JP2004160350A - Pcb汚染物の除染装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】気密性に優れた容器と、前記容器に振動を付与するための振動手段とを備え、前記容器内に予め所定の大きさに破砕処理されたPCB(ポリ塩化ビフェニル)が付着・浸透した汚染物を収容し、前記振動手段にて容器に振動を付与しながら、前記汚染物の洗浄処理と真空加熱処理とを、前記容器内において連続的に行うように構成したことを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、PCB(ポリ塩化ビフェニル)が付着・浸透した汚染物から、前記PCBを除去するための除染装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、使用済みの電気機器(例えば、柱上変圧器等)は、絶縁油を抜油して解体した後、有価物として処理業者により鉄類,銅類が分別回収され、有効利用されてきた。前記電気機器に使用される絶縁油には、電気絶縁特性,難燃特性に優れた物質であるPCB(ポリ塩化ビフェニル)が含有されている場合があるが、前記PCBは人体に悪影響を与える有害な物質であるため、電気機器を解体し、鉄類,銅類を回収するためには、前記電気機器からPCBを除去する必要がある。
【0003】
前記電気機器からPCBを除去する方法としては、例えば、電気機器から絶縁油を抜油した後、原姿の状態(即ち、電気機器のケース内に中身を収納したままの状態)で洗浄溶剤により洗浄処理を行うとともに、所定の温度・圧力条件下で加熱処理を行うことによって、PCBを除去するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−79531号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、前記の方法においては、電気機器を原姿の状態で洗浄処理するようにしているので、前記電気機器のケースや碍子等の表面に付着しているPCBは、比較的容易に洗浄・除去することができるものの、前記電気機器の中身である、例えば、鉄心の層間やコイルの内部まで浸透しているPCBを円滑・迅速に除去することは非常に困難であった。
【0006】
また、加熱処理についても、電気機器は原姿の状態のままで行っているので、鉄心層間やコイル内部への熱伝達には時間がかかり、前記鉄心層間やコイル内部に残留している(洗浄処理で除去しきれない)PCBを蒸発・除去するには多大な時間を必要としていた。なお、鉄心層間やコイル内部への熱伝達を迅速に行うためには、加熱温度を高く設定すればよいが、前記コイルを高温で加熱すると、該コイルに使用されている紙・木類から副生成物(タール等)が発生するため、前記副生成物の除去も必要となり、非常に面倒であった。
【0007】
更に、洗浄処理及び加熱処理は、一般に別々の装置を用いて行っているため、洗浄処理に際しては、電気機器の洗浄装置への搬入及び洗浄装置からの搬出作業が、加熱処理に際しては、電気機器の加熱装置への搬入及び加熱装置からの搬出作業がそれぞれ必要となるため、非常に手間と時間がかかり面倒であった。その上、電気機器は原姿の状態で洗浄処理及び加熱処理しているため、一度に複数の電気機器を洗浄、あるいは、加熱処理しようとする場合には、装置が大形化して広大な設置スペースが必要となるという問題があった。
【0008】
本発明は、前記種々の問題点に鑑み、PCBが付着・浸透した汚染物から、効率的に前記PCBを除去することが可能なPCB汚染物の除染装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、気密性に優れた容器と、前記容器に振動を付与するための振動手段とを備え、前記容器内にPCB(ポリ塩化ビフェニル)が付着・浸透した汚染物を収容し、前記振動手段にて容器に振動を付与することにより汚染物を容器内で流動させながら、真空加熱処理を行うように構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、汚染物を流動させることで、前記汚染物に対して効率よく熱を伝達することが可能となり、この結果、真空加熱処理に必要な時間を良好に短縮することができる。その上、前記汚染物は、容器内で流動することにより、比較的低い温度であってもムラなく迅速に加熱されて、PCBを効率的に蒸発・除去できる結果、高温で加熱することにより汚染物から副生成物(タール等)が発生するのを良好に抑制することが可能となる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記汚染物は、事前に洗浄溶剤により洗浄処理されていることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、真空加熱処理の前に汚染物を洗浄溶剤によって洗浄処理しておくことにより、汚染物に付着・浸透しているPCBを予めある程度まで除去しておくことができるので、真空加熱処理に必要な時間をより一層短縮することが可能となる。
【0013】
請求項3記載の発明は、気密性に優れた容器と、前記容器に振動を付与するための振動手段とを備え、前記容器内にPCB(ポリ塩化ビフェニル)が付着・浸透した汚染物を収容し、前記振動手段にて容器に振動を付与しながら、前記汚染物の洗浄処理と真空加熱処理とを、前記容器内において連続的に行うように構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、汚染物の洗浄処理と真空加熱処理とを、1台の装置において連続的に行うことができるので、前記各処理を行うために汚染物をその都度装置に搬入したり、装置から搬出したりする手間を省くことが可能となり、この結果、作業効率を良好に向上させることができる。また、汚染物の洗浄処理においては、容器を振動させることによる洗浄溶剤の攪拌効果と、汚染物の伸縮による揉み洗い効果とによって、PCBを汚染物から効率的に抽出・除去することができるので、真空加熱処理に先立って、大半のPCBを汚染物から除去することが可能となり、この結果、真空加熱処理に必要な時間を大幅に短縮することができ、大変利便である。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3記載の発明において、前記汚染物は、予め所定の大きさに破砕処理されていることを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、汚染物を予め所定の大きさ(洗浄処理及び真空加熱処理に適した大きさ)に破砕処理しておくことにより、原姿の状態で洗浄処理及び真空加熱処理を行う場合に比べ、汚染物から効率的にPCBを除去することができるとともに、装置の形状をコンパクトに形成することが可能となる結果、装置の設置スペースを良好に縮小することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図1ないし図4を参照しながら説明する。はじめに、図1はPCBが付着・浸透した汚染物から、前記PCBを除去するための除染設備の一例を示す概略構成図である。図1において、1は本発明の除染装置であり、本発明では、この除染装置1において汚染物の洗浄処理と真空加熱処理とを連続的に行うものである。前記除染装置1は、図2,3で示すように、ベース2に立設した複数の支柱3上に、ばね等の弾性体4を介して揺動可能に載置した気密性に優れた容器5と、前記容器5に楕円を描くような特殊な振動を付与して該容器5を揺動させるための振動手段6(例えば、振動モータ等)とを具備して概略構成されている。
【0018】
前記容器5は、図4で示すように、その外周を囲繞する状態でジャケット5aを配設することにより、2重壁構造となして形成されており、前記ジャケット5aから突出する一方端側(図4の右側)には、蓋体5bが気密に取付けられている。また、前記容器5には、その上部側にPCBが付着・浸透した汚染物及び前記汚染物の洗浄処理に使用する洗浄溶剤を投入するための投入部7と、汚染物の真空加熱処理時に容器5内が所定圧力となるように、前記容器5内から排気を行うための排気部8とを備え、かつ、蓋体5bの下部側には、前記汚染物の洗浄処理に使用した洗浄溶剤及びPCBを除去した後の汚染物を排出するための排出部9を備えている。
【0019】
なお、前記排出部9には、図4で示すように、該排出部9を気密に閉鎖可能な開閉弁9aと、洗浄溶剤と汚染物とを分離・濾過するためのフィルター9bとがそれぞれ配設されている。また、前記排気部8には、必要に応じて、真空加熱処理時に汚染物が、該汚染物から蒸発するPCBを含む蒸気とともに容器5外に排出されるのを阻止するためのフィルターを配設するようにしてもよい。
【0020】
次に、前記振動手段6は、容器5に対して直接、あるいは、間接的に振動を伝達できるように構成されており、本発明においては、図2,3で示すように、容器5の下部側に直接垂設されている。そして、前記振動手段6を起動すると、容器5は楕円を描くような特殊な振動が付与されて揺動し、前記容器5内部に投入した洗浄溶剤や汚染物を攪拌・流動させる。
【0021】
つづいて、図1において、10は除染装置1の容器5内を所定温度に加熱するための加熱手段であり、例えば、熱媒タンク10aと加熱ヒータ10bとを備え、容器5の外周に配設したジャケット5a内に、熱媒供給管10cを介して所定温度に加熱した熱媒体(加熱した水蒸気、オイル等)を循環供給するように構成されている。なお、前記加熱手段10は、前記構成に限定することなく、例えば、前記ジャケット5a内に加熱ヒータを配設する等して構成するようにしてもよい。
【0022】
11は除染装置1の容器5上部側に形成した排気部8に接続された排気管であり、前記排気管11には、冷却手段(例えば、凝縮器等)12,排気手段(例えば、真空ポンプ等)13,排気安全対策手段14が、この順番でそれぞれ管接続されている。なお、冷却手段12及び排気手段13の数はこれに限定することなく、必要に応じて適宜変更可能であることはいうまでもない。
【0023】
前記冷却手段12は、汚染物から蒸発するPCBを含む蒸気を冷却・凝縮して液化し、前記蒸気に含まれるPCBを回収するためのものである。また、排気手段13は、前記冷却手段12を介して容器5内から順次排気を行うことにより、前記容器5内を所定圧力に調整・保持するとともに、容器5内で発生するPCBを含んだ蒸気を冷却手段12内に流入させるためのものである。更に、排気安全対策手段14は、冷却手段12において回収しきれなかった排気ガス中に含まれるPCBを捕集・分離し、清浄な空気のみを大気中に排出するためのものであり、例えば、ミストコレクター14aと、静電ミストセパレーター及び活性炭等の吸着部材を備えた排ガス処理装置14bとを具備して構成されている。
【0024】
以下、本発明の除染装置1を使用して、PCBが付着・浸透した汚染物から、前記PCBを除去する場合について説明する。なお、ここでは一例として、PCBが低濃度で含まれる絶縁油を使用した変圧器の変圧器中身(鉄心及びコイル)から、前記PCBを除去する場合について説明する。
【0025】
変圧器からPCBを除去するに当たっては、はじめに、変圧器のケース内から絶縁油を、ポンプを用いて吸引したり、あるいは、ケースを傾倒させる等して抜油する。つづいて、ケースから変圧器中身を取出し、前記変圧器中身を構成する鉄心及びコイルを、それぞれ個別に破砕手段を用いて所定の大きさ(除染装置1における洗浄処理及び真空加熱処理に適した大きさであり、例えば、約10mm程度)に破砕処理する。なお、破砕処理したコイルは、選別手段を用いて銅線と紙・木類に分別した状態で、それぞれ後述する洗浄処理及び真空加熱処理を行うようにしてもよいし、銅線と紙・木類が混在した状態で後述する洗浄処理及び真空加熱処理を行うようにしてもよい。
【0026】
前記のように、PCBを含む絶縁油が付着・浸透した鉄心及びコイル(以下、「汚染物」と称す)をそれぞれ所定の大きさに破砕処理したら、次に、除染装置1において前記汚染物の洗浄処理を行う。汚染物の洗浄処理を行うに際しては、除染装置1の容器5内に、その投入部7から前記汚染物と洗浄溶剤(例えば、ノルマルヘキサン等)とを所定量投入し、この状態で、振動手段6を起動する。
【0027】
振動手段6が起動すると、その楕円を描くような特殊な振動は容器5に伝達される。前記容器5は、図2,3で示すように、ベース2に立設した複数の支柱3上に、ばね等の弾性体を介して載置されているので、振動手段6から楕円を描くような特殊な振動が伝達されることによって前記容器5は揺動し、その内部に投入した洗浄溶剤を攪拌・流動させる。
【0028】
前記洗浄溶剤の攪拌・流動作用により、洗浄溶剤とともに容器5内に投入された汚染物は、揉み洗いの如き作用を受けることになるとともに、前記汚染物がコイルを構成する紙・木類である場合、汚染物には更に振動による伸縮作用が加わることとなるので、前記汚染物の表面に付着しているPCBを効率的に洗浄・除去したり、汚染物の内部まで浸透しているPCBを効率的に抽出・除去することが可能となる。
【0029】
そして、所定時間(例えば、約3〜6時間程度)汚染物の洗浄処理を行ったら、振動手段6を一旦停止するとともに、容器5の蓋体5b下部側に設けた排出部9の開閉弁9a(図4参照)を開放して、PCBを含む洗浄溶剤を回収容器15内に排出・回収する。このとき、排出部9にはフィルター9b(図4参照)が配設されているので、洗浄処理した汚染物が洗浄溶剤とともに容器5外に排出されることはない。洗浄溶剤の排出が終了したら、再度開閉弁9aを閉鎖する。なお、洗浄溶剤は、容器5から完全に排出する必要はなく、概ね排出された時点で排出を終了するようにしてもよい。これは、後述する真空加熱処理を行うことによって、容器5内に残留している洗浄溶剤を全量回収することができるからである。
【0030】
容器5内からの洗浄溶剤の排出が終了したら、つづいて、加熱手段10からジャケット5a内に循環供給されるに熱媒体よって容器5内を所定温度(紙・木類を加熱したときに副生成物(タール等)が発生しないような温度であり、例えば、約200℃程度)に加熱するとともに、排気手段13を起動して容器5内から順次排気を行い、前記容器5内を所定圧力(例えば、約6.7Pa程度)に調整・保持する。この後、前記の状態で振動手段6を再度起動して、容器5に楕円を描くような特殊な振動を伝達し、前記容器5を揺動させることにより、汚染物を容器5内において流動させる。
【0031】
このように、所定の温度・圧力条件下で汚染物を流動させながら真空加熱処理を行うことにより、汚染物には減圧条件下(真空中)であっても効率的に熱が伝達され、円滑・良好に加熱することができる結果、前記汚染物からのPCBを含む絶縁油及び洗浄溶剤の蒸発・除去を良好に促進させることが可能となる。その上、前記汚染物は、容器5内で流動することにより、比較的低い温度で加熱するようにしてもムラなく迅速に加熱され、PCBを効率的に蒸発・除去することができるので、汚染物を高温で加熱することにより、前記汚染物から副生成物(タール等)が発生するのを良好に抑制することが可能となる。
【0032】
なお、振動手段6から楕円を描くような特殊な振動を伝達することによって容器5を揺動させても、前記容器5内において良好に流動しにくい、例えば、コイルに使用されている紙・木類等を、前記のようにして真空加熱処理する場合には、例えば、アルミナボール等の媒体を容器5内に一緒に投入したり、所定の大きさに破砕処理したコイルの銅線等を容器5内に一緒に投入したりすることによって、前記紙・木類等は良好に流動させることが可能となる。
【0033】
一方、真空加熱処理を行うことにより、汚染物から蒸発・除去されたPCBを含む絶縁油及び洗浄溶剤の蒸気は、排気手段13の起動により容器5の排気部8に接続した排気管11を通って冷却手段12内に流入し、該冷却手段12において冷却・凝縮されて液化する。液化したPCBを含む絶縁油及び洗浄溶剤は、冷却手段12から回収容器16に回収・処理される。また、冷却手段12を通過する排気ガス(蒸気)中にPCBが残存している場合には、排気安全対策手段14のミストコレクター14a及び排ガス処理装置14bにおいてPCBが捕集・分離され、清浄な空気のみが大気中に排出される。
【0034】
これにより、万一、設備の異常等によって冷却手段12において排気ガス中のPCBが回収されなかった場合でも、排気安全対策手段14のミストコレクター14a及び排ガス処理装置14bにおいて前記排気ガス中のPCBを除去することが可能となり、この結果、除染装置1から発生する排気ガスを清浄な空気として大気中に排出することができる。
【0035】
つづいて、所定時間(例えば、約6〜9時間程度)真空加熱処理を行ったら、排気手段13を停止して容器5内を常圧に戻すとともに、加熱手段10から循環供給される熱媒体による容器5の加熱と、振動手段6による容器5の揺動とを停止する。真空加熱処理を行うことにより、PCBが蒸発・除去された汚染物は、前記容器5の蓋体5b下部側に設けた排出部9の開閉弁9aを開放し、かつ、フィルター9bを取外した状態で、再度振動手段6を起動して容器5を揺動させることにより、前記排出部9から回収容器18に順次排出する。また、汚染物の排出が終了したら、振動手段6を停止する。なお、汚染物の排出が滞るような場合には、必要に応じて容器5の一方端側に取付けた蓋体5bを取外し、この状態で、容器5内に残留している汚染物を回収容器18に排出させるようにすればよい。
【0036】
このように、本発明においては、真空加熱処理を行う前に、汚染物を洗浄溶剤により洗浄処理するようにしたので、前記洗浄処理によって汚染物に付着・浸透しているPCBの大半を除去することが可能となり、この結果、真空加熱処理に必要な時間を良好に短縮することができる。しかも、前記洗浄処理は、除染装置1の容器5を振動手段6を用いて振動させることにより、前記容器5内に投入した洗浄溶剤を攪拌・流動させながら行うようにしたので、前記洗浄溶剤の攪拌・流動作用により、汚染物は揉み洗いの如き作用を受ける結果、前記汚染物の表面に付着したPCBを円滑に洗浄・除去することが可能となるとともに、前記汚染物が紙・木類である場合には、更に振動による伸縮作用が加わるので、汚染物の内部に浸透したPCBを効率的に抽出・除去することが可能となる。
【0037】
また、汚染物の真空加熱処理は、洗浄処理の終了後、除染装置1の容器5を振動手段6を用いて振動させることにより、前記容器5内に投入した汚染物を流動させながら行うようにしたので、汚染物を静止状態で真空加熱処理する場合に比べて、伝熱効率を良好に向上させることが可能となり、この結果、予め汚染物が洗浄処理されていることとも相まって、真空加熱処理に必要な時間を大幅に短縮することができる。しかも、前記汚染物は、容器5内において流動させることにより、比較的低い温度であってもムラなく迅速に加熱されて、PCBを効率的に蒸発・除去できるので、汚染物を高温で加熱することによって発生する副生成物(タール等)を最小限に抑制することができる。
【0038】
更に、本発明においては、汚染物を洗浄溶剤とともに除染装置1の容器5内に一旦投入した後は、洗浄処理→洗浄溶剤の排出→真空加熱処理→汚染物の排出までを連続的に、かつ、略自動化して行なうことができるので、洗浄処理と真空加熱処理とを別々の装置において行う場合に比べ、各処理を行うために汚染物をその都度各装置に対して搬入・搬出する手間を省くことが可能となる結果、作業効率を良好に向上させることができる。
【0039】
また、汚染物は、洗浄処理を行う前に、予め洗浄処理及び真空加熱処理を行うのに(PCBを除去するのに)適した大きさに破砕処理されているので、原姿の状態で洗浄処理及び真空加熱処理を行う場合に比べ、汚染物に付着・浸透しているPCBを効率的に除去することができる。その上、複数台分の変圧器中身をまとめて処理するような場合でも、除染装置1をコンパクトに形成することが可能となる結果、設置スペースを良好に縮小することができる。
【0040】
なお、本発明の実施例においては、PCBが低濃度で含まれる絶縁油を使用した変圧器から、前記PCBを除去する場合を例にして説明したが、PCBが中〜高濃度で含まれる絶縁油を使用した変圧器から、前記PCBを除去する場合においても応用することが可能であることはいうまでもない。この場合、気化したPCBが外部に漏出しないような状態で絶縁油をケースから抜油し、かつ、ケースから変圧器中身を取出して所定の大きさに破砕処理した後、前記破砕処理した変圧器中身を除染装置1において洗浄溶剤を用いて複数回洗浄処理し(洗浄時間を延長することにより、1回の洗浄処理としてもよい)、大半のPCBを除去した状態で、真空加熱処理を行うようにすればよい。これにより、PCBが中〜高濃度で含まれる絶縁油を使用した変圧器から前記PCBを除去する場合でも、除染装置1の容器5を振動させながら、例えば、複数回洗浄処理を行うことで、洗浄溶剤の攪拌・流動による揉み洗い作用と、伸縮作用(紙・木類の場合)とによって、PCBを汚染物(変圧器中身)から円滑・迅速に除去することが可能となる。
【0041】
また、本発明の実施例においては、汚染物の洗浄処理を、除染装置1において真空加熱処理の前に行うようにしているが、これに限定することなく、予め別の場所で洗浄処理した汚染物を除染装置1に投入し、真空加熱処理のみを行うようにしてもよい。この場合も、汚染物は真空加熱処理の前に洗浄処理が行われているため、前記汚染物からPCBを効率的に蒸発・除去することが可能である。
【0042】
更に、本発明の図1で示すPCBの除染設備は、あくまでも一例を示すものであり、容器5内を所定温度に加熱するための加熱手段10や、汚染物から蒸発・除去されたPCBを含む蒸気を処理する冷却手段12,排気安全対策手段14等の構成は、これに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【0043】
また、除染装置1の容器5内への汚染物及び洗浄溶剤の投入作業や、容器5の蓋体5b下部側に設けた排出部9の開閉弁9aの開閉作業を、人手によらず自動化して行うようにすれば、汚染物からのPCBの除去作業における安全性を確実に向上させることが可能となる。
【0044】
【発明の効果】
請求項1記載の発明においては、PCBが付着・浸透した汚染物を、容器内で流動させながら真空加熱処理を行うようにしたので、前記汚染物に対して効率よく熱を伝達することが可能となり、この結果、真空加熱処理に必要な時間を良好に短縮することができる。その上、汚染物を流動させることにより、比較的低い加熱温度であっても、前記汚染物をムラなく迅速に加熱してPCBを効率的に蒸発・除去させることができるので、汚染物を高温で加熱することにより、前記汚染物から副生成物(タール等)が発生するのを良好に抑制することが可能となる。
【0045】
請求項2記載の発明ににおいては、汚染物の真空加熱処理を行う前に、前記汚染物を洗浄溶剤によって洗浄処理しておくようにしたので、汚染物に付着・浸透しているPCBを予めある程度まで除去しておくことが可能となり、この結果、真空加熱処理に必要な時間をより一層短縮ができ、大変利便である。
【0046】
請求項3記載の発明においては、汚染物の洗浄処理と真空加熱処理とを1台の装置において連続的に行うようにしたので、従来技術のように、複数の装置を使用して洗浄処理及び加熱処理を行う場合に比べ、各処理を行う度に汚染物を各装置に搬入したり、各装置から搬出したりする手間を省くことができる結果、作業効率を良好に向上させることが可能となる。また、汚染物の洗浄処理においては、容器を振動させることによる洗浄溶剤の攪拌効果と、汚染物の伸縮による揉み洗い効果とによって、PCBを汚染物から効率的に抽出・除去することができるので、真空加熱処理に先立って大半のPCBを汚染物から除去することが可能となり、この結果、この後に行われる真空加熱処理に必要な時間を大幅に短縮することができ、大変利便である。
【0047】
請求項4記載の発明によれば、予め汚染物を所定の大きさに破砕処理した状態で、洗浄処理及び真空加熱処理を行うようにしたので、従来技術のように、原姿の状態で洗浄処理及び加熱処理を行う場合に比べ、汚染物からのPCBの除去を効率的に行うことができるとともに、除染装置をコンパクトに形成することが可能となり、この結果、装置の設置スペースを良好に縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の除染装置を備えたPCBの除染設備の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の除染装置を概略的に示す正面図である。
【図3】本発明の除染装置を概略的に示す側面図である。
【図4】本発明の除染装置を概略的に示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1 除染装置
5 容器
6 振動手段
10 加熱手段
11 排気管
12 冷却手段
13 排気手段
14 排気安全対策手段
Claims (4)
- 気密性に優れた容器と、前記容器に振動を付与するための振動手段とを備え、前記容器内にPCB(ポリ塩化ビフェニル)が付着・浸透した汚染物を収容し、前記振動手段にて容器に振動を付与することにより汚染物を容器内で流動させながら、真空加熱処理を行うように構成したことを特徴とするPCB汚染物の除染装置。
- 前記汚染物は、事前に洗浄溶剤により洗浄処理されていることを特徴とする請求項1記載のPCB汚染物の除染装置。
- 気密性に優れた容器と、前記容器に振動を付与するための振動手段とを備え、前記容器内にPCB(ポリ塩化ビフェニル)が付着・浸透した汚染物を収容し、前記振動手段にて容器に振動を付与しながら、前記汚染物の洗浄処理と真空加熱処理とを、前記容器内において連続的に行うように構成したことを特徴とするPCB汚染物の除染装置。
- 前記汚染物は、予め所定の大きさに破砕処理されていることを特徴とする請求項1ないし3記載のPCB汚染物の除染装置。
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2002
- 2002-11-13 JP JP2002328956A patent/JP2004160350A/ja active Pending
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