JP2902269B2 - オキセタン化合物 - Google Patents

オキセタン化合物

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JP2902269B2 JP18345993A JP18345993A JP2902269B2 JP 2902269 B2 JP2902269 B2 JP 2902269B2 JP 18345993 A JP18345993 A JP 18345993A JP 18345993 A JP18345993 A JP 18345993A JP 2902269 B2 JP2902269 B2 JP 2902269B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光開始カチオン重合用
の新規な3−置換オキセタン化合物、これらのオキセタ
ン化合物を含む紫外線硬化性組成物、これらの組成物の
硬化法、およびその方法によって製造される重合体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】紫外線(UV)開始重合または硬化は、
その速い硬化速度、非汚染性の作業環境、極めて低いエ
ネルギー要求量等の良好な特性のため、木質のコーティ
ング、金属の装飾および印刷産業において極めて重要に
なってきている。この分野における初期の開発は、多官
能性アクリレートおよび不飽和ポリエステルの光開始フ
リーラジカル重合に集中していた。今日でも、これらの
材料は、UV硬化塗膜等を必要とする産業において依然
として隆盛を誇っており、現在の研究努力の大部分は光
開始フリーラジカル重合に向けられ続けているが、イオ
ン性光重合も多くの応用分野でかなり有望であることも
十分に認められている。特に、光開始カチオン重合は、
多種多様な重合性化合物(単量体)の重合によって様々
な化学的および物理的特性を実現させる可能性に富むた
め、魅力あるものである。更に、光開始カチオン重合
は、酸素によって阻害されないので、不活性雰囲気下で
実施しなければならないという制限はなく、空気中で速
やかに且つ完全な重合を行うことができるという利点を
も有するものである。
【0003】今日まで、光開始カチオン重合技術は、エ
ポキシドおよびビニルエーテルという2種類の単量体の
光重合に集中していた。特に、エポキシドの光重合で
は、耐熱性が良く、接着性に優れ、耐薬品性が良好な塗
膜が得られる。しかしながら、従来の光硬化性エポキシ
ドには、光重合速度がかなり遅いという欠陥がある。こ
の要因のために、従来の光硬化性エポキシドは、速やか
なUV硬化が必要な紙およびプラスチックへの塗布とい
うような用途には適さないものである。
【0004】エクベルグ(Eckberg, Radtech'90 North
American Proceedings、第1巻、358〜370(1990))ら
は、光重合用のエポキシド官能基を有する一連の線状お
よび分枝状シリコーンを開示しており、触媒および重合
条件も開示している。
【0005】一方、オキセタン化合物に関しては以下の
様な開示がなされている。まず、チンスレーおよびキン
グ(Tinsley & King, USP 3,457,193)らは、3-エチル-3-
[[2-メチルアリル]オキシ]メチル]オキセタンの合成と
エポキシ化について開示している。
【0006】シュレーター(Schroeter, USP 3,673,216)
は、一連の4,4-ジアルキル-2-アルコキシオキセタンを
開示しており、それらがフリーデル−クラフツ触媒によ
り重合することができることも開示している。
【0007】米国特許第4,058,400号明細書(ク
リベロ)には、3,3-ビスクロロメチルオキセタンアルコ
キシオキセタンがカチオン性光重合することができるこ
とが開示されている。
【0008】ボーデンブレンナーおよびヴェグラー(Bod
enbrenner & Wegler, DEP 1,021,858) らは、一般式
【化3】 (式中、Rは2以上の原子価を有する芳香族残基であ
り、R'はエチル基である)を有するオキセタン化合物を
開示しており、具体的には、Rが
【化4】 である化合物を開示している。
【0009】一方、クリベロとリー(Crivello & Lee, R
adtech'90 North American Conference Proceedings、
第1巻、432〜445(1990))は、速やかな重合を行う環ひ
ずみの大きい環状脂肪族エポキシド環を有するケイ素含
有多官能単量体を開示しており、これらのカチオン性光
重合は、最も迅速な市販のエポキシドと比較して少なく
とも100倍の速度で起こる。しかしながら開環性エポ
キシドを鎖中に有する同様なケイ素含有単量体は、UV
による硬化性はかなり低い。
【0010】これらの観察に基づき、クリベロとリー
は、環状脂肪族エポキシド環を有するケイ素含有エポキ
シドの高い感受性の主な要因はこれらの化合物のエポキ
シド基の高い環歪みにあると結論した。エポキシドは環
状エーテルのうちで最も高い環歪みを有することは周知
である。したがって、あらゆる種類のエポキシドは、5
員環を有するモノマーより反応性が高いと思われるオキ
セタン化合物よりもさらにカチオン性UV光重合の反応
性が高く、すなわちその反応性は
【化5】 順に高くなるものと推定された。更に、多官能オキセタ
ン化合物は対応する多官能エポキシドよりも反応性が低
いことも予想される。またオキセタン化合物は重合する
ことは知られているが、その重合速度についてはオキセ
タン化合物を開示する文献において議論されることはな
かった。
【0011】本発明者等は、種々の多官能オキセタン化
合物について、そのカチオン性光重合の反応性について
検討したところ、上記の予測に反して、多官能オキセタ
ン化合物のカチオン性光重合性は、多官能エポキシドよ
りも遥かに高いことを見出して先に出願を行った(特願
平5−49907号)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、更にオ
キセタン化合物について検討し、より重合性が大きく、
その合成も容易な化合物を見出すべく努力を続けたので
ある。すなわち、本発明の目的は、酸素を排除する必要
なしに、短時間のUV暴露により重合させることがで
き、また、容易に入手できる出発物質から容易に調製す
ることができるオキセタン化合物、該オキセタン化合物
と光重合開始剤からなる光硬化性組成物および強固で、
化学的な耐性を有し、接着性を有する該オキセタン化合
物の重合体を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の二
官能オキセタン化合物が、紫外線により特異的に極めて
高い速度でカチオン重合することを見出し本発明を完成
したのである。
【0014】すなわち、本願における第一の発明は、下
記式で示されるオキセタン化合物に関するものである。
【化6】 (式中、R1は水素原子、1〜6個の炭素原子を有するア
ルキル基、フッ素原子、1〜6個の炭素原子を有するフ
ルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基ま
たはチエニル基であり、R2は1〜6個の炭素原子を有す
るアルキル基であり、R3は水素原子または1〜6個の炭
素原子を有するアルキル基である)。
【0015】本願における第二の発明は、前記のオキセ
タン化合物およびカチオン性光重合開始剤を含んで成る
紫外線硬化性組成物に関するものである。好ましい光重
合開始剤は、トリアリールスルホニウム塩およびジアリ
ールヨードニウム塩である。
【0016】本願における第三の発明は、前記オキセタ
ン化合物とカチオン性光重合開始剤からなる組成物を紫
外線に暴露して架橋プロピルオキシ重合体を製造する方
法に関するものである。
【0017】本願における第四の発明は、前記オキセタ
ン化合物の重合によって製造される架橋重合体に関する
ものであり、該重合体は下記式で示される繰り返し単位
を有する架橋重合体である。
【化7】 (式中、R1は水素原子、1〜6個の炭素原子を有するア
ルキル基、フッ素原子、1〜6個の炭素原子を有するフ
ルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基ま
たはチエニル基であり、R2は1〜6個の炭素原子を有す
るアルキル基であり、R3は水素原子または1〜6個の炭
素原子を有するアルキル基である)。
【0018】本発明のオキセタン化合物の反応性は、歪
んだエポキシド基を有するモノマーとほぼ同じであり、
カチオン性UV硬化の現状の知識からは予測し得ないも
のであるうえ、オレフィンのエポキシ化といった、不便
で経費が掛かるうえ危険でもある方法によって調製され
る多官能環状脂肪族エポキシドとは異なり、エポキシ化
反応を用いない簡明な合成法により高収率で調製するこ
とができるという利点も有するものである。
【0019】本発明のオキセタン化合物は、次式のよう
に、パティソン(Pattison, J. Am.Chem. Soc., 1957,
79)の方法により、1,3-ジオールから合成することがで
きる。
【化8】
【0020】1,3-ジオールは、次式のように、当該技術
分野に周知の方法によってホルムアルデヒドおよびカル
ボニル化合物のアルドール縮合および交差カニッツァロ
反応によって得ることができる。
【化9】
【0021】次式のように、R5がCH2OHである化合
物を用いて作られるヒドロオキシメチルオキセタンは、
本発明のオキセタン化合物の合成に有用である。
【化10】
【0022】上式のトリオールの中でも、R4がエチル基
であるトリオール、すなわちトリメチロールプロパンは
市販されており、本発明のオキセタン化合物の合成に特
に有用なものである。
【0023】すなわち、下記式に示される様に、トリオ
ールから得られたヒドロオキシメチルオキセタンとハロ
ゲン化アリルを反応させることにより、アリルオキシメ
チルオキセタンが得られ、該アリルオキシメチルオキセ
タンはルテニウム触媒の存在下にアリルエーテルをビニ
ルエーテルに転移させることができるため、本発明のオ
キセタン化合物が容易に合成される。
【化11】
【0024】以上の反応を更に詳説すると以下のとおり
である。中間体であるアリルオキシメチルオキセタン
は、ハロゲン化アリルとヒドロオキシメチルオキセタン
化合物を固形苛性カリと相転移触媒であるテトラ−n−
ブチルアンモニウムブロマイドの存在下に縮合すると、
収率高く生成する。ハロゲン化アリルとしては塩化アリ
ルや臭化アリルが使用されるが塩化アリルの場合は目的
とする収率を得るための反応時間が長くなる恐れがあ
る。塩化アリルや臭化アリルとアルコールの縮合反応は
酸受容体の存在下に行われ、トリエチルアミン又はプロ
トンスポンジ(N,N,N',N'-テトラメチル-1,8-ナフタレ
ンジアミン)の様な溶剤に溶解する有機塩基を有機溶剤
とともに使用するか、苛性ソーダや苛性カリの様なアル
カリ金属水酸化物を、所望により相転移触媒の存在下に
水性溶液で使用する。アリルエーテルのプロペニルエー
テルへの異性化はトリストリフェニルホスフィンルテニ
ウムジクロライドの様な異性化触媒を用いて行われ、該
異性化反応は極めて容易で数時間以内に反応は完了す
る。触媒として用いられたトリストリフェニルホスフィ
ンルテニウムジクロライドは、生成化合物から除去する
必要はなく、生成化合物は精製することなくカチオン性
光重合に使用することができる。異性化触媒としてトリ
ストリフェニルホスフィンルテニウムジクロライドは好
ましいものであるが、他に例えば、ロジウム、パラジウ
ム、またはプラチナ等に基づく異性化触媒として公知の
多数の白金族触媒を使用することができる。この異性化
反応は原則的にはt-ブトオキサイドカリの様な強塩基の
存在下に行われる。ビニルエーテルを有するオキセタン
化合物はR2とR3に起因してE体(トランス)、Z体(シ
ス)またはそれらの混合物として得られる。
【0025】本発明のオキセタン化合物は、多種多様な
カチオン性光重合開始剤により光重合することができ
る。カチオン性光重合開始剤のうちで本発明にとり好ま
しいものは、ジアリールヨードニウム塩、トリアリール
スルホニウム塩およびフェロセニウム塩である。典型的
な、極めて有用な光重合開始剤を下記に示されるもので
ある。
【化12】 (式中、R6およびR7は1〜18個の炭素原子を有する様
々な長さのアルキル鎖であり、Mは金属原子、典型的に
はアンチモン原子であり、Xはハロゲン原子である)。
【0026】前記の光重合開始剤はオキセタン化合物に
対して0.1〜20重量%の濃度で用いることができ
る。光重合開始剤の外に、光増感剤を加えて、電磁スペ
クトルの可視およびUV領域の感度の波長を調整するこ
ともできる。本発明において用いることができる典型的
な増感剤としては、クリベロ(Crivello, Adv. in Polym
er Sci., 62, 1(1984))が開示しているものが挙げら
れ、具体的には、ピレン、ペリレン、アクリジンオレン
ジ、チオキサントン、2-クロロチオキサントンおよびベ
ンゾフラビンがある。
【0027】本発明の光硬化性組成物は、様々な光源、
例えば水銀アークランプ、キセノンアークランプ、螢光
ランプ、炭素アークランプ、タングステン−ハロゲン複
写ランプおよび周囲の日光からの照射光に暴露して硬化
することができる。これらのランプは、波長が約184
8オングストローム〜4000オングストローム、好ま
しくは2400オングストローム〜約4000オングス
トロームの光を透過することができる管球を有している
ものでよく、管球は、石英またはパイレックス製のもの
でもよい。UVランプを用いるときには、基材に対する
照射線量は、少なくとも0.01ワット/平方インチで
あって、1〜20秒以内で硬化を行う。硬化は例えば、
紙または金属塗装ライン上で連続的に行うことができる
ようにするのが好ましい。
【0028】本発明の硬化性組成物は、100部のオキ
セタン化合物当たり100部までの量で無機充填剤、染
料、顔料、増量剤、粘度調節剤、処理剤、およびUV遮
断剤のような不活性成分を含むことができる。硬化性組
成物は、金属、ゴム、プラスチック、成形部品、フィル
ム、紙、木、ガラス布、コンクリートおよびセラミック
のような基材に適用することができる。
【0029】本発明の硬化性組成物を用いることができ
る用途としては、例えば、保護、装飾および絶縁用塗
料、注形用化合物、印刷インキ、シーラント、接着剤、
フォトレジスト、電線絶縁材料、織物被覆剤、積層材
料、含浸テープおよび印刷プレートがある。本発明のオ
キセタン化合物は反応性希釈剤としても有用であり、多
官能オキセタンまたはエポキシドの粘度を低下させたり
反応性を改善するために、種々のカチオン性光重合組成
物に併用することができる。
【0030】
【作用】アリルエーテルに比較してビニルエーテルの付
加したオキセタン化合物の重合性が大きい理由は不明で
あるが、光重合開始剤の光分解により生成した強酸に対
する反応性がオキセタン環よりビニルエーテル基のほう
が高く、プロトンの生成が早く、結果としてそのプロト
ンを安定化するためにオキセタン環が次々に付加してい
くため、高い光カチオン重合性を示すものと思われる。
【0031】
【実施例】下記の例は、例示のためのものであり、制限
のためのものではない。
【0032】オキセタン化合物の合成 参考例1 3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン マグネティックスターラー、温度計、冷却器、蒸留ヘッ
ドおよび受器を備えた150ml丸底フラスコに、トリメ
チロールプロパン67.0g(0.5モル)、炭酸ジエチル
59.0g(0.5モル)および水酸化カリウム0.05g
を無水アルコール2mlに溶解した混合物を入れた。混合
物を、容器温度が105℃より低い温度になるまで還流
した後、ヘッド温度を76〜78℃に保持して蒸留し
た。容器温度が145℃になるまで、蒸留を継続した。
次いで、容器温度を140〜150℃に保持したまま、
圧を15mmHgまで徐々に下げた。180℃を上回る温度
に加熱したところ、二酸化炭素は速やかに蒸発し、生成
物のほとんどは100〜160℃で蒸留できた。高効率
カラムで再蒸留を行ったところ、3-エチル-3-ヒドロキ
シメチルオキセタン43.9gを得た(収率:76%、沸
点:114〜115℃、16mmHg)。 C6H12O2の分析、計算値:%C, 62.04; %H, 10.41 実測値:%C, 62.01; %H, 10.481 H NMR(CDCl3)δ(ppm)=0.85-0.95(t,3H,CH 3-CH2); 1.65
-1.80(q,2H,CH3-CH 2);2.5(s,1H,-OH); 3.7(s,2H,-CH 2O
H); 4.4-4.5(dd,4H,-O-CH 2-オキセタン環)。
【0033】 参考例2 3-エチル-3-アリルオキシメチルオキセタン マグネティックスターラーを備えた300ml丸底フラス
コ中、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン23.2
g(0.2モル)を臭化アリル48.4g(0.4モル)に溶
解したものおよび水酸化カリウムの50重量%水性溶液
50gに、テトラ-n-ブチルアンモニウムブロミド1.0
gを0℃で激しく攪拌しながら加えた。24時間後に、
ジクロロメタン100mlおよび水100mlを反応混合物
に加えた。有機相を水で2回洗浄し、硫酸マグネシウム
上で乾燥し、濾過し、溶媒をロータリーエバポレーター
で留去した。残渣を真空蒸留により精製したところ、3-
エチル-3-アリルオキシメチルオキセタン28.6gを得
た(収率:92%、沸点:55℃、1.5mmHg)。1 H NMR(CDCl3)δ(ppm)=0.8-0.9(t,3H,CH 3-CH2); 1.7-1.
8(q,2H,CH3-CH 2);3.5(s,2H,-CH 2O); 4.0-4.1(d,2H,OCH 2
-CH=CH2); 4.4-4.5(dd,4H,-O-CH 2-オキセタン環上);
5.1-5.3(m,2H,CH=CH 2); 5.8-6.0(m,1H,CH=CH2)。 C9H16O2の分子量、計算値:156、質量分析装置測定
値(M+1):157。
【0034】参考例3 3-エチル-3-メタリルオキシメ
チルオキセタン 3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン11.6g(0.
1モル)と臭化メタリル18.1g(0.2モル)を用いた
以外は参考例2と同様に反応を行い、無色油状の3-エチ
ル-3-メタリルオキシメチルオキセタン15.3gを得た
(収率:90%、沸点:75℃、2.0mmHg)。1 H NMR(CDCl3)δ(ppm)=0.8-0.9(t,3H,CH3 -CH2); 1.7-1.
8(s,3H,CH3 -C(=CH2)CH2,q,2H,CH3-CH2 ); 3.5(s,2H,-CH2
O); 3.9(s,2H,OCH2 -C(CH3)=CH2); 4.4-4.5(dd,4H,-O-CH
2 -オキセタン環上); 4.9-5.0(d,2H,CH=CH2 ); C10H18O2の分析、計算値:%C, 70.55; %H, 10.66、測定
値:%C, 70.12; %H, 10.81。
【0035】実施例1 3-エチル-3-(2-プロペニルオキ
シ)メチルオキセタン 還流冷却器、温度計およびマグネティックスターラーを
備えた50ml丸底フラスコに、3-エチル-3-アリルオキ
シメチルオキセタン15.6g(0.1モル)を入れ、更に
[(C65)3P]3RuCl2の0.096g(0.001モル)
を加えた。混合物は油浴中120℃で2時間加熱した。
生成物の1H NMR分析の結果、アリル基のプロトンに起因
するバンドは実質的に消滅し、プロペニルの2重結合の
シス及びトランス(E及びZ)に帰せられるバンドに置
き代わっていた。1 H NMR(CDCl3)δ(ppm)=0.8-0.9(t,3H,CH 3-CH2); 1.6(m,
3H,CH3 -CH=CH-); 1.7-1.85(q,3H,CH3-CH 2); 3.7-3.9(s,
2H,-CH2 O(E,Z)); 4.4-4.5(dd,4H,-O-CH 2-オキセタン環
上); 4.4-4.9(m,1H,OCH=CH-CH3(E,Z)); 6.0-6.3(m,1H,C
H3 -CH=CH2(E,Z)). C9H16O2の分子量、計算値:156、質量分析装置測定
値(M+1):157。
【0036】実施例2 3-エチル-3-(2-メチル-2-プロ
ペニルオキシ)メチルオキセタン 3-エチル-3-メタリルオキシメチルオキセタンの17.0
g(0.1モル)と[(C6 5)3P]3RuCl2の0.192g
(0.002モル)を用い、120℃で24時間加熱した
以外は実施例1と同様に反応させた。生成物の1H NMR分
析の結果、メタリル基は定量的にイソブテニル基に転換
していた。1 H NMR(CDCl3)δ(ppm)=0.8-0.9(t,3H,CH3 -CH2); 1.5-1.
6(2s,6H,(CH3 )2C=CH-);1.7-1.8(q,6H,CH3-CH2 ); 3.8(s,
2H,-CH2 O);4.4-4.5(dd,4H,-O-CH2 -オキセタン環上);
6.4(s,1H,CH=C(CH3)2). C10H18O2の分析、計算値:%C, 70.55; %H, 10.66 測定値:%C, 68.55; %H, 10.53。
【0037】オキセタン化合物の光重合特性の測定 上記参考例及び実施例で得た各種オキセタン化合物の光
重合特性を以下の様に測定してそれらの比較を行った。
以下の説明において各オキセタン化合物について以下の
略号を用いた。 参考例1のオキセタン化合物 ET 参考例2のオキセタン化合物 AL 参考例3のオキセタン化合物 MAL 実施例1のオキセタン化合物 PY 実施例2のオキセタン化合物 IBY 光重合開始剤として下記のオニウム塩を用いて光重合を
行った。光重合開始剤(PI−1)
【化13】 光重合開始剤(PI−2)
【化14】
【0038】上記のオキセタン化合物の光重合速度は、
紫外線により時間とともに進行する重合反応を追跡する
手段として赤外線分析計で、連続的に消滅又は発生する
特徴的な赤外線吸収帯を測定する方法(リアルタイムI
R法)を使用した。この方法及び装置についてはデッカ
ーにより先に詳細に報告されている(C. Decker & K.Mou
ssa, J. Polym. Sci.: Part A: Polym. Chem. Ed., 28,
3429(1990))。装置としては、バック サイエンティフ
ィック モデル500(Buck Scientific Model 500) 赤
外線分析計の試料側光路にユベックス株式会社(UVEXS C
o.) SCU 110紫外線ランプからガラス製光ケーブ
ルで直接紫外線を送ることができるようにし、該紫外線
によりポリエチレンフイルム上に薄く塗布された化合物
を重合させ、その構造変化を直接赤外線分析計で測定で
きる様になっているものである。この分析手段は薄いフ
イルム中で進行している重合反応を瞬間的に且つ定量的
に追跡するには優れた方法であり、観測する赤外線吸収
帯としてはオキセタン化合物の特徴的な環状エーテルの
980cm-1吸収帯を選択し、その消失を観測した。又、
ビニルエーテルの1660又は1680cm-1のシャープ
で強い吸収帯の消失も観測した。光重合開始剤としては
前記の2種類を用い、濃度は、オキセタン化合物間の差
異が、その分子量の差に関係なく直接比較できる様に
0.5モル%とした。紫外線の照射強度は13mW/cm2
した。表1に吸収/時間曲線の最大傾斜から求めたRp
/[M0]を示した。Rp/[M0]は、化合物の初期におけ
る反応性比を示すものである。
【0039】
【表1】
【0040】図1、2及び3にオキセタン化合物の光重
合反応の経時的進行度を示した。図1からオキセタン化
合物ET、AL及びMALは略同様な重合反応性が認め
られるのに対し、図2(図1が150秒間であるのに対
し50秒間)、図3(20秒間)から明らかな様に本発
明のオキセタン化合物は著しく高い重合性を示した。す
なわち、化合物PYおよびIBYは20秒で60及び3
0%の転換率であるのに対して、化合物ET(3-ブトキ
シメチル-3-エチルオキセタン)は5%以下の転換率であ
った。
【0041】以上の結果から明らかな様に、本発明のオ
キセタン化合物は、重合性のオキセタン環とビニル基を
有し、重合速度の差は存在するが、いずれも光重合する
ため、より長い時間照射すれば、それらの2つの基は反
応し、下記繰り返し単位を有する重合体を生成するもの
である。
【化15】 (ポリマーの構造式)
【0042】
【発明の効果】本発明のオキセタン化合物は、酸素の存
在下でも、紫外線により特異的に極めて高い速度でカチ
オン重合するうえ、構造も簡単で容易に入手できる出発
物質から容易に調製することができるという優れたもの
であり、保護、装飾および絶縁用塗料、注形用化合物、
印刷インキ、シーラント、接着剤、フォトレジスト、電
線絶縁材料、織物被覆剤、積層材料、含浸テープおよび
印刷プレート等に硬化性組成物として使用することがで
きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はオキセタン化合物ET、AL及びMAL
を光重合開始剤PI−2を用いて紫外線重合した際の転
化率と時間(150秒)の関係を求めた図であり、〇は
ET、△はAL、□はMALを示す。
【図2】図2はオキセタン化合物ET、PY及びIBY
を光重合開始剤PI−2を用いて紫外線重合した際の各
官能基の転化率と時間(50秒)を求めた図であり、〇
はPYのオキセタン環、△はIBYのオキセタン環、□
はPYのビニル基、◇はIBYのビニル基、×はETを
示す。
【図3】図3はオキセタン化合物ET、PY及びIBY
を光重合開始剤PI−2を用いて紫外線重合した際の各
官能基の転化率と時間(20秒)を求めた図であり、〇
はPYのオキセタン環、△はIBYのオキセタン環、□
はPYのビニル基、◇はIBYのビニル基を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 305/00 - 305/06 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式で示されるオキセタン化合物。 【化1】 (式中、R1は水素原子、1〜6個の炭素原子を有するア
    ルキル基、フッ素原子、1〜6個の炭素原子を有するフ
    ルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基ま
    たはチエニル基であり、R2は1〜6個の炭素原子を有す
    るアルキル基であり、R3は水素原子または1〜6個の炭
    素原子を有するアルキル基である)。
  2. 【請求項2】 請求項1に示される式においてR1およ
    びR3が水素原子または1〜6個の炭素原子を有するアル
    キル基で、R2が1〜6個の炭素原子を有するアルキル基
    であるオキセタン化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1に示される式においてR1がエ
    チル基で、R2がメチル基で、R3が水素原子またはメチル
    基であるオキセタン化合物。
  4. 【請求項4】 請求項1のオキセタン化合物とカチオ
    ン性光重合開始剤からなる紫外線硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 光重合開始剤がトリアリールスルホニ
    ウム塩またはジアリールヨードニウム塩である請求項4
    に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のオキセタン化合物と
    カチオン性光重合開始剤とを含む混合物を紫外線に暴露
    することを特徴とする架橋プロピルオキシ重合体の製造
    法。
  7. 【請求項7】 下記式で示される繰り返し単位からな
    る架橋重合体。 【化2】 (式中、R1は水素原子、1〜6個の炭素原子を有するア
    ルキル基、フッ素原子、1〜6個の炭素原子を有するフ
    ルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基ま
    たはチエニル基であり、R2は1〜6個の炭素原子を有す
    るアルキル基であり、R3は水素原子または1〜6個の炭
    素原子を有するアルキル基である)。
  8. 【請求項8】 請求項7に示される式においてR1およ
    びR3が水素原子または1〜6個の炭素原子を有するアル
    キル基で、R2が1〜6個の炭素原子を有するアルキル基
    である架橋重合体。
  9. 【請求項9】 請求項7に示される式においてR1がエ
    チル基で、R2がメチル基で、R3が水素原子またはメチル
    基である架橋重合体。
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