JP2010222279A - ペンタフルオロスルファニル基を有する重合性化合物およびその重合体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一般式(1):
〔式中、Rは、重合性官能基であり、Z1およびZ2は、連結基であり、Aは、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−又は単結合であり、nおよびqは、独立して0又は1であり、ベンゼン環上の任意の水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基で置換されていてもよい〕で示される、ペンタフルオロスルファニル基を有する重合性化合物。
【選択図】なし
Description
〔式中
Rは、重合性官能基であり、
Z1およびZ2は、連結基であり、
Aは、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−又は単結合であり、
nおよびqは、独立して0又は1であり、
ベンゼン環上の任意の水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基で置換されていてもよい〕
で示される、ペンタフルオロスルファニル基を有する重合性化合物に関する。
〔式中、
Xは、水酸基、カルボキシル基又は脱離性基であり、
Z1、Rおよびnは、一般式(1)において定義されたとおりである〕
で示される化合物と、一般式(3):
〔式中、Pは、水酸基、カルボキシル基又は脱離性基であり、
Z2およびqは、一般式(1)において定義されたとおりであり、
ベンゼン環上の任意の水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基で置換されていてもよい〕
で示される、水酸基、カルボキシル基又は脱離性基含有ペンタフルオロスルファニルベンゼン化合物とを反応させる、一般式(1)で示されるペンタフルオロスルファニル基を有する重合性化合物の製造方法に関する。
〔式中、
mは、繰り返し数であり、
R’は、Rから誘導される重合単位であり、
R、Z1、Z2、A、nおよびqは、一般式(1)において定義されたとおりであり、
ベンゼン環上の任意の水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基で置換されていてもよい〕
で示される重合体に関する。
〔式中、
mは、繰り返し数であり、
Z1、Z2、A、nおよびqは、一般式(1)において定義されたとおりであり、
ベンゼン環上の任意の水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基で置換されていてもよい〕
で示される構造を繰り返し単位とする、前記に記載の重合体に関する。
〔式中、
mは、繰り返し数であり、
R1は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
Z1、Z2、A、nおよびqは、一般式(1)において定義されたとおりであり、
ベンゼン環上の任意の水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基で置換されていてもよい〕
で示される構造を繰り返し単位とする、前記に記載の重合体に関する。
Rとしては、重合に関与する基であれば特に限定はなく、ビニル基又はエチニル基などの炭素−炭素不飽和結合基;エポキシ基、オキセタン基、ジオキソラン基又はオキソジオキソラン基などの環状エーテル基;イソシアナート基、環状アルコキシ基などが挙げられる。Rとして好ましいのは、ビニル基、エチニル基、エポキシ基、オキセタン基である。
〔式中、
Xは、水酸基、カルボキシル基又は脱離性基であり、
R、Z1およびnは、一般式(1)において定義されたとおりである〕
で示される、重合性官能基含有化合物と、一般式(3):
〔式中、Pは、水酸基、カルボキシル基又は脱離性基であり、
Z2およびqは、一般式(1)において定義されたとおりであり、
ベンゼン環上の任意の水素原子は、ハロゲン、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基により置換されていてもよい〕
で示される、ペンタフルオロスルファニルベンゼン化合物とを反応させることにより得ることができる。
P−Z2−P’ (5)
〔式中、
P’は、脱離性基であり、
PおよびZ2は、一般式(1)で定義されたとおりである〕
で示される化合物を、一般式(6):
〔式中、P”は、脱離性基である〕
で示されるペンタフルオロスルファニル基含有化合物と反応させることにより得られる。
〔式中、
mは、繰り返し数であり、
R’は、Rから誘導される重合単位であり、
R、Z1、Z2、A、nおよびqは、一般式(1)において定義されたとおりであり、
ベンゼン環上の任意の水素原子は、ハロゲン、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基により置換されていてもよい〕
で示される重合体が得られる。
〔式中、
mは、繰り返し数であり、
Z1、Z2、A、nおよびqは、一般式(1)において定義されたとおりであり、
ベンゼン環上の任意の水素原子は、ハロゲン、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基により置換されていてもよい〕
で示される構造を繰返し単位とする重合体、一般式(4b):
〔式中、
mは、繰り返し数であり、
R1は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
Z1、Z2、A、nおよびqは、一般式(1)において定義された連結基であり、
ベンゼン環上の任意の水素原子は、ハロゲン、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基により置換されていてもよい〕
で示される構造を繰り返し単位とする重合体、一般式(4c):
〔式中、
mは、繰り返し数であり、
Z1、Z2、A、nおよびqは、一般式(1)において定義されたとおりであり、
ベンゼン環上の任意の水素原子は、ハロゲン、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基により置換されていてもよい〕
で示される構造を繰り返し単位とする重合体が挙げられる。好ましくは、一般式(4a):
で示される構造を繰返し単位とする、重合体である。
(a)引っかき硬度:JISK5600−5−4に基づいて、塗布膜厚さ10μmの膜について鉛筆硬度を測定した。
(b)付着性:JISK5600−5−6に基づいて、塗布膜厚さ10μmの膜についてクロスカット試験を行った。
(c)透明性:JISK7136に基づいて、塗布膜厚さ10μmの膜についてヘイズ試験を行った。
(4−アリルオキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼンの合成)
攪拌装置を備えた内容積100mlのガラス製容器に、4−ヒドロキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼン5.0g(22.7mmol)、炭酸カリウム6.27g(45.4mmol)、アリルブロミド5.49g(45.4mmol)およびアセトニトリル50mlを加えた後、攪拌させながら3.5時間還流させた。反応終了後、固体をろ過し、ろ液を濃縮した後、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=90/10(容量比))し、薄黄色液体として、4−アリルオキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼン4.67gを得た(単離収率79%)。
4−アリルオキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼンは、以下の物性を示す新規化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));4.57-4.60(2H,m), 5.30-5.46(2H,m), 5.97-6.10(1H,m), 6.89-7.26(2H,m), 7.64-7.70(2H,m)
CI-MS;260(M)
(4−プロパルギルオキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼンの合成)
実施例1において、アリルブロミドの代わりにプロパルギルブロミド5.4g(45.4mmol)、アセトニトリルの代わりにN,N−ジメチルホルムアミド50mlを使用し、70℃で6時間加熱した以外は実施例1と同様に反応を行った。反応終了後、固体をろ過し、ろ液を濃縮した後、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=90/10(容量比))し、薄黄色液体として、4−プロパルギルオキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼン4.69gを得た(単離収率80%)。
4−プロパルギルオキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼンは以下の物性を示す新規化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));2.55-2.57(1H,m), 4.73-4.74(2H,m), 6.99-7.02(2H,m), 7.68-7.73(2H,m)
CI-MS;258(M)
〔4−(オキシラン−2−イルメトキシ)ペンタフルオロスルファニルベンゼンおよび4−{(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ}ペンタフルオロスルファニルベンゼンの合成〕
実施例1において、アリルブロミドの代わりにエピブロモヒドリン6.22g(45.4mmol)、アセトニトリルの代わりにN,N−ジメチルホルムアミド50mlを使用し、100℃で3時間加熱した以外は実施例1と同様に反応を行った。反応終了後、固体をろ過し、ろ液を濃縮した後、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=90/10〜0/100(容量比))し、薄黄色液体として、4−(オキシラン−2−イルメトキシ)ペンタフルオロスルファニルベンゼン0.90g(単離収率14%)、および4−{(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ}ペンタフルオロスルファニルベンゼン3.64g(単離収率50%)を得た。
4−(オキシラン−2−イルメトキシ)ペンタフルオロスルファニルベンゼンは、以下の物性を示す新規化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));2.75-2.78(1H,m), 2.91-2.94(1H,m), 3.34-3.39(1H,m), 3.94-4.00(1H,m), 4.29-4.33(1H,m), 6.92-6.97(2H,m), 7.66-7.71(2H,m)
CI-MS;276(M)
また、4−{(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ}ペンタフルオロスルファニルベンゼンは、以下の物性を示す新規化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));4.17-4.21(1H,m), 4.29-4.34(1H,m), 4.50-4.55(1H,m), 4.62-4.67(1H,m), 5.03-5.10(1H,m), 6.93-6.96(2H,m), 7.69-7.74(2H,m)
CI-MS;320(M)
13C-NMR(CDCl3,δ(ppm));66.0, 67.3, 73.9, 114.3, 127.9(quint), 147.6(t), 154.5, 159.5
IR(KBr,cm-1);1789-1801(C=O)
(4−アクリロイルオキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼンの合成)
攪拌装置を備えた内容積100mlのガラス製容器に、4−ヒドロキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼン5.0g(22.7mmol)、4−ジメチルアミノピリジン0.5g(4.1mmol)、アクリル酸2.45g(34.0mmol)および1−エチル−2−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩6.53g(34.1mmol)、および塩化メチレン50mlを加えた後、攪拌させながら、室温で一晩反応させた。反応終了後、反応液を濃縮した後、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=90/10(容量比))し、黄色液体として、4−アクリロイルオキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼン3.48gを得た(単離収率56%)。
4−アクリロイルオキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼンは、以下の物性を示す新規化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));6.05-6.09(1H,m), 6.27-6.33(1H,m), 6.37-6.67(1H,m), 7.23-7.27(2H,m), 7.78-7.81(2H,m)
CI-MS;275(M+1)
(4−アクリロイルオキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼンの熱ラジカル重合)
攪拌装置を備えた内容積30mlのガラス製容器に、4−アクリロイルオキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼン2.0g(7.3mmol)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.2g(1.22mmol)およびトルエン5mlを加え、80℃で3時間攪拌したところ、薄黄色粘性液体に変化した。メタノール100mlを加え均一溶液とした後、室温で攪拌しながら水50mlを加えて固体を析出させた。固体をろ過しメタノール50mlと水25mlの混合液で洗浄した後、100℃で減圧乾燥を行い、1.61gの薄黄色粉末として、ポリ(4−アクリロイルオキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼン)を得た(単離収率81%)。
ポリ(4−アクリロイルオキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼン)は以下の物性を示す新規化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));2.19(2H,brs), 3.03(1H,brs), 7.17(2H,brs), 7.64(2H,brs)
13C-NMR(CDCl3,δ(ppm));35.5, 42.6, 123.3, 128.5, 151.7, 153.5, 173.8
19F-NMR(δ(ppm));64.6(t), 85.9(q)
GPC(NMP);Mn=1.2x104,Mw=2.2x104,Mw/Mn=1.8
(ポリ(4−アクリロイルオキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼン)膜の撥水性)
ポリ(4−アクリロイルオキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼン)0.1gを塩化メチレン約1mlに溶解した液に、マイクロカバーグラス(18mm×18mm:トロフィー社製)を浸し、室温で穏やかに乾燥してガラス面をコーティングした。その上に、マイクロシリンジで直径3mmを超えないように水滴を乗せて撥水性を確認した(図1)。その結果、何も処理を行わないマイクロカバーグラス上の水滴(図2)と比較して、ポリ(4−アクリロイルオキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼン)でコーティングしたマイクロカバーガラス上の水滴は接触角が明らかに大きく、ポリ(4−アクリロイルオキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼン)が有意な撥水性を示すことが示された。
(4−アクリロイルオキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼンおよびトリメチロールプロパントリアクリレートの光ラジカル共重合)
4−アクリロイルオキシ−ペンタフルオロスルファニルベンゼン390mg(1.42mmol)、トリメチロールプロパントリアクリレート118mg(0.35mmol)、および2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン13mg(0.08mmol)を混合した液を、ポリカーボネート製透明板に厚さ10マイクロメーターで塗布し、石英セル中で窒素ガス置換した後、紫外線照射装置(コンベアタイプ:120W/1.5KW−1灯式:セン特殊光源株式会社製)を使用し照射エネルギー9600mJ/cm2の紫外線を照射したところ、ポリカーボネート板上で硬化し膜が形成された。
JIS規格K5600-5-4に基づき鉛筆硬度試験を測定したところ、硬度はFであった。JIS規格K7136に基づきヘイズ試験を行ったところ、0.96%であり透明性は良好であった。
(2−フルオロ−5−ビニル−ペンタフルオロスルファニルベンゼンの合成)
攪拌装置を備えた内容積100mlのガラス製容器に、2−フルオロ−5−ヨード−ペンタフルオロスルファニルベンゼン5.0g(14.3mmol)、カリウムビニルトリフルオロボレート3.04g(21.5mmol)、炭酸カリウム5.96g(42.9mmol)、塩化パラジウム51mg(0.29mmol)、トリフェニルホスフィン226mg(0.86mmol)に、テトラヒドロフラン45mlおよび水5mlを加え、26時間85℃で加熱した。反応液にカリウムビニルトリフルオロボレート0.57g(4.1mmol)、塩化パラジウム51mg(0.29mmol)、トリフェニルホスフィン226mg(0.86mmol)を加え、さらに21時間85℃で反応させて反応を完結させた。クロロホルム250mlならびに水50mlを加えて分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後反応液を濃縮し、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(展開溶媒;ヘキサン)して、無色液体として、2−フルオロ−5−ビニル−ペンタフルオロスルファニルベンゼン2.6gを得た(単離収率73%)。
2−フルオロ−5−ビニル−ペンタフルオロスルファニルベンゼンは、以下の物性を示す新規化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));5.35-5.38(1H,m), 5.71-5.77(1H,m), 6.62-6.72(1H,m), 7.12-7.19(1H,m), 7.52-7.57(1H,m), 7.71-7.74(1H,m)
CI-MS;248(M)
(2−フルオロ−5−ビニル−ペンタフルオロスルファニルベンゼンの光重合)
2−フルオロ−5−ビニル−ペンタフルオロスルファニルベンゼン300mg(1.2mmol)および2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン14mg(0.09mmol)を混合した液を、ポリカーボネート製透明板にバーコーターを用い厚さ10マイクロメーターで塗布し、石英セル中で窒素ガス置換した後、紫外線照射装置(コンベアタイプ:120W/1.5KW−1灯式:セン特殊光源株式会社製)を使用し照射エネルギー9600mJ/cm2の紫外線を照射したところ、ポリカーボネート板上で硬化し膜が形成された。
JIS規格K5600-5-4に基づき鉛筆硬度試験を行ったところ、硬度はHであった。JIS規格K5600-5-6に基づきクロスカット試験を行ったところ、100/100であり密着性は良好であった。JIS規格K7136に基づきヘイズ試験を行ったところ、77%であった。
(4−((3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ)−ペンタフルオロスルファニルベンゼンの合成)
攪拌装置を備えた内容積100mlのガラス製容器に、60%水素化ナトリウム0.36g(9.0mmol)および無水1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン50mlを加え、室温で攪拌しながら4−フルオロ−ペンタフルオロスルファニルベンゼン1.33g(6.0mmol)、(3−エチルオキセタン−3−イル)メタノール1.05g(9.0mmol)を滴下し一時間攪拌した。反応液を200mlの氷水でクエンチした後、トルエン300mlを加え分液し、有機層を飽和食塩水200ml、ついで水200mlで洗浄した。溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧留去した後、シリカゲルカラムで(酢酸エチル/ヘキサン=0.1→0.2)精製して、薄黄色透明液体として4−((3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ)−ペンタフルオロスルファニルベンゼン1.65gを得た(単離収率86%)。
4−((3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ)−ペンタフルオロスルファニルベンゼンは、以下の物性を示す新規化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));0.91-0.98(3H,m), 1.85-1.92(2H,m), 4.13(2H,s), 4.49-4.57(4H,m), 6.94-6.97(2H,m), 7.68-7.71(2H,m)
CI-MS;319(M+1)
(4−((3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ)−ペンタフルオロスルファニルベンゼンの熱カチオン重合)
アルゴン雰囲気下、ガラス容器に4−((3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ)−ペンタフルオロスルファニルベンゼン1.31g(4.12mmol)およびスルホニウム系熱カチオン重合開始剤(サンエイドSI−100L;三新化学社製)65mgを混合し、150℃で3時間加熱した。その後100℃で真空乾燥して、1.18gの茶色固体を得た。GPCによる分析をしたところ、Mp=10930, Mw=8610, Mn=4070, Mw/Mn=2.1の物性値を示した。
(2−((3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ)−ペンタフルオロスルファニルベンゼンの合成)
実施例6において、4−フルオロ−ペンタフルオロスルファニルベンゼンの代わりに2−フルオロ−ペンタフルオロスルファニルベンゼン1.33g(6.0mmol)を使用した以外は同様に反応を行い、薄黄色透明液体として2−((3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ)−ペンタフルオロスルファニルベンゼン0.69gを得た(単離収率36%)。
2−((3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ)−ペンタフルオロスルファニルベンゼンは、以下の物性を示す新規化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));0.90-0.95(3H,m), 1.90-1.97(2H,m), 4.22(2H,m), 4.52(4H,s), 7.00-7.10(2H,m), 7.45-7.51(1H,m), 7.74-7.77(1H,m)
CI-MS;318(M)
(2−((3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ)−ペンタフルオロスルファニルベンゼンの熱カチオン重合)
アルゴン雰囲気下、ガラス容器に2−((3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ)−ペンタフルオロスルファニルベンゼン0.63g(1.98mmol)およびスルホニウム系熱カチオン重合開始剤(サンエイドSI−100L;三新化学社製)63mgを混合し、150℃で3時間加熱した。その後100℃で真空乾燥して、0.6gの茶色固体を得た。この固体についてGPC分析をしたところ、Mp=3890, Mw=4450, Mn=2400, Mw/Mn=1.9
という物性値を示した。
(4−(5’−ビニル−2,2’−ビチオフェン−5−イル)−ペンタフルオロスルファニルベンゼンの合成)
攪拌装置を備えた内容積100mlのガラス製容器に、4−ヨードぺンタフルオロスルファニルベンゼン3.3g(10mmol)、5−ブロモ−5’−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2,2’−ビチオフェン3.7g(10mmol)、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン578mg(0.5mmol)、燐酸カリウム8.5g(40mmol)および無水N,Nジメチルホルムアミド50mlを加え、凍結脱気をして80℃で1時間加熱した。セライトろ過した後、酢酸エチル200mlおよび飽和食塩水200mlを加えて分液し、溶媒を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製して、黄色固体として4−(5’−ブロモ−2,2’−ビチオフェン−5−イル)−ペンタフルオロスルファニルベンゼン3.72gを得た(単離収率83%)。
4−(5’−ブロモ−2,2’−ビチオフェン−5−イル)−ペンタフルオロスルファニルベンゼンは、以下の物性を示す新規化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));6.97-7.01(2H,m), 7.11-7.12(1H,m), 7.29-7.30(1H,m), 7.62-7.65(2H,m), 7.74-7.77(2H,m)
CI-MS;448(M+1)
(4−(5’−ビニル−2,2’−ビチオフェン−5−イル)−ペンタフルオロスルファニルベンゼンの合成)
攪拌装置を備えた内容積100mlのガラス製容器に、上記で得られた4−(5’−ビニル−2,2’−ビチオフェン−5−イル)−ペンタフルオロスルファニルベンゼン3.13g(7mmol)、カリウムビニルトリフルオロホウ素1.41g(10.5mmol)、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン404mg(0.35mmol)、燐酸カリウム5.94g(28mmol)および無水N,Nジメチルホルムアミド50mlを加え、凍結脱気をして100℃で7.5時間加熱した。トルエン1500mlおよび飽和食塩水200mlを加えて分液し、溶媒を水200mlで2回洗浄した後溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)で精製後、トルエン−ヘキサンで再沈殿を行い、黄色固体として4−(5’−ビニル−2,2’−ビチオフェン−5−イル)−ペンタフルオロスルファニルベンゼン1.82gを得た(単離収率66%)。
4−(5’−ビニル−2,2’−ビチオフェン−5−イル)−ペンタフルオロスルファニルベンゼンは、以下の物性を示す新規化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));5.19-5.23(1H,m), 5.58-5.63(1H,m), 6.85-6.94(1H,m), 7.06-7.08(1H,m), 7.27-7.28(1H,m), 7.35-7.37(1H,m), 7.63-7.64(1H,m), 7.92(4H,s)
CI-MS;394(M)
Claims (7)
- 一般式(1):
〔式中、
Rは、重合性官能基であり、
Z1およびZ2は、連結基であり、
Aは、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−又は単結合であり、
nおよびqは、独立して0又は1であり、
ベンゼン環上の任意の水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基で置換されていてもよい〕
で示される、ペンタフルオロスルファニル基を有する重合性化合物。 - 一般式(2):
〔式中、
Xは、水酸基、カルボキシル基又は脱離性基であり、
Z1、Rおよびnは、請求項1において定義されたとおりである〕
で示される重合性官能基含有化合物と、
一般式(3)
〔式中、Pは、水酸基、カルボキシル基又は脱離性基であり、
Z2およびqは、請求項1において定義されたとおりであり、
ベンゼン環上の任意の水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基で置換されていてもよい〕
で示される、ペンタフルオロスルファニルベンゼン化合物とを反応させる工程を含む、請求項1記載のペンタフルオロスルファニル基を有する重合性化合物の製造方法。 - 一般式(2)で示される重合性官能基含有化合物の量が、一般式(3)で示されるペンタフルオロスルファニルベンゼン化合物1モルに対して、0.5〜5モルである、請求項2記載の製造方法。
- 一般式(4):
〔式中、
mは、繰り返し数であり、
R’は、Rから誘導される重合単位であり、
R、Z1、Z2、A、nおよびqは、請求項1で定義されたとおりであり、
ベンゼン環上の任意の水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基で置換されていてもよい〕
で示される、請求項1記載の重合性化合物を重合することにより得られる重合体。 - 一般式(4a):
〔式中、
mは、繰り返し数であり、
Z1、Z2、A、nおよびqは請求項1で定義されたとおりであり、
ベンゼン環上の任意の水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基で置換されていてもよい〕
で示される構造を繰り返し単位とする、請求項4記載の重合体。 - 一般式(4b):
〔式中、
mは、繰り返し数であり、
R1は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
Z1、Z2、A、nおよびqは、請求項1で定義されたとおりであり、
ベンゼン環上の任意の水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基で置換されていてもよい〕
で示される構造を繰り返し単位とする、請求項4記載の重合体。 - (a)請求項1記載の一般式(1)で示される重合性化合物1重量%〜100重量%、
(b)さらなる重合性官能基を含む重合性化合物0重量%〜99重量%、ならびに
(c)(a)および(b)の総重量に対して、重合開始剤0.1〜50重量%
を含む重合性組成物を、0〜200℃の温度で反応させる工程を含む、重合体の製造方法。
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