JP2010180439A - 硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法 - Google Patents

硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ニッケル及びコバルトと鉄、アルミニウム及びマンガンその他の不純物元素とを含有する硫酸酸性水溶液から、鉄、アルミニウム及びマンガンその他の不純物元素と効率的に分離することにより、ニッケル工業材料の原料として効果的に利用することができる形態でニッケルを回収する硫酸酸性水溶液からのニッケルの回収方法を提供する。
【解決手段】下記の工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする。
工程(1):前記硫酸酸性水溶液を酸化中和処理に付す。
工程(2):次いで、中和処理に付し、ニッケル及びコバルトを含有する混合水酸化物を分離回収する。
工程(3):前記混合水酸化物を、濃度50質量%以上の硫酸溶液中で溶解処理に付す。
工程(4):前記濃縮液を、燐酸エステル系酸性抽出剤を用いて溶媒抽出処理に付す。
工程(5):得られた抽出残液に、中和剤を添加して中和処理に付し、生成された水酸化ニッケルを分離回収する。
【選択図】なし

Description

本発明は、硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法に関し、さらに詳しくは、ニッケル及びコバルトと鉄、アルミニウム及びマンガンその他の不純物元素とを含有する硫酸酸性水溶液から、鉄、アルミニウム及びマンガンその他の不純物元素と効率的に分離することにより、金属ニッケル、酸化ニッケル、フェロニッケル等のニッケル工業材料の原料として効果的に利用することができる形態でニッケルを回収するとともに、高価な有価金属であるコバルトを利用可能な副産物として分離することができる硫酸酸性水溶液からのニッケルの回収方法に関する。これにより、ニッケル酸化鉱石の高圧酸浸出法等、種々の浸出方法の浸出工程から産出される各種の不純物元素を含有する浸出液から、ニッケル及びコバルトを分離回収する方法として好適に用いられる。
従来、ニッケルとともに、コバルトを始め、他の多種類の不純物元素を含有する硫酸酸性水溶液から、ニッケルを経済上効率的に分離回収する技術が求められていた。例えば、近年、ニッケル製錬では、ニッケル酸化鉱石を硫酸溶液で酸浸出する方法に基づく湿式製錬方法が注目されている。この酸浸出法は、従来の一般的なニッケル酸化鉱石の製錬方法である乾式製錬法と異なり、還元工程、乾燥工程等の乾式工程を含まずエネルギーコスト的に有利であるため、今後も、例えばニッケル品位が1〜2質量%程度の低品位ニッケル酸化鉱石の製錬方法として有力な技術であると見られている。このような湿式製錬方法では、産出する浸出液としては、ニッケルとともに、コバルトを始め、鉱石中に含有される鉄、アルミニウム、マンガン、亜鉛、クロム、マグネシウム、ケイ素等の多種類の不純物元素を含有する硫酸酸性水溶液であり、ここから、ニッケルを、必要に応じてコバルトも効率的な手段により分離回収することが、製錬プロセス上の重要課題であった。
ところで、上記湿式製錬方法としては、例えば、下記の(A)〜(C)が提案されている。
湿式製錬方法(A):ニッケル酸化鉱石から、高圧酸浸出(High Pressure Acid Leach)法を用いて、下記の(1)〜(4)を含む工程によりニッケル及びコバルトを含有する混合硫化物を製造する(例えば、特許文献1参照。)。
(1)浸出工程:ニッケル酸化鉱石をスラリー化して硫酸を添加し、220〜280℃の温度で撹拌処理し、浸出スラリーを形成する。
(2)固液分離工程:前記浸出スラリーを多段階のシックナーを用いて洗浄し、ニッケル及びコバルトを含む浸出液と鉄をヘマタイトとして含む浸出残渣とに分離する。
(3)中和工程:前記浸出液の酸化を抑制しながら、炭酸カルシウムを用いてpHが4以下となるよう調整し、3価の鉄を含有する中和殿物を生成し、中和殿物スラリーとニッケル回収用母液とに分離する。及び
(4)硫化工程:前記ニッケル回収用母液に硫化水素ガスを吹きこみ、ニッケル及びコバルトを含有する硫化物を生成し、貧液と分離する。
湿式製錬方法(B):ニッケル酸化鉱石に硫酸を添加して浸出する際に、鉄をナトロジャロサイトとして浸出残渣を形成し、ニッケル及びコバルトを含む浸出液を得る工程、得られた浸出液に中和剤を添加して、鉄及びアルミニウムを除去する工程、得られた中和液を、モノチオホスフィン酸化合物を抽出剤とする溶媒抽出で処理し、コバルトを抽出して、ニッケルを含む抽出残液とコバルトを含む逆抽出液を得る工程、及び得られたニッケルを含む抽出残液とコバルトを含む逆抽出液を、それぞれアルカリで中和して水酸化物を得る工程からなる。ここで、さらに、得られた水酸化ニッケルをアルカリ液で洗浄してイオウと塩素を除去した後、ニッケル酸化鉱石とともに、焼成及び還元熔解工程を含むフェロニッケル製造プラントへ供給することによって、水酸化ニッケルをフェロニッケルの製造原料の一部として使用する(例えば、特許文献2参照。)。
湿式製錬方法(C):ニッケル酸化鉱石の大気圧又は高圧酸浸出工程で形成された酸浸出液スラリー中にイオン交換樹脂を添加する、いわゆるRIP(Resin in pulp)法において、スニッケル及びコバルトを吸着した樹脂をスラリーから分離し、この樹脂を浸出して、Ni濃度10〜80g/Lのニッケルとコバルト、アルミニウム、鉄等を含む酸性溶離液を得る工程、前記酸性溶離液をpH4.5〜5で中和して、鉄とアルミニウムを除去する工程、得られた中和液を、シアネックス272抽出剤で溶媒抽出で処理し、コバルト、マンガン等を抽出して、ニッケルを含む抽出残液とコバルトを含む逆抽出液を得る工程、及び得られたニッケルを含む抽出残液を、水酸化マグネシウムで中和して水酸化物を得る工程からなる(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、湿式製錬方法(A)では、ニッケルとコバルトを分離しないで、これらの混合硫化物として回収するものであるので、得られた混合硫化物は、例えば、塩素浸出法のように、これらを浸出し、次いでニッケルとコバルトを分離してそれぞれを高純度製品として回収する工程を備えた製錬プロセスの原料としては好適であるが、一方供給原料中のコバルト、イオウ等の負荷に限界を有するプロセス、例えば、フェロニッケル、又はステンレス鋼の製造原料としては直接的に使用することができないという問題があった。
また、湿式製錬方法(B)では、得られた水酸化ニッケルは、コバルトの分離及びイオウの除去がなされており、フェロニッケルの製造原料として用いることができるが、一方、製錬プロセス上の課題としては、浸出液及び中和液のニッケル濃度を上昇させるための特別な工程が設けられていないので、溶媒抽出工程の始液となる中和液のニッケル濃度は、浸出液と同レベルの数g/Lであり、このような薄液を用いた溶媒抽出処理においては、抽出剤の使用量及び設備容量が過大となり、抽出剤の損失と設備コストにより経済上効率的でないという問題があった。
また、湿式製錬方法(C)では、得られた水酸化ニッケルは、コバルトの分離がなされており、金属ニッケル、酸化ニッケル、フェロニッケル等のニッケル工業材料の原料として効果的に利用することができるが、一方、製錬プロセスとしては、浸出工程でRIP(Resin in pulp)法を採用するので、高価なイオン交換樹脂のスラリー中での磨耗等によりその使用量とロスが過大となり、浸出法自体に経済上の問題があることのほか、溶媒抽出工程の始液となる酸性溶離液のニッケル濃度も、イオン交換樹脂の使用による濃縮効果が期待されるものの、高々10〜80g/Lであるので、このような薄液を用いた溶媒抽出処理においては、湿式製錬方法(B)と同様、抽出剤の使用量及び設備容量が過大となるという問題があった。
しかも、湿式製錬方法(B)及び(C)では、溶媒抽出工程の始液からのマンガンの除去のための特別な工程は設けられていないので、始液からコバルトを有機相へ抽出するための抽出剤として燐酸エステル系酸性抽出剤を採用する際、共抽出されるマンガンの影響によりコバルトの抽出効率が悪化するため、さらに抽出剤の使用量の増加とコバルトを含有する逆抽出液中のマンガン濃度の上昇という問題もあった。
以上の状況から、ニッケル及びコバルトと鉄、アルミニウム及びマンガンその他の不純物元素とを含有する硫酸酸性水溶液から、鉄、アルミニウム及びマンガンその他の不純物元素を効率的に分離する手段を採用することにより、製錬プロセスとしての経済上の効率性を高めるとともに、金属ニッケル、酸化ニッケル、フェロニッケル等のニッケル工業材料の原料として効果的に利用することができる形態でニッケルを回収し、同時にコバルトを利用しやすい副産物として分離することができる方法が求められている。
特開2005−350766号公報(第1頁、第2頁) 特開2006−241529号公報(第1頁、第2頁、第1図) 特開2008−527164号公報(第1頁、第2頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、ニッケル及びコバルトと鉄、アルミニウム及びマンガンその他の不純物元素とを含有する硫酸酸性水溶液から、鉄、アルミニウム及びマンガンその他の不純物元素と効率的に分離することにより、金属ニッケル、酸化ニッケル、フェロニッケル等のニッケル工業材料の原料として効果的に利用することができる形態でニッケルを回収するとともに、高価な有価金属であるコバルトを利用可能な副産物として分離することができる硫酸酸性水溶液からのニッケルの回収方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、ニッケル及びコバルトと鉄、アルミニウム及びマンガンその他の不純物元素とを含有する硫酸酸性水溶液から、ニッケルを回収する方法について、鋭意研究を重ねた結果、前記硫酸酸性水溶液を特定の条件で酸化中和処理に付し、鉄及びアルミニウムを除去する工程、得られた酸化中和処理後液を特定の条件で中和処理に付し、ニッケル及びコバルトを含有する混合水酸化物を分離回収する工程、得られた混合水酸化物を特定の条件で溶解処理に付し、マンガンを除去しながらニッケル及びコバルトの濃縮液を得る工程、得られた濃縮液を特定の条件で酸化処理に付し、マンガンを除去する工程、得られた酸化処理後液を特定の条件で溶媒抽出処理に付し、ニッケルを含有する抽出残液とコバルトを含有する逆抽出液を得る工程、及び、得られた抽出残液を中和処理に付す工程を順次行ったところ、工業材料の原料として効果的に利用することができる水酸化ニッケルを高収率で回収するとともに、コバルトも利用しやすい状態で回収することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、ニッケル及びコバルトと鉄、アルミニウム及びマンガンその他の不純物元素とを含有する硫酸酸性水溶液から、ニッケルを回収する方法であって、
下記の工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法が提供される。
工程(1):前記硫酸酸性水溶液に、亜硫酸ガスと空気又は酸素ガスからなる混合ガスを吹き込みながら、炭酸カルシウムを添加して酸化中和処理に付し、生成された鉄及びアルミニウムを含有する沈殿物(a)を除去する。
工程(2):前記工程(1)で得られた酸化中和処理後液に、水酸化カルシウムを添加して中和処理に付し、ニッケル及びコバルトを含有する混合水酸化物を分離回収する。
工程(3):前記工程(2)で得られた混合水酸化物を、濃度50質量%以上の硫酸溶液中で溶解処理に付し、生成されたマンガン及び石膏を含有する沈殿物(b)を除去してニッケル及びコバルトの濃縮液を得る。
工程(4):前記工程(3)で得られた濃縮液を、燐酸エステル系酸性抽出剤を用いて溶媒抽出処理に付し、ニッケルを含有する抽出残液とコバルトを含有する逆抽出液を得る。
工程(5):前記工程(4)で得られた抽出残液に、中和剤を添加して中和処理に付し、生成された水酸化ニッケルを分離回収する。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記工程(3)に続いて、下記の工程(6)を含むことを特徴とする硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法が提供される。
工程(6):前記工程(3)で得られたニッケル及びコバルトの濃縮液に、亜硫酸ガスと空気又は酸素ガスからなる混合ガスを吹き込みながら、中和剤を添加して、酸化中和処理に付し、生成されたマンガン及びコバルトを含有する沈殿物(c)を除去し、得られた酸化中和処理後液を、前記工程(4)に移送する。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、下記の工程(7)又は工程(8)を含むことを特徴とする硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法が提供される。
工程(7):前記工程(5)で得られた逆抽出液に、中和剤を添加して中和処理に付し、生成された水酸化コバルトを分離回収する。
工程(8):前記工程(5)で得られた逆抽出液に、硫化水素ガス又は硫化アルカリを添加して硫化処理に付し、生成された硫化コバルトを分離回収する。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3いずれかの発明において、前記工程(1)において、酸化中和処理は、下記の(イ)〜(ハ)の要件を満足することを特徴とする硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法が提供される。
(イ)前記混合ガス中の亜硫酸ガスの含有割合は、希釈ガスである空気又は酸素ガスに対して1〜10容量%である。
(ロ)酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)は、400〜600mVである。
(ハ)pHは、4.0〜4.5である。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜3いずれかの発明において、前記工程(2)において、中和処理は、下記の(ニ)の要件を満足することを特徴とする硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法が提供される。
(ニ)pHは、7.5〜7.7である。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜3いずれかの発明において、前記工程(3)において、溶解処理は、下記の(ホ)及び(ヘ)の要件を満足することを特徴とする硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法が提供される。
(ホ)スラリー濃度は、30〜40質量%である。
(ヘ)混合水酸化物の溶解終了時のpHは、1.5〜2.2である。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜3いずれかの発明において、前記工程(3)において、沈殿物(b)を、前記工程(1)へ移送する手段を備えることを特徴とする硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第1〜3いずれかの発明において、前記工程(5)において、中和処理は、下記の(ト)〜(リ)の要件を満足することを特徴とする硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法が提供される。
(ト)pHは、7.5〜8.0である。
(チ)前記中和剤は、水酸化マグネシウムである。
(リ)反応温度は、80℃以上沸騰点以下の温度である。
また、本発明の第9の発明によれば、第2又は3の発明において、前記工程(6)において、酸化中和処理は、下記の(ヌ)〜(ワ)の要件を満足することを特徴とする硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法が提供される。
(ヌ)前記混合ガス中の亜硫酸ガスの含有割合は、空気又は酸素ガスに対して1〜10容量%である。
(ル)酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)は、500〜600mVである。
(オ)pHは、5.0〜6.0である。
(ワ)前記中和剤は、水酸化ナトリウムである。
が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、第1〜9いずれかの発明において、前記硫酸酸性水溶液は、ニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸溶液を添加し、高温高圧下に浸出する工程から産出される浸出液であることを特徴とする硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法が提供される。
本発明の硫酸酸性水溶液からのニッケルの回収方法は、ニッケル及びコバルトと鉄、アルミニウム及びマンガンその他の不純物元素とを含有する硫酸酸性水溶液から、鉄、アルミニウム及びマンガンその他の不純物元素と効率的に分離することにより、ニッケル品位が40質量%以上に濃縮された水酸化ニッケルを回収することができ、これは、金属ニッケル、酸化ニッケル、フェロニッケル等のニッケル工業材料の原料として効果的に利用することができる。また、高価な有価金属であるコバルトを、利用可能な副産物として分離することができる。以上より、その工業的価値は極めて大きい。
従来方法に従って炭酸カルシウムを中和剤として使用した中和処理における液中の鉄、アルミニウム及びニッケルの生成する沈殿物への分布率(除去率)を示す図である。 本発明の工程(1)を表す、亜硫酸ガスと空気からなる混合ガスと炭酸カルシウムを用いて酸化中和処理した際の液中の鉄濃度と酸化還元電位(ORP)との関係を示す図である。 本発明の工程(1)を表す、亜硫酸ガスと空気からなる混合ガスと炭酸カルシウムを用いて酸化中和処理した際の反応時間の経過に伴う酸化還元電位(ORP)の変化を示す図である。 本発明の工程(3)を表す、混合水酸化物を濃度64質量%の硫酸溶液で溶解処理した際のニッケル、コバルト及びマンガンの溶解率(浸出率)とpHの関係を示す図である。
以下、本発明の硫酸酸性水溶液からのニッケルの回収方法を詳細に説明する。
本発明の硫酸酸性水溶液からのニッケルの回収方法は、ニッケル及びコバルトと鉄、アルミニウム及びマンガンその他の不純物元素とを含有する硫酸酸性水溶液から、ニッケルを回収する方法であって、
下記の工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする。
工程(1):前記硫酸酸性水溶液に、亜硫酸ガスと空気又は酸素ガスからなる混合ガスを吹き込みながら、炭酸カルシウムを添加して酸化中和処理に付し、生成された鉄及びアルミニウムを含有する沈殿物(a)を除去する。
工程(2):前記工程(1)で得られた酸化中和処理後液に、水酸化カルシウムを添加して中和処理に付し、ニッケル及びコバルトを含有する混合水酸化物を分離回収する。
工程(3):前記工程(2)で得られた混合水酸化物を、濃度50質量%以上の硫酸溶液中で溶解処理に付し、生成されたマンガン及び石膏を含有する沈殿物(b)を除去してニッケル及びコバルトの濃縮液を得る。
工程(4):前記工程(3)で得られた濃縮液を、燐酸エステル系酸性抽出剤を用いて溶媒抽出処理に付し、ニッケルを含有する抽出残液とコバルトを含有する逆抽出液を得る。
工程(5):前記工程(4)で得られた抽出残液に、中和剤を添加して中和処理に付し、生成された水酸化ニッケルを分離回収する。
本発明において、工程(1)において、前記硫酸酸性水溶液に、亜硫酸ガスと空気又は酸素ガスからなる混合ガスを吹き込みながら、炭酸カルシウムを添加して酸化中和処理に付し、生成された鉄及びアルミニウムを含有する沈殿物(a)を除去すること、工程(2)において、前記酸化中和処理後液に、水酸化カルシウムを添加して中和処理に付し、ニッケル及びコバルトを含有する混合水酸化物を分離回収すること、及び工程(3)において、前記工程(2)で得られた混合水酸化物を、濃度50質量%以上の硫酸溶液中で溶解処理に付し、生成されたマンガン及び石膏を含有する沈殿物(b)を除去してニッケル及びコバルトの濃縮液を得ることが重要である。これによって、前記硫酸酸性水溶液中に含有される不純物元素の中で、燐酸エステル系酸性抽出剤を用いた溶媒抽出処理でコバルトの抽出と競合する鉄、アルミニウム、及びマンガンを溶媒抽出処理の始液から除去することができる。
すなわち、工程(1)において、亜硫酸(SO)ガスと空気又は酸素ガスからなる混合ガスを吹き込みながら炭酸カルシウムを添加して酸化中和処理することによって、該混合ガスの吹込みにより、二酸化硫黄を媒体として過酸化物が生成し、2価鉄を迅速かつ完全に3価鉄に酸化し、水酸化鉄(Fe(OH))を生成する。この際、炭酸カルシウムを添加することにより、このような酸化条件を達成し、かつ3価鉄とアルミニウムの水酸化物の溶解度が十分に低下するpHに保持することができるので、液中の鉄及びアルミニウムの略完全な除去を達成することができる。これによって、前記抽出剤中への蓄積性の高い鉄及びアルミニウムの問題が解決される。なお、この詳細については、工程の詳細説明において後述する。
また、工程(2)において、前記酸化中和処理後液を中和処理に付し、ニッケル及びコバルトを含有する混合水酸化物を分離回収することによって、前記硫酸酸性水溶液中のニッケル及びコバルトを一旦混合水酸化物として回収し、それを後続の溶解処理で再溶解し、高ニッケル濃度の濃縮液を生成することができるので、後続の溶媒抽出処理において、その始液となるのニッケル濃度は、大幅に向上させることが可能となる。例えば、濃縮液のニッケル濃度は、浸出液中の数g/Lに対し、30〜70g/Lであり、このような濃厚な液を用いた溶媒抽出処理においては、抽出剤の使用量及び設備容量を低減することができ、抽出剤の損失と設備コストの低下により経済上の効率性が格段に向上する。
また、工程(3)において、前記混合水酸化物を、濃度50質量%以上の硫酸溶液中で溶解処理することによって、高ニッケル濃度の濃縮液を得るとともに、該混合水酸化物中に含有されるニッケル及びコバルトを溶解しながら、マンガンを二酸化マンガン(MnO)の形態で沈殿物として分離する。ここで、高濃度の硫酸溶液中において、2価マンガンは4価マンガンに酸化され、溶解度により沈殿物を形成することによる。また、該混合水酸化物中に含有されるカルシウムから形成される石膏(CaSO)も、溶解度により沈殿物を形成する。なお、この詳細については、工程の詳細説明において後述する。
1.工程(1)
上記工程(1)は、ニッケル及びコバルトと鉄、アルミニウム及びマンガンその他の不純物元素とを含有する硫酸酸性水溶液に、亜硫酸ガスと空気又は酸素ガスからなる混合ガスを吹き込みながら、炭酸カルシウムを添加して酸化中和処理に付し、生成された鉄及びアルミニウムを含有する沈殿物(a)を除去する工程である。
ここで、後続の溶媒抽出処理において前記抽出剤中への蓄積性の高い鉄及びアルミニウムを略完全に除去する。
上記工程(1)において、中和剤としては、平衡pHが他のアルカリ剤より低く、局所的な中和によるニッケルロスを防ぐことができ、しかも安価な炭酸カルシウムが用いられる。また、液中の2価鉄の酸化剤としては、亜硫酸ガスと空気又は酸素ガスからなる混合ガスが用いられる。一般的には、上記酸化剤としては、過酸化水素水又はその他の過酸化物の添加が有効であるが、これらの鉄除去への利用はコスト的に見合わない。一方、亜硫酸ガスと空気又は酸素ガスからなる混合ガスは、前述のような作用機構により2価鉄の酸化剤として有効である。この点に関し、図を用いて説明する。
まず、図1に、従来方法に従って炭酸カルシウムを中和剤として使用した中和処理における液中の鉄、アルミニウム及びニッケルの除去率(生成沈殿物への分布率)を示す。ここで、中和処理の始液として、Ni:3.3g/L、Fe:0.6g/L及びAl:3.4g/Lの組成を有するリモナイト鉱の浸出液(遊離硫酸を中和後)を用い、濃度20質量%の炭酸カルシウムスラリーを添加して、液温を60℃に制御しながら、pHが4〜5の範囲の所定値に5分間保持後、得られた中和後スラリーをろ過して分析した。
図1より、ニッケルが1%以上沈殿するようなpH条件下でも、鉄の除去率が10〜20%ていどであることが分かる。これに対して、アルミニウムの除去率は、pH4以上で略完全に除去することができることが分かる。
次に、図2に、上記工程(1)の方法で、亜硫酸ガスと空気からなる混合ガスと炭酸カルシウムを用いて酸化中和処理した際の液中の鉄濃度と酸化還元電位(ORP)との関係を示す。図2より、酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)が200mV程度以上に上昇することで、液中の鉄濃度が急激に低下し、500〜600mVで略完全に除去されることが分かる。なお、液中のアルミニウムは、このpH条件では略完全に除去されている。ここで、酸化中和処理の始液として、図1と同様のリモナイト鉱の浸出液(遊離硫酸を中和後)を用い、空気とそれに対し2、3、4、又は8容量%でSOガスとを含む混合ガスを吹込みながら、濃度20質量%の炭酸カルシウムスラリーを添加して、液温を60℃に制御しながら、pHを4.5に100分間保持後、得られた酸化中和後スラリーをろ過して分析した。
図3は、上記工程(1)の方法で、亜硫酸ガスと空気からなる混合ガスと炭酸カルシウムを用いて酸化中和処理した際の反応時間の経過に伴う酸化還元電位(ORP)の変化を示す。図3より、亜硫酸ガスが8容量%では、酸化還元電位の制御による酸化中和反応の確実な終点判定がしづらくなることが分かる。ここで、図3のデータは、図2と同様の条件で得られたものである。
上記工程(1)において、酸化中和処理の条件としては、特に限定されるものではないが、下記の(イ)〜(ハ)の要件を満足することが好ましい。
(イ)前記混合ガス中の亜硫酸ガスの含有割合は、希釈ガスである空気又は酸素ガスに対して1〜10容量%、希釈ガスが空気の場合には、好ましくは1〜5容量%である。
(ロ)酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)は、400〜600mVである。
(ハ)pHは、4.0〜4.5である。
すなわち、(イ)の要件において、亜硫酸ガスの含有割合としては、亜硫酸ガス添加による酸化効率の向上のためには高い程望ましく、鉄の高除去率を得るためには空気又は酸素ガスに対して1容量%以上が用いられる。一方、前記含有割合が10容量%を超えると、亜硫酸ガスが還元剤として作用する傾向が強くなり酸化効率が低下する傾向がある。また、希釈ガスが空気の場合には、前記含有割合が5容量%を超えると、酸化還元電位の制御による酸化中和反応の確実な終点判定がしづらくなる。なお、一般的な金属製錬工場から排出される亜硫酸ガスを含む排ガスをそのまま利用すれば、低コストで混合ガスが供給される。
(ロ)の要件において、酸化中和反応の酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)としては、鉄の酸化除去率を上げるためには高い程望ましく、鉄の酸化除去を略完了に行う際には、500mV以上が用いられる。一方、酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)が600mVを超えると、それ以上の鉄の除去効果が小さく、酸化剤の使用量が上昇する。ここで、酸化還元電位の制御方法としては、主に混合ガス中の亜硫酸ガスの含有割合及びその吹込み量を調整して行なうことができる。
(ハ)の要件において、酸化中和反応のpHとしては、鉄の酸化除去効率を上げるためには高い程望ましく、鉄の高除去率を得るためには4.0以上が用いられる。一方、pHが4.5を超えると、ニッケルの共沈殿が上昇するので、収率が低下する。ここで、pHの制御方法としては、炭酸カルシウムの添加量を調整して行なうことができる。
また、上記酸化中和処理において、液温としては、特に限定されるものではないが、鉄の高除去率を得るためには40〜80℃が好ましく、60℃程度がより好ましい。すなわち、液温が40℃未満では、鉄の酸化除去が不十分である。一方、液温が80℃を超えると、反応容器に設備的な制約がかかり、また昇温のエネルギーも必要となるためコスト高である。
上記工程(1)において、酸化中和処理は、特に限定されるものではないが、撹拌機構、ORP制御機構、pH制御機構及び液温制御機構を備えた反応容器を用いて行われる。また、酸化中和処理後のスラリーは、その全量をフィルタープレスなどのろ過機を用いて固液分離し、鉄及びアルミニウムを含有する沈殿物(a)と清澄な酸化中和処理後液を得ることが好ましい。すなわち、後続の工程において、懸濁物(SS)として、鉄及びアルミニウム成分が漏洩することを防ぐことが肝要である。
2.工程(2)
上記工程(2)は、上記工程(1)で得られた酸化中和処理後液に、水酸化カルシウムを添加して中和処理に付し、ニッケル及びコバルトを含有する混合水酸化物を分離回収する工程である。ここで、前記酸化中和処理後液中のニッケル及びコバルトを一旦沈殿物として回収する。これによって、ニッケル品位が25〜45質量%の混合水酸化物が得られるので、後続の溶解処理で高ニッケル濃度の濃縮液を得て、さらに、溶媒抽出処理において、その始液となるのニッケル濃度を大幅に向上させることが可能となる。この高ニッケル濃度の濃縮液を始液として用いた溶媒抽出処理においては、抽出剤の使用量及び設備容量を低減することができ、抽出剤の損失と設備コストの低下により経済上の効率性が格段に向上する。
上記工程(2)において、中和処理の条件としては、特に限定されるものではないが、下記の(ニ)の要件を満足することが好ましい。
(ニ)pHは、7.5〜7.7である。
すなわち、中和反応のpHとしては、ニッケル及びコバルトの沈殿率(回収率)を向上させるためには高い程望ましく、97%以上の高回収率を得るためには7.5以上が用いられる。一方、pHが7.7を超えると、液中のマンガンの沈殿率が急上昇し、前記混合水酸化物に含有され、さらに後続の溶媒抽出処理でコバルトの抽出効率に悪影響を及ぼすようになる。したがって、中和反応のpHはニッケル及びコバルトの沈殿率(回収率)とマンガン沈殿率を考慮して選ばれる。なお、このようなpH条件を実現するための中和剤としては、他のアルカリ剤も用いられるが、安価な水酸化カルシウムの使用により達成することができる。
上記中和処理において、液温としては、特に限定されるものではないが、ニッケル及びコバルトの高回収率を得るため50〜80℃が好ましく、60℃程度がより好ましい。すなわち、液温が50℃未満では、反応速度が遅く、中和剤に未反応部が生じる。一方、液温が80℃を超えると、反応容器に設備的な制約がかかり、また昇温のエネルギーも必要となるためコスト高である。
上記工程(2)において、中和処理は、特に限定されるものではないが、撹拌機構、pH制御機構及び液温制御機構を備えた反応容器を用いて行われる。また、中和処理後のスラリーは、その全量をフィルタープレスなどのろ過機を用いて固液分離し、ニッケル及びコバルトを含有する混合水酸化物とろ液を得ることが好ましい。ここで、僅かに漏洩するニッケル及びコバルトを含むろ液及び洗浄液は、本発明の方法がニッケル酸化鉱石の高圧酸浸出法による湿式製錬方法に採用されている場合には、その浸出工程或いはそれに続く固液分離工程での浸出残渣の洗浄水として再利用することができるため、上記工程(2)でのニッケル及びコバルトの損失はほとんど発生しない。
3.工程(3)
上記工程(3)は、上記工程(2)で得られた混合水酸化物を、濃度50質量%以上の硫酸溶液中で溶解処理に付し、生成されたマンガン及び石膏を含有する沈殿物(b)を除去してニッケル及びコバルトの濃縮液を得る工程である。ここで、該混合水酸化物中に含有されるニッケル及びコバルトを溶解して、高ニッケル濃度の濃縮液を得るとともに、マンガンを二酸化マンガン(MnO)の形態で沈殿物として分離する。この工程により、マンガンの40〜60%を酸化除去することが可能であり、またニッケル溶解率99%、コバルト溶解率96%が達成される。
上記工程(3)において、溶解処理は次のように行われる。
前記混合水酸化物を、所定濃度の硫酸溶液と混合し、次いで水を添加してスラリー濃度を調整し、その後、溶解終了時のpHが所定値になるように、所定濃度の硫酸溶液の所定量を添加した。例えば、水分率が30〜50質量%の混合水酸化物に、含有されるニッケルとコバルトに対して1当量となるように、濃度64質量%硫酸溶液を添加し1次混合する。次いで、30〜40質量%のスラリー濃度となるように、水を添加して調整する。最後に、再度濃度64質量%硫酸溶液を添加し、溶液のpHが1.5〜2.2の間に入るように調整する。
上記工程(3)において、前記混合水酸化物を溶解する際に用いる硫酸溶液の硫酸濃度としては、50質量%以上、好ましくは50〜98質量%、より好ましくは64〜98質量%以上である。これによって、高ニッケル濃度の濃縮液を得るとともに、混合水酸化物中に含有されたマンガンの40〜60%を沈殿物として分離することができる。すなわち、硫酸濃度が50質量%未満では、高ニッケル濃度の濃縮液を得ること、及びマンガンを二酸化マンガンの形態の沈殿物として酸化し分離することが不十分である。
上記工程(3)において、溶解処理条件としては、特に限定されるものではないが、下記の(ホ)及び(ヘ)の要件を満足することが好ましい。
(ホ)混合水酸化物を投入した硫酸溶液スラリーのスラリー濃度は、30〜40質量%である。
(ヘ)混合水酸化物の溶解終了時のpHは、1.5〜2.2である。
すなわち、(ホ)の要件において、前記スラリー濃度としては、得られる濃縮液のニッケル濃度を高めるためには高い程望ましく、30質量%以上が効果的である。一方、前記スラリー濃度が40質量%を超えると、浸出残渣への付着する有価金属分の洗浄を強化する必要があるため望ましくない。ただし、硫酸溶液中に混合水酸化物を溶解しながら徐々に添加することにより、さらに高濃度の濃縮液を製造することができる。
(ヘ)の要件において、前記溶解終了時のpHとしては、ニッケル及びコバルトの溶解率を高めるためには低い程望ましく、該溶解率がほとんど変化しない1.5〜2.2が用いられるが、pHを下げ過ぎることなく調整して、後続の溶媒抽出処理での中和剤の使用量を抑制することが肝要である。
これらの点に関し、図を用いて説明する。
図4は、混合水酸化物を濃度64質量%の硫酸溶液で溶解処理した際のニッケル、コバルト及びマンガンの浸出率(溶解率)とpHの関係を示す。図4より、pHが2.2以下では、ニッケル及びコバルトの溶解率がほぼ100%で一定であること、マンガンの溶解率が40〜60%であることが分かる。
ここで、混合水酸化物として、リモナイト鉱の浸出液(遊離硫酸を中和後)を酸化中和処理し、次いで中和処理して得られた、Ni:22質量%、Co:1.1質量及びMn:5.4質量の組成を有するものを使用し、該混合水酸化物に、濃度64質量%の硫酸溶液を添加量を変えて添加し混合後、純水を添加してスラリー濃度を30質量%に調整した。その後、溶解終了時のpHを測定し、溶解スラリーをろ過して分析した。
上記工程(3)において、溶解処理は、特に限定されるものではないが、撹拌機構、及びpH測定機構を備えた反応容器を用いて行われる。また、溶解処理後のスラリーは、その全量をフィルタープレスなどのろ過機を用いて固液分離し、ニッケル及びコバルトを含有する濃縮液とマンガン及び石膏を含有する沈殿物(b)を得ることが好ましい。また、ここで、必要に応じて、付着されるニッケル及びコバルトを回収するため、沈殿物(b)を、上記工程(1)へ移送する手段を備えることが望ましい。
4.工程(4)
上記工程(4)は、上記工程(3)で得られた濃縮液を、燐酸エステル系酸性抽出剤を用いて溶媒抽出処理に付し、ニッケルを含有する抽出残液とコバルトを含有する逆抽出液を得る工程である。
ここで、上記濃縮液中のニッケルとコバルトを分離する。この際、上記濃縮液中にマンガンが共存する場合、コバルトとともに、前記抽出剤により抽出され、さらに逆抽出液中に分配される。
上記工程(4)において、溶媒抽出処理としては、上記濃縮液からなる水相と燐酸エステル系酸性抽出剤を含む溶媒からなる有機相を混合し、pHを調整して有機相にコバルトを抽出し、その後両相を分離する抽出段、及び得られた有機相と硫酸溶液を混合して硫酸溶液にコバルトを抽出し、その後両相を分離する逆抽出段から構成される。ここで、ニッケルの大部分は、抽出残液中に留まる。
上記燐酸エステル系酸性抽出剤としては、特に限定されるものではなく、ニッケルとコバルトの分離がよく、かつカルシウムの抽出が少ないものであれば利用できるが、例えば米国Cyanex社製の商品名Cyanex272が用いられる。
上記抽出段において、pHの調整は、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を含む水溶液を用いて容易に行うことができる。ここで、水相の平衡pHは、約5に保持されることが望ましい。なお、有機相と水相との体積比率及び抽出段数を適切に設定することにより、98%以上のコバルトを抽出することができる。しかしながら、このとき、同時に10%程度のニッケルも抽出されるので、抽出後有機相からコバルトを逆抽出する前に、有機相を希酸で洗浄するスクラビング段を設けることが、ニッケルの損失を防止する上で効果的である。また、上記逆抽出段において、有機相中に抽出されたコバルトは、マンガン等の不純物元素とともに硫酸塩として逆抽出される。
5.工程(5)
上記工程(5)は、上記工程(4)で得られた抽出残液に、中和剤を添加して中和処理に付し、生成された水酸化ニッケルを分離回収する工程である。これによって、ニッケル品位が40〜45質量%の水酸化ニッケル沈殿物が得られる。
ここで、上記抽出残液中のニッケルは、中和反応によって水酸化ニッケルとして沈殿物を形成し、ろ過分離して回収される。
上記工程(5)において、中和処理としては、特に限定されるものではなく、下記の(ト)〜(リ)の要件を満足することが好ましい。
(ト)pHは、7.5〜8.0である。
(チ)前記中和剤は、水酸化マグネシウムである。
(リ)反応温度は、80℃以上沸騰点以下の温度である。
すなわち、(ト)の要件において、上記中和処理のpHとしては、ニッケルの損失を避けるためには高い程望ましく、十分なニッケル沈殿率が得られる7.5以上が用いられる。一方、pHが8.0を超えると、それ以上の効果は得られず、中和剤の使用量が増加する。
また、(チ)の要件において、前記中和剤としては、他のアルカリ剤が用いられるが、例えば、水酸化カルシウムを用いると、石膏が生成析出して沈殿物に混じりニッケル品位を低下させてしまうので、水酸化マグネシウムが好ましい。
また、(リ)の要件において、中和剤として水酸化マグネシウムを用いる場合は、実用的な中和反応の速度が得られる、80℃以上沸騰点以下の温度が好ましい。
6.工程(6)
本発明の回収方法において、さらに、上記工程(3)に続いて、必要に応じて、下記の工程(6)を含むことができる。これにより、上記濃縮液中に残存したマンガンが水酸化物として除去されるので、後続の溶媒抽出処理において、マンガンによるコバルト抽出への効率低下を抑えることができる。また、溶媒抽出工程における抽出負荷が低減されるため、より小さな溶媒抽出工程の設計が可能となる
工程(6):前記工程(3)で得られたニッケル及びコバルトの濃縮液に、亜硫酸ガスと空気又は酸素ガスからなる混合ガスを吹き込みながら、中和剤を添加して、酸化中和処理に付し、生成されたマンガン及びコバルトを含有する沈殿物(c)を除去し、得られた酸化中和処理後液を、前記工程(4)に移送する。
工程(6)において、酸化中和処理としては、特に限定されるものではなく、下記の(ヌ)〜(ワ)の要件を満足することが好ましい。
(ヌ)前記混合ガス中の亜硫酸ガスの含有割合は、空気又は酸素ガスに対して1〜10容量%である。
(ル)酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)は、500〜600mVである。
(オ)pHは、5.0〜6.0である。
(ワ)前記中和剤は、水酸化ナトリウムである。
すなわち、(ヌ)の要件において、亜硫酸ガスの含有割合としては、亜硫酸ガス添加による酸化効率の向上のためには高い程望ましく、マンガンの高除去率を得るためには空気又は酸素ガスに対して1容量%以上が用いられる。一方、前記含有割合が10容量%を超えると、亜硫酸ガスが還元剤として作用する傾向が強くなり酸化効率が低下する傾向がある。
(ル)の要件において、酸化中和反応の酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)としては、マンガンの酸化除去率を上げるためには高い程望ましく、500mV以上が用いられる。一方、酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)が600mVを超えると、それ以上のマンガンの除去効果が小さく、酸化剤の使用量が上昇する。ここで、酸化還元電位の制御方法としては、主に混合ガス中の亜硫酸ガスの含有割合及びその吹込み量を調整して行なうことができる。
(オ)の要件において、酸化中和反応のpHとしては、マンガンの酸化除去効率を上げるためには高い程望ましく、マンガンの高除去率を得るためには5.0以上が用いられる。一方、pHが6.0を超えると、ニッケル及びコバルトの共沈殿が上昇するので、収率が低下する。ここで、pHの制御方法としては、中和剤として、例えば、水酸化ナトリウムを用いて、その添加量を調整して行なうことができる。
また、上記酸化中和処理において、液温としては、特に限定されるものではないが、マンガンの高除去率を得るためには40〜80℃が好ましく、60℃程度がより好ましい。すなわち、液温が40℃未満では、鉄の酸化除去が不十分である。一方、液温が80℃を超えると、反応容器に設備的な制約がかかり、また昇温のエネルギーも必要となるためコスト高である。
7.工程(7)、(8)
本発明の回収方法において、さらに、必要に応じて、下記の工程(7)又は工程(8)を含むことができる。これによって、上記工程(5)で得られた逆抽出液から、コバルトが、水酸化コバルト又は硫化コバルトとして回収される。これらの回収物は、コバルト精製工程を含むプロセスの原料として好適である。
工程(7):前記工程(5)で得られた逆抽出液に、中和剤を添加して中和処理に付し、生成された水酸化コバルトを分離回収する。
工程(8):前記工程(5)で得られた逆抽出液に、硫化水素ガス又は硫化アルカリを添加して硫化処理に付し、生成された硫化コバルトを分離回収する。
上記工程(7)において、中和処理としては、特に限定されるものではなく、下記の(カ)〜(タ)の要件を満足することが好ましい。これによって、マンガンを含有する水酸化コバルトが得られる。
(カ)pHは、7.5〜9.0である。
(ヨ)前記中和剤は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等の難溶解性の塩を形成するカルシウムを含有しないものである。
(タ)反応温度は、80℃以上沸騰点以下の温度である。
上記工程(8)において、硫化処理としては、特に限定されるものではなく、下記の(レ)〜(ツ)の要件を満足することが好ましい。これによって、マンガンが一部分離された硫化コバルトが得られる。
(レ)pHは、2.0〜4.0である。
(ソ)酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)は、−250〜−100mVである。
(ツ)反応温度は、60℃〜沸騰点以下の温度である。
9.硫酸酸性水溶液
本発明の回収方法に用いる硫酸酸性水溶液としては、ニッケル及びコバルトと鉄、アルミニウム及びマンガンその他の不純物元素とを含有するものであり、ニッケル酸化鉱石の種々の製錬方法から産出されるものが好ましく用いられるが、例えば、下記の浸出工程及び固液分離工程により、ニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸溶液を添加し、高温高圧下に浸出する工程から産出される浸出液が挙げられる。
浸出工程:ニッケル酸化鉱石をスラリー化して硫酸を添加し、220〜280℃の温度で撹拌処理し、浸出スラリーを形成する。
固液分離工程:前記浸出スラリーを多段階のシックナーを用いて洗浄し、ニッケル及びコバルトを含む浸出液と浸出残渣とに分離する。
上記ニッケル酸化鉱石としては、主としてリモナイト鉱及びサプロライト鉱等のいわゆるラテライト鉱である。前記ラテライト鉱のニッケル含有量は、通常、0.8〜2.5質量%であり、ニッケルは、水酸化物又は含水ケイ苦土(ケイ酸マグネシウム)鉱物として含有される。また、鉄の含有量は、10〜50質量%であり、主として3価の水酸化物(ゲーサイト)の形態であるが、一部2価の鉄が含水ケイ苦土鉱物等に含有される。また、珪酸分は、石英、クリストバライト(無定形シリカ)等のシリカ鉱物及び含水ケイ苦土鉱物に含有される。また、クロム分の多くは、鉄又はマグネシウムを含むクロマイト鉱物として含有される。また、マグネシア分は、含水ケイ苦土鉱物のほか、未風化で硬度が高いニッケルをほとんど含有しないケイ苦土鉱物に含有される。さらに、コバルト、アルミニウム及びマンガンが、前記鉱物中に共存する成分又は各元素を主成分とする鉱物として存在する。
上記ニッケル酸化鉱石を用いて、上記浸出工程及び固液分離工程で処理することにより産出される浸出液の組成としては、例えば、Ni:3.0〜8.0g/L、Co:0.3〜1.0g/L、Fe:2.0〜10.0g/L、Al:1.0〜5.0g/L、及びMn:2.0〜5.0g/Lでありであり、その他に、亜鉛、クロム、マグネシウム、ケイ素等を含有し、本発明の回収方法の硫酸酸性水溶液として好適に用いられる。
以下に、本発明の実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例で用いた金属の分析は、ICP発光分析法で行った。
(実施例1)
ラテライト鉱の高圧酸浸出法で得た浸出液を用いて、ニッケルを分離し、水酸化ニッケルの回収を行なった。
(1)ラテライト鉱の浸出工程
ラテライト鉱(組成;Ni:1.1質量%、Co:0.1質量%、Fe:42.0質量%、Mn:0.8質量%、Al:2.7質量%)500gを採取し、濃度64質量%の硫酸溶液150gと水を加え、スラリー濃度30質量%に調整した。
このスラリーを、容積3リットルの耐熱容器に入れ、容器を内容積3.5リットルの電気加熱式オートクレーブに装入して攪拌機によって攪拌しながら250℃に加熱し、この温度で、1時間維持した後に室温まで冷却し、浸出スラリーをオートクレーブから取り出した。得られた浸出スラリーは、濃度20質量%の炭酸カルシウムスラリーを用いて残留する硫酸を中和処理した後、固液分離して、Ni:3.8g/L、Co:0.2g/L、Fe:2.0g/L、Al:4.1g/L及びMn:2.8g/Lの組成を有する、pHが2.5の浸出液を得た。
(2)工程(1)(浸出液の酸化中和処理)
上記のように作成した浸出液10Lに、液温を60℃に制御しながら、亜硫酸ガスと空気からなる混合ガス(空気に対し3容量%のSOガスを含む。)を吹き込み、同時に濃度20質量%の炭酸カルシウムスラリーを添加して、酸化pHを4.5に保持した。その後、酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)が500mVに到達した時点で、酸化中和後スラリーをろ過し、生成された鉄及びアルミニウムを含有する沈殿物(a)を分離して、酸化中和処理後液を得て分析した。
得られた酸化中和処理後液の組成は、Ni:3.7g/L、Co:0.2g/L、Fe:<0.001g/L、Al:<0.001g/L及びMn:2.8g/Lであった。これより、鉄とアルミニウムが略完全に除去されることが分かる。
(3)工程(2)(中和処理による混合水酸化物の回収)
工程(1)で得られた酸化中和処理後液10Lに、液温を60℃に制御しながら、濃度20質量%の水酸化カルシウムスラリーを添加してpHを7.6に制御して中和処理し、中和後スラリーをろ過し、生成されたニッケル及びコバルトを含有する混合水酸化物を得て分析した。
得られた混合水酸化物の組成は、Ni:15.2質量%、Co:1.4質量%、Fe:<0.01質量%、Mn:4.4質量%、Al:<0.01質量%であり、ニッケルとコバルトの沈殿率は、98%であった。
(4)工程(3)(混合水酸化物の溶解処理)
工程(2)で得られた混合水酸化物300gを、濃度64質量%の硫酸溶液100mLを添加し混合後、純水を添加してスラリー濃度を30質量%に調整した。さらに、再度濃度64質量%硫酸溶液を添加し、溶解終了時のpHを2.0に調整した。その後、溶解スラリーをろ過して、生成されたマンガン及び石膏を含有する沈殿物(b)を分離して、ニッケル及びコバルトの濃縮液を得て分析した。
得られた濃縮液の組成は、Ni:65.5g/L、Co:5.9g/及びMn:10.5g/Lであった。これより、ニッケルとコバルトの溶解率は、98%であり、マンガンの溶出率は55%であった。混合水酸化物中のマンガンの45%が除去されることが分かる。
(5)工程(4)(溶媒抽出処理)
工程(3)で得られた濃縮液からなる水相と燐酸エステル系酸性抽出剤を含む溶媒からなる有機相を有機/水相比が2となる割合で混合し、pHを4.5に調整して有機相にコバルトを抽出し、その後両相を分離する3段の抽出段、及び得られた有機相と硫酸溶液を有機/水相比が2となる割合で混合して硫酸溶液にコバルトを抽出し、その後両相を分離する2段の逆抽出段、及び有機相を希酸で洗浄するスクラビング段からなる設備を用いて、溶媒抽出処理し、ニッケルを含有する抽出残液とコバルトを含有する逆抽出液を得て分析した。
得られた抽出残液の組成は、Ni:50.5g/L、Co:<0.1g/及びMn:<0.1g/Lであった。また、逆抽出液の組成は、Ni:0.6g/L、Co:5.5g/及びMn:10.0g/Lであった。これより、ニッケルとコバルトの分離が十分に行われていることが分かる。
(6)工程(5)(抽出残液の中和処理)
工程(4)で得られた抽出残液に、水酸化マグネシウムスラリーを添加して中和処理し、Ni:44.4質量%、Co:<0.1質量%、Fe:<0.1質量%、Mn:<0.1質量%、Al:<0.1質量%の組成を有する水酸化ニッケルを得た。これより、金属ニッケル、酸化ニッケル、フェロニッケル等のニッケル工業材料の原料として効果的に利用することができる水酸化ニッケルを分離回収することができることが分かる。
(実施例2)
上記実施例1の工程(3)で得られた濃縮液を用いて、脱マンガン(工程(6))を行なった。
まず、前記濃縮液の液温を60℃に制御し、亜硫酸ガスと空気からなる混合ガス(空気に対し1容量%でSOガスを含む。)を吹き込み、同時に濃度4mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを5.0に保持した。ここで、酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)を550mVに4時間保持した。その後、酸化中和後スラリーをろ過し、生成されたマンガン及びコバルトを含有する沈殿物(c)を分離し、酸化中和処理後液を得て分析した。
得られた酸化中和処理後液の組成は、Mn:5.9g/Lであった。これより、工程(4)の溶媒抽出工程における抽出負荷が低減されるため、より小さな溶媒抽出工程の設計が可能となることが分かる。
以上のように、実施例1では、硫酸酸性水溶液を所定の条件で酸化中和処理に付し、鉄及びアルミニウムを除去する工程、得られた酸化中和処理後液を所定の条件で中和処理に付し、ニッケル及びコバルトを含有する混合水酸化物を分離回収する工程、得られた混合水酸化物を特定の条件で溶解処理に付し、マンガンを除去しながらニッケル及びコバルトの濃縮液を得る工程、得られた濃縮液を所定の条件で酸化処理に付し、マンガンを除去する工程、得られた酸化処理後液を所定の条件で溶媒抽出処理に付し、ニッケルを含有する抽出残液とコバルトを含有する逆抽出液を得る工程、及び、得られた抽出残液を中和処理に付す工程を順次行い、本発明の方法に従って行なわれたので、工業材料の原料として効果的に利用することができる水酸化ニッケルを高収率で回収することができること、及びコバルトを、利用可能な副産物として分離することができることが分かる。さらに、実施例2では、上記工程(3)で得られた濃縮液を用いて、脱マンガン(工程(6))を行なったので、マンガンの除去により、工程(4)の溶媒抽出工程における抽出負荷が低減されることが分かる。
本発明の硫酸酸性水溶液からのニッケルの回収方法は、ニッケル及びコバルトと鉄、アルミニウム及びマンガンその他の不純物元素とを含有する硫酸酸性水溶液から、鉄、アルミニウム及びマンガンその他の不純物元素と効率的に分離することにより、ニッケル品位が40質量%以上に濃縮された水酸化ニッケルを回収することができルので、特に、マンガン含有量の高い硫酸酸性水溶液から、不純物元素の含有量が少ない水酸化ニッケルを回収する方法として好適である。

Claims (10)

  1. ニッケル及びコバルトと鉄、アルミニウム及びマンガンその他の不純物元素とを含有する硫酸酸性水溶液から、ニッケルを回収する方法であって、
    下記の工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法。
    工程(1):前記硫酸酸性水溶液に、亜硫酸ガスと空気又は酸素ガスからなる混合ガスを吹き込みながら、炭酸カルシウムを添加して酸化中和処理に付し、生成された鉄及びアルミニウムを含有する沈殿物(a)を除去する。
    工程(2):前記工程(1)で得られた酸化中和処理後液に、水酸化カルシウムを添加して中和処理に付し、ニッケル及びコバルトを含有する混合水酸化物を分離回収する。
    工程(3):前記工程(2)で得られた混合水酸化物を、濃度50質量%以上の硫酸溶液中で溶解処理に付し、生成されたマンガン及び石膏を含有する沈殿物(b)を除去してニッケル及びコバルトの濃縮液を得る。
    工程(4):前記工程(3)で得られた濃縮液を、燐酸エステル系酸性抽出剤を用いて溶媒抽出処理に付し、ニッケルを含有する抽出残液とコバルトを含有する逆抽出液を得る。
    工程(5):前記工程(4)で得られた抽出残液に、中和剤を添加して中和処理に付し、生成された水酸化ニッケルを分離回収する。
  2. 前記工程(3)に続いて、下記の工程(6)を含むことを特徴とする請求項1に記載の硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法。
    工程(6):前記工程(3)で得られたニッケル及びコバルトの濃縮液に、亜硫酸ガスと空気又は酸素ガスからなる混合ガスを吹き込みながら、中和剤を添加して、酸化中和処理に付し、生成されたマンガン及びコバルトを含有する沈殿物(c)を除去し、得られた酸化中和処理後液を、前記工程(4)に移送する。
  3. 下記の工程(7)又は工程(8)を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法。
    工程(7):前記工程(5)で得られた逆抽出液に、中和剤を添加して中和処理に付し、生成された水酸化コバルトを分離回収する。
    工程(8):前記工程(5)で得られた逆抽出液に、硫化水素ガス又は硫化アルカリを添加して硫化処理に付し、生成された硫化コバルトを分離回収する。
  4. 前記工程(1)において、酸化中和処理は、下記の(イ)〜(ハ)の要件を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法。
    (イ)前記混合ガス中の亜硫酸ガスの含有割合は、希釈ガスである空気又は酸素ガスに対して1〜10容量%である。
    (ロ)酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)は、400〜600mVである。
    (ハ)pHは、4.0〜4.5である。
  5. 前記工程(2)において、中和処理は、下記の(ニ)の要件を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法。
    (ニ)pHは、7.5〜7.7である。
  6. 前記工程(3)において、溶解処理は、下記の(ホ)及び(ヘ)の要件を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法。
    (ホ)スラリー濃度は、30〜40質量%である。
    (ヘ)混合水酸化物の溶解終了時のpHは、1.5〜2.2である。
  7. 前記工程(3)において、沈殿物(b)を、前記工程(1)へ移送する手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法。
  8. 前記工程(5)において、中和処理は、下記の(ト)〜(リ)の要件を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法。
    (ト)pHは、7.5〜8.0である。
    (チ)前記中和剤は、水酸化マグネシウムである。
    (リ)反応温度は、80℃以上沸騰点以下の温度である。
  9. 前記工程(6)において、酸化中和処理は、下記の(ヌ)〜(ワ)の要件を満足することを特徴とする請求項2又は3に記載の硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法。
    (ヌ)前記混合ガス中の亜硫酸ガスの含有割合は、空気又は酸素ガスに対して1〜10容量%である。
    (ル)酸化還元電位(銀/塩化銀電極基準)は、500〜600mVである。
    (オ)pHは、5.0〜6.0である。
    (ワ)前記中和剤は、水酸化ナトリウムである。
  10. 前記硫酸酸性水溶液は、ニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸溶液を添加し、高温高圧下に浸出する工程から産出される浸出液であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の硫酸酸性水溶液からのニッケル回収方法。
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