JP4970754B2 - クラゲ類からのコラーゲン回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、クラゲ類から有用物質であるコラーゲンを未変性の状態で効率的に可溶化し、回収する方法に関する。
海洋には漁獲対象とならない多様な生物種が分布しており、それらが海洋の生態系の保全に有用な働きをするほか、時には、単一種の異常発生で漁業その他の産業に多大の影響を与えることがある。近年、日本沿岸各地で、ミズクラゲやエチゼンクラゲが多量に発生し、漁業に多大の損害をもたらしている。また、工場や発電所の冷却水取水口には、漁業対象種のみならずミズクラゲやエチゼンクラゲ等の非漁業対象種を含め多様な海洋生物が多量に集まる。これら貴重な海洋生物資源が有効に利用されていないだけでなく、その除去・処理に多大のコストを必要としている。
そこで、取水口に集まるミズクラゲやエチゼンクラゲ等のクラゲ類を有効利用することが考えられている。クラゲ類を有効利用する方法として、クラゲからコラーゲンを抽出することが提案されている。主に畜産動物から製造されるコラーゲンは、食品、医薬品、工業製品への需要は極めて大きい。BSEの発生以来、コラーゲン原料を畜産動物のみに依存すること対しては原料供給や安全性の面で問題が生じている。そこで、クラゲ等の未利用海洋動物をコラーゲン原料として活用を図る試みが種々なされている。
クラゲからコラーゲンを抽出する技術としては、例えば、海中より回収したミズクラゲを−20℃で凍結解凍して、約4%の固形物とし、これより水溶性蛋白質を分離してコラーゲンとして利用する方法が考案されている(例えば特許文献1参照)。
また、クラゲを10mm角以下の大きさに細断して、pH6.0〜8.0の緩衝液中に入れ可溶化することによりコラーゲンを抽出し、緩衝液中に抽出したコラーゲンを塩析装置により析出させ、析出されたコラーゲンを脱水処理した後、凍結または乾燥する方法が考案されている(例えば特許文献2参照)。
また、クラゲを破砕・細断する第1の工程と、破砕・細断されたクラゲを分解・可溶化する第2の工程と、分解・可溶化されたクラゲから有用物質を粗精製する第3の工程とを具備することにより、クラゲ由来のプロテアーゼやコラーゲンを効率よく粗抽出する方法が考案されている(例えば特許文献3参照)。
特開2003−321497号公報 特開2004−99513号公報 特開2001−178492号公報
しかしながら、特許文献1の記載の方法により得られた水溶性蛋白質の性状については、当該文献中に記載がなく、コラーゲンとしていかなる純度を有するのか全く不明である。本来、未変性のコラーゲンは水に対して不溶であるため、回収されたコラーゲンは変性または低分子化を受けているものと推定される。このような方法によって回収された変性または低分子化を受けたコラーゲンを利用する際には、用途の選定が困難である。
また、特許文献2の方法では、ミズクラゲ1容量に対して5容量程度の緩衝液を加えて抽出を行うため、緩衝液の作製やコラーゲンの抽出を行うための広大なスペース及び緩衝液を作製するコストが必要となる。
特許文献3の方法では、第2の工程において処理温度は27℃〜37℃が好ましいとされており、この温度帯ではコラーゲンが変性している可能性が極めて高い。したがって、この条件にて酵素処理を行うと、コラーゲンが著しく低分子化しているものと想像されるが、回収されたコラーゲンの性状については当該文献中に記載がなく、コラーゲンとしていかなる純度を有するのかが全く不明である。さらに、抽出の際にはミズクラゲ1容量に対して5容量程度の水を加えるため、抽出を行うための広大なスペースが要求されるという課題が残されている。
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、クラゲ類から有用物質であるコラーゲンを未変性の状態で効率的に可溶化し、回収する方法を提供しようとするものである。
本願請求項1に記載の発明は、クラゲ類を凍結する凍結工程と、クラゲ類自身が有する内因性酵素を活性化してクラゲ類の分解反応を開始するために、凍結したクラゲ類を解凍する解凍工程と、クラゲ類が有するコラーゲンを未変性の状態で可溶化して未変性のコラーゲンを含む中性塩溶液を生成するために、解凍したクラゲ類を撹拌する撹拌工程と、中性塩溶液から未変性のコラーゲンを回収する回収工程と、を有し、解凍工程、及び、攪拌工程は、クラゲ類自身が有する内因性酵素が活性を有する4℃以上で行われ、かつ、クラゲ類が有するコラーゲンが未変性状態を維持できる10℃以下で行われることを特徴とする。
また、本願請求項2に記載の発明は、クラゲ類を細断して凍結する凍結工程と、クラゲ類自身が有する内因性酵素を活性化してクラゲ類の分解反応を開始させ、クラゲ類が有するコラーゲンを未変性の状態で可溶化して未変性のコラーゲンを含む中性塩溶液を生成するために、凍結したクラゲ類を解凍する解凍工程と、中性塩溶液から未変性のコラーゲンを回収する回収工程と、を有し、解凍工程は、クラゲ類自身が有する内因性酵素が活性を有する4℃以上で行われ、かつ、クラゲ類が有するコラーゲンが未変性状態を維持できる10℃以下で行われることを特徴とする。
本発明のクラゲ類からのコラーゲン製造方法によれば、クラゲ自身が持つ内因性酵素を有効活用することにより、簡便な操作で未変性のコラーゲンを回収することが可能となる。
以下、本発明の実施形態であるクラゲ類からのコラーゲン回収方法について、図を参照して詳細に説明をする。
図1は、本発明の実施形態によるクラゲ類からのコラーゲン回収方法の各工程を説明する図である。
(凍結工程)
ステップ101(図中ではステップをSと略す。以下同じ。)では、クラゲ類をそのまま、または細断した後に、クラゲ類が凍結する温度またはそれ以下の温度で凍結保存する。
クラゲ類は、発生する時期が不定期の場合が多いため、原料を長期保存する必要がある。しかしながら、クラゲ類は体内水分含有量が高く、特に高い気温条件下では腐敗の進行が早い。そこで、クラゲ類を凍結保存することにより、簡便かつ効率よく大量の原料クラゲ類を保存し、資源として活用することを可能としている。
ここで、クラゲ類を凍結保存する温度は、クラゲが凍結しうる温度(−2℃付近)以下なら特に問題はないが、−20〜−30℃で凍結保存することが好ましい。
(解凍工程)
ステップ102は、凍結したクラゲ類をクラゲ類が有するコラーゲンが未変性状態を維持できる所定の温度で解凍する工程である。本解凍工程は、後述する撹拌工程において、クラゲが流動性を有し撹拌可能な状態にまで解凍して、クラゲ類自身が有する内因性酵素を活性化して、分解反応を開始させるものである。
本発明者らは鋭意研究の結果、クラゲの解凍時にコラーゲンを可溶化する酵素が働くことを見出した。
これは、本実施形態により得られた可溶化コラーゲンの電気泳動パターンに再現性があり、しかもマトリックスメタロプロテアーゼによって分解されたコラーゲンの電気泳動パターンと酷似していること、及び、メタロプロテアーゼの阻害剤(EDTA)の添加でコラーゲンの可溶化が抑制されること、などから可溶化の原因が酵素的分解によることが明らかとなったからである。
また、本発明者らは鋭意研究の結果、凍結解凍によるクラゲ類内の組織の破壊がコラーゲンの可溶化を助けることを見出した。
これは、一般に、緩慢凍結(ゆっくりと温度を下げていく凍結方法)の場合は組織内にできる氷結晶が大きくなり、氷結晶により組織が破壊されることとなるため、もともと細胞内に在った酵素が細胞外へと漏れ出したり、局在していた酵素が分散したりし、組織中のタンパク質と酵素の接触機会が増えるために酵素的分解が促進されるからである。
また、本発明者らは鋭意研究の結果、クラゲ類が有するコラーゲンの変性温度は30〜34℃付近であり、20℃台後半から徐々に変性が始まることを見出した。
図7は、本発明の実施例により得られたコラーゲンの変性温度を示す図である。図7Aは、酸性条件におけるコラーゲンの変性温度であり、図7Bは、中性条件におけるコラーゲンの変性温度である。
図に示すように、供試したすべてのコラーゲン分子が一度にその温度(中性条件では33.7℃)で変性するわけではなく、大体27〜30℃あたりから徐々に変性が始まり、変性温度にてピークを迎え、その後30℃台後半までにわたって未変性の分子数が減少していく、という山形の過程をたどることとなる。
図より、全く変性が起こっていないと考えてよい温度は、微妙な条件の違いによって若干変化する可能性があるため、かなり安全側をとって、25℃以下とすればよいことがわかる。
そこで、本解凍工程では、解凍の上限温度として、20℃台後半、好ましくはコラーゲンの変性が起こらないことが確認された25℃以下の温度でクラゲ類の解凍を行うものとする。これにより、コラーゲンが未変性の状態を維持することを可能としている。
また、解凍の下限温度としては、凍結したクラゲ類を解凍可能な温度(−2℃付近)以上であればよいが、本発明者らの評価の結果、4℃の温度では、クラゲ類自身が有する内因性酵素が活性を有することが確認されたため、クラゲ類自身が有する内因性酵素が活性を有する温度である4℃以上の温度で解凍を行うのがよい。
さらに好ましくは、本解凍工程では、4℃から10℃までの温度範囲で解凍を行うのがよい。
(撹拌工程)
ステップ103では、解凍したクラゲ類を、撹拌することによりコラーゲンを未変性の状態で可溶化する。この撹拌工程により、クラゲの体組織は内因性酵素による分解を受け、ほぼ完全に崩壊し、液状となる。クラゲの体液は海水に匹敵する塩分(約0.5mol/l)を含み、pHは7.4〜7.9である。このため、クラゲ類の体組織が液状化すると、緩衝液等を加えるまでもなく未変性のコラーゲンを含む中性塩溶液となる。
撹拌方法は、例えば、プロペラなどをクラゲ類を入れた容器に挿入してそれを回転させる、等の一般的な方法を用いればよい。また、撹拌時に気泡が生じない撹拌方法であることが好ましい。
撹拌工程は、クラゲ類が溶液状態になるまで、もしくは定常状態(ゴミや組織片などがまだ残っているがこれ以上変化しない状態)になるまで攪拌を行うものとする。撹拌工程時において、まだ溶解せずに残っている不溶物(ゴミ、組織片、その他混入物)が存在する場合には、ろ過や遠心分離によってそれらを除く工程を別途設けるのがよい。
また、撹拌工程時における温度は、上記解凍工程と同様に、コラーゲンの変性が生じない温度範囲内であり、かつ、クラゲ類自身が有する内因性酵素が活性を有する温度範囲内で行うことが好ましい。さらに好ましくは、本撹拌工程では、4℃から10℃までの温度範囲で撹拌を行うのがよい。
なお、クラゲ類を凍結する前に細断を行った場合は、細断後の組織片の大きさによっては、この撹拌工程を行うまでもなく解凍するだけで中性塩溶液となるので、この工程を省略することが可能である。
(回収工程)
ステップ104では、可溶化した未変性のコラーゲンを塩析法により回収する。塩析法は、コラーゲンに関しては未変性のものしか回収されず、簡易な精製も兼ねることが可能となるため、未変性のコラーゲンの回収に好適である。
未変性のコラーゲンは、終濃度4.4mol/lの塩化ナトリウムにより完全に沈殿するため、得られた中性塩溶液に4.4mol/lとなるように塩化ナトリウムを加えて、撹拌することにより効率よく未変性コラーゲンを回収することができる。
塩濃度に関しては、上記濃度に限られず、コラーゲンを回収するクラゲ類に応じて、未変性のコラーゲンが完全に沈殿する塩濃度となるように塩化ナトリウムを加えるものである。使用する塩については、塩化ナトリウムに限らず同じ機能を果たしうる塩(例えば、硫酸アンモニウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウムなど)が適用可能である。
なお、本実施形態においてはコラーゲンの回収を塩析法により行っているが、回収法は、これに限られず、例えば限外ろ過法やクロマトグラフィー法を用いることも可能である。また、一旦、限外ろ過法により中性塩溶液の濃縮を行った後に塩析することにより、塩の消費を抑えることが可能となる。
また、本回収工程においては、工程内の温度は、コラーゲンの変性が生じない温度範囲内で行うことが好ましい。さらに好ましくは、本回収工程では、4℃から10℃までの温度範囲で回収を行うのがよい。
以上説明したように、本実施形態のクラゲ類からのコラーゲン回収方法によれば、クラゲ類をそのまま、または細断した後、クラゲ類が凍結する温度またはそれ以下の温度で凍結し、解凍可能な温度から25℃までのいずれかの温度で解凍後、撹拌することによりコラーゲンを未変性の状態で可溶化し、塩析法により回収することが可能となる。
本実施形態によるクラゲ類からのコラーゲン回収方法によれば、クラゲそのものの占めるスペース以外のスペースを必要とせず、緩衝液の作製に必要な試薬なども要しない。解凍後の撹拌により、クラゲの体組織は内因性酵素による分解を受け、ほぼ完全に崩壊し、液状となる。クラゲの体組織が液状化すると、未変性コラーゲンを含む中性塩溶液となる。
得られた中性塩溶液に4.4mol/lとなるように塩化ナトリウムを加えて、撹拌することにより効率よく、かつ、簡便な操作で未変性コラーゲンを回収することができる。また、中性条件下でクラゲ類の凍結・解凍をすることによって、分解が再現性よく起こり、中性条件下で塩沈殿を行うことにより、安定した性状を示すコラーゲンを得ることができる。
解凍後の撹拌により組織が崩壊する機構については、得られたコラーゲンの性状を生化学的手法により精査した結果、主にマトリクスメタロプロテアーゼ(金属要求性のコラーゲン分解酵素)による分解を受けていると考えられる。また、本発明の実施形態によるクラゲ類からのコラーゲン回収方法により得られるコラーゲンは、塩化ナトリウムに対する沈殿性や示差走査熱量分析により、三重らせん構造が保持された未変性コラーゲンであることが確認された。
本発明のクラゲ類からのコラーゲン回収方法の実施例について、以下に説明をする。ただし、本発明のクラゲ類からのコラーゲン回収方法は、以下の実施例に限定されるものではない。
(クラゲ組織の凍結・解凍・撹拌方法)
本実施例の評価に採用したクラゲ組織の凍結・解凍方法の概要を図2に示す。
図2(a)は、凍結・解凍方法Aを示す図であり、図2(b)は、凍結・解凍方法Bを示す図である。
凍結・解凍方法Aでは、凍結前に予めホモジナイザーを用いて5,000rpmにて約2分間ホモジナイズし、組織を細断した。1リットル容量の角型広口瓶に細断試料500gを入れ、−30℃にて2週間程度凍結保存し、4℃にて24時間にわたり解凍した。
一方、凍結・解凍方法Bでは、ミズクラゲ3kgをホールのままプラスチック容器に収容し、−30℃にて2週間程度凍結保存したあと、4℃にて24時間にわたり解凍した。その時点(半解凍状態)で、上記と同様にホモジナイザーを用いてホモジナイズし、4℃にて溶液状になるまで(約2時間)撹拌した。
このように凍結・解凍方法AおよびBにより得られたコラーゲン溶液を10,000g×20分間遠心分離することにより、わずかに残った未分解浮遊物を除去した。
(コラーゲンの回収方法)
組織内在性の酵素により可溶化されたコラーゲンを回収するため、本実施例の評価では図3に示す2通りの方法を採用した。図3(a)は、中性条件下における沈殿(沈殿方法Iとする)を示す図であり、図3(b)は、酸性条件下における沈殿(沈殿方法IIとする)を示す図である。
沈殿方法I(中性条件下における沈殿)では、得られたコラーゲン溶液に終濃度4.4Mとなるように塩化ナトリウムを加え、遠心分離により沈殿したコラーゲンを回収した。なお、得られたコラーゲン溶液のpHはおおよそ7.4〜7.8の範囲であったため、本方法では中性の条件でコラーゲンを沈殿させることになる。得られた沈殿を、2M塩化ナトリウムを含む0.5M酢酸で洗浄し、蒸留水に対して透析した後、凍結乾燥した。
沈殿方法II(酸性条件下における沈殿)では、得られたコラーゲン溶液に終濃度0.5Mとなるように酢酸を加えて、pHを2.2とした後、終濃度2Mとなるように塩化ナトリウムを加えることによりコラーゲンを沈殿させた。得られた沈殿は遠心分離により回収した後、蒸留水に対して透析し、凍結乾燥した。
凍結・解凍方法A,Bおよび沈殿方法I、IIの組み合わせにより、今回調製されたコラーゲンを図4に示すようにそれぞれコラーゲンA(凍結・解凍方法Aと沈殿方法Iとの組み合わせ。「実施例1」とする。)、コラーゲンB(凍結・解凍方法Bと沈殿方法Iとの組み合わせ。「実施例2」とする。)、コラーゲンC(凍結・解凍方法Aと沈殿方法IIとの組み合わせ。「比較例1」とする。)、及びコラーゲンD(凍結・解凍方法Bと沈殿方法IIとの組み合わせ。「比較例2」とする。)とした。
(回収したコラーゲンのSDS-PAGE分析)
凍結乾燥物またはクロマトグラフィーによって得られた画分について、SDS-PAGE(ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動)を行うことにより、それらの性状を調べた。
図5は、コラーゲンA、B、CおよびDのSDS-PAGEパターンを示す図である。図中の「M」はマーカを示し、「A」はコラーゲンAを示し、「B」はコラーゲンBを示し、「C」はコラーゲンCを示し、「D」はコラーゲンDを示し、「E」はミズクラゲのペプシン可溶化コラーゲン(PSC)を示す。
コラーゲンA(実施例1)は、130−150K付近に2本の主要バンドを示し、さらに97K付近に2本、50K付近に1本のバンドを示すなど、マトリクスメタロプロテアーゼにより三重らせん領域の1箇所が分解されたコラーゲンが示す典型的なパターンを示した。
コラーゲンB(実施例2)は、ほとんどコラーゲンAと同様なパターンを示したため、沈殿方法I(中性条件下における沈殿)を用いた場合においては凍結・解凍方法がコラーゲンの性状に及ぼす影響は小さいものと考えられる。
コラーゲンC(比較例1)は、基本的にはコラーゲンAまたはBに類似したパターンを示したが、97K付近のバンドパターンが異なっていた。
また、コラーゲンD(比較例2)は、130−150K付近に3本のバンドを示す点、97Kより低分子側の領域において多数のマイナーバンドを示す点において、その他のコラーゲンとは大きく異なっていた。コラーゲンDにおいてコラーゲンの低分子化が顕著に起こった原因として、塩析をさせる際に酸性プロテアーゼによる可溶化コラーゲンの副分解が起こった可能性が考えられる。
さらに、沈殿方法Iを用いて回収されたコラーゲンは再現性のよいSDS-PAGEパターンを示したが、沈殿方法IIを用いた場合は、実験ごとに多少の差異が認められた。
以上の結果から、コラーゲンの回収に関しては、沈殿方法I(中性条件下での4.4 M 塩化ナトリウムによる塩析)が適していると考えられる。
沈殿方法Iを用いた場合は、凍結・解凍方法による差異がほとんどなかったことから、クラゲ類の処理の量が少ない場合は凍結・解凍方法A(実施例1)を用いることも可能であるが、クラゲ類の大量な処理の必要がある場合には凍結・解凍方法B(実施例2)を用いることが好ましいと考えられる。
よって、凍結・解凍方法AまたはBと沈殿方法Iとを組み合わせた本発明の回収方法の妥当性が証明された。
(部分分解コラーゲンの性状)
上述したように沈殿方法Iにて沈殿させた場合に再現性の良いSDS-PAGEパターンを示すコラーゲンを回収することができたため、ここではコラーゲンA(実施例1)についてアミノ酸分析を行い、ミズクラゲのPSCおよびエチゼンクラゲ(Stomolophus nomurai)のPSCのアミノ酸組成と比較した(図6)。
なお、上述したようにコラーゲンA(実施例1)とコラーゲンB(実施例2)は、ほぼ同一の性状を示すため、後述するコラーゲンAの特性は、そのままコラーゲンBの特性として考えてよい。
(アミノ酸分析)
アミノ酸分析は、次の方法にて行った。コラーゲンA凍結乾燥試料100μgを100μlの0.1M塩酸に溶解して試料とした。分析は、ODSカラム(Cosmosil 5C18-AR; 4.6×250mm; Nacalai Tesque, Kyoto, Japan)を備え付けたアミノ酸分析システム(Waters PICO TAG system; Waters, Milford, Mass)を用いてPICO TAG法により行った。試験管に入れた試料溶液は、減圧下のバイアル内で6M塩酸により150℃で1時間気相加水分解した。加水分解物はメタノール-超純水-トリエチルアミン(2:2:1)混合液で中和した。中和した加水分解物にメタノール-超純水-トリエチルアミン-フェニルイソチオシアネート(PITC)(7:1:1:1)の混合液を添加し、PITCとアミノ酸との反応で生成するフェニルチオカルバモイル誘導体を上記アミノ酸分析システムで分離定量した。
図6に示すように、コラーゲンAは全体的にミズクラゲPSCおよびエチゼンクラゲPSCと類似したアミノ酸組成を示したが、1000残基あたりグリシン(Gly)が260.7残基と低いこと、リジン(Lys)が58.3残基と高いことから、コラーゲンAにはタンパク質性の不純物が混在しているものと考えられる。
しかしながら、凍結・解凍して得た液に塩を加えるという単純な操作のみで得たコラーゲン試料としては比較的高純度であるといえる。よって、この点からも本発明の回収方法の有効性が証明された。
(変性温度)
次に、本実施例にて得られるコラーゲンの変性温度を測定した。変性温度の測定のための試料調製は4℃にて行い、次に示す2通りの条件にて測定を行った。
(1)酸性条件:コラーゲンA(実施例1)凍結乾燥試料とミズクラゲペプシン可溶化コラーゲン(PSC)凍結乾燥試料をそれぞれ1mg/mlの濃度となるように0.1M酢酸に溶解した。なお、ミズクラゲPSCについては十分可溶化しなかったため、ポリトロンにて破砕しさらに一晩攪拌した後、遠心分離(18,000×g、4℃、15分)して得た上清を測定用試料とした。
(2)中性条件:コラーゲンAとPSCをそれぞれ1mg/mlの濃度となるように20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)に懸濁し、ポリトロンにて均一化したものを測定用試料とした。
試料を示差走査熱量計(Micro DSC III, Setaram, France)に供し、0−25分(0℃)、25−165分(0−70℃、0.5℃/分)、165−182分(70−20℃、3℃/分)のプログラム条件で分析した。
図7は、本実施例により得られたコラーゲンAの変性温度を示す図である。図7Aは、酸性条件におけるコラーゲンAの変性温度であり、図7Bは、中性条件におけるコラーゲンAの変性温度である。
その結果、コラーゲンAは、酸性条件では30.3℃、中性条件では33.7℃という海洋動物としては比較的高い変性温度を示し、対照として酸性条件にて測定したコモンカスベ皮膚ASC(28.8℃)およびニジマス筋肉ASC(24.9℃)よりもそれぞれ1.5℃および5.4℃高かった。
また、他種クラゲ類のコラーゲンの変性温度についてはエチゼンクラゲ(Stomolophus nomurai)で27℃、キャノンボールクラゲ(Stomolophus meleagris)で26.0℃、スナイロクラゲ(Rhopilema asamushi)で28.8℃と報告されている。これらはいずれも処理温度の上昇に伴うPSC酸性溶液の粘度変化を指標として測定されているため、一概に比較はできないが、ミズクラゲでは部分分解を受けているにもかかわらず、これらに匹敵する、あるいはそれら以上の変性温度を示す点が注目に値する。
PSCに関しては酸性条件では十分溶解しなかったために測定できなかったが、中性では34.0℃と測定された。おそらく部分的に分解を受けていることが原因でPSCに比べると若干変性温度が低下しているもののコモンカスベやニジマスのASCよりも高い変性温度を示し、これらの結果はコラーゲンA(実施例1)が熱安定性の点で優れていることを示すものである。
(内因性プロテアーゼの探索)
最後に、インヒビターを用いて組織解凍時に作用する内因性プロテアーゼの探索を行った。セリン系、システイン系、アスパラギン酸系の各種プロテアーゼ、およびメタロプロテアーゼに対するインヒビターを加えて凍結した試料を解凍し、その溶解画分中のタンパク質量の測定を行ったところ、メタロプロテアーゼに対するインヒビター(EDTA)を添加した実験区のみ有意なタンパク質量の減少が認められた。
これらの結果は、ミズクラゲのコラーゲンの可溶化に関与する主な酵素がメタロプロテアーゼ(金属要求性のプロテアーゼであり、活性発現に金属を要求するプロテアーゼのことをいう)の一種であることを示している。また、前述のSDS-PAGEの結果とあわせて考察すると、本酵素はマトリクスメタロプロテアーゼ(金属要求性のコラーゲン分解酵素であり、メタロプロテアーゼの一種で、コラーゲンの三重らせん領域を切断するもののことをいう)である可能性が高い。なお、セリン系、システイン系、アスパラギン酸系の各種プロテアーゼに対するインヒビターを添加した場合でもタンパク質量の減少傾向が認められたので、これらのプロテアーゼがコラーゲンの可溶化に関与する可能性も否定できない。
本発明の実施形態によるクラゲ類からのコラーゲン回収方法の各工程を説明する図である。 本実施例の評価に採用したクラゲ組織の凍結・解凍方法の概要を示す図である。 本実施例の評価に採用した沈殿方法の概要を示す図である。 本実施例の評価に採用した凍結・解凍方法A,Bおよび沈殿方法I,IIの組み合わせを示す図である。 コラーゲンA、B、CおよびDのSDS-PAGEパターンを示す図である。 コラーゲンA、ミズクラゲのPSC、及び、エチゼンクラゲのPSCのアミノ酸組成を比較した図である。 本発明の実施例により得られたコラーゲンAの酸性条件における変性温度を示す図である。 本発明の実施例により得られたコラーゲンAの中性条件における変性温度を示す図である。

Claims (4)

  1. クラゲ類を凍結する凍結工程と、
    クラゲ類自身が有する内因性酵素を活性化してクラゲ類の分解反応を開始するために、前記凍結したクラゲ類を解凍する解凍工程と、
    クラゲ類が有するコラーゲンを未変性の状態で可溶化して前記未変性のコラーゲンを含む中性塩溶液を生成するために、前記解凍したクラゲ類を撹拌する撹拌工程と、
    前記中性塩溶液から前記未変性のコラーゲンを回収する回収工程と、
    を有し、
    前記解凍工程、及び、前記攪拌工程は、
    クラゲ類自身が有する内因性酵素が活性を有する4℃以上で行われ、かつ、
    クラゲ類が有するコラーゲンが未変性状態を維持できる10℃以下で行われることを特徴とするクラゲ類からのコラーゲン回収方法。
  2. クラゲ類を細断して凍結する凍結工程と、
    クラゲ類自身が有する内因性酵素を活性化してクラゲ類の分解反応を開始し、クラゲ類が有するコラーゲンを未変性の状態で可溶化して前記未変性のコラーゲンを含む中性塩溶液を生成するために、前記凍結したクラゲ類を解凍する解凍工程と、
    前記中性塩溶液から前記未変性のコラーゲンを回収する回収工程と、
    を有し、
    前記解凍工程は、
    クラゲ類自身が有する内因性酵素が活性を有する4℃以上で行われ、かつ、
    クラゲ類が有するコラーゲンが未変性状態を維持できる10℃以下で行われることを特徴とするクラゲ類からのコラーゲン回収方法。
  3. 前記回収工程において、前記未変性のコラーゲンを塩析法により回収することを特徴とする請求項1または2に記載のクラゲ類からのコラーゲン回収方法。
  4. 前記内因性酵素には、メタロプロテアーゼが含まれることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のクラゲ類からのコラーゲン回収方法。
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