JP2010209457A - 半導体液晶製造装置用表面処理部材の製造方法 - Google Patents

半導体液晶製造装置用表面処理部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来方法で形成された陽極酸化皮膜より高硬度で、しかも、クラック発生の面でも問題のない、高硬度で低クラックのバランスに優れた陽極酸化皮膜を、簡便な方法にて形成することができる半導体液晶製造装置用表面処理部材の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】アルミ合金或いは純アルミニウムを基材とした部材の表面に陽極酸化皮膜を形成した後、純水中に浸漬して前記陽極酸化皮膜を水和処理する半導体液晶製造装置用表面処理部材の製造方法において、前記水和処理を、処理温度:80℃〜100℃、処理時間(分)≧−1.5×処理温度(℃)+270、を満たす条件で実施する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ドライエッチング装置、CVD装置、イオン注入装置、スパッタリング装置などの半導体や液晶の製造設備などの真空チャンバ、或いはその真空チャンバの内部に設けられる部品の材料として好適に用いられるアルミニウム合金や純アルミニウムを基材とする半導体液晶製造装置用表面処理部材を製造する方法に関するものである。
アルミ合金或いは純アルミニウムを基材とした部材の表面に陽極酸化皮膜を形成して、その基材に耐プラズマ性や耐ガス腐食性などを付与させる陽極酸化処理は、従来から広く採用されてきた。
例えば、半導体製造設備のプラズマ処理装置に用いられる真空チャンバ、並びに、その真空チャンバの内部に設けられる電極等の各種部材は、アルミニウム合金を用いて形成されることが通常であった。しかしながら、そのアルミニウム合金を無垢のままで使用すれば、耐プラズマ性や耐ガス腐食性などを維持することができないので、アルミニウム合金によって形成された部材の表面に陽極酸化処理を施して陽極酸化皮膜を形成することで、耐プラズマ性や耐ガス腐食性などを付与することで対応していた。
半導体製造設備のプラズマ処理装置に用いられる真空チャンバ、並びに、その真空チャンバの内部に設けられる電極等の各種部材は、プラズマの物理エネルギーによる陽極酸化皮膜の磨耗が激しく、陽極酸化皮膜は高硬度である必要があり、また、陽極酸化皮膜にクラックが存在するとクラックを通じてガスが侵入して基材であるアルミニウム合金を腐食するため、陽極酸化皮膜にはできるだけクラックが存在しない方が良い。
従来は、陽極酸化皮膜を高硬度化する方法として、陽極酸化皮膜を形成する際の電解液を低温に制御する方法や、高電流密度にて電解する方法が採用されているが、これらの方法で陽極酸化皮膜を高硬度化すると、陽極酸化皮膜のクラックの発生を増加させる方向になり、また、これらの方法には高エネルギーが必要となるという問題もある。そこで、各種部材の使用環境や要求価格に応じて、陽極酸化皮膜の硬度とクラックのバランスが調整されているが、高硬度と低クラック、そして低価格への要求に十分に対応できていないのが現状である。
また、陽極酸化皮膜を高硬度化する方法としては、特許文献1として、アルコールを添加した硫酸系電解液を用いて高硬質の陽極酸化皮膜を形成する方法が提案されている。しかしながら、この方法は、陽極酸化処理による電解液中のアルコールの濃度変化の管理が煩雑になるという問題点を有している。
また、特許文献2として、アルミニウム合金に陽極酸化加工が施されている表面処理部材の表面に、更に、酸化物溶射皮膜を形成する方法が提案されており、得られる皮膜が高硬度であることが記載されている。しかしながら、この方法は、酸化物溶射皮膜を形成するための処理が非常に複雑であり、且つ高価な設備を必要とし、また、複雑形状部位には適用できないという課題がある。
特開2006−336081号公報 特開2004−332081号公報 特開平7−216588号公報
本発明は、上記従来の問題を解決せんとしてなされたもので、従来方法で形成された陽極酸化皮膜より高硬度で、しかも、クラック発生の面でも問題のない、高硬度で低クラックのバランスに優れた陽極酸化皮膜を、簡便な方法にて形成することができる半導体液晶製造装置用表面処理部材の製造方法を提供することを課題とするものである。
請求項1記載の発明は、アルミ合金或いは純アルミニウムを基材とした部材の表面に陽極酸化皮膜を形成した後、純水中に浸漬して前記陽極酸化皮膜を水和処理する半導体液晶製造装置用表面処理部材の製造方法において、前記水和処理を、
処理温度:80℃〜100℃、処理時間(分)≧−1.5×処理温度(℃)+270、を満たす条件で実施することを特徴とする半導体液晶製造装置用表面処理部材の製造方法である。
請求項2記載の発明は、前記水和処理の後に、処理温度:120℃〜450℃、
処理時間(分)≧−0.1×処理温度(℃)+71、を満たす条件で熱処理を実施することを特徴とする請求項1記載の半導体液晶製造装置用表面処理部材の製造方法である。
請求項1記載の半導体液晶製造装置用表面処理部材の製造方法によると、水和処理の処理時間および処理温度を規定するという極めて簡便な方法で、従来方法で形成された陽極酸化皮膜より高硬度で、しかも、クラック発生の面でも問題のない、高硬度で低クラックのバランスに優れた陽極酸化皮膜を形成することができる。
また、本発明の半導体液晶製造装置用表面処理部材の製造方法における水和処理は、処理温度が80℃〜100℃の熱水を用いた処理であり、加圧蒸気を用いる水和処理のように、特別な設備も必要としない。
請求項2記載の半導体液晶製造装置用表面処理部材の製造方法によると、水和処理の後に更に熱処理を施すため、陽極酸化皮膜を、クラック発生の面でも問題のない範囲で更に高硬度とすることができる。
実施例の試験結果をまとめたものであって、水和処理時間および水和処理温度と、ビッカース硬度の関係を示すグラフ図である。 実施例の試験結果をまとめたものであって、水和処理の処理時間および処理温度と、クラック頻度の関係を示すグラフ図である。 実施例で、試験片の表面を光学顕微鏡により400倍の倍率で観察した観察例のクラックの発生状況を示す顕微鏡写真である。
以下、本発明を実施形態に基づき詳細に説明する。
陽極酸化皮膜は、アルミニウム合金などの基材を電解液中に浸漬して陽極とし、電流を流すことで、陽極側のアルミニウム合金などの基材の表面を酸化することにより形成されるが、電解液の組成、電解温度、電流密度(単位面積あたりの電流値)によって、形成される陽極酸化皮膜の性状、すなわち、陽極酸化皮膜の硬度や発生するクラック頻度などが異なることとなる。
陽極酸化皮膜は、主として硫酸電解液を用い、低温且つ高電流密度で電解することによって、形成されているのが現状であるが、この方法で陽極酸化皮膜を形成すると、高硬度の陽極酸化皮膜を得ることはできるものの、一方で、陽極酸化皮膜に発生するクラックの頻度(例えば、単位表面積あたりのクラック長さ)が大きくなるという矛盾を生じていた。
また、半導体液晶製造装置用表面処理部材においては、ガスと陽極酸化皮膜の化学反応抑制の観点で、陽極酸化皮膜に水和処理(通称:封孔処理)を施すことがあるが、水和処理を施すと、例えば、特許文献3で、「封孔処理で形成された封孔層4は、結晶化する傾向をもっており、皮膜強度を低下させる原因となる」と記載されているように、一般に、陽極酸化皮膜の硬度が低下することが知られており、許容される硬度低下の範囲内での水和処理時間が設定されていた。
本発明者らは、この水和処理に着目し、鋭意、検討、探求を重ねた。その結果、水和処理時間を十分に長くすることで、逆に、陽極酸化皮膜が高硬度化し、発生するクラックの頻度もあまり高くならないことを見出し、本発明の完成に至った。
具体的には、陽極酸化皮膜を水和処理する際の処理温度を80℃〜100℃とした上で、水和処理を施す際の処理時間を、「処理時間(分)≧−1.5×処理温度(℃)+270」という条件を満たすようにして、水和処理を実施することで、陽極酸化皮膜が高硬度化し、発生するクラックの頻度もあまり高くならない。
また、水和処理の後に、熱処理を施すことで、陽極酸化皮膜が更に高硬度化し、発生するクラックの頻度も問題とするほど高くならないことを見出した。
具体的な熱処理の条件は、処理温度を120℃〜450℃とした上で、熱処理を施す際の処理時間を、「処理時間(分)≧−0.1×処理温度(℃)+71」という条件を満たすようにして、陽極酸化皮膜に熱処理を施すことであり、このような条件で陽極酸化皮膜に熱処理を施すことで、熱処理を施す前の高硬度化した陽極酸化皮膜より更にビッカース硬度でHv.25以上高硬度化することができ、また、発生するクラックの頻度も問題とするほど高くならない。
(水和処理の処理温度)
水和処理の温度は、80℃〜100℃の範囲とする。水和処理の温度が80℃未満の場合は、「処理時間(分)≧−1.5×処理温度(℃)+270」という条件を満足する処理時間で水和処理を施しても、陽極酸化皮膜が高硬度化しない。その理由については十分に解明できていないが、水和反応によって形成される陽極酸化皮膜の酸化物状態が80℃以上の場合と異なっているためと考えられる。一方、水和処理の温度を100℃超とするには、水を水蒸気にするなどの特別な設備が必要となる。
水和処理の温度は、100℃までのなるべく高温である方が処理時間が短くなり生産の観点で優れるが、逆に、高温であるほど水の蒸発量が大きくなって水の補充が必要となり処理が煩雑になる。また、工場内の別の設備で使用する80℃以上の水を流用することができため、水和処理の温度は、これらの観点を考慮し、80℃〜100℃の範囲で適宜設定すれば良い。
(水和処理の処理時間)
水和処理の処理温度を80℃〜100℃の範囲に規定しても、その処理時間が短いと陽極酸化皮膜の硬度は逆に低下するため、処理温度に応じた最低処理時間を規定することが必要である。具体的には、「処理時間(分)≧−1.5×処理温度(℃)+270」という条件を満たすようにして、水和処理を実施すれば良い。水和処理時間によって陽極酸化皮膜の硬度が変化する理由については、十分に解明できていないが、水和反応による陽極酸化皮膜の、酸化物の状態変化と酸化物の体積膨張のバランスを起因とするものではないかと考えることができる。
尚、水和処理の処理時間を「処理時間(分)≧−1.5×処理温度(℃)+270」という条件を満足する範囲で、できるだけ長くする方が陽極酸化皮膜の硬度は高くなるが、一方で、クラック頻度も僅かながら上昇する傾向があるため、要求性能に応じて適宜処理時間を設定すれば良い。但し、処理時間が長すぎると生産性に劣るため、水和処理の処理時間は、480分以下が好ましく、300分以下が更に好ましい。
(熱処理の処理温度)
熱処理の温度は、120℃〜450℃の範囲とする。熱処理の温度が120℃未満の場合は、「処理時間(分)≧−0.1×処理温度(℃)+71」という条件を満足する処理時間で熱処理を施しても、陽極酸化皮膜が高硬度化しない。その理由については十分に解明できていないが、水和反応後の脱水反応に伴う陽極酸化皮膜の構造変化が不十分であるためと考えられる。一方、熱処理の温度を450℃超とすれば、基材であるアルミニウム合金等の変形が起こりやすくなり、製品の寸法公差が外れる可能性がある。従って、熱処理の温度は、120℃〜450℃の範囲とした。
(熱処理の処理時間)
熱処理の処理温度を120℃〜450℃の範囲に規定しても、その処理時間が短いと陽極酸化皮膜の硬度は、ビッカース硬度でHv.20程度かそれ以下しか上昇せず、熱処理を施す工業的意味が殆どないため、処理温度に応じた最低処理時間を規定した。具体的には、「処理時間(分)≧−0.1×処理温度(℃)+71」という条件を満たすようにして、熱処理を実施すれば良い。熱処理時間によって陽極酸化皮膜の硬度が変化する理由については、十分に解明できていないが、水和反応後の脱水反応に伴う陽極酸化皮膜の構造変化に起因とするものではないかと考えることができる。
尚、熱処理の処理時間を「処理時間(分)≧−0.1×処理温度(℃)+71」という条件を満足する範囲で、できるだけ長くする方が陽極酸化皮膜の硬度は高くなるが、一方で、クラック頻度も僅かながら上昇する傾向があるため、要求性能に応じて適宜処理時間を設定すれば良い。但し、処理時間が長すぎると生産性に劣るため、熱処理の処理時間は、120分以下が好ましく、90分以下が更に好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
まず、JISに規定される6061アルミニウム合金を溶製してルミニウム合金鋳塊(サイズ:220mmW×250mmL×t100mm、冷却速度:15〜10℃)とし、その鋳塊を切断して面削(サイズ:220mmW×150mmL×t60mm)した後、均熱処理(540℃×4h)を施した。均熱処理後、60mm厚の素材を熱間圧延により6mm厚の板材に圧延し、切断(サイズ:220mmW×400mmL×t6mm)した後、溶体化処理(510〜520℃×30min)を施した。溶体化処理後、水焼入れし、時効処理(160〜180℃×8h)を施して供試合金板を得た。
その供試合金板より、25mm×35mm(圧延方向)×t3mmの試験片を切り出し、その表面を面削加工した。次いで、60℃−10%NaOH水溶液中に2分浸漬した後に水洗し、更に、30℃−20%HNO水溶液中に2分浸漬した後に水洗して表面を清浄化した後に、表1〜4に示す各条件で陽極酸化処理を施して試験片の表面に陽極酸化皮膜を形成した。陽極酸化皮膜の膜厚は全て50μmとした。
また、水和処理は、各試験片を純水中に浸漬し、表1〜4に示す各水和処理温度および各水和処理時間で実施した。
更に、一部の試験片については熱処理を施した。熱処理は、各試験片を大気熱処理炉に入れ、表1〜4に示す各熱処理温度および各熱処理時間で実施した。
以上の方法で作製した各試験片の表面を光学顕微鏡により400倍の倍率で観察し、クラック頻度を求め出した。観察例の顕微鏡写真を図3に示す。このクラック頻度は、各試験片の表面0.235×0.180mmの範囲内に発生したクラックの長さの総計(mm)を測定し、この総計長さをmm/mmの単位で換算することにより求め出した。
次に、各試験片を樹脂に埋め込み、陽極酸化皮膜の断面を露出させた後、陽極酸化皮膜の断面の中央部の硬度を、ビッカース硬度計(Akashi、MVK−G2)で測定した。
水和処理後の各試験片については、各試験片の測定で得られたビッカース硬度が、水和処理を施さないNo.1のビッカース硬度以上のビッカース硬度であるものを、陽極酸化皮膜が高硬度であるとして合格とした。また、熱処理後の各試験片については、各試験片の測定で得られたビッカース硬度が、熱処理前のビッカース硬度よりHv.25以上上昇したものを、陽極酸化皮膜が高硬度であるとして合格とした。
表1〜4にその試験結果を示すと共に、No.1〜No.29の水和処理時間および水和処理温度と、ビッカース硬度の関係、およびNo.32〜No.43の水和処理時間および水和処理温度と、ビッカース硬度の関係を図1に、No.1〜No.29の水和処理時間および水和処理温度と、クラック密度の関係、およびNo.32〜No.43の水和処理時間および水和処理温度と、クラック密度の関係を図2に夫々示す。
Figure 2010209457
Figure 2010209457
Figure 2010209457
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表1〜4によると、水和処理の処理温度を、80℃、90℃、100℃とし、「処理時間(分)≧−1.5×処理温度(℃)+270」という条件を満足する処理時間とした、本発明の水和処理の要件を満たす発明例であるNo.7〜No.9、No.14〜No.16、No.21〜No.23は、試験で得られたクラック頻度は高くなく、ビッカース硬度は合格判定基準を満足している。
一方、水和処理の処理温度が、80℃、90℃、100℃であるが、「処理時間(分)≧−1.5×処理温度(℃)+270」という条件を満足しないNo.2〜No.6、No.10〜No.13、No.17〜No.20は、水和処理を施さない比較例であるNo.1のビッカース硬度より、硬度が小さくなっている。
また、水和処理の処理温度が70℃のNo.24〜No.29は、「処理時間(分)≧−1.5×処理温度(℃)+270」という条件を満足する、しないに関わらず、水和処理を施さない比較例であるNo.1のビッカース硬度より、硬度が小さくなっている。
No.30やNo.31は、従来の高硬度化方法(低温、高電流密度処理)で陽極酸化皮膜を形成した事例であり、ビッカース硬度は、No.7、8、15、16と同程度であるが、クラック頻度がこれらよりはるかに高く、劣悪である。一方、No.2、3、10、11、17、18が従来のクラック頻度を重視した陽極酸化皮膜に相当するが、前述の通り、ビッカース硬度が小さい。つまり、「処理時間(分)≧−1.5×処理温度(℃)+270」という水和処理の条件を満足させることで、従来方法で形成された陽極酸化皮膜より高硬度で、しかも、クラック発生の面でも問題のない、陽極酸化皮膜を形成することができる。
また、No.32〜43は、水和処理の後に熱処理を施した試験片である。表1〜4によると、熱処理の処理温度を、120℃、300℃、400℃とし、「処理時間(分)≧−0.1×処理温度(℃)+71」という条件を満足する処理時間とした、本発明の熱処理の要件を満たす発明例であるNo.32〜No.34、No.38〜No.43は、試験で得られたクラック頻度は従来の高硬度化方法で陽極酸化皮膜を形成したNo.30やNo.31よりもはるかに低く、問題となる発生頻度ではなく、また、ビッカース硬度も合格判定基準を満足している。
一方、熱処理の処理温度が、120℃、300℃、400℃であるが、「処理時間(分)≧−0.1×処理温度(℃)+71」という条件を満足しないNo.35〜No.37は、熱処理前よりビッカース硬度がHv.25以上上昇していない。
以上の試験結果をまとめると、本発明の要件を満たす条件で半導体液晶製造装置用表面処理部材を製造することで、簡便な方法にて、従来方法で形成された陽極酸化皮膜より高硬度で、しかも、クラック発生の面でも問題のない、高硬度で低クラックのバランスに優れた陽極酸化皮膜を形成することができることができることが確認できた。

Claims (2)

  1. アルミ合金或いは純アルミニウムを基材とした部材の表面に陽極酸化皮膜を形成した後、純水中に浸漬して前記陽極酸化皮膜を水和処理する半導体液晶製造装置用表面処理部材の製造方法において、
    前記水和処理を、
    処理温度:80℃〜100℃、
    処理時間(分)≧−1.5×処理温度(℃)+270、
    を満たす条件で実施することを特徴とする半導体液晶製造装置用表面処理部材の製造方法。
  2. 前記水和処理の後に、
    処理温度:120℃〜450℃、
    処理時間(分)≧−0.1×処理温度(℃)+71、
    を満たす条件で熱処理を実施することを特徴とする請求項1記載の半導体液晶製造装置用表面処理部材の製造方法。
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