JP2010177364A - 半導体パッケージおよびその実装方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体パッケージを実装基板に実装したときに発生するインピーダンス不整合を低減することのできる小型の入出力端子を備える半導体パッケージおよびその実装方法を提供する。
【解決手段】半導体パッケージが備える入出力端子100では、信号線リード8及びグランド線リード9がそれぞれ入出力端子100の信号線路6及びグランド線路7の外部に、信号線リード8およびグランド線リード9の両端と比べてリード幅が広い幅広部8A及び9Aを有する。幅広部8A及び9Aは、特性インピーダンスが50Ω近傍となるように設計する。このように信号線リード8及びグランド線リード9を構成することで、半導体パッケージを実装基板に実装したときに発生するインピーダンス不整合を低減することができる。加えて、リード構造を採用しているため、複数の入出力端子が必要な場合に、半導体パッケージの小型化が可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体パッケージおよびその実装方法に関し、より詳細には、高周波で動作する半導体素子を有する半導体パッケージおよびその実装方法に関する。
従来の半導体パッケージの例として、PD、IC等の高周波(10Gbps程度)で動作する半導体素子を収納する光通信用の半導体パッケージを図4に示す。半導体パッケージは、半導体素子を収容するパッケージ匡体2と、パッケージ匡体2の第1の側面にある貫通穴に接続された入力端子1と、パッケージ匡体2の第2及び第3の側面に設けられた電源端子3及び4と、パッケージ匡体2の第4の側面に設けられた入出力端子5とを備える。パッケージ匡体2は、W−CuやFe−Co−Ni合金などの金属材料で構成されている。入力端子1は、光入力信号を半導体パッケージ内に導入するための光ファイバで構成されている。電源端子3及び4並びに入出力端子5は、Al、AlNなどのセラミック基板が積層され、各層の表面にW、Moなどの材料により金属配線がパターニングされている。これらの金属配線には、W−CuやFe−Co−Ni合金などで構成されたリードが取り付けられている。
図5は、従来の半導体パッケージが備える入出力端子の詳細な構造を示す拡大図である。入出力端子5は、パッケージ匡体2の一部であるセラミック基板10を挟んで交互に配置された信号線路6及びグランド線路7と、信号線路6及びグランド線路7にそれぞれ接続された信号線リード8及びグランド線リード9とを備える。例えば、非特許文献1を参照されたい。図5の例は、2信号出力の場合であり、n信号出力の場合には、n本の信号線路とn+1本のグランド線路で合計2n+1の線路が配置される。
通常、半導体パッケージは、レジン系プリント基板、セラミック基板などの実装基板に搭載され、同様に実装基板に搭載された他の半導体モジュールとの間で信号処理を行う。図6は、実装基板に半導体パッケージの入出力端子を接続したときの図である。実装基板11には、入出力端子5の信号線路6及びグランド線路7に合わせて、金属材料による信号線路12及びグランド線路13が作製されている。通常、実装基板11の基板端面11Aを切断する加工精度および配線パターニング精度により、信号線路12及びグランド線路13は基板端面11Aから離して配置する必要がある。基板端面11Aと信号線路12及びグランド線路13の端12A及び13Aとの間の距離であるプルバック長PBは、通常のプリント基板製造の場合、0.2〜1.0mmである。これは、一般的な加工メーカの精度である。また、半導体パッケージを実装基板11に接触して配置することはできないので、半導体パッケージの入出力端子5と実装基板11との間の間隔である基板間ギャップGは通常、0.2〜1.0mm程度である。
冨本忠利、「端面入射型PIN-PDを用いた10Gbit/s表面実装型モジュールの開発」、沖テクニカルレビュー、2003年10月、第196号、Vol. 70、No. 4、pp. 100-103
図5及び6を参照して説明した、従来の半導体パッケージの入出力端子5では、半導体パッケージの信号線路6を、実装基板11の信号線路12と同様の幅に調整することで50Ω近傍にインピーダンス整合させている。しかしながら、プルバック長PB及び基板間ギャップGが存在することにより、現実的にはインピーダンス不整合が生じ、半導体パッケージの高周波特性(透過特性、反射特性等)を劣化させる大きな原因となっている。図6に示したように半導体パッケージを実装基板に実装すると、プルバック長PB及び基板間ギャップG部分における信号線リード8及びグランド線リード9のインピーダンスが100Ω以上となってしまうのである。また、プルバック長PBや基板間ギャップGは製造・実装誤差でばらつき、半導体パッケージの高周波特性のばらつきの直接の原因となり問題である。
入出力端子5として、図5に示したようなリード構造ではなくGPO、GPPOなどの同軸コネクタを用い、高周波特性を改善する技術もある。この場合は、同軸コネクタであるため、導体径で決まる遮断周波数まで良好な周波数特性が得られる。しかし、GPOコネクタ及びGPPOコネクタは、外部導体の寸法がそれぞれ、2.92mm及び1.85mmであり、リード構造と比較して大きな面積を必要とする。多チャンネル集積化したモジュールのパッケージでは、複数の入出力端子が必要であり、入出力端子間のピッチも同軸コネクタの外部導体寸法以上の間隔が必要で、パッケージの小型化を阻む大きな要因となっている。また、複数の入出力信号の間隔を同軸コネクタに合わせて大きく広げなければならないため、パッケージ内には、入出力信号の間隔を広げるための配線基板が必要であり、配線基板において周波数劣化が発生する。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、半導体パッケージを実装基板に実装したときに発生するインピーダンス不整合を低減することのできる小型の出力端子を備える半導体パッケージを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、半導体パッケージの実装方法であって、実装基板のプルバック長の製造誤差に起因する半導体パッケージの高周波特性の劣化を抑制することのできる実装方法を提供することにある。
このような目的を達成するために、第1の態様の本発明は、信号線路およびグランド線路を備える実装基板と半導体パッケージとの間で高周波信号を入出力するための入出力端子を備える半導体パッケージにおいて、前記入出力端子は、絶縁体層を挟んで交互に配置された信号線路およびグランド線路であって、前記半導体パッケージの前記実装基板への実装時に、前記実装基板の前記信号線路および前記グランド線路にそれぞれ対応する信号線路およびグランド線路と、前記入出力端子の前記信号線路および前記グランド線路にそれぞれ接続された信号線リード及びグランド線リードとを備え、前記信号線リード及び前記グランド線リードはそれぞれ、前記入出力端子の前記信号線路および前記グランド線路の外部に、前記信号線リードおよび前記グランド線リードの両端と比べてリード幅が広い幅広部を有し、前記グランド線リードの前記幅広部は、前記信号線リードの前記幅広部よりリード幅が広いことを特徴とする。
また、第2の態様の本発明は、第1の態様において、リードピッチが0.1mm〜3.0mmであり、幅広部ギャップが0.05mm〜0.20mmであることを特徴とする。
また、第3の態様の本発明は、第1又は2の態様において、前記信号線リード及び前記グランド線リードの前記幅広部の長さは、前記半導体パッケージの前記実装基板への実装時における前記入出力端子と前記実装基板との間隔の平均値と、前記実装基板の前記信号線路および前記グランド線路のプルバック長の平均値との和を設計値として作製されていることを特徴とする。
また、第4の態様の本発明は、第1又は2の態様において、前記信号線リード及び前記グランド線リードの前記幅広部の長さは、前記実装基板の前記信号線路および前記グランド線路のプルバック長の平均値と、前記プルバック長の標準偏差の3倍である3σとの和を設計値として作製されていることを特徴とする。
また、第5の態様の本発明は、第1から4のいずれかの態様において、前記信号線リード及び前記グランド線リードの周囲にフィルム状またはジェル状の誘電体材料をさらに備えることを特徴とする。
また、第6の態様の本発明は、信号線路およびグランド線路を備える実装基板との間で高周波信号を入出力するための入出力端子を備える半導体パッケージの実装方法において、前記入出力端子は、絶縁体層を挟んで交互に配置された信号線路およびグランド線路であって、前記半導体パッケージの前記実装基板への実装時に、前記実装基板の前記信号線路および前記グランド線路にそれぞれ対応する信号線路およびグランド線路と、前記入出力端子の前記信号線路および前記グランド線路にそれぞれ接続された信号線リード及びグランド線リードとを備え、前記信号線リード及び前記グランド線リードはそれぞれ、前記入出力端子の前記信号線路および前記グランド線路の外部に、前記信号線リードおよび前記グランド線リードの両端と比べてリード幅が広い幅広部を有し、前記グランド線リードの前記幅広部は、前記信号線リードの前記幅広部よりリード幅が広く、前記信号線リード及び前記グランド線リードの前記幅広部の長さが、前記実装基板の前記信号線路および前記グランド線路のプルバック長未満である場合は、前記入出力端子と前記実装基板との間隔である基板間ギャップを0.1mm以下として実装するステップを含み、前記信号線リード及び前記グランド線リードの前記幅広部の長さが、前記プルバック長以上である場合は、前記基板間ギャップを、前記幅広部の長さと前記プルバック長との差に等しくなるように実装するステップを含むことを特徴とする。
本発明の半導体パッケージによれば、入出力端子の信号線リード及びグランド線リードがそれぞれ、入出力端子の信号線路及びグランド線路の外部に、信号線リードおよびグランド線リードの両端と比べてリード幅が広い幅広部を有することにより、半導体パッケージを実装基板に実装したときに発生するインピーダンス不整合を低減することができる。
また、本発明の実装方法によれば、信号線リード及びグランド線リードの幅広部長さが、プルバック長未満である場合は、基板間ギャップを0.1mm以下として実装するステップを含み、信号線リード及びグランド線リードの幅広部長さが、プルバック長以上である場合は、基板間ギャップを、幅広部長さとプルバック長との差に等しくなるように実装するステップを含むことにより、実装基板のプルバック長の製造誤差に起因する半導体パッケージの高周波特性の劣化を抑制することができる。
(A)及び(B)は実施形態1に関する半導体パッケージの入出力端子を示す図である。 実施形態1の半導体パッケージの入出力端子を実装基板に接続したときの図である。 (A)及び(B)は、実施形態1に関する半導体パッケージの入出力端子の変形形態を示す図である。 従来の半導体パッケージを示す図である。 従来の半導体パッケージが備える入出力端子の詳細な構造を示す拡大図である。 実装基板に従来の半導体パッケージの入出力端子を接続したときの図である。 幅広部の特性インピーダンスと、幅広部ギャップ、信号線リードの幅広部の幅、グランド線リード幅広部の幅との関係を、信号線リード及びグランド線リードの厚さt毎に示した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。まず、本発明に関する半導体パッケージの入出力端子について説明し、次に、本発明に関する半導体パッケージの実装方法について説明する。
半導体パッケージの入出力端子
(実施形態1)
図1(A)は、本発明の半導体パッケージの入出力端子を示す図である。パッケージ匡体2の一部であるセラミック基板10を挟んで交互に配置された信号線路6及びグランド線路7と、信号線路6及びグランド線路7にそれぞれ接続された信号線リード8及びグランド線リード9とを備える点は、図5に示した従来の入出力端子を同じである。本発明の入出力端子100は、信号線リード8及びグランド線リード9の構造が従来のものと異なる。
本発明の入出力端子100では、信号線リード8及びグランド線リード9がそれぞれ、入出力端子100の信号線路6及びグランド線路7の外部に、信号線リード8およびグランド線リード9の両端と比べてリード幅が広い幅広部8A及び9Aを有する。幅広部8A及び9Aは、特性インピーダンスが50Ω近傍となるように設計する。幅広部8A及び9Aの特性インピーダンスは、幅広部ギャップGWが狭くなると低くなる。たとえば、リードピッチを一定にした場合、所望の特性インピーダンスが得られるように幅広部ギャップGWを狭くし、それに応じて幅広部8A及び9Aの幅を広くすればよい。このように信号線リード8及びグランド線リード9を構成することで、半導体パッケージを実装基板11に実装したときに発生するインピーダンス不整合を低減することができる。加えて、リード構造を採用しているため、複数の入出力端子が必要な場合に、半導体パッケージの小型化が可能である。
信号線リード8及びグランド線リード9の構造をより詳しく説明する。信号線リード8及びグランド線リード9は、W−Cu、Fe−Co−Niなどの金属材料で構成され、必要な強度を保つためにリード厚さは0.05〜0.5mmとする。一般的な加工メーカで作製するとこの程度の厚さである。また、リード加工時にリード厚さ方向と同じ寸法だけ横方向にもエッチングされるため、信号線リード8とグランド線リード9との中心間隔であるリードピッチは、リード厚さの2倍以上で0.1〜3mmが好ましい。リードの寸法の典型値としては、リード厚さ0.1mm、リードピッチ0.8mm、リード幅0.2mmである。
また、信号線リード8をグランド線リード9よりも幅を広くして、例えば、信号線リード幅0.2mm、グランド線リード幅0.25mmとしても良い。この場合、信号線リード間のクロストークを減少させる効果がある。
信号線リード8及びグランド線リード9の幅広部8A及び9Aは、幅広部ギャップGWが0.05〜0.20mmで特性インピーダンスが50Ω近傍となるように設計する。典型値としては、リード厚さ0.1mm、信号線リード幅0.2mm、グランド線リード幅0.25mm、リードピッチ0.8mm、幅広部ギャップGW0.2mmとすると、信号線リード8の幅広部8Aとグランド線リード9の幅広部9Aの幅の和が1.2mmとなる。このとき、信号線リード8のインピーダンスは理論的に65Ωとなり、幅広部がない場合の100Ω程度から大きく低下しており、インピーダンス不整合に起因する周波数特性劣化を抑止することが可能となる。幅広部ギャップGWを0.1mmとするとインピーダンスは50Ωが得られ、幅広部ギャップGWを0.3mmとすると80Ωが得られる。更に、コプレーナモードでのマイクロ波伝搬を可能とし信号線リード間のクロストーク低減を目的として、グランド線リード9の幅広部9Aを信号線リード8の幅広部8Aよりも広くしても良い。
図7は、幅広部の特性インピーダンスと、幅広部ギャップ、信号線リードの幅広部の幅、グランド線リード幅広部の幅との関係を示す図である。リードピッチは0.8mmとしてある。tはリード厚さであり0(理論値)〜0.2mmについて示してあるが、実際に作製する場合は0.1mmや0.2mm程度が適当な値である。幅広部の特性インピーダンスは、幅広部ギャップが狭くなると低くなるが、金属加工の制約から幅広部ギャップはリード厚さ以下にすることは困難であるため、図7中の丸印当たりを目標に幅広部を設計し、特性インピーダンスを60Ω近傍とするのがよい。たとえば、リード厚さ0.1mm、幅広部ギャップ0.15mm、信号線リードの幅広部の幅0.5mm、グランド線リードの幅広部の幅0.8mmであるとき、特性インピーダンスは約60Ωとなる。
なお、セラミック基板10(絶縁体基板に対応)は、Al、AlN、BeO、SiCなどのセラミックの他に、液晶ポリマなどの気密性に優れた材料で構成することもできる。また、信号線路6及びグランド線路7は、W、Mo、Cu、Ag、Auなどにより作製することができる。
図1(A)のようなリード形状にしているのは、矩形状に急にリード幅を変化させると、そこで高周波信号の反射や角部からの不用意な電波放射が生じるためであり、緩やかに幅を変化させることで上記劣化を防いでいる。取り扱う高周波信号の信号周波数がそれほど高くない場合は、リードの幅広部の形状を矩形状のように急峻に変化させても、この部分での反射や放射の影響は実用上問題にならないレベルまで低下する。そのため、取り扱う高周波信号の信号周波数がそれほど高くない場合(数GHz程度)は、図1(B)のようなリード形状でもかまわない。図1(B)のリード形状にすると、テーパがないため加工が容易になる。
図2は、半導体パッケージの入出力端子を実装基板に接続したときの図である。実装基板11は、通常、安価なプリント基板が用いられ、製造上の制約から、プルバック長PBは0.2〜1.0mmである。また、基板間ギャップGは、0より大きく1.0mm以下とする。通常は0.2〜1.0mm程度であるが、コストをかければ可能である。例えば、製造した実装基板11のプルバック長PBの平均値が0.5mmであり、基板間ギャップGの平均値が0.1mmで実装することが可能な場合、幅広部8A及び9Aの長さは、プルバック長と基板間ギャップの各々の平均値の和である0.6mmを設計値として作製する。
また、半導体パッケージと実装基板11の相対的な高さばらつきを抑えるために、半導体パッケージにフランジを設けると良い。半導体パッケージのセラミック基板10の表面が、実装基板11の表面よりも低くなると、信号線リード8及びグランド線リード9の先端が浮き上がった形で実装基板11に接続され、また、信号線リード8及びグランド線リード9の幅広部8A及び9Aが実装基板11と接触する可能性があり、この場合インピーダンスが設計値より低くなってしまい、半導体パッケージの高周波特性がばらつく恐れがある。このため、セラミック基板10の表面が、実装基板11の表面よりも高くなる(例えば0〜0.5mm)ようにフランジを設けると良い。
(実施形態2)
図3(A)及び(B)は、本発明に関する半導体パッケージの入出力端子の変形形態を示す図である。実装基板11であるプリント基板のプルバック長PBは、配線パタンのプリント時や基板のルータ加工時に誤差が生じ、設計値が0.5mmの場合には±0.15mm程度の誤差が生じる。つまり、実際の実装基板11のプルバック長PBは、製造誤差により0.35mm(図3(B)参照)〜0.65mm(図3(A)参照)の範囲でばらついてしまう。したがって、半導体パッケージを実装基板11に実装すると信号線リード8及びグランド線リード9の幅広部8A及び9Aが実装基板11の信号線路12及びグランド線路13に架かる可能性がある。そうなるとインピーダンス低下(整合インピーダンス以下)してしまい問題である。この問題を回避するために幅広部長さLWをプルバック長PBの最小値0.35mm以下にすることも考えられるが、プルバック長PBが最大値0.65mmである実装基板11では幅広部の効果が少なり、望ましくない。
そこで、実施形態2の入出力端子は、プルバック長PBの平均値と基板間ギャップGの平均値との和を幅広部長さLWの設計値として作製される。このようにすることで、実装ばらつき(公差)に起因する高周波特性のばらつきを抑えることができる。
(実施形態3)
本発明に関する半導体パッケージの入出力端子のさらなる変形形態として、幅広部長さLWを、プルバック長PBの最大値を設計値として作製することもできる。ここで、実装基板11のプルバック長PBの最大値とは、製造時のプルバック長PBの平均値と、プルバック長PBの標準偏差の3倍である3σとの和である。例えば、プルバック長PBの平均値が0.5mm、3σが0.15mmでばらついている場合、幅広部長さLWを0.65mmとする。この場合、幅広部長さLWが常にプルバック長PB以上となる。このようなリードを有する半導体パッケージにおいても、実施形態1及び2と同様の効果が得られる。
(実施形態4)
信号線リード8及びグランド線リード9の幅広部8A及び9Aを広げると、信号線リード8とグランド線リード9との間隔が狭くなるが、材料上・加工上の理由から、ある程度以上この間隔を狭めることが難しい場合がある。この場合には、幅広部8A及び9Aに、ポリイミド、テフロン(登録商標)などのフッ素樹脂や、液晶ポリマなどの誘電体フィルムを張り付けるか、シリコーン、エポキシ樹脂、UV硬化樹脂などの誘電体ポッテイング材を塗布することができる。誘電体フィルムや誘電体ポッテイング材は比誘電率が例えば2〜5のものが好ましい。信号線リード8及びグランド線リード9の周囲に空気よりも比誘電率が高い誘電体が充填されるため、同一のリード構造でもインピーダンスが低くなり、インピーダンス不整合に起因する周波数特性劣化を抑制することが可能となる。
実装方法
図3を参照して、本発明に関する半導体パッケージの実装方法を説明する。本発明の実装方法は、実施形態1の半導体パッケージを実装基板11に実装するときに、基板間ギャップGを、プルバック長PB及び幅広部長さLWに基づいて定めることで、実装基板のプルバック長の製造誤差に起因する半導体パッケージの高周波特性の劣化を抑制する。
実施形態1の半導体パッケージの幅広部長さLWがプルバック長PB未満である場合(図3(A)参照)、半導体パッケージを実装基板11に近づけて基板間ギャップGを0.1mm以下にする。幅広部長さLWがプルバック長PB以上である場合(図3(B)参照)には、基板間ギャップGを、幅広部長さLWとプルバック長PBとの差となるように基板間ギャップGを定めて接続する。このように接続法を工夫することで、プルバックPBの製造誤差を半導体パッケージの高周波特性に影響させないことができる。本発明の実装方法は、一方向にのみ高周波信号の入出力端子があるOE/EOパッケージに特に有効である。
ここで、半導体パッケージの電源端子3及び4や入出力端子5への負荷を軽減し、機械的強度を向上させる目的として、半導体パッケージをネジ留めするためのネジ穴付きのフランジを設けることがある。この場合には、リード実装でのあそびを持たせて本実装方法を有効にするために、ネジ穴を少し大きめに開けるか、フランジをU型の半穴とするなどとすると良い。
1 入力端子
2 パッケージ匡体
3、4 電源端子
5 入出力端子
6 信号線路
7 グランド線路
8 信号線リード
8A 信号線リード8の幅広部
9 グランド線リード
9A グランド線リード9の幅広部
10 セラミック基板(絶縁体基板に対応)
11 実装基板
11A 実装基板11の基板端面
12 信号線路
12A 信号線路12の端
13 グランド線路
13A グランド線路13の端
100 入出力端子
LW 幅広部長さ
PB プルバック長
G 基板間ギャップ

Claims (6)

  1. 信号線路およびグランド線路を備える実装基板と半導体パッケージとの間で高周波信号を入出力するための入出力端子を備える半導体パッケージにおいて、前記入出力端子は、
    絶縁体層を挟んで交互に配置された信号線路およびグランド線路であって、前記半導体パッケージの前記実装基板への実装時に、前記実装基板の前記信号線路および前記グランド線路にそれぞれ対応する信号線路およびグランド線路と、
    前記入出力端子の前記信号線路および前記グランド線路にそれぞれ接続された信号線リード及びグランド線リードと
    を備え、
    前記信号線リード及び前記グランド線リードはそれぞれ、前記入出力端子の前記信号線路および前記グランド線路の外部に、前記信号線リードおよび前記グランド線リードの両端と比べてリード幅が広い幅広部を有し、
    前記グランド線リードの前記幅広部は、前記信号線リードの前記幅広部よりリード幅が広いことを特徴とする半導体パッケージ。
  2. リードピッチが0.1mm〜3.0mmであり、幅広部ギャップが0.05mm〜0.20mmであることを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
  3. 前記信号線リード及び前記グランド線リードの前記幅広部の長さは、前記半導体パッケージの前記実装基板への実装時における前記入出力端子と前記実装基板との間隔の平均値と、前記実装基板の前記信号線路および前記グランド線路のプルバック長の平均値との和を設計値として作製されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体パッケージ。
  4. 前記信号線リード及び前記グランド線リードの前記幅広部の長さは、前記実装基板の前記信号線路および前記グランド線路のプルバック長の平均値と、前記プルバック長の標準偏差の3倍である3σとの和を設計値として作製されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体パッケージ。
  5. 前記信号線リード及び前記グランド線リードの周囲にフィルム状またはジェル状の誘電体材料をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の半導体パッケージ。
  6. 信号線路およびグランド線路を備える実装基板との間で高周波信号を入出力するための入出力端子を備える半導体パッケージの実装方法において、
    前記入出力端子は、
    絶縁体層を挟んで交互に配置された信号線路およびグランド線路であって、前記半導体パッケージの前記実装基板への実装時に、前記実装基板の前記信号線路および前記グランド線路にそれぞれ対応する信号線路およびグランド線路と、
    前記入出力端子の前記信号線路および前記グランド線路にそれぞれ接続された信号線リード及びグランド線リードと
    を備え、
    前記信号線リード及び前記グランド線リードはそれぞれ、前記入出力端子の前記信号線路および前記グランド線路の外部に、前記信号線リードおよび前記グランド線リードの両端と比べてリード幅が広い幅広部を有し、
    前記グランド線リードの前記幅広部は、前記信号線リードの前記幅広部よりリード幅が広く、
    前記信号線リード及び前記グランド線リードの前記幅広部の長さが、前記実装基板の前記信号線路および前記グランド線路のプルバック長未満である場合は、前記入出力端子と前記実装基板との間隔である基板間ギャップを0.1mm以下として実装するステップを含み、
    前記信号線リード及び前記グランド線リードの前記幅広部の長さが、前記プルバック長以上である場合は、前記基板間ギャップを、前記幅広部の長さと前記プルバック長との差に等しくなるように実装するステップを含むことを特徴とする実装方法。
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