JP5274964B2 - 化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧料に関するものであって、ハモ科、ウナギ科及びアナゴ科から選ばれた魚から得られるコラーゲンを含有し、優れた保湿効果を有し、皮膚や毛髪に対して潤いを与え、皮膚や毛髪を生き生きとした健全な状態に維持、改善する上で有用な化粧料を提供するものである。すなわち、本発明は皮膚に対して、乾燥、肌荒れ、ヒビ、アカギレ、炎症性疾患等を予防、軽減又は改善し、さらに肌に艶や滑らかさを与える効果を奏し、毛髪に対しては、乾燥、パサツキ等に有効な化粧料に関する。
従来、各種用途(化粧料、食品等の配合原料、或いは医療用材料)に用いられているコラーゲンは、一般に、牛や豚等の哺乳動物のコラーゲン組織から抽出されることが多かったが、牛の狂牛病やブタの口蹄疫などの伝染病が頻繁に発生して以来、哺乳動物由来のコラーゲンの使用が回避される傾向にあり、近年、魚由来のコラーゲンが注目されている。これまで、魚由来コラーゲンとしては、例えば、ヒラメ、タラ、マグロ、サメ、サケ等の魚類の皮を原料とするものが知られているが、このような魚類の皮を原料としたコラーゲンは、魚臭さを有し、しかも白濁を生じ透過率が低いといった問題があった。
それを解決するために魚皮下層から身及び脂肪質を機械的に除去する予備加工工程、魚皮を水と混合し色素等を除去する混合及び水洗工程を経る方法(特開平5-202097号公報)や、有機溶媒処理と高速遠心分離処理工程を経る方法(特開2000-256398号公報)さらには、魚鱗由来のもので、魚鱗を脱灰する工程、酸性水溶液中でペプシンにより処理する工程、及びコラーゲンを回収する工程をそれぞれ15℃以下で行うことにより、ペプシン可溶性魚鱗コラーゲンを得る方法(特開平5-125100号公報)、同じく脱灰工程及び酸性水溶液による酸不溶性コラーゲン分離工程をそれぞれ15℃以下で行い、酸不溶性魚鱗コラーゲンを得る方法(特開平5-155900号公報)が開示されている。しかし、これらの方法ではいずれも収率が極めて低く、その結果、製造原価が極めて高くなるなど、現実的な工業的生産に適さないものであった。また、使用したとしても、得られるコラーゲンは多少着色したものとなることが避けられず、無着色で純度の高いコラーゲンは得難いという難点がある。さらに、それら従来の魚コラーゲンの場合には、その保湿作用、水分保持能等が必ずしも十分ではないという問題点があり、かかる点の改善された魚コラーゲンが求められている。
特開平5−202097号公報 特開2000−256398号公報 特開平5−125100号公報 特開平5−155900号公報
本発明は、魚由来のコラーゲンにみられる上述の如きの問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来の魚コラーゲンに比してより高い保湿作用、水分保持作用を有し、皮膚や毛髪に適用したとき、それらに潤いと艶、さらには張りを与えるなど肌質及び髪質改善に著効を示す新規な魚コラーゲンが配合された化粧料を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ハモ科、及びアナゴ科から選ばれた魚から得られる魚コラーゲンが、従来の魚コラーゲンに勝るすぐれた保湿作用、水分保持作用とそれに基づく顕著な肌質改善効果及び髪質改善効果を有することを見い出し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、ハモ科、及びアナゴ科から選ばれた魚から得られる魚コラーゲン及び/又はその誘導体を1種又は2種以上配合することを特徴とする化粧料に関するものである。
なお、本明細書に於いて化粧料なる文言は、いわゆる化粧料のほかに医薬部外品をも含む広義で用いる。
本発明の魚種を原料として得られるコラーゲンは、従来の魚コラーゲンに勝る高い保湿作用、水分保持作用を有しており、皮膚や毛髪に適用したとき、すぐれた肌質及び髪質改善効果を示す。 又、ここに得られる魚コラーゲンの高品質に対応して、それから誘導されるアシル化物、加水分解物などのコラーゲン誘導体についてもまた品質にすぐれたものを得ることが容易であって、本発明の魚コラーゲン及びその誘導体は、化粧料の配合原料等として用いて有用である。従って本発明によれば、それら魚コラーゲン類を配合してなり、安全性にすぐれることはもとより、特に肌質及び髪質の改善に著効を示す化粧料が提供される。
本発明の化粧料で有効成分として用いる特定の魚種のコラーゲン、即ちハモ科、ウナギ科或いはアナゴ科の魚から得られるコラーゲンが、上記の如き従来の魚コラーゲンに勝るすぐれた保湿作用、水分保持作用を示す要因としては、本発明者らの研究の結果によれば、本発明のコラーゲンに、従来のほ乳類或いは魚のコラーゲンには確認されていない以下の如き化学構造上の特徴が共通して見られることから、かかる化学構造が関与しているものと推察される。
即ち、本発明のハモ科、ウナギ科或いはアナゴ科の魚の代表例であるハモ、ウナギ及びマアナゴより得られるI型コラーゲンは、電気泳動によってコラーゲンを構成する3本鎖を分析すると、図1(C)に示すハモの電気泳動図に見られるように、共通してα鎖が従来のウシ、ブタ及びその他魚類などのコラーゲン〔図1(B)〕と異なるバンドを示す。従来のウシ、ブタ及びその他魚類などのI型コラーゲンには、鎖組成が[α1(I)]2 α2(I)およびα1(I)α2(I)α3(I)と表記される2種類の分子形が存在する。しかし、図1(c)に示す電気泳動図の分析結果から、ハモのI型コラーゲンについて、どちらの分子形もあてはまらない。ウナギやハモには、第4のα鎖、α4(I)が存在している。ウナギやハモには、このα4(I)という特有成分があるため、ウシやブタおよびその他魚類などのI型コラーゲンとは鎖組成が異なる。つまりは従来のウシ、ブタ及びその他魚類より得られるI型コラーゲンとは異なり、複数のI型コラーゲンを有しているがために、それらが複合的に働くことによって高い保湿、保水効果を発揮していると考えられる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明でコラーゲンの調製に用いる魚種としては、ハモ科としてハモ属のムラエネソックス シネレウス(Muraenesox cinereus:ハモ)、ムラエネソックス バギオ(Muraenesox bagio:スズハモ)、シシハモ属のシノポンティカス サバンナ(Cynoponticus savanna:シシハモ)、シノポンティカス フェロックス(Cynoponticus ferox)、シノポンティカス コニセップス(Cynoponticus coniceps)、ワタクズハモ属のガヴィアリセプス タイワネンシス(Gavialiceps taiwanensis:ワタクズハモ)、ガヴィアリセプス アラビカス(Gavialiceps arabicus)、ガヴィアリセプス ベルテルセニ(Gavialiceps bertelseni)、ガヴィアリセプス ジャバニカス(Gavialiceps javanicus)、ガヴィアリセプス テイニオラ(Gavialiceps taeniola)、ハシナガハモ属のオキシコンガー レプトグナサス(Oxyconger leptognathus)、Congresox属のコングレソックス タラボノイデス(Congresox talabonoides)、コングレソックス タラボン(Congresox talabon)などが、ウナギ科としてウナギ属のアンギラ ジャポニカ(Anguilla japonica:ウナギ)、アンギラ ロストラータ(Anguilla rostrata:アメリカウナギ)、アンギラ インテリオリス(Anguilla interioris)、アンギラ アンギラ(Anguilla anguilla:ヨーロッパウナギ)などが、又アナゴ科としてはクロアナゴ属のコンガー マイリアステル(Conger myriaster:マアナゴ)、コンガー シネレウス(Conger cinereus:キリアナゴ)、コンガー ジャポニカス(Conger japonicus:クロアナゴ)、ゴテンアナゴ属のアリオソマ シロアナゴ メジャー(Ariosoma shiroanago major:オオシロアナゴ)、エリオソマ ミーキ(Ariosoma meeki:ゴテンアナゴ)、アイアナゴ属のユロコンガー レプテュルス(Uroconger lepturus:アイアナゴ)、オキアナゴ属のコングリスカス メガストマス(Congriscus megastomus:オキアナゴ)等が挙げられる。
それらの魚種のうちでも、得られるコラーゲンの品質、収量等の観点からハモ科の魚としてはハモ(Muraenesox cinereus)及びスズハモ(Muraenesox bagio)が、ウナギ科の魚としてはウナギ(Anguilla japonica)が、アナゴ科の魚としてはマアナゴ(Conger myriaster)が、特に好ましいものとして挙げられる。
以上の如き魚種を原料として本発明のコラーゲンを製造するに当たって、コラーゲンの抽出・採取に用いる魚の部位には特に制限はなく、魚皮、肉質部などを使用することができるが、それらのうちでも、コラーゲンの収量、作業性等の観点から魚皮の使用が最も好ましい。又、魚皮からのコラーゲンの分離方法としては、酸で抽出する方法、タンパク質分解酵素を使用する方法のほかに、アルカリ水溶液を使用する方法などを用いることもできる。
以下に魚皮を原料とする場合を例にとって、本発明のコラーゲンの製造方法について詳述する。
まず、前記した魚種のいずれか1種以上を用いて、その頭部、肉質部及び好ましくはさらに骨を除去して原料の魚皮を得る。
この魚皮について、コラーゲンの抽出を効率よく行うため、最初にこれを5〜30mm角程度の大きさに細断する。或いは幅5〜20mm程度の短冊状としてもよい。
次に、この魚皮細断物に、コラーゲンの抽出に先立って水洗処理を施し、不要物を除去する。
この場合、色素の除去を十分に行うため、水洗を、浴比2〜100、好ましくは5〜50の条件下に、1〜48時間、好ましくは12〜36時間程度行うことが望ましい。 又、ミキサー等を使用して攪拌或いはホモジナイズしつつ水洗を行うと、より効果的に洗浄を行うことができる。
水洗処理を終わったならば、魚皮細断物を水切りし、常法に従って魚皮からコラーゲンを分離する。例えば、酸水溶液を用いてコラーゲンを抽出する場合であれば、以下ようにして行うことができる。
酸としては、酢酸、乳酸、コハク酸、クエン酸などの有機酸が好適に用いられるが、なかでも酢酸の使用が最も好ましい。酸水溶液の濃度は、使用する酸によっても異なるが、一般には水溶液のpHが3〜4の範囲となるような濃度が用いられ、例えば酢酸の場合であれば、0.1〜0.5Mの濃度とするのが好ましい。
コラーゲンの抽出は、魚皮細断物の湿重量に対して、重量比で10〜100倍量、好ましくは20〜50倍量の酸水溶液を用い、2〜15℃で1〜72時間、好ましくは12〜48時間攪拌することによって行われる。
酸抽出時に、抽出浴中に蛋白質分解酵素を添加すると、コラーゲンの収量の増大とテロペプチドの除去(アテロ化)を図ることが可能であって望ましい。
抽出終了後、抽出液から濾過もしくは遠心分離によって抽出残渣の魚皮を除去し、次にここに得られる清澄化抽出液に等電点沈殿処理を施し、抽出液からコラーゲンを析出せしめる。
等電点沈殿処理は、清澄化抽出液に、最終pHが7〜10、好ましくは8〜9となるようにアルカリ水溶液を添加し、攪拌することによって行われる。アルカリ物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが好適に用いられる。
この等電点沈殿処理によってコラーゲンを主体とする蛋白質が析出するので、これを濾過、遠心分離など適宜の手段によって回収する。 又、等電点沈殿法に代えて塩析法を用いてコラーゲンを回収することもできる。
以上の如くして得られるコラーゲンの精製処理は、例えば、コラーゲンを、充分に水洗することによって行うことができる。
ここに得られる精製魚コラーゲンは、その製造工程中、魚皮細断物の水洗工程及び酸抽出工程に於いて、体表色素の殆どすべてが除去され、実質的に無着色でかつ純度も高く、そのままでも化粧料等の配合原料として十分使用可能なものであるが、所望によりこれにさらに、以下に述べる有機溶媒処理を施すことにより、より高品質のコラーゲンとすることもできる。
有機溶媒処理は、精製魚コラーゲンを、重量比でその乾燥重量の0.5〜5倍量、好ましくは1〜2倍量の有機溶媒に懸濁し、0.1〜24時間、好ましくは0.5〜1時間攪拌した後、濾過、遠心分離等適宜の手段を用いてコラーゲンを回収することによって行われる。有機溶媒としては、例えばエタノール、イソプロパノール、アセトン等が用いられる。
この有機溶媒処理によって、精製魚コラーゲン中に微量残存する脂質成分、臭い成分等が除去されるが、それら成分の除去は、上記の操作を繰り返すことによって一層効果的となる。
なお、コラーゲンを溶液の形で使用に供したい場合は、上記の有機溶媒処理を施しもしくは施さないままの固形状の精製魚コラーゲンを、クエン酸等の酸溶液、或いはクエン酸−クエン酸ナトリウム等の中性塩溶液に、所望の濃度となるように再溶解し、必要に応じて濾過を行って清澄化すればよい。
魚皮を原料とする場合の本発明の魚コラーゲンの製造は以上の如くして行われるが、魚皮に代えて肉質部等を原料として用いる場合も、それらに上述の魚皮の場合と同様の処理を施すことによって、同じく品質にすぐれた魚コラーゲンを得ることができる。
以上の如くして得られる本発明の魚コラーゲンは、そのまま化粧料配合原料として用いて有用なものであるが、これにさらにコハク化処理等を施して化学修飾されたコラーゲン(例えばサクシニル化コラーゲン等)としたり、或いは酸、アルカリ、酵素等によって加水分解を行って加水分解物(例えば、加水分解コラーゲン、トリペプチド等)とした上、化粧料等の原料として供することもできる。又このようなコラーゲン誘導体とした場合、原料として用いた本発明の魚コラーゲンの高品質に対応して、従来の魚コラーゲンを出発原料としたものに比してより品質にすぐれた誘導体を得ることが可能である。
ここで化学修飾による魚コラーゲン誘導体としては、例えばサクシニル化コラーゲン、フタル化コラーゲン、マレイル化コラーゲン、ミリスチル−サクシニル化コラーゲンなどのアシル化誘導体等が挙げられる。
上記の魚コラーゲンのアシル化誘導体は、従来公知のアシル化コラーゲンの調製方法に準じて、精製魚コラーゲンに適用されるアシル化剤を反応させることによって製造することができる。
一例として、サクシニル化魚コラーゲンの製造方法を示せば、以下の通りである。
まず、精製魚コラーゲンの水溶液に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリを加えてpHを9〜12に調整し、コラーゲンを不溶化させてコラーゲン分散液を得る。これに、アシル化剤として、コラーゲンの1〜10倍量(重量比)の無水コハク酸を直接又はアセトン、エタノールもしくはメタノール等に溶解して、室温下攪拌しながら徐々に加える。この間、反応液のpHが9を下回らないように、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリで調整する。
不溶化していたコラーゲンが溶解したら反応を止め、反応液に酸を加えてpHを4〜5に調整する。この時、サクシニル化されたコラーゲンは不溶化して析出するので、これを濾過或いは遠心分離などによって回収し、必要ならば水洗、乾燥を行うことによってサクシニル化魚コラーゲンが得られる。
このサクシニル化魚コラーゲンは、pH5〜8の中性水性溶液によく溶解する。
本発明の魚コラーゲンの加水分解物の調製も、従来のコラーゲン加水分解物の調製法と同様の方法によりこれを行って何ら差し支えない。
例えば、精製魚コラーゲンの水溶液に、コラーゲンの0.0005〜0.01倍量(重量比)のタンパク質分解酵素を添加し、酵素の至適pH、至適温度に1〜4時間保持して加水分解を行わしめた後、酵素を失活させ、次いで濾過等を行って夾雑物を除き、さらに所望によりpH調整を行うことにより、魚コラーゲン加水分解物の溶液を得ることができる。
必要ならば、該溶液より常法に従って魚コラーゲン加水分解物を固形物として分離してもよい。
以上の如くして得られる本発明の魚コラーゲン及びその誘導体(以下、それらを総称して魚コラーゲン類と言うことがある)は、魚由来であることから人体に対する安全性にすぐれるばかりでなく、品質面に於いても、従来にない高い保湿能、水分保持能を有するなどすぐれた特性を有しており、化粧料用の配合原料、として用いて有用である。
本発明の魚コラーゲン類を配合してなる化粧料としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、洗顔料などの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダーなどのメイクアップ化粧料、ヘアーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアートリートメント、コンディショナー、染毛料、整髪料などの頭髪化粧料、浴剤などが挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
本発明の化粧料中に於ける魚コラーゲン類の配合量は、従来のコラーゲン含有化粧料の場合と同様であって差し支えなく、例えば基礎化粧料の場合であれば、コラーゲンの固形分として、0.0001〜3.0重量%、好ましくは0.001〜1.0重量%、より好ましくは0.03〜0.25重量%の範囲、メイクアップ化粧料の場合であれば、コラーゲンの固形分として、0.001〜1.50重量%、好ましくは0.01〜0.50重量%、より好ましくは0.03〜0.10重量%の範囲、又頭髪化粧料の場合であれば、コラーゲンの固形分として、0.001〜2.5重量%、好ましくは0.01〜0.50重量%、より好ましくは0.03〜0.15重量%の範囲である。
本発明の魚コラーゲン類を配合した化粧料を調製する場合、その構成成分としては通常化粧料に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料、生理活性成分等を使用することができる。
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油などの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては,例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
又、乳化剤乃至乳化助剤として、レシチン及びその誘導体、乳酸菌醗酵米等を配合することもできる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、乳酸菌醗酵米、ヒアルロン酸及びその誘導体、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻或いは紅藻由来成分;ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類;キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
防腐殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール等がある。
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、シルクパウダー等がある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等がある。
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体等がある。
生理活性成分としては、例えば美白成分として、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、アルブチン及びその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、胎盤抽出物、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽出物、米糠抽出物の加水分解物、白芥子抽出物、アナアオサ等の海藻の抽出物、アマモ等の海草の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体等が、皮膚老化防止・肌荒れ改善(美肌化)成分として、ニコチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、アラントイン、α−ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、エルゴチオネイン、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトムギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエキスなどの生薬抽出エキス、米抽出物加水分解物、米醗酵エキス、ミツイシコンブ抽出物等がある。
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、3−O−エチルアスコルビン酸などのO−アルキルアスコルビン酸類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド(2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)、L−アスコルビン酸−5−グルコシド(5−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)などのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類等が、レゾルシノール誘導体としては、例えば4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、ビタミンE誘導体としては、例えばビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等が、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
次に、実施例、処方例(化粧料の実施例)及び試験例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下に於いて、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
実施例1.ハモコラーゲンの調製
冷凍されたハモ(Muraenesox cinereus)の皮30gを解凍して10〜20mm角に細断した。この細断物に精製水900mLを加えてジューサーミキサーでホモジナイズし、液相部を捨てる操作を3回繰り返し、魚皮細断物を十分水洗した。
次に、水洗した魚皮を十分水切りし、これにペプシン0.03gを含む0.5M酢酸水溶液900mLを加え、4〜10℃で24時間攪拌してコラーゲンを抽出した。
この抽出液を濾過して抽出残渣の魚皮を除いた後、得られた清澄化抽出液に、攪拌下10%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを8.5とし、添加終了後さらに1時間攪拌を続けてコラーゲンを析出させた。
析出したコラーゲンを遠心分離により回収し、これを50mMNa2HPO4液900mLに懸濁して24時間攪拌した後、再び遠心分離を行ってコラーゲンを回収した。
次に、回収されたコラーゲンを精製水900mLに懸濁し、攪拌水洗後遠心分離する操作を3回繰り返した後、得られた精製コラーゲンを0.02重量%りん酸水溶液に溶解して、固形分濃度0.3重量%で略々無色のコラーゲン水溶液450gを得た。
なお、以上の操作は、室温及び液温がいずれも15℃以下となるような条件下にこれを行った。
実施例2.ウナギコラーゲンの調製
冷凍されたウナギ(Anguilla japonica)の皮30gを解凍して10〜20mm角に細断した。この細断物に精製水900mLを加えてジューサーミキサーでホモジナイズし、液相部を捨てる操作を3回繰り返し、魚皮細断物を充分水洗した。
次に、水洗した魚皮を十分水切りし、これに0.05Mクエン酸水溶液600mLを加え、4〜10℃で24時間攪拌してコラーゲンを抽出した。
この抽出液を濾過して抽出残渣の魚皮を除いた後、得られた清澄化抽出液に、攪拌下10%水酸化カリウム水溶液を添加し、pHを8とし、添加終了後さらに1時間攪拌を続けてコラーゲンを析出させた。
析出したコラーゲンを遠心分離により回収し、これを0.02重量%クエン酸水溶液に溶解して、固形分濃度0.3重量%で略々無色のコラーゲン水溶液350gを得た。
なお、以上の操作は、室温及び液温がいずれも15℃以下となるような条件下にこれを行った。
実施例3.マアナゴコラーゲンの調製
ハモの皮に代えて、マアナゴ(Conger myriaster)の皮を用いるほかは実施例1と同様にして、濃度0.3重量%で略々無色のコラーゲン水溶液300gを得た。
実施例4.ハモコラーゲン粉末の調製
実施例1に於いて、精製コラーゲンを0.02重量%リン酸水溶液に溶解してコラーゲン水溶液とする代わりに、精製コラーゲンを凍結乾燥し、粉砕するほかは実施例1と同様にして、白色のコラーゲン粉末1.3gを得た。
実施例5.サクシニル化コラーゲンの調製
実施例4と同様にして得られたコラーゲン粉末を精製水に分散させて固形分濃度0.1重量%のコラーゲン分散液1000gを調製し、この分散液を1mol/Lの水酸化カリウム水溶液でpH9.5に調整した。これに、エタノール20mLに溶解した無水コハク酸5gを徐々に加え、低温(約4℃)で12時間攪拌した。この間反応液のpHが9を下回らないように1mol/L水酸化カリウム水溶液で調整した。反応終了後、反応液に1mol/L塩酸を添加してpHを4.5に調整し、不溶化したサクシニル化コラーゲンを濾過により回収した。これを0.1mol/L塩酸で洗浄し、減圧乾燥した後、クエン酸緩衝液(pH6.3)に溶解し、固形分濃度0.3重量%で略々無色のサクシニル化コラーゲン水溶液300gを得た。
なお、以上の操作は、室温及び液温がいずれも15℃以下となるような条件下にこれを行った。
実施例6.スズハモコラーゲンの調製
ハモの皮に代えて、スズハモ(Muraenesox bagio)の皮を用いるほかは実施例1と同様にして、濃度0.3重量%で略々無色のコラーゲン水溶液420gを得た。
実施例7.加水分解ハモコラーゲン液の調製
実施例4と同様にして得られたハモコラーゲン粉末を精製水に分散させて固形分濃度1重量%のコラーゲン分散液100gを調製し、この液に加水分解型の蛋白分解酵素を0.01重量%添加し、40〜50℃に保温下で、1時間撹拌して酵素加水分解を行った。加水分解終了後、80℃に昇温し、30分間保温して酵素を失活させ、ろ過して濃度1%の加水分解ハモコラーゲン液90gを得た。
比較実施例1.サケコラーゲンの調製
ハモの皮に代えて、サケ(Oncorhynchus keta)の皮を用いるほかは実施例1と同様にして、固形分濃度0.3重量%で略々無色のコラーゲン水溶液150gを得た。
比較実施例2.マグロコラーゲンの調製
ハモの皮に代えて、マグロ(Thunnus thynnus:クロマグロ)の皮を用いるほかは実施例1と同様にして、固形分濃度0.3重量%のコラーゲン水溶液160gを得た。
この溶液は薄灰色を呈しており、脱色処理によってもこれを無色化することは困難であった。
比較実施例3.ウシノシタコラーゲンの調製
ハモの皮に代えて、ウシノシタ(Paraplagusia japonica:クロウシノシタ)の皮を用いるほかは実施例1と同様にして、固形分濃度0.3重量%で略々無色のコラーゲン水溶液120gを得た。
比較実施例4.タイウロココラーゲンの調製
ハモの皮に代えてタイ(Pagrus major:マダイ)のウロコを用い、実施例1と同様の抽出操作により、固形分濃度0.3重量%で略々無色のコラーゲン水溶液300gを得た。
処方例1.クリーム
[A成分] 部
スクワラン 5.0
オリーブ油 4.0
パラフィン 5.0
セタノール 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
ソルビタンモノステアレート 2.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 10.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.1
実施例1のコラーゲン水溶液 20.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して均質なクリームを得た。
処方例2.乳液
[A成分] 部
スクワラン 10.0
オリーブ油 4.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.1
実施例1のコラーゲン水溶液 15.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して均質な乳液を得た。
処方例3.化粧水
[成分] 部
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
実施例2のコラーゲン水溶液 20.0
精製水 全量が100部となる量
全ての原料を合わせ攪拌混合して溶解し、透明の化粧水を得た。
処方例4.エッセンス
[成分] 部
エタノール 2.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
ヒアルロン酸 0.1
実施例1のコラーゲン水溶液 60.0
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
精製水 全量が100部となる量
精製水にヒアルロン酸を溶解させた後、残りの原料を順次加えて攪拌溶解させ、透明のエッセンスを得た。
処方例5.乳液
処方例2のC成分中、実施例1のコラーゲン水溶液に代えて実施例2のコラーゲン水溶液を用いるほかは処方例2と同様にして均質な乳液を得た。
処方例6.乳液
処方例2のC成分中、実施例1のコラーゲン水溶液に代えて実施例3のコラーゲン水溶液を用いるほかは処方例2と同様にして均質な乳液を得た。
処方例7.乳液
処方例2のC成分中、実施例1のコラーゲン水溶液に代えて実施例5のサクシニル化コラーゲン水溶液を用いるほかは処方例2と同様にして均質な乳液を得た。
処方例8.乳液
処方例2のC成分中、実施例1のコラーゲン水溶液に代えて実施例6のコラーゲン水溶液を用いるほかは処方例2と同様にして均質な乳液を得た。
処方例9.乳液
処方例2のC成分中、実施例1のコラーゲン水溶液に代えて実施例7の加水分解ハモコラーゲン水溶液を用いるほかは処方例2と同様にして均質な乳液を得た。
処方例10.乳液
[A成分] 部
スクワラン 10.0
オリーブ油 4.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
パラアミノ安息香酸エチル 1.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
コウジ酸 1.0
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.1
実施例1のコラーゲン水溶液 15.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して均質な乳液を得た。
処方例11.乳液
[A成分] 部
スクワラン 10.0
オリーブ油 4.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.1
実施例1のコラーゲン水溶液 15.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して均質な乳液を得た。
処方例12.乳液
処方例11のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム3.0部を用いるほかは処方例9と同様にして均質な乳液を得た。
処方例13.乳液
処方例11のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム3.0部を用いるほかは処方例9と同様にして均質な乳液を得た。
処方例14.乳液
処方例11のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部に代えてアルブチン3.0部を用いるほかは処方例9と同様にして均質な乳液を得た。
処方例15.乳液
処方例11のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部に代えて米糠抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「グレイスノウ*雪*HP」、固形分濃度3.5%)5.0部を用いるほかは処方例9と同様にして均質な乳液を得た。
処方例16.乳液
処方例11のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部に代えて白芥子抽出物(株式会社テクノーブル製、商品名「シナブランカ−WH」、固形分濃度1.0%)5.0部を用いるほかは処方例9と同様にして均質な乳液を得た。
処方例17.乳液
処方例11のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部に代えてγ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸1.0部を用いるほかは処方例9と同様にして均質な乳液を得た。
処方例18.乳液
[A成分] 部
スクワラン 10.0
オリーブ油 4.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
米抽出物加水分解物 5.0
(株式会社テクノーブル製、商品名「オリゼノーブル」、固形分濃度1.5%)
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.1
実施例2のコラーゲン水溶液 15.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して均質な乳液を得た。
処方例19.ヘアートリートメント
[A成分] 部
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 5.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.0
オクチルドデカノール 2.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 0.2
実施例1のコラーゲン水溶液 20.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却した。
処方例20.リクイドファンデーション
[A成分] 部
セタノール 0.5
モノステアリン酸グリセリル 2.0
ラノリン 2.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
[B成分]
キサンタンガム 0.2
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適 量
[D成分]
香料 0.1
実施例6のコラーゲン水溶液 15.0
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを40℃以下まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
処方例21.クリームファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 5.0
セタノール 2.0
モノステアリン酸グリセリル 3.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
[B成分]
ソルビトール 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
エチルパラベン 0.05
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 2.0
カオリン 5.0
ベントナイト 1.0
着色顔料 適 量
[D成分]
香料 0.3
実施例3のコラーゲン水溶液 10.0
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを40℃以下まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
処方例22.クリームリンス
[A成分] 部
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.0
ステアリルアルコール 1.0
[B成分]
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
実施例2のコラーゲン水溶液 20.0
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて40℃以下まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
処方例23.クリームシャンプー
[A成分] 部
N−ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0
ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
メチルパラベン 0.1
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
[B成分]
実施例1のコラーゲン水溶液 20.0
A成分を80℃に加温して均一に溶解し、40℃以下まで冷却した後、B成分を加え、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
処方例24.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 20.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 20.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
1,3−ブチレングリコール 5.0
精製水 全量が100部となる量
[B成分]
実施例6のコラーゲン水溶液 20.0
A成分を80℃に加温して均一に溶解し、40℃以下まで冷却した後、B成分を加え、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却した。
処方例25.プレストパウダー
[A成分] 部
ベンガラ 0.5
黄酸化鉄 1.5
黒酸化鉄 0.1
酸化チタン 10.0
ナイロンパウダー 4.0
セリサイト 全量が100部となる量
マイカ 23.0
タルク 25.0
実施例4のハモコラーゲン粉末 0.1
[B成分]
スクワラン 1.0
メチルポリシロキサン 4.0
プロピルパラベン 0.1
デヒドロ酢酸 0.1
流動パラフィン 2.0
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ混合攪拌し混合した後、200メッシュのタイラーメッシュの篩にかけ、得られた混合粉末を金型に打型してプレストパウダーを得た。
処方例26.石けん
[A成分] 部
硬化ヒマシ油 26.0
ヤシ油 10.0
オリーブ油 4.0
[B成分]
水酸化ナトリウム 6.0
砂糖 10.0
グリセリン 5.0
実施例4のハモコラーゲン粉末 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
エタノール 20.0
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加えてケン化した。これを攪拌しながら50℃まで冷却し、C成分を加えた。これを型に流し込み冷却した後、室温下で数日間乾燥させ、充分に乾燥したものを型から取りだして石けんを得た。
比較処方例1
処方例4に於いて、実施例1のハモコラーゲン水溶液に代えて比較実施例1のサケコラーゲン水溶液を用いるほかは処方例4と同様にしてエッセンスを得た。
比較処方例2
処方例4に於いて、実施例1のハモコラーゲン水溶液に代えて比較実施例2のマグロコラーゲン水溶液を用いるほかは処方例4と同様にしてエッセンスを得た。
比較処方例3
処方例4に於いて、実施例1のハモコラーゲン水溶液に代えて比較実施例3のウシノシタロコラーゲン水溶液を用いるほかは処方例4と同様にしてエッセンスを得た。
比較処方例4
処方例4に於いて、実施例1のハモコラーゲン水溶液に代えて比較実施例4のタイウロココラーゲン水溶液を用いるほかは処方例4と同様にしてエッセンスを得た。
試験例1.コラーゲン水溶液の保湿性試験
実施例及び比較実施例で製造した各種コラーゲン水溶液を被験物質とし、男女パネラーによる保湿性試験を実施した。
[試験方法]
被験者5名の前腕部に、1cm角の被験部位を6箇所設定し、それぞれの部位の初期水分量をインピーダンスメーター(SKIN SURFACE HYGROMETER SKICON- 200 I.B.S社)で3回ずつ測定し平均値を求めた。
次に、各被験物質20μLを、各被験部位に塗布し、塗布10、20、30分後に被験者部位の皮膚水分量を3回ずつ測定し、皮膚水分増加量の平均値を求めた。
皮膚水分増加量(ΔμS)=
各測定時間での皮膚水分量(μS,平均値)− 初期の皮膚水分量(μS,平均値)
[結果]
これらの試験結果を表1に示した。その結果、ハモ、スズハモ、ウナギ、マアナゴの魚皮の抽出物から得られる魚コラーゲンは、従来公知のサケ、マグロ、ウシノシタの魚皮或いはタイの鱗から得られる魚コラーゲンに比べて、遙かに優れた皮膚保湿力を有することが認められた。又、実施例5のサクシニル化コラーゲンも同様に優れた皮膚保湿力を有することが判る。
試験例2.コラーゲン水溶液の保水性試験
実施例及び比較実施例で製造した各種コラーゲン水溶液を被験物質とし、保水性試験を実施した。
[試験方法]
各被験物質約5gを、直径35mmのプラスチックシャーレに精密に量り採り、
ヒトの皮膚上を想定して35℃の恒温器中に保管し、3時間毎に重量を測定して水分の減少率を求めた。
[結果]
これらの試験結果を表2に示した。その結果、ハモ、スズハモ、ウナギ、マアナゴの魚皮の抽出物から得られる魚コラーゲン及びそのサクニシル化誘導体は、優れた保水力を有することが認められた。
試験例3.モニター試験
実施例及び比較実施例で製造した各種コラーゲン水溶液を含有するエッセンスを製造し、モニターテストによる保湿効果及び肌改善効果試験を実施した。
[試料]
本発明試料:処方例4のエッセンス
比較試料1:比較処方例1のエッセンス
比較試料2:比較処方例2のエッセンス
比較試料3:比較処方例3のエッセンス
比較試料4:比較処方例4のエッセンス
[試験方法]
無作為に抽出した20才から55才の女性40名を被験者とし、1グループ10名の4グループ(A,B,C,D)に分け、グループ毎に本発明試料(試料(1))と各比較試料(試料(2),(3),(4),(5))を顔面の左右に、別々に、1日2回(朝、晩)1ヶ月間塗布し、比較テストを行った。
各グループの使用試料と塗布部位は次のとおりである。
Aグループ:本発明試料左顔面/比較試料1右顔面
Bグループ:比較試料2左顔面/本発明試料右顔面
Cグループ:本発明試料左顔面/比較試料3右顔面
Dグループ:比較試料4左顔面/本発明試料右顔面
[評価法]
左右顔面の肌の「つや」「滑らかさ」「キメ」「張り」「しっとり感」及び「くすみ」の5項目を自己判断により、以下の5段階の評価言語から該当すると思われる数値を選択し、評価点とした。
5:非常によい。(著しく改善された。)
4:良い。(かなり改善された。)
3:やや良い。(多少改善された。)
2:良くも悪くもない。(変化がない。)
1:悪い。(状態が悪くなった。)
また、モニターテスト終了後、各グループの被験者に、左右に塗布していた試料について、総合的にどちらの試料の方が保湿、肌質改善効果が高かったか(総合評価での優位判定)を自己評価により選択させた。
[結果]
5項目の評価結果を表3及び表4に、又総合的評価の結果を表5に示した。その結果、ハモの魚皮から得られるコラーゲンは、サケ、マグロ、ウシノシタなどの魚皮あるいはタイウロコから得られるコラーゲンよりも、優れた保湿効果及び肌にキメや張りを与える肌改善効果を有することが認められた。
は、本発明のハモコラーゲンとウシコラーゲンの電気泳動図である。
符号の説明
A:分子量マーカー
B:ウシコラーゲン
C:ハモコラーゲン

Claims (5)

  1. ハモ科、及びアナゴ科から選ばれた魚から得られる魚コラーゲン及び/又はその誘導体を1種又は2種以上配合することを特徴とする化粧料。
  2. ハモ科に属する魚がハモ(Muraenesox
    cinereus)又はスズハモ(Muraenesox bagio)、アナゴ科に属する魚がマアナゴ(Conger myriaster)である請求項1に記載の化粧料。
  3. 魚皮から得られるコラーゲン及び/又はその誘導体を用いる請求項1又は2に記載の化粧料。
  4. コラーゲン誘導体がアシル化物又は加水分解物である請求項1又は2に記載の化粧料。
  5. サクシニル化コラーゲンである請求項4に記載の化粧料。
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