JP2010168388A - 持続放出型ドラッグデリバリーシステム - Google Patents

Abstract

【課題】治療等を必要とするほ乳生物に、有効薬物の放出が望まれる部位にコントロールされた様式で持続放出できる薬物デリバリーシステムの提供
【解決手段】有効薬物を含む内核またはリザーバーと、有効薬物の通過に対し透過性である第１コーティング層と、有効薬物の通過に対し実質的に不透過性である第２コーティング層と、有効薬物の通過に対し透過性である第３コーティング層とを含み、第１コーティング層は、内核の少なくとも一部を覆い、第２コーティング層は、第１コーティング層及び内核の少なくとも一部を覆うが、第１コーティング層または内核の少なくとも一部は第２コーティング層により覆われず、第２コーティング層は、不透過性フィルム及び少なくとも１枚の不透過性ディスクを含み、第３コーティング層は、本質的に第２コーティング層及び第１コーティング層または内核の非被覆部を覆う構成体である薬物デリバリーシステム。
【選択図】なし

Description

本発明は、所望する局所性または全身性の、生理的または薬理作用の獲得に有効な作用物質を含む内核またはリザーバーと、有効作用物質の通過に透過性である第１コーティングと、有効作用物質の通過に対し実質的に不透過性である不透過性ポリマー及び不透過ディスクを少なくとも１枚含む第２コーティングとを含む新規の持続放出型ドラッグデリバリー用の構成体に関する。第１コーティングは内核の少なくとも一部を覆う。第２コーティングは第１コーティング及び位内核の少なくとも一部を覆うが、少なくとも第１コーティングまたは内核の一部分は第２コーティングにより覆われない。第３コーティングは実質的に第１コーティング及び第２コーティング層を完全に覆う。第２コーティング層により覆われない第１コーティング層部分は、作用物質の第３コーティング層内への通過を許し、それにより放出をコントロールする。

これまで、様々な病気及び疾病治療の支援を目的とし数多くの薬物が開発されてきた。しかし多くの場合、有害な副作用のリスク無くこれら薬物を経口または静脈内投与することはできない。

例えば、ガンシクロビル（GCV）の静脈投与は、AIDS患者に於けるCMV網膜炎の治療に効果的であるが、骨髄毒性がその有効性を限定している。GCV治療中の好中球減少症（好中球の絶対数＜1000）の発生頻度は30ないし50％である。病気の進行または再発防止にはGVCの皮下投与維持治療が必要とされるが、維持療法であるにも関わらず治療中に患者の30ないし50％が再発を経験する。GCVの全身投与に関するその他の問題としては、持続留置カテーテルに関係する敗血症のリスク、及びAIDS患者の余命を延長し免疫機能を改善することが知られるジドブジンによる併用治療が実施できないことがある。

週当たり200ないし400μgのGCVのガラス体内への注射は、AIDS患者のCMV網膜炎の一時的快復をもたらす。GCVのガラス体内注射は、全身投与に比べ高い眼内薬物濃度を提供し、さらに好中球減少症の発生頻度を低下する。AIDS患者に於けるCMV網膜症の現在の治療は明らかに最適ではない。ガンシクロビルはウイルス抑制剤であり、従って病気の阻害には薬物の持続投与が必要である。

特定の薬物を使用することによるリスクから、研究者はこれら病気や疾患の治療を支援を目的としたこれら薬物投与用システムを開発してきた。これらシステムの多くは、有害な副作用の発生を少なくする放出速度を提供する。

この様なデリバリー構成体の一つは、消化管内に於いて一定の時間をかけ溶解する成分の複数の層内に被覆された薬物を含む錠剤またはカプセルであり、これにより全身へ薬物を漸次またはゆっくりと放出させることができる。

この様な薬物の投与をコントロールする別のタイプの手段は、所望の効果を得るため薬物を薬剤通過に対し透過性であるポリマー材料でコーティングして作られる。この様な手段は、患者の全身を薬物に暴露することなく、患者の特定の局部を治療するのに好適である。これは起こり得る薬物副作用を最小にできることから有益である。

この様なシステムは、眼の病気の治療に特に好適である。眼の外表面への薬物投与法の進歩はArnoldの米国特許第4,014,335号に開示されている。Arnoldは作用時間の延長を目的とし、薬物を涙液膜内にゆっくり放出させるための貯蔵体または薬物リザーバーとして作用する各種眼球用インサートについて記述している。これらインサートは、生物学的に不活性であり、非アレルギー性の涙液不溶性の軟性ポリマー材料より作られる。この様な手段による治療プログラムを始めるには、薬物を眼に投与することを目的とし眼球用インサートを眼球強膜と瞼との間の盲嚢内に置く。

涙液不溶性のポリマー材料により形成された構成体は、治療に必要な期間の間その形と完全性を維持し、ポリマー材料の溶解または浸食に影響されない速度により薬物を眼、及びその周囲組織に連続投与するための薬物リザーバーとして機能する。所望の治療プログラム終了時には、構成体は盲嚢より除かれる。

米国特許第3,416,530号に記載される眼の外面への薬物の持続放出に利用される別の構成体は、一般にポリマー性の膜により規定される構成体外部と内部チャンバーとの間を連絡する複数の毛細開口部を有し、製造される。この構築物のこれら毛細開口部は特定の薬物の眼への放出には有効であるが、各種ポリマーを用いた大規模な製造スケールに於いては、これら開口部の大きさのコントロールは困難であり、これら構成体の製造を極めて複雑なものにする。

米国特許第3,618,604号記載の別の構成体はこの様な毛細開口部は含まないが、それに代わりポリマー膜を通る拡散による薬物の放出を提供する。好適な実施態様では、本特許において開示される如く構成体は内部チャンバーに薬物を有する密封された容器を含む。しかしながら米国特許第4,014,335号記載の如く、この様な構成体については、メンブレン周縁部を密封した容器を形成することが困難である等の問題が知られている。さらに、これら構成体製造中の変形からメンブレン壁内に生じた応力や張力が、リザーバーの破裂や漏れを起こすだろう。

米国特許第4,014,335号記載の別のこれら構成体は、涙液不溶性材料より構成され、壁の一つは薬物通過に対し透過性である、分離し独立した第１壁と第３壁の組、及び薬物通過に対し不透過性材料より形成されるもう一つの壁を有する３重層を含む。

上記システム及び構成体は、特定の生理学的または薬理学的作用を得ることを目的とし、所望する局所または全身レベルでの患者治療に有効な薬物の持続的放出を提供する。しかし、その利用に関しては、薬物の所望放出速度を得ることがしばしば困難である事実を含め、多くの欠点がある。より良い放出システムに対する需要は、特にCMV網膜症の治療に於いて顕著である。

本発明の開発前、前記の薬物デリバリーに伴う問題の多くを改善する新規の持続放出型デリバリー構成体が開発された。米国特許第5,378,475号に開示された構成体は、有効薬物の通過に対し実質不透過性である第１コーティングと、有効薬物の通過に対し透過性である第２コーティングを含む。この構成体では、第１コーティングは少なくとも内核の一部分を覆っているが、少なくとも内核の一部分は第１コーティング層により覆われていない。第２コーティング層は実質的に第１コーティング層及び内核の非コーティング部分を完全に覆う。第２コーティング層によりコーティングされていない内核部分は、第２コーティング層への薬物の通過を許し、これにより放出をコントロールできる。

米国特許第5,378,475記載の構成体は、薬物デリバリーに関する前記問題の多くを解決するが、該構成体および該構成体の製造方法には問題がある。特に、内核のコーティングに好適なポリマーは、しばしば相対的に軟調であり、均一なフィルム製造に技術的な困難が生ずる。特に辺部を有する非球形体（円柱形の様な）のコーティングを試みる場合に問題となる。この様な場合、相対的に厚いフィルムを用い、コーティングを中断しないようにしなければならない。即ち、内核端部を密封するために厚みが必要となる結果、構成体は必要以上の大きさになる傾向がある。

構成体の大きさの問題は、眼のような限定された盲嚢空間に移植する構成体の設計では極めて重要である。構成体が大きくなるほど、その移植及び除去に必要な手術は複雑となる。更に、均一なコーティングを行うために余分なポリマーが必要となるため、移植体の容積が小さくなり、その結果運搬できる薬物量が限定される。

上記全ての結果として、当分野に於いては、特に眼球への応用を目的とし、所望される局所性または全身性の生理学的または薬理学的作用を得ることを目的とした、患者に対し薬物の持続放出を提供するための構成体の設計、及びその方法の改良に対する需要がある。

従って、本発明の第１の目的は、所望する局所性または全身性の生理学的または薬物学的効果を得るのに有効な成分を制御し、持続的に放出するのに好適な構成体を提供することである。

実施態様の一つの構成体は、所望効果を得るのに効果的な薬物を含む内核またはリザーバーを含む。該構成体はさらに第１コーティング層を含む。第１コーティング層は薬物の通過に対し透過性である。さらに該構成体は、少なくとも１の不透過性ディスクと不透過性ポリマーを含む第２コーティング層を含む。第２コーティング層は実質的に薬物の通過に対し不透過性であり、第１コーティング及び内核の一部を覆う。第２コーティング層は、第１コーティング層と接触する側に於ける内核からの薬物の通過を阻止する。その他の阻止されていない内核部分は、制御された量の薬物が第２コーティング層の通過を介して内核から第１コーティング層内へ通過することを許す。第３コーティング層は薬物の通過に対し透過性であり、実質的に第２コーティング層を覆う。第２コーティング層は、内核と第３コーティング層の間に位置し、第３コーティング層を通過する薬物の速度を制御する。

本発明の別の目的は、所望する局所性または全身性の生理学的、または薬理学的作用を得るための、ほ乳生物、例えばヒトを治療する方法を提供することである。方法には、薬物の放出を所望する領域に持続放出型薬物デリバリーシステムを配置し、薬物を第３コーティング層から治療を所望する領域に通過させることを含む。

本発明の別の目的は、眼のガラス体内に直接移植するために好適な眼球用構成体を提供することである。驚くべき事に、本発明のこの様な構成体は、有害な副作用のリスク無しに、眼治療用各種成分の持続制御放出を提供できることが判明している。

本発明の別の目的は、移植体の持続時間の延長を目的とし、その大きさを最小化しながら眼内用構成体に含まれる薬物量を最大化することである。

本発明の別の目的は、炎症及び後部眼球の混濁化を予防するための眼内レンズに提供できる眼用デリバリーシステムを提供することである。

上記ならびに以下明らかとなる本発明の他の目的、利点、特徴及び観点と共に、本発明の詳細な説明および付属のクレームを参照することにより、本発明の特質は明らかになるだろう。

より具体的には、本発明は所望する局所性または全身性の生理学的、または薬理学的作用を得るに有効である薬物のコントロールされた持続的放出に好適な構成体およびそれを調整する方法に関する。特に、少なくとも１面を不透過性ディスクで密封することで、より薄いコーティングが利用できる。このことは、他の可能なものに比べて、より薄く、短い構成体を可能にする上で有益である。別の利点は、不透過性ディスクの調整に使用する材料は（曲面を覆うために）可鍛性である必要がないことから、比較的硬い材料を使用し、均一な拡散口を容易に作ることができることである。

該構成体には所望作用を得るために有効な薬物を含む内核またはリザーバーを含む。構成体はさらに第１コーティング層、第２コーティング層及び第３コーティング層を含む。有効薬物の通過に対し透過性である第１コーティング層は内核を完全に覆うことができる。第２コーティング層は、第１コーティング層と内核の一部のみを覆っており、薬物の通過に対し不透過性である。第３コーティング層は第１コーティング層と第２コーティング層の全てを覆っており、薬物の通過に対し透過性である。第２コーティング層により覆われていない第１コーティング層部及び内核部は、薬物の第３コーティング層の通過を促進する。具体的には、第２コーティング層は内核と第３コーティング層の間に位置し、第３コーティング層の隣接部分からの薬物の通過を阻止し、薬物の通過速度を制御する。

図１は、本発明の持続放出型薬物デリバリー構成体の１実施態様を例示している。図１にしめした構成体は円柱状であるが、構成体は如何なる形態でもよい。構成体は内核またはリザーバー5、核またはリザーバー内の薬物の通過に対し透過性である透過性コーティング10、核またはリザーバー5内の薬物に対し不透過性である不透過性コーティング15、及び核またはリザーバー5内の薬物の通過に対し透過性である透過性コーティング20を含む。第２コーティングは、不透過性ポリマー17及び円柱状核両端のディスク18および19を含む。図１はさらに縫合タグ30も示す。

図2Aおよび2Bは、第２コーティング層のみを示しており、第２層の一部として不透過性ディスクを使用することに伴う利点を例示している。図2Aは、内核の縁部を薄くコーティングする不透過性ポリマー層17を示す。薄くコーティングされた縁部31には、有効薬物の漏洩の可能性がある。

図2Bは、不透過性ディスクを利用することの利点を例示している。第２コーティング層は、不透過性ポリマー17と、円柱状核端部の不透過性ディスク18および19を含む。不透過性ディスク18および19は、不透過性ポリマーの薄縁部31からの有効薬物の漏洩を阻止する。

本発明はさらに、ほ乳生物を治療し、所望する局所性または全身性の生理学的または薬理学的作用を得るための方法に関する。方法には、持続放出型薬物デリバリーシステムをほ乳生物に投与し、所望する局所または全身性作用を得るのに有効な薬物を第３コーティングを通過させ、ほ乳生物に接触させることが含まれる。本発明に於ける投与という用語は、配置、挿入、注射、移植またはほ乳生物に構成体を暴露するためのその他の方法を意味する。投与の経路は、反応または治療のタイプ、薬物のタイプ及び投与好適部位を含む様々な要因に依存する。

ある実施態様の構成体は、少なくとも次の領域に関し所望される局所性または全身性の生理学的または薬理学的作用を得ることに有効な薬物のコントロールされた持続型放出の提供に応用できる。すなわち、癌性原発腫瘍の治療（例えば神経芽腫）、慢性痛、関節炎、リューマチ状態；糖尿病やこびと症の様なホルモン異常、移植体拒絶の予防及び癌治療での様な免疫反応の修正である。その他の広範囲の疾患状態についても、本発明の薬物デリバリー構成体を利用し予防または治療できるだろう。この様な疾患状態は当業者に公知である。当業者外の者については、共にここに引用することにより本明細書の一部をなすものとするGoodman and Gilman, 治療薬の薬理学的基礎、第８版（The Pharmacological Basis of Therapeutics, 8th Ed.）、Pergamon Press, NY, 1990、およびレミントン薬学科学、第18版（Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed.）Mack Publishing Co., Easton, PA, 1990が参考となるだろう。

さらに、構成体はAIDSおよびサイトメガロウイルス感染、トキソプラズマ感染、カリニ肺炎および、マイコバクテリウムアビウムインターセルラーの様なAIDS関連日和見感染症に感染した哺乳動物治療への応用にも好適である。

構成体は緑内障、増殖性ガラス体網膜症、糖尿病性網膜症、ブドウ膜炎、及び角膜炎の様な眼病変の治療に特に好適である。さらに本構成体は、構成体を眼のガラス体内に外科的に移植し、サイトメガロウイルス網膜炎罹患哺乳動物を治療する眼球用構成体としての利用にも好適である。

上記の如く、内核またはリザーバーは所望する局所性または全身性の生理学的、または薬理学的作用を得ることに効果的な薬物を含む。本発明の構成体には次の薬物分類を取り入れることができるだろう。すなわち、リドカインおよび関連化合物、及びベンゾジアゼパムと関連化合物の様な麻酔薬及び鎮痛剤；5-フルオロウラシル、アドリアマイシンおよび関連化合物の様な抗ガン剤；6-リン酸マンノースの様な抗炎症剤；フルコナゾールおよび関連化合物の様な抗真菌剤；フォスフォモノ蟻酸３カリウム、トリフルオロチミジン、アシクロビル、ガンシクロビル、DDI及びAZTの様な抗ウイルス剤；コルヒチン、ビンクリスチン、サイトカラシンＢ及び関連化合物の様な細胞輸送／運動切迫剤；チモーロやベタキソロアセタノール等のベータ遮断薬の様な緑内障治療薬；ムラミルジペプチド及び関連化合物の様な免疫反応変調剤；シクロスポリン、インシュリン、成長ホルモン、インシュリン関連成長因子、熱ショック蛋白及び関連化合物の様な、ペプチド及びタンパク質；デキサメタゾン、プレドニゾロン及び関連化合物の様なステロイド性化合物；フルオシノロンアセトニド及び関連化合物の様な低溶解性ステロイド；及び炭酸脱水素酵素阻害剤。

上記薬物に加え、その他の薬物も眼およびその周辺組織に投与し、局所または全身性の生理学的または薬理学的に有益な効果を得るのに好適である。その様な薬物の例には、ニモヂピンとその関連化合物の様な神経保護剤；テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、バシトラシン、ネオマイシン、ポリミキシン、グラミシジン、オキシテトラサイクリン、クロラムフェニコール、ゲンタマイシンおよびエリスロマイシンの様な抗生物質；スルフォナミド、スルファセタミド、スルファメチゾール及びスルフィソオキサゾールの様な抗菌剤；イドキシウリジンを含む抗ウイルス剤；ならびにニトフラゾン及びプロピオネートナトリウムの様なその他の抗菌剤；アンタゾリン、メタピリリン、クロルフェニラミン、ピリルアミン及びプロフェンピリダミンの様な抗アレルギー剤；ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン21-リン酸、フルオシノロン、メドリゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン21-リン酸、酢酸プレドニゾロン、フルオロメタロン、ベータメタゾン及びトリミノロンの様な抗炎症剤；フェニルエフェリン、ナファゾリン及びテトラヒドラゾリンの様な鬱血除去剤；ピロカルピン、エセリンサリチル酸、カルバコール、ジイソプロピルフルオロリン酸、フォスフォリンヨード及び臭化デメカリウムの様な縮瞳剤及び抗コリンエステラーゼ剤；硫酸アトロピン、シクロペントレート、ヘマトロピン、スコポラミン、トロピカミド、ユーカトロピン及びヒドロキシアンフェタミンの様な散瞳剤；エピネフィリンの様な交感神経作用剤、及びプロドラッグの設計（Design of Prodrugs）, Hans Bundgaard編集、Elseviers Scientific Publishing Co., Amsterdam,1985に記載された様なプロドラッグが含まれる。本件に関しても、その他の薬剤を知る上で、レミントン薬物科学（Remington's Pharmaceutical Sciences）の様な標準的な薬学の教科書が参照できる。

この様な化合物の薬理学的に受け入れ可能な形態、即ち遊離塩基、または薬物学的に受け入れ可能な塩、またはそのエステル。例えば、薬理学的に受け入れ可能な塩には、硫酸塩、乳酸塩、酢酸塩、ステアリン酸塩、塩酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩等がある。本発明の構成体の構築には多くのポリマーが利用できる。唯一の条件は、これらが不活性、非免疫源性であり、所望の透過性を持つことである。

該構成体の製造に好適な材料は、体液及び眼組織と生物学的に適合し、また該材料が接触する体液に実質的に不溶性である、天然または合成材料を含む。迅速溶解材料または眼液に高い溶解性を持つ材料は、壁の溶解が薬物放出の安定性、ならびに長期間にわたりシステムが所定部位にとどまる能力に影響することから、使用は避けるべきである。体液及び眼組織と生物学的に適合し、材料が接触する体液に実質的に不溶性である天然または合成材料には、酢酸ポリビニル、架橋型ポリビニルアルコール、架橋型酪酸ポリビニル、エチレンエチルアクリレートコポリマー、ポリエチルへキシルアクリレート、塩化ポリビニル、ポリビニルアセタール、可塑化エチレンビリルアセテートコポリマー、ポリビニルアルコール、酢酸ポリビニル、エチレン塩化ビニルコポリマー、ポリビニルエステル、ポリビニリル酪酸、ポリビニルフォルマール、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化塩化ポリビニル、可塑化ナイロン、可塑化軟ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレン、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリウタジエン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、塩化ポリビニルヨード、ポリアクリロニトリル、架橋ポリビニルピロリドン、ポリトリフルオロクロロエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリ（1,4'-イソプロピルイデンジフェニレンカーボネート）、塩化ビニルイデン、アクリロニトリルコポリマー、ビニル塩化ジエチルフューメラルコポリマー、シリコンゴム、特に医療用ポリジメチルシリコキサン、エチレン−プロピレンゴム、シリコン−カーボネートコポリマー、塩化ビニルイデン−塩化ビニルコポリマー、塩化ビニル−アクリルニトリルコポリマー及び塩化ビニルイデン−窒化アクリルコポリマーが含まれるが、もとよりこれに限定されるものではない。

具体的には、本発明の構成体の第２層は上記掲載のポリマー、または体液及び眼組織と生物学的に適合し、材料が接触する体液に実質的に不溶性であり、有効薬物の通過に対し実質的に不透過性である、その他いずれかのコポリマーにより作ることができる。ここに使用される不透過性という語は、所望する局所性または全身性の生理学的または薬理学的作用を得るに必要な速度で有効薬剤が通過することを、層が許さないことを意味する。

第２層は上記の如く、内核から第２コーティング層近接部位への薬物の通過に対し不透過性になる様選択されなければならない。その目的はこれら部位への薬物の通過を阻止し、それにより薬物デリバリー構成体外への薬物の放出をコントロールすることである。

第２層の成分、例えばポリマーは上記のコントロールされた放出が可能な様に選択されなければならない。第２層の好適実施態様は、活性薬物、所望されるコントロール速度、及び投与形態といった要因に強く依存する。例えば薬物の第２層への放出速度の決定に於いて分子の大きさが重要であることから、活性薬物の特定は重要である。ディスクは実質的に有効薬物の通過に対し不透過性であり、第２コーティング層の不透過性フィルムに覆われていない内核の一部を覆う。図2Bに示す如く、ディスクは内核の端部を覆い、内核上に適用可能な他の方法に比べて、より薄く均一な不透過性コーティングを可能にする。ある実施態様では、不透過性フィルムは内核及びディスクを完全に覆う。薬物放出はディスクの孔（図2B参照）または不透過性フィルムの孔の通過により起こる。ディスクに使用するポリマーの物理特性は、孔の変形を起こすことなく、その後の加工工程（熱硬化の様な）に耐えられ能力に基づき選択される。不透過性フィルムのポリマーは、内核のコーティングのし易さに基づき選択することができる。使用可能なディスク材料にはテフロン（登録商標）、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンアルコール、高級エチレンビニルアセテート（9％ビニル、含有）及びポリビニルアルコールが含まれる。

第２コーティング層は有効薬物の通過に対し実質的に不透過性であるため、内核またはリザーバー、および第１コーティング層の一部みが第２コーティング層に覆われる。構成体に所望されるデリバリー速度に従い、より速い効果薬物放出時には、第２コーティング層は内核表面の一部分のみをコートし、より遅い効果薬物の放出時には内核表面の大部分を覆う。

少なくとも表面積の50％が第２コーティング層で覆われるだろう。より遅い放出速度では、少なくとも表面積の75％が覆われるだろう。さらに遅い放出速度では、表面積の少なくとも95％が覆われるだろう。

即ち、薬物の所望する放出速度が得られる限りにおいて、第一層及び内核表面積のいずれの部分も100％未満まで第２コーティング層により覆うことができる。

不透過性フィルム及び不透過性ディスクを含む第２コーティングは、第１コーティング層及び内核の頂部、底部、または側部を含む、内核及び第１コーティング層上のいずれの部分にも配置できるが、もとよりこれに限定されない。さらに、頂部と一側部、または底部と一側部、あるいは頂部と底部、あるいは両側部、または頂部、底部または側部のいずれかの組合せに配置できる。

本発明の構成体の第１層と第３層は、体液及び眼組織と生物学的に適合し、材料が接触するようになる体液には実質的に不溶性であり、所望効果を得るために有効な薬物または成分の通過に対し透過性でなければならない。

有効薬物は低化学ポテンシャル方向、すなわち構成体の外面に向かい拡散する。構成体の外表面に於いて、平衡状態が再度確立される。第３コーティング層の両側の状態が一定に保たれる場合には、フィックの拡散法則に従い有効薬物の定常流出が確立する。拡散により材料を通過する薬物の通過速度は、一般に薬物の物質への溶解度、及び壁厚に依存する。このことは、壁を形成する適当な材料の選択は、用いる特定薬物に依存することを意味する。

本発明のポリマー層を通る有効薬物の拡散速度は、沈降条件下に行う拡散セル試験により決定できるだろう。沈降条件による拡散セル試験では、レセプターコンパートメント内の薬物濃度は、ドナーコンパートメントの高濃度に比べ実質０である。この様な条件では、薬物放出速度は次の式より与えられる：

Q／t＝（D/K/A/DC）／h式中Ｑは放出薬物量を、ｔは時間を、Ｄは拡散定数を、Ｋは分配係数を、Ａは表面積を、DCはメンブレンを横切る薬物濃度を、ｈはメンブレンの厚さを示し。

水で満たされた孔を介し薬物が層を通過、拡散する場合には、分配現象は起こらない。即ち式よりＫは除かれる。沈降条件では、ドナー側からの放出が非常にゆっくりしている場合、DC値は実質一定であり、ドナーコンパートメントの濃度に等しい。従って、放出速度は表面積（Ａ）、厚さ（ｈ）及び膜の拡散性（Ｄ）に依存する様になる。本発明の構成体の構築では、大きさ（即ち表面積）は主に有効薬物の大きさに依存している。

従って、透過性は、時間に対しプロットされたＱの傾斜より得ることができる。透過性Ｐは次式の様に拡散係数Ｄと関連付けることができる。
Ｐ＝（K・D）／ｈ

一度薬物の通過に対し透過性であるコーティングについて、その透過性が確立されると、薬物の通過に対し透過性であるコーティングによりコートされる薬物の表面積が決定できるだろう。この決定は、所望する放出速度が得られるまで有効表面積を漸次的に減少することで実施される。

例えば、第１及び第３コーティング層としての利用に好適な微孔性膜例は、その全体が引用することによりここに取り込まれる米国特許第4,014,335号に記載されている。

これら物質は、架橋型ポリビニルアルコール、塩化ポリオレフィンまたはポリビニルまたは架橋型ゼラチン；還元、不溶性、非腐食性セルロース、アシル化セルロース、エステル化セルロース、セルロースアセエテートプロピオネート、セルロースアセテートジエチル−アミノアセテート；ポリウレタン、ポリカーボネート、及びポリカチオン及びポリアニオン修飾された不溶性コラーゲンの共沈殿により形成される微孔性ポリマーが含まれる。架橋型ポリビニルアルコールが好ましい。第３コーティング層は、内核から接触する哺乳動物、例えばヒトへ薬物が低速放出される様に選択される。第３コーティング層は生物環境への薬物の漸次的放出またはコントロールの提供を必要としないが、第３コーティング層もこれら特性または特徴を有するように選択されることは有益である。

本発明の構成体は、薬物の有効量を得ながら、薬物を所望形態に圧縮する様な様々な方法で製造することができる。成形された後、第１コーティング層が適用される。第１コーティング層は、該構成体を所望ポリマーを含む液に一度以上浸けることで適用できる。必要に応じ、第１コーティングには滴下、噴霧、塗布、または構成体外面をポリマー液でコーティングするその他の方法が適用される。第２コーティング層を得るためにポリビニルアルコール液を使用する場合、所望する厚みはコーティングを複数回行うことで得られるだろう。各コーティングは、次のコーティングが適用される前に乾燥される。最後に、構成体を加熱し、外面コーティングの透過性を調整する。

不透過性ディスクは、不透過性ポリマー層によりコーティングされる前に、第１コーティング層上に直接適用される。円柱状核の場合、ディスクを一端、または両端部に適用した後、不透過性フィルムが核周囲に巻き付けられる。従って、第２コーティング層は不透過性フィルムと不透過性ディスクの両方を含む。少なくとも一表面を不透過性ディスクで密封することで、より薄い層が利用できる。これは他の方法に比べより薄く、より短い構成体を調整する上で有益である。

不透過性ポリマー層は、被覆領域以外の領域（拡散層またはポート）の薬物通過、放出を防ぐのに十分な厚さをもっていなければならない。移植体の大きさは最小化することが望まれることから、不透過性フィルム層の厚さは0.01ないし２ミリメートルであり、好ましくは0.01ないし0.5ミリメートル以下である。

不透過性ディスクもまた、特別に設けられた膜またはポートを除き、それを通過する薬物放出を防ぐに十分な厚さを持たなければならない。移植体の大きさの最小化が望まれることから、不透過性ディスクの厚さは0.01ないし２ミリメートルであり、好ましくは0.01ないし１ミリメートル以下である。

不透過性ディスクを含む第２コーティング層を構成体に適合した後、第３コーティング層が適用される。第３コーティング層は、構成体を１回以上、所望するポリマーを含む液に浸すことで適用できる。必要に応じ、第３コーティング層には、滴下、噴霧、塗布、あるいはその他のポリマー液による構成体外面をコーティングする方法を適用することができる。第３コーティング層を得るためにポリビニルアルコール液を使用する場合、数回コーティングを行うことで所望する厚さを得ることができるだろう。次のコーティングを行う前に、各コーティングは乾燥される。最後に、構成体を加熱し、外コーティングの透過性を調整する。

本発明の構成体の作製方法に関する上記内容は例示に過ぎず、当業者により多様な組成が知られていることから、何れも本発明の範囲を限定するものではない。具体的には、構成体の製造方法は、決定された作用薬物および選択ポリマーに依存する。作用薬物、第１コーティング、第２コーティング（フィルム及びディスク）、及び第３コーティングの組成が決まれば、当業者は通常のコーティング技術を用い、容易に本発明の構成体を作ることができる。

所望する局所性、または全身性の生理学的または薬理学的作用を得るための哺乳生物の治療方法には、本発明の持続放出型薬物デリバリー構成体を哺乳生物に投与し、該構成体から薬物を通過せしめ哺乳動物と直接接触させることが含まれる。

本発明の薬物デリバリーシステムは、当業者公知の投与経路の何れかを通し、哺乳生物に投与される。この様な投与経路には、眼内、経口、皮下、筋肉内、腹腔内、鼻内、経皮等が含まれる。さらに、１つ以上の構成体を１回に投与し、または１以上の薬物を内核に含有させることもできる。

本発明の薬物デリバリーシステムは、眼のガラス体内への直接移植、及び眼内レンズへの適用に特に好適である。

これら投与方法ならびにその調整技術は当業者に公知である。調整方法につてはRegington's Pharmaceutical Sciencesに既述されている。

薬物デリバリーシステムは、十分な時間及び問題の病気状態の治療が可能な条件下に投与することができる。

局所性に薬物デリバリーする場合、構成体は手術により作用部位またはその近傍に植え込むことができる。眼病、原発性癌、リューマチ及び関節炎、ならびに慢性疼痛の治療への本発明構成体の利用が、この様な例である。

全身治療の場合、構成体は皮下、筋肉内または腹腔内に埋め込むことができる。持続的に全身レベルを保ち、早すぎる代謝を防ぐ様に構成体が投与される例がこれに当たる。さらに、この様な構成体は経口的にも投与できる。

発明の実施態様の一つでは、ウイルス複製を阻止するに有効な量のガンシクロビルを作用薬物として含む眼球用構成体が調整できる。この様な構成体は、眼のガラス体内に手術により埋め込まれる場合、サイトメガロウイルス網膜炎と効果的に戦い、その繁殖を阻害するのに利用することができる。この様な構成体は、治療終了後もガラス体内に永久に留まる。これら構成体に利用されるガンシクロビルの好適量は、約0.01mgないし約40mgの範囲である。より好ましくは、この様な構成体は約15mgないし約30mgのガンシクロビルを含む。これら好適な範囲は、数時間ないし２年以上の期間ガンシクロビルの持続的放出を提供するだろう。好適な第１コーティングはポリビニルアルコールである。好適な不透過性ディスクはテフロン（登録商標）またはエチルビニルアルコールである。好適な不透過性ポリマーはエチレンビニルアセテートである。好適な第３コーティング層はポリビニルアルコールである。これら構成体が眼のガラス体内への移植用に調整される場合には、構成体が何れの方向についても約７ミリメートルを越えないことが好ましい。即ち、図１に示す円柱状構成体は、高さにおいて７ミリメートルを越えず、直径に於いて３ミリメートルを越えないことが好ましい。第１コーティング層の好適な厚さは、約0.05ないし約0.5ミリメートルの範囲である。第２コーティング層の好適な厚さは、約0.1ないし約1.0ミリメートルの範囲である。第３コーティング層の好適な厚さは、約0.1ないし約2.0ミリメートルの範囲である。

本発明の別の実施態様では、作用薬物としてニモジピンを含む眼球用構成体が調整される。以下の実施例に詳細示す如く、この様な構成体は数年間にわたるニモジピンの長期持続的放出の提供に用いられる。これら構成体に用いられるニモジピンの好適量は２ないし15mgの範囲である。より好ましくは、これら構成体は約10-15mgを含む。これら好適範囲は、10年以上にわたりニモジピンの持続的放出を提供するだろう。好適材料には、第１層としてのポリビニルアルコール、エチレンビニルアセテート（９％）のディスクで覆われた円柱状構成体の一端部、及び覆われていない別の一端部、円柱の側面及びディスクにより密封された端部を覆う不透過性ポリマー層としてのエチレンビニルアセテート（19％）、アッセンブリー全体を覆う第３層のシリコンが含まれる。第１コーティング層の好適な厚さは、約0.05ないし約0.2ミリメートルの範囲である。不透過性ポリマー層の好適な厚さは、約0.05ないし約0.15ミリメートルの範囲であり、好ましくは0.75ミリメーターである。ディスクの好適な厚さは、約0.05ないし約2ミリメートルの範囲であり、第３層の好適な厚さは0.1ないし0.5ミリメーターの範囲である。

本発明の別の実施態様では、作用薬物としてフルオシノロンアセトニドを含む眼球用構成体が調整される。以下の実施例に詳細示す如く、この様な構成体は数年間にわたるフルオシノロンアセトニドの長期持続的放出の提供に用いられる。これら構成体に用いられるニモジピンの好適量は２ないし15mgの範囲である。より好ましくは、これら構成体は約10ないし15mg含む。これら好適範囲は、３年にわたりフルオシノロンアセトニドの持続的放出を提供するだろう。構成体の全径は２ミリメートルであり、長さは５ミリメートルである。

好適材料には、第１層としてポリビニルアルコール、エチレンビニルアセテート（９％）のディスクで覆われた円柱状構成体の一端部及び覆われていない別の一端部、円柱の側面、及びディスクにより密封された端部を覆う不透過性ポリマー層としてのエチレンビニルアセテート（19％）、アッセンブリー全体を覆う第３層のポリビニルアルコール、が含まれる。第１コーティング層の好適な厚さは、約0.05ないし約0.2ミリメートルの範囲である。不透過性ポリマー層の好適な厚さは、約0.05ないし約0.15ミリメートルの範囲であり、好ましくは0.75ミリメーターである。ディスクの好適な厚さは、約0.05ないし約2ミリメートルの範囲であり、第３層の好適な厚さは0.1ないし0.5ミリメーターの範囲である。

本発明の上記実施態様は好ましい範囲の効果薬物量、ならびに好ましい第１及び第２コーティングの好ましい厚さ条件にて既述されているが、もとよりこれら好適例は本発明を限定するものではない。当業者に容易に理解されるように、好適な量、材料及び寸法は投与方法、使用有効薬剤、使用ポリマー、所望の放出速度等に依存する。同様に、実際の放出速度及び放出期間は、上記に加え、治療対象疾患の状態、患者の年齢や状態、投与経路、ならびに当業者にとって自明であるその他の要因の様な様々な要因に依存している。

前記より、当業者は容易に本発明の本質的特徴を確認することができ、各種利用及び条件に適合させることを目的とし、本発明の精神と範囲から逸脱することなく本発明に各種の変更及び／または改良を加えることができる。これらの変更及び／または改良自体は、以下のクレームに等しい全範囲内に適切、公正に扱われるものである。

図１は内核、第１コーティング層、第２コーティング層及び第３コーティング層を示す持続放出型薬物デリバリー構成体の１実施態様の拡大図である。 図２Aは、不透過性ポリマーの拡大図である。 図2Bは不透過性フィルム及び不透過性ディスクを含む第２コーティング層の拡大図である。

Claims (23)

1. 治療を必要とする哺乳生物に対する持続放出型薬物デリバリーシステムを投与することを含む、所望する局所性または全身性の生理学的または薬理学的作用を得ることを目的とする哺乳生物治療方法であって、該薬物デリバリーシステムが以下を含む方法。
   （１） 所望の局所性または全身性の生理学的または薬理学的作用を得るに有効な量の薬物を含む内核またはリザーバーと、
   （２） 該薬物の通過に対し透過性であり、それ自体が該内核の少なくとも一部を覆っている第１コーティング層と、
   （３） 該薬物の通過に対し実質的に不透過性であり、それ自体が内核または第１コーディング層の少なくとも一部を覆い、内核または第１コーディング層の少なくとも一部分はそれにより覆われておらず、また、不透過性フィルムと少なくとも１の不透過性ディスクとを含む第２コーティング層と、
   （４） 該薬物の通過に対し透過性であり、それ自体は該第２コーティング層と、第１コーティング層または内核のコーティングされていない部分とを実質的に完全に覆っており、それにより該薬物が制御された形で通過できる第３コーティング層。
2. 該第３コーティング層がポリビニルアルコールを含む、請求項１にクレームされる哺乳生物治療方法。
3. 該第２コーティング層がエチレンビニルアセテートを含む、請求項２にクレームされる哺乳生物治療方法。
4. 該第１コーティング層がポリビニルアルコールを含む、請求項３にクレームされる哺乳生物治療方法。
5. 該有効薬物がフルオシノロンアセトニド、ニモジピンまたはガンシクロビルを含む、請求項１にクレームされる哺乳生物治療方法。
6. 治療を必要とする哺乳生物に持続放出型薬物デリバリーシステムを投与し、該薬物デリバリーシステムが以下を含む、サイトメガロウイルス網膜炎に関する哺乳生物治療方法。
   （１） 所望の局所性または全身性の生理学的または薬理学的作用を得るに有効な量のガンシクロビルを含む内核またはリザーバーと、
   （２） 薬物の通過に対し透過性であり、それ自体が実質的に該内核を完全に覆う第１コーティング層と、
   （３） 該ガンシクロビルの通過に対し実質的に不透過性であり、それ自体が内核または第１コーディング層の少なくとも一部を覆い、内核または第１コーディング層の少なくとも一部分はそれにより覆われておらず、また、不透過性フィルムと少なくとも１の不透過性ディスクとを含む第２コーティング層と、
   （４） 該ガンシクロビルの通過に対し透過性であり、それ自体は該第２コーティング層、及び第１コーティング層または内核のコーティングされていない部分を実質的に完全に覆っており、それにより該ガンシクロビルは制御された形で通過できる第３コーティング層。
7. 持続放出型薬物デリバリーシステムを消耗局所に手術により移植することを含む、所望する局所性または全身性の生理学的、または薬理学的作用を得るに有効な薬物を制御しつつ持続的に投与する方法にあって、該薬物デリバリーシステムが以下を含む方法。
   （１） 所望の局所性または全身性の生理学的または薬理学的作用を得るに有効な量の薬物を含む内核またはリザーバーと、
   （２） 該薬物の通過に対し透過性であり、それ自体が該内核の少なくとも一部を覆っている第１コーティング層と、
   （３） 該薬物の通過に対し実質的に不透過性であり、それ自体が内核または第１コーディング層の少なくとも一部を覆い、内核または第１コーディング層の少なくとも一部分はそれにより覆われておらず、また、不透過性フィルムと少なくとも１の不透過性ディスクとを含む第２コーティング層と、
   （４）該薬物の通過に対し透過性であり、それ自体は該第２コーティング層及び第１コーティング層または内核の非コーティング部分を実質完全に覆っており、それにより該薬物が制御された形で通過できる第３コーティング層。
8. 該構成体が眼のガラス体内に外科的に埋め込まれる請求項７にクレームされる方法。
9. 該第１及び第３コーティング層がポリビニルアルコールを含む請求項７にクレームされる方法。
10. 該第３コーティング層がシリコンである請求項７にクレームされる方法。
11. 該第２コーティング層がエチレンビニルアセテートを含む請求項９にクレームされる方法。
12. 該有効薬物がガンシクロビルまたは5-フルオルウラシルである請求項１１にクレームされる方法。
13. 該有効薬物が低溶解性ステロイドである請求項１１にクレームされる方法。
14. 該低溶解性ステロイドがフロシノロンアセオニドである請求項１３にクレームされる方法。
15. 該有効薬物が神経保護剤である請求項１１にクレームされる方法。
16. 該神経保護剤がニモジピンである請求項１５にクレームされる方法。
17. （Ａ）所望の局所性または全身性の生理学的、または薬理学的作用を得るに有効な量の薬物を含む内核またはリザーバーと、
    （Ｂ）該薬物の通過に対し透過性であり、それ自体が該内核の少なくとも一部を覆っている第１コーティング層と、
    （Ｃ）該有効薬物の通過に対し不透過性であり、それ自体が内核または第１コーディング層の少なくとも一部を覆い、内核または第１コーディング層の少なくとも一部分はそれにより覆われておらず、またそれ自体は不透過性フィルム及び少なくとも１の不透過性ディスクを含む第２コーティング層と、
    （Ｄ）該有効薬物の通過に対し透過性であり、それ自体は該第２コーティング層、及び第１コーティング層または内核の非コーティング部分を実質完全に覆っており、それにより該薬物が制御された形で通過できる第３コーティング層とを含んでなる持続放出型薬物デリバリーシステム。
18. 該第３コーティング層がポリビニルアルコールを含む、請求項１７にクレームされる持続放出型薬物デリバリーシステム。
19. 該第２コーティング層がエチレンビニルアセテートを含む、請求項１８にクレームされる持続放出型薬物デリバリーシステム。
20. 該第１コーティング層がポリビニルアルコールを含む、請求項１９にクレームされる持続放出型薬物デリバリーシステム。
21. 該有効薬物がガンシクロビルまたはフルオシノロンである、請求項２０にクレームされる持続放出型薬物デリバリーシステム。
22. 該有効薬物がニモジピンである、請求項１７にクレームされる持続放出型薬物デリバリーシステム。
23. 該第３コーティング層がシリコンを含む、請求項１７にクレームされる持続放出型薬物デリバリーシステム。

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