JP2002143824A - クラゲ有価物回収システム - Google Patents

クラゲ有価物回収システム

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JP2002143824A
JP2002143824A JP2000347006A JP2000347006A JP2002143824A JP 2002143824 A JP2002143824 A JP 2002143824A JP 2000347006 A JP2000347006 A JP 2000347006A JP 2000347006 A JP2000347006 A JP 2000347006A JP 2002143824 A JP2002143824 A JP 2002143824A
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JP
Japan
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jellyfish
protein
foam
water
recovery system
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Application number
JP2000347006A
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English (en)
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Akihiro Hamazaki
彰弘 浜崎
Hiroshi Nakamura
宏 中村
Naoki Ogawa
尚樹 小川
Katsuji Yoshimi
勝治 吉見
Tetsuo Higuchi
哲郎 樋口
Hiroshi Sagawa
佐川  寛
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/20Sludge processing

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電所等の海水冷却設備を保有する事業所に
来襲するクラゲを除去できるとともに、該クラゲから低
エネルギーで以って回収できるクラゲ有価物回収システ
ムの提供を目的とする。 【解決手段】 捕集網7により回収したクラゲ10を破
砕ポンプ8にて破砕した後、溶解槽1でクラゲ中の蛋白
質成分を水に溶解させ、その溶解蛋白質成分を泡沫分離
手段2により泡沫側に吸着させて、水より分離させ、コ
ラーゲン、ゼラチン若しくはニカワなどの有価物として
利用することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラゲから有価物
を回収するシステムであって、特に、海水を冷却用水若
しくは洗浄水等に利用する発電所などの事業所、又は工
場に設けれ、大量に発生するクラゲが取水口から冷却水
系に混入するのを防止するために捕捉されたクラゲの処
理を行う有価物回収システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生活排水の流入やレジャー産業の
発展に伴い、海域の富栄養化が進行しクラゲの大量発生
を引き起こしている。このように大量発生したクラゲ
は、発電所や工場のような冷却水等として海水を利用す
る設備に多大な影響を及ぼしている。これは、大量発生
したクラゲが取水口に配設されたスクリーンを閉塞して
取水量の不足を引き起こし、発電所においては出力低下
をも余儀なくされ、定常運転に障害をきたすこととな
る。
【0003】そこで、従来、このようなクラゲによる取
水口の閉塞を防止するために、取水口に網を張り巡らせ
てクラゲの来襲を防止する方法が採られている。例え
ば、特開平5−16830号では、発電所等の取水口
に、下端側を海洋側に向かう傾斜状にクラゲ侵入防止用
網を展張し、クラゲが該網の全面に付着した場合の網の
破損を防ぐために下端部と海底との間に開口部を形成さ
せるとともに、該クラゲ侵入防止用網の一側端部にクラ
ゲ排除用水流発生装置を備え、前記開口部に多数の導流
板を水流の下流方向に向かう傾斜状態で取付けるクラゲ
進入防止装置を提案している。
【0004】これによれば、前記クラゲ進入防止用網に
よってクラゲの取水口への侵入を阻止できるとともに、
前記開口部からのクラゲの流入を防ぐことができる。し
かしながら、上記したような水流発生装置を備えたクラ
ゲ進入防止用網を使用しても、該網の目詰まりは防ぎ切
れず定期的な洗浄が必要となる上、該目詰まりによる取
水量低下引き起こし、また大量のクラゲが来襲した際に
は水流の増強により取水量の安定供給が困難となる場合
もある。
【0005】従って、このように大量のクラゲが来襲し
た場合においても対処可能な方法として、取水口付近に
集まるクラゲを回収して廃棄処理する方法が特開平11
−244833号に提案されている。これは、図11に
示されるように、回収されたクラゲを破砕装置012に
て細片に破砕した後、貯留ホッパ014にて固形物を沈
降分離し、該固形物を除去された破砕クラゲを膨化反応
槽020にて加圧下で加熱した後、フラッシュタンク0
26で瞬時に脱圧し膨化処理してくらげ水を得るととも
に、該くらげ水に次亜塩素酸ナトリウム090を添加し
てくらげ水中に含有するBOD、COD成分を酸化処理
する構成となっている。かかる装置は取水口付近に設置
することができ、発電所などのクラゲの進入による熱効
率の低下やスクリーンの目詰まりを防止できるととも
に、クラゲが大量に来襲した場合においても、短時間で
効率よく処理できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしがなら、上記し
たようなクラゲ処理方法では、処理装置が複雑で安定運
転が困難であり、また処理に必要とされる添加物や装置
を維持する運転コストなどの費用が高くつくため、かか
る処理装置を導入するには問題が残る。一方、このよう
に処理され廃棄されるクラゲはその組成に注目すると、
有価物である有用蛋白質を含んでいる。しかし、前記従
来技術では該有価物を回収せず分解処理するのみで資源
を無駄に廃棄している。そこで、本発明ではクラゲから
蛋白質などの有価物を回収することで資源の有効利用を
図り、また該有価物の回収を簡易な設備でかつ効率良く
行うことで経済性の高い有価物回収システムを提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために請求項1記載の発明として、クラゲを破
砕した後、該クラゲ中に含まれる蛋白質成分を溶解手段
により水に溶解させ、泡沫分離手段により該溶解蛋白質
を吸着させた泡沫を水より分離し、分離された蛋白質を
有価物として回収、利用することを特徴とする。クラゲ
の成分は略96〜97%が水分であり、残る成分は蛋白
質が略2〜4%、ミネラルが1%前後である。その成分
の大半が水分であることから、クラゲは数cm角の粗い
破砕であっても海水に容易に溶解する。そして、このよ
うにして溶解した蛋白質成分はバブリングにより水中か
ら分離することができる。これは、蛋白質が気泡の表面
に集まる性質を利用したもので、バブリングにより発生
させた気泡に蛋白質を吸着させ、泡沫として該蛋白質を
回収することで、添加剤の供給無しに容易に蛋白質を回
収することが出来る。また、加熱等のエネルギーも必要
としないことから、システム全体のエネルギーコストを
低減することができる。
【0008】溶解手段にてクラゲの溶解が不充分な場
合、若しくはクラゲ溶解水中にSS分を多く含有する場
合には、請求項2記載の発明のごとく、前記蛋白質が分
離された残余の処理水よりSS分を分離した後、分離さ
れたSS分に発酵処理を施してコンポストとして回収す
るとよい。このように、クラゲの蛋白質成分を回収した
後の排水を処理において、該排水からコンポストを回収
することにより、より一層のくらげ中の有価物の有効活
用が図られ、環境的にも経済的にも合理的で経済性のよ
いシステムを提供することができる。
【0009】また、請求項3乃至請求項4記載の発明
は、前記回収した蛋白質吸着泡沫から有価物を製品とし
て回収するシステムであり、請求項3記載の発明は前記
蛋白質を高純度に精製してコラーゲンを得ることを特徴
とする。請求項4記載の発明は、前記蛋白質を粗精製し
た後に温水処理を施し、ゼラチン(ニカワを含む)を得
ることを特徴とする。コラーゲンの精製は、その丈夫な
性質を利用して、混在物質を有機溶媒による抽出、水
洗、希塩溶液による抽出、酸及びアルカリ処理、酵素に
よる作用などにより除去し、コラーゲンを不溶物質とし
て残す方法が一般的である。このようにして精製される
純度の高いコラーゲンは、近年、骨粗鬆症や美肌対策の
為の化粧品や薬品などとして需要が高まっており、前記
回収した蛋白質吸着泡沫からコラーゲンを精製すること
でクラゲに含まれる有価物を有効利用することができ
る。
【0010】また、前記コラーゲンの需要が少ない場合
には、請求項4記載のように、該コラーゲンを粗精製し
た後に、温水処理してゼラチンとして利用することがで
きる。ゼラチンは写真印画紙、医薬品、食品等に用途が
あるため、クラゲ中の有価物を幅広く利用することがで
きる。尚、工業用ゼラチンとして用いられるニカワは、
不純物を多く含有するものであるため製法が簡易で、低
コストで以って回収することが可能である。
【0011】また、請求項5記載の発明は、前記クラゲ
が、海水冷却設備を有する事業所の取水口付近より回収
したクラゲであることを特徴とする。これにより、クラ
ゲが大量発生した場合においても、該クラゲを陸揚げし
て処理するため取水口に配設されるスクリーンを閉塞す
ることなく該事業所が定常運転を滞り無く行うことがで
き、また従来は分解処理して廃棄するのみであったクラ
ゲを有効利用することができる。尚、かかるシステムは
小型で簡易な設備で実現可能なため、該システムを取水
口付近に設置することによりクラゲの搬送コストが削減
できる。
【0012】さらに、請求項6記載の発明のように、前
記破砕が海水とともにクラゲを破砕する破砕手段であっ
て、泡沫分離手段を海水中に溶解した蛋白質の分離手段
とすることで、クラゲから蛋白質を回収するさいに海水
のまま処理することができるため、安価で簡易なシステ
ムとすることができる。また、請求項7記載の発明は、
前記溶解手段より供給されるクラゲ溶解水から泡沫を分
離回収する前記泡沫分離手段が、エアレーション槽の上
部に設けられた空隙に滞留する蛋白質吸着泡沫の排出部
を前記空隙に対面して設けてなることを特徴とする。こ
れにより、蛋白質吸着泡沫の分離、回収に熱エネルギー
や添加物の供給が不要となり、かかるシステムのコスト
ダウンが実現できる。
【0013】尚、本発明者らは、クラゲの発泡性を評価
し、発泡性が良好であり、前記泡沫分離手段の適用が可
能であるという結果を得ている。クラゲをミキサーで1
0秒程度粗破砕した場合、海水1mにクラゲが5匹程
度のときは発泡性が殆ど認められなかったのに対し、5
0匹程度の混入率のときは寿命の長い泡沫が発生し、該
泡沫分離により非常に高い処理性が得られることが判明
した。従って、上記したような泡沫分離手段によって、
十分に蛋白質を回収することは可能であり、これにより
簡単な構造で低コストで装置を作成できる。
【0014】請求項8乃至9記載の発明は、前記泡沫分
離手段の好適な構造を提案したもので、請求項8記載の
発明は、前記泡沫分離手段が、エアレーション槽の中央
部にドラフト管を備えた構成であることを特徴とする。
このように、該泡沫分離手段がドラフト管内で気泡と原
水が十分混合されるように構成されることで、略100
%の蛋白質回収率が達成でき、処理水の水質が清浄とな
り後段に設ける排水処理設備を簡易なものとでき、若し
くは水質によっては不要とすることができる。また、請
求項9記載の発明は、前記溶解と泡沫分離が、仕切板を
介して単一槽内で行われることを特徴とし、設置面積を
低減することができる。
【0015】さらに、より一層清浄な処理水を得るシス
テムとして、請求項10記載の発明は、前記泡沫分離に
より排出される処理水の少なくとも一部を前記溶解手段
に返送することを特徴とする。これは、クラゲ未溶解分
やSS分を含有する処理水を溶解手段に返送するライン
を設け、該処理水を循環させることで、前記泡沫分離に
より水中の蛋白及びSS成分の高度除去が可能となり、
排水中の蛋白質、SS分が、放流可能なまでに除去でき
るため、後段に排水処理設備を設ける必要がなくなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例
に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相
対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明
の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に
過ぎない。図1は本発明の第1実施形態に係るクラゲ有
価物回収システムのブロック図(a)、及びかかるクラ
ゲ有価物回収システムの概略構成図(b)、図2は本発
明の第2実施形態に係るクラゲ有価物回収システムのブ
ロック図、図3は図2におけるクラゲ有価物回収システ
ムの概略構成図を示す。
【0017】図1、2において、1はクラゲ溶解槽、2
は蛋白質吸着泡沫を回収するプロティンスキマー、3は
凝集槽、4は分離槽、5はコンポスト発酵を行う発酵
槽、6は凝集剤、7はクラゲ捕集網、8は破砕ポンプで
ある。かかる実施形態におけるクラゲ回収システムは、
好ましくは発電所等の取水口付近に設置され、捕集網7
により陸揚げされたクラゲを輸送車等の輸送手段を必要
とせずかかるシステムに送給できるような立地条件とす
るのがよい。
【0018】かかるクラゲ有価物回収システムの第1実
施形態は、図1(a)に示されるように、取水口に配設
されたクラゲ捕集網7と、該捕集網7にて捕捉されたク
ラゲ10を破砕する破砕ポンプ8、破砕されたクラゲを
含む原水17を溶解処理する溶解槽1、クラゲを十分に
溶解させたクラゲ溶解水16を泡沫分離するプロティン
スキマー2とから構成される。前記クラゲ溶解槽1はク
ラゲが大量に捕集された場合に備えて十分な容量を有
し、クラゲ含有原水17が供給されてから略16時間の
貯留により、殆ど無撹拌の状態でもクラゲは容易に溶解
する。しかし、運転効率上、好ましくは適度に撹拌する
ことが好ましい。かかるクラゲ溶解槽1により前記クラ
ゲは加熱や薬剤等のエネルギー投入無しにクラゲの有用
蛋白を水中に溶解することができる。
【0019】また、前記クラゲ溶解槽1の後流側に設け
られたプロティンスキマー2は水中に溶解した蛋白をバ
ブリングにより水中から分離回収する装置で、後述する
図4乃至図5の構造を有するものが一般的である。かか
る装置によれば、気泡の吹き込みのみで水中に溶解した
蛋白を回収できるため、前記溶解槽1と同様に加熱や薬
剤等のエネルギーを必要とせず、安価な運転コストで以
ってシステムを稼動することができる。
【0020】尚、かかるクラゲ回収システムは図1
(a)に示す処理フローからなり、捕集網7により回収
(S1)されたクラゲ10は破砕ポンプ8により破砕さ
れ(S2)、溶解槽1にて略8〜16時間の撹拌、貯留
にて溶解(S3)される。そして、クラゲ溶解水16は
プロティンスキマー2により泡沫濃縮処理(S4)さ
れ、かかる処理により回収された蛋白質吸着泡沫は濃縮
精製(S5)され、コラーゲン、ゼラチン、若しくはニ
カワなどの有価物(有用蛋白)として回収される。
【0021】図2に示す第2実施形態は、クラゲの破
砕、溶解が完全でなく、原水に不純物であるSSを多く
含む場合の好適な実施形態であり、前記第1実施形態の
回収システムから排出する排水を処理する設備を具えた
場合のクラゲ有価物回収システムである。かかるシステ
ムは図3に示されるように、前記第1実施形態と同様の
クラゲ捕集網7、破砕ポンプ8、溶解槽1、プロティン
スキマー2を備え、該プロティンスキマー2から排出す
る処理水12に凝集剤6を添加する凝集槽3、凝集剤に
より生成するフロックと処理水とを沈降分離する分離槽
4、SSを含有するフロックをコンポスト発酵させる発
酵槽5とから構成される。尚、該発酵槽5はバルブ15
の調整により適宜供給される空気により好気性状態に保
持する。また、凝集槽3に供給する凝集剤は無機系、高
分子系、陽イオン性ポリマー等何れでもよく、処理水の
性質に適した凝集剤を適宜選択するようにする。
【0022】第2実施形態におけるクラゲ回収システム
の処理フローは図2に示されるように、捕集網7により
回収(S1)されたクラゲ10を破砕ポンプ8により破
砕(S2)し、前記溶解槽1によりクラゲを水中に溶解
(S3)する。そしてクラゲ溶解水16はプロティンス
キマーにより泡沫分離(S4)され、コラーゲン、ゼラ
チン及びニカワなどに濃縮精製(S5)されて、有価物
(有用蛋白)として有効利用される。一方、前記泡沫濃
縮(S4)にて排出される処理水12は、凝集槽3にて
凝集剤タンク6aから適宜送り込まれる凝集剤により排
水中のSS分が凝集してフロック化し、分離槽4に送給
される。該分離槽4では、排水中のフロックを沈殿させ
て処理水と分離し(S6)、該分離されたフロックは発
酵槽5へと送られる。さらに、かかるSS分を含有する
フロックはポンプ14により、好気性発酵に適した温度
に保持された発酵槽5にて5日から1週間程度の発酵処
理(S7)を経てコンポスト化され、これにより生成さ
れるコンポストは有効利用される。
【0023】ここで、第1、第2実施形態に用いられる
プロティンスキマー2を図4及び図5を用いて説明す
る。該プロティンスキマー2は、バブリング等で泡沫を
発生させ、該泡沫を分離回収する機構を備えており、例
えば、図4に示す装置においては、プロティンスキマー
2Aの下部に、多数の小孔を有するエアレーション装置
2aが具備され、ここより供給する空気18により泡沫
を発生させ、該泡沫に水中に溶解している蛋白を吸着さ
せて泡沫とともに該蛋白11を回収する構成となってい
る。かかるプロティンスキマー2Aは、発泡性のよい原
水に適しており、簡単な設備で以って安価なコストで有
用蛋白質を回収できる。
【0024】図5に示すプロティンスキマー2Bは、該
プロティンスキマー2Bの中心部にエアレーション装置
2bを具備したドラフト管2cが配設された構造となっ
ている。前記ドラフト管2cの下部から前記クラゲ溶解
水16と空気18を導入し、該空気18により発生する
気泡とクラゲ溶解水16とがドラフト管内部で十分撹拌
されるように流速、気相の吹き込みを制御しているた
め、気泡と溶解水が十分撹拌され、海水中に溶解してい
る蛋白質を略完全に泡沫状蛋白11として回収すること
ができる。かかる実施例は、清浄な処理水を得ることが
でき後段に排水処理設備を設ける必要がなくいため、第
1実施形態におけるシステムに適している。
【0025】また、図6に示すように、前記プロティン
スキマー2Bを用いて処理水を循環させ、より一層の処
理水の浄化を図り、放流可能なまでにすることで、排水
処理システムが全く不要となり、安価なコストで環境的
にも影響の少ない装置が可能となる。これは、プロティ
ンスキマー2Bから排出される処理水12の少なくとも
一部を返送ライン12aにより前記溶解槽1に返送し、
再び溶解、泡沫分離処理を施すことでSS成分の高度除
去が可能となり、排水中の蛋白、SS分が放流可能なま
でに除去できる。
【0026】さらに、図7に溶解、泡沫分離処理を一体
化させた装置20の概略構成図を示す。かかる装置は、
槽の内部を縦方向にクラゲ溶解部19aと泡沫分離部1
9bとに2分割する邪魔板19と、該溶解部19aに備
えられモータ22により作動する撹拌機23と、前記泡
沫分離部19bの下部に備えられたエアレーション装置
21とから構成される。尚、前記邪魔板19はその上下
に空隙を設けているため、溶解部19aと泡沫分離部1
9b間を溶解水が循環可能に構成されている。前記破砕
ポンプ8により粗破砕されたクラゲを含む原水17は、
まず溶解部19aに供給されて撹拌機23により撹拌、
混合されてクラゲ中の蛋白質成分が水中に溶解し、邪魔
板19の間隙から泡沫分離部19bに移動する。ここ
で、クラゲ溶解水は空気21により発生する気泡に吸着
して泡沫11として回収される。このように一体型の構
成を有することで、コンパクト化が可能となり、設置面
積を小さく抑えることができる。
【0027】尚、上記したようなプロティンスキマーを
具えた有価物回収システムにより回収された有用蛋白は
図8乃至図10に示される処理により、コラーゲン、ゼ
ラチン、若しくはニカワとして精製される。図8はコラ
ーゲンを精製するプロセスの一例を示すブロック図で、
図9はゼラチン、図10はニカワを精製するプロセスの
一例を示すブロック図である。コラーゲンの主な精製方
法としては、泡沫に吸着した状態で回収された蛋白か
ら、有機溶媒による抽出、水洗、希塩溶液による抽出、
酸及びアルカリ処理、酵素による作用などの精製処理
(S10)により不純物を取り除き、コラーゲンを不溶
物質として回収する。かかる処理により回収されるコラ
ーゲンは、化粧品や薬品などとして有効利用される。
【0028】一方、有用蛋白をゼラチンとして回収する
場合は、図9に示すように、水洗、酸による中和などの
精製処理(S11)を施したのち、温水による低温、高
温処理(S12)を順次行う。前記コラーゲンの需要が
少ない場合は、本実施例により、写真印画紙、医薬品、
食品等幅広い用途のあるゼラチンとして回収するとよ
い。また、図10に示すニカワは、有用蛋白質を粗精製
(S13)した後、前記ゼラチンと同様に温水処理(S
14)を行い回収する。該ニカワは、ゼラチンに比べて
不純物の多い物質であり、コラーゲンの粗精製物から生
成するためゼラチンよりも低コストで製品を精製でき
る。
【0029】
【発明の効果】かかる発明によれば、発電所等に来襲す
るクラゲを捕捉して除去するため、取水口に配設される
スクリーンの目詰まりを防止でき、また、低投入エネル
ギーで該クラゲ中の有用蛋白を回収でき、コラーゲン、
ゼラチン及びニカワなどの有価物として有効利用するこ
とができる。また、泡沫分離手段を利用することで、簡
易な設備でもって安価なコストでかかるシステムを構成
することができ、さらに省スペース化が実現できるため
発電所等の取水口付近に設置することができ、クラゲの
搬送コストを削減することができる。このように、かか
る発明によれば、経済性、資源有効利用の面からも合理
的なシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係るクラゲ有価物回
収システムのブロック図(a)、及びかかるクラゲ有価
物回収システムの概略構成図(b)を示す。
【図2】 本発明の第2実施形態に係るクラゲ有価物回
収システムのブロック図を示す。
【図3】 図2におけるクラゲ有価物回収システムの概
略構成図を示す。
【図4】 本発明のクラゲ有価物回収システムに用いら
れるプロティンスキマーの概略構成図である。
【図5】 図5におけるプロティンスキマーの別の実施
例を示す概略構成図である。
【図6】 図6に示すプロティンスキマーを用いた別の
実施例を示す概略構成図である。
【図7】 図7に示す泡沫状蛋白回収処理の別の実施例
を示す概略構成図である。
【図8】 泡沫状蛋白からコラーゲンを精製する処理を
示すブロック図である。
【図9】 泡沫状蛋白からゼラチンを精製する処理を示
すブロック図である。
【図10】 泡沫状蛋白からニカワを生成する処理を示
すブロック図である。
【図11】 従来技術におけるクラゲ処理システムを示
す概略構成図である。
【符号の説明】
1 クラゲ溶解槽 2 プロテインスキマー 3 凝集槽 4 分離槽 5 発酵槽 6 凝集剤 7 捕集ネット 8 破砕ポンプ 10 クラゲ 11 泡沫状蛋白 12 処理水 13 コンポスト 14 ポンプ 15 ポンプ 16 クラゲ溶解水 17 原水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 尚樹 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 吉見 勝治 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 樋口 哲郎 下関市彦島江の浦町六丁目16番1号 三菱 重工業株式会社下関造船所内 (72)発明者 佐川 寛 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内 Fターム(参考) 4D004 AA04 BA04 CA04 CA12 CA15 CA41 CB02 CB13 CB27 CB50 4D059 AA08 BA03 BA21 BE31 BE54 BJ03 CC01 4H045 AA10 AA20 BA10 CA50 EA01 EA34 EA40 FA71 GA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クラゲを破砕した後、該クラゲ中に含ま
    れる蛋白質成分を溶解手段により水に溶解させ、泡沫分
    離手段により該溶解蛋白質を吸着させた泡沫を水より分
    離し、分離された蛋白質を有価物として回収、利用する
    ことを特徴とするクラゲ有価物回収システム。
  2. 【請求項2】 前記蛋白質が分離された残余の処理水よ
    りSS分を分離した後、分離されたSS分に発酵処理を
    施してコンポストとして回収することを特徴とする請求
    項1記載のクラゲ有価物回収システム。
  3. 【請求項3】 前記蛋白質を高純度に精製してコラーゲ
    ンを得ることを特徴とする請求項1記載のクラゲ有価物
    回収システム。
  4. 【請求項4】 前記蛋白質を粗精製した後に温水処理を
    施し、ゼラチン(ニカワを含む)を得ることを特徴とす
    る請求項1記載のクラゲ有価物回収システム。
  5. 【請求項5】 前記クラゲが、海水冷却設備を有する事
    業所の取水口付近より回収したクラゲであることを特徴
    とする請求項1記載のクラゲ有価物回収システム。
  6. 【請求項6】 前記破砕が海水とともにクラゲを破砕す
    る破砕手段であって、泡沫分離手段が海水中に溶解した
    蛋白質の分離手段であることを特徴とする請求項1記載
    のクラゲ有価物回収システム。
  7. 【請求項7】 前記溶解手段より供給されるクラゲ溶解
    水から泡沫を分離回収する前記泡沫分離手段が、エアレ
    ーション槽の上部に設けられた空隙に滞留する蛋白質吸
    着泡沫の排出部を前記空隙に対面して設けてなることを
    特徴とする請求項1記載のクラゲ有価物回収システム。
  8. 【請求項8】 前記泡沫分離手段が、エアレーション槽
    の中央部にドラフト管を備えた構成であることを特徴と
    する請求項7記載のクラゲ有価物回収システム。
  9. 【請求項9】 前記溶解と泡沫分離が、仕切板を介して
    単一槽内で行われることを特徴とする請求項7記載のク
    ラゲ有価物回収システム。
  10. 【請求項10】 前記泡沫分離により排出される処理水
    の少なくとも一部を前記溶解手段に返送することを特徴
    とする請求項7記載のクラゲ有価物回収システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007020889A1 (ja) 2005-08-12 2007-02-22 Riken 新規ムチン型糖タンパク質及びその用途
JP2007051191A (ja) * 2005-08-17 2007-03-01 Fukui Prefecture クラゲ類からのコラーゲン回収方法

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