JP6263171B2 - 大気圧下での赤鉄鉱としての第二鉄の除去 - Google Patents

大気圧下での赤鉄鉱としての第二鉄の除去 Download PDF

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Description

本発明は、第二鉄と第一鉄を含有するニッケル溶液から大気圧下で赤鉄鉱として第二鉄を除去するためのプロセスに関する。このプロセスは詳細には、ニッケル溶液、特に硫酸ニッケル溶液からの不純物除去工程に関するものであり、該溶液からニッケル及び/又はコバルトを回収するためのプロセス全体の一部である。一実施形態では、ニッケルラテライト鉱石からニッケル及び/又はコバルトを回収するための堆積浸出プロセスの一部として硫酸ニッケルを生成することができる。しかしながら、このプロセスを他の大気酸性浸出(atmospheric acidic leach)(AAL)、例えば該溶液が生成され、かつ金属分の回収前に赤鉄鉱としての鉄の沈殿が望まれる大気撹拌浸出プロセスに適用することができる。
好ましい実施形態では、本プロセスは、第二鉄イオンが主に結晶形で赤鉄鉱として沈殿する堆積浸出プロセスの不純物除去工程に関する。これは、大気圧下にて結晶形で赤鉄鉱沈殿を果たすために温度とpHの両条件の制御及び上昇、並びに溶液にシードを加えることによって達成される。
別の実施形態では、イオン交換プロセス、最も好ましくはIX装置がASEP(登録商標)であるイオン交換プロセスで、実質的に第二鉄を含まないニッケル溶液からニッケルを回収することができる。
別の実施形態では、溶媒抽出プロセスで、好ましくは市販溶媒試薬Cyanex 301(登録商標)及び/又はCyanex 272(登録商標)を用いて、実質的に第二鉄を含まないニッケル溶液からニッケル及び/又はコバルトを回収することができる。
発明の背景
ラテライト鉱石は、世界最大のニッケル及びコバルト源の可能性がある。一般に、ニッケル/コバルトラテライトのほとんどの鉱床は岩石学、鉱物学及び化学組成に基づいた3つの主要ゾーンを含有する。底面から表面へのこれらの3つのゾーンは、腐食岩石ゾーン、遷移ゾーン及び褐鉄鉱ゾーン、並びに一般的に頂点にある風化岩盤物質である。ラテライト鉱床の総厚、並びに個々のゾーン厚は一般的に大きなバラツキがある。
腐食岩石ゾーンは、主に「腐食岩石の蛇紋石鉱物」及び多種のニッケル/マグネシウムケイ酸塩鉱物から成る。それは0.5質量%〜4質量%のニッケルと、通常は6質量%を超える高いマグネシウム含量とを有する。腐食岩石のコバルト対ニッケルの質量比は、通常は1:10未満である。
ラテライト鉱石体の頂上ゾーンに位置する褐鉄鉱ゾーンは、約0.5質量%〜1.8質量%の範囲のニッケルを含み、針鉄鉱リッチ、磁鉄鉱リッチ及び/又は赤鉄鉱リッチ鉱石から成り、鉄、ニッケル及びコバルト含量に富んでいる。それは頂上ゾーンであるため、より大きな風化及び酸化にさらされ、マグネシウム及び第一鉄含量の減少と、第二鉄含量の増加を特徴とする。従って、それは腐食岩石型鉱石より低いマグネシウム含量を有する。強い風化及び酸化のため、褐鉄鉱石は主に針鉄鉱及び/又は赤鉄鉱の微細かつ柔らかい粒子を含む。時には風化及び酸化が全体に完成していないことがあり、赤鉄鉱リッチ又は針鉄鉱リッチ区分が存在しない。或いは、気候条件によっては、ニッケル及び/又はコバルト含有鉄/マグネシウム/アルミニウムケイ酸塩を含む粘土型ラテライト、例えばスメクタイト、ノントロナイト及び緑泥石が形成されている。
遷移ゾーンはあまり明確には定義されておらず、本質的に褐鉄鉱と腐食岩石から構成されている。それは通常1質量%〜3質量%の範囲のニッケルを含有し、0.08質量%から0.3質量%までの範囲のコバルトが共存する。
腐食岩石ゾーン、褐鉄鉱ゾーン及び遷移ゾーン内のコバルトの存在は一般的に、水和した酸化マンガンの鉱物である呉須土(asbolane)と関係がある。ラテライト鉱床のコバルト分は大部分が褐鉄鉱ゾーン及び遷移ゾーンから回収される。
ラテライト鉱床は露天採掘で開発できるが、ニッケルは浮遊選鉱技術で容易に濃縮されるので地下硫化鉱床の方を好んで、ラテライト鉱床は歴史的に見過ごされてきた。豊富なニッケル保有ラテライト鉱石源にもかかわらずにである。ほとんどのラテライトは一般的に従来の鉱石加工全体にとっては低級のニッケル保有鉱石であり、硫化鉱石からよりニッケルを回収するのが困難とみなされている。しかしながら、硫化鉱床が消滅し始めるので、ラテライトニッケル鉱床は重要なニッケル及びコバルト源になりつつある。
ラテライト鉱石からニッケル及びコバルトを抽出するための従来のプロセスは一般的に費用がかかり、及び/又はエネルギーを消費する方法に限定されている。例えば、ラテライト鉱石を直接精錬するのは、相当なエネルギーを消費するプロセスであることが知られている。特に、腐食岩石成分は高温冶金手段、例えばフェロニッケルを作るための回転窯・電気炉(rotary kiln and electric furnace)(RKEF)プロセスで加工し得る。ラテライト鉱石の褐鉄鉱成分は通常、濃硫酸を用いる高圧酸浸出(high pressure acid leach)(HPAL)プロセス等の湿式冶金プロセスで加工される。
撹拌バット(vat)又はタンク内で行ない得る大気浸出等の代替手段が開発されている。堆積浸出は、RKEF、HPAL又は本当に大気のタンクプロセスには適さない可能性がある鉱石から経済的に金属を抽出するために現在開発されている別の方法である。
ニッケルラテライト鉱石の加工のための湿式冶金プロセスにおける浸出溶液又は浸出剤(lixiviant)は典型的に硫酸であるが、特定の状況では塩酸又は硝酸等の他の鉱酸も利用される。浸出剤が酸強化真水又は塩水を含むプロセスが開発されている。ラテライト鉱石からの硫酸浸出から得られる浸出貴液(pregnant leach solution)(PLS)は、一般的にPLSの品質及び浸出される鉱石のタイプに応じて変動する量で第一鉄及び第二鉄イオン、アルミニウム、クロム、マンガン及びマグネシウムイオン等の不純物と共に所望のニッケル及びコバルトイオンを含む硫酸溶液を生成するであろう。
いくつかの各種技術によって該溶液からニッケルとコバルトを回収することができる。例えば、従来の多段階中和及び硫化、イオン交換、溶媒抽出、電解採取及び熱加水分解は全てニッケルPLS溶液からニッケルとコバルトを回収するための確立した技術である。ニッケルを回収するための下流加工は、溶液から不純物を十分に除去することに依存する。
ラテライト鉱石中の高い鉄対ニッケル濃度比はPLS中の高い鉄対ニッケル濃度比をもたらすので、鉄はニッケルラテライト鉱石を加工する際の最も重大な不純物であることから、ニッケルとコバルトの損失を最少にして鉄を除去することが該溶液からのニッケル及び/又はコバルトの回収の重要な工程になる。理想的には質量、体積及び含水量を減らすために尾鉱は積み重ねられるべきである。
鉄沈殿の主な形態学的状態は、鉄除去工程における適用温度、pH及び添加剤に応じて、赤鉄鉱、針鉄鉱、水酸化物及び鉄ミョウバン石であり、例えばアルカリイオンの存在は一般的に鉄ミョウバン石沈殿をもたらすであろう。赤鉄鉱及び鉄ミョウバン石は、針鉄鉱より高い結晶化度を有する。水酸化第二鉄は非晶質である。沈殿生成物の結晶化度は、固体の物理的性質、例えば比表面積、表面吸収能、フィルター透過率及び含水量において重要な役割を担うので、鉄沈殿の操作上の基準、例えばニッケル/コバルト損失、固体/液体分離挙動及び尾鉱積み重ね性(stackability)等はその形態によって決まり、一般的に赤鉄鉱、鉄ミョウバン石、針鉄鉱、水酸化物の順である。
ラテライト鉱石の酸浸出では、ニッケルとコバルトを溶かし、ほとんど全ての可溶化第二鉄を沈殿させて不溶性赤鉄鉱にするために従来の高圧酸浸出(HPAL)プロセスが開発された。これは高温(250℃〜300℃)及び付随圧力(約50バール)で操作されるオートクレーブ内で達成された。HPAL法は高割合のニッケル及びコバルトを回収するが、高温高圧の操作条件に耐えるための高価で複雑な設備を必要とする。
HPALプロセスの代替プロセス、例えば、タンク又はバット大気酸浸出(AAL)プロセスが開示された。このプロセスは一般的に110℃までの温度と大気圧下で操作される。1つの該開示はBHP Minerals International, Inc.名義の米国特許6,261,527である。この特許は、大気圧下及び沸点未満の温度で硫酸を用いてラテライト鉱石の褐鉄鉱及び腐食岩石画分を連続的に浸出させ、溶解鉄の大部分を不溶性鉄ミョウバン石固体として沈殿させて捨てることを述べている。
鉄ミョウバン石沈殿は良い固体/液体分離挙動を有し、浸出液からかなりのSO4 2-を捕捉できるが、鉄ミョウバン石沈殿は低い鉄含量を有するので、一般的に高い残渣質量及び体積をもたらすことが最も顕著な欠点である。
鉄ミョウバン石化合物は熱力学的に不安定なので、鉄ミョウバン石としての鉄の除去には深刻な環境への懸念もある。鉄ミョウバン石は緩徐に水酸化鉄に分解して硫酸を遊離し得る。遊離酸は、浸出残渣尾鉱中に存在する微量の沈殿重金属、例えばマンガン、クロム、ニッケル、コバルト、銅及び亜鉛等を再溶解して、これらの金属を尾鉱沈殿物周囲の地下水又は地上水中に結集する可能性がある。
鉄ミョウバン石沈殿の別の欠点は、鉄ミョウバン石は硫酸塩を含有し、このことが浸出のための酸要求を相当高めることである。硫酸は酸浸出加工における単一の最も高価な材料であることから、鉄ミョウバン石プロセスには経済上の欠点もある。
BHP Billiton SSM Development Pty Ltd名義の豪州特許2003209829等の他のプロセスは、褐鉄鉱及び腐食岩石の連続的大気酸浸出(AAL)で鉄を針鉄鉱として沈殿させるプロセスを開示している。針鉄鉱は鉄ミョウバン石ほど環境を破壊する可能性はないが、体積当たりの鉄除去量は赤鉄鉱ほど大きくない。さらに、針鉄鉱は、赤鉄鉱より低い固体/液体分離挙動をも有する。このことが高い含水量をもたらし、残渣の処分を困難にする。
やはりBHP Billiton SSM Development Pty Ltd名義の豪州出願2009201837は、褐鉄鉱画分を一次浸出工程で加工し、一次浸出工程からの流出スラリーに、赤鉄鉱沈殿を惹起するため、赤鉄鉱シードと共に腐食岩石画分を導入する大気酸浸出(AAL)プロセスを開示している。
硫酸ニッケル溶液からニッケル及び/又はコバルトを回収するためのいくつかの既知技術がある。酸性PLSからニッケル及び/又はコバルトを回収するための1つの手段はイオン交換(IX)プロセスでIX樹脂を用いる。既知のイオン交換樹脂は、第一鉄、アルミニウム、クロム、マグネシウム及びマンガンイオン等の不純物から完全に、また第二鉄イオンから部分的にニッケルを分離するためにビス-ピコリルアミンの官能基を含むであろう。DOWEX M4195(登録商標)は、ニッケルに対して第二鉄イオンより高い親和性を有するので該目的で知られている典型的な樹脂であるが、その差は約2〜3倍である。溶液中の第二鉄/ニッケル濃度比が樹脂の親和性順位より高いかそれに匹敵する場合、かなりの第二鉄イオンが樹脂上に吸収される。このことは、第二鉄イオンを超えるニッケルの分離効率を低くする。
別の広く認められている手段は溶媒抽出(SX)による手段である。Cyanex 301(登録商標)等の市販試薬は低pHで使用し得る。しかしながらこの試薬は第二鉄イオンに対しても高い親和性を有する。第二鉄イオンに対する高い親和性、及び酸化剤である第二鉄イオンによってこの試薬が分解し得ることを考えると、この試薬を用いてニッケル及び/又はコバルトを回収すべき場合には、第二鉄イオンを除去することが重要になる。
ラテライト鉱石は高い第二鉄対ニッケル濃度比を有するので、ラテライト鉱石の酸浸出から得られるPLSも高い第二鉄対ニッケル濃度比を有するであろう。結果として、IXプロセスの樹脂、又はSXプロセスの有機試薬は相当量の第二鉄をもロードするであろうことを考えると、IXプロセスの樹脂、又はSXプロセスの有機試薬がニッケルをロードする有効能力は低減する。IXプロセスでは、これにより所定のニッケル生成能力を維持するためにはIX樹脂体積及び機器数に高額投資が必要となる。さらに、IX溶出液中の高い鉄含量は、該溶液から例えば水酸化ニッケル生成物としてニッケルを回収するのに必要な試薬の消費を増やす。
本発明は、大気圧下で行なうプロセスで不純物として鉄を赤鉄鉱として除去するプロセスを開発することによって、従来技術のプロセスに伴う問題の1つ以上を克服又は緩和することを目標とする。本プロセスの望ましい特徴は、不純物除去工程において第二鉄が結晶形で赤鉄鉱として沈殿することであり、これが残渣尾鉱の処分をより容易にする。
さらなる望ましい特徴では、大気圧下工程において結晶形で赤鉄鉱が沈殿する。このことは、不安定な鉄ミョウバン石、又は安定しているが、非晶形かつ高含水量のため沈殿の際の相対的に高いニッケル/コバルトの損失、固体/液体分離及び処分の困難さに悩まされる針鉄鉱としての鉄の沈殿を回避するという利点を有する。赤鉄鉱は、コンパクトかつ「積み重ねられる」残渣をもたらす結晶性の高い形態で沈殿し得る。
樹脂上で第二鉄イオンがニッケルと競合しないように、いずれのイオン交換プロセスよりも前にニッケル溶液から第二鉄イオンを除去することが本発明のさらなる望ましい特徴である。或いは、試薬の分解、又は試薬上への鉄のローディングを回避するように、いずれの溶媒抽出プロセスよりも前にニッケル溶液から第二鉄イオンを除去することが望ましい特徴である。
従来技術として与えている特許文書又は他の印刷物への本明細書での言及は、特許請求の範囲のいずれの優先日の時点でも当該文書又は印刷物が知られていたか又はそれが含む情報が公の一般知識の一部であったと認めるものと解釈すべきでない。
発明の概要
本発明は、大気圧下で酸性ニッケル溶液、好ましくは硫酸ニッケル溶液から赤鉄鉱として第二鉄イオンを除去するためのプロセスに属する。一般的に本プロセスは、ニッケルラテライト鉱石の硫酸浸出からの浸出貴液(PLS)を加工するときに不純物除去工程で第二鉄イオンを除去することに関する。最も好ましい実施形態では、硫酸浸出は堆積浸出プロセスである。
本プロセスは、赤鉄鉱としての第二鉄イオン沈殿の形態を制御するために大気圧下でPLSの温度とpHの両条件を上昇させることによる制御を含む。さらに、出願人らは、ニッケル溶液の上昇した温度を維持し、かつpHを特定レベルで維持することが、赤鉄鉱シードの添加と共に、大気圧下で第二鉄イオンを主に結晶形で赤鉄鉱として沈殿させ得ることを見い出した。
従って、本発明の第1実施形態では、第二鉄及び第一鉄イオンを含有する酸性ニッケル溶液から赤鉄鉱として第二鉄イオンを除去するためのプロセスであって、下記工程:
i) ニッケル溶液の温度を90℃〜大気圧下でのニッケル溶液の沸点に上昇させる工程;
ii) ニッケル溶液のpHを2〜3に上昇させる工程;及び
iii) 赤鉄鉱シードを添加して赤鉄鉱の沈殿を促進する工程
(このとき第二鉄イオンは主に結晶形で赤鉄鉱として沈殿する)
を含むプロセスを提供する。
好ましくは、石灰石又は腐食岩石を添加することによってpHを上昇させるが、いずれの適切な中和剤を使用してもよい。腐食岩石は弱アルカリ性(水中で約8のpH)であり、pH制御の観点から石灰石と同様の中和機能を有する。pHを上昇させるために腐食岩石を添加すると、鉄沈殿中に生成される追加の酸が添加腐食岩石を浸出するので、より多くのニッケルが浸出され得ることをも見い出した。
腐食岩石を中和剤として使用するとき、好ましい実施形態では、添加する赤鉄鉱シードの量は添加腐食岩石に対して少なくとも1:1の質量比、好ましくは少なくとも3:1の比の用量である。別の実施形態では、比は少なくとも5:1であってよい。添加する腐食岩石スラリーの量は、ニッケル溶液のpHを2〜3のpHに上昇させて維持するのに十分でなければならない。石灰石を中和剤として使用するとき、赤鉄鉱シード用量は、第二鉄イオン沈殿の際に形成される赤鉄鉱の好ましくは100%(1:1)〜少なくとも300%(3:1)である。好ましくは、添加する石灰石用量は、沈殿第二鉄イオンの化学量論量の1:1〜1:1.3の比の用量である。
腐食岩石中の中和能力を有する重要画分はニッケル含有ケイ酸マグネシウム(蛇紋石及びリザード石(lizardite))である。石灰石は、腐食岩石より大きい中和能力を有するずっと強くかつ純粋なアルカリ剤である。腐食岩石を中和剤として使用するとき、pHを所望範囲内に上昇させて維持するため及び第二鉄イオンを沈殿させるためには石灰石より多くの腐食岩石が必要である。さらに、腐食岩石の鉄沈殿効率は低く、第二鉄を完全には沈殿させられない。通常は、所定の温度とpHでは腐食岩石の鉱物組成と残存第二鉄イオン濃度との間に平衡が存在するので、腐食岩石は第二鉄の約80%〜90%を沈殿させる能力を有する。従って、腐食岩石を使用するときには、化学量論量の石灰石スラリーを反応器に添加して溶液中の残存第二鉄イオンを捕捉することによる連続的な中和捕捉工程を含めることが望ましい。
腐食岩石中和工程後に捕捉工程が必要な場合に添加する石灰石の量は、好ましくは残存第二鉄イオンの化学量論量のほぼ1:1〜1.3:1の比程度である。
出願人らは、第二鉄イオンが主に結晶形で赤鉄鉱として沈殿すれば、この形の廃棄物質は、非晶形よりコンパクトかつ「積み重ねられる」形なので容易に処分できることを見い出した。赤鉄鉱は、針鉄鉱、水酸化物又は鉄ミョウバン石よりかなり含水量が少ないので、より容易に結晶構造を形成できるようにし、それは形を失わずに残存尾鉱内に積み重なり得ることから、より容易に処分される。
赤鉄鉱はFe2O3の式形を有し、赤鉄鉱としての鉄の沈殿は針鉄鉱及び鉄ミョウバン石を超えるいくつかの利点を有する。赤鉄鉱は残渣中に針鉄鉱(FeOOH又はFe2O3.H2O)、水酸化鉄(Fe(OH)3又はFe2O3.3H2O)及び鉄ミョウバン石(MeFe3[(SO4)2(OH)6])(MeはNa、K、又はNH4である)より高い質量パーセンテージの鉄を含むので、高い密度と鉄含量を有する。従って鉄処理を伴う廃棄固体処分の質量、体積及び含水量が減少する。出願人らは、大気圧下での溶液の沸点にできる限り近い温度、好ましくは約100℃と、2〜3、好ましくは2.0〜2.5のpH範囲とを維持することによって、赤鉄鉱シードの加えることで通常は結晶形で赤鉄鉱が沈殿することを見い出した。
本発明のプロセスは、酸浸出、好ましくは硫酸浸出であるが、クエン酸、硝酸、塩酸又は酸補充塩類浸出剤系等の他の酸系の酸浸出後に生成されるいずれのPLSの処理にも適している。PLSは大気酸又は撹拌浸出、堆積浸出プロセスの生成物であり得る。好ましい実施形態では、PLSは硫酸堆積浸出プロセス、特に向流堆積浸出プロセス(PLSが複数の堆積を通じて与えられている)からの生成物である。
該プロセス後のPLSは、所望のニッケル及びコバルト分のみならず、第二鉄及び第一鉄イオン、アルミニウム、クロム、マンガン及びマグネシウムといった不純物をも含むであろう。
特に好ましい実施形態では、PLSからの第二鉄の除去後に、イオン交換(IX)プロセス又は溶媒抽出(SX)でニッケルを回収する。しかしながら本発明のプロセスは通常の多段階中和及び硫化、電解採取又は熱加水分解等の他のプロセス工程を通じたニッケルの回収に役立つが、第二鉄の除去はニッケルのIX又はSX回収を好ましいプロセスにする。
最も好ましい形態では、ニッケルをIXプロセスで回収する。好ましい実施形態では、IX装置がISEP(登録商標)である。
ニッケルIX回収プロセスでは、好ましいIX樹脂は、第一鉄イオン、アルミニウム、クロム、マグネシウム及びマンガン等の不純物からニッケルを濃縮及び分離するためのビス-ピコリルアミンキレート樹脂である。好ましいIX樹脂はDOWEX M4195(登録商標)又はその誘導体Dowex XUS43578(登録商標)であるが、他の適切な樹脂として、Amberlite IRC 748(登録商標)、Purolite S930(登録商標)及びLewatit TP207(登録商標)等のイミノ二酢酸キレート樹脂が挙げられる。ビス-ピコリルアミン樹脂はニッケルと第二鉄イオンの両方に対して相当な親和性を有し、そのようなものとして、IXプロセス前にPLSから第二鉄イオンが回収されれば、該IXプロセスにおけるニッケル回収の効力が増強される。イミノ二酢酸樹脂は、ニッケルイオンより第二鉄イオンに対してずっと高い親和性を有するので、当該樹脂をIXプロセスで使用する場合はPLSからの第二鉄イオンの除去が重要になる。
ニッケルIXプロセスでは、樹脂上に吸収されたいずれのニッケルをも酸、好ましくは硫酸又は塩酸で溶出し得る。これは、実質的に第二鉄イオンを含まないニッケル含有溶出液を生成するであろう。この溶出液をさらに処理して、例えばニッケルを水酸化ニッケル沈殿物として回収することによって、高級ニッケル生成物としてニッケルを回収することができる。好ましい実施形態では、これは、30質量%より高いニッケルグレードの水酸化ニッケル沈殿物としてニッケルを沈殿させるように、好ましくは酸化マグネシウム、ソーダ灰、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)又は他のアルカリを用いてニッケル濃縮IX溶出液を40℃〜50℃で7〜9のpHに中和することによって達成される。このニッケル生成物自体をさらに加工して電池材料、ニッケルナゲット、ニッケルカソード又は電気コーティング用の結晶性硫酸ニッケルを作製することができる。
或いは、第二鉄イオンの除去後に一次溶媒抽出プロセスでニッケル、又は十分なコバルトが存在する場合はニッケル及び/又はコバルトを回収することができる。この工程のために好ましい有機試薬は、官能基ビス(2,4,4-トリメチルペンチル)ジチオホスフィン酸を有するCyanex 301(登録商標)である。それは低pH、例えば、1.5〜3.0のpHでニッケルと、所望によりコバルトとを両方同時に回収できるからである。この一次SX工程からのSX溶出液から、或いは例えば二次SX工程によって、5.5〜6.0のpHでニッケルよりコバルトに特異的であるCyanex 272(登録商標)を用いて、或いはIXによってニッケルとコバルトを回収し得る。
別の代替手段は、廃棄処分のためにニッケルIXラフィネートをさらに加工する前に、連続的SX工程で例えばCyanex 301(登録商標)を用いてニッケルIXラフィネートからコバルトを回収しながら、上述したようにIX工程でニッケルを回収し得ることである。
結晶性のコンパクトかつ積み重ねられる赤鉄鉱含有残渣としてのラフィネート中に存在する第一鉄を除去するため、ニッケルIX又はニッケル/コバルト一次SXラフィネートをさらに処理することができる。最初に、好ましくは空気、酸素又は空気/酸素混合物をラフィネート中に吹き込むことによって第一鉄イオンを第二鉄に酸化する。この溶液の温度を40℃〜沸点、好ましくは50℃〜80℃、最も好ましくは55℃〜75℃に維持し、一方でラフィネートのpHを2〜3、好ましくは2.0〜2.5に維持する。pHを制御するために石灰石又は腐食岩石を添加してよい。赤鉄鉱シードを添加して、赤鉄鉱としての第二鉄イオンの沈殿を促進する。
次にスラリーのpHを約6に上昇させて、鉄、アルミニウム、クロム及びいくらかのマンガンの完全な沈殿を確実にする。このpHでは、第二鉄及び第一鉄イオンは主に結晶形で赤鉄鉱及び/又は磁鉄鉱として完全に沈殿し得る。
さらなる代替コバルト回収工程では、Co2+を超えるFe2+の高濃度に起因する第一鉄イオンの干渉を減らすため、結果として生じる溶液から第二鉄及び第一鉄の両イオンを除去する工程後にIX及び/又はSXによってコバルトを効率的に回収し得る。赤鉄鉱及び/又は磁鉄鉱沈殿工程からの固体/液体分離後に、実質的に第二鉄及び第一鉄を含まないラフィネートからSX又はIXによってコバルトを回収し得る。SXを利用する場合、好ましい試薬は、特に約5.5〜6.0のpHでコバルトに対して高い親和性を有する官能基ビス(2,4,4-トリメチルペンチル)ホスフィン酸を有するCyanex 272(登録商標)である。IXを利用する場合、好ましい樹脂は、Dowex M4195(登録商標)若しくはその誘導体Dowex XUS43578(登録商標)等のビス-ピコリルアミン官能性キレート樹脂又はAmberlite IRC 748(登録商標)、Purolite S930(登録商標)及びLewatit TP207(登録商標)等のイミノ二酢酸キレート樹脂である。コバルト除去後、ラフィネートの残りを流出液処理のために送る。
本発明の好ましい実施形態を示す。
発明の詳細な説明
図1は本発明の好ましい実施形態を示す。しかしながら当然のことながら、この実施形態はプロセス工程の単なる例であり、本発明を具体的にこの実施形態に限定するように考えるべきでない。
図1では、堆積浸出又は大気撹拌浸出のどちらでもよい大気酸浸出(AAL)からのPLS(1)を加工する。このPLSは、ニッケル及び/又はコバルト分を第二鉄と第一鉄の両イオン、アルミニウム、クロム、マンガン及びマグネシウム等の不純物と共に含有する。第二鉄イオンを主に結晶形で主に赤鉄鉱として除去するため、本発明に従って最初の工程として、このPLSを処理する。
2段階熱交換器(3)及び(4)で水蒸気(5)を添加してPLSの温度を約100℃に上げる。熱交換器(4)から凝縮水(6)を放出する。加熱されたPLSを次にタンク(7)内で加工する。PLSの温度を約100℃で維持するが、90℃〜大気圧下での溶液の沸点の範囲の温度であってよい。石灰石又は腐食岩石(9)を添加してpHを上昇させて2〜3の範囲内にする。溶液をインペラ(11)で撹拌する。赤鉄鉱の初期量をシードとして添加して、第二鉄イオンの赤鉄鉱としての沈殿を促進する。
タンク(7)からのスラリーを濃縮槽(13)等の液体/固体分離装置に移す。向流式デカンテーション(CCD)等の他の市販装置を使用してもよい。濃縮槽(13)からの赤鉄鉱含有底流(15)は捨てるが、液体溢流(21)は、例えばIXによるニッケル回収のために熱交換器(3)経由で送る。赤鉄鉱沈殿を継続させるため、濃縮槽(13)からの赤鉄鉱含有底流(15)の一部をストリーム(17)としてタンク(7)に戻して赤鉄鉱シードの連続的供給源として働かせる。固体赤鉄鉱含有底流(15)の残りは、ろ過し固形廃棄物(19)として処分する。この赤鉄鉱残渣は、尾鉱サイトに容易に「積み重ねられる」、主に結晶性かつコンパクトな形で沈殿するであろう。
出願人らは、乾燥して積み重ねられる残渣を生成することが特に有利であることを見い出した。ほとんどのラテライト鉱石は湿潤熱帯環境で加工され、一般的に非晶質である針鉄鉱又は水酸化物等の鉄廃棄残渣は、許容できる低い含水量までろ過するのが困難なので、乾燥して積み重ねることができない。出願人らは、結晶性赤鉄鉱残渣は、ろ過されてコンパクトかつ積み重ねられる形での処分を可能にする十分に低い含水量になる大きな能力を有することを見い出した。このことは特に湿潤熱帯環境で有利である。
濃縮槽(13)からの液体溢流(21)は、ニッケルとコバルトの両方を第一鉄イオン、アルミニウム、クロム、マンガン及びマグネシウム等の他の不純物と共に含有するが、実質的に第二鉄イオンを含まない。この溢流は熱交換器(3)を通って熱をPLSに放出し、ニッケルIX又はニッケル及び/又はコバルトSX工程(23)に移動する。
出願人らは、ニッケル回収に好ましいプロセスはIXであることを見い出した。ニッケルIX工程にとって最も好ましくはイオン交換装置がISEP(登録商標)である。
コバルト回収を保証するのに十分なコバルトが存在する場合、プロセスは一次溶媒抽出(SX)工程を利用することができ、この工程では、官能基ビス(2,4,4-トリメチルペンチル)ジチオホスフィン酸を有するCyanex 301(登録商標)等の有機試薬を用いてニッケルとコバルトをPLSから分離する。この一次SX工程によってコバルトと共にSX溶出液からニッケルを回収し得る。一次SXラフィネートは第一鉄イオン、クロム、アルミニウム、マンガン及びマグネシウムを含むであろう。Cyanex 301(登録商標)は、ニッケル及びコバルトよりも第二鉄に対して高い親和性を有し、かつ第二鉄イオンによる酸化を通じて破壊されやすいので、SX工程にとってのCyanex 301(登録商標)の利点は、PLSから第二鉄が除去された時点でさらに明らかになる。
この一次SXプロセスからの溶出液を次にニッケル及びコバルト分離のために処理する。ニッケルとコバルトを別々に回収し得る方法の例は、例えば、約5.5〜6.0のpHでニッケルよりもコバルトに対して強い親和性を有する官能基ビス(2,4,4-トリメチルペンチル)ホスフィン酸を有するCyanex 272(登録商標)を用いる二次SXプロセスによる方法である。次に、二次SXプロセスからの溶出液からコバルトを回収し、一方で二次SXプロセスからのラフィネートからニッケルを回収することができる。
ニッケルIX又はSXプロセスからのニッケル及び/又はコバルト溶出液(25)をニッケル及び/又はコバルト回収のために送る。通常の多段階中和及び硫化、電解採取、熱加水分解又はさらなるIX及びSX工程等のいずれの既知手段によってもニッケル及びコバルトを回収することができる。ニッケルを回収するための1つの好ましい手段は、例えば酸化マグネシウム、ソーダ灰、苛性ソーダ又は他のアルカリを用いてpHを上昇させることによって水酸化物沈殿として回収することである。ニッケルを回収するための1つの適切な手段は、ニッケルを水酸化ニッケル沈殿物として沈殿させるようにpHを約7〜9に上昇させ、かつ溶液を約40℃〜50℃で維持することである。ニッケル回収の他の手段には、電解採取、熱加水分解又は硫化がある。
別の代替手段として、連続的コバルトSX工程でニッケルIXラフィネートからコバルトを回収しながら、上述したようにIXによって液体溢流(21)からニッケルを回収することができる。コバルト回収工程のための好ましい有機試薬は、例えば1.5〜3.0の低pHでアルミニウム、マンガン、クロム及びマグネシウム等の不純物よりもコバルトに対して親和性を有する官能基ビス(2,4,4-トリメチルペンチル)ジチオホスフィン酸を有するCyanex 301(登録商標)試薬である。
次にニッケルIX又は一次SXプロセスからのラフィネート(27)を処理して溶液から第一鉄イオンを除去する。2段階熱交換器(28)及び(29)を通じて水蒸気(30)の添加により約40℃〜沸点、好ましくは50℃〜80℃、最も好ましくは約55℃〜75℃でラフィネートの温度を維持する。凝縮水(42)を放出する。出願人らは、より低い温度で、酸素物質移動によって第一鉄イオンの酸化/沈殿を制御できることを見い出した。より低い温度は液体中の酸素の溶解度を高める。そこで出願人らは、55℃〜75℃の温度で第一鉄から第二鉄への酸化が制御されることを見い出した。
次にラフィネートを撹拌タンク(26)に移す。好ましくは約55℃〜75℃で温度を維持しながら、石灰石又は腐食岩石(32)の添加によってラフィネートのpHを2〜3、好ましくは2.0〜2.5に維持する。スラリーをインペラ(33)で撹拌しながら、空気、酸素又は空気/酸素混合物(31)を吹き込んで第一鉄イオンを第二鉄イオンに酸化してから第二鉄イオンを赤鉄鉱として沈殿させる。最初の赤鉄鉱シードを添加して、鉄の赤鉄鉱としての沈殿を促進することができる。
次にスラリー(34)をさらなるタンク(36)に移し、好ましくは温度を約55℃〜75℃に維持しながら、石灰(43)でpHを約6に上昇させ、空気、酸素又は空気/酸素混合物(31)を添加して、鉄及びアルミニウムやクロム等の他の不純物の完全な除去を確実にする。第一鉄が第二鉄に酸化されると、第二鉄イオンは赤鉄鉱及び/又は磁鉄鉱(FeO.Fe2O3)として沈殿し得る。特に溶液のpHが4より高い場合は磁鉄鉱がより優勢になる。
pHが6では、全ての第二鉄、第一鉄、アルミニウム、クロム及びいくらかのマンガンイオンは除去されるが、マグネシウムイオンは溶液中に留まるであろう。次に溶液を濃縮槽(35)等の固体/液体分離装置に移すことができ、そこで鉄その他の不純物含有固体を濃縮槽底流(37)として分離する。底流の大部分をろ過して廃棄物(39)として処分する。赤鉄鉱含有底流(38)の一部をタンクに(26)に戻して、鉄の赤鉄鉱としての沈殿のための連続的赤鉄鉱シードとして働かせる。赤鉄鉱及び/又は磁鉄鉱は実質的に結晶形で沈殿するであろう。この残渣はコンパクトであり、かつ非晶形の当該鉄残渣より大きい高さに「積み重ねられる」ので処分を容易にする。
早期SX工程でのコバルトの損失又は回収が該プロセスで有意でなかった場合、実質的に第二鉄イオン、第一鉄イオン、アルミニウム及びクロムを含まない、濃縮槽(35)からの溢流ラフィネート溶液(41)をコバルト回収のために処理することができる。この工程で行なう場合、コバルトよりも高濃度の第一鉄イオンの干渉の如何なる可能性をも回避するのでコバルト回収を増強し得る。コバルト回収(47)は、ビス-ピコリルアミン官能基を有する樹脂、例えばDowex M4195(登録商標)若しくはその誘導体Dowex XUS43578(登録商標)等又はイミノ二酢酸官能基を有する樹脂、例えばAmberlite IRC 748(登録商標)、Purolite S930(登録商標)若しくはLewatit TP207(登録商標)等を用いるIXによる回収であってよい。或いは、約5.5〜6.0のpHでコバルトに対して高い親和性を有する官能基ビス(2,4,4,-トリメチルペンチル)ホスフィン酸を有するCyanex 272(登録商標)等の有機試薬を用いる溶媒抽出でコバルトを回収することができる。
コバルト回収後、もしあれば、溢流ストリーム(41)を次に熱交換器(28)を経て移動させてその熱を流出液処理のための投入ストリーム(27)に放出して、いずれのマンガン又はマグネシウムをも完全に除去する。処理された流出液は、下流の流出液中和における石灰の必要性を減らす。処理された流出液はIX加工又はろ過のためのすすぎ溶液として使用できるであろう。
本明細書に記載した発明は、具体的に記載したもの以外の変更、修正及び/又は追加の影響を受けやすく、当然のことながら、本発明は、上記説明の精神及び範囲内に入る全てのこのような変更、修正及び/又は追加を包含する。
実施例1:浸出貴液(PLS)及び赤鉄鉱シードの調製
試験用の褐鉄鉱及び腐食岩石サンプルをラテライト鉱石体から採取した。表1は、その組成を示す。鉱物学研究は、主要なニッケル含有鉱物は、褐鉄鉱中の針鉄鉱(50〜60質量%)及び腐食岩石中のリザード石(25質量%)であることを示した。褐鉄鉱と腐食岩石の両方とも赤鉄鉱含量は少なかった(<5%)。
浸出貴液(PLS)の調製は、大気に放出された冷却管を装着した温度制御加熱マントル内で3リットルのガラス製反応容器内にて行なった。ポリプロピレン製バッフルを反応容器の内側に置き、撹拌のためにチタン製インペラを装着したオーバーヘッドスターラーを使用した。1.4の計画硫酸/褐鉄鉱質量比で、875グラムの褐鉄鉱スラリー(固体濃度:25質量%)を165mlの98%H2SO4(1.84g/mlの密度)と100℃で3時間混合した。ニッケル及び鉄の最終濃度はそれぞれ3.0g/L及び106g/Lだった。褐鉄鉱石の質量損失は90%を超えた。ろ過後、得られたPLSを赤鉄鉱としての鉄の沈殿のために使用した。
圧力酸浸出(PAL)プロセスで赤鉄鉱シードを調製した。0.35の酸/褐鉄鉱質量比で濃硫酸を含むオートクレーブに25質量%の固体濃度を有する褐鉄鉱スラリーを添加した。次にそれを250℃に加熱してこの温度で1時間維持した後に冷却した。得られたスラリーを鉄除去試験用の赤鉄鉱シード材料として保管した。浸出スラリー中の固体の主内容物は赤鉄鉱であった。固体の濃度(質量%)及び密度の測定用にスラリーサンプルを採取した。次に化学元素アッセイ及び鉱物学研究のためにそれをろ過し、pH2で弱酸を用いてすすぎ、80℃の温度範囲で乾燥させた。走査型電子顕微鏡(SEM)及び定量的X線粉末回折(QXRD)を利用して研磨片のエネルギー分散X線微量分析(EDS)で固体サンプル中の赤鉄鉱含量を同定した。
表1. ラテライト鉱石サンプルの平均化学アッセイ
Figure 0006263171
実施例2:浸出貴液(PLS)からの赤鉄鉱としての鉄除去
実施例1で述べた同タイプの3Lのガラス製反応容器内で1群のライブ試験を行なった。大気浸出における褐鉄鉱対腐食岩石の質量比(乾燥)を1:1の定数として保った。この鉄除去及び腐食岩石浸出工程のため、実施例1で調製したPLS中に1バッチとして腐食岩石原鉱スラリーを添加し、pHを上昇させて約2.5にした。シードの用量を様々なレベルで変え、添加腐食岩石100グラム(乾燥質量)当たりのシード質量として定義した。実施例1の圧力酸浸出で生成された浸出スラリーを赤鉄鉱シードとして用いて、大気浸出での赤鉄鉱の形成を増強した。Pt/AgClプローブに対して500〜900mvの範囲のSO2ガスでORPを制御した。
実施例1で調製した浸出貴液(PLS)を反応容器に添加して100℃に加熱した。腐食岩石に対して計画質量比(1:1)の褐鉄鉱で、25質量%の固体濃度を有する875グラムの腐食岩石スラリーを別に約80℃まで予熱してから反応容器に添加した。30分後、所定量の赤鉄鉱シードをも反応器に添加した。混合物を大気圧下で95〜105℃の温度範囲にて11時間浸出させた。連続的中和段階では、約半時間化学量論量の石灰石スラリーを反応器に添加して溶液中の残存第二鉄イオンを捕捉した。
1時間ごとにスラリーサンプルを収集した。鉄沈殿で遊離した酸を用いて腐食岩石を浸出させてより多くのニッケルを溶かしたので余分な酸を添加しなかった。化学元素アッセイのためスラリーサンプルを遠心分離機にかけて液体/固体分離した。
浸出の最後に、バルクスラリーをろ過し、固体残渣をpH2で熱弱酸を用いてすすいだ。固体残渣を80℃で乾燥させ、化学元素アッセイ及び鉱物学研究に供した。走査型電子顕微鏡(SEM)及び定量的X線粉末回折(QXRD)を用いる研磨片のエネルギー分散X線微量分析(EDS)を含めた鉱物学手法で投入及び産出赤鉄鉱量の同定を行なった。表2に示すように、シードとしての投入赤鉄鉱量と産出赤鉄鉱量との差を用いて、鉄除去で新たに形成された赤鉄鉱量を計算した。負数は、大気浸出条件では低いシード用量のため赤鉄鉱シードの一部が針鉄鉱又は非晶質の鉄沈殿物に変換されることを示した。
表2:鉄除去残渣中の赤鉄鉱形成
Figure 0006263171
表3は、鉄除去残渣中の主要鉱物相の分布を示す。赤鉄鉱シード用量が増すにつれて、結晶性針鉄鉱相と非晶質相の両方、すなわちパラ針鉄鉱及び水酸化鉄が減少してゼロに近づき、かつ赤鉄鉱相が優勢相になることが観察された。
表3:鉄除去残渣中の主要鉱物相の分布
Figure 0006263171

Claims (14)

  1. 第二鉄イオンと第一鉄イオンを含有するニッケル溶液から赤鉄鉱として第二鉄イオンを除去するためのプロセスであって、下記工程:
    i) 前記ニッケル溶液の温度を90℃と大気圧下における前記溶液の沸点の間の温度に上昇させる工程;
    ii) 前記ニッケル溶液のpHを上昇させて2〜3にする工程
    iii) 赤鉄鉱シードを添加して第二鉄イオンを主に結晶形で赤鉄鉱として沈殿し、ほとんど第二鉄イオンを含まない溶液を製造する工程
    iv) イオン交換工程で、ほとんど第二鉄イオンを含まない溶液からニッケルを回収して、ニッケル濃縮溶出液と、コバルト並びに廃棄不純物を含有するイオン交換ラフィネートとを生成する工程;及び
    v) イオン交換ラフィネートから、第一鉄イオンを除去する工程であって、下記工程:
    a) 前記ラフィネートに空気、酸素又は空気/酸素混合物を吹き込むことによって第一鉄イオンを第二鉄イオンに酸化する工程;
    b) 前記溶液の温度を40℃と前記沸点の間の温度に上昇させる工程;
    c) 前記pHを2〜3に調整する工程;及び
    d) 赤鉄鉱シードを添加して第二鉄イオンを主に結晶形で赤鉄鉱として沈殿し、スラリーを形成する工程
    含む
    前記プロセス。
  2. 中和剤を前記ニッケル溶液に添加することによって、前記pHを上昇させる、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記中和剤として腐食岩石を使用し、かつ前記腐食岩石に対する前記赤鉄鉱シードの質量比が少なくとも1である、請求項2に記載のプロセス。
  4. 前記中和剤として石灰石を用い、かつ第二鉄イオンの沈殿の際に形成される前記赤鉄鉱に対する添加される赤鉄鋼シードの用量の質量比が1:1〜3:1である、請求項2に記載のプロセス。
  5. 記沈殿第二鉄イオンに対する前記石灰石の化学量論量比が1:1〜1:1.3ある、請求項4に記載のプロセス。
  6. 前記イオン交換工程が、ビス-ピコリルアミンキレート樹脂又はイミノ二酢酸キレート樹脂から選択されるイオン交換樹脂を使用する、請求項に記載のプロセス。
  7. 連続的溶媒抽出工程で、前記イオン交換ラフィネートからコバルトを回収する、請求項に記載のプロセス。
  8. 工程v)でpHを調整する為に中和剤として腐食岩石を使用し、かつ前記腐食岩石に対する前記赤鉄鉱シードの質量比が少なくとも1である、請求項1に記載のプロセス。
  9. 前記赤鉄鉱含有残渣の一部を前記溶液に戻して連続的赤鉄鉱シードとして作用させる、請求項1記載のプロセス。
  10. 前記スラリーのpHをさらに約6に上昇させてアルミニウム、クロム及びいくらかのマンガンを沈殿させ、その間にいずれの残存第二鉄又は第一鉄も赤鉄鉱及び/又は磁鉄鉱として沈殿する請求項に記載のプロセス。
  11. 前記スラリーが固/液体分離工程を受けて、主に結晶形の赤鉄鉱及び/又は磁鉄鉱を除去し、コバルト、マグネシウム及びマンガンを含有する溶液を残す、請求項10に記載のプロセス。
  12. 前記固/液体分離工程からの溢流からイオン交換又は溶媒抽出によってコバルトを回収する、請求項11に記載のプロセス。
  13. 試薬としてビス(2、4、4-トリメチルペンチル)ホスフィン酸を用いる溶媒抽出によってコバルトを回収する、請求項12に記載のプロセス。
  14. イオン交換樹脂を使用したイオン交換工程でコバルトを回収し、このとき前記イオン交換樹脂がビス-ピコリルアミンキレート樹脂又はイミノ二酢酸キレート樹脂である、請求項12に記載のプロセス。
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