JP2010206160A - 量子干渉装置、原子発振器、および磁気センサー - Google Patents

量子干渉装置、原子発振器、および磁気センサー Download PDF

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Abstract

【課題】ドップラー拡がりによる光共鳴波長分布を持つ原子集団に対しEIT現象を効率
よく発生させる原子発振器を提供する。
【解決手段】各共鳴光を出射するLD2と、LD2の中心波長を発生する中心波長発生手
段1と、二つの異なる基底状態のエネルギー差(ΔE12)に相当する周波数の1/2の
周波数を発振する発振器9と、ドップラー拡がりに対して十分小さい周波数を発振する発
振器10と、電気信号によりLD2から出射された共鳴光11に周波数変調を与えるEO
M(電気光学変調素子)3、4と、EOM4により変調された光12の波長により光の吸
収量を変化させる、気体状アルカリ金属(セシウム)原子を封入したガスセル5と、ガス
セル5から透過する光13を検出する光検出器(光検出手段)6と、光検出器6の出力に
基づきガスセル5のEIT状態を検出して出力電圧を制御する周波数制御手段7と、を備
えて構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、量子干渉装置、原子発振器、および磁気センサーに関し、さらに詳しくは、
EIT現象を効率良く発生させるための技術に関するものである。
電磁誘起透過方式(EIT方式、CPT方式と呼ばれることもある)による原子発振器
は、アルカリ金属原子に波長の異なる二つの共鳴光を同時に照射すると、二つの共鳴光の
吸収が停止する現象(EIT現象)を利用した発振器である。図24(a)は一つのアル
カリ金属原子のエネルギー状態を示したものである。第1基底準位23と励起準位21と
のエネルギー差に相当する波長を有する第1共鳴光、あるいは第2基底準位24と励起準
位21とのエネルギー差に相当する波長を有する第2共鳴光を、それぞれ単独でアルカリ
金属原子に照射すると、良く知られているように光吸収が起きる。ところが、このアルカ
リ金属原子に第1共鳴光と第2共鳴光を同時に照射し、同時に照射される第1共鳴光と第
2共鳴光の周波数差が正確に第1基底準位23と第2基底準位24のエネルギー差(ΔE
12)に一致すると、図24(a)の系は2つの基底準位の重ね合わせ状態、即ち量子干
渉状態になり、励起準位21への励起が停止し透明化(EIT)現象が起きる。この現象
を利用し、第1共鳴光と第2共鳴光との波長差がΔE12からずれた時の光吸収挙動の急
峻な変化を信号として検出、制御することで、高精度な発振器をつくることができる。ま
た、ΔE12は外部磁気の強さやゆらぎで敏感に変化するので、EIT現象を利用して高
感度な磁気センサーをつくることもできる。
ところで、EIT現象による光出力信号の信号対雑音比(S/N)を向上させるには、
共鳴光と相互作用するアルカリ金属の原子数を増やしてやればよい。例えば、特許文献1
では、原子発振器の出力信号のS/Nを良くすることを目的として、気体状のアルカリ金
属原子を閉じ込めたセルの厚みを大きくしたり、或いはセルに入射するレーザー光のビー
ム径を大きくするといった方法が開示されている。いずれの方法も、アルカリ金属原子が
共鳴光に接触する領域を広くするために、図24(b)或いは図24(c)のようにセル
の厚みか高さを大きくしている。ここで使用されているレーザー光については、EIT現
象の発現条件を満たす2種類の波長のレーザー光を一対のみ用いている。
また、特許文献2では、(1)EIT(CPT)方式原子発振器の感度向上に関する技
術が開示されている。すなわち、光源としてD1線を使うことを特徴とする。従来のD2
線の場合より理論上EIT(CPT)信号強度を向上できる。これにより、感度・周波数
安定度が向上する。(2)尚、4光波光源を用い、2つにエネルギー分裂しているP1/
2励起準位(超微細構造)を同時に2重Λ型遷移で相互作用させることで、更に信号強度
が改善されるとしているが、ここで開示されている技術は4光波混合に関するものであり
、本発明の関る技術分野の範囲外である。
特開2004−96410公報 USP6359916
セル内の気体状のアルカリ金属原子の集団を構成する個々の原子に着目すると、それぞ
れの運動状態に応じた一定の速度分布を持っている。この原子集団に対して入射されるレ
ーザー光の波長が2種類(一対)のみだと、原子の運動によるドップラー効果(ドップラ
ーシフト)の影響で、実際に相互作用できるのは、セル内の多数の原子の内、レーザー入
射方向に対する特定の速度成分の値を持ったごく一部の原子に限られてしまい、EIT発
現に寄与する原子の割合が極めて低い。特許文献1に開示されている従来技術は、このよ
うなEIT発現効率が低い状態で構成された原子発振器であるので、信号対雑音比(S/
N)の大きい所望の吸収スペクトルを得るには、セルの厚みか或いは高さの何れかを大き
くしなければならず、信号対雑音比を維持しながら小型化することは困難であるという課
題があった。つまり、セル内の単位体積あたりでEIT現象に寄与する原子数に変わりは
ないままである。また、特許文献2−(1)に開示されている技術についても課題は同様
である。
即ち、特許文献1、2−(1)は、いずれも2光波のみしか使わない。セル内のアルカ
リ原子は速度分布を持っており、これに伴うエネルギーのドップラー拡がりが存在する。
そのために、2光波のみのΛ型遷移ではごく一部の原子としか相互作用しないので単位体
積当りのEIT発現収率が極端に悪い。従って、EIT信号強度が弱いという問題点があ
る。
実在するアルカリ原子の励起準位は超微細構造をもち、図20に示したようなお互いに
異なるエネルギーをもつ準位に分裂している。従ってアルカリ原子を対象としたEIT現
象は、図24(a)に示した単純なΛ型3準位系で説明できないため、実際にEITを効
率よく発生させる為には、このような多準位を考慮する必要がある。しかし、これまで多
準位の存在と前述の原子速度分布に伴うエネルギーのドップラー拡がりとの関係を考慮し
た検討が十分なされていないという問題点があった。
特に本発明のように、複数の共鳴光対を用いる場合、励起準位のエネルギー状態を考慮
して光源(レーザー)の中心周波数を決定したり、レーザーの変調条件を決定することは
、EIT現象を用いた量子干渉デバイスの駆動条件の最適化といった観点から重要である

本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、波長が異なる複数の共鳴光対を生
成することにより、セル内のより多くの気体状のアルカリ金属原子に対してEIT現象を
効率よく発生させる量子干渉装置を提供し、これを利用することで小型の原子発振器、磁
気センサーあるいは量子干渉センサーを提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]少なくとも、気体状のアルカリ金属原子と、該アルカリ金属原子の2つの
基底状態間のエネルギー差に相当する周波数差を保持した異なる周波数の共鳴光対を発生
させるための光源と、を備え、前記アルカリ金属原子と前記共鳴光対を相互作用させて電
磁誘起透過現象(EIT)を発生させる量子干渉装置であって、前記共鳴光対の数が複数
対であり、それぞれの共鳴光対の中心周波数は互いに異なることを特徴とする。
本発明の量子干渉装置の特徴は、励起レーザー光対の数を2対以上の複数対にして、そ
れぞれのレーザー光対の中心周波数が互いに異なるように構成した点である。これにより
、単位体積あたり、より多くの気体状のアルカリ金属原子に対してEIT現象を発生させ
ることができる。
[適用例2]前記アルカリ金属原子と相互作用させる共鳴光対を直線偏光としたことを
特徴とする。
光源から出射される共鳴光対は光の伝播方向に垂直な面内で、電気ベクトルの先端が直
線を描く場合、その光は直線偏光と呼ばれる。従って、光源から出射する共鳴光対は偏光
をかけなければ直線偏光となる。また、光の偏光状態は直交した二つの直線偏光の重ね合
わせとして考えることができる。これにより、光源からの共鳴光は元々直線偏光のため、
偏光する手段が不必要であるため、光源の構成が単純化できる。
[適用例3]前記アルカリ金属原子と相互作用させる前記共鳴光対を円偏光としたこと
を特徴とする。
光源から出射される共鳴光対は光の伝播方向に垂直な面内で、電気ベクトルの先端が円
を描く場合、その光は円偏光と呼ばれる。共鳴光対を円偏光に変換すると、波長λ0の光
透過強度が通常の約6倍に増大することが実験的に確認されている。これにより、EIT
現象による光出力信号のS/Nを向上させることができる。
[適用例4]前記アルカリ金属原子と相互作用させる前記共鳴光対を楕円偏光としたこ
とを特徴とする。
光源から出射される共鳴光対は光の伝播方向に垂直な面内で、電気ベクトルの先端が楕
円を描く場合、その光は楕円偏光と呼ばれる。共鳴光対の光路上に光路と直交するように
波長板を置いてその面を回転させると、偏光状態が変化して直交偏光と円偏光の間に連続
的に変化する楕円偏光が存在することが分かる。従って、楕円偏光であってもEIT現象
による光出力信号のS/Nを向上させることができる。
[適用例5]前記光源と前記アルカリ金属原子を封入したセルとの間の光路上に波長板
を設けたことを特徴とする。
波長板とは、直交する偏光成分の間に位相差を生じさせる複屈折素子のことである。位
相差π(180°)を生じるものをλ/2板または半波長板と呼び、直線偏光の偏光方向
を変えるために用いる。位相差π/2(90°)を生じるものをλ/4板または四分の一
波長板と呼び、直線偏光を円偏光(楕円偏光)に変換、また逆に円偏光(楕円偏光)を直
線偏光に変換するために用いる。本発明では、直線偏光を円偏光又は楕円偏光に変える必
要があるため、λ/4板が使用され、光源から出射した直線偏光の共鳴光対を波長板によ
り円偏光又は楕円偏光に変えて、ガスセルに入射させる必要がある。これにより、簡単な
構成でEIT現象による光出力信号のS/Nを向上させることができる。
[適用例6]前記複数の共鳴光対が電磁誘起透過現象の発現条件を満たしており、それ
ぞれの共鳴光対の光強度が、EIT信号強度が線形に増大する領域の最大値P0近傍であ
ることを特徴とする。
このような複数の共鳴光対の光強度分布にすると、光利用効率を高めることができる。
[適用例7]前記複数の共鳴光対の強度分布が、それぞれの対の中心周波数に対してガ
ウス分布になっており、かつ最大の光強度に対応する共鳴光対が、該光方向の速度成分が
0近傍である前記アルカリ金属の原子集団に対応する電磁誘起透過現象の発現条件を満た
しており、その強度が線形領域の最大値P0であることを特徴とする。
アルカリ金属原子の速度分布はガウス分布であるので、共鳴光対の光強度分布を予めガ
ウス分布に設定すれば、簡単な光駆動回路で高い光利用効率が達成できる。
[適用例8]前記複数の共鳴光対の生成を、振幅変調と周波数変調または位相変調の合
成により行うことを特徴とする。
このような変調方式は、共鳴光対の光強度分布を高い自由度で制御可能である。
[適用例9]前記複数の共鳴光対の生成を、正弦波、三角波、のこぎり波、矩形波のい
ずれかの波形を有する信号による変調によって行うことを特徴とする。
このような変調方式は、簡単な光駆動回路共鳴光対の光強度分布を高い自由度で制御可
能である。
[適用例10]前記光源を変調するための駆動回路部を備え、該駆動回路部が、その他
の構成部品と分離されており、前記駆動回路部の定数は、製造工程または製品化後の状態
で任意に制御、設定できる構造であることを特徴とする。
EIT現象を利用した「量子干渉デバイス」は、高精度発振器、時計などの高精度計測
装置や、磁気センサー、花粉や煙といった微粒子検出センサーをはじめとする量子干渉セ
ンサーなど、いろいろな応用製品が考えられるが、このような構造とすることで目的に応
じた最適なEIT信号プロファイルを獲得できる。
[適用例11]前記アルカリ金属原子の核スピン量子数をIとし、前記アルカリ金属原
子のP1/2の励起準位またはP3/2の励起準位のうち、超微細構造の量子数をF’と
し、F’=I−1/2、及びF’=I+1/2のドップラー拡がりを考慮した両エネルギ
ーの範囲が互いに重なっている領域の最小エネルギーをE1、最大エネルギーをE2とし
たときに、前記電磁誘起透過(EIT)現象を起こす複数の共鳴光対のいずれかの励起先
エネルギーEendが、E1<Eend<E2を満たすことを特徴とする。
該条件を満たしたEendに対応する共鳴光対に対しては、互いに逆方向の速度成分を
もつ原子を同時にEIT発現させることができるので、パワーブロードニング(光パワー
が強いと、EIT信号の線幅が増大してしまう現象)が起こり難く、従ってQ値(EIT
信号の半値幅の逆数)を増大させることで性能指数(後で定義する)が向上する。
[適用例12]前記アルカリ金属原子の核スピン量子数をIとし、前記アルカリ金属原
子の励起準位の超微細構造の量子数をF’としたとき、F’=I−1/2、及びF’=I
+1/2のドップラー拡がりを考慮した両エネルギーの範囲が互いに重ならない状態であ
って、前記ドップラー拡がりを考慮した前記F’=I−1/2のエネルギーの範囲をE1
1からE12(ただし、E11<E12)とし、前記ドップラー拡がりを考慮した前記F
’=I+1/2のエネルギーの範囲をE21からE22(ただし、E21<E22)とし
たときに、前記電磁誘起透過現象を起こす複数の共鳴光対のいずれかの励起先エネルギー
Eendが、E11<Eend<E12またはE21<Eend<E22のいずれか一方
のみの条件を満たすことを特徴とする。
該条件を満たしたとき、純粋な3準位系Λ型遷移を維持しつつ複数の共鳴光対によるE
ITが実現できるので、重畳効果によるEIT信号の増強効果を大きくすることができる
[適用例13]前記アルカリ金属原子に対して複数の共鳴光対を1回乃至複数回折り返
して通過させ、前記アルカリ金属原子から前記電磁誘起透過現象を検出する量子干渉装置
であって、ドップラー幅を考慮しない励起準位のエネルギーをE10とし、前記複数の共
鳴光対の励起先エネルギーをEend0としたときに、前記Eend0がE10<Een
d0またはEend0<E10を満足することを特徴とする。
この場合、一対の共鳴光で往路と復路で、それぞれセル内で逆方向の速度成分をもつア
ルカリ金属原子群とEITを起こすことができる。従ってこのような条件で複数の共鳴光
対でEITを起こす構成とした場合、反射型ではない場合に比べ、半分の数の共鳴光対、
あるいは半分の光の変調幅で同等の効果が得られる。
[適用例14]前記アルカリ金属原子に対して複数の共鳴光対を1回乃至複数回折り返
して通過させ、前記アルカリ金属原子から前記電磁誘起透過現象を検出する量子干渉装置
であって、前記電磁誘起透過現象を起こす複数の共鳴光対のいずれかの励起先エネルギー
をEendとしたとき、前記Eendが、Eend<E10またはE10<Eendのい
ずれか一方のみの条件を満たすことを特徴とする。
この場合、全ての共鳴光対がEITに寄与し、反射型であるので反射型ではない場合に
比べ、半分の数の共鳴光対で済むので、より効率が高い。
[適用例15]前記折り返し数が奇数回(往と復それぞれの総光路長がほぼ等しい)で
あることを特徴とする。
光の往路と復路の光路長をほぼ等しくすると、それぞれ異なる速度群においてEITに
寄与する原子の数がほぼ等しくなるのでEIT発現効率の観点から有利である。
[適用例16]原子発振器に前記量子干渉装置を備えたことを特徴とする。
原子発振器に本発明の量子干渉装置を備えることにより、S/Nの高い状態でEIT現
象を発現させることができるため、原子発振器の小型化が可能となる。
[適用例17]磁気センサーに本発明の前記量子干渉装置を備えたことを特徴とする。
原子発振器の発振周波数は、原子の2つの基底準位間のエネルギー差(ΔE12)を基
準としている。ΔE12の値は、外部磁気の強さやゆらぎで変化するため、原子発振器の
セルには、外部磁気の影響を受けないように、磁気シールドが施されている。そこで磁気
シールドを外し、ΔE12の変化を発振周波数変化から読取ることにより、外部磁気の強
さや変動を測定する磁気センサーをつくることができる。本発明の量子干渉装置を備える
ことにより、S/Nの高い状態でEIT現象を発現させることができるため、磁気センサ
ーの小型化が可能となる。
[適用例18]量子干渉センサーに本発明の前記量子干渉装置を備えたことを特徴とす
る。
本発明の量子干渉装置を備えることにより、EIT信号プロファイルに影響を与える外
乱を検知するあらゆるセンサーの感度、精度の向上、小型化が可能となる。
気体状態のアルカリ金属原子の速度分布の概略図である。 本発明の第1の実施形態に係る原子発振器の構成を示す図である。 (a)及び(b)はガスセルに入射する共鳴光の周波数スペクトラムを示す図である。 ガスセルに入射した共鳴光と気体状のアルカリ金属原子の移動方向の様子を示す図である。 原子運動によるエネルギーのドップラー拡がりと本発明の共鳴光との関係を説明する模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る原子発振器の構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る原子発振器の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る磁気センサーの構成を示す図である。 (a)は、波長の異なる2つの共鳴光対によるEIT現象に係る光透過強度の図、(b)は波長の異なる2つの共鳴光対を変調したときのEIT現象に係る光透過強度の図である。 本発明の第4の実施形態に係る原子発振器の構成を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係る原子発振器の構成を示す図である。 (a)は原子の「速度(一次元射影)」分布(マックスウェル−ボルツマン分布)を示す図、(b)は原子の「速さ」分布(マックスウェル−ボルツマン分布)を示す図である。 (a)は正弦波変調時の高調波(+成分)分布を示す図、(b)は典型的な矩形波変調時の高調波(+成分)分布を示す図、(c)は典型的な三角波変調時の高調波(+成分)分布を示す図である。 (a)は光強度の線形―非線形分岐点を示す図、(b)はレーザー周波数分布を示す図である。 (a)はEIT信号線幅のレーザー強度依存性を示す図、(b)はEIT信号強度とEIT信号線幅の関係について従来と本発明の比較を示す図である。 CsD2線近傍レーザー周波数分布を示す図である。 EIT信号強度と線幅の関係を示す図である。 同一線幅でのEIT信号強度の比較を示す図である。 実験系の構成を示す図である。 (a)はD2線に対応するエネルギー図、(b)はD1線に対応するエネルギー図、(c)はドップラー拡がりを考慮した励起準位近傍のエネルギー図である。 (a)はドップラー拡がりを考慮した励起準位近傍のエネルギー図、(b)はドップラー拡がりを考慮した励起準位近傍のエネルギー図である。 (a)は励起準位近傍のエネルギー図、(b)は励起準位近傍のエネルギー図、(c)本発明の第6実施形態に係るアルカリ金属原子を封入したセルと光源、光路および検出器の配置構成を示した図である。 (a)は励起準位近傍のエネルギー図、(b)は励起準位近傍のエネルギー図、(c)本発明の第7実施形態に係るアルカリ金属原子を封入したセルと光源、光路および検出器の配置構成を示した図である。 (a)は従来のEIT方式の原理を説明する図、(b)、(c)は従来のガスセルと共鳴光の関係を示す図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記
載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限
り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
ここで、以下に度々でてくる「性能指数」を定義しておく。性能指数とは、EIT信号
の線幅の逆数(即ち、Q値)と、EIT信号対雑音比(即ち、S/N)との積と定義する
。例えば、S/NはEIT信号強度に比例するので、EIT信号強度が大きくなれば性能
指数は向上する。本発明の主眼は、この性能指数を向上させることにある。
図1は容器に閉じ込められた気体状のアルカリ金属原子集団の速度分布の概略図を示し
たものである。
図1の横軸は気体状のアルカリ金属原子の速度を、縦軸はその速度を有する気体状のア
ルカリ金属原子の数の割合を示している。図1に示すように、速度0を中心として気体状
のアルカリ金属原子は温度に応じた一定の速度分布を持つ。ここで、速度とは、レーザー
光を気体状のアルカリ金属原子集団に照射した時の、照射方向に平行な原子速度成分を表
し、光源に対し相対的に静止している速度の値を0としている。ここで、本願発明者らは
気体状のアルカリ金属原子の速度がEIT現象に大きく影響を与えていることに着目した
。気体状のアルカリ金属原子の速度に分布があると、光のドップラー効果(ドップラーシ
フト)により共鳴光の見かけ上の波長、すなわち気体状のアルカリ金属原子から見た共鳴
光の波長に分布を生じる。このため共鳴光1と2を1対で同時に照射してもEIT現象を
起こさずに残ってしまう気体状のアルカリ金属原子が集団の中で相当数存在することに着
目した。従来の方法、即ち共鳴光1と2を1対で同時にアルカリ金属原子集団に照射する
場合、セル内に封入されていた気体状のアルカリ金属原子集団のうち、EIT現象に寄与
できるのは、一部のアルカリ金属原子だけであった。そこで、本願発明者らは、ドップラ
ー効果の影響のため、従来EIT現象に寄与せず無駄になっていた気体状のアルカリ金属
原子も、EIT現象に寄与させるべく工夫を施した。以下、本発明について詳細に説明す
る。
図2は本発明の第1の実施形態に係る原子発振器の構成を示す図である。この原子発振
器50は、波長が異なるコヒーレント光対を2対以上(後述するように3対)の共鳴光を
入射したときの量子干渉効果による光吸収特性を利用して発振周波数を制御する原子発振
器であって、各共鳴光を出射するLD(VCSEL)(コヒーレント光源)2と、LD2
の中心波長を発生する中心波長発生手段1と、二つの異なる基底状態のエネルギー差(Δ
E12)に相当する周波数(9.2GHz)の1/2(4.596GHz)を発振する発
振器9と、約25MHzの周波数を発振する発振器10と、電気信号によりLD2から出
射された共鳴光11に周波数変調を与えるEOM(電気光学変調素子)3、4と、EOM
4により変調された光12の波長により光の吸収量を変化させる、気体状セシウム(Cs
、アルカリ金属として)原子を封入したガスセル5と、ガスセル5から透過する光13を
検出する光検出器(光検出手段)6と、光検出器6の出力に基づきガスセル5のEIT状
態を検出して出力電圧を制御する周波数制御手段7と、を備えて構成されている。尚、発
振器10の発振周波数は25MHzとしたが、この周波数はセシウム原子の典型的なドッ
プラー幅(例えば室温で約1GHz)に対して十分小さい値である。この周波数は適宜変
更することができる。また、発振器9の出力周波数は、セシウムの場合ΔE12に相当す
る周波数が約9.2GHz(4.596GHz×2)であるので、4.596GHzとし
、周波数制御手段7から出力される制御電圧により電圧制御水晶発振器8を制御して得ら
れた周波数を逓倍して生成される。そして、発振器10の周波数(25MHz)によりE
OM3を変調し、発振器9の周波数(4.596GHz)によりEOM4を変調して、E
OM3とEOM4をLD2の出射側に直列に配置した。尚、EOM3と発振器10の組み
合わせと、EOM4と発振器9の組み合わせの配列順序を逆にしても構わない。
即ち、本実施形態の原子発振器50の構成が従来と異なる点は、LD2から出射された
共鳴光11に対し変調手段としてEOM3を介すことで、波長が異なる2つの共鳴光対を
2対以上(3対)とした点である。従来の原子発振器では、波長の異なる2つの共鳴光対
を1対のみ用意して、同時に照射される2つの共鳴光の周波数差(波長の差)が正確に夫
々の基底準位のエネルギー差ΔE12に一致するように周波数を制御していた。しかし、
原子の運動による共鳴光のドップラー効果の為、ガスセル5内に閉じ込められたセシウム
原子集団の共鳴光波長には分布が生じ、1対の共鳴光では、偶然その波長に対応する共鳴
条件を満たす速度で運動している一部のセシウム原子としか相互作用をおこさないので、
EIT現象を発生する効率が悪かった。そこで本実施形態では、波長の異なる少なくとも
4つ(2つの共鳴光対)の共鳴光をガスセル5に封入された気体状のセシウム原子と相互
作用させるように光変調手段を構成した。これにより、ガスセル5内で単位体積あたりで
EIT現象に寄与するセシウム原子の数を増大させることが可能となり、効率よくEIT
信号を取得することができる。
図3(a)及び(b)はガスセルに入射する共鳴光の周波数スペクトラムを示す図であ
る。図4はガスセルに入射した共鳴光と気体状のセシウム原子の移動方向の様子を示す図
である。
次に本実施形態の動作について図3及び図4を参照しながら説明する。LD2の共鳴光
11は中心波長がλ0(中心周波数f0)となるように中心波長発生手段1で発生される
。LD2の共鳴光11に対して、EOM3と4で周波数変調をかけると、ガスセル5には
、図3(a)に示す周波数スペクトラム30〜32を有する共鳴光12が入力される。こ
こで、図3(a)において、A−A´の周波数差は9.2GHzであり、この一対の共鳴
光に対しては、λ0を適当な値に設定することで図4に示す入射光12の方向に対する速
度成分が小さい気体状のセシウム原子15がEIT現象を発生する。また、B−B´の周
波数差も9.2GHzであり、この一対の共鳴光に対しては、図4に示す入射光12と反
対方向の速度成分を持つ気体状のセシウム原子14がEIT現象を発生する。また、図3
(a)において、C−C´の周波数差も9.2GHzであり、この一対の共鳴光に対して
は、図4に示す入射光12と同じ方向の速度成分を持つ気体状のセシウム原子16がEI
T現象を発生する。このように、ガスセル5内の原子は様々な速度分布を持っている。そ
こで上記のようにサイドバンドB、B´、C、C´の成分を与えた共鳴光12をガスセル
5に入射すると、A−A´、B−B´、及びC−C´の周波数差は何れも9.2GHzと
なり、これら3対のレーザー光はいずれも対応する速度成分を持つ気体状のセシウム原子
と相互作用を起こし、その結果EIT現象に寄与するセシウム原子の割合が増大する。こ
れにより、信号対雑音比(S/N)の大きい所望のEIT信号を得ることができる。
尚、本実施形態ではEOM4の変調周波数を気体状のセシウム原子の周波数差の1/2
(4.596GHz)としたが、周波数差の9.2GHzとしても構わない。そのときの
共鳴光の周波数スペクトラムは図3(b)のようになり、周波数スペクトラム33〜35
が発生するが、例えば、周波数スペクトラム33は使用せずに、周波数スペクトラム34
と35(周波数スペクトラム33と34でも可)を使用する。即ち、A−λ0の周波数差
は9.2GHzであり、この一対の共鳴光に対しては、λ0を適当な値に設定することで
図4に示す入射光12の方向に対する速度成分が小さい気体状のセシウム原子15がEI
T現象を発生する。B−λ1の周波数差も9.2GHzであり、この一対の共鳴光に対し
ては、図4に示す入射光12と反対方向の速度成分を持つ気体状のセシウム原子14がE
IT現象を発生する。また、C−λ2の周波数差も9.2GHzであり、この一対の共鳴
光に対しては、図4に示す入射光12と同じ方向の速度成分を持つ気体状のセシウム原子
16がEIT現象を発生する。このように、ガスセル5内の原子は様々な速度分布を持っ
ている。そこで上記のようにサイドバンドB、λ1、C、λ2の成分を与えた共鳴光12
をガスセル5に入射すると、A−λ0、B−λ1、及びC−λ2の周波数差は何れも9.
2GHzとなり、これら3対のレーザー光はいずれも対応する速度成分を持つ気体状のセ
シウム原子と相互作用を起こし、その結果EIT現象に寄与するセシウム原子の割合が増
大する。これにより、信号対雑音比(S/N)の大きい所望のEIT信号を得ることがで
きる。
即ち、少なくとも2つの共鳴光対(ここでは3対)の共鳴光を発生させるためには、L
D2から出射される共鳴光にサイドバンドを重畳させて発生させ、その周波数スペクトラ
ムを利用することが考えられる。また、共鳴光を変調する周波数は、二つの異なる基底状
態のエネルギー差(ΔE12)に相当する周波数(9.2GHz)の1/2の4.596
GHzと、セシウム原子の典型的なドップラー幅(例えば室温で約1GHz)に対して十
分小さい値である周波数(ここでは25MHz)によって変調する必要がある。また、光
を変調するためのEOMを利用する。そこで本実施形態では、2種類の周波数を夫々発振
する発振器9、10を用意して、LD2の出射側に直列に配置したEOM3と4、を夫々
の周波数で変調する。これにより、LD2から出射した共鳴光11から、9.2GHzの
周波数差を維持した3対の周波数スペクトラムを有する共鳴光を生成することができる。
また、本実施形態ではEOM3とEOM4を1個ずつ備えたが、EOM4と、少なくと
も2つ以上のEOM3をLD2の出射側に直列に配置するようにしても良い。これにより
、共鳴光対の数を任意に設定し、櫛歯様の周波数間隔で発生させることができる。
図5は原子運動によるエネルギーのドップラー拡がりと本発明の共鳴光との関係を説明
する模式図である。容器に封入された気体状のアルカリ金属原子集団のエネルギー状態図
は、図24に示した一つの原子に対するエネルギー状態図の励起準位をドップラー拡がり
に相当するエネルギー帯で置き換えることで表現できる。図5における20、21、22
の各準位は、図4における、それぞれ16、15、14で示された原子に対応する励起準
位である。これにより、速度分布を持った気体状のアルカリ金属原子集団に対して、複数
の共鳴光の対によりEIT現象に寄与する原子の割合が増大していることがわかる。そこ
で、例えば1対の共鳴光に割り当てられるパワーが従来のパワーにほぼ等しい設定にすれ
ば、吸収の飽和限界が高くなりトータルのパワーが増大するので、高いコントラストのE
IT信号が取得できる。また、トータルの光照射パワーが従来とほぼ等しい場合は、本発
明の1対の共鳴光あたりのパワーは減少するので、EIT信号のパワーブロードニング(
光パワーが強いと、EIT信号の線幅が増大してしまう現象)が抑えられ、従来に比べ、
半値幅が狭い良好なEIT信号が取得できる。従ってこれを発振器に適用した場合、周波
数安定性を従来より向上させることができる。
図6は本発明の第2の実施形態に係る原子発振器の構成を示す図である。同じ構成要素
には図2と同じ参照番号を付して説明する。図6が図2と異なる点は、EOM4を削除し
て、発振器10、及び発振器9の出力信号を混合する混合器17を備え、混合器17の出
力信号18によりEOM3を駆動して、EOM3をLD2の出射側に配置する。これによ
り、EOM3から出射される共鳴光12は、図3(a)と同様の周波数スペクトラムを発
生する。
即ち、光を変調するためには、EOMを用いているが、周波数スペクトラムの数を増や
すと、それだけEOMの数を増やさなければならず、コスト的に高くなり、且つ部品点数
が増加するといった問題がある。そこで本実施形態では、EOMを変調する信号を予め混
合器17により混合しておき、その出力信号18により1つのEOM3を変調する。これ
により、EOMの数を最小限にして、部品点数を削減することができる。
図7は本発明の第3の実施形態に係る原子発振器の構成を示す図である。同じ構成要素
には図6と同じ参照番号を付して説明する。図7が図6と異なる点は、EOM3を削除し
て、混合器17の出力信号19により直接LD2を変調駆動する。これにより、LD2か
ら出射される共鳴光11は、図3(a)と同様の周波数スペクトラムを発生する。
即ち、LD2から出射された共鳴光11は、中心波長がλ0となるように中心波長発生
手段1で発生されている。そして、中心波長を変調するためには、LD2から出射された
共鳴光11をEOMで変調する方法以外に、LD2そのものを変調する方法がある。そこ
で本実施形態では、発振器10、及び発振器9の出力周波数を混合する混合器17により
混合された信号19でLD2そのものを変調駆動する。これにより、EOMを不要とする
ことができる。また、発振器10の出力周波数は、電圧制御水晶発振器8からPLL等を
介して(発振器9の回路の一部を利用することもできる)生成することもできる。その場
合は発振器10も不要となる。
また、図示は省略するが、従来のEIT方式による原子発振器に備えられているLDを
、夫々異なる波長の面発光レーザーをアレイ状に配置した構成としても構わない。
図8は本発明の実施形態に係る磁気センサーの構成を示す図である。同じ構成要素には
図7と同じ参照番号を付して説明する。図8が図7と異なる点は、ガスセル5の近傍に、
被測定磁気発生源37を配し、周波数制御手段7の出力信号の変動を測定する磁気測定器
36と、を備えた点である。原子発振器の発振周波数は、原子の2つの基底準位間のエネ
ルギー差(ΔE12)を基準としている。ΔE12の値は、外部磁気の強さやゆらぎで変
化するため、原子発振器のセルには、外部磁気の影響を受けないように、磁気シールドが
施されている。そこで磁気シールドを外し、ΔE12の変化を発振周波数変化から読取る
ことにより、外部磁気の強さや変動を測定する磁気センサーをつくることができる。本発
明の構成とすることにより、S/Nの高い状態でEIT現象を発現させることができるた
め、磁気センサーの小型化が可能となる。
図9(a)は、波長の異なる2つの共鳴光対によるEIT現象に係る光透過強度の図で
あり、図9(b)は波長の異なる2つの共鳴光対を変調したときのEIT現象に係る光透
過強度の図である。図9(a)から、波形41はVCSELからの直線偏光された光透過
強度の波形であり、その共鳴光対を更に波長板を通過させて円偏光としたときの光透過強
度が波形42である。波形42は波形41に対して約20%レベルが増加しているのが分
かる。また、図9(b)のように共鳴光対を変調すると、複数の共鳴光対はいずれも対応
する速度分布を持つ気体状のセシウム原子と相互作用を起こし、複数のピークを持った波
形43が発現する。本実施形態では、例えば、図10のようにLD2とガスセル5の間に
波長板40を光路と直交するように配置して、波長板面を徐々に回転すると共鳴光対11
が円偏光となったときに、波長λ0で光透過強度が最大の波形45となることが確認され
た。従って、共鳴光対を直線偏光から円偏光に変化する過程で光透過強度が波形43(直
線偏光)、波形44(楕円偏光)、波形45(円偏光)となることが確認された。
即ち、LD2から出射される共鳴光対11は光の伝播方向に垂直な面内で、電気ベクト
ルの先端が円を描く場合、その光は円偏光と呼ばれる。共鳴光対を円偏光に変換すると、
波長λ0の光透過強度が通常の約6倍に増大することが実験的に確認されている。これに
より、EIT現象による光出力信号のS/Nを向上させることができる。
また、LD2から出射される共鳴光対11は光の伝播方向に垂直な面内で、電気ベクト
ルの先端が楕円を描く場合、その光は楕円偏光と呼ばれる。共鳴光対の光路上に光路と直
交するように波長板を置いてその面を回転させると、偏光状態が変化して直交偏光と円偏
光の間に連続的に変化する楕円偏光が存在することが分かる。従って、楕円偏光であって
もEIT現象による光出力信号のS/Nを向上させることができる。
図10は、本発明の第4の実施形態に係る原子発振器の構成を示す図である。第4の実
施形態は、図7の構成に波長板40を追加した構成である。即ち、LD2とセル5の間に
波長板40を光路と直交するように配置したものである。LD2から出射した直線偏光の
共鳴光対11は波長板40に入射して、90度位相が偏光されて円偏光11aとなる。尚
、波長板40はLD2とセル5の間であれば何処でも良く、LD2の出射面の近傍や、セ
ル5の入射口の近傍でも構わない。
図11は、本発明の第5の実施形態に係る原子発振器の構成を示す図である。第5の実
施形態は、図6の構成に波長板40を追加した構成である。即ち、EOM3とセル5の間
に波長板40を光路と直交するように配置したものである。LD2から出射した直線偏光
の共鳴光対11はEOM3により変調されて共鳴光12となり、波長板40に入射して、
90度位相が偏光されて円偏光12aとなる。尚、波長板40はEOM3とセル5の間で
あれば何処でも良く、EOM3の出射面の近傍や、セル5の入射口の近傍でも構わない。
即ち、波長板とは、直交する偏光成分の間に位相差を生じさせる複屈折素子のことであ
る。位相差π(180°)を生じるものをλ/2板または半波長板と呼び、直線偏光の偏
光方向を変えるために用いる。位相差π/2(90°)を生じるものをλ/4板または四
分の一波長板と呼び、直線偏光を円偏光(楕円偏光)に変換、また逆に円偏光(楕円偏光
)を直線偏光に変換するために用いる。本実施形態では、直線偏光を円偏光又は楕円偏光
に変える必要があるため、λ/4板が使用され、LD2から出射した直線偏光の共鳴光対
11を波長板40により円偏光又は楕円偏光に変えて、ガスセル5に入射させる必要があ
る。これにより、簡単な構成でEIT現象による光出力信号のS/Nを向上させることが
できる。
図14(a)は、EITを発現する条件を満たしている2光波共鳴光対の光強度(横軸
)とEIT信号強度(縦軸)の関係を示した図である。光強度が十分弱い領域では、EI
T信号強度は光強度に対して比例関係を保ちながらほぼ線形に変化していく。しかしなが
ら、光強度がある点(P0)を過ぎると、光強度を増大させてもさほどEIT信号強度は
変化しない(飽和領域)。この点を考慮すると、セル内のアルカリ金属原子のうち、特定
の速度(これまで通り、入射光に平行な速度成分をさす)をもつ集団(アンサンブル)に
着目した場合、EIT信号の強度が入射光強度に対し飽和しない最大の光強度P0(線形
に強度が増加する領域で最大の光強度)に入射光強度を設定するのが光利用効率の点から
望ましい。
EIT発現領域となるセル内のアルカリ金属原子(例えばセシウム、Cs)集団は、図
12(b)のような速さの分布(プロファイル)をもち、圧力や温度といった環境要因で
そのプロファイルが変化するが、ある一定の方向のみの速度成分の分布に着目すると、図
12(a)のようにほぼガウス分布となる。この系に2光波の共鳴光対を入射しEITを
発現させると、この速度分布によりエネルギーのドップラー拡がりが生じているので、E
IT発現の周波数領域における中心周波数に対するEIT信号強度分布もガウス分布とな
る(典型的には周波数換算で1[GHz]ほどの拡がりをもつ)。従って前述の光利用効
率に着目すると、複数の共鳴光対のそれぞれの光強度がP0近傍であるように設定するの
であれば、その分布は図14(b)のように、原子の速度分布、即ちガウス分布に近い形
状であることが望ましい。
半導体レーザーなどは、直流電流を印加するとその電流値(Ivias)に応じた周波
数(波長)の単色光(コヒーレント光)を発する。中心波長を約852[nm]にし、I
viasに4.6[GHz]の「変調」を乗せると(Imod(1)=4.6[GHz]
)、中心波長の両側に両者の間隔が(4.6×2=9.2[GHz])のサイドバンドが
形成され、この2光波が共鳴光対としてセル内のCs原子に入射されると量子干渉を起こ
してEIT現象が発現する。ここで、先のドップラー拡がりを思い出すと、2光波による
共鳴光対(1対)でEIT現象に寄与しているセル内のCs原子数は非常に少ないことが
わかる。つまり従来はEIT発現効率が悪い。
半導体レーザーを駆動する印加電流の状態とレーザーの周波数分布について、図面を用
いて詳しく説明する。図16は、中心波長が約852[nm]の単色半導体レーザー光に
周波数変調を与えた時に観測された周波数分布を示した図である。アルカリ金属原子とし
て、Csを対象原子としてEITを発現させるため、中心波長をCsの励起エネルギーに
相当する約852[nm]になるようにIvias(直流バイアス電流)を設定し、これ
に4.6[GHz]の周波数変調Imod(1)を与えるか、EOM(電気光学変調素子
)を介すとサイドバンドを生じ、互いの周波数差が9.2GHzである2光波による共鳴
光対を1対発生させることができる。これにさらに任意の周波数(例えば15[MHz]
)の変調Imod(2)を重畳させると(重畳変調)、2光波のそれぞれが重畳周波数1
5[MHz]で変調され、重畳周波数15[MHz]の間隔をもつ櫛(Comb)歯状の
周波数分布が発生する。このような櫛歯状の周波数分布をもつそれぞれの元の2光波は、
共鳴光対が複数対とみなせるので、これをセル内のCs原子と作用させれば、異なる速度
で運動しているCs原子集団と同時にEITを発現させることが可能となりEIT発現効
率が格段に向上する(本発明)。
図16(a)は、従来のように重畳変調していない2光波のうちの一つである。(b)
、(c)は正弦波でImod(2)を重畳した時のスペクトルである。変調された周波数
はどちらも15[MHz]で等しいが、変調の振幅条件が(b)、(c)で異なる。両者
とも櫛歯状の周波数分布を示しており、変調振幅が0.2[V]の(b)より、1.0[
V]の(c)の方が周波数拡がりの範囲が大きいことがわかる。
図17は、本発明である重畳変調Imod(2)を加味したレーザー駆動により、複数
の共鳴光対を照射することで得られたCsのEIT信号の強度(縦軸)と線幅(横軸)の
関係を従来法と比較した図で、Csに照射されるレーザーパワーを変えることでデータを
取得した。図17の(a)、(b)、(c)は、それぞれ図16の(a)、(b)、(c
)に対応している。従来に比べ同一線幅では本発明の方が圧倒的にEIT信号強度が大き
く、先に定義した「性能指数」(=Q×(S/N))が向上していることがわかる。本発
明方法のなかでも、(b)より(c)の方がEIT信号強度が大きいのは、図16に示し
たそれぞれのレーザースペクトル分布からわかるように、セル内のより多くの速度分布の
Cs原子を捕捉することで共鳴光対との相互作用の効率が向上し、これらがEIT発現に
寄与できたためと理解できる。また、従来法(a)では、EIT信号強度が得られないた
めEIT線幅を120[kHz]以下にし、Q値(EIT信号線幅の逆数)を向上させる
ことが困難であったが、本発明(b)、(c)では更に線幅を細くでき、従って性能指数
が大幅に向上できることが確認された。
図18は、半値全幅(線幅)が127[kHz]でのそれぞれのEIT信号を比較した
図である。従来法の(a)に比べて本発明の(c)ではEIT信号強度が約14倍大きい
ことが確かめられた。
ここまでの結果をまとめると、以下のことが明らかとなった。パワーブロードニングに
よる線幅を狭くしようとレーザーパワーを下げていくと(図15(a))それに比例して
EIT信号強度が弱くなり(図15(b))、従来ではA点でEIT信号強度が0となっ
てしまう。つまり、A点における信号線幅より狭い信号線幅は獲得できない。
しかし、本発明の方法だと、EIT信号発現に寄与するセル内の原子数(密度)は大幅
に増えている為、従来法で信号強度が消失したEIT信号幅で十分な信号強度を得ること
ができる(B点)。つまりB点におけるEIT信号強度をA点におけるEIT信号強度で
除した値は、本発明の方法の従来法に対する最大増幅率を表し、S/Nの改善効果の指標
となる。S/Nが改善されれば、性能指数が向上するので、その大きさに比例してEIT
現象を利用したあらゆるデバイスの性能を向上させることができる。例えば、EIT現象
を利用した原子発振器ではS/Nに比例して周波数安定度が向上するし、これを磁気セン
サー(EIT原子発振器の周波数は、外部磁場に敏感に反応して変化する性質を用いる)
などの量子干渉センサーに応用すれば高感度化といった効果をもたらすことは明らかであ
る。また本発明ではS/Nが改善された分、EIT現象を引き起こす上記セルの大きさを
小さくしても従来と同等の信号強度が得られるので、デバイスの一層の小型化が可能にな
るといった効果がある。
また、図15(b)に示したように、B点で十分なEIT信号強度が得られていれば、
さらにレーザー強度をさげることで一層の信号線幅を狭線化できる(パワーブロードニン
グの影響の排除)。例えば目標とする最低信号強度ラインを一点鎖線で示すと、本発明の
方法ではC点における信号線幅が達成できることになる。先のS/Nの議論と同様で、線
幅の値が小さくなるほどQ値が大きくなり、従って性能指数の値が大きくなるので、EI
T現象を利用したあらゆるデバイスの性能を向上させることができる。例えば、EIT現
象を利用した原子発振器ではEIT信号の狭線化によって周波数安定度が向上するし、こ
れを磁気センサー(EIT原子発振器の周波数は外部磁場に敏感に反応し変化する性質を
用いる)などの量子干渉センサーに応用すれば高精度化といった効果をもたらす。
以上の議論から、本発明によれば、レーザーの変調方法を適切に選ぶことで従来法では
達成できないEIT信号強度やEIT線幅を得ることができるので、応用する目的に適合
したEIT信号プロファイルを広範囲に決定することができるという利点と有する。この
利点を使えば、例えばEITデバイス設計、製造段階で前記レーザー変調パラメーター(
変調On/Offも含め、変調波形や強度など)を制御できる手段をレーザー駆動回路I
C等で一体化して独立して設けておき、他の構成要素の相当数を共通部品としておけば、
目的に特化したEITデバイスを容易につくり分けることができ、コストダウンなどの効
果もある。また、前記レーザー変調パラメーターを製品ユーザー自らが利用環境等に応じ
て適切に制御、設定できる手段を設けておいてもよい。
図13にレーザーの変調方法とフーリエ成分の関係を示す。(a)は正弦波で振幅変調
(AM)した場合のフーリエ成分、(b)は矩形波で振幅変調(AM)した場合のフーリ
エ成分、(c)は三角波で振幅変調(AM)した場合のフーリエ成分である。横軸は周波
数である。矩形波変調は三角波変調よりも比較的高次のフーリエ成分が存在する。これら
の合成波や、さらに周波数変調(FM)や位相変調(PM)にてImod(2)としてレ
ーザー光を重畳変調すれば、任意の変調波形を得ることが可能となり、複数の共鳴光対の
強度分布や隣りあう周波数間隔を高い自由度で制御できる。これにより用途毎に要求され
るデバイス性能に必要なEIT信号制御が容易になり、精度も向上するといった効果が得
られる。
図19は本発明の実験系の構成を示す図である。これは、Imod(1)でレーザーを
変調せずに、EOM(電気光学変調素子)を利用している例である。
図20はアルカリ金属の電子状態のエネルギー図である。図20(a)は励起準位がP
3/2であり、いわゆるD2線に対応するエネルギー図であり、図20(b)は励起準位
がP1/2であり、いわゆるD1線に対応するエネルギー図である。図20(c)は、従
来のような2光波による1対の共鳴光対、あるいは本発明の複数の共鳴光対とドップラー
拡がりを考慮したアルカリ金属原子との相互作用を示し、EIT現象が起きる条件を満た
している場合の励起準位近傍のエネルギー図である。
励起準位P3/2が超微細構造からなり、EIT現象を利用したデバイスの通常の使用
温度範囲ではEIT発現に関与するF’=I+1/2、I−1/2はドップラー拡がりで
エネルギーが重なっている(図20(c))。また、温度が高い領域では、励起準位P1
/2の超微細構造でもドップラー拡がりによるエネルギーの重なりが起きることもある。
この重なり領域に、本発明の複数の共鳴光対のうち、なるべく多くの共鳴光対の励起先エ
ネルギーEendが該重なり領域に入るようにレーザー中心周波数(中心波長)を設定す
る。すなわち、図20(c)に示したように、E1<Eend<E2を満たすようにする
。ここで、前記F’は超微細構造の量子数であり、前記Iは核スピン量子数を表す。
このエネルギー重なり領域に入射された1対の共鳴光対は、異なるF’(超微細構造の
量子数)に対応する2種類アルカリ金属原子に対してのEIT現象を起こす。すなわち、
互いに逆向きの速度成分をもつ二種類の異なる速度群(アンサンブル)のアルカリ金属原
子に対して同時にEITが起きている。このような条件が満たされていると、共鳴光対の
光強度(光子数)が、それぞれのアンサンブルに分散されるためにEIT信号強度が飽和
しにくくなり、更に強いレーザー光を照射することが可能となり、S/Nが向上する。特
にセルが小型化されてEIT信号強度を増強する必要があるときに、より効果を発揮する
。また、照射する総光強度が変わらないのであれば、該重なり領域では先に述べたように
異なる2種類の速度群のアルカリ金属原子と光子とが相互作用を起こすように、光子数が
分散されるため、結果として片方の速度群についてはパワーブロードニングが抑えられE
IT信号の線幅が狭くなる(Q値の増大)。即ち性能指数を向上させることができる。
図21は典型的なP1/2準位のエネルギー図である。一般にD1線の超微細構造エネ
ルギー分裂幅はD2線のそれに比べて大きく(典型的には0.5〜1GHz)、ドップラ
ー拡がりによる二種類のエネルギー帯は重ならない。先に述べたようにD2線(励起先準
位がP3/2)の場合は、超微細構造のエネルギー分裂幅が小さいため、ドップラー拡が
りによってエネルギー帯に重なりが生じ、複数の共鳴光対が同時に同一の原子と相互作用
を起こし得る。この場合、4光波混合が起こり、純粋な3準位系Λ型遷移が破綻しEIT
効率が落ちる。しかし、一般にD1線の超微細構造エネルギー分裂幅はD2線のそれに比
べて大きく(典型的には0.5〜1GHz)、ドップラー拡がりによる二種類のエネルギ
ー帯は重ならない。そこで、D1線を用いれば純粋な3準位系Λ型遷移を維持しつつ複数
の共鳴光対によるEITが実現できるので、重畳効果によるEIT信号の増強効果を大き
くすることができる。この場合、E11<Eend<E12(図21(a))と、E21
<Eend<E22(図21(b))の2種類の方法がある。
図22(c)は、本発明の第6実施形態に係るアルカリ金属原子を封入したセルと光源
、光路および検出器の配置構成を示した図である。ここでは、レーザー光源より発した光
がセルに入射しアルカリ金属原子とEIT現象を起こした後、反射等の手段を介して折り
返した光が逆方向に進行することで再びセル内のルカリ金属原子とEIT現象を起こして
光検出器に導かれる。いわゆる反射型である。このとき、図22(a)、(b)に示した
ように、ドップラー幅を考慮しない励起準位のエネルギーをE10としたときに、前記光
源の単色光の励起先エネルギーEend0が、E10に等しくない(E10<Eend0
またはEend0<E10)ように選ぶと、一対の共鳴光で往路と復路で、それぞれセル
内で逆方向の速度成分をもつアルカリ金属原子群とEITを起こすことができる。従って
このような条件で複数の共鳴光対でEITを起こす構成とした場合、反射型ではない場合
に比べ、半分の数の共鳴光対、あるいは半分の光の変調幅で同等の本発明の効果が得られ
る。したがって本構成では、レーザードライバー等の複数の共鳴光対を生成する機構の設
計がより容易になり、デバイス駆動時の消費電力も減り省エネルギー化に寄与する。
図23(c)は、本発明の第7実施形態に係るアルカリ金属原子を封入したセルと光源
、光路および検出器の配置構成を示した図である。ここでは、レーザー光源より発した光
がセルに入射しアルカリ金属原子とEIT現象を起こした後、反射等の手段を介して複数
回光がセル内を通過し、都度EIT現象を起こしてから光検出器に導かれる。いわゆる多
重反射型である。このとき、図23(a)、(b)に示したように、EIT現象を起こし
得る複数の共鳴光対の全ての励起先エネルギーEendが、Eend<E10またはE1
0<Eend<のいずれか一方のみの条件を満たすように選ぶと、一対の共鳴光で往路と
復路で、それぞれセル内で逆方向の速度成分をもつアルカリ金属原子群とEITを起こす
ことができる。また多重反射型とすることで、光路長がより長くなることでコヒーレント
時間が増大し、よりEIT信号の強度が強くなり線幅も狭くなる。これは性能指数の向上
につながる。また、光の反射回数を奇数回として光の往路と復路の光路長をほぼ等しくす
ると、それぞれ異なる速度群においてEITに寄与する原子の数がほぼ等しくなるのでE
IT発現効率の観点から有利である。従ってこのような条件で複数の共鳴光対でEITを
起こす構成とした場合、反射型ではない場合に比べ、半分の数の共鳴光対、あるいは半分
の光の変調幅で同等の効果が得られる。したがって本構成では、レーザードライバー等の
複数の共鳴光対を生成する機構の設計がより容易になり、デバイス駆動時の消費電力も減
り省エネルギー化に寄与する。
1 中心波長発生手段、2 LD、3 EOM、4 EOM、5 ガスセル、6 光検
出器、7 周波数制御手段、8 電圧制御水晶発振器、9 発振器、10 発振器、11
、12、13 共鳴光、14、15、16 気体状のセシウム原子、17 混合器18、
19 変調信号、40 波長板、41 変調をかけないときの直線偏光された波形、42
変調をかけないときの円偏光された波形、43 変調をかけたときの直線偏光された波
形、44 変調をかけたときの楕円偏光された波形、45 変調をかけたときの円偏光さ
れた波形、50、51、52、53、54 原子発振器

Claims (18)

  1. 気体状のアルカリ金属原子と、
    該アルカリ金属原子の2つの基底状態間のエネルギー差に相当する周波数差を保持した
    異なる周波数の共鳴光対を発生させるための光源と、を備え、
    前記アルカリ金属原子と前記共鳴光対を相互作用させて電磁誘起透過現象を発生させる
    量子干渉装置であって、
    前記共鳴光対の数が複数対であり、それぞれの共鳴光対の中心周波数は互いに異なるこ
    とを特徴とする、量子干渉装置。
  2. 前記アルカリ金属原子と相互作用させる共鳴光対を直線偏光としたことを特徴とする請
    求項1に記載の量子干渉装置。
  3. 前記アルカリ金属原子と相互作用させる前記共鳴光対を円偏光としたことを特徴とする
    請求項1に記載の量子干渉装置。
  4. 前記アルカリ金属原子と相互作用させる前記共鳴光対を楕円偏光としたことを特徴とす
    る請求項1に記載の量子干渉装置。
  5. 前記光源と前記アルカリ金属原子を封入したセルとの間の光路上に波長板を設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の量子干渉装置。
  6. 前記複数の共鳴光対が電磁誘起透過現象の発現条件を満たしており、それぞれの共鳴光
    対の光強度が、EIT信号強度が線形に増大する領域の最大値P0近傍であることを特徴
    とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の量子干渉装置。
  7. 前記複数の共鳴光対の強度分布が、それぞれの対の中心周波数に対してガウス分布にな
    っており、かつ最大の光強度に対応する共鳴光対が、該光方向の速度成分が0近傍である
    前記アルカリ金属の原子集団に対応する電磁誘起透過現象の発現条件を満たしており、そ
    の強度が線形領域の最大値P0であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記
    載の量子干渉装置。
  8. 前記複数の共鳴光対の生成を、振幅変調と周波数変調または位相変調の合成により行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の量子干渉装置。
  9. 前記複数の共鳴光対の生成を、正弦波、三角波、のこぎり波、矩形波のいずれかの波形
    を有する信号による変調によって行うことを特徴とする請求項1に記載の量子干渉装置。
  10. 前記光源を変調するための駆動回路部を備え、該駆動回路部が、その他の構成部品と分
    離されており、前記駆動回路部の定数は、製造工程または製品化後の状態で任意に制御、
    設定できる構造であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の量子干渉装
    置。
  11. 前記アルカリ金属原子の核スピン量子数をIとし、前記アルカリ金属原子のP1/2の
    励起準位またはP3/2の励起準位のうち、超微細構造の量子数をF’とし、F’=I−
    1/2、及びF’=I+1/2のドップラー拡がりを考慮した両エネルギーの範囲が互い
    に重なっている領域の最小エネルギーをE1、最大エネルギーをE2としたときに、前記
    電磁誘起透過(EIT)現象を起こす複数の共鳴光対のいずれかの励起先エネルギーEe
    ndが、E1<Eend<E2を満たすことを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項
    に記載の量子干渉装置。
  12. 前記アルカリ金属原子の核スピン量子数をIとし、前記アルカリ金属原子の励起準位の
    超微細構造の量子数をF’としたとき、F’=I−1/2、及びF’=I+1/2のドッ
    プラー拡がりを考慮した両エネルギーの範囲が互いに重ならない状態であって、前記ドッ
    プラー拡がりを考慮した前記F’=I−1/2のエネルギーの範囲をE11からE12(
    ただし、E11<E12)とし、前記ドップラー拡がりを考慮した前記F’=I+1/2
    のエネルギーの範囲をE21からE22(ただし、E21<E22)としたときに、前記
    電磁誘起透過現象を起こす複数の共鳴光対のいずれかの励起先エネルギーEendが、E
    11<Eend<E12またはE21<Eend<E22のいずれか一方のみの条件を満
    たすことを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の量子干渉装置。
  13. 前記アルカリ金属原子に対して複数の共鳴光対を1回乃至複数回折り返して通過させ、
    前記アルカリ金属原子から前記電磁誘起透過現象を検出する量子干渉装置であって、ドッ
    プラー幅を考慮しない励起準位のエネルギーをE10とし、前記複数の共鳴光対の励起先
    エネルギーをEend0としたときに、前記Eend0がE10<Eend0またはEe
    nd0<E10を満足することを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の量子
    干渉装置。
  14. 前記アルカリ金属原子に対して複数の共鳴光対を1回乃至複数回折り返して通過させ、
    前記アルカリ金属原子から前記電磁誘起透過現象を検出する量子干渉装置であって、前記
    電磁誘起透過現象を起こす複数の共鳴光対のいずれかの励起先エネルギーをEendとし
    たとき、前記Eendが、Eend<E10またはE10<Eendのいずれか一方のみ
    の条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の量子干渉装置。
  15. 前記折り返し数が奇数回であることを特徴とする請求項13又は14に記載の量子干渉
    装置。
  16. 請求項1乃至15の何れか一項に記載の量子干渉装置を備えたことを特徴とする原子発
    振器。
  17. 請求項1乃至15の何れか一項に記載の量子干渉装置を備えたことを特徴とする磁気セ
    ンサー。
  18. 請求項1乃至15の何れか一項に記載の量子干渉装置を備えたことを特徴とする量子干
    渉センサー。
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