JP5571940B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚に対してすぐれた保湿作用を示し、外用医薬部外品、基礎化粧料をはじめ、メイクアップ化粧料、浴用剤などとして有用な皮膚外用剤に関する。
皮膚の老化は、加齢に伴う細胞増殖・分化の不活化、細胞の萎縮、ホルモン分泌の低下、角層細胞間脂質成分の量的低下などの内的要因と、太陽光(紫外線)に誘発される活性酸素による細胞・組織の損傷、又は炎症などの外的要因とが複雑に絡み合って生ずる現象である。それらのうち内的要因としては、表皮角層細胞の活性低下もしくは増殖能の低下、セラミド、天然保湿因子(Natural moisturizing factor ; NMF)などの保湿、バリア機能を担う成分の減少、表皮基底細胞の不活化が挙げられる。これらの内的要因により、皮膚角質層のバリア機能、皮脂分泌機能、及び水分保持機能が低下し、ターンオーバーの異常や角層の重層化、不全角化などが起こり、その結果、皮膚の形態的・生理的変化として、肌荒れ、乾燥肌、シワ、たるみなどの症状が現れる。
この皮膚の老化を防ぎ、皮膚を健全、かつ、若々しい状態に保持するため、従来、種々の活性成分の使用が提案され、それら美肌成分を配合した化粧品が上市されている。例えば、ビタミンC類、ビタミンE類などの抗酸化剤;グリチルリチン酸などの抗炎症剤;各種紫外線吸収剤;α−ヒドロキシカルボン酸、胎盤抽出液、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸などの細胞賦活成分;コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの細胞外マトリックス成分;尿素などの保湿剤がそれである。
しかし、従来の抗老化剤では、美肌効果と皮膚安全性の双方を十分に満足させることが困難であり、かかる点が改善された皮膚抗老化剤を含む皮膚外用剤が求められている。
さらには、前記保湿剤では成分が有する保水作用によって一時的に皮膚表面への水分を与えるにすぎず、表皮角層そのものの機能を改善するものではないため、持続性などの面からも十分に満足されるものではないのが現状である。
本発明者らは、かかる従来技術の問題点に鑑みて、皮膚安全性の観点から天然物由来の新たな美肌成分を見出すべく鋭意研究を行った。その結果、刺胞動物門に属するクラゲ類の液化物が、表皮細胞の賦活作用と、NMFの構成成分であるアミノ酸を供給するタンパク質であるフィラグリンの合成を促進する作用とを示し、当該液化物を配合することで、表皮角層自身の保水作用を高め、美肌効果と皮膚安全性にすぐれた皮膚外用剤の提供が可能になることを見出し、本発明を完成するに至った。
クラゲ類は、単一種の異常発生で漁業その他の産業に多大の影響を与えることがあり、近年、日本沿岸各地で、ミズクラゲやエチゼンクラゲ等のクラゲ類が多量に発生し、漁業に多大の損害をもたらしている。また、工場や発電所の冷却水の取水口には、ミズクラゲやエチゼンクラゲなど、多様な海洋生物が多量に集まる。それらの海洋生物のうちでも特に、クラゲ類には、その工業的な有効利用法が無いため、大部分は捕獲後廃棄されており、その除去及び処理に多大のコストを必要としている。
そこで、ミズクラゲやエチゼンクラゲ等のクラゲ類を有効利用することが求められている。従来、クラゲ類を有効利用する方法として、クラゲ類からコラーゲンを抽出することが提案されている(特許文献1、2、3)。その他に、クラゲ類からムチン型糖タンパク質を抽出することが提案されている(特許文献4)。しかし、これらコラーゲン、ムチン型糖タンパク質などクラゲ類に僅かしか含まれていない成分を抽出するには、繁雑な工程や非常に広大な敷地、設備が必要になり、場合によっては有機溶媒を使用するなど、実工業化においてはまだまだ課題を抱えている。
以上のことに鑑みて、本発明者らはクラゲ類を工業的に有効利用する方法につき鋭意研究を行った結果、ミズクラゲを液化させて得られる液化物が、高い表皮細胞賦活作用及びフィラグリン合成促進作用を有し、当該液化物を配合した皮膚外用剤が、肌の水分保持能を亢進し、角層ターンオーバーを正常化し、肌理、艶を向上させて、肌のシワ、たるみを予防、改善すること、そしてこの方法の場合、クラゲの個体の全体をそのまま液化させて利用することから、繁雑な分離操作等を何ら必要とせず、工業的に有利かつ効率的であるばかりでなく、未利用の廃棄部分が極めて少ないため環境にも優しいクラゲの利用方法の提供が可能となることを新たに見出し、かかる知見に基づいてさらに研究、検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
特開2007−051191号 特開2008−031106号 特開2004−099513号 国際公開番号WO2007−020889号
すなわち、本発明は、クラゲ類の液化物を有効成分として含む皮膚外用剤である。
なお、本明細書において皮膚外用剤なる文言は、医薬部外品、化粧料までも含む広義で用いる。
クラゲ類の液化物を配合してなる本発明の化粧料は、有効成分として含むクラゲ類の液化物の示す高い表皮細胞賦活作用及びフィラグリン合成促進作用により、肌の水分保持能を亢進し、角層ターンオーバーを正常化し、肌の肌理、艶を向上させて、肌のシワ、たるみを予防、改善し、すぐれた美肌効果を有する。加えて、クラゲ類の個体そのものを使用することから、当該液化物を調製するために繁雑な工程を必要とせず、又廃棄部分も少なく環境に優しい。さらに当該液化物は天然物由来のものであるため、皮膚に対する刺激が少なく安全性にすぐれている。
図1は、試験例1の各試料溶液の表皮細胞賦活作用を示すグラフである(縦軸:ヒト表皮細胞MTT活性率(%))。 図2は、試験例2の各試料溶液のフィラグリン合成促進作用を示すグラフである(縦軸:フィラグリン合成率(%))。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明で用いるクラゲ類としては、人体に対する毒性が低いものであれば、その種類に特に制限はなく、鉢虫網旗口クラゲ目ミズクラゲ科のミズクラゲ、キタミズクラゲ、鉢虫網根口クラゲ目ビゼンクラゲ科のエチゼンクラゲ、ビゼンクラゲ等のクラゲ類を用いることが好ましい。
また、生体安全性、有効性などの観点から、鉢虫網旗口クラゲ目ミズクラゲ科のミズクラゲを用いることが特に好ましい。


クラゲ類は、捕獲され海水中から引き上げられて放置されると、内因性酵素の作用により体組織の崩壊が生じ、体液と体組織分解物とが一体化した液化物が生成される。本発明のクラゲ類の液化物は、かかるクラゲ類の特性を利用して調製されるが、この場合、当該液化物は、元のクラゲ類を構成する体組織成分と体液の大部分、好ましくは実質的にそれらの全部を含むように調製されることが、高い表皮細胞賦活作用とフィラグリン合成促進作用を有する液化物を得る上で重要な要件となる。
かかる意味で、本発明で用いるクラゲ類の液化物は、捕獲後内因性酵素による体組織の崩壊と、これによる体液の漏洩(自発的液化)が生ずる前にクラゲを液化処理するか、もしくは捕獲後可及的速やかに、好ましくは生存中に凍結もしくは低温貯蔵して内因性酵素を不活性化した上、必要の都度凍結もしくは低温貯蔵したクラゲに液化処理を施すことによって、クラゲの個体を構成する成分のうち一部の非液化成分を除く実質上すべての成分が含まれるように調製される。
上述の液化処理のうち、凍結又は低温貯蔵したクラゲの液化処理は、クラゲを加温し解凍又は昇温することによって行われるが、その際の温度変化によってクラゲの内因性酵素の活性化が生じ、液化がより速やかに進行することから、本発明に於いては当該方法が特に好ましく用いられる。また、この方法は、クラゲの発生に季節的或いは年度による変動があり、原料のクラゲの安定確保が難しい状況にあって、これを安定的に確保、利用できるという利点も有している。
以下に、凍結又は低温貯蔵したクラゲを液化する方法を中心として、本発明の液化物を調製するための具体的態様について述べる。
まず捕獲したクラゲを、必要ならば予め水洗して異物を除いた後、自発的な液化の始まる前、好ましくは生きている状態のときに、そのまま低温貯蔵又は凍結する。凍結温度は、−80℃〜−18℃が好ましく、低温貯蔵温度は4℃以下が好ましい。この凍結或いは低温貯蔵したクラゲの液化は、それらを、必要に応じて攪拌下に、所定時間加温し、解凍もしくは昇温することによって行われる。
凍結又は低温貯蔵したクラゲを液化するに要する温度及び時間は、温度は4〜50℃の範囲が好ましく、また、液化時間は、0.5〜24時間の範囲が好ましい。
また、凍結したクラゲを液化するにあたっては、予め氷を加工するためのスライサーや、クラッシャーなどで表面積を増やすことで短時間での液化が可能となる。
なお、上記液化処理に於けるクラゲ液化物のpHは、一般に6.5〜7.5の範囲にあり、かかるpH領域で液化は十分に進行するが、必要であれば液化物調製時に、塩酸、酢酸、リン酸、乳酸、クエン酸などの酸性調整剤又は水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性調整剤を配合してもよい。
以上のようにして得られるクラゲの液化物には、少量の非液化成分が固形物として含まれているので、一般にはこれをろ過又は遠心分離などで除くことが好ましいが、固形物が含まれていても本願発明の効果に何ら影響はないことから、固形物を含んだままの液化物を用いても差し支えない。
また、クラゲ液化物に活性炭等を用いた脱色、脱臭処理を施してもよく、当該処理によっても液化物の有効性が損なわれる虞はない。
上記条件により得られるクラゲ液化物は、一般にはpHを4〜8に調整した上、これをそのまま皮膚外用剤への配合剤として使用しても、減圧濃縮或いは希釈等により所望の濃度として使用しても良い。
以上のクラゲ液化物の調製に当たっては、クラゲの個体の全体を利用することを目的とすることから、上述した従来技術とは異なり、クラゲに含まれる特定の成分の精製や分離、分配を行う必要はなく、また、pH調整のための余分な成分の添加も必ずしも必要としない。このように調製されたクラゲ液化物は、クラゲが有する体内成分の実質上すべてを含み、格段に優れた表皮細胞賦活作用及びフィラグリン合成促進作用を有することを特徴とする。
また、以上のように調製される本発明のクラゲの液化物は、後述の試験例に示す通り、顕著な表皮細胞賦活作用及びフィラグリン合成促進作用を有するだけでなく、皮膚に対する刺激性が少なく生体安全性にもすぐれているので、当該液化物を配合した皮膚外用剤は、肌の水分量亢進、角層ターンオーバーを正常化し、肌理、艶を向上させて、肌のシワ、たるみを予防、改善して、肌を若々しく健全な状態に維持することできる。従って、本発明によれば、クラゲ液化物を含有するきわめて有用な美肌化皮膚外用剤を提供することができる。
本発明のクラゲ液化物を含む皮膚外用剤としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パックなどの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダー、ほほ紅、白粉などのメイクアップ化粧料、洗顔料、ボディシャンプー、石けんなどの清浄用化粧料、さらには浴剤等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
本発明の皮膚外用剤におけるクラゲ液化物の配合量は、液化物の固形分として、基礎化粧料の場合は、一般に0.002〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.2重量%の範囲、メイクアップ化粧料の場合は、一般に0.002〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.2重量%の範囲、又清浄用化粧料の場合は、一般に0.002〜10.0重量%、好ましくは0.02〜7.0重量%の範囲である。
本発明の化粧料には、必須成分のクラゲ液化物のほかに、通常皮膚外用剤、化粧料に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料等を必要に応じて適宜配合することができる。また、本発明のクラゲ液化物の有効性、特長を損なわない限り、他の生理活性成分を組み合わせて皮膚外用剤に配合することも何ら差し支えない。
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
また、乳化剤乃至乳化助剤として、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)、ジュアゼイロ(Zizyphus joazeiro)抽出物等を配合することもできる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、乳酸菌醗酵米、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、ビャッキュウ抽出物、魚介類由来コラーゲン及びその誘導体、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン、フノラン等の褐藻、緑藻又は紅藻由来成分;ビャッキュウ抽出物;ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類;キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体;ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物等がある。
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等がある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体、ビャッキュウ抽出物、イネ抽出物等がある。
生理活性成分としては、例えば美白成分として、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽出物、米糠抽出物加水分解物、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀類)、白芥子加水分解抽出物、ムラサキシキブ抽出物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava)抽出物、カミツレ抽出物(商品名:カモミラET)、コンブ等の海藻の抽出物、アマモ等の海草の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体等が、又皮膚老化防止・美肌化成分として、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、アラントイン、α−ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトムギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエキスなどの生薬抽出エキス、米抽出物加水分解物、米糠抽出物加水分解物、米醗酵エキス、ミツイシコンブ抽出物、アナアオサ抽出物、アマモ等の海草の抽出物、ソウハクヒエキス、ジュアゼイロ(Zizyphus joazeiro)抽出物等がある。
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド(2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)、L−アスコルビン酸−5−グルコシド(5−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)などのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3−O−エチルアスコルビン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウム等が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン−β−D−グルコピラノシド)、α−アルブチン(ハイドロキノン−α−D−グルコピラノシド)等が、レゾルシノール誘導体としては、例えば4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、ビタミンE誘導体としては、例えばビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等が、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
次に、製造例、実施例(処方例)及び試験例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下において、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
製造例1.ミズクラゲ液化物の調製(1)
まず、捕獲したミズクラゲ(Aurelia sp.)を−20℃で凍結した。次に、ミズクラゲの凍結物500gをクラッシャーにて粉砕し、40℃にて、1時間攪拌して、液化した。さらに得られたミズクラゲ液化物に1.0%の粉末状活性炭を加えて40℃にて1時間処理を行い、ろ過し、ミズクラゲ液化物450gを得た(pH6.9、固形分2.1%)。
製造例2.ミズクラゲ液化物の調製(2)
まず、捕獲したミズクラゲ(Aurelia sp.)を−20℃で凍結した。次に、ミズクラゲの凍結物200gをクラッシャーにて粉砕し、4℃の雰囲気下、4時間攪拌して、液化した。さらに得られたミズクラゲ液化物に0.5%の粉末状活性炭を加えて1時間処理を行い、ろ過し、ミズクラゲ液化物180gを得た(pH7.0、固形分1.5%)。
製造例3.ミズクラゲ液化物の調製(3)
まず、捕獲したミズクラゲ(Aurelia sp.)を0℃で冷蔵した。次に、ミズクラゲ(Aurelia sp.)の冷蔵物300gを40℃にて加熱溶解し、乳酸を加えてpHを4.0にした後、1時間攪拌して、液化した。さらに得られたミズクラゲ液状物に1.0%の粉末状活性炭を加えて1時間処理を行い、ろ過し、ミズクラゲ液化物270gを得た(pH4.5、固形分2.8%)。
製造例4.エチゼンクラゲ液化物の調製(1)
まず、捕獲したエチゼンクラゲ(Nemopilema nomurai)を−20℃で凍結した。エチゼンクラゲの凍結物600gをスライサーにて切削し、30℃の雰囲気下、2時間攪拌して、液化した。さらに得られたエチゼンクラゲ液化物に1.5%の粉末状活性炭を加えて2時間処理を行い、ろ過し、エチゼンクラゲ液化物580gを得た(pH7.1、固形分4.2%)。
実施例1.クリーム
[A成分] 部
流動パラフィン 5.0
ヘキサラン (注1)
4.0
パラフィン
5.0
グリセリルモノステアレート
2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート
6.0
ブチルパラベン
0.1
(注1)株式会社テクノーブル製 トリオクタン酸グリセリル
[B成分]製造例1の液化物
5.0
グリセリン
5.0
カルボキシメチルモノステアレート
0.1
モイストン・C
(注2) 1.0
精製水
全量が100部となる量
(注2)株式会社テクノーブル製 NMF成分
[C成分]
香料
適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合してクリームを得た。
実施例2.乳液
[A成分]

流動パラフィン
6.0
ヘキサラン
4.0
ホホバ油
1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン
1.5
メチルパラベン
0.15
エチルパラベン
0.03
[B成分]
製造例2の液化物
5.0
グリセリン
3.0
1、3−ブチレングリコール
2.0
カルボキシメチルセルロース
0.3
ヒアルロン酸ナトリウム
0.01
精製水
全量が100部となる量
[C成分]
香料
適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
実施例3.ローション
[A成分] 部
製造例3の液化物 5.0
エタノール
10.0
グリセリン
3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン
0.2
クエン酸
0.1
クエン酸ナトリウム
0.3
カルボキシビニルポリマー
0.1
香料
適量
水酸化カリウム
適量
精製水
全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
実施例4.化粧水
[A成分]

オリーブ油
1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール
5.0
ブチルパラベン
0.1
[B成分]
製造例4の液化物
5.0
エタノール
5.0
グリセリン
5.0
1,3−ブチレングリコール
5.0
メチルパラベン
0.1
水酸化カリウム
適量
精製水
全量が100部となる量
[C成分]
香料
適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
実施例5.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレー
2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例1の液化物 5.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド
2.0
水酸化カリウム
0.5
グリセリン
3.0
1、3−ブチレングリコール
2.0
カルボキシメチルセルロース
0.3
ヒアルロン酸ナトリウム
0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料
適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
製造例6.乳液
実施例5のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム2.0部を用いるほかは実施例と同様にして乳液を得た。
実施例7.乳液
実施例5のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム2.0部を用いるほかは実施例5と同様にして乳液を得た。
実施例8.乳液
実施例5のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン2.0部を用いるほかは実施例5と同様にして乳液を得た。
実施例9.乳液
実施例5のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米糠抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「グレイスノウ*雪*HP」、固形分濃度3.5%)5.0部を用いるほかは実施例5と同様にして乳液を得た。
実施例10.乳液
実施例5のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて白芥子抽出物(株式会社テクノーブル製、商品名「シナブランカ−WH」、固形分濃度1.0%)5.0部を用いるほかは実施例5と同様にして乳液を得た。
実施例11.乳液
実施例5のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてγ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸1.0部を用いるほかは実施例5と同様にして乳液を得た。
実施例12.リクイドファンデーション
[A成分]

ステアリン酸
2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール
2.0
セトステアリルアルコール
0.2
液状ラノリン
2.0
流動パラフィン
3.0
ミリスチン酸イソプロピル
8.5
プロピルパラベン
0.05
[B成分]
製造例1の液化物 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム
0.2
ベントナイト
0.5
プロピレングリコール
4.0
トリエタノールアミン
1.1
メチルパラベン
0.1
精製水
全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン
8.0
タルク 4.0
着色顔料
適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリクイドファンデーションを得た。
実施例13.クリームファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸
5.0
セタノール
2.0
モノステアリン酸グリセリル
3.0
流動パラフィン
5.0
スクワラン
3.0
ミリスチン酸イソプロピル
8.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 2.0
プロピルパラベン
0.1
[B成分]
製造例2の液化物
5.0
ソルビトール
3.0
1,3−ブチレングリコール
5.0
トリエタノールアミン
1.5
メチルパラベン
0.1
精製水
全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク
2.0
カオリン
5.0
ベントナイト
1.0
着色顔料


[D成分]
香料
0.3
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却してクリームファンデーションを得た。
実施例15.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例1の液化物 5.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
試験例1.ヒト表皮細胞賦活試験
[試料]
製造例1で得られたクラゲ液化物を試料として用い、ヒト表皮細胞に対するそれらクラゲ液化物の賦活作用を調べた。
[試験方法]
ヒト表皮細胞PHK16−0b(Lot.090908(5))を、96穴マイクロプレートに1×10個/穴の濃度となるように播種した。培地としては、MCDB153(SIGMA社製)に増殖促進剤としてエピダーセルHKGS(クラボウ社製)を添加したものを用いた。37℃で1日間プレ培養した後、試料溶液を0.5、1.0、2.0%の濃度(溶液濃度として)で含む培地と交換し、37℃でさらに1日間培養した。次に培地を除去し、PBS(−)を用いて調製した0.03%のMTT溶液を添加して37℃に保持した後、マイクロプレートリーダー(MODEL680、バイオラッド社製)を用い、波長570〜630nmでMTT値を測定した。
対照として、試料溶液の代わりにPBS(−)を2.0%含む培地と交換した区についても上記と同様の操作を行い、ここに得られたMTT値に対する各試料添加時のMTT値の相対値を求め、ヒト表皮細胞MTT活性率(%)とした。
[結果]
試験例1の結果を図1に示す。図1の結果から、クラゲ液化物が表皮細胞の活性を顕著に亢進することが認められた。
試験例2.ヒト表皮細胞に於けるフィラグリン合成促進作用試験
[試料]
製造例1で得られたクラゲ液化物を試料として用い、ヒト表皮細胞に於けるそれらクラゲ液化物のフィラグリン合成促進作用を調べた。
[試験方法]
ヒト表皮細胞PHK16−0b(Lot.091002(7))を、6穴マイクロプレートに2×10個/穴の濃度となるように播種した。培地としては、MCDB153(SIGMA社製)に増殖促進剤としてエピダーセルHKGS(クラボウ社製)を添加したものを用いた。37℃で3日間プレ培養した後、試料溶液を1.0、2.0%の濃度(溶液濃度として)で含む培地と交換し、37℃でさらに4日間培養した。比較対照として表皮細胞の分化促進作用を有する塩化カルシウムに関しても1.8mMを含む培地と交換し、同様の操作を行った。次に培地を除去し、PBS(−)で洗浄後、トリプシン-EDTA 0.5mL/穴を添加し、5分間処理して細胞剥離し、回収した。得られた細胞回収液を遠心分離(1200rpm×10分間、4℃)し、上清を除去した。PBS(−)を加えて懸濁し、同条件で遠心分離を行い、ペレットを得た。得られたペレットに0.25M Tris-HCl(pH7.8:9M尿素、0.1%(v/v)Triton X-100含)を加え懸濁し、100℃で5分間加熱し、さらに超音波で5分間処理を行い、細胞を溶解した。この液を遠心分離(10000rpm×10分間)し、回収した上清を細胞溶解液とした。
回収した各々の細胞溶解液5μLを取り、5倍希釈したProtein Assay Dye Reagent Concentrate(バイオラッド社製)を200μL加え室温にて5分間静置し、570nmにおける吸光度を測定した。予めBSAを任意の濃度に調製した液を同様の操作にて測定し、作成した検量線から各々の細胞溶解液のタンパク質濃度を算出した。全ての細胞溶解液のタンパク質濃度が0.8mg/mLとなるように希釈調製して、ドットブロット試験の試料とした。
フィラグリン合成量は、ドットブロット法を用いた酵素抗体法にて測定した。詳しくは、前記で得られた0.8mg/mLに調製した細胞溶解液をニトロセルロース膜にドットブロットし、抗フィラグリン抗体、HRP標識IgG抗体にて処理した後、EzWestBlue(アトー株式会社製)にて発色させた。発色させたメンブレンをデジタル画像として取り込み、ImageJにて数値化し、対照区のフィラグリン発現量を100%とした時の試料添加区のフィラグリン合成率を相対値として算出した。その結果は図2に示した。
[結果]
試験例2の結果を図2に示す。図2の結果から、製造例1のミズクラゲ液化物が、フィラグリンの合成を顕著に亢進していることが認められた。
試験例3.皮膚刺激性
[試料]
(1)製造例1のミズクラゲ液化物(本発明試料1)
(2)0.9%食塩水(対照)
[試験方法]
年齢25〜61歳の成人男女6名を被験者とし、各々の上腕部内側をエタノールで拭って皮脂を除去し、該部位に、フィンチャンバーのアルミ板に本発明試料1、及び0.9%食塩水(対照)20μLをそれぞれ添加したものを貼付した。皮膚刺激の程度を以下に述べる方法により判定した。
[判定]
パッチ除去後、1時間後及び24時間後に、貼付部位の紅斑及び浮腫の状況を、以下の「ドレイズ法による皮膚刺激性判定基準」に基づき目視判定し、被験者6名の平均値を求めた。
(紅斑)
スコア 皮膚の状態
0 : 紅斑なし
1 : 極軽度の紅斑
2 : 明らかな紅斑
3 : 中程度から強い紅斑
4 : 深紅色の強い紅斑に軽い痂皮形成
(浮腫)
スコア 皮膚の状態
0 : 浮腫なし
1 : 極軽度の浮腫
2 : 明らかな浮腫(周囲と明らかに区別可能)
3 : 中程度から強い紅斑(1mm以上の盛り上がり)
4 : 深紅色の強い紅斑に軽い痂皮形成(さらに周囲にも広がり)
結果を表1に示す。
[表1]
表1に示すように、ミズクラゲ液化物との接触による皮膚刺激は対照の生理食塩水と同等であり、当該液化物は皮膚安全性にすぐれているものであることが明らかになった。
本発明に係るクラゲ液化物は、表皮角層の保湿成分であるNMFの1種であるアミノ酸の元であるタンパク質であるフィラグリンの合成を高めることで、肌の水分保持能を亢進し、角層ターンオーバーを正常化し、肌理、艶を向上させて、肌のシワ、たるみを予防、改善し、肌理、艶を向上させ、シワ、たるみの形成を抑制及び改善することができ、更には、皮膚への刺激が少なく、生体安全性にすぐれていることから、化粧品、及び医薬部外品などに広く応用が可能である。
A:コントロール(2%PBS(−))
B:製造例1の0.5%溶液
C:製造例1の1.0%溶液
D:製造例1の2.0%溶液
E:コントロール(2%PBS(−))
F:製造例1の1.0%溶液
G:製造例1の2.0%溶液
H:比較対照(1.8mM CaCl

Claims (4)

  1. クラゲ類の液化物を配合する皮膚外用剤であって、前記液化物は、内因性酵素の作用により生じるクラゲ類の体液と体組織分解物を含むものであることを特徴とする皮膚外用剤
  2. 前記クラゲ類の液化物が鉢虫網旗口クラゲ目ミズクラゲ科に属するミズクラゲから得られることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. 前記クラゲ類の液化物がフィラグリン合成促進作用を有することを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
  4. 前記クラゲ類の液化物が表皮細胞賦活作用を有することを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
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