の分子を活性炭の微細孔により吸着して除去する。この除去後の分解ガスが、無害無臭のものとして気体排出管54bの出口から排出(矢印Y10)される。
<実施形態の動作>
次に、実施形態に係る有害物質抽出装置10によるコンデンサ11からのPCB油の抽出処理の動作、及び、抽出処理時に発生する有害ガスの分解処理の動作を説明する。これらの動作は、制御装置40の制御によって行われる。
なお、図1に示す有害物質分解装置10では、初期状態において、全ての開閉バルブ22b,22c,22d,24b,29bが閉とされ、ゲートバルブ31aが有害液抽出管29を閉塞している。また、真空チャンバ24は上限位置に配置されているとする。また、ず2に示す有害ガス分解装置50は、開閉バルブ55a,55bが開とされて導電性セラミックス51が誘導加熱されて分解温度以上になっているとする。
図1に示す有害物質抽出装置10において、物品搬送装置21が、コンデンサ11を双方向矢印Y1(右方向)で示すように、密閉室22の扉(図示せず)を介して外部から内部へ搬送し、パレット20に載置する。この搬送後に扉は、閉とされて密閉室22が密閉状態となる。
次に、開閉バルブ22b,22dを開として、吸引ポンプ35を作動させ、ガス生成回収装置38から不活性ガスを生成する。この生成された不活性ガスは、配管22aから開閉バルブ22dを介して矢印Y5で示すように密閉室22に流入される。この流入は、密閉室22内の不活性ガスが必要濃度となるまで実行される。この際、密閉室22は若干負圧状態となる。
密閉室22が必要濃度となった時点で、ガス生成回収装置38からのガス生成は停止される。この際、密閉室22内の不活性ガスは、必要濃度のまま矢印Y4,Y5で示す経路を通って循環される。
次に、ドリル駆動装置23で駆動される複数のドリル23aによって、パレット20に載置されたコンデンサ11の上面所定位置に、所定の径サイズ及び深さの穴が開口される。この際、その穴から僅かに発生する気化PCB等による有害ガスは、不活性ガスに混合される。この有害ガスが混合された不活性ガスは、矢印Y4で示す方向に吸引ポンプ35で吸引され、活性炭フィルタ37を通過する際に、活性炭フィルタ37で吸着される。
コンデンサ11の穴開けが終了すると、ガス生成回収装置38が回収モードに切替えられて不活性ガスが回収される。この回収は、不活性ガス中の有害ガスが活性炭フィルタ37に全て吸着された後に行われるのが好ましい。回収後は、開閉バルブ22b,22dが閉とされて吸引ポンプ35が停止される。
穴が開口したコンデンサ11は、物品搬送装置21により上下反転され、双方向矢印Y2(右方向)で示すように、物品載置台28上に載置される。その後、チャンバ移動装置25によって真空チャンバ24が物品搬送装置21の上面に移動される。この移動された真空チャンバ24の内部は、密閉状態となる。
また、ゲートバルブ駆動装置31によって、ゲートバルブ31aが有害液抽出管29の上端開口を開放するように駆動される。更に、液体窒素供給装置33から液体窒素が配管33aに循環するように供給され、これによってタンク21が冷却される。このタンク21の冷却動作は事前に行われていてもよい。更には、開閉バルブ24b,29bを開とし、真空ポンプ36を起動して、連通内部空間から、双方向矢印Y6(右方向)及び矢印Y8で示すように、空気を抜いて真空状態とする。
次に、交流電源27からコイル26へ高周波電流を供給し、真空チャンバ24内の上下反転コンデンサ11の外周面、並びに複数の穴を介した内部の導電部分を誘導加熱する。これによりコンデンサ11の内外が所定温度に加熱されると、上下反転コンデンサ11の複数の穴から低粘度となったPCB油が、矢印Y7で示すように、有害液抽出管29内を流下してタンク32に流入する。
その流下時に気化したPCB等の有害ガスが、矢印Y8で示すように、配管29a内に真空ポンプ36で吸引される。また、PCB油の流下の際、真空チャンバ24内で有害ガスが発生した場合は、双方向矢印Y6(左方向)で示すように配管24aを介して真空ポンプ36で吸引される。このように吸引された有害ガスは、矢印Y9で示すように排出されて、図2に示す有害ガス分解装置50の気体導入管54aへ導入される。
この際、吸引装置56が事前に起動しているので、導入される有害ガスを導電性セラミックス51の方へ吸引する。この吸引により、有害ガスが導電性セラミックス51の内部空間へ入ると、有害ガスの分子が、導電性セラミックス51の内部空間の内壁に接触又は衝突して分解され、又は、内部空間を通過する過程で輻射熱により分解される。この分解された無害な分解ガスは、吸引装置56で吸引されながら、水スクラバ57へ流入される。
水スクラバ57では、流入された分解ガス中に、分解されずに僅かに有害成分が残留している場合に、その有害成分が分離処理される。この分離処理された分解ガスは、活性炭フィルタ58に流入され、ここで、更に残留した臭気分子等の残留成分が活性炭に吸着除去される。この除去後の分解ガスが、無害無臭のものとして気体排出管54bから矢印Y10で示すように排出される。
この一連の処理によって、図1に示す上下反転コンデンサ11から全てのPCB油が抽出され、この際に発生する有害ガスが導電性セラミックス51(図2)で分解される。
この抽出及び分解が終了すると、まず、真空ポンプ36及び吸引装置56(図2)が停止される。この際、開閉バルブ55a,55b(図2)を閉とする。次に、開閉バルブ24b,29b及び22dを閉、開閉バルブ22b,22cを開とし、吸引ポンプ35を起動する。更に、ガス生成回収装置38から不活性ガスを発生させる。この不活性ガスは、開閉バルブ22cを介して双方向矢印Y6(左方向)で示すように、真空チャンバ24内に導入される。
この導入により、真空チャンバ24内が大気圧と略同じになった後に、チャンバ移動装置25の駆動により真空チャンバ24が上方に移動される。この後、ガス生成回収装置38の不活性ガスの発生が停止され、ガス回収モードに切り替えられる。
真空チャンバ24の移動により、真空チャンバ24内に充満した不活性ガスが密閉室22内に排出される。この排出された不活性ガスは、密閉室22から矢印Y4で示す方向に吸引ポンプ35で吸引されて、ガス生成回収装置38で回収される。この際、ガス生成回収装置38を通る空気は、開閉バルブ22cを介して、双方向矢印Y6(左方向)で示すように、真空チャンバ24内に導入され、更に、密閉室22へ排出され、矢印Y4で示すように吸引ポンプ35で吸引されて循環する。この循環により全ての不活性ガスが回収される。
この回収後には、吸引ポンプ35が停止される。また、回収後には、物品搬送装置21によって、物品載置台28上のPCB油の抽出完了後の上下反転コンデンサ11が、双方向矢印Y2(左方向)で示すようにパレット20上に移動され、更に双方向矢印Y1(左方向)で示すように密閉室22の外部へ搬送される。
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態に係る有害物質抽出装置10は、有害物質を含有する物品の載置手段としての物品載置台28と、チャンバとしての真空チャンバ24と、タンク32と、第1コイルとしてのコイル26とを備えて構成されている。
物品載置台28は、複数の貫通孔が設けられた載置面に、導電材料を含んで形成され、且つ液状又は液状から固化状に変化した有害物質(例えばPCB)を含有する物品(例えばコンデンサ11)が載置される。この載置は、コンデンサ11が、当該コンデンサ11に少なくとも1つ以上開口された穴が下方に向けられて載置される。この載置されたコンデンサ11が、上述した上下反転コンデンサ11である。
真空チャンバ24は、物品載置台28に載置された上下反転コンデンサ11を密閉状に収納する。
タンク32は、物品載置台28の貫通孔が設けられた位置の下側に、配管としての有害液抽出管29を介して配置されている。
コイル26は、真空チャンバ24に収容された上下反転コンデンサ11の近接位置に配置され、電源から高周波電流が供給される。
この構成によれば、コイル26に高周波電流が供給されると、上下反転コンデンサ11の外周側及び穴を介した内部の導電材料が誘導加熱され、これにより上下反転コンデンサ11全体が短時間で加熱されて所定温度まで高まる。この加熱された上下反転コンデンサ11に含まれる固化状のPCBが短時間で溶融されて溶け出し、流れ易くなる。更に、液状のPCB(PCB油)も、加熱により短時間で溶融され、その粘度が低下して流れ易くなる。流れ易くなったPCB油は、物品載置台28の貫通孔を流下し、配管内を通過してタンク32に流入する。このように、PCBを含有するコンデンサ11から容易且つ短時間でPCBを抽出することができる。
また、タンク32を冷却する冷却手段としての配管33を有する液体窒素供給装置33を更に備える構成とした。
この構成によれば、タンク32内に貯留されPCB油が冷却されるので、PCB油の気化を抑制して外部へ漏れないようにすることができる。
また、電源から高周波電流が供給される第2コイルとしてのコイル52と、コイル52の近傍に配置され、コイル52への高周波電流の供給時に誘導加熱されて発熱する導電性セラミックス51を用いた熱分解手段53と、真空チャンバ24及び有害液抽出管29の内部から気体を吸引して熱分解手段53に導入する導入手段(配管29a,54a及び開閉バルブ29b,54b、ブロワ)と、熱分解手段53からガスを排出する排出手段(配管54b及び吸引装置56)とを更に備える構成とした。
この構成によれば、誘導加熱される上下反転コンデンサ11からPCB油が流下する際に、真空チャンバ24、有害液抽出管29及びタンク32の連通内部空間でPCB油が気化した有害ガスが、導入手段によって吸引されて熱分解手段53へ導入される。この導入された有害ガスを導電性セラミックス51の熱により無害に分解し、この分解ガスを排出手段から排出することができる。つまり、コンデンサ11からPCBを抽出時に、有害ガスが発生しても、それを無害なガスに分解することができる。
また、上下反転コンデンサ11からPCB油がタンク32内に流下する際に、タンク32内が冷たく、これよりも上側の管29内が暖かいといった温度差が生じているので、PCB油が流下した際に気化した有害ガスが、冷たいタンク32内から温かな管29内へ上昇する。これにより、管29から導入手段による熱分解手段53への導入が行われ易くなる。
また、導入手段は、真空チャンバ24及び有害液抽出管29の内部から熱分解手段53の側へ気体の吸引を行って、当該内部を真空状態とする真空手段としての真空ポンプ36を更に備える構成とした。
この構成によれば、真空チャンバ24内を真空状態とすることにより内部圧力が低くなるので、誘導加熱によるPCBの溶融が早くなる。つまり、コンデンサ11に含有された液状又は液状が固化したPCBを早く溶融して流れ易くすることができる。このため、PCBの抽出を、より短時間で行うことができる。
また、開口手段としてのドリル23aを有するドリル駆動装置23と、物品搬送装置21と、密閉手段としての密閉室22と、ガス生成回収手段としてのガス生成回収装置38とを更に備える構成とした。
ドリル駆動装置23は、ドリル23aによってコンデンサ11に少なくとも1つ以上の穴を開口する。
物品搬送装置21は、穴が開口されたコンデンサ11を、真空チャンバ24内に収納する前に、物品載置台28へ搬送し、穴を下方に向けて物品載置台28に載置する。
密閉室22は、開口対象のコンデンサ11及びドリル23aを有するドリル駆動装置23と、物品載置台28及び真空チャンバ24とを、物品搬送装置21の上で密閉状に囲んで収容する。
ガス生成回収装置38は、密閉室22の内部に不活性ガスを充填すると共に、充填された不活性ガスを、有害物質吸着手段としての活性炭フィルタ37を通した後に回収する。
この構成によれば、密閉室22に不活性ガスを充填した後に、ドリル23aでコンデンサ11に穴を開け、このコンデンサ11を物品搬送装置21で搬送し、穴を下に向けて物品載置台28に載置する。この載置されたコンデンサ11を穴が下を向くように、真空チャンバ24内に収納することができる。つまり、不活性ガス充填空間でコンデンサ11に穴を開けるので、穴を開けた際にコンデンサ11内部のPCBが酸化して、有害ガスに変わることを防止することができる。更に、穴の開いたコンデンサ11を物品載置台28に載置して真空チャンバ24内に収納する処理も、不活性ガス充填環境で行うので、その間も有害ガスの発生を防止することができる。
また、上述した穴開け及び収納の処理終了後は、不活性ガスを回収することができるので、高価な不活性ガスを無駄に消費することが無くなる。更に、不活性ガスを回収する前に、不活性ガスが活性炭フィルタ37を通過するので、この際に、不活性ガス中に有害ガスが混入していても、それを吸着して除去することができる。
上述の真空ポンプ36は、ブロワや、真空ポンプ以外の標準ポンプ等を適用しても、真空チャンバ24、有害液抽出管29及びタンク32の連通内部空間を、通常気圧よりも減圧することが可能である。
この他、有害物質抽出装置10において、真空ポンプ36に代え、ブロワを用いてもよい。この場合は、連通内部空間内には酸素が存在するので、上下反転コンデンサ11からのPCB油の抽出時に、PCB油の酸化反応によりダイオキシンに変わってしまう。しかし、そのダイオキシンは、ブロワによって後段の図2に示す有害ガス分解装置50へ排出されるので、導電性セラミックス52で分解すればよい。これによって、ダイオキシン(有害ガス)が空気中に漏れることを防止することができる。
次に、図3に示すように、真空チャンバ24内の物品載置台28aにPCB含有ノーカーボン紙組込体41(組込体41ともいう)を載置して、PCBの抽出を行う処理を説明する。
物品載置台28aは、上述の物品載置台28とは異なり、貫通孔が開いておらず、平坦な板状を成している。つまり、PCB含有ノーカーボン紙を処理する場合、物品載置台28を物品載置台28aに交換する。
組込体41は、図4に示すように、仮想円周上に沿って均等に立てて配置された4本の支柱43a〜43dに、円板状を成しその周辺部に4つの貫通穴が開口した4枚の導電板42a〜42dを水平状態で挿通し、各導電板42a〜42dの間にPCB含有ノーカーボン紙44a〜44cをサンドイッチ状に挟んだ構成を成す。
各導電板42a〜42dは、高周波誘導可能な導電性を有し、導電性セラミックス又は耐熱性のある鉄やアルミナ等の金属材料により形成されている。また、各導電板42a〜42dは、各支柱43a〜43dに上下に重力で落下自在に挿通されている。本例では、導電板42a〜42dは4枚としたが、PCB含有ノーカーボン紙を挟む、少なくとも2枚以上の枚数であればよい。また、導電板42a〜42dは、長方形状等の多角形状の板状であってもよい。
各導電板42a〜42dの間に挟まれる各PCB含有ノーカーボン紙44a〜44cは、1枚乃至は複数枚である。各支柱43a〜43dは、円柱形状であって、耐熱性を有する金属やセラミックス等により形成されている。各支柱43a〜43dの本数も、各導電板42a〜42dを上下に重力で落下自在に支持可能な、少なくとも1本以上の本数であればよい。
PCB含有ノーカーボン紙44a〜44cは、現在は製造が禁止されているが、過去に大量に出回ったために現在でも多く残存している。PCB含有ノーカーボン紙44a〜44cは、ノーカーボン紙の染料を溶解する溶媒としてマイクロカプセル中にPCBを内包するものである。PCB含有量は、主に、感圧紙重量の3〜5%である。
PCB含有ノーカーボン紙44a〜44cからPCBを抽出する場合、図3に示すように、真空チャンバ24内の物品載置台28aの上に組込体41を配置した後、開閉バルブ22c,29bを閉、開閉バルブ24bを開とし、更にゲートバルブ31aで有害液抽出管29を閉鎖する。そして、真空ポンプ36及び吸引装置56(図2)を起動する。これによって、真空チャンバ24内が真空ポンプ36の吸引により真空状態とされる。
次に、交流電源27からコイル26へ高周波電流を供給すると、PCB含有ノーカーボン紙42a〜42dを上下に挟む各導電板42a〜42dが誘導加熱され、その挟まれたPCB含有ノーカーボン紙42a〜42dのうち紙が炭化され、紙に含有されるPCBが矢印Y11で示すように気体状の有害ガスとなる。この有害ガスは矢印Y11で示すように真空ポンプ36で吸引され、後段の有害ガス分解装置50で上述したと同様に分解される。
また、紙の炭化成分には、高周波誘導により誘導電流が流れるので、炭化成分が更に微細に分離され、この際、炭化成分に僅かにPCBが残留していたとしても、気化されて有害ガスとなる。また、炭化成分が微細に分離されると、その嵩が少なくなるが、各導電板42a〜42dは自重で下方に下がるので、常時、紙の炭化成分に導電板42a〜42dが当接する状態となる。このため、炭化されない紙が残存していても導電板42a〜42dの加熱で炭化され、また、残留したPCBも有害ガスとされる。このようにPCB含有ノーカーボン紙44a〜44cに含まれる全てのPCBが気化されて抽出されることになる。
この他、組込体41は、支柱43a〜43dを用いず、上下方向に積み重ねた複数の導電板の各間に、PCB含有ノーカーボン紙44a〜44cをサンドイッチ状に挟んだ構成としてもよい。また、そのサンドイッチ状に挟む構成を、上下方向でなく、これと直交する左右方向や、斜め方向に図示せぬ支持機構で支持して配置してもよい。
なお、PCB含有ノーカーボン紙42a〜42dは、請求項記載の有害物質含有紙を構成する。この有害物質含有紙は、PCB以外の上述した有害物質を含む紙であってもよい。また、導電板42b〜42dは、請求項記載の導電体を構成する。
その他、以上説明した実施形態においては、具体的な構成について、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
10 有害物質抽出装置
11 コンデンサ
20 パレット
21 物品搬送装置
22 密閉室
22a,24a,29a 配管
22b,22c,24b,29b 開閉バルブ
23 ドリル駆動装置
23a ドリル
24 真空チャンバ
25 チャンバ移動装置
26 誘導加熱コイル
27 交流電源
28,28a 物品載置台
29 有害液抽出管
31 ゲートバルブ駆動装置
31a ゲートバルブ
32 タンク
33 液体窒素供給装置
35 吸引ポンプ
36 真空ポンプ
37 活性炭フィルタ
38 ガス生成装置
40 制御装置
41 PCB含有ノーカーボン紙組込体
42a〜42d 導電板
43a〜43d 支柱
44a〜44c PCB含有ノーカーボン紙
50 有害ガス分解装置
51 導電性セラミックス
52 誘導加熱コイル
53,30,40,50 熱分解手段
54a 気体導入管
54b 気体排出管
55a,55b 開閉バルブ
56 吸引装置
57 水スクラバ
58 活性炭フィルタ
59 交流電源

Claims (7)

  1. 導電材料を含んで形成され、且つ液状又は固化状の有害物質を含有する物品が、当該物品に少なくとも1つ以上開口された穴が下方に向けて載置される載置面に、少なくとも1つ以上の貫通孔が設けられた載置手段と、
    前記載置手段に載置された前記物品を密閉状に収納するチャンバと、
    前記載置手段の前記貫通孔が設けられた位置の下側に、配管を介して配置されたタンクと、
    前記チャンバに収容された前記物品の近接位置に配置され、電源から高周波電流が供給される第1コイルと、
    を備えることを特徴とする有害物質抽出装置。
  2. 前記タンクを冷却する冷却手段
    を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の有害物質抽出装置。
  3. 電源から高周波電流が供給される第2コイルと、
    前記第2コイルの近傍に配置され、当該第2コイルへの高周波電流の供給時に誘導加熱されて発熱する導電性セラミックスを用いた熱分解手段と、
    前記チャンバ及び前記配管の少なくとも何れか一方の内部から気体を吸引して前記熱分解手段に導入する導入手段と、
    前記熱分解手段からガスを排出する排出手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の有害物質抽出装置。
  4. 前記導入手段は、前記チャンバ及び前記配管の内部から前記熱分解手段の側へ気体の吸引を行って、当該内部を真空状態とする真空手段
    を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の有害物質抽出装置。
  5. 前記物品に少なくとも1つ以上の前記穴を開口する開口手段と、
    前記穴が開口された物品を、前記チャンバ内に収納する前に、前記載置手段に搬送し、前記穴を下方に向けて当該載置手段に載置する搬送手段と、
    開口対象の前記物品及び前記開口手段と、前記載置手段及び前記チャンバとを、前記搬送手段の搬送経路上で密閉状に囲む密閉手段と、
    前記密閉手段の内部に不活性ガスを充填すると共に、充填された不活性ガスを有害物質吸着手段を通した後に回収するガス生成回収手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の有害物質抽出装置。
  6. 前記物品が有害物質含有紙である場合、当該有害物質含有紙を、高周波誘導可能な導電体で挟み組込体を形成し、
    前記組込体を前記チャンバに収容し、前記第1コイルに高周波電流を供給して当該組込体の前記導電体を誘導加熱する
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の有害物質抽出装置。
  7. 前記組込体は、前記導電体と前記有害物質含有紙とを、この順で交互に1乃至は複数段積み重ね、最上部に前記導電体を載置した構成を成す
    ことを特徴とする請求項6に記載の有害物質抽出装置。
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