JP2010215893A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 黒色顔料を含有し、リン元素の含有量が0〜170ppmであり、末端カルボキシル基量が26当量/トン以下であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
また、太陽電池を、例えば屋根等に設置する場合、その周囲の環境に合う意匠性、装飾性等を付与する目的のため、太陽電池の裏面シートも黒色に着色されて、光隠蔽性が良好である必要がある。
本発明において、ポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものを指す。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4―シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
黒色顔料含有量が0.1g/m2を下回ると、フィルムの着色性・隠蔽性が十分でなく、本発明の効果が享受されないことがある。上限に関しては特に設けないが、1m2当たり10gを超えると、隠蔽性が飽和し顔料の添加量の効果が見えにくくなり、また、コストの面でも不利となる。
リン元素量が多すぎると、加水分解が促進することになるため好ましくない。
さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。
黒色顔料を含有させるポリエステル層は、任意の層を選ぶことができる。すなわち、中間層に黒色顔料を存在させることも可能であるし、あるいは表層の片側あるいは両側に存在させることも可能であるし、表層・中間層の両方に存在させることも可能である。
また、フィルム製造において、溶融工程を経た再生原料を配合するとポリエステル成分の末端カルボキシル基量が特定範囲から外れて増大する傾向があるので、本願発明においてはかかる再生原料を配合しないことが好ましく、配合するとしても40重量%以下とすることが好ましい。
ポリエステルフィルム中の1m2当たりの黒色顔料の含有量を測定した。すなわち、ポリエステルフィルムを100cm2採取し重量測定した値と、ポリエステルフィルム100cm2をベンジルアルコールに溶解後の不溶分のみの重量値とから、ポリエステルフィルム中の、黒色顔料の重量比率(重量%)、ならびに1m2当たりの黒色顔料の含有量(g/m2)を計算で求めた。
いわゆる滴定法によって、末端カルボキシル基量の量を測定した。すなわちポリエステルフィルムをベンジルアルコールに溶解し、フェノールレッド指示薬を加え、水酸化ナトリウムの水/メタノール/ベンジルアルコール溶液で滴定した。尚、ポリエステルフィルム中にカーボンブラックや酸化鉄のような黒色顔料が含まれている場合は、ベンジルアルコールに対する不溶成分である黒色顔料を、遠心沈降法により取り除いたものに対し適定することで、ポリエステル成分に対する末端カルボキシル基量(当量/トン)を求めた。
蛍光X線分析装置(島津製作所社製型式「XRF−1500」)を用いて、下記表1に示す条件下で、単枚測定でフィルム中の元素量を求めた。積層フィルムの場合はフィルムを溶融してディスク状に成型して測定することにより、フィルム全体に対する含有量を測定した。
パーソナルプレッシャークッカー装置(平山製作所社製)を用いて、ポリエステルフィルムを120℃−100%RHの雰囲気にてフィルムを48時間処理する。以下の引張破断伸度の経時変化を観測することで耐加水分解性の指標とした。
オートグラフAG-I(島津製作所社製)にて、得られたフィルムの製膜方向(MD方向)に
対し、200mm/分の速度で、フィルムの機械的特性として破断伸度を測定した。処理前後での破断伸度の維持率(%)を下記の式にて算出し、下記の基準で判断した。
破断伸度維持率[%]=処理後の破断伸度÷処理前の破断伸度×100
◎:維持率が80%以上
○:維持率が60〜80%
△:維持率が30〜60%
×:維持率が30%未満
島津製作所社製UV−3100を用いて可視光線透過率を算出した。波長550nmにおけ
る可視光線透過率について、以下の基準で評価した。
◎:可視光線透過率が10%未満
○:可視光線透過率が10〜35%
△:可視光線透過率が35〜50%
×:可視光線透過率が50%以上
マクベス濃度計TD−904型を用いて、フィルムを単枚で測定した。(この値が大きいほど、高い隠蔽性を表す。)表示値が安定後、読み取りを行った。得られた物性値を下記の基準で判断した。
◎:透過濃度が2.0以上
○:透過濃度が0.4〜2.0
△:透過濃度が0.1〜0.4
×:透過濃度が0.1未満
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸カルシウム0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。
4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物に三酸化アンチモン0.04部、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.6μmのシリカ粒子0.08重量部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には40パスカルとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.60に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリエステルを吐出させた。得られたポリエステル(1)の極限粘度は0.60、ポリマーの末端カルボキシル基量は35当量/トンであった。
ポリエステル(1)を出発原料とし、真空下220℃にて固相重合を行ってポリエステル(2)を得た。ポリエステル(2)の極限粘度は0.74、ポリマーの末端カルボキシル基量は9当量/トンであった。
ポリエステル(1)の製造において、エステル交換反応後に正リン酸0.03部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.6μmのシリカ粒子0.08重量部を加えた以外は同様の方法で、ポリエステル(3)を得た。得られたポリエステル(3)の極限粘度は0.63、ポリマーの末端カルボキシル基量は14当量/トンであった。
ポリエステル(3)を出発原料とし、真空下220℃にて固相重合を行ってポリエステル(4)を得た。ポリエステル(4)の極限粘度は0.69、ポリマーの末端カルボキシル基量は12当量/トンであった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩を0.02部加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃ とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドホスフェート0.03部を添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモンを0.04部加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルのチップ(5) を得た。この、ポリエステルの極限粘度は0.63、ポリマーの末端カルボキシル基量は51当量/トンであった。
ポリエステル(5)を出発原料とし、真空下220℃にて固相重合を行って、ポリエステル(6)を得た。ポリエステル(6)の極限粘度は0.85、ポリマーの末端カルボキシル基量は45当量/トンであった。
上記ポリエステル(2)をベント付き二軸押出機に供して、カーボンブラック(オイルファーネスブラック 平均一次粒径70nm)を20重量%となるように供給してチップ化を行い、カーボンブラックマスターバッチ(B-MB1)を得た。
上記ポリエステル(5)をベント付き二軸押出機に供して、カーボンブラック(オイルファーネスブラック 平均一次粒径70nm)を20重量%となるように供給してチップ化を行い、カーボンブラックマスターバッチ(B-MB2)を得た。
上記ポリエステル(2)およびポリエステル(3)を80:20の比率で混合したポリエステルを原料とし、さらに上記カーボンブラックマスターバッチ(B-MB1)を2.6重量部添加した混合物を、1つのベント付き二軸押出機により、290℃で溶融押出し、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。得られたシートを縦方向に83℃で3.7倍延伸した後、テンターに導き、110℃で横方向に3.9倍延伸し、さらに220℃で熱処理を行った。得られたフィルムの平均厚さは50μmであった。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)に変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)およびポリエステル(4)を40:60の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例3において、カーボンブラックマスターバッチ(B-MB1)を0.9重量部と変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例4のフィルム製膜条件のうち、製膜速度を5倍遅くした以外は、混合物中の配合比は変更せず、実施例4と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの平均厚さは250μmであった。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
上記ポリエステル(2)およびポリエステル(4)を40:60の比率で混合したポリエステルに上記カーボンブラックマスターバッチ(B-MB1)を2.6重量部添加した混合物を、ベント付き二軸押出機A(サブ)に直接投入するとともに、上記ポリエステル(2)およびポリエステル(4)を40:60の比率で混合したポリエステルをベント付き二軸押出機B(メイン)に直接投入した。双方の原料を二軸押出機中、290℃で溶融、混練し、得られた溶融体を多層Tダイ内でA/B/Aの構成となるように合流してスリット状に押出し、40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の2種3層からなる多層シートを得た。得られた未延伸シートを縦方向に83℃で3.7倍延伸した後、テンターに導き、110℃で横方向に3.9倍延伸し、さらに220℃で熱処理を行った。得られたフィルムの平均厚さは250μmであり、A/B/Aの層構成比が25/200/25であった。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、混合物中のカーボンブラックマスターバッチの配合量を0.65重量部と変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(1)およびポリエステル(3)を40:60の比率で混合したポリエステルに変更し、かつ混合物中のカーボンブラックマスターバッチ(B−MB1)をカーボンブラックマスターバッチ(B−MB2)に変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(6)に変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(3)に変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(1)およびポリエステル(4)を10:90の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
実施例1において、混合物中のカーボンブラックマスターバッチの配合量を0.0重量部と変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
実施例1において、混合物中のカーボンブラックマスターバッチの配合量を0.50重量部と変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
Claims (2)
- 黒色顔料を含有し、リン元素の含有量が0〜170ppmであり、末端カルボキシル基量が26当量/トン以下であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
- 黒色顔料を0.1g/m2以上含有することを特徴とする請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
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