JP5937937B2 - アルミニウム陽極酸化皮膜 - Google Patents

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Description

本発明は、ドライエッチング装置、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置、イオン注入装置、スパッタリング装置等のように、半導体や液晶の製造設備等の真空チャンバーや、その真空チャンバーの内部に設けられる部品の素材として有用なアルミニウム合金を基材とした陽極酸化皮膜を有するアルミニウム部材に好適に用いられるアルミニウム陽極酸化皮膜に関するものであり、特に曲部でのクラックの発生を抑制しつつ、耐電圧性をより一層向上させたアルミニウム陽極酸化皮膜に関するものである。
アルミニウムやアルミニウム合金等を基材とした部材の表面に陽極酸化皮膜を形成して、その基材に耐プラズマ性や耐ガス腐食性を付与した陽極酸化処理は従来から広く行なわれている。例えば、半導体製造設備のプラズマ処理装置に用いられる真空チャンバーや、その真空チャンバーの内部に設けられる各種部品は、アルミニウム合金を用いて構成されることが一般的である。しかしながら、そのアルミニウム合金を何らかの処理をしないまま(無垢のまま)で使用すれば、耐プラズマ性や耐ガス腐食性等を維持することができない。こうしたことから、アルミニウム合金によって構成された部材の表面に、陽極酸化皮膜を形成することによって、耐プラズマ性や耐ガス腐食性等を付与することが行なわれている。
一方、近年では配線幅の微細化に起因して、プラズマの高密度化に伴い、プラズマを生成させるために投入する電力が増加しており、従来の陽極酸化皮膜では、高電力投入時に発生する高温・高電圧によって、皮膜が絶縁破壊を引き起こすことがある。こうした絶縁破壊が生じた部分では電気特性が変化するために、エッチング均一性や、成膜均一性が劣化することから、陽極酸化皮膜の耐クラック性および高耐電圧性化が望まれている。
陽極酸化皮膜の特性を改善するための技術は、これまでにも様々提案されている。例えば、特許文献1では、陽極酸化皮膜表面側のポア径を皮膜表面側で小さく、基材側で大きくすることによって、プラズマと皮膜との反応性を抑制し、耐プラズマ性に優れた皮膜とすることが提案されている。このような皮膜では、耐プラズマ性に関して従来よりも格段に優れたものとすることができる。しかしながら、このような皮膜においても実機材に存在し得る曲率部(曲部)では、クラック(以下、単に「曲部クラック」と呼ぶことがある)が発生することがあり、基材および陽極酸化皮膜が腐食しやすい環境下になることがある。
特開平8−193295号公報
本発明は上記のような事情に着目してなされたものであって、本発明の目的は、曲部クラックの発生を抑制し、その結果として、腐食ガス雰囲気下での基材の腐食や、皮膜割れによる耐電圧性の低下を抑制することで高耐電圧性化できるアルミニウム陽極酸化皮膜を提供することにある。
上記目的を達成することのできた本発明のアルミニウム陽極酸化皮膜とは、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材表面に形成されるアルミニウム陽極酸化皮膜であって、皮膜構造が単層の陽極酸化皮膜であるか、または皮膜構造が異なる2種以上の陽極酸化皮膜が積層されたものであり、最表面側の陽極酸化皮膜は、下記(1)式で規定される皮膜形成率が1.3以上のものであり、且つこの陽極酸化皮膜の厚さが皮膜全体の厚さに対する割合で3%以上であることを特徴とする。
皮膜形成率=陽極酸化皮膜厚さ/陽極酸化処理時の基材減少厚さ …(1)
本発明のアルミニウム陽極酸化皮膜は、クラック発生の抑制という観点からすれば、皮膜全体の厚さは薄い方が好ましいが、薄すぎると耐食性悪化が懸念されるため、例えば3μm以上であれば良い。また皮膜全体の厚さは、耐電圧性の確保という観点からすれば、20μm以上であることが好ましい(より好ましくは25μm以上)。尚、この皮膜全体の厚さとは、単層の皮膜構造の場合には単一の皮膜の厚さを意味し、皮膜構造が異なる2種以上の陽極酸化皮膜が積層された皮膜構造であれば、各層の皮膜厚さの合計の厚さを意味する。
本発明のアルミニウム陽極酸化皮膜において、皮膜構造が異なる2種以上の陽極酸化皮膜が積層されたものである場合には、基材側の陽極酸化皮膜は、前記(1)式で規定される皮膜形成率が1.3未満のものであり、且つこの陽極酸化皮膜の厚さは、皮膜全体の厚さに対する割合で10%以上であることも好ましい実施形態である。
また皮膜構造が異なる2種以上の陽極酸化皮膜を作製するには、各皮膜を形成するときの処理溶液若しくは処理条件を変化させるようにすれば良い。
本発明によれば、最表面側のアルミニウム陽極酸化皮膜を、所定の関係式で規定される皮膜形成率が1.3以上のものとし、その陽極酸化皮膜の厚さを所定の範囲に規定することで、高耐電圧性を有するアルミニウム陽極酸化皮膜が実現できる。
本発明者らは、曲部クラックの発生を抑制できるアルミニウム陽極酸化皮膜(以下、単に「陽極酸化皮膜」と呼ぶことがある)の実現を目指して、様々な角度から検討した。その結果、少なくとも最表面側の陽極酸化皮膜を、所定の関係式で規定される皮膜形成率が1.3以上となるように形成し、その陽極酸化皮膜の厚さを所定の範囲に規定すれば、上記目的に適う陽極酸化皮膜が実現できることを見出し、本発明を完成した。
曲部におけるクラックは、基本的に陽極酸化処理時における基材での減少体積(即ち、減少厚さ)を、成形する陽極酸化皮膜で埋め切れない場合に生じるものと考えられる。そこで、上記(1)式で規定される皮膜形成率が1.3以上の陽極酸化皮膜とすることによって、基材の減少体積を陽極酸化皮膜が埋めることができ、曲部クラック発生を抑制できることになる。基材の減少体積を陽極酸化皮膜が埋めるだけであれば、上記皮膜形成率が1.0以上であればよいとも考えられたのであるが、このような陽極酸化皮膜では、上記の目的を達成することができなかった。即ち、皮膜形成率が1.3以上の陽極酸化皮膜でないと、上記目的を達成することができなかったのである。
こうした現象が生じる理由は、おそらく皮膜形成率が1.3以上の陽極酸化皮膜では、皮膜自体における構造(皮膜内部構造)の変化によって皮膜が伸びやすい状態となり、皮膜に加わる応力に対する皮膜の伸び率が大きくなって曲部クラックが発生しにくい状態になると推察された。
上記皮膜形成率は好ましくは1.5以上であり、より好ましくは1.7以上であり、更に好ましくは2.0以上であり、陽極酸化処理での条件を適切に制御することによって(後述する)調整することができる。但し、この皮膜形成率は、処理時間が長くなると陽極酸化皮膜の表面が処理液により溶解し、膜厚が減少するため、ある一定の値以上にはならない。その上限は、一般的には3程度となる。
曲部クラックの発生を抑制するという観点からして、皮膜形成率が1.3以上の陽極酸化皮膜(このような皮膜を「最表面側皮膜」と呼ぶことがある)の厚さは、皮膜全体の厚さに対する割合で3%以上であることが好ましい。また皮膜全体の厚さは、具体的には、3μm以上であることが好ましい。
本発明の陽極酸化皮膜は、皮膜構造(皮膜積層構造)が単層の場合も、皮膜構造が異なる2種以上を積層したもののいずれも含むものであるが、単層の場合には皮膜全体の厚さに対する割合は100%となり、皮膜全体の厚さの好ましい下限である3μm以上は単一の層だけでの厚みを意味する。また、基材側の陽極酸化皮膜も、皮膜形成率が1.3以上の陽極酸化皮膜となる。
ところで、必要とされる耐電圧性は、半導体製造装置の種類やプロセスの違いにもよるが、皮膜全体としての耐電圧(若しくは平面部での耐電圧)は600V以上(より好ましくは1000V以上、更に好ましくは1500V以上)であることが好ましい。また皮膜全体としての耐電圧性は、皮膜構造が同一の場合、皮膜厚さに比例するため、良好な耐電圧性を確保するためには、皮膜全体の厚さ(全膜厚)は20μm以上であることが好ましい。より好ましくは25μm以上(更に好ましくは30μm以上、特に40μm以上)である。但し、皮膜全体の厚さが厚くなると、皮膜の内部応力によって皮膜にクラックが入りやすくなり、逆に耐電圧が悪化するため、200μm以下(より好ましくは100μm以下)であることが好ましい。
尚、皮膜形成率が1.3以上の陽極酸化皮膜(最表面側皮膜)は、耐電圧測定時の漏れ電流が大きくなる傾向がある。こうした漏れ電流が大きくなると、絶縁破壊に伴う皮膜の破壊に至らずとも、皮膜を通して微弱な電流が流れる場合があるので、例えば半導体プロセスにおいては、プラズマ異常放電等の問題を生じやすくなる。
本発明者らは、こうした問題を改善するという面からも検討した。その結果、皮膜形成率が1.3未満の陽極酸化皮膜(この皮膜を「基材側皮膜」と呼ぶことがある)では、漏れ電流が発生しにくいことから、このような皮膜を基材側に形成すれば漏れ電流を抑制できるとの知見が得られた。即ち、皮膜形成率が1.3未満の陽極酸化皮膜を基材側に形成すると共に、皮膜形成率が1.3以上の陽極酸化皮膜を最表面側に形成する皮膜構造(皮膜積層構造)とすれば、耐クラック性を抑制し、且つ漏れ電流が少なくできるのである。こうした皮膜積層構造を採用する場合に、上記の効果を有効に発揮させるためには、基材側皮膜の厚さを皮膜全体の厚さに対して10%以上とすることが好ましく(即ち、最表面側皮膜厚さが90%以下)、より好ましくは20%以上(更に好ましくは30%以上)である。
本発明の陽極酸化皮膜は、皮膜構造が異なる2種以上を積層した場合には、少なくとも最表面側および基材側に形成される陽極酸化皮膜の要件を満足するものであれば本発明の目的を達成することができる。但し、このことは本発明の陽極酸化皮膜の皮膜構造(皮膜積層構造)は、二層構造に限定する主旨ではなく、上記要件を満足する限り三層構造や四層構造をも含み得るものである。但し、この積層数が過剰になると、処理工程が煩雑になるばかりか、それほどの効果向上が望めないので、四層までが適切である。
また皮膜構造が異なる2種以上の陽極酸化皮膜を作製するには、各皮膜を形成するときの処理溶液若しくは処理条件(後述する)を変化させるようにすれば良い。
皮膜形成率が1.3以上の陽極酸化皮膜を形成するには、用いる陽極酸化処理液(電解溶液)の種類によっても異なるが、基本的には処理液温度を高温にし、処理電圧を低電圧若しくは電流を低電流密度にするようにすればよい。具体的には、処理液としてシュウ酸を用いる場合には、処理液の温度(液温)は、おおむね、20℃〜30℃程度とすることが好ましい。
また陽極酸化処理時の電圧(電解電圧)は、30〜60V程度(より好ましくは35〜55V)であることが好ましい。或いは、陽極酸化処理時に流す電流の電流密度は、1.0A/dm2以下(より好ましくは0.8A/dm2以下、更に好ましくは0.6A/dm2以下)が好ましい。但し、こうした具体的条件は、処理液の種類(処理液組成)や用いる基材の種類(アルミニウム若しくはアルミニウム合金)によって、適宜調整すればよい。
一方、皮膜形成率が1.3未満の陽極酸化皮膜を形成するには、上記とは逆に、基本的に処理液温度を比較的低温とし(10〜20℃)、処理電圧を高電圧若しくは電流を高電流密度にするようにすればよい。具体的には、処理液としてシュウ酸を用いる場合には、陽極酸化処理時の電圧(電解電圧)は、70〜80V程度であることが好ましい。また、陽極酸化処理時に流す電流の電流密度は、1.0A/dm2よりも大きい値(より好ましくは1.4A/dm2以上)が好ましい。
本発明で用いることのできる陽極酸化処理液としては、上記したシュウ酸に限らず、例えばギ酸などの有機酸;リン酸、クロム酸、硫酸等の無機酸;或いはこれらの混酸を用いることができる。また陽極酸化処理液の濃度は、所望とする作用効果を有効に発揮することができるように適宜適切に制御すれば良いが、例えばシュウ酸の場合には1〜5%程度に制御することが好ましい。
本発明で用いる基材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金である。これらは、陽極酸化皮膜の形成に通常用いられるものであれば特に限定されず、例えば、1000系合金(工業用純Al)、5000系、6000系のいずれのアルミニウム合金を用いることができる。また上記アルミニウム合金は、市販のアルミニウム合金を用いることもできる。
本発明の陽極酸化皮膜は、曲部でのクラック発生が低減されると共に、耐電圧性に優れたものとなるため、例えば、半導体や液晶の製造設備等の真空チャンバーや、真空チャンバー内部に設けられるクランパー、シャワーヘッド、サセプターなどに好適に使用することができる。また本発明の陽極酸化皮膜には、湿式での耐酸性を向上させるために、沸騰水処理や加圧上記処理等の封孔処理を施すことも可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限されず、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
アルミニウム合金基材として、JIS H 4000に規定される6061合金の圧延材(母材)を用い、サイズ:25mm×35mm(圧延方向)×2mmtの試験片を切り出し、その表面を面削加工した試料を複数用いた。
次いで、上記の各試料に対し、下記表1に示す条件(処理液種類、処理液温度、電解電圧若しくは電解電流密度)にて陽極酸化処理を行い、各種皮膜構造(単層または積層)の陽極酸化皮膜を作製した。
各陽極酸化皮膜の皮膜形成率、皮膜厚さ、全膜厚について下記の方法によって測定した。下記表1には、これらの結果についても示した。
(皮膜形成率および陽極酸化皮膜厚さの測定)
基材上に一部マスキング処理を行った後、陽極酸化皮膜処理を行い、得られた試料を樹脂に埋め込み研磨後、皮膜断面方向より光学顕微鏡にて観察した。マスキング処理を施した部位のAl合金位置を、元々の基材位置とし、陽極酸化処理皮膜が形成された部位の基材までの厚さを基材減少厚さとした。また、同様の断面方向からの観察により、皮膜厚さ(各層での厚さおよび全膜厚)を測定した。得られた夫々の厚さを用いて、皮膜形成率を前記(1)式に従って算出した。測定は、合計5箇所の部位における平均値を採取した。
Figure 0005937937
各陽極酸化皮膜について(試験No.1〜15)、下記の方法によって曲部クラックの発生状況の評価と、耐電圧および漏れ電流の測定を行った。これらの結果を、下記表2に示す。
(曲部クラックの発生状況の評価)
曲部クラックは、試験片の曲部(R=2mmの部分)において、皮膜表面方向から光学顕微鏡で100倍および200倍の倍率にて、曲部クラック発生状況を観察した。そして、皮膜表面に明確なクラックが存在する場合を耐クラック性が悪い(下記表2で「×」)、クラックが目視できない場合を耐クラック性が良好(下記表2で「○」)と判断した。
(耐電圧、漏れ電流の測定)
各試料の耐電圧、および漏れ電流は、耐電圧試験器(「TOS5051A」、菊水電子工業株式会社製)を用い、+端子を針型のプローブに接続し、陽極酸化皮膜上に接触させ(平面部)、−端子をアルミニウム合金基材に接続し、電圧を印加し、絶縁破壊電圧(この電圧を「平面部耐電圧」と呼ぶ)によって耐電圧性を評価した。また、同様にして、平面部での漏れ電流(平面部漏れ電流)を測定した。なお、試験No.1〜10は、いずれも、平面部耐電圧は600V以上であった。
Figure 0005937937
これらの結果から、以下のように考察することができる。まず試験No.1〜10は、本発明で規定する要件を満足する実施例であり、曲部クラックが発生することなく、良好な耐電圧性(低い漏れ電流)を示していることが分かる。尚、試験No.7、8は、第2層を形成しなかった例であり、漏れ電流の値が若干上昇している。
これに対し、No.11〜15は、本発明で規定するいずれかの要件を満足しない比較例であり、いずれかの特性が劣化している。このうち、試験No.11、12は、第1層目(再表面側層)が、皮膜形成率が1.3未満の陽極酸化皮膜で構成されたものであり、クラックの無い平面部において耐電圧性は良好となるが、曲部クラックが発生しているため、全体としては耐電圧低下が予想される。
試験No.13、14は、最表面側皮膜の皮膜割合が不足しており、曲部クラックが発生している。試験No.15は、最表面側皮膜の皮膜形成率が1.3未満の陽極酸化皮膜で構成されたものであり、且つ皮膜全体としての厚さの薄いものであり、曲部クラックが発生している。

Claims (3)

  1. アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材表面に形成されるアルミニウム陽極酸化皮膜であって、皮膜構造が異なる2種以上の陽極酸化皮膜が積層されたものであり、最表面側の陽極酸化皮膜は、下記(1)式で規定される皮膜形成率が1.3以上のものであり、且つこの最表面側の陽極酸化皮膜の厚さが陽極酸化皮膜全体の厚さに対する割合で3%以上であることを特徴とするアルミニウム陽極酸化皮膜。
    皮膜形成率=陽極酸化皮膜厚さ/陽極酸化処理時の基材減少厚さ …(1)
  2. 前記陽極酸化皮膜全体の厚さが3μm以上である請求項1に記載のアルミニウム陽極酸化皮膜。
  3. 皮膜構造が異なる2種以上の陽極酸化皮膜のうち、基材側の陽極酸化皮膜は、前記(1)式で規定される皮膜形成率が1.3未満のものであり、且つこの陽極酸化皮膜の厚さは、皮膜全体の厚さに対する割合で10%以上である請求項1または2に記載のアルミニウム陽極酸化皮膜。
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