JPH0763313A - トランスの無害化処理方法 - Google Patents
トランスの無害化処理方法Info
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- JPH0763313A JPH0763313A JP5232466A JP23246693A JPH0763313A JP H0763313 A JPH0763313 A JP H0763313A JP 5232466 A JP5232466 A JP 5232466A JP 23246693 A JP23246693 A JP 23246693A JP H0763313 A JPH0763313 A JP H0763313A
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- Japan
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- transformer
- pcb
- exhaust gas
- combustion
- heat insulating
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- Pending
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- Gasification And Melting Of Waste (AREA)
- Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
- Furnace Details (AREA)
- Fire-Extinguishing Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】PCB汚染トランスを廃棄処理する際に、トラ
ンス自体を加熱・燃焼処理に供し、絶縁油を完全燃焼す
ることにより、残余のPCBをダイオキシン等の有害物
質の生成なしに分解し、無害化処理を可能とする。 【構成】トランス(1)内部の絶縁油を抜取り断熱容器
(3)内へ設置する。次に、トランス(1)外枠と鉄芯
及びコイル部(2)を誘導加熱により発熱させ、ライン
(9,10)により空気供給しながら気化した絶縁油及び
PCBを一次燃焼させる。(一次燃焼工程)さらに、一
次燃焼排ガスを出口ライン(11)を経由して触媒燃焼用
反応容器(13)に導入し、二次燃焼処理を施す。(二次
燃焼工程)この二次燃焼排ガスを外部空気中より取り入
れた空気と混合後、前記断熱容器(3)内へ再循環す
る。(熱回収・給気工程)
ンス自体を加熱・燃焼処理に供し、絶縁油を完全燃焼す
ることにより、残余のPCBをダイオキシン等の有害物
質の生成なしに分解し、無害化処理を可能とする。 【構成】トランス(1)内部の絶縁油を抜取り断熱容器
(3)内へ設置する。次に、トランス(1)外枠と鉄芯
及びコイル部(2)を誘導加熱により発熱させ、ライン
(9,10)により空気供給しながら気化した絶縁油及び
PCBを一次燃焼させる。(一次燃焼工程)さらに、一
次燃焼排ガスを出口ライン(11)を経由して触媒燃焼用
反応容器(13)に導入し、二次燃焼処理を施す。(二次
燃焼工程)この二次燃焼排ガスを外部空気中より取り入
れた空気と混合後、前記断熱容器(3)内へ再循環す
る。(熱回収・給気工程)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリ塩化ビフェニール
(以下、PCBと略称する。)に汚染された廃トランス
中の残余の絶縁油を完全燃焼してPCBを分解し、二次
公害の発生を除去したトランスの無害化処理方法に関す
る。
(以下、PCBと略称する。)に汚染された廃トランス
中の残余の絶縁油を完全燃焼してPCBを分解し、二次
公害の発生を除去したトランスの無害化処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来よりトランスの絶縁油としてPCB
が用いられてきたが、その毒性のために現在では使用禁
止とされている。すなわち、柱上トランスに使用してい
る再生絶縁油から極微量のPCBが検出されたため、廃
トランスは産業廃棄物(PCB汚染物)として扱われ、
その処分については「廃棄物の処理及び清掃に関する法
律施行令」等の規制を受けることになった。一般に、P
CB規制以前に製造されたトランスは、PCBを抜取
り、PCBを含有しない絶縁油に交換して使用されてい
るが、完全にPCBを除去できないために再生絶縁油中
にもPCBが残存することになる。
が用いられてきたが、その毒性のために現在では使用禁
止とされている。すなわち、柱上トランスに使用してい
る再生絶縁油から極微量のPCBが検出されたため、廃
トランスは産業廃棄物(PCB汚染物)として扱われ、
その処分については「廃棄物の処理及び清掃に関する法
律施行令」等の規制を受けることになった。一般に、P
CB規制以前に製造されたトランスは、PCBを抜取
り、PCBを含有しない絶縁油に交換して使用されてい
るが、完全にPCBを除去できないために再生絶縁油中
にもPCBが残存することになる。
【0003】しかしながら、現状では本規制をクリアす
る処分方法が確立されておらず、保管を余儀なくされて
いる。なお、対象廃トランスは現在年間1万台程度発生
し累計では38万台に達しており、そのための保管場所
の確保等の問題が発生してきた。
る処分方法が確立されておらず、保管を余儀なくされて
いる。なお、対象廃トランスは現在年間1万台程度発生
し累計では38万台に達しており、そのための保管場所
の確保等の問題が発生してきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したトランス中の
コイル及び鉄芯の間に浸透したPCBは、洗浄による除
去が極めて困難であり、また、外部ヒーター加熱等によ
る従来の燃焼方法によっても完全燃焼は難しく、加熱
(昇温)又は燃焼過程でダイオキシンが生成するなど欠
点があり、完全な無害化という点では確立した技術が提
供されていなかった。近年、環境保全の立場からもこの
種の完全無害化技術の提供が強く望まれている。
コイル及び鉄芯の間に浸透したPCBは、洗浄による除
去が極めて困難であり、また、外部ヒーター加熱等によ
る従来の燃焼方法によっても完全燃焼は難しく、加熱
(昇温)又は燃焼過程でダイオキシンが生成するなど欠
点があり、完全な無害化という点では確立した技術が提
供されていなかった。近年、環境保全の立場からもこの
種の完全無害化技術の提供が強く望まれている。
【0005】こうしたなかで、本発明者らは、PCB汚
染トランスを産業廃棄物として処理するにあたって、二
次公害の発生を除去すべく鋭意研究を重ねてきた結果、
PCBをダイオキシン等の有害物質の生成なしに分解
し、完全燃焼による無害化処理が可能な方法を見出すに
いたった。
染トランスを産業廃棄物として処理するにあたって、二
次公害の発生を除去すべく鋭意研究を重ねてきた結果、
PCBをダイオキシン等の有害物質の生成なしに分解
し、完全燃焼による無害化処理が可能な方法を見出すに
いたった。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
のであって、上記課題を解消し、PCB汚染トランスを
廃棄処理する際に、トランス自体を加熱・燃焼処理に供
し、絶縁油を完全燃焼することにより、残余のPCBを
ダイオキシン等の有害物質の生成なしに分解し、無害化
処理することを可能としたトランスの無害化処理方法を
提供することを目的とするものである。
のであって、上記課題を解消し、PCB汚染トランスを
廃棄処理する際に、トランス自体を加熱・燃焼処理に供
し、絶縁油を完全燃焼することにより、残余のPCBを
ダイオキシン等の有害物質の生成なしに分解し、無害化
処理することを可能としたトランスの無害化処理方法を
提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、断熱容器内にPCBに汚染されたトランス
を入れて密封し、該断熱容器内のトランスを電磁誘導加
熱により発熱させるとともに、該断熱容器内に空気を供
給して、PCB及び絶縁油を燃焼する一次燃焼工程と、
一次燃焼排ガスを、触媒燃焼用反応容器に導入し、未燃
焼PCB及び絶縁油を完全燃焼する二次燃焼工程と、二
次燃焼排ガスを外部空気中より取り入れた空気と混合
後、前記断熱容器内へ再循環する熱回収・給気工程を包
含することを特徴とするものである。
に本発明は、断熱容器内にPCBに汚染されたトランス
を入れて密封し、該断熱容器内のトランスを電磁誘導加
熱により発熱させるとともに、該断熱容器内に空気を供
給して、PCB及び絶縁油を燃焼する一次燃焼工程と、
一次燃焼排ガスを、触媒燃焼用反応容器に導入し、未燃
焼PCB及び絶縁油を完全燃焼する二次燃焼工程と、二
次燃焼排ガスを外部空気中より取り入れた空気と混合
後、前記断熱容器内へ再循環する熱回収・給気工程を包
含することを特徴とするものである。
【0008】ここで、好適な態様は、上記トランスの断
熱・密封が、空気入口及びガス出口を有し、非導電性材
料からなる断熱容器内に、PCB汚染トランスを入れて
密封するものであり、上記一次燃焼工程の電磁誘導加熱
が、断熱容器の外周に電気良導性材料で作られた中空パ
イプを少なくとも1周以上巻き、該パイプ内に冷却水を
流しながら該パイプの両端外壁に交流電源を接続通電し
て、前記トランスを少なくとも700℃以上に発熱させ
る高周波電磁誘導加熱によるものであり、二次燃焼工程
が、一次燃焼部の高温排ガスを、内部に燃焼触媒層を有
する触媒燃焼用反応容器に導入し、少なくとも温度25
0℃以上で未燃焼PCB及び絶縁油を実質的に完全燃焼
するものであり、熱回収・給気工程が、循環ガスライン
を配し、二次燃焼排ガスを外部空気中より取り入れた空
気と混合後、第一ブロワーを介して前記断熱容器の空気
入口に再循環するものである。
熱・密封が、空気入口及びガス出口を有し、非導電性材
料からなる断熱容器内に、PCB汚染トランスを入れて
密封するものであり、上記一次燃焼工程の電磁誘導加熱
が、断熱容器の外周に電気良導性材料で作られた中空パ
イプを少なくとも1周以上巻き、該パイプ内に冷却水を
流しながら該パイプの両端外壁に交流電源を接続通電し
て、前記トランスを少なくとも700℃以上に発熱させ
る高周波電磁誘導加熱によるものであり、二次燃焼工程
が、一次燃焼部の高温排ガスを、内部に燃焼触媒層を有
する触媒燃焼用反応容器に導入し、少なくとも温度25
0℃以上で未燃焼PCB及び絶縁油を実質的に完全燃焼
するものであり、熱回収・給気工程が、循環ガスライン
を配し、二次燃焼排ガスを外部空気中より取り入れた空
気と混合後、第一ブロワーを介して前記断熱容器の空気
入口に再循環するものである。
【0009】また、熱回収・給気工程が、循環ガスライ
ンの第一ブロワー出口循環ラインより、一部のクリーン
排ガスを第二ブロワーを介して外部へ排出する処理工程
を含むものとされ、上記一次燃焼工程、二次燃焼工程及
び熱回収・給気工程における各処理を大気圧以下でおこ
なうようにしたものである。
ンの第一ブロワー出口循環ラインより、一部のクリーン
排ガスを第二ブロワーを介して外部へ排出する処理工程
を含むものとされ、上記一次燃焼工程、二次燃焼工程及
び熱回収・給気工程における各処理を大気圧以下でおこ
なうようにしたものである。
【0010】
【作用】PCB汚染トランス自体を断熱容器内で残余の
絶縁油とともに加熱及び一次燃焼し、さらにその燃焼ガ
スを燃焼触媒の下で二次燃焼して完全燃焼化することに
より、大気放出される排ガス中の絶縁油、PCB、ダイ
オキシン等有害物質を検出限界以下に分解・無害化する
ことができる。また、システム全体が大気圧以下で構成
され、処理ガスの大気中への漏洩が防止可能とされる。
絶縁油とともに加熱及び一次燃焼し、さらにその燃焼ガ
スを燃焼触媒の下で二次燃焼して完全燃焼化することに
より、大気放出される排ガス中の絶縁油、PCB、ダイ
オキシン等有害物質を検出限界以下に分解・無害化する
ことができる。また、システム全体が大気圧以下で構成
され、処理ガスの大気中への漏洩が防止可能とされる。
【0011】
【実施例】本発明の一実施例を添付図面を参照して以下
説明する。図1に本発明処理のプロセスフローを説明す
るための機器構成概要図を示す。図中、1がPCB汚染
トランス、2が鉄芯及びコイル部、3が容器断熱材(断
熱容器)、4が蓋断熱材(断熱容器)、5が銅パイプ、
6が電線、7が冷却水出口、8が冷却水入口、9,10が
空気入口(ライン)、11が一次燃焼排ガス出口(ライ
ン)、12が燃焼触媒(層)、13が触媒燃焼用反応容器、
14が電気ヒーター、15が保温材、16が二次燃焼排ガス出
口(ライン)、17がクーラー、18がクーラー用コイル、
19が低温処理ガス出口(ライン)、20が空気入口(補充
用)、21が第一ブロワー、22が低温処理ガスライン、23
が第二ブロワー、24が排ガス出口ライン、25が排ガス循
環ライン、26がガス排出ライン、27が交流電源、28がト
ランス支持台、29が冷却水出口及び30が冷却水入口であ
る。
説明する。図1に本発明処理のプロセスフローを説明す
るための機器構成概要図を示す。図中、1がPCB汚染
トランス、2が鉄芯及びコイル部、3が容器断熱材(断
熱容器)、4が蓋断熱材(断熱容器)、5が銅パイプ、
6が電線、7が冷却水出口、8が冷却水入口、9,10が
空気入口(ライン)、11が一次燃焼排ガス出口(ライ
ン)、12が燃焼触媒(層)、13が触媒燃焼用反応容器、
14が電気ヒーター、15が保温材、16が二次燃焼排ガス出
口(ライン)、17がクーラー、18がクーラー用コイル、
19が低温処理ガス出口(ライン)、20が空気入口(補充
用)、21が第一ブロワー、22が低温処理ガスライン、23
が第二ブロワー、24が排ガス出口ライン、25が排ガス循
環ライン、26がガス排出ライン、27が交流電源、28がト
ランス支持台、29が冷却水出口及び30が冷却水入口であ
る。
【0012】ここで、上述した作用を一実施例のプロセ
スフロー(図示)とともに具体的に説明し、明らかにし
ておく。すなわち、一次燃焼処理においては、密封され
たトランス(1)〔鉄芯及びコイル部(2)を含む〕の
周囲にコイル状に銅パイプ(5)を巻付け、該銅パイプ
(5)に交流電源(27)を接続通電することにより、ト
ランスの金属部(1,2)が電磁誘導の原理により発熱
する。したがって、鉄芯及びコイル部(2)に内部深く
浸透した絶縁油とPCBを容易、かつ、短時間に燃焼温
度域500〜800℃に昇温できる。また、空気供給ラ
イン(9,10)は、循環ラインとして断熱容器(3)内
へ導入され、気化した絶縁油及びPCBを一次燃焼させ
るためのものである。
スフロー(図示)とともに具体的に説明し、明らかにし
ておく。すなわち、一次燃焼処理においては、密封され
たトランス(1)〔鉄芯及びコイル部(2)を含む〕の
周囲にコイル状に銅パイプ(5)を巻付け、該銅パイプ
(5)に交流電源(27)を接続通電することにより、ト
ランスの金属部(1,2)が電磁誘導の原理により発熱
する。したがって、鉄芯及びコイル部(2)に内部深く
浸透した絶縁油とPCBを容易、かつ、短時間に燃焼温
度域500〜800℃に昇温できる。また、空気供給ラ
イン(9,10)は、循環ラインとして断熱容器(3)内
へ導入され、気化した絶縁油及びPCBを一次燃焼させ
るためのものである。
【0013】なお、従来の外部ヒーターによる直接加熱
では、昇温時間を要し、この昇温過程で絶縁油やPCB
の重縮合反応が顕著となり、有害なダイオキシンが生成
する欠点があり、ヒーターが露出しているため劣化する
のがはやく、保守・交換が必要であった。本発明ではこ
れが解消される。
では、昇温時間を要し、この昇温過程で絶縁油やPCB
の重縮合反応が顕著となり、有害なダイオキシンが生成
する欠点があり、ヒーターが露出しているため劣化する
のがはやく、保守・交換が必要であった。本発明ではこ
れが解消される。
【0014】次いで、一次燃焼排ガスはライン(11)を
経由して燃焼触媒(12)を充填した触媒燃焼用反応容器
(13)に導入され、二次燃焼処理される。この二次燃焼
処理により完全燃焼化が図られる。ここで、燃焼触媒
(12)は、処理前に使用触媒によって300〜1000
℃程度に予熱されるものである。
経由して燃焼触媒(12)を充填した触媒燃焼用反応容器
(13)に導入され、二次燃焼処理される。この二次燃焼
処理により完全燃焼化が図られる。ここで、燃焼触媒
(12)は、処理前に使用触媒によって300〜1000
℃程度に予熱されるものである。
【0015】この二次燃焼排ガスは、絶縁油とPCBを
ほぼ完全燃焼し、分解・無害化されたものとなり、ライ
ン(16)に取り出されたガスはクリーン排ガスである。
ほぼ完全燃焼し、分解・無害化されたものとなり、ライ
ン(16)に取り出されたガスはクリーン排ガスである。
【0016】そして、二次燃焼排ガスは、ライン(16)
を経由してクーラー(17)での冷却、ライン(20)での
空気混合を経て、第一ブロワー(21)を介してライン
(22)からライン(25)へ循環する途中で、その一部が
ライン(24)に分岐し、第二ブロワー(23)を介して外
部へ排出される。この系統を採用することにより、循環
系統を大気圧以下に構成することができ、処理ガスがシ
ステム内から大気中へ漏洩するのを防止している。
を経由してクーラー(17)での冷却、ライン(20)での
空気混合を経て、第一ブロワー(21)を介してライン
(22)からライン(25)へ循環する途中で、その一部が
ライン(24)に分岐し、第二ブロワー(23)を介して外
部へ排出される。この系統を採用することにより、循環
系統を大気圧以下に構成することができ、処理ガスがシ
ステム内から大気中へ漏洩するのを防止している。
【0017】そこで、一実施例について説明すると、図
示するように、まずトランス(1)内部の絶縁油を抜取
り断熱容器(3)内へ設置する。使用したトランスは1
0kVAのものであり、絶縁油の付着残存量は12g、
絶縁油中のPCBは150ppmであった。すなわち、
トランスの鉄製外枠を取外し、内部の絶縁油を処理前に
抜き取るのであるが、先述したとおり鉄芯及びコイル部
(2)には、PCBを含む絶縁油が浸透付着しており残
存しているのである。
示するように、まずトランス(1)内部の絶縁油を抜取
り断熱容器(3)内へ設置する。使用したトランスは1
0kVAのものであり、絶縁油の付着残存量は12g、
絶縁油中のPCBは150ppmであった。すなわち、
トランスの鉄製外枠を取外し、内部の絶縁油を処理前に
抜き取るのであるが、先述したとおり鉄芯及びコイル部
(2)には、PCBを含む絶縁油が浸透付着しており残
存しているのである。
【0018】次に、60Hzの交流電流を銅パイプ
(5)に通じたところ、トランス(1)外枠と鉄芯及び
コイル部(2)は、約30分で800℃まで発熱昇温し
た。なお、ここでトランスの発熱効率を上げるために
は、1〜2kHz程度の高周波が好ましく、これによる
と約95%程度の効率を得ることができる。また、銅パ
イプ(5)自体は、わずかに発熱するのでパイプ(5)
内に冷却水を流すことが好ましい。
(5)に通じたところ、トランス(1)外枠と鉄芯及び
コイル部(2)は、約30分で800℃まで発熱昇温し
た。なお、ここでトランスの発熱効率を上げるために
は、1〜2kHz程度の高周波が好ましく、これによる
と約95%程度の効率を得ることができる。また、銅パ
イプ(5)自体は、わずかに発熱するのでパイプ(5)
内に冷却水を流すことが好ましい。
【0019】ライン(9,10)は、空気供給ラインであ
り、気化した絶縁油及びPCBを一次燃焼させるための
ものである。また、ライン(11)は、燃焼排ガスの出口
ラインであり、昇温途中の排ガス(一次燃焼排ガスに含
まれる)が、気化した絶縁油中の未燃焼PCBを含んで
いる可能性があるので、燃焼触媒(12)を充填した触媒
燃焼用反応容器(13)に導入し、二次燃焼処理を施すも
のである。
り、気化した絶縁油及びPCBを一次燃焼させるための
ものである。また、ライン(11)は、燃焼排ガスの出口
ラインであり、昇温途中の排ガス(一次燃焼排ガスに含
まれる)が、気化した絶縁油中の未燃焼PCBを含んで
いる可能性があるので、燃焼触媒(12)を充填した触媒
燃焼用反応容器(13)に導入し、二次燃焼処理を施すも
のである。
【0020】本例では、断熱容器(3)内の昇温加熱中
にライン(9,10)より空気を10l/minで供給
し、一次燃焼処理し、その燃焼排ガスをライン(11)よ
り触媒燃焼用反応容器(13)に導入し、二次燃焼処理す
るものとした。ここで、反応容器(13)中の燃焼触媒層
(12)は、800℃に予熱した白金系燃焼触媒を2l充
填したものである。
にライン(9,10)より空気を10l/minで供給
し、一次燃焼処理し、その燃焼排ガスをライン(11)よ
り触媒燃焼用反応容器(13)に導入し、二次燃焼処理す
るものとした。ここで、反応容器(13)中の燃焼触媒層
(12)は、800℃に予熱した白金系燃焼触媒を2l充
填したものである。
【0021】二次燃焼排ガスは、ライン(16)を経由し
てクーラー(17)で冷却され、ライン(20)からの空気
と混合後、第一ブロワー(21)を介してライン(22)及
び(25)を経由し、大部分が循環する。このとき、ライ
ン(22)を流動中の二次燃焼排ガスの一部は、ライン
(24)に分岐し、第二ブロワー(23)を介して外部へ排
出される。この排出ラインは(26)である。この系統を
採用することにより、第一ブロワー(21)で形成される
ライン(19−22−25−9−10−11−16)の
循環系統を大気圧以下に構成することができ、処理ガス
がシステム内から大気中へ漏洩するのを防止している。
てクーラー(17)で冷却され、ライン(20)からの空気
と混合後、第一ブロワー(21)を介してライン(22)及
び(25)を経由し、大部分が循環する。このとき、ライ
ン(22)を流動中の二次燃焼排ガスの一部は、ライン
(24)に分岐し、第二ブロワー(23)を介して外部へ排
出される。この排出ラインは(26)である。この系統を
採用することにより、第一ブロワー(21)で形成される
ライン(19−22−25−9−10−11−16)の
循環系統を大気圧以下に構成することができ、処理ガス
がシステム内から大気中へ漏洩するのを防止している。
【0022】ライン(22)及び(26)で採取した二次燃
焼排ガスについて、JISに準拠してn−ヘキサン吸収
液に排ガスを吸収させて絶縁油、PCB及びダイオキシ
ンの濃度を測定したところ、何れも検出限界以下であっ
た。参考までに検出限界の数値を挙げておくと、絶縁
油:0.1μg、PCB:0.1μg、ダイオキシン:
0.1ngである。
焼排ガスについて、JISに準拠してn−ヘキサン吸収
液に排ガスを吸収させて絶縁油、PCB及びダイオキシ
ンの濃度を測定したところ、何れも検出限界以下であっ
た。参考までに検出限界の数値を挙げておくと、絶縁
油:0.1μg、PCB:0.1μg、ダイオキシン:
0.1ngである。
【0023】
【発明の効果】本発明は以上の構成よりなるものであ
り、これによればPCB汚染トランス自体を断熱容器内
で残余の絶縁油とともに加熱及び一次燃焼し、さらにそ
の燃焼ガスを燃焼触媒の下で二次燃焼して完全燃焼化す
るので、大気放出される排ガス中の絶縁油、PCB、ダ
イオキシン等有害物質を検出限界以下に分解・無害化す
ることができる。同時に、システム全体が大気圧以下で
構成されているので、処理ガスの大気中への漏洩が防止
可能である。
り、これによればPCB汚染トランス自体を断熱容器内
で残余の絶縁油とともに加熱及び一次燃焼し、さらにそ
の燃焼ガスを燃焼触媒の下で二次燃焼して完全燃焼化す
るので、大気放出される排ガス中の絶縁油、PCB、ダ
イオキシン等有害物質を検出限界以下に分解・無害化す
ることができる。同時に、システム全体が大気圧以下で
構成されているので、処理ガスの大気中への漏洩が防止
可能である。
【0024】本発明を実施するシステムは誘導加熱方式
であり、従来のヒーター直接加熱方式に比してメンテナ
ンスフリーであるといえ、しかも完全燃焼化により排ガ
ス量が少ない利点を有する。
であり、従来のヒーター直接加熱方式に比してメンテナ
ンスフリーであるといえ、しかも完全燃焼化により排ガ
ス量が少ない利点を有する。
【0025】このように本発明は、累積する再生絶縁油
を使用した廃トランスの処分について、PCB規制をク
リアする無害化処理技術を提供するものであり、産業上
の寄与は大きい。
を使用した廃トランスの処分について、PCB規制をク
リアする無害化処理技術を提供するものであり、産業上
の寄与は大きい。
【図1】本発明の一実施例であるプロセスフローを説明
するための機器構成概要図である。
するための機器構成概要図である。
1 PCB汚染トランス 2 鉄芯及びコイル部 3 容器断熱材(断熱容器) 4 蓋断熱材(断熱容器) 5 銅パイプ 6 電線 7 冷却水出口 8 冷却水入口 9,10 空気入口(ライン) 11 一次燃焼排ガス出口(ライン) 12 燃焼触媒(層) 13 触媒燃焼用反応容器 14 電気ヒーター 15 保温材 16 二次燃焼排ガス出口(ライン) 17 クーラー 18 クーラー用コイル 19 低温処理ガス出口(ライン) 20 空気入口(補充用) 21 第一ブロワー 22 低温処理ガスライン 23 第二ブロワー 24 排ガス出口ライン 25 排ガス循環ライン 26 ガス排出ライン 27 交流電源 28 トランス支持台 29 冷却水出口 30 冷却水入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F23G 7/06 ZAB 8409−3K 102 S 8409−3K F27D 11/06 B 7727−4K (72)発明者 堀添 浩俊 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 花本 幹夫 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 加藤 光夫 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 筒井 浩養 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 断熱容器内にPCBに汚染されたトラン
スを入れて密封し、該断熱容器内のトランスを電磁誘導
加熱により発熱させるとともに、該断熱容器内に空気を
供給して、PCB及び絶縁油を燃焼する一次燃焼工程
と、一次燃焼排ガスを触媒燃焼用反応容器に導入し、未
燃焼PCB及び絶縁油を完全燃焼する二次燃焼工程と、
二次燃焼排ガスを外部空気中より取り入れた空気と混合
後、前記断熱容器内へ再循環する熱回収・給気工程を包
含することを特徴とするトランスの無害化処理方法。 - 【請求項2】 上記トランスの断熱・密封が、空気入口
及びガス出口を有し、非導電性材料からなる断熱容器内
に、PCB汚染トランスを入れて密封するものであり、
上記一次燃焼工程の電磁誘導加熱が、断熱容器の外周に
電気良導性材料で作られた中空パイプを少なくとも1周
以上巻き、該パイプ内に冷却水を流しながら該パイプの
両端外壁に交流電源を接続通電して、該トランスを少な
くとも700℃以上に発熱させる高周波電磁誘導加熱に
よるものであり、二次燃焼工程が、一次燃焼部の高温排
ガスを、内部に燃焼触媒層を有する触媒燃焼用反応容器
に導入し、少なくとも温度250℃以上で未燃焼PCB
及び絶縁油を実質的に完全燃焼するものであり、熱回収
・給気工程が、循環ガスラインを配し、二次燃焼排ガス
を外部空気中より取り入れた空気と混合後、第一ブロワ
ーを介して前記断熱容器の空気入口に再循環するもので
ある請求項1記載のトランスの無害化処理方法。 - 【請求項3】 循環ガスラインの第一ブロワー出口循環
ラインより、一部のクリーン排ガスを第二ブロワーを介
して外部へ排出し、上記一次燃焼工程、二次燃焼工程及
び熱回収・給気工程における各処理を大気圧以下でおこ
なうようにした請求項1又は2記載のトランスの無害化
処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5232466A JPH0763313A (ja) | 1993-08-24 | 1993-08-24 | トランスの無害化処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5232466A JPH0763313A (ja) | 1993-08-24 | 1993-08-24 | トランスの無害化処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0763313A true JPH0763313A (ja) | 1995-03-07 |
Family
ID=16939740
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5232466A Pending JPH0763313A (ja) | 1993-08-24 | 1993-08-24 | トランスの無害化処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0763313A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010253464A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-11-11 | Hitachi Zosen Corp | Pcb汚染ofケーブルの無害化処理方法 |
JP2016068026A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | 健 神佐 | 有害物質抽出装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01200113A (ja) * | 1988-02-04 | 1989-08-11 | Mitsubishi Electric Corp | 誘導加熱形廃物焼却装置 |
JPH0339814A (ja) * | 1989-07-04 | 1991-02-20 | Matsushita Seiko Co Ltd | ごみ処理装置 |
-
1993
- 1993-08-24 JP JP5232466A patent/JPH0763313A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH01200113A (ja) * | 1988-02-04 | 1989-08-11 | Mitsubishi Electric Corp | 誘導加熱形廃物焼却装置 |
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