JP4162896B2 - 魚コラーゲン及びこれを配合した化粧料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は魚から抽出採取されるコラーゲンの製造方法並びに魚コラーゲン誘導体の製造方法に関し、詳しくは魚の体表色素がほぼ完全に除去されており、実質的に無色で純度の高い魚コラーゲンの製造方法並びに魚コラーゲン誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コラーゲンは、動物の結合組織、骨、靱帯、真皮などに含まれる硬タンパク質であり、古くから牛、豚などの皮から抽出・採取されたコラーゲンやその加水分解物或いは化学修飾物等が、化粧料の配合成分や医療用材料として用いられている。
【0003】
しかしながら最近、人体に対する安全上の問題からほ乳類を原料とするコラーゲンに代わる新たな原料由来のコラーゲンに対する要求が高まりつつあり、かかる要求に応え得る新規なコラーゲンとして魚コラーゲンが注目されている。
この魚コラーゲンとしては、マグロ、サケ、ホッケ、スケソウダラ、サメなどを原料として用いたものが知られているが、それらの魚の場合には、体表の色素が主としてメラニン色素から構成され、該色素はコラーゲンの抽出・精製工程でこれを十分に除去することが困難であるため、得られるコラーゲンは多少着色したものとなることが避けられず、無着色で純度の高いコラーゲンは得難いという難点がある。
【0004】
これに対して、シタビラメ、マゴカレイなど比較的体表色素の少ない魚の表皮、特にその腹側の表皮を用いてコラーゲンを製造することが提案されているが、この場合にも、なお着色・純度の点で十分とは言い難い面があることに加えて、使用原料の仕分け作業が煩雑かつ非効率であるとか、コストが高いなどの問題があり、品質面さらには製造面でより改善された魚コラーゲンが求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、魚由来のコラーゲンにみられる上述の如きの問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、魚の体表色素の混入が少なく実質的に無着色で高品質の魚コラーゲン及びその誘導体を提供することにある。
本発明の他の目的は、品質面にすぐれるのみならず、製造面に於いても、効率、作業性等の点でより改善された魚コラーゲン及びその誘導体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、実質的に無着色で高品質であるとの特長を有することから、化粧料の配合原料等として用いて特に有用な魚コラーゲン及びその誘導体、並びにかかる魚コラーゲン類を配合した化粧料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は第一に、次の工程を順次施すことからなる実質的に無着色の魚コラーゲンの製造方法に関するものである。
(1) 体表色素が主としてカロチノイド系色素からなるキンメダイ、ナンヨウキンメ、フウセンキンメ、キンメダマシ、イットウダイ、エビスダイ、アコウダイ、ホウズキ、キチジ、ウメカサゴ、イトヨリダイ、マダイ、チダイ及びキダイから選ばれた魚の皮を準備する工程。
(2) 魚皮を水洗してカロチノイド系色素を除去する工程。
(3) カロチノイド系色素を除去した魚皮からコラーゲンを抽出する工程。
(4) 抽出液からコラーゲンを回収し、所望により精製を行う工程。
本発明は第二に、次の工程を順次施すことからなる実質的に無着色の魚コラーゲン誘導体の製造方法に関するものである。
(1) 体表色素が主としてカロチノイド系色素からなるキンメダイ、ナンヨウキンメ、フウセンキンメ、キンメダマシ、イットウダイ、エビスダイ、アコウダイ、ホウズキ、キチジ、ウメカサゴ、イトヨリダイ、マダイ、チダイ及びキダイから選ばれた魚の皮を準備する工程。
(2) 魚皮を水洗してカロチノイド系色素を除去する工程。
(3) カロチノイド系色素を除去した魚皮からコラーゲンを抽出する工程。
(4) 抽出液からコラーゲンを回収し、所望により精製を行う工程。
(5) 得られたコラーゲンをアシル化又は加水分解してコラーゲン誘導体を製造する工程。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のコラーゲンの製造に用いる魚は、その体表色素が主としてカロチノイド系色素から構成されるものである。
かかる魚としては、例えばキンメダイ、ナンヨウキンメ、フウセンキンメ、キンメダマシなどのキンメダイ目キンメダイ科の魚;イットウダイ、エビスダイなどのキンメダイ目イットウダイ科の魚;アコウダイ、ホウズキ、キチジ、ウメカサゴなどのカサゴ目フサカサゴ科の魚;イトヨリダイなどのスズキ目イトヨリダイ科の魚;マダイ、チダイ、キダイなどのスズキ目タイ科の魚などが挙げられる。
【0008】
本発明者らの研究の結果、これらの魚の体表色素の主体をなすカロチノイド系色素は、その大部分が、魚コラーゲンの製造工程中、コラーゲンの抽出に先立って原料の魚皮細断物等を水洗し異物を除去する工程に於いて、又一部はコラーゲンの抽出工程に於いて、魚に含まれる脂質と共に水相中に分離・移行して除去されることが明らかとなった。このため、本発明に云う魚種を原料として用いた場合、必ずしも脱色処理を施さずとも、体表色素の混入が極めて少なく実質的に無着色で高品質のコラーゲンを得ることができる。
【0009】
従来魚コラーゲンの製造に用いられていたマグロ、サケなどの場合、その皮に含まれるメラニン色素が、水洗或いはコラーゲン抽出工程ではもとより、脱色工程に於いても十分な除去が困難であり、製造工程の点からみても、又得られるコラーゲンの色相、品質の観点からも、必ずしも満足し得るものでなかったことに比べて、本発明の利点、優位性は明らかである。
【0010】
なお前述の通り、本発明の魚コラーゲンの製造に際して、カロチノイド系色素は、魚に含まれる脂質、特に魚皮の脂質と共に溶出、除去されることから、本発明で用いる魚種としては、先に例示したもののうちでも、魚皮の脂質分が比較的多いものが好適であるが、一方該脂質分が過多であるとその除去が難しいなどの問題を生ずるため、魚皮の脂質分としては一般に1〜25重量%の範囲、特に5〜15重量%の範囲にあることが好ましい。
かかる意味で、本発明に於いては、キンメダイ、アコウダイ、イトヨリダイ或いはキチジ等が好適に用いられるが、なかでもキンメダイの使用が最も好ましい。 さらに、キンメダイを原料として用いる場合にあっては、キンメダイが暖流魚であるため、得られるコラーゲンは変性温度が34〜35℃と比較的高く、化粧料等への配合に当たって、熱安定性が良好で変性を生じ難いとの特性を有し、又その結果として取り扱いが容易であるという利点もある。
【0011】
以上の如き魚種を原料として本発明のコラーゲンを製造するに当たって、コラーゲンの抽出・採取に用いる魚の部位には特に制限はなく、魚皮、魚鱗、肉質部などを使用することができるが、それらのうちでも、コラーゲンの収量、作業性等の観点から魚皮の使用が最も好ましい。
以下に魚皮を原料とする場合を例にとって、本発明の魚コラーゲンの製造方法について詳述する。
【0012】
まず、前記した魚種のいずれか1種以上を用いて、その頭部、鱗、肉質部及び好ましくはさらに骨を除去して原料の魚皮を得る。
この魚皮について、コラーゲンの抽出を効率よく行うため、最初にこれを5〜30mm角程度の大きさに細断する。或いは幅5〜20mm程度の短冊状としてもよい。
【0013】
次に、この魚皮細断物に、コラーゲンの抽出に先立って水洗処理を施し、不要物を除去する。
この水洗処理に於いて、魚皮のカロチノイド系色素はその大部分が、脂質と共に魚皮裁断面から水相中に滲出し、除去される。
この場合、色素の除去を十分に行うため、水洗を、浴比2〜100、好ましくは5〜50の条件下に、1〜48時間、好ましくは12〜36時間程度行うことが望ましい。
又、ミキサー等を使用して攪拌或いはホモジナイズしつつ水洗を行うと、より効果的に洗浄並びに色素除去を行うことができる。
【0014】
水洗処理を終わったならば、魚皮細断物を水切りし、酸水溶液を用いたコラーゲン抽出工程に付する。
酸としては、酢酸、乳酸、コハク酸、クエン酸などの有機酸が好適に用いられるが、なかでも酢酸の使用が最も好ましい。酸水溶液の濃度は、使用する酸によっても異なるが、一般には水溶液のpHが3〜4の範囲となるような濃度が用いられ、例えば酢酸の場合であれば、0.1〜0.5Mの濃度とするのが好ましい。
コラーゲンの抽出は、魚皮細断物の湿重量に対して、重量比で10〜100倍量、好ましくは20〜50倍量の酸水溶液を用い、2〜15℃で1〜72時間、好ましくは12〜48時間攪拌することによって行われる。
酸抽出時に、抽出浴中に蛋白質分解酵素を添加すると、コラーゲンの収量の増大とテロペプチドの除去(アテロ化)を図ることが可能であって望ましい。
【0015】
抽出終了後、抽出液から濾過もしくは遠心分離によって抽出残渣の魚皮を除去し、次にここに得られる清澄化抽出液に塩析処理を施し、抽出液からコラーゲンを析出せしめる。
塩析は、清澄化抽出液に、終濃度が0.5〜1.5M、好ましくは0.7〜1.0Mとなるように塩類を添加し、攪拌することによって行われる。塩類としては、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどが好適に用いられる。
この塩析処理によってコラーゲンを主体とする蛋白質が析出するので、これを濾過、遠心分離など適宜の手段によって回収し、次に精製処理を施す
【0016】
精製処理は、塩析処理で得られたコラーゲンを、アルカリ溶液に懸濁させ、この懸濁液をpH7〜8の条件下に1〜72時間、好ましくは12〜48時間攪拌した後、濾過もしくは遠心分離を行って不溶性のコラーゲンを回収することによって行われる。アルカリとしては、リン酸水素二カリウムやリン酸水素二ナトリウム等の使用が望ましいが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等を使用することもできる。
【0017】
ここに得られる精製魚コラーゲンは、その製造工程中、魚皮細断物の水洗工程及び酸抽出工程に於いて、体表色素の殆どすべてが除去され、実質的に無着色でかつ純度も高く、そのままでも化粧料等の配合原料として十分使用可能なものであるが、所望によりこれにさらに、以下に述べる有機溶媒処理を施すことにより、より高品質のコラーゲンとすることもできる。
【0018】
有機溶媒処理は、精製魚コラーゲンを、重量比でその乾燥重量の0.5〜5倍量、好ましくは1〜2倍量の有機溶媒に懸濁し、0.1〜24時間、好ましくは0.5〜1時間攪拌した後、濾過、遠心分離等適宜の手段を用いてコラーゲンを回収することによって行われる。有機溶媒としては、例えばエタノール、イソプロパノール、アセトン等が用いられる。
この有機溶媒処理によって、精製魚コラーゲン中に微量残存する脂質成分、臭い成分等が除去されるが、それら成分の除去は、上記の操作を繰り返すことによって一層効果的となる。
【0019】
なお、コラーゲンを溶液の形で使用に供したい場合は、上記の有機溶媒処理を施しもしくは施さないままの固形状の精製魚コラーゲンを、クエン酸等の酸溶液、或いはクエン酸−クエン酸ナトリウム等の中性塩溶液に、所望の濃度となるように再溶解し、必要に応じて濾過を行って清澄化すればよい。
【0020】
魚皮を原料とする本発明の魚コラーゲンの製造は以上の如くして行われるが、魚皮に代えて魚鱗、肉質部等を原料として用いる場合も、それらに上述の魚皮の場合と同様の処理を施すことによって、同じく品質にすぐれた魚コラーゲンを得ることができる。
【0021】
以上の如くして得られる本発明の魚コラーゲンは、その無色(白色)に近い色相と高純度の故に、化粧料、食品等の配合原料或いは医療用材料などとして極めて有用なものであるが、これにさらにコハク酸処理等を施して化学修飾されたコラーゲン(例えばサクシニル化コラーゲン等)としたり、或いは酸、アルカリ、酵素等によって加水分解を行って加水分解物とした上、化粧料等の原料として供することもできる。又このようなコラーゲン誘導体とした場合、原料として用いた本発明の魚コラーゲンの高品質に対応して、従来の魚コラーゲンを出発原料としたものに比してより品質にすぐれた誘導体を得ることが可能である。
【0022】
ここで化学修飾による魚コラーゲン誘導体としては、例えばサクシニル化コラーゲン、フタル化コラーゲン、マレイル化コラーゲン、ミリスチル−サクシニル化コラーゲンなどのアシル化誘導体等が挙げられる。
【0023】
上記の魚コラーゲンのアシル化誘導体は、従来公知のアシル化コラーゲンの調製方法に準じて、精製魚コラーゲンに所望のアシル化剤を反応させることによって製造することができる。
【0024】
一例として、サクシニル化魚コラーゲンの製造方法を示せば、以下の通りである。
まず、精製魚コラーゲンの水溶液に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリを加えてpHを9〜12に調整し、コラーゲンを不溶化させてコラーゲン分散液を得る。これに、アシル化剤として、コラーゲンの1〜10倍量(重量比)の無水コハク酸をアセトン、エタノールもしくはメタノール等に溶解したものを、室温下攪拌しながら徐々に加える。この間、反応液のpHが9を下回らないように、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリで調整する。
不溶化していたコラーゲンが溶解したら反応を止め、反応液に酸を加えてpHを4〜5に調整する。この時、サクシニル化されたコラーゲンは不溶化して析出するので、これを濾過或いは遠心分離などによって回収し、必要ならば水洗、乾燥を行うことによってサクシニル化魚コラーゲンが得られる。
このサクシニル化魚コラーゲンは、pH5〜8の中性水性溶液によく溶解する。
【0025】
本発明の魚コラーゲンの加水分解物の調製も、従来のコラーゲン加水分解物の調製法と同様の方法によりこれを行って何ら差し支えない。
例えば、精製魚コラーゲンの水溶液に、コラーゲンの0.0005〜0.01倍量(重量比)のタンパク質分解酵素を添加し、酵素の至適pH、至適温度に1〜4時間保持して加水分解を行わしめた後、酵素を失活させ、次いで濾過等を行って夾雑物を除き、さらに所望によりpH調整を行うことにより、魚コラーゲン加水分解物の溶液を得ることができる。
必要ならば、該溶液より常法に従って魚コラーゲン加水分解物を固形物として分離してもよい。
【0026】
以上の如くして得られる本発明の魚コラーゲン及びその誘導体(以下、それらを総称して魚コラーゲン類と言うことがある)は、魚由来であることから人体に対する安全性にすぐれるばかりでなく、品質面に於いても、魚の体表色素等の混入が少なく実質的に無着色で高純度であるなどすぐれた特性を有しており、化粧料、食品等の配合原料、或いは医療用材料などとして用いて有用である。
【0027】
本発明の魚コラーゲン類を配合してなる化粧料としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、洗顔料などの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダーなどのメイクアップ化粧料、ヘアーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアートリートメント、コンディショナー、染毛料、整髪料などの頭髪化粧料、浴剤などが挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
【0028】
本発明の化粧料中に於ける魚コラーゲン類の配合量は、従来のコラーゲン含有化粧料の場合と同様であって差し支えなく、例えば基礎化粧料の場合であれば、コラーゲンの固形分として、一般に0.003〜0.30重量%、好ましくは0.03〜0.25重量%の範囲、メイクアップ化粧料の場合であれば、コラーゲンの固形分として、一般に0.003〜0.15重量%、好ましくは0.03〜0.10重量%の範囲、又頭髪化粧料の場合であれば、コラーゲンの固形分として、一般に0.003〜0.25重量%、好ましくは0.03〜0.15重量%の範囲である。
【0029】
本発明の魚コラーゲン類を配合した化粧料を調製する場合、その構成成分としては通常化粧料に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料、生理活性成分等を使用することができる。
【0030】
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油などの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
【0031】
界面活性剤としては,例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
又、乳化剤乃至乳化助剤として、レシチン及びその誘導体、乳酸菌醗酵米等を配合することもできる。
【0032】
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、乳酸菌醗酵米、ヒアルロン酸及びその誘導体、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
【0033】
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻或いは紅藻由来成分;ペクチン、ローカストビーンガム,、アロエ多糖体等の多糖類;キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
【0034】
防腐殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール等がある。
【0035】
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、シルクパウダー等がある。
【0036】
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等がある。
【0037】
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体等がある。
【0038】
生理活性成分としては、例えば美白成分として、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、アルブチン及びその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽出物、米糠抽出物の加水分解物、白芥子抽出物、アナアオサ等の海藻の抽出物、アマモ等の海草の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体等が、皮膚老化防止・肌荒れ改善(美肌化)成分として、ニコチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、アラントイン、α−ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトムギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエキスなどの生薬抽出エキス、米抽出物加水分解物、米醗酵エキス、ミツイシコンブ抽出物等がある。
【0039】
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド(2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)、L−アスコルビン酸−5−グルコシド(5−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)などのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類等が、レゾルシノール誘導体としては、例えば4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、ビタミンE誘導体としては、例えばビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等が、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
【0040】
次に、実施例及び処方例(化粧料の実施例)を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下に於いて、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
【0041】
実施例1.
冷凍されたキンメダイの皮30gを解凍して10〜20mm角に細断した。この細断物に精製水900mlを加えてジューサーミキサーでホモジナイズし、液相部を捨てる操作を3回繰り返し、魚皮細断物を十分水洗した。
この水洗により、筋肉組織や鱗が除去されると共に、魚皮の脂質とカロチノイド系色素の大部分が水相中に浮き出し、魚皮から除去された。
次に、水洗した魚皮を十分水切りし、これにペプシン0.03gを含む0.5M酢酸水溶液900mlを加え、4〜10℃で24時間攪拌してコラーゲンを抽出した。
この抽出液を濾過して抽出残渣の魚皮を除いた後、得られた清澄化抽出液に、攪拌下塩化ナトリウム37gを添加し、添加終了後さらに1時間攪拌を続けてコラーゲンを析出させた。
析出したコラーゲンを遠心分離により回収し、これを50mMNa2HPO4液900mlに懸濁して24時間攪拌した後、再び遠心分離を行ってコラーゲンを回収した。
次に、回収されたコラーゲンを精製水900mlに懸濁し、攪拌水洗後遠心分離する操作を3回繰り返した後、得られた精製コラーゲンを0.02重量%りん酸水溶液に溶解して、固形分濃度0.3重量%で略々無色のコラーゲン水溶液60gを得た。
なお、以上の操作は、室温及び液温がいずれも10℃以下となるような条件下にこれを行った。
【0042】
実施例2.
冷凍されたアコウダイの皮30gを解凍して10〜20mm角に細断した。この細断物に精製水900mlを加えてジューサーミキサーでホモジナイズし、液相部を捨てる操作を3回繰り返し、魚皮細断物を充分水洗した。
この水洗により、筋肉組織や鱗が除去されると共に、魚皮の脂質とカロチノイド系色素の大部分が水相中に浮き出し、魚皮から除去された。
次に、水洗した魚皮を十分水切りし、これに0.05Mクエン酸水溶液600mlを加え、4〜10℃で24時間攪拌してコラーゲンを抽出した。
この抽出液を濾過して抽出残渣の魚皮を除いた後、得られた清澄化抽出液に、攪拌下クエン酸ナトリウム35gを添加し、添加終了後さらに1時間攪拌を続けてコラーゲンを析出させた。
析出したコラーゲンを遠心分離により回収し、これを0.02重量%クエン酸水溶液に溶解して、固形分濃度0.2重量%で略々無色のコラーゲン水溶液60gを得た。
なお、以上の操作は、室温及び液温がいずれも10℃以下となるような条件下にこれを行った。
【0043】
実施例3.
キンメダイの皮に代えて、イトヨリダイの皮を用いるほかは実施例1と同様にして、濃度0.2重量%で略々無色のコラーゲン水溶液60gを得た。
【0044】
実施例4.
実施例1に於いて、精製コラーゲンを0.02重量%リン酸水溶液に溶解してコラーゲン水溶液とする代わりに、精製コラーゲンを凍結乾燥し、粉砕するほかは実施例1と同様にして、白色のコラーゲン粉末0.18gを得た。
【0045】
実施例5.
キンメダイの鱗30gを精製水900mlで3回水洗して夾雑物を取り除いた後、鱗を十分水切りし、これに1M酢酸水溶液600mlを加え、4〜10℃で48時間攪拌してコラーゲンを抽出した。
この抽出液を濾過して抽出残渣の鱗を除いた後、得られた清澄化抽出液に、攪拌下塩化ナトリウム35gを添加し、添加終了後さらに1時間攪拌を続けてコラーゲンを析出させた。
析出したコラーゲンを遠心分離により回収し、これを0.02重量%クエン酸水溶液に溶解して、固形分濃度0.2重量%のコラーゲン水溶液20gを得た。
なお、以上の操作は、室温及び液温がいずれも10℃以下となるような条件下にこれを行った。
【0046】
実施例6.サクシニル化コラーゲン
実施例4と同様にして得られたコラーゲン粉末を精製水に分散させて固形分濃度3重量%のコラーゲン分散液100gを調製し、この分散液を1mol/lの水酸化カリウム水溶液でpH9.5に調整した。これに、エタノール20mlに溶解した無水コハク酸10gを徐々に加え、低温(約4℃)で12時間攪拌した。この間反応液のpHが9を下回らないように1mol/l水酸化カリウム水溶液で調整した。反応終了後、反応液に1mol/l塩酸を添加してpHを4.5に調整し、不溶化したサクシニル化コラーゲンを濾過により回収した。これを1mol/l塩酸で洗浄し、減圧乾燥した後、クエン酸緩衝液(pH6.3)に溶解し、固形分濃度0.3重量%で略々無色のサクシニル化コラーゲン水溶液40gを得た。
なお、以上の操作は、室温及び液温がいずれも10℃以下となるような条件下にこれを行った。
【0047】
比較例1.
キンメダイの皮に代えて、マグロの皮を用いるほかは実施例1と同様にして、固形分濃度0.2重量%のコラーゲン水溶液60gを得た。
この溶液は薄灰色を呈しており、脱色処理によってもこれを無色化することは困難であった。
【0048】
処方例1.クリーム
[A成分] 部
スクワラン 5.0
オリーブ油 4.0
パラフィン 5.0
セタノール 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
ソルビタンモノステアレート 2.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 10.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.1
実施例1のコラーゲン水溶液 20.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して均質なクリームを得た。
【0049】
処方例2.乳液
[A成分] 部
スクワラン 10.0
オリーブ油 4.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.1
実施例1のコラーゲン水溶液 15.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して均質な乳液を得た。
【0050】
処方例3.化粧水
[成分] 部
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
実施例2のコラーゲン水溶液 20.0
精製水 全量が100部となる量
全ての原料を合わせ攪拌混合して溶解し、透明の化粧水を得た。
【0051】
処方例4.エッセンス
[成分] 部
エタノール 2.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
ヒアルロン酸 0.1
実施例1のコラーゲン水溶液 60.0
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
精製水 全量が100部となる量
精製水にヒアルロン酸を溶解させた後、残りの原料を順次加えて攪拌溶解させ、透明のエッセンスを得た。
【0052】
処方例5.乳液
処方例2のC成分中、実施例1のコラーゲン水溶液に代えて実施例2のコラーゲン水溶液を用いるほかは処方例2と同様にして均質な乳液を得た。
【0053】
処方例6.乳液
処方例2のC成分中、実施例1のコラーゲン水溶液に代えて実施例3のコラーゲン水溶液を用いるほかは処方例2と同様にして均質な乳液を得た。
【0054】
処方例7.乳液
処方例2のC成分中、実施例1のコラーゲン水溶液に代えて実施例5のコラーゲン水溶液を用いるほかは処方例2と同様にして均質な乳液を得た。
【0055】
処方例8.乳液
処方例2のC成分中、実施例1のコラーゲン水溶液に代えて実施例6のサクシニル化コラーゲン水溶液を用いるほかは処方例2と同様にして均質な乳液を得た。
【0056】
処方例9.乳液
[A成分] 部
スクワラン 10.0
オリーブ油 4.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
パラアミノ安息香酸エチル 1.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
コウジ酸 1.0
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.1
実施例1のコラーゲン水溶液 15.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して均質な乳液を得た。
【0057】
処方例10.乳液
[A成分] 部
スクワラン 10.0
オリーブ油 4.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.1
実施例1のコラーゲン水溶液 15.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して均質な乳液を得た。
【0058】
処方例11.乳液
処方例10のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム3.0部を用いるほかは処方例10と同様にして均質な乳液を得た。
【0059】
処方例12.乳液
処方例10のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム3.0部を用いるほかは処方例10と同様にして均質な乳液を得た。
【0060】
処方例13.乳液
処方例10のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部に代えてアルブチン3.0部を用いるほかは処方例10と同様にして均質な乳液を得た。
【0061】
処方例14.乳液
処方例10のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部に代えて米糠抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「グレイスノウ*雪*HP」、固形分濃度3.5%)5.0部を用いるほかは処方例10と同様にして均質な乳液を得た。
【0062】
処方例15.乳液
処方例10のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部に代えて白芥子抽出物(株式会社テクノーブル製、商品名「シナブランカ−WH」、固形分濃度1.0%)5.0部を用いるほかは処方例10と同様にして均質な乳液を得た。
【0063】
処方例16.乳液
処方例10のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部に代えてγ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸1.0部を用いるほかは処方例10と同様にして均質な乳液を得た。
【0064】
処方例17.乳液
[A成分] 部
スクワラン 10.0
オリーブ油 4.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
米抽出物加水分解物 5.0
(株式会社テクノーブル製、商品名「オリゼノーブル」、固形分濃度1.5%)
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.1
実施例2のコラーゲン水溶液 15.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して均質な乳液を得た。
【0065】
処方例18.ヘアートリートメント
[A成分] 部
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 5.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.0
オクチルドデカノール 2.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.2
実施例1のコラーゲン水溶液 20.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却した。
【0066】
処方例19.リクイドファンデーション
[A成分] 部
セタノール 0.5
モノステアリン酸グリセリル 2.0
ラノリン 2.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
[B成分]
キサンタンガム 0.2
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適 量
[D成分]
香料 0.1
実施例1のコラーゲン水溶液 15.0
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを40℃以下まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
【0067】
処方例20.クリームファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 5.0
セタノール 2.0
モノステアリン酸グリセリル 3.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
[B成分]
ソルビトール 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 2.0
カオリン 5.0
ベントナイト 1.0
着色顔料 適 量
[D成分]
香料 0.3
実施例1のコラーゲン水溶液 10.0
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを40℃以下まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
【0068】
処方例21.クリームリンス
[A成分] 部
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.0
ステアリルアルコール 1.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
実施例2のコラーゲン水溶液 20.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
【0069】
処方例22.クリームシャンプー
[A成分] 部
N−ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0
ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
メチルパラベン 0.1
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
[B成分]
実施例1のコラーゲン水溶液 20.0
A成分を80℃に加温して均一に溶解し、40℃以下まで冷却した後、B成分を加え、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
【0070】
処方例23.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 20.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 20.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
1,3−ブチレングリコール 5.0
精製水 全量が100部となる量
[B成分]
実施例2のコラーゲン水溶液 20.0
A成分を80℃に加温して均一に溶解し、40℃以下まで冷却した後、B成分を加え、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
【発明の効果】
体表色素が主としてカロチノイド系色素からなる魚を原料として得られる本発明のコラーゲンは、上記カロチノイド系色素がコラーゲンの製造過程に於いて容易にかつ殆ど全て除去され、コラーゲン中に混入することがないため、実質的に無着色で高品質のものとすることが可能であり、さらに製造面からみても効率並びに作業性にすぐれる利点がある。
又、ここに得られる魚コラーゲンの高品質に対応して、それから誘導されるサクシニル化コラーゲンなどのコラーゲン誘導体についてもまた品質にすぐれたものを得ることが容易であって、本発明の魚コラーゲン及びその誘導体は、特に安全性の観点から高品質の要求される化粧料の原料等として用いて好適である。従って本発明によれば、さらに、それら魚コラーゲン類を配合してなり、品質並びに安全性にすぐれた化粧料が提供される。

Claims (4)

  1. 次の工程を順次施すことからなる実質的に無着色の魚コラーゲンの製造方法。
    (1) 体表色素が主としてカロチノイド系色素からなるキンメダイ、ナンヨウキンメ、フウセンキンメ、キンメダマシ、イットウダイ、エビスダイ、アコウダイ、ホウズキ、キチジ、ウメカサゴ、イトヨリダイ、マダイ、チダイ及びキダイから選ばれた魚の皮を準備する工程。
    (2) 魚皮を水洗してカロチノイド系色素を除去する工程。
    (3) カロチノイド系色素を除去した魚皮からコラーゲンを抽出する工程。
    (4) 抽出液からコラーゲンを回収し、所望により精製を行う工程。
  2. 次の工程を順次施すことからなる実質的に無着色の魚コラーゲン誘導体の製造方法。
    (1) 体表色素が主としてカロチノイド系色素からなるキンメダイ、ナンヨウキンメ、フウセンキンメ、キンメダマシ、イットウダイ、エビスダイ、アコウダイ、ホウズキ、キチジ、ウメカサゴ、イトヨリダイ、マダイ、チダイ及びキダイから選ばれた魚の皮を準備する工程。
    (2) 魚皮を水洗してカロチノイド系色素を除去する工程。
    (3) カロチノイド系色素を除去した魚皮からコラーゲンを抽出する工程。
    (4) 抽出液からコラーゲンを回収し、所望により精製を行う工程。
    (5) 得られたコラーゲンをアシル化又は加水分解してコラーゲン誘導体を製造する工程。
  3. 魚皮の脂質含量が5〜15重量%の範囲にある魚の皮を用いる請求項1に記載の魚コラーゲンの製造方法。
  4. キンメダイの皮を用いる請求項1又は2に記載の魚コラーゲンの製造方法。
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