JP2010168292A - 架橋コラーゲン類及び該コラーゲン類を含む化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】皮膚又は毛髪に艶と潤いを付与し、ベタツキ感の改善と、皮膚に塗布した際の化粧料の延び性向上等の皮膚触感,使用感に優れたコラーゲン類、並びに該コラーゲン類を配合してなる化粧料の提供。
【解決手段】反応溶媒中コラーゲン分子に、その遊離カルボキシル基に対する当
量比で0.001〜10倍量のペプチド合成試薬を加え、コラーゲン分子の変性
温度以下の低温下で架橋反応を行い、ここに得られる架橋コラーゲンに所望によ
りさらにアシル化処理等を施すことにより、水に可溶性で水に溶解した際に特定
の粘稠な流動性を示す架橋コラーゲン類を調製すること並びに該架橋コラーゲン
類を配合してなる化粧料を提供すること。
【選択図】 なし

Description

本発明は架橋コラーゲン類及びこれを配合した化粧料に関し、詳しくは皮膚又は毛髪に艶と潤いを付与し、かつベタツキ感が改善されると共に皮膚に塗布した際の化粧料の伸び性が向上しており、使用感に優れた新規な架橋コラーゲン類並びに該架橋コラーゲン類を配合してなる化粧料に関する。
コラーゲンは、動物の結合組織、骨、靱帯、真皮などに含まれる硬タンパク質であり、古くから牛、豚などの皮から、近年では魚の皮から抽出・採取されたコラーゲンやその加水分解物或いは化学修飾物等が、化粧料の配合成分や医療用材料、食品素材として用いられている。また、コラーゲンは化粧料に用いることができるよく知られた素材の一つであり、皮膚の美化、保湿並びに水分付与などを目的として各種の化粧料に配合されている。
しかしながらコラーゲンを皮膚に塗布した場合、その吸湿能により皮膚に保湿効果或いは保水効果を付与し得るものの、独特のヌメリ感を有するため、それが不快なベタツキ感として現れることがしばしばあり、特に保湿・保水効果を増強させるために多量に用いた時には、それが顕著となる。また、皮膚に塗布したときの伸び性があまり良くないという欠点もあり、感触面や塗布性の観点から化粧料へ配合に当たって、配合量或いは剤形等の点で種々の工夫や配慮を要し又制限があるのが現状である。
コラーゲンに見られる上記の如き欠点を解消するため、従来より種々の試みがなされており、例えば架橋剤、紫外線、γ線等によって不溶化処理されたコラーゲンをビーズ状として化粧料に配合する方法(特開平8−73333号公報)、コラーゲンの3重螺旋構造をほぐして単鎖のコラーゲン分子とし、これを化粧料に配合する方法(特開2000−128759号公報)、分子量が異なる3種のコラーゲンペプチドからなる組成物を化粧料配合原料として用いる方法(特開2006−151847号公報)などが提案されている。しかしながら、それらの方法の場合にあっては、コラーゲンが本来持っている保湿、保水効果の低下が避けられないとか、或いはそれら特性を保持しようとすると使用感の改善が不十分となるといった難点があり、すぐれた保湿、保水作用を有し、しかも皮膚適用時のベタツキ感や伸び性等が改善されたコラーゲンが求められている。
特開平8−73333号公報 特開2000−128759号公報 特開2006−151847号公報
本発明はコラーゲンにみられる上述の如き問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、皮膚又は毛髪に艶と潤いを付与し、かつベタツキ感の改善、皮膚に塗布した際の化粧料の伸び性向上等、使用感に優れたコラーゲン並びに該コラーゲンを配合してなる化粧料を提供することにある。
即ち、本発明は第一に、反応溶媒中コラーゲン分子に、その遊離カルボキシル基に対する当量比で0.001〜10倍量のペプチド合成試薬を加え、コラーゲン分子の変性温度以下の温度で架橋反応を行うことによって得られ、以下の特性(1)及び(2)
(1)水に可溶性である
(2) 0.3%水溶液の10℃に於ける粘度が200〜2000mPa・sの範囲にある
を有する架橋コラーゲンに関するものである。
本発明は第二に、上記架橋コラーゲンにアシル化処理を施して得られる架橋コラーゲン誘導体に関するものである。
本発明は第三に、上記架橋コラーゲン及び架橋コラーゲン誘導体より選ばれた1種又は2種以上を配合してなる化粧料に関するものである。
なお、本明細書に於いて化粧料なる文言は、所謂化粧料のほかに医薬部外品をも含む広義で用いる。
本発明の架橋コラーゲン及び架橋コラーゲン誘導体は、未架橋のコラーゲンにまさるすぐれた保湿、保水作用を具え、しかも皮膚塗布時の不快なベトツキ感がなく又伸び性が向上し皮膜形成性もすぐれたものとなっている。従って、かかる本発明の架橋コラーゲン類を配合してなる化粧料は、これを皮膚或いは毛髪に適用したとき皮膚や毛髪に艶と潤いを付与すると共に、ベタツキ感の低減と伸び性の向上、良好な被膜形成によるすぐれた使用感を示す。また、本発明の架橋コラーゲン類は並びに該コラーゲンを配合してなる化粧料は、架橋剤を実質的に含まず生体安全性にも優れている。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の架橋コラーゲン及び架橋コラーゲン誘導体(以下、それらを総称して架橋コラーゲン類と言うことがある)は、コラーゲンを溶解又は懸濁(一部または全部を溶解)した溶媒中に、コラーゲンが有する遊離カルボキシル基を指標として特定量のペプチド合成試薬を加え、コラーゲンの変性温度以下の温度で反応せしめて架橋コラーゲンを得、要すればさらにここに得られる架橋コラーゲンにアシル化処理又は加水分解処理を施すことによって製造することができる。反応装置は特に限定されず循環式であってもバッチ式であってもよい。
本発明に於いて、コラーゲンとしては一般にI型コラーゲンが用いられ、特にそのアテロ化物が好ましく用いられる。コラーゲンの起源は特に限定されず、哺乳動物から得られるものの他、魚類を含めたあらゆる起源から得られるコラーゲンが利用可能である。また、本発明の架橋コラーゲン類を製造するに当たって、コラーゲンの抽出・採取に用いる部位には特に制限はなく、豚、牛、鮫等の動物の皮、腱、軟骨等の組織、魚類の皮、魚鱗、肉質部などを使用することができるが、それらのうちでも、コラーゲンの収量、作業性等の観点から魚類の皮の使用が最も好ましい。使用される魚種としては例えば、キンメダイ目キンメダイ科のナンヨウキンメ、キンメダイ、ウナギ目ハモ科のハモ、スズハモ、カレイ目ウシノシタ科のシタビラメ、フグ目フグ科のトラフグ、シロサバフグ、スズキ目サバ科のキハダマグロ、チョウザメ属チョウザメ科のチョウザメなどが挙げられるが特にそれらに限定されるものではない。
本発明で用いる反応溶媒は、上記コラーゲン成分を溶解又は懸濁(一部または全部を溶解)可能であれば制限はなく、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類が挙げられ、これらの溶媒は単独でも、又二種以上組み合わせて混合物としても使用できる。それらの溶媒のうちでも反応性の高さ等の観点から、特に水単独もしくは水とエタノールの混液の使用が最も好ましい。
本発明で用いられるペプチド結合試薬としては、例えば1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド及びその塩酸塩、1−ベンジル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよびその塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボジイミドなどのカルボジイミド系ペプチド合成試薬、N−ヒドロキシサクシニミド、N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニルオキシ)サクシニミド、N−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)サクシニミドなどのサニシニミド系ペプチド合成試薬、或いはN?カルボキシフタリミド、トリフルオロ酢酸、N−エトキシカルボニル−2−エトキシ1,2−ジヒドロキノリンなどが好ましく、これらは単独で又は二種以上組み合わせて混合物として使用できる。 それらのうちでも、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、その塩酸塩及びN−ヒドロキシサクシニミドのいずれか一種又は二種以上の組み合わせを用いることが最も好ましい。
反応に際してペプチド合成試薬は、コラーゲン分子に対して、当該分子中の遊離カルボキシル基に対する当量比で、0.001〜10倍量、好ましくは0.01〜5倍量、より好ましくは0.1〜1倍量用いられる。かかる特定量のペプチド合成試薬を用い、コラーゲン分子中に部分ペプチド架橋を形成せしめることによって、使用感が大幅に改善され、しかもコラーゲンが有する保湿、保水能がさらに高められた架橋コラーゲンを得ることができる。
上記の範囲を上回る量の試薬を用いた場合は、得られる架橋コラーゲンは水に難不溶性となったり、或いは保湿、保水能が低下する傾向にあり、一方上記の範囲を下回ると、架橋反応が殆ど進行せず、感触や使用感の改善が不十分となる。
反応に際して、反応溶液はコラーゲン分子の繊維化を避けるため酸性に保持されることが望ましく、一般にpH2〜6、好ましくはpH2.5〜4.5に調整される。酸性調整剤としては、クエン酸、乳酸、コハク酸、塩酸、硫酸、リン酸などを用いることが出来る。
又、塩の存在は架橋反応の円滑な進行を妨げる傾向にあることから、反応は塩濃度が通常3.5%以下の条件下で行うことが好ましい。特に好ましくは0.1%以下の塩濃度に調整することで架橋反応を効率良く行うことが出来る。
反応温度としては、用いたコラーゲンの変性温度以下の温度が採用され、一般には0〜20℃、好ましくは2〜18℃、更に好ましくは4〜15℃の範囲とする。 反応時間は反応溶媒、反応温度により異なるが、1〜48時間が好ましく、より好ましくは2〜30時間、更に好ましくは8?24時間である。
本発明の架橋コラーゲンは以上のような反応条件下に製造されるが、その場合、 (1)水に可溶性でかつ(2)0.3%水溶液の粘度が10℃に於いて200〜2000mPa・sの範囲にある架橋コラーゲンは、それらの反応条件のうちペプチド結合試薬の使用量を前記の範囲内とすると共に、ペプチド合成試薬の使用量に応じて反応温度及び/又は反応時間を上記の範囲内で適宜調整することによってこれを得ることができる。
以上の如くして得られる本発明の架橋コラーゲンは、化粧料、食品等の配合原料或いは医療用材料などとして極めて有用なものであるが、これにさらにコハク酸処理等を施して化学修飾されたコラーゲン誘導体(例えばサクシニル化コラーゲン等)とした上、化粧料等の原料として供することもできる。又、このような化学修飾による誘導体とした場合であっても、通常のコラーゲンから得られる同様の誘導体に比して、皮膚塗布時の使用感はよりすぐれたものとなり、又保湿、保水性も向上する。
ここで化学修飾による誘導体としては、例えばサクシニル化コラーゲン、フタル化コラーゲン、マレイル化コラーゲン、ミリスチル−サクシニル化コラーゲンなどのアシル化誘導体等が挙げられる。
架橋コラーゲンのアシル化誘導体は、従来公知のアシル化コラーゲンの調製方法に準じて、架橋コラーゲンにアシル化剤を反応させることによって製造することができる。
一例として、サクシニル化架橋コラーゲン誘導体の製造方法を示せば、以下の通りである。
まず、架橋コラーゲンの水溶液に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリを加えてpHを9〜12に調整し、架橋コラーゲンを不溶化させて分散液を得る。これに、アシル化剤として、架橋コラーゲンの1〜10倍量(重量比)の無水コハク酸をアセトン、エタノールもしくはメタノール等に溶解したものを、室温下攪拌しながら徐々に加える。この間、反応液のpHが9を下回らないように、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリで調整する。
不溶化していた架橋コラーゲンが溶解したら反応を止め、反応液に酸を加えてpHを4〜5に調整する。この時、サクシニル化された架橋コラーゲンは不溶化して析出するので、これを濾過或いは遠心分離などによって回収し、必要ならば水洗、乾燥を行うことによってサクシニル化架橋コラーゲン誘導体が得られる。
このサクシニル化架橋コラーゲン誘導体は、pH5〜8の中性水性溶液によく溶解する。
以上の如くして得られる本発明の架橋コラーゲン類(架橋コラーゲン及びその化学修飾物)は、皮膚に艶と潤いを付与し、かつベタツキ感の改善と伸び性、被膜形成性等の皮膚触感、使用感に優れるばかりでなく、架橋剤を実質的に含まないことを特徴とすることから、化粧料の配合原料として優れた特性を有しており、さらに食品等の配合原料、或いは医療用材料などとして用いても有用である。
本発明の架橋コラーゲン類を配合してなる化粧料としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、洗顔料などの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダーなどのメイクアップ化粧料、ヘアーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアートリートメント、コンディショナー、染毛料、整髪料などの頭髪化粧料、浴剤などが挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
本発明の化粧料中に於ける架橋コラーゲン類の配合量は、従来のコラーゲン含有化粧料の場合と同様であって差し支えなく、例えば基礎化粧料の場合であれば、コラーゲンの固形分として、一般に0.003〜0.6重量%、好ましくは0.03〜0.3重量%の範囲、メイクアップ化粧料の場合であれば、コラーゲンの固形分として、一般に0.003〜0.2重量%、好ましくは0.03〜0.1重量%の範囲、又頭髪化粧料の場合であれば、コラーゲンの固形分として、一般に0.003〜0.3重量%、好ましくは0.03〜0.2重量%の範囲である。
本発明の架橋コラーゲン類を配合した化粧料を調製する場合、その構成成分としては通常化粧料に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料、生理活性成分等を使用することができる。
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油などの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては,例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
又、乳化剤乃至乳化助剤として、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)、ジュアゼイロ(Zizyphus joazeiro)抽出物等を配合することもできる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、乳酸菌醗酵米、ヒアルロン酸(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、加水分解シルク蛋白質、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、フィトステロール、大豆リン脂質、イソステアリン酸コレステリル、海藻抽出物、スフィンゴ脂質、ビャッキュウ抽出物、魚介類由来コラーゲン及びその誘導体、各種アミノ酸及びそれらの誘導体、豆乳発酵液、納豆エキス、米由来抽出物及びその発酵物等が挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻或いは紅藻由来成分;ビャッキュウ抽出物、ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類;キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
防腐殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物、プロポリスエキス、メチルイソチアゾリノン等がある。
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等がある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体、ビャッキュウ抽出物、イネ抽出物等がある。
生理活性成分としては、例えば美白成分として、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、胎盤抽出物、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽出物、米糠抽出物加水分解物、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀類)、白芥子加水分解抽出物、ムラサキシキブ抽出物、ハスの実発酵物、党参抽出物、ヒカゲノツルニンジン(Codonopsis pilosula)抽出物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、カミツレ抽出物(商品名:カモミラET)、ジンコウ抽出物、ハマメリス抽出物、イタドリ抽出物、サワヒヨドリ抽出物、甘草抽出物、フキタンポポ抽出物、アルテア抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ユキノシタ抽出物、ナツメ抽出物、シャクヤク抽出物、トウキ抽出物、モモ抽出物、柑橘類(ミカン、ユズ、ダイダイなど)の抽出物、緑藻類、紅藻類又は褐藻類の海藻の抽出物、アマモ等の海草の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体等が、又皮膚老化防止・美肌化成分として、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、アラントイン、α−ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、コエンザイムQ−10、α−リポ酸、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトムギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエキスなどの生薬抽出エキス、米抽出物加水分解物、低アレルゲン米抽出物加水分解物、米糠抽出物加水分解物、米発酵エキス、ミツイシコンブ、アナアオサ等の緑藻類、紅藻類又は褐藻類の海藻の抽出物、アマモ等の海草の抽出物、ソウハクヒエキス、シラン(Bletilla striata(THUNB.) REICHB.fil.)抽出物、水ナス(Solanum Melongena;Egg plant c.v.`Mizu-nasu')抽出物、アッケシソウ(Salicornia herbacea)抽出物、ジュアゼイロ(Zizyphus joazeiro)抽出物、ブナ抽出物、キダチアロエ抽出物、マンネンロウ抽出物、イチョウ抽出物、スギナ抽出物、ベニバナ抽出物、オタネニンジン抽出物、セイヨウニワトコ抽出物、ハゴロモグサ抽出物、レンゲ抽出物、マンゴー抽出物、チェリモヤ抽出物、マンゴスチン抽出物、タベブイア・インペチギノサ抽出物、柑橘類(ミカン、ユズ、ダイダイなど)の抽出物、酵母抽出物、卵殻膜抽出タンパク質、デオキシリボ核酸カリウム塩、スフィンゴ脂質、ハス発酵液、紫蘭根抽出物、ムラサキシキブ抽出物、イネ抽出物、サンゴ草抽出物、花粉荷エキス、ユリ全草抽出物等がある。
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、3−O−エチルアスコルビン酸などのO−アルキルアスコルビン酸、L−アスコルビン酸−2−グルコシド(2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)、L−アスコルビン酸−5−グルコシド(5−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)などのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類等が、レゾルシノール誘導体としては、例えば4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、ビタミンE誘導体としては、例えばビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等が、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸、アラントイン、ゲンチアナ根抽出物、タベブイア・インペチギノサ抽出物等がある。
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体、ユビデカキノン(ユビキノン)、ルチン、ルチングルコシド、白芥子抽出物、イネ抽出物、ムラサキシキブ抽出物、シラカバ抽出物、ハマメリス抽出物、ウーロン茶抽出物、黒豆加水分解抽出液、ハゴロモグサ抽出液等がある。
又コラーゲン合成促進剤としては、例えばアスコルビン酸及びその誘導体(L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−グルコシドなど)、米抽出物加水分解物、ニンジンエキス、ニンジン発酵物、アマモ抽出物などが挙げられる。
次に、実施例及び処方例(化粧料の実施例)を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下に於いて、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
実施例1.
[水溶性コラーゲンの調製]
冷凍されたナンヨウキンメの皮30gを解凍して10〜20mm角に細断した。この細断物に精製水900mlを加えてジューサーミキサーでホモジナイズし、液相部を捨てる操作を3回繰り返し、魚皮細断物を十分水洗した。
この水洗により、筋肉組織や鱗が除去されると共に、魚皮の脂質とカロチノイド系色素の大部分が水相中に浮き出し、魚皮から除去された。
次に、水洗した魚皮を十分水切りし、これにペプシン0.03gを含む0.5M酢酸水溶液900mlを加え、4〜10℃で24時間攪拌してコラーゲンを抽出した。
この抽出液を濾過して抽出残渣の魚皮を除いた後、得られた清澄化抽出液に、攪拌下塩化ナトリウム37gを添加し、添加終了後さらに1時間攪拌を続けてコラーゲンを析出させた。
析出したコラーゲンを遠心分離により回収し、これを50mMNa2HPO4液900mlに懸濁して24時間攪拌した後、再び遠心分離を行ってコラーゲンを回収した。
次に、回収されたコラーゲンを精製水900mlに懸濁し、攪拌水洗後遠心分離する操作を3回繰り返した後、得られた精製コラーゲンを0.02重量%乳酸水溶液に溶解して、固形分濃度0.1重量%で略々無色のコラーゲン水溶液180gを得た。
[架橋反応]
このコラーゲン水溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)を終濃度10mMとなるように添加して、軽く攪拌を行った後、10℃で18時間静置した。
[架橋コラーゲン液の調製]
この液に7.2gの食塩を加えて攪拌し、架橋コラーゲンを析出させた。析出させた架橋コラーゲンを遠心分離によって回収し、0.7%Na2HPO4で懸濁し、さらに遠心分離で架橋コラーゲンを回収した。得られた精製架橋コラーゲンを0.05重量%の乳酸水溶液に溶解して、固形分濃度0.3重量%の架橋コラーゲン水溶液50gを得た。
なお、以上の操作は、室温及び液温がいずれも10℃以下となるような条件下にこれを行った。
ここに得られた架橋コラーゲンの0.3%水溶液の10℃に於ける粘度は1100mPa・sであった。
実施例2.
[水溶性コラーゲンの調製]
冷凍されたスズハモの皮30gを解凍して10〜20mm角に細断した。この細断物に精製水900mlを加えてジューサーミキサーでホモジナイズし、液相部を捨てる操作を3回繰り返し、魚皮細断物を充分水洗した。
この水洗により、筋肉組織や鱗が除去されると共に、魚皮の脂質の大部分が水相中に浮き出し、魚皮から除去された。
次に、水洗した魚皮を十分水切りし、これに0.05Mクエン酸水溶液600mlを加え、4〜10℃で24時間攪拌してコラーゲンを抽出した。
この抽出液を濾過して抽出残渣の魚皮を除いた後、得られた清澄化抽出液に、攪拌下クエン酸ナトリウム35gを添加し、添加終了後さらに1時間攪拌を続けてコラーゲンを析出させた。
析出したコラーゲンを遠心分離により回収し、これを0.02重量%クエン酸水溶液に溶解して、固形分濃度0.1重量%で略々無色のコラーゲン水溶液120gを得た。
[架橋反応]
このコラーゲン水溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)を終濃度5mM、N−ヒドロキシサクシニミド(NHS)を終濃度2mMとなるように添加して、軽く攪拌を行った後、4℃で14時間静置した。
[架橋コラーゲン液の調製]
この液に4.8gの食塩を加えて攪拌し、架橋コラーゲンを析出させた。析出させた架橋コラーゲンを遠心分離によって回収し、0.7%Na2HPO4で懸濁し、さらに遠心分離で架橋コラーゲンを回収した。得られた精製架橋コラーゲンを0.03重量%のクエン酸水溶液に溶解して、固形分濃度0.3重量%の架橋コラーゲン水溶液48gを得た。
なお、以上の操作は、室温及び液温がいずれも10℃以下となるような条件下にこれを行った。
ここに得られた架橋コラーゲンの0.3%水溶液の10℃に於ける粘度は1500mPa・sであった。
実施例3.
ナンヨウキンメの皮に代えて、イトヨリダイの皮を用いるほかは実施例1と同様にして、濃度0.2重量%で略々無色の架橋コラーゲン水溶液53gを得た。
ここに得られた架橋コラーゲンの0.2%水溶液の10℃に於ける粘度は350mPa・sであった。
実施例4.
実施例1に於いて、架橋コラーゲンを0.05重量%乳酸水溶液に溶解して架橋コラーゲン水溶液とする代わりに、架橋コラーゲンを凍結乾燥し、粉砕するほかは実施例1と同様にして、白色の架橋コラーゲン粉末0.15gを得た。
実施例5.
[水溶性コラーゲンの調製]
ナンヨウキンメの鱗30gを精製水900mlで3回水洗して夾雑物を取り除いた後、鱗を十分水切りし、これに1M酢酸水溶液600mlを加え、4〜10℃で48時間攪拌してコラーゲンを抽出した。
この抽出液を濾過して抽出残渣の鱗を除いた後、得られた清澄化抽出液に、攪拌下塩化ナトリウム35gを添加し、添加終了後さらに1時間攪拌を続けてコラーゲンを析出させた。
析出したコラーゲンを遠心分離により回収し、これを0.02重量%クエン酸水溶液に溶解して、固形分濃度0.1重量%のコラーゲン水溶液40gを得た。
[架橋反応]
このコラーゲン水溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)を終濃度10mMとなるように添加して、軽く攪拌を行った後、4℃で20時間静置した。
[架橋コラーゲン液の調製]
この液に1.6gの食塩を加えて攪拌し、架橋コラーゲンを析出させた。析出させた架橋コラーゲンを遠心分離によって回収し、0.7%Na2HPO4で懸濁し、さらに遠心分離で架橋コラーゲンを回収した。得られた精製架橋コラーゲンを0.03重量%のクエン酸水溶液に溶解して、固形分濃度0.3重量%の架橋コラーゲン水溶液15gを得た。
なお、以上の操作は、室温及び液温がいずれも10℃以下となるような条件下にこれを行った。
ここに得られた架橋コラーゲンの0.1%水溶液の10℃に於ける粘度は160mPa・sであった。
実施例6.サクシニル化架橋コラーゲン
実施例4と同様にして得られた架橋コラーゲン粉末を精製水に分散させて固形分濃度0.3重量%のコラーゲン分散液100gを調製し、この分散液を1mol/lの水酸化カリウム水溶液でpH9.5に調整した。これに、エタノール20mlに溶解した無水コハク酸10gを徐々に加え、低温(約4℃)で12時間攪拌した。この間反応液のpHが9を下回らないように1mol/l水酸化カリウム水溶液で調整した。反応終了後、反応液に1mol/lクエン酸を添加してpHを3.0に調整し、不溶化したサクシニル化コラーゲンを濾過により回収した。これを1mol/lクエン酸で洗浄し、減圧乾燥した後、クエン酸緩衝液(pH6.3)に溶解し、固形分濃度0.3重量%で略々無色のサクシニル化コラーゲン水溶液60gを得た。
なお、以上の操作は、室温及び液温がいずれも10℃以下となるような条件下にこれを行った。
処方例1.クリーム
[A成分] 部
スクワラン 5.0
オリーブ油 4.0
パラフィン 5.0
セタノール 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
ソルビタンモノステアレート 2.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 10.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.1
実施例1の架橋コラーゲン水溶液 20.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して均質なクリームを得た。
処方例2.乳液
[A成分] 部
スクワラン 10.0
オリーブ油 4.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.1
実施例1の架橋コラーゲン水溶液 15.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して均質な乳液を得た。
処方例3.化粧水
[成分] 部
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
実施例2の架橋コラーゲン水溶液 20.0
精製水 全量が100部となる量
全ての原料を合わせ攪拌混合して溶解し、透明の化粧水を得た。
処方例4.エッセンス
[成分] 部
エタノール 2.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
ヒアルロン酸 0.1
実施例1の架橋コラーゲン水溶液 60.0
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
精製水 全量が100部となる量
精製水にヒアルロン酸を溶解させた後、残りの原料を順次加えて攪拌溶解させ、透明のエッセンスを得た。
処方例5.乳液
処方例2のC成分中、実施例1の架橋コラーゲン水溶液に代えて実施例2の架橋コラーゲン水溶液を用いるほかは処方例2と同様にして均質な乳液を得た。
処方例6.乳液
処方例2のC成分中、実施例1の架橋コラーゲン水溶液に代えて実施例3の架橋コラーゲン水溶液を用いるほかは処方例2と同様にして均質な乳液を得た。
処方例7.乳液
処方例2のC成分中、実施例1の架橋コラーゲン水溶液に代えて実施例5の架橋コラーゲン水溶液を用いるほかは処方例2と同様にして均質な乳液を得た。
処方例8.乳液
処方例2のC成分中、実施例1の架橋コラーゲン誘導体水溶液に代えて実施例6のサクシニル化架橋コラーゲン水溶液を用いるほかは処方例2と同様にして均質な乳液を得た。
処方例9.乳液
[A成分] 部
スクワラン 10.0
オリーブ油 4.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
パラアミノ安息香酸エチル 1.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
コウジ酸 1.0
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.1
実施例1の架橋コラーゲン水溶液 15.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して均質な乳液を得た。
処方例10.乳液
[A成分] 部
スクワラン 10.0
オリーブ油 4.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.1
実施例1の架橋コラーゲン水溶液 15.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して均質な乳液を得た。
処方例11.乳液
処方例10のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム3.0部を用いるほかは処方例10と同様にして均質な乳液を得た。
処方例12.乳液
処方例10のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム3.0部を用いるほかは処方例10と同様にして均質な乳液を得た。
処方例13.乳液
処方例10のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部に代えてアルブチン3.0部を用いるほかは処方例10と同様にして均質な乳液を得た。
処方例14.乳液
処方例10のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部に代えて米糠抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「グレイスノウ*雪*HP」、固形分濃度3.5%)5.0部を用いるほかは処方例10と同様にして均質な乳液を得た。
処方例15.乳液
処方例10のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部に代えて白芥子抽出物(株式会社テクノーブル製、商品名「シナブランカ?WH」、固形分濃度1.0%)5.0部を用いるほかは処方例10と同様にして均質な乳液を得た。
処方例16.乳液
処方例10のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部に代えてγ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸1.0部を用いるほかは処方例10と同様にして均質な乳液を得た。
処方例17.乳液
[A成分] 部
スクワラン 10.0
オリーブ油 4.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
米抽出物加水分解物 5.0
(株式会社テクノーブル製、商品名「オリゼノーブル」、固形分濃度1.5%)
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.1
実施例2の架橋コラーゲン水溶液 15.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して均質な乳液を得た。
処方例18.ヘアートリートメント
[A成分] 部
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 5.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.0
オクチルドデカノール 2.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.2
実施例1の架橋コラーゲン水溶液 20.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却した。
処方例19.リクイドファンデーション
[A成分] 部
セタノール 0.5
モノステアリン酸グリセリル 2.0
ラノリン 2.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
[B成分]
キサンタンガム 0.2
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適 量
[D成分]
香料 0.1
実施例1の架橋ラーゲン水溶液 15.0
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを40℃以下まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
処方例20.クリームファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 5.0
セタノール 2.0
モノステアリン酸グリセリル 3.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
[B成分]
ソルビトール 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 2.0
カオリン 5.0
ベントナイト 1.0
着色顔料 適 量
[D成分]
香料 0.3
実施例1の架橋コラーゲン水溶液 10.0
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを40℃以下まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
処方例21.クリームリンス
[A成分] 部
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.0
ステアリルアルコール 1.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
実施例2の架橋コラーゲン水溶液 20.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
処方例22.クリームシャンプー
[A成分] 部
N−ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0
ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
メチルパラベン 0.1
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
[B成分]
実施例1の架橋コラーゲン水溶液 20.0
A成分を80℃に加温して均一に溶解し、40℃以下まで冷却した後、B成分を加え、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
処方例23.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 20.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 20.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
1,3−ブチレングリコール 5.0
精製水 全量が100部となる量
[B成分]
実施例2の架橋コラーゲン水溶液 20.0
A成分を80℃に加温して均一に溶解し、40℃以下まで冷却した後、B成分を加え、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
処方例24.プレストパウダー
[A成分] 部
ベンガラ 0.5
黄酸化鉄 1.5
黒酸化鉄 0.1
酸化チタン 10.0
ナイロンパウダー 4.0
セリサイト 全量が100部となる量
マイカ 23.0
タルク 25.0
実施例4の架橋コラーゲン粉末 0.1
[B成分]
スクワラン 1.0
メチルポリシロキサン 4.0
プロピルパラベン 0.1
デヒドロ酢酸 0.1
流動パラフィン 2.0
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ混合攪拌し混合した後、200メッシュのタイラーメッシュの篩にかけ、得られた混合粉末を金型に打型してプレストパウダーを得た。
処方例25.石けん
[A成分] 部
硬化ヒマシ油 26.0
ヤシ油 10.0
オリーブ油 4.0
[B成分]
水酸化ナトリウム 6.0
砂糖 10.0
グリセリン 5.0
実施例4の架橋コラーゲン粉末 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
エタノール 20.0
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加えてケン化した。これを攪拌しながら50℃まで冷却し、C成分を加えた。これを型に流し込み冷却した後、室温下で数日間乾燥させ、充分に乾燥したものを型から取りだして石けんを得た。
比較処方例1
処方例2のC成分中、実施例1の架橋コラーゲン水溶液に代えて0.3%のキンメダイ皮由来コラーゲン水溶液を用いるほかは処方例2と同様にして均質な乳液を得た。
比較処方例2
処方例2のC成分中、実施例1の架橋コラーゲン水溶液に代えて0.3%のキンメダイ由来サクシニルコラーゲン水溶液を用いるほかは処方例2と同様にして均質な乳液を得た。
試験例1
[架橋コラーゲンの保水性]
実施例1の[水溶性コラーゲンの調製]工程で得られた0.1重量%コラーゲン水溶液(比較試料)および実施例1で得られた架橋コラーゲン水溶液を希釈し0.1重量%に調製した液(本発明試料)、それぞれ約0.2gを105℃、2時間の条件下で乾燥された秤量瓶に精密に量り取り、20℃、55RH%のシリカゲルデシケーターに静置し、29時間後のそれぞれの重量を精密に測定した。試験開始から29時間後の秤量差から試料表面から蒸散した水分量を計算し、試料の水分残存率を算出した。
[結果]
結果を図1に示す。
図1に於いて、縦軸は試料の水分残存率(重量%)を示す。又、横軸のAは比較試料を、Bは本発明試料を意味する。
[考察]
試験の結果から、架橋をしていない通常の水溶性コラーゲン液に比べて、架橋したコラーゲンの水溶液は水分の蒸散が抑えられており、高い水分保持能があることが見出された。
試験例2
[架橋コラーゲン類の使用感及び保湿効果]
本発明の架橋コラーゲン類を配合した乳液と架橋処理を施していない通常の可溶性コラーゲン又はその誘導体を配合した乳液について、使用感と保湿効果を、モニターによる実使用テストで評価した。
「試料」
(1)処方例2の乳液(本発明例1)
(2)処方例8の乳液(本発明例2)
(3)比較処方例1の乳液(比較例1)
(4)比較処方例2の乳液(比較例2)
[試験方法]
無作為に抽出した年齢18〜50歳の女性40名を被験者として20名ずつ2つのグループ(A、B)に分け、各グループに、本発明例1と比較例1又は本発明例2と比較例2の2種の乳液の組み合わせのいずれかを割り振り、それぞれ左右の頬部に、本発明例又は比較例の乳液を1日2回(朝、晩)、1ヵ月間塗布してもらった時の使用感及び肌の状態を、下記の1〜7の各項目毎に評価した。
評価は、使用感については、A:非常に良い、B:良い、C:普通、D:やや悪い、E:悪いの5段階評価によって、又肌質の改善については、A:改善された、B:やや改善された、C:変わらない、D:やや悪くなった、E:悪くなったの5段階評価によってそれぞれ行った。
(使用感)
イ.手に取った感触
ロ.塗布時の伸び
ハ.塗布時のなめらかさ
ニ.塗布後の感触
(肌の状態)
ホ.はり
ヘ.しっとり感
ト.キメの細かさ
[結果]
結果を表1及び表2に示す。
Figure 2010168292
Figure 2010168292
[考察]
結果から、架橋コラーゲン水溶液は架橋処理を施していない水溶性コラーゲン液に比べて使用感、肌質改善の実感効果が高かった。特に肌なじみ、延び、保湿感が非常に高いことが判った。
は、試験例1(水分蒸散試験)に於ける試料の水分残存率(重量%)を示すグラフである(縦軸:水分残存率(重量%))。
A:比較試料
B:本発明試料

Claims (11)

  1. 反応溶媒中コラーゲン分子に、その遊離カルボキシル基に対する当量比で0.001〜10倍量のペプチド合成試薬を加え、コラーゲン分子の変性温度以下の温度で架橋反応を行うことによって得られ、以下の特性(1)及び(2)
    (1)水に可溶性である
    (2) 0.3%水溶液の10℃に於ける粘度が200〜2000mPa・s の範囲にある
    を有する架橋コラーゲン。
  2. コラーゲン分子の遊離カルボキシル基に対する当量比で0.01〜5倍量のペプチド結合試薬を用いる請求項1に記載の架橋コラーゲン。
  3. コラーゲン分子の遊離カルボキシル基に対する当量比で0.1〜1倍量のペプチド結合試薬を用いる請求項2に記載の架橋コラーゲン。
  4. 架橋反応を酸性条件下に行う請求項1に記載の架橋コラーゲン。
  5. 酸性条件がpH2〜6の範囲である請求項4に記載の架橋コラーゲン。
  6. ペプチド結合試薬として、1?エチル?3?(3?ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、その塩酸塩及びN?ヒドロキシサクシニミドから選ばれた1種又は2種以上を用いる請求項1に記載の架橋コラーゲン。
  7. コラーゲンがI型コラーゲンである請求項1に記載の架橋コラーゲン。
  8. 請求項1乃至7の架橋コラーゲンにアシル化処理を施して得られる架橋コラーゲン誘導体。
  9. アシル化処理がサクシニル化である請求項8に記載の架橋コラーゲン誘導体。
  10. 請求項1の架橋コラーゲン及び請求項8の架橋コラーゲン誘導体から選ばれた1種又は2種以上が配合されてなる化粧料。
  11. 架橋コラーゲン誘導体がサクシニル化物である請求項10に記載の化粧料。
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