JP2000277350A - 再生油使用変圧器の処理システム及び処理装置 - Google Patents

再生油使用変圧器の処理システム及び処理装置

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JP2000277350A
JP2000277350A JP11082716A JP8271699A JP2000277350A JP 2000277350 A JP2000277350 A JP 2000277350A JP 11082716 A JP11082716 A JP 11082716A JP 8271699 A JP8271699 A JP 8271699A JP 2000277350 A JP2000277350 A JP 2000277350A
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transformer
coil
oil
vacuum
case
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JP11082716A
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English (en)
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Kenji Okumura
顕治 奥村
Yukio Hayashi
幸雄 林
Toshiki Kawachi
敏紀 河内
Fumio Kawase
文雄 河瀬
Shigeki Tsunekawa
茂樹 恒川
Yasuaki Jo
康彰 城
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Aichi Electric Co Ltd
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Aichi Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生油を使用した変圧器を効率よく無害化処
理し、有価物と保管物との分離・回収を容易化した。 【解決手段】 絶縁油3を除去した変圧器1を真空加熱
装置10に収容して、温度300℃未満,圧力900P
a以下の条件下で2時間以上真空加熱処理する工程と、
前記真空加熱処理した変圧器1をケース2と変圧器中身
1Aとに分解する工程と、変圧器中身1Aを鉄心1aと
コイル1bとに分離しこれらを、更に、真空加熱装置1
0にて温度300℃未満,圧力900Pa以下の条件下
で2時間以上で真空加熱処理する工程と、コイル1bの
銅線を巻戻し途中で絶縁物1b2 を除去しながら巻取る
ようにした工程と、前記ケース2,鉄心1a,銅線1b
1 をそれぞれ個別に圧潰しながら順次破砕して有価物と
して個別に減容処理する工程と、前記絶縁物を密封容器
に回収する工程とによって、再生油使用変圧器を有価物
と、保管物とに分別処理可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再生油を使用した
変圧器を効率よく処理し保管及び有価物の分離回収する
システムとその処理装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、再生油を使用した例えば、柱
上変圧器の絶縁油からは、国が使用を禁止している添加
物(例えば、ポリ塩素化ビフェニル、通称PCBと呼ん
でいる)が検出される場合があり、現在前記添加物及び
添加物に汚損された物質の除去,廃棄等については、平
成10年8月厚生省より金属・磁器類に関する無害化処
理基準が告示された(厚生省告示第222号)。前記告
示に基づきこれをPCBを含有する再生油を使用した変
圧器にあてはめると、銅線等は0.01mg−PCB/
kg−部材未満、ケース・鉄心等においては0.1μg
−PCB/100cm2 −部材未満にすべきと想定され
る。
【0003】前記不純物,例えばPCBについては、優
れた電気絶縁特性,難燃特性を備えているため、過去に
おいて、電気絶縁体として種々な産業分野に広く利用さ
れていた。変圧器の絶縁油も例外ではなかった。しか
し、今日ではPCBは人体に悪影響を及ぼす有害な物質
としてその使用を禁止されている。即ち、前記PCBは
使用後廃棄しても分解せず、大気,水,土壌等を容赦な
く汚染することはもとより、食品を通じて人体に入り、
人体内でも分解されにくく排泄も遅く体内に蓄積すると
いう厄介な代物であり、現在ではPCBの使用,製造は
一切禁止されている。
【0004】従来,使用済みの配電用柱上トランスは、
抜油した後解体処理され処理業者により、鉄類,銅類が
有価物として回収され、有効に再利用されていた。前記
の解体にはトランスを原形のまま焼却し残存する鉄類,
銅類を回収していたが、前記PCBを含有している絶縁
油(再生油)を使用したトランスについては、安全な処
理方法が確立されるまで使用者の責任として保管するこ
とが義務づけられている。しかし、今日では保管する量
が膨大なため、早期の処理技術の確立が強く要望されて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、再生油使用変圧
器からのPCBの分離方法が確立されつつあり、例え
ば、絶縁油を抜油した変圧器を原姿の状態で真空加熱炉
を用いて真空加熱処理を行うものがある。しかし、この
処理方法では、内容物(変圧器中身)の接触面積が少な
い変圧器では、内部までの熱伝導が遅く、変圧器全部材
からPCBを分離処理するには、多大なエネルギーと時
間を要し、再生油使用変圧器の無害化処理コストを著し
く高騰させるという問題があった。
【0006】又、前記真空加熱処理を行い、再生油使用
変圧器からPCBを分離させても、前記厚生省の告示に
より、紙・木類については引き続き保管する必要があっ
た。一方、前記PCBを分離して無害化処理した後の変
圧器については、これを解体し、鉄心,銅等金属性の非
含浸物と紙類等絶縁物の含浸物とに分別しなければなら
ないが、これら解体・分別作業は、現在迅速・確実に行
うための有効手段が見当たらず、長時間かけて手作業に
より行うことが多く、しかも、前記解体・分別作業は、
安全性を考慮して慎重に行う必要があった。
【0007】本発明は、前記の問題点に鑑み、PCBを
含む再生油を使用した変圧器を、その構成部材を絶縁油
とともに、PCBを所定の基準値を満すように除去する
ことにより、有価物と保管物とに分離して処理可能とし
た、再生油使用変圧器の処理システムとその処理装置を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の再生油使
用変圧器の処理システムは、再生油変圧器を有価物と保
管物とに区分して処理するシステムであって、変圧器の
ケースから絶縁油を除去する工程と、前記絶縁油を除去
した変圧器を真空加熱装置に収容して、温度300℃未
満,圧力900Pa以下の条件下で2時間以上真空加熱
処理する工程と、前記真空加熱処理した変圧器をケース
と変圧器中身とに分解する工程と、変圧器中身を鉄心・
コイルとに分離する工程と、前記分離した鉄心とコイル
とを真空加熱装置にて温度300℃未満、圧力900P
a以下の条件下で2時間以上再度真空加熱処理する工程
と、コイルの銅線をその巻戻し途中に絶縁物を除去しな
がら鉄心より分離する工程と、前記ケース,鉄心及び絶
縁物を分離した銅線をそれぞれ個別に圧潰しながら順次
破砕して有価物として個別に減容処理する工程と、前記
銅線の巻戻し時に除去した絶縁物を密封容器に回収する
工程とによって、再生油使用変圧器を有価物と、保管物
とに分別処理可能としたことを特徴とする。
【0009】請求項2記載の再生油使用変圧器の処理シ
ステムは、請求項1記載の再生油使用変圧器の処理シス
テムにおいて、前記鉄心とコイルとの分離は、鉄心の脚
鉄部あるいは継鉄部を切断することによりコイルを鉄心
から抜き取るようにしたことを特徴とする。
【0010】請求項3記載の再生油使用変圧器の処理シ
ステムは、請求項1記載の再生油使用変圧器の処理シス
テムにおいて、前記鉄心とコイルとの分離は、鉄心の継
鉄部を巻回方向と直交する方向に切断し、前記継鉄部を
切断した鉄心の脚鉄部を枢軸として回転させて、コイル
の銅線を鉄心から分離するようにしたことを特徴とす
る。
【0011】請求項4記載の再生油使用変圧器の処理シ
ステムは、請求項1記載の再生油使用変圧器の処理シス
テムにおいて、前記銅線からの絶縁物の除去は、銅線の
外表面をワイヤーブラシ等の剥離手段により剥離させて
絶縁物を除去するようにしたことを特徴とする。
【0012】請求項5記載の再生油使用変圧器の処理シ
ステムは、再生油使用変圧器を有価物と保管物とに区分
して処理するシステムであって、変圧器のケースから絶
縁油を除去する工程と、前記絶縁油を除去した変圧器を
真空加熱装置に収容して、温度300℃未満,圧力90
0Pa以下の条件下で2時間以上真空加熱処理する工程
と、前記真空加熱処理した変圧器をケースと変圧器中身
とに分解する工程と、前記ケースを圧潰して有価物とし
て減容処理する工程と、変圧器中身を任意の大きさに切
断して細分化する工程と、前記細分化した変圧器中身を
真空加熱装置にて温度300℃未満、圧力900Pa以
下の条件下で2時間以上再度真空加熱処理する工程と、
前記真空加熱処理して細分化された変圧器中身を圧潰あ
るいは揺動接触させて鉄心等の金属類と紙・木類等の絶
縁物とに分離する工程と、更に、磁力・風力選別等によ
って有価物となる鉄心,銅線と保管物となる絶縁物とに
分別・回収する工程とによって、再生油使用変圧器を有
価物と、保管物とに分別処理可能としたことを特徴とす
る。
【0013】請求項6記載の再生油使用変圧器の処理シ
ステムは、再生油使用変圧器を有価物と保管物とに区分
して処理するシステムであって、変圧器のケースから絶
縁油を除去する工程と、前記絶縁油を除去した変圧器を
真空加熱装置に収容して、温度300℃以上、圧力90
0Pa以下の条件下で5時間以上真空加熱処理して絶縁
物を炭化させる工程と、前記真空加熱処理した変圧器を
ケースと変圧器中身とに分解する工程と、前記変圧器中
身を振動発生装置に収容して所定時間振動処理して炭化
した絶縁物と鉄心・コイルとに分別する工程と、前記絶
縁物を分別して除去した鉄心とコイルとを切断手段によ
り裁断して個別に分離する工程と、前記ケース,鉄心,
コイルをそれぞれ個別に圧潰・破砕して個別に有価物と
して減容処理し、かつ、炭化した絶縁物を密封容器に回
収する工程とによって、再生油使用変圧器を有価物と保
管物とに分別処理可能としたことを特徴とする。
【0014】請求項7記載の再生油使用変圧器の処理シ
ステムは、再生油使用変圧器を有価物と保管物とに区分
して処理するシステムであって、変圧器のケースから絶
縁油を除去する工程と、前記絶縁油を除去した変圧器を
真空加熱装置に収容して、温度300℃以上、圧力90
0Pa以下の条件下で5時間以上真空加熱処理して絶縁
物を炭化させる工程と、前記真空加熱処理した変圧器を
ケースと変圧器中身とに分解する工程と、前記ケースを
圧潰した後有価物として減容処理する工程と、前記変圧
器中身自体を圧潰・破砕して減容処理する工程と、更
に、前記減容処理した変圧器中身を磁力・風力選別等に
よって有価物となる鉄心,銅線と保管物となる炭化した
絶縁物とに分別・収集する工程とによって、再生油使用
変圧器を有価物と、保管物とに分別処理可能としたこと
を特徴とする。
【0015】請求項8記載の再生油使用変圧器の処理装
置は、変圧器から絶縁油を除去する手段と、前記絶縁油
を除去した変圧器を所定の温度及び減圧状態で真空加熱
する手段と、前記真空加熱処理した変圧器をケース,変
圧器中身とに分解し、かつ、変圧器中身を構成する鉄心
とコイルとを個別に分離する手段と、前記個別に分離し
た鉄心とコイルとを再度真空加熱処理した後コイルの銅
線を巻戻しながら銅線に付着している絶縁物を除去する
手段と、前記ケース,鉄心,銅線を個別に圧潰・破砕し
て減容処理する手段と、銅線から除去した絶縁物を回収
する手段とを具備して構成したことを特徴とする。
【0016】請求項9記載の再生油使用変圧器の処理装
置は、変圧器から絶縁油を除去する手段と、前記絶縁油
を除去した変圧器を所定の温度及び減圧状態で真空加熱
する手段と、前記真空加熱処理した変圧器をケースと変
圧器中身とに分解しケースを圧潰して減容処理する手段
と、前記変圧器中身を任意の大きさに裁断して細分化す
る手段と、前記細分化した変圧器中身を再度真空加熱処
理した後前記細分化した変圧器中身を圧潰あるいは揺動
接触させてコイルの絶縁物を銅線から分離させる手段
と、前記鉄心,銅線と絶縁物とを有価物と保管物とに分
別する磁力・風力選別機等からなる手段と、更に、前記
銅線から除去した絶縁物を回収する手段とを具備して構
成したことを特徴とする。
【0017】請求項10記載の再生油使用変圧器の処理
装置は、変圧器から絶縁油を除去する手段と、前記絶縁
油を除去した変圧器を所定の温度及び減圧状態で真空加
熱する手段と、前記真空加熱処理した変圧器をケースと
変圧器中身とに分解し、かつ、変圧器中身を構成する鉄
心部分をコイルを具備した状態で2分割する手段と、前
記2分割した鉄心をそれぞれコイルを具備した状態で再
度真空加熱処理した後コイルの銅線を巻戻しながら銅線
に付着している絶縁物を除去する手段と、前記ケース,
鉄心,銅線を個別に圧潰・破砕して減容処理する手段
と、銅線から除去した絶縁物を回収する手段とを具備し
て構成したことを特徴とする。
【0018】請求項11記載の再生油使用変圧器の処理
装置は、変圧器から絶縁油を除去する手段と、前記絶縁
油を除去した変圧器を絶縁物が炭化する所定の温度及び
減圧状態で真空加熱する手段と、真空加熱処理した変圧
器をケースと変圧器中身とに分解し、かつ、変圧器中身
を所定時間振動処理させて炭化した絶縁物と鉄心・コイ
ルとに分別する手段と、前記炭化した絶縁物を除去した
鉄心とコイルとを切断機等を用いて個別に分別処理する
手段と、更に、前記分別したケース,鉄心,コイルを個
別に圧潰・破砕して減容処理する手段と、コイルから分
離した炭化絶縁物を回収する手段とを具備して構成した
ことを特徴とする。
【0019】請求項12記載再生油使用変圧器の処理装
置は、変圧器から絶縁油を除去する手段と、前記絶縁油
を除去した変圧器を絶縁物が炭化する所定の温度及び減
圧状態で真空加熱する手段と、真空加熱処理した変圧器
をケースと変圧器中身とに分解し、かつ、前記変圧器中
身自体を圧潰・破砕して減容処理する手段と、前記減容
処理した変圧器中身を鉄心,コイルの銅線,炭化した絶
縁物とに個別に分別して回収する手段とを具備して構成
したことを特徴とする。
【0020】本発明は、PCBを含有する再生油(絶縁
油)を使用した変圧器を処理する場合、最初に、絶縁油
を抜油した変圧器を真空加熱装置に収容し、所定時間高
温(300℃未満),減圧(900Pa以下)処理し、
次に、変圧器のケースから変圧器中身を取出し、これを
鉄心とコイルに分離してこれら鉄心とコイルとを個別に
再度真空加熱装置にて所定時間高温(300℃未満),
減圧(900Pa以下)処理する。
【0021】このあと、ケースと鉄心はプレス等により
圧潰した後、破砕手段により細かく破砕して有価物とし
て再利用を図るとともに、コイルにおいてはコイルの銅
線を巻戻し機により絶縁物を剥離しながら巻戻すことに
より、銅線と絶縁物とに分離し、銅線は鉄心等と同じよ
うに破砕処理して有価物として再利用し、絶縁物はPC
Bを含有している虞れがあるため、保管物として密封容
器に収容して保管するようにした。このように、有価物
として再利用するケース,鉄心,銅線は、真空加熱装置
において2回(ケースは1回)高温・減圧処理を行って
PCBを除去(無害化)するようにしたので、再生油を
使用した変圧器の有価物と保管物との分別処理が迅速・
確実に行うことができる。
【0022】この際、有価物として再利用を図る鉄心等
は、PCBを含有する絶縁油に浸漬されているものの、
絶縁物と異なり絶縁油が内部に浸透することはない。こ
の結果、2回の真空・減圧処理により表面の油脂分は、
ほぼ完全に除去されるため、これら有価物にPCBが残
存することはほとんどなく、前記した厚生省告示の無害
化処理基準を十分に満すことができる。なお、破砕した
有価物を再度真空・加熱処理を行えば、無害化処理を更
に促進させることは言うまでもない。一方、絶縁物にお
いては、絶縁物に絶縁油が含浸していた関係上、内部に
PCBが残存している虞れがあるため、厚生省の告示に
基づき、絶縁物を焼却・廃棄することなく、一旦密封容
器に封入して最適な処理手段が設定されるまで保管する
必要がある。
【0023】又、本発明は、変圧器を無害化処理する場
合、温度を例えば、絶縁物が炭化する温度、即ち、30
0℃以上の温度で変圧器を真空加熱装置において処理す
る。そして、加熱処理した変圧器は変圧器中身をケース
から取り出し、この変圧器中身をそのまま振動発生装置
に収容し、振動等の外力を加え振動処理することによ
り、炭化した絶縁物を鉄心・コイルから分離するか、あ
るいは、加熱,減圧処理した変圧器中身を圧潰・破砕
し、破砕した変圧器中身から鉄心,コイルの銅線,炭化
した絶縁物を磁力・風力選別機等を用いて個別に分別収
集することにより、再生油を使用した変圧器を有価物と
保管物に分別処理する。この場合、絶縁物は事前に炭化
処理されているので、鉄心やコイルからの分別は容易に
行うことができる。この場合、分別した炭化絶縁物は、
前記と同様にPCBが残存する虞れがあるため、廃棄せ
ず、密封容器に一時保管することになる。一方、鉄心や
コイルの銅線は破砕手段により細く破砕して減容処理す
ることにより、有価物として再利用することができる。
この場合、鉄心や銅線は高温下で所定時間加熱されてい
るので、無害化基準を十分に満たすことが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図1ない
し図8によって説明する。最初に、本発明におけるPC
Bを含有する再生油(以下絶縁油という)を使用した変
圧器(以下、変圧器という)の無害化処理システムは、
変圧器の前処理工程(絶縁油の抜取り)と、変圧器の真
空加熱処理工程と、変圧器中身の分解処理工程と、分解
処理した変圧器中身の再真空加熱処理工程と、コイルを
構成する銅線から絶縁物を除去する工程と、変圧器1の
ケース,鉄心,銅線を圧潰・破砕し有価物として減容処
理する工程と、銅線1b1 から剥離(除去)した絶縁物
を密封容器に減容収容処理する工程とによって、概略構
成されている。
【0025】次に、前記各処理工程を図1ないし図8及
び図10により順次説明する。最初に、変圧器1の前処
理工程においては、例えば、図1に示すように、変圧器
1から図示しないカバーを取り外した後、ケース2内の
PCBを含有する絶縁油3を排油ポンプ4及び排油ポン
プ4に取付けた排油管4aを用いて廃油用のドラム缶5
等に抜油する。抜油に際しては、排油ポンプ4を使用す
る代りに、変圧器1を転倒させて抜油するようにしても
よい。そして、前記のようにして絶縁油3を抜油した
ら、変圧器1を例えば、図2に示すように、ケース2の
開口部を下向にして反転させ、更に、ケース2内に残存
している絶縁油3を滴下抜油する。
【0026】絶縁油3の滴下抜油に際しては、特に条件
等はないが、変圧器1を常温よりやや高い温度で12〜
24時間反転させておけば、絶縁油3の大部分をケース
2内から抜油することができる。また、滴下抜油に当っ
てはケース2を反転させることなく、傾倒させた状態で
残油を滴下抜油するようにしてもよい。なお、図2中、
6は変圧器受台,7は受台6に設けた集油筒、8は滴下
油の採取容器を示す。
【0027】前記のようにして絶縁油3を抜油した変圧
器1は、転倒状態から転倒前の状態に引起し、図3に示
す搬送台9に乗載して真空加熱装置10に所定数収容す
る。前記真空加熱装置10は、一方に変圧器1を出し入
れするための開口を開閉する開閉扉11を備え、他方は
壁体を貫通して排気管12が導出されている。又、前記
壁体内には真空加熱装置10内を常時所定の温度に加熱
保持する電熱ヒータ10Aが取付けられている。又、前
記真空加熱装置10の外部に配管した排気管12には、
第1の冷却器13,第2の真空ポンプ14,第2の冷却
器15,第1の真空ポンプ16,第3の冷却器17,排
ガス処理装置18がそれぞれ管接続されている。
【0028】真空加熱装置10は抜油した変圧器1を収
容し、所定温度で加熱,減圧することによって、絶縁油
3に浸漬していた鉄心1aやコイル1bからなる変圧器
中身1A及びケース2の内側面に付着していたり、ケー
ス2内に残留しているPCBを含有する絶縁油を蒸発さ
せて除去する。又、第1〜第3の冷却器13,15,1
7は蒸発する絶縁油を順次冷却して液化し、即ち、蒸発
中の排気ガスから第2、第3の冷却器15,17に具備
させた気液分離手段(図示せず)により、排気ガス中の
油成分を分離回収して、PCBを大気中に放出させるこ
となく安全に回収を行うものである。
【0029】前記の気液分離手段としては、既に一般に
知られているコンデンサ(凝縮器)やミストコレクター
等を使用すればよい。更に、排気管12の先端に取付け
た排ガス処理装置18は、例えば、静電ミストセパレー
タと活性炭等の吸着部材とを組合せたものを用いること
により、大気中に排出される排ガス中にPCBが残存し
ないように除去して排出するように形成されており、排
気安全対策装置として機能するように構成されている。
【0030】次に前記真空加熱装置10を運転して、変
圧器1内に残存しているPCBを含有する絶縁油を蒸発
除去する場合について説明する。真空加熱装置(以下、
単に加熱装置という)10は、内部に所要数の変圧器1
を収容したらヒータ10Aを通電して加熱装置10内を
加熱する。この場合、変圧器1は搬送台9上に開口部を
上向きとして乗載する。これは、変圧器1を傾倒して乗
載するようにしても特に問題は生じないが、ケース2内
に残留する絶縁油が滴下した場合、これを加熱装置10
外に排出する必要がある。しかし、加熱装置10は加熱
に際してその室内を減圧する関係上、前記加熱装置10
と滴下油採油容器(図示せず)との間を開閉バルブにて
閉鎖しなければならず、前記開閉バルブを閉鎖すれば、
滴下油は結果的に採油できなくなり加熱装置10内に残
存することになる。本願発明者等はこれらの点に鑑み、
変圧器1の絶縁油は加熱装置10に収容する前に前述し
た方式で抜油すれば十分であるという確信を得たので、
変圧器1は開口部を上向きにして加熱・減圧処理するよ
うにしたものである。
【0031】加熱装置10は、最初に装置10内の温度
を例えば、100〜130℃に設定して変圧器1を加熱
する。この際、加熱装置10内の圧力は、加熱装置10
内の温度が130℃に到達する以前に、第1の真空ポン
プ16(第2の真空ポンプ14は開放状態にある)を駆
動し、900Pa以下に保持する。これは、加熱装置1
0内を酸素が残存している状態で一気に高温化すること
によって、発火等の不測の事態が生じるのを未然に阻止
するためである。従って、加熱装置10は減圧した状態
で加熱することが望ましい。そして、前記加熱・減圧処
理によって蒸発する絶縁油の蒸気は、第1の冷却器13
に設けた冷却手段により大半を冷却・凝縮させて液化
し、図示しない回収容器に一旦回収し、事前に抜油した
絶縁油3とともに別処理する。
【0032】一方、第1の冷却器13を通過したPCB
成分を含む排気ガスは、真空ポンプ14,16を通って
それぞれ隣接する第2,第3の冷却器15,17によ
り、更に各冷却器15,17に内蔵する気液分離手段を
用いて気液分離処理を促進し、排気ガス中のPCBをほ
ぼ100%補集分離する。そして、更に、排ガス処理装
置18により、排気ガスを濾過することにより、大気中
にPCBを排出させることなく、清浄な空気として排出
する。なお、冷却器15,17にて回収した絶縁油3は
冷却器13で回収した絶縁油3と同様に処理される。
【0033】前記のようにして加熱装置10に収容した
変圧器1を所定の時間で、所要の温度及び圧力で加熱・
減圧したら、加熱装置10内の温度を200〜300℃
未満に設定して変圧器を加熱するとともに、加熱装置1
0内の圧力(第1,第2の真空ポンプ16,14の同時
駆動)を、前記設定温度におけるPCBの蒸気圧以下、
例えば、900Pa以下に保持させる。
【0034】そして、変圧器中身1Aの表面温度が例え
ば、300℃近辺に達した時点から約2時間、この状
態、即ち、加熱装置10内の温度(300℃未満)及び
減圧(900Pa以下)状態を維持させる(変圧器1の
真空加熱時間)。前記真空加熱処理中に発生する絶縁油
の蒸気は、加熱装置10内の温度が100〜130℃の
場合と同様に、第1〜第3の冷却器13,15,17に
よりほぼ100%に近い状態で良好に冷却,凝縮させて
液化することができるとともに、排気ガスは排ガス処理
装置18にて清浄に濾化して大気中に放出される。
【0035】前記のように、加熱装置10内の温度を3
00℃未満に保持し、かつ、真空度を900Pa以下に
維持して変圧器1を加熱,減圧すると、変圧器1の表
面,即ち、ケース2の内,外面をはじめ、鉄心1a,コ
イル1bの表面においては、絶縁油はほぼ蒸発させて除
去することができ、これにより、金属,磁器類において
は残留絶縁油量を、前記温度,減圧条件下で2時間にわ
たる加熱,減圧処理によって、PCBをほぼ除去するこ
とができる。ただ、コイル1bに巻回されている絶縁物
(紙)及びコイル1b内の冷却通路を形成するダクトや
コイル押え(木)においては、絶縁油3が内部に浸透し
ている関係上、絶縁油3を完全に除去するまでには至ら
ないが、残留絶縁油量は極めて少なくなっている。
【0036】これは、前記のように、加熱装置10内の
加熱温度(300℃未満)と減圧(900Pa以下)効
果により、絶縁物は炭火する寸前の状態下にさらされて
いるために、絶縁油量が極めて少なくなっているものと
考えられるが、反面、コイル1b内部は銅線1b1 が密
に巻回されているので、浸透している絶縁油が外部に滲
出しにくいということもあり、金属,磁器類に比べて絶
縁油が完全に除去できないということは十分に考えられ
る。従って、前記絶縁物においては、PCBを完全に除
去する処理手段が確定するまで、別途密封容器に封入し
て保管することになる。
【0037】前記のようにして、変圧器1を真空加熱装
置10により加熱,減圧処理したら、変圧器1を常温に
降下した時点で加熱装置10から取出す。加熱装置10
から取出した変圧器1は図4に示すように、ケース2か
ら碍子2aを取外すとともに、変圧器中身1Aをケース
2内より引出す。碍子2a,変圧器中身1Aを取出した
ケース2は前記の加熱,減圧処理によってその内,外面
に絶縁油3が残存していることは全くない。これは、変
圧器中身1Aが収容されていてもケース2内は非常に空
所が多く、これにより加熱時の温度がケース2の内,外
面に効率よく作用し、しかも、ケース2は長時間にわた
り高温下に晒されているので、絶縁油3が残存する余地
がほとんどないからに他ならない。
【0038】ケース2から取出した変圧器中身1Aは、
図5(a)に示すように、変圧器中身1Aの鉄心1aに
止着した鉄心押えクランプ1cを鉄心1aから除去し、
つづいて、前記の状態で、鉄心1aの上部側の継鉄部と
脚鉄部との間に切断装置(例えば、電動グラインダーと
か電動式の金鋸等)を当てがい、鉄心1aの上部を鉄心
1aの積層方向と直交する方向に切断して鉄心1aの解
体を行う(なお、鉄心1aの切断は前記のように鉄心1
aの上部側を切断する代りに、切断装置19を縦方向に
位置させ、上部及び下部継鉄部をコイル1b,1bとの
間において、同時に切断して鉄心1aを解体するように
してもよい)。
【0039】前記鉄心1aの切断(解体)作業は、鉄心
1aとコイル1bとを分解するために行うものである
(なお、必要に応じて鉄心1aの代りにコイル1bをそ
の軸方向に沿って切断し、コイル1bを解体して鉄心1
aとコイル1bとを分解するようにしてもよい)。前記
のようにして鉄心1aを解体することにより、鉄心1a
の脚鉄部からコイル1b,1bをそれぞれ抜き取ること
によって、図5(b)で示すように、鉄心1aとコイル
1b,1bとを分離する。前記鉄心1aとコイル1b,
1bとの分解に際しては、変圧器1の加熱・減圧処理の
ところで説明したように、鉄心1a、コイル1bの各表
面は、絶縁油の付着に伴う油脂分が完全に近い状態で除
去されて無害化処理されているので、鉄心1aの解体及
びコイル1bの鉄心1aからの分離作業においては、ほ
ぼPCBによる悪影響を受けることはなく、安全に、か
つ、衛生的に鉄心1a及びコイル1bの解体,分解を行
うことができる。
【0040】次に、前記解体,分解した変圧器1の鉄心
1aとコイル1bは、加熱装置10に収容して再度加
熱,減圧処理を行う。図6に示すように、加熱装置10
内において、例えば、台座20の下段には解体した鉄心
1aを並べ、上段には鉄心1aより分解したコイル1b
を並置する。前記鉄心1aとコイル1bの加熱,減圧処
理は、変圧器1を最初に加熱,減圧処理したときとほぼ
同様の手順で行う。即ち、加熱装置10内の温度を急速
に昇温させてできるだけ早く300℃未満の範囲に維持
させる。又、加熱装置10内の圧力は第1,第2の真空
ポンプ16,14を駆動し、加熱装置10内の温度が1
30℃到達以前に900Pa以下に維持させる。そし
て、加熱装置10内が300℃未満の温度で、900P
a以下の減圧下において、前記解体した鉄心1aと鉄心
1aから分解したコイル1bとを、2時間以上の時間を
かけて加熱、減圧処理する。
【0041】前記の加熱,減圧処理において、鉄心1a
は既に解体されてバラバラの状態にあるため、鉄心内部
も減圧状態下で迅速に300℃未満の温度で加熱処理す
ることができるので、鉄心内部(層間)に万一絶縁油3
が残存(付着)していたとしても、確実に蒸発させて除
去することができる。一方コイル1bにおいても、変圧
器1の加熱,減圧処理時は、コイル1bの内側(鉄心1
aと接触していた部位)に鉄心1aが存在することによ
り、熱伝導性に仮に問題があったとしても、図6のよう
に、コイル1bは変圧器1の加熱,減圧時とは異なり、
裸の状態で加熱,減圧処理することができる結果、絶縁
油3の油脂分が仮に残存していても、良好に蒸発,除去
することが可能となる。
【0042】又、コイル1bの深層部(コイル1bの中
心部付近)においても、コイル1b単体でその内,外周
面を変圧器1の加熱,減圧処理時より高温下において加
熱処理を行うようにしたので、コイル1b内に残存ある
いは絶縁物に含浸している絶縁油3を良好に外部に滲み
出すことができ、前記滲出した絶縁油3は加熱装置10
内の高温により瞬時に蒸発させることができる。
【0043】そして、前記コイル1b等から蒸発した絶
縁油3や排気ガスは、変圧器1の加熱,減圧処理時と同
様に第1〜第3の冷却器13,15,17により、良好
に冷却処理されるとともに、排気ガスは排ガス処理装置
18にて確実にPCBを除去し、無害化したガス成分の
みを大気中に放出させ、排気ガスの放出に伴う悪影響を
確実に阻止する。
【0044】前記解体した鉄心1aと鉄心1aから分解
(分離)したコイル1bは、それぞれ常温近くまで温度
が低下したら加熱装置10から取出す。加熱装置10か
ら取出した鉄心1aは、既に解体されて鉄心1a自体の
形態をなしておらず、鉄心材料自体をバラバラに分解す
ることができるので、破砕処理を容易に行うことができ
る。一方、コイル1bについては、コイル1b自体が、
銅線1b1 を絶縁物(層間絶縁紙等)1b2 を介して巻
回されているため、この状態では、コイル1bを破砕し
て銅線1b1 と絶縁物1b2 とを個別に分割,回収する
ことは非常に手間と時間を必要とする。
【0045】このため、本発明においては、例えば、図
7に示すように、加熱,減圧処理を行ったコイル1bを
巻戻し機21に取付け、この巻戻し機21を駆動してコ
イル1bから銅線1b1 を巻戻し、銅線1b1 は巻取り
専用の巻取り軸22に巻取る。この巻取り軸22は、例
えば、円筒状の筒体をその軸方向に沿って傾斜状に切断
して2分割可能に設け、常時は円筒状をなして銅線1b
1 の巻取りを行い、巻取った銅線1b1 を巻取り軸22
から抜き取るときは、前記2分割した筒体を、傾斜状の
切断部を利用して互いに相反する軸方向に沿って移動さ
せることにより(楔作用の解消)、巻取り軸22の径寸
法を縮少する。このように、巻取り軸22の径寸法を縮
少すれば、コイル1bを分解して巻取った銅線1b1
簡単に抜取ることが可能となる。
【0046】又、前記コイル1bの分解時、即ち、銅線
1b1 の巻戻し時において、銅線1b1 自体が絶縁物1
2 自体を付着して巻戻しされた場合は、図7に示すよ
うに、銅線1b1 の巻戻し途中において、ワイヤーブラ
シ等の掻き取り手段(剥離手段)21aを用いて、銅線
1b1 に被着したエナメル等の絶縁被膜をも剥離させる
ような状態で、絶縁物1b2 の掻き取りを行う。この結
果、コイル1bは銅線1b1 のみを絶縁物1b2 の存在
に妨げられることなく、良好に分解することが可能とな
る。
【0047】前記コイル1bの分解作業時、銅線1b1
から分離される絶縁物1b2 は、変圧器1とコイル1b
のときの2回加熱,減圧処理をしているが、ケース2,
鉄心1a,碍子2a類等金属や磁器製品のように、絶縁
油3が含浸しない部材と異なり、繊維質の部材によって
製造されているので、当然2回の加熱,減圧処理を行っ
ても、含浸している絶縁油3が完全に除去されることは
ない。従って、前記コイル1bを分解したときに残存す
る絶縁物1b2 は、コイル1bの冷却ダクトやコイル押
えに用いる木材からなる絶縁部材も含めて、すべてPC
Bを安全に無害化処理する手段が確定するまでは、図示
しない密封容器に収容して保管することになる。
【0048】一方、ケース2や鉄心1a,銅線1b1
の金属部材は、PCBを除去すれば、有価物として再利
用をすることができる。前記金属部材においては、絶縁
油3に浸漬されていたとしても、1又は2回の加熱,減
圧処理を行うことにより、絶縁油3は絶縁物1b2 と異
なり材料自体の内部に含浸していることは全くないの
で、前記加熱,減圧処理を所定時間行うことにより、簡
易にPCB含有の絶縁油3を除去して無害化処理を迅速
・確実に促進することができる。
【0049】そして、前記無害化処理を行った金属部
材、即ち、図8に示すケース2,鉄心1aは、それぞれ
図示しないハンマープレス等の圧潰手段を用いて粗く破
砕する。前記粗く破砕したケース2や鉄心1aの破砕部
材は、そのままでは単なる金属の破片に過ぎず、大,小
の破片が混在しているため、再利用に際して搬送する場
合は結構搬送面積を必要とする。このため、本発明で
は、前記破砕したケース2や鉄心1aの破片を更に、図
8で示すような金属破砕機23に投入し、破砕カッター
23aにより微細に破砕することにより、減容処理す
る。又、コイル1bより分離した銅線1b1 について
も、例えば、別の金属破砕機を用いて粉砕することによ
り、鉄心1a等とは個別に減容処理する。なお、金属破
砕機23により微細に破砕されたケース2や鉄心1aの
金属片24は、一旦回収容器23bに収容し有価物とし
て再利用するまで保管する。
【0050】以上説明したように、PCBを含有する絶
縁油3を使用した変圧器1は、最初に抜油した変圧器1
自体の加熱,減圧処理を行い、次に変圧器中身1Aを鉄
心1aとコイル1bとに分解して再度加熱,減圧処理し
てケース2と鉄心1aに関しては、PCBを含有する絶
縁油3がほぼ完全に除去されて無害化処理が行い得、
又、コイル1bに関してはコイル1bを構成する銅線1
1 と絶縁物1b2 とを個別に分解し、銅線1b1 に関
しては鉄心1aと同様に無害化処理が行い得、絶縁物1
2 は内部にPCBを含有する絶縁油3が残留している
可能性があるため、現状ではこれを確実に無害化処理す
る手段が確定するまで別に保管する。
【0051】そして、ケース2,鉄心1a,銅線1b1
は無害化処理後有価物として再利用するために破砕処理
を行って減容処理するようにしたので、PCB含有絶縁
油3を使用した変圧器1を安全に、かつ、迅速・容易に
無害化処理することが可能となり、しかも、最終処理工
程においては、変圧器1に用いられている金属部材は、
すべて有価物として減容処理することができる。従っ
て、変圧器1の解体処理は、小量の有害な保管物(絶縁
物1b2 )が生じるのみで、大部分は有価物として再利
用することができるため、その解体処理作業は安全に、
かつ、経済的に行うことができる。
【0052】なお、変圧器中身1Aを解体する場合、即
ち、前記鉄心1aの上部,下部継鉄部をコイル1b,1
bとの間で切断したとき、コイル1bを鉄心1aから抜
くことが困難な場合は、鉄心1a自体を軸芯として図示
しない巻戻し機に取付け、この鉄心1aを回転させるこ
とにより、コイル1bから銅線1b1 を巻戻してコイル
1bと鉄心1aとを個別に分離するようにしてもよい。
【0053】又、真空加熱処理した変圧器中身1Aは、
鉄心1aを切断してコイル1bを鉄心1aから分離する
代りに、変圧器中身1Aを切断装置を用いて鉄心1aや
コイル1bを任意の大きさに切断して細分化し、この細
分化された鉄心1a,コイル1bの塊を再度前記変圧器
1の真空加熱処理と同一条件で真空加熱処理を行い、こ
の後、鉄心1a等の塊をハンマークラッシャー等の圧潰
手段で圧潰・破砕するか、あるいは、回転する攪拌ドラ
ムに収容して鉄心1a等の塊同志を揺動接触させて、絶
縁物1b2 をコイル1bの銅線1b1 から分離させ、つ
づいて、磁力・風力選別機等により鉄心1a等の金属類
と層間絶縁紙等の絶縁物1b2 とに分離し、金属類(鉄
心1a,銅線1b1 )は有価物として回収し、絶縁物1
2 は保管物として密封容器に収集保管するようにし
て、再生油を使用した変圧器1を無害化処理するように
してもよい。
【0054】次に本発明の第2実施例を図9,10,1
2によって説明する。この第2実施例において、第1実
施例で説明した部材と同一部材は同一符号を用いて説明
する。そして、第2実施例で示す変圧器1の無害化処理
と、前記第1実施例で説明した無害化処理との違いは、
変圧器1のコイル1bに使用されている絶縁物1b2
炭化処理及び変圧器中身1Aの解体処理である。この第
2実施例における変圧器1の無害化処理は、その概要は
図12のフローチャート図で示すように、事前にPCB
を含有する絶縁油3を充填した変圧器1は、ケース2か
ら絶縁油3を第1実施例と同様に排油ポンプ4を用いて
抜油する。
【0055】絶縁油3を抜油した変圧器1は、そのまま
加熱装置10にケース2の開口部を上向にして収容す
る。なお、必要に応じて変圧器1は傾倒した状態で収容
するようにしてもよい。この後、加熱装置10内の温度
はヒータ10Aの通電により徐々に昇温させるととも
に、圧力も真空ポンプ14,16を駆動して加熱装置1
0内の温度が130℃に達するまでに900Pa以下に
減圧させる。そして、加熱装置10を運転してから所定
時間経過した時点で、加熱装置10内の温度を約300
℃以上に、そして、圧力は900Pa以下に維持し、こ
の状態を更に5時間以上維持して変圧器1の加熱,減圧
処理を行う。
【0056】前記のように、加熱装置10内の温度を3
00℃以上に保ち、かつ、圧力は900Pa以下に維持
して変圧器1を加熱,減圧処理すると、前記変圧器1の
加熱,減圧処理中にケース2内あるいは変圧器中身1A
に残存している絶縁油3は、その大部分が加熱装置10
内の温度が300℃に達した時点、即ち、加熱,減圧処
理を開始したときから2時間経過した時点では、大部分
が蒸発してしまうことになる。即ち、変圧器中身1Aは
ケース2内において、あたかも蒸し焼状態で処理される
ことになる。この結果、コイル1bに巻回されている層
間絶縁紙や木製の冷却ダクト,コイル押え等からなる絶
縁物1b2 は発火することなく、ごく自然に炭化処理す
ることができる。又、コイル1bの銅線1b1 ,鉄心1
aも高温下で長時間晒されていることになるため、相当
脆弱な状態で処理することができる。
【0057】加熱,減圧処理中に発生した絶縁油3,排
気ガスの処理は、第1実施例で説明したように、第1〜
第3の冷却器13,15,17及び排ガス装置18によ
り円滑に処理し、PCBを含有する絶縁油や排ガスが外
部に放出されないように処理する点は同じであるので、
詳細な説明は省略する。
【0058】前記加熱,減圧処理した変圧器1はケース
2内から変圧器中身1Aを取出し、そのまま図9に示す
振動装置25に収容する。一方変圧器中身1Aを取出し
たケース2は、碍子類等の付属品を取外した後、そのま
まハンマプレス等の圧潰手段により適宜の大きさで粗く
破砕し、破砕部材は更に、金属破砕機23用いて微細に
破砕して減容処理を行う。前記ケース2は加熱,減圧処
理によってPCBを含有する絶縁油3が残存しているこ
とがないので、有価物として良好に、かつ、安全に減容
処理することが可能となる。
【0059】変圧器中身1Aについては、振動装置25
内に設けた例えば、振動モータ25aを駆動して振動さ
せると、コイル1bに巻回されている絶縁物1b
2 (紙,木)は、加熱,減圧処理段階で高温処理されて
炭化状態にあるため、簡単にコイル1bから分離されて
振動装置25底面の回収容器25b内に落下して回収す
ることができる。絶縁物1b2 の除去が完了したら変圧
器中身1Aを振動装置25から取出す。前記取出した変
圧器中身1Aは、前記コイル1bの絶縁物1b2 が事前
に除去されているので、コイル1bは銅線1b1 のみが
残っているだけであるため、鉄心1aにはガサガサの状
態で保持されている。
【0060】このため、鉄心1a又はコイル1bの銅線
1b1 を切断装置により切断処理することにより、鉄心
1aと銅線1bとを容易に分離することができる。この
分離作業において、鉄心1aや銅線1bは、前記ケース
2と同様に、高温,減圧下で無害化処理されているた
め、PCBを含有する絶縁油3が内,外周面に付着して
残存しているということは全くなく、安全に分離作業を
行うことができる。
【0061】前記分離された鉄心1a,銅線1bは更
に、第1実施例で説明したように、個別に金属粉砕機2
3に投入して粉砕することにより、有価物として良好に
減容処理し、その再利用をはかる。一方、炭化されてほ
とんど灰状となっている絶縁物1b2 については、PC
Bが残留している可能性があるため、第1実施例と同様
に密封容器に封入して無害化処理の基準値が確定するま
で保管する。このように、第2実施例においては、絶縁
物1b2 を炭化処理することにより、第1実施例の如く
変圧器中身1Aを分解した後、再度鉄心1a,コイル1
bを加熱,減圧処理する工程(図10のフローチャート
図参照)が不要となるため、変圧器1の無害化処理を効
率的に行うことができる。
【0062】つづいて、図13により本発明の第3実施
例について説明する。この第3実施例は、第2実施例と
同じように、PCBを含有する絶縁油3を抜油した後、
300℃以上の温度で、かつ、900Pa以下の減圧下
で変圧器1を加熱,減圧処理する工程は同じである。第
2実施例と異なる点は、加熱,減圧処理した後変圧器1
を解体する手段である。
【0063】即ち、第3実施例においては、変圧器1を
高温,減圧下において無害化処理した後、変圧器中身1
Aをケース2から取出したら、これを例えば、図示しな
い切断装置を用いて鉄心1a,コイル1bを同時に細か
く破砕処理するとともに、炭化した絶縁物1b2 と、鉄
心1aは風力,磁力選別手段により個別に分別・回収す
ることにより分離する。この作業は炭化した絶縁物1b
2 が粉塵となって飛散しないように密閉した容器内で、
切断装置を遠隔操作により駆動して行うことは当然であ
る。又、銅線1b1 の破砕材は鉄心1a,絶縁物1b2
を除去した後、最後に回収するようにすればよい。更
に、ケース2においては、これまでと同様に個別に圧潰
手段と金属破砕機23を用いて減容処理する。
【0064】前記第3実施例においては、変圧器中身1
A自体を破砕処理することができるので、鉄心1aやコ
イル1bを個別に解体して分離するという手間が不要と
なるため、PCB含有の絶縁油3を使用した変圧器1の
無害化処理を更に効率的に、かつ、安全に行うことがで
きる。なお、炭化した絶縁物1b2 は密閉容器に回収す
ることは第1,第2実施例と同じである。
【0065】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、PCB
を含有する再生油(絶縁油)を使用した変圧器を処理す
る場合、絶縁油を抜油した変圧器を所定時間高温(30
0℃未満),減圧(900Pa以下)処理し、次に、変
圧器のケースから変圧器中身を取出し、これを鉄心とコ
イルに分解してこれら鉄心とコイルとを個別に再度真空
加熱装置にて所定時間高温(300℃未満),減圧(9
00Pa以下)したあと、ケースと鉄心はプレス等によ
り圧潰した後、破砕手段により細かく破砕して有価物と
して再利用を図るとともに、コイルにおいてはコイルの
銅線を巻戻し機により絶縁物を剥離しながら巻戻すこと
により、銅線と絶縁物とに分離し、銅線は鉄心等と同じ
ように破砕処理して有価物として再利用し、絶縁物はP
CBを含有している虞れがあるため、保管物として密封
容器に収容して保管する。この結果有価物として再利用
するケース,鉄心,銅線は、真空加熱装置において2回
(ケースは1回)にわたり高温・減圧処理を行ってPC
Bを除去(無害化)するようにしたので、再生油を使用
した変圧器の有価物と保管物との分別処理を安全に、か
つ、迅速・確実に行うことができる。
【0066】又、本発明は、変圧器を絶縁物が炭化する
300℃以上の温度及び900Pa以下の減圧下で処理
し、前記加熱、減圧処理した変圧器から変圧器中身を取
り出し、この変圧器中身をそのまま振動発生装置に収容
し、振動等の外力を加えて振動処理することにより、炭
化した絶縁物を鉄心,コイルから分離したり、あるい
は、加熱,減圧処理した変圧器中身を圧潰・破砕し、破
砕した変圧器中身から更に鉄心,コイルの銅線,炭化し
た絶縁物を磁力・風力選別機等を用いて個別に分別回収
することにより、再生油を使用した変圧器を有価物と保
管物とに分別処理するようにしたので、絶縁物は事前に
炭化処理されていることにより、鉄心やコイルからの分
別作業は容易に行うことができる。しかも、前記分別し
た炭化した絶縁物は、PCBが残存する虞れがあるた
め、廃棄せず、密封容器に一時保管することになるもの
の、鉄心やコイルの銅線は脆弱化しているので、破砕手
段により簡単に細く破砕することが可能となり、再生油
使用変圧器の無害化処理と、有価物として再利用処理と
を安全に、かつ、短時間で効率的に行うことができ利便
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】再生油使用変圧器から絶縁油の抜取り状態を示
す断面図である。
【図2】抜油した変圧器を更に転倒させて残存する絶縁
油の滴下採油状態を示す断面図である。
【図3】本発明における再生油使用変圧器の無害化処理
(真空加熱,減圧処理)の1例を示す概略構成図であ
る。
【図4】真空加熱,減圧処理した変圧器を分解して示す
分解図である。
【図5】変圧器中身の解体状況を説明するための説明図
である。
【図6】解体した鉄心とコイルを再度真空加熱,減圧処
理する状態を示す概略構成図である。
【図7】コイルを銅線と絶縁物とに分離する状態を示す
説明図である。
【図8】ケース,鉄心を破砕する1例を示す説明図であ
る。
【図9】変圧器中身を振動処理して炭化した絶縁物を分
離する状態を示す説明図である。
【図10】本発明の第1実施例の概要を示すフローチャ
ート図である。
【図11】本発明の第1実施例における他の実例の概要
を示すフローチャート図である。
【図12】本発明の第2実施例の概要を示すフローチャ
ート図である。
【図13】本発明の第3実施例の概要を示すフローチャ
ート図である。
【符号の説明】
1 変圧器 1A 変圧器中身 1a 鉄心 1b コイル 1b1 銅線 1b2 絶縁物 10 真空加熱装置 21 巻戻し機 23 金属破砕機 25 振動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河瀬 文雄 愛知県春日井市愛知町1番地 愛知電機株 式会社内 (72)発明者 恒川 茂樹 愛知県春日井市愛知町1番地 愛知電機株 式会社内 (72)発明者 城 康彰 愛知県春日井市愛知町1番地 愛知電機株 式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA50 AB05 AB06 CA02 CA04 CA07 CA09 CA12 CA26 CB12 CB13 CB50 DA03 DA06 DA07 5E050 GA02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 再生油使用変圧器を有価物と保管物とに
    区分して処理するシステムであって、変圧器のケースか
    ら絶縁油を除去する工程と、前記絶縁油を除去した変圧
    器を真空加熱装置に収容して、温度300℃未満,圧力
    900Pa以下の条件下で2時間以上真空加熱処理する
    工程と、前記真空加熱処理した変圧器をケースと変圧器
    中身とに分解する工程と、変圧器中身を鉄心とコイルと
    に分離する工程と、前記分離した鉄心とコイルとを真空
    加熱装置にて温度300℃未満,圧力900Pa以下の
    条件下で2時間以上再度真空加熱処理する工程と、コイ
    ルの銅線をその巻戻し途中に絶縁物を除去しながら鉄心
    より分離する工程と、前記ケース,鉄心及び絶縁物を除
    去した銅線をそれぞれ個別に圧潰しながら順次破砕して
    有価物として個別に減容処理する工程と、前記銅線の巻
    戻し時に除去した絶縁物を密封容器に回収する工程とに
    よって、再生油使用変圧器を有価物と、保管物とに分別
    処理可能としたことを特徴とする再生油使用変圧器の処
    理システム。
  2. 【請求項2】 前記鉄心とコイルとの分離は、鉄心の脚
    鉄部あるいは継鉄部を切断することによりコイルを鉄心
    から抜取るようにしたことを特徴とする請求項1記載の
    再生油使用変圧器の処理システム。
  3. 【請求項3】 前記鉄心とコイルとの分離は、鉄心の継
    鉄部を巻回方向と直交する方向に切断し、前記継鉄部を
    切断した鉄心の脚鉄部を枢軸として回転させて、コイル
    の銅線を鉄心から分離するようにしたことを特徴とする
    請求項1記載の再生油使用変圧器の処理システム。
  4. 【請求項4】 前記銅線からの絶縁物の除去は、銅線の
    外表面をワイヤブラシ等の剥離手段により剥離させて絶
    縁物を除去するようにしたことを特徴とする請求項1記
    載の再生油使用変圧器の処理システム。
  5. 【請求項5】 再生油使用変圧器を有価物と保管物とに
    区分して処理するシステムであって、変圧器のケースか
    ら絶縁油を除去する工程と、前記絶縁油を除去した変圧
    器を真空加熱装置に収容して、温度300℃未満,圧力
    900Pa以下の条件下で2時間以上真空加熱処理する
    工程と、前記真空加熱処理した変圧器をケースと変圧器
    中身とに分解する工程と、前記ケースを圧潰して有価物
    として減容処理する工程と、変圧器中身を任意の大きさ
    に切断して細分化する工程と、前記細分化した変圧器中
    身を真空加熱装置にて温度300℃未満、圧力900P
    a以下の条件下で2時間以上再度真空加熱処理する工程
    と、前記真空加熱処理して細分化された変圧器中身を圧
    潰あるいは揺動接触させて鉄心等の金属類と紙・木類等
    の絶縁物とに分離する工程と、更に、磁力・風力選別等
    によって有価物となる鉄心,銅線と保管物となる絶縁物
    とに分別・回収する工程とによって、再生油使用変圧器
    を有価物と、保管物とに分別処理可能としたことを特徴
    とする再生油使用変圧器の処理システム。
  6. 【請求項6】 再生油使用変圧器を有価物と保管物とに
    区分して処理するシステムであって、変圧器のケースか
    ら絶縁油を除去する工程と、前記絶縁油を除去した変圧
    器を真空加熱装置に収容して、温度300℃以上、圧力
    900Pa以下の条件下で5時間以上真空加熱処理して
    絶縁物を炭化させる工程と、前記真空加熱処理した変圧
    器をケースと変圧器中身とに分解する工程と、前記変圧
    器中身を振動発生装置に収容して所定時間振動処理して
    炭化した絶縁物と鉄心・コイルとに分別する工程と、前
    記絶縁物を分別して除去した鉄心とコイルとを切断手段
    により裁断して個別に分離する工程と、前記ケース,鉄
    心,コイルをそれぞれ個別に圧潰・破砕して個別に有価
    物として減容処理し、かつ、炭化した絶縁物を密封容器
    に回収する工程とによって、再生油使用変圧器を有価物
    と、保管物とに分別処理可能としたことを特徴とする再
    生油使用変圧器の処理システム。
  7. 【請求項7】 再生油使用変圧器を有価物と保管物とに
    区分して処理するシステムであって、変圧器のケースか
    ら絶縁油を除去する工程と、前記絶縁油を除去した変圧
    器を真空加熱装置に収容して、温度300℃以上、圧力
    900Pa以下の条件下で5時間以上真空加熱処理して
    絶縁物を炭化させる工程と、前記真空加熱処理した変圧
    器をケースと変圧器中身とに分解する工程と、前記ケー
    スを圧潰した後有価物として減容処理する工程と、前記
    変圧器中身自体を圧潰・破砕して減容処理する工程と、
    更に、前記減容処理した変圧器中身を磁力・風力選別等
    によって有価物となる鉄心,銅線と保管物となる炭化し
    た絶縁物とに分別・回収する工程とによって、再生油使
    用変圧器を有価物と、保管物とに分別処理可能としたこ
    とを特徴とする再生油使用変圧器の処理システム。
  8. 【請求項8】 変圧器から絶縁油を除去する手段と、前
    記絶縁油を除去した変圧器を所定の温度及び減圧状態で
    真空加熱する手段と、前記真空加熱処理した変圧器をケ
    ースと変圧器中身とに分解し、かつ、変圧器中身を構成
    する鉄心とコイルとを個別に分離する手段と、前記個別
    に分離した鉄心とコイルとを再度真空加熱処理した後コ
    イルの銅線を巻戻しながら銅線に付着している絶縁物を
    除去する手段と、前記ケース,鉄心,銅線を個別に圧潰
    ・破砕して減容処理する手段と、銅線から除去した絶縁
    物を回収する手段とを具備して構成したことを特徴とす
    る再生油使用変圧器の処理装置。
  9. 【請求項9】 変圧器から絶縁油を除去する手段と、前
    記絶縁油を除去した変圧器を所定の温度及び減圧状態で
    真空加熱する手段と、前記真空加熱処理した変圧器をケ
    ースと変圧器中身とに分解し、ケースを圧潰して減容処
    理する手段と、前記変圧器中身を任意の大きさに裁断し
    て細分化する手段と、前記細分化した変圧器中身を再度
    真空加熱処理した後前記細分化した変圧器中身を圧潰あ
    るいは揺動接触させてコイルの絶縁物を銅線から分離さ
    せる手段と、前記鉄心,銅線と絶縁物とを有価物と保管
    物とに分別する磁力・風力選別機等からなる手段と、更
    に、前記銅線から除去した絶縁物を回収する手段とを具
    備して構成したことを特徴とする再生油使用変圧器の処
    理装置。
  10. 【請求項10】 変圧器から絶縁油を除去する手段と、
    前記絶縁油を除去した変圧器を所定の温度及び減圧状態
    で真空加熱する手段と、前記真空加熱処理した変圧器を
    ケースと変圧器中身とに分解し、かつ、変圧器中身を構
    成する鉄心部分をコイルを具備した状態で2分割する手
    段と、前記2分割した鉄心をそれぞれコイルを具備した
    状態で再度真空加熱処理した後鉄心を軸芯として鉄心に
    具備されるコイルの銅線を巻戻しながら銅線に付着して
    いる絶縁物を除去する手段と、前記ケース,鉄心,銅線
    を個別に圧潰・破砕して減容処理する手段と、銅線から
    除去した絶縁物を回収する手段とを具備して構成したこ
    とを特徴とする再生油使用変圧器の処理装置。
  11. 【請求項11】 変圧器から絶縁油を除去する手段と、
    前記絶縁油を除去した変圧器を絶縁物が炭化する所定の
    温度及び減圧状態で真空加熱する手段と、真空加熱処理
    した変圧器をケースと変圧器中身とに分解し、かつ、変
    圧器中身を所定時間振動処理させて炭化した絶縁物と鉄
    心・コイルとに分別する手段と、前記炭化した絶縁物を
    除去した鉄心とコイルとを切断機等を用いて個別に分別
    処理する手段と、更に、前記分別したケース,鉄心,コ
    イルを個別に圧潰・破砕して減容処理する手段と、コイ
    ルから分離した炭化絶縁物を回収する手段とを具備して
    構成したことを特徴とする再生油使用変圧器の処理装
    置。
  12. 【請求項12】 変圧器から絶縁油を除去する手段と、
    前記絶縁油を除去した変圧器を絶縁物が炭化する所定の
    温度及び減圧状態で真空加熱する手段と、真空加熱処理
    した変圧器をケースと変圧器中身とに分解し、かつ、前
    記変圧器中身自体を圧潰・破砕して減容処理する手段
    と、前記減容処理した変圧器中身を鉄心,コイルの銅
    線,炭化した絶縁物とに個別に分別して回収する手段と
    を具備して構成したことを特徴とする再生油使用変圧器
    の処理装置。
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