JP6166506B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、甘藷(サツマイモ)焼酎粕又はそのエキスを有効成分とし、すぐれた皮膚老化防止効果と美白効果の両方を併せ持ち、かつ、生体安全性にすぐれた皮膚外用剤に関する。
焼酎蒸留粕(以下、焼酎粕と称する)は焼酎の製造過程で生じる副産物あり、産業廃棄物として取り扱われ、その処分に費用等がかかることから、その有効利用が望まれてきた。
近年、焼酎粕を配合した化粧料や皮膚外用剤が検討されており、例えば、米、麦、芋、黒糖の焼酎粕が、保湿効果、メラニン生成抑制効果、及び/又は真皮タンパク質(コラーゲンやヒアルロン酸)産生促進効果を有することを見出し、その作用を利用した化粧料や皮膚外用剤が提案されている(特許文献1〜6)。
特開平03−232811号 特開2004−248592号 特開2005−015456号 特開2006−199618号 特開2006−273822号 特開2007−291051号 特開2009−107983号 特開11―106336号
上述したように、従来、米、麦、芋、黒糖等の焼酎粕を利用した化粧料や皮膚外用剤が提案されているが、その有効性が明確に示されている焼酎粕原料は、米、麦、黒糖のみであり、甘藷等の芋について明確にその有効性を示したものは未だ提案されていない。
また、甘藷以外の焼酎粕についても、従来明らかになっている有効性は、保湿作用、コラーゲンやヒアルロン酸等の真皮タンパク質の産生促進作用、メラニンの産生抑制作用に止まっている。近年、紫外線、ストレス、加齢等の様々な要因によって生じる皮膚の老化やトラブルを、より多面的かつ効果的に予防・改善することができる皮膚外用剤が求められ、焼酎粕等を皮膚外用剤の原料として利用する場合にも、様々な有効性を併せ持つものが求められている。
近年、皮膚老化の一つのメカニズムとしてタンパク質糖化反応(メイラード反応)、及びその反応により生じるアドバンスドグリケーションエンドプロダクツ(advanced glycation end product(AGE))と呼ばれるタンパク質糖化反応最終産物の蓄積が注目を集めている。タンパク質糖化反応とは、タンパク質のN末端アミノ基、又はリジン残基のε-アミノ基と、還元糖のカルボニル基との間で起こる非酵素的糖付加反応であり、これにより生じるAGEは一つではなく、蛍光発生、発色(褐色)、及び/又は分子架橋形成等の特徴を有する複数のものが確認されている。このタンパク質糖化反応が皮膚において生じると、皮膚のタンパク質(コラーゲン、エラスチン等)の機能が損なわれ、その結果、肌の柔軟性・弾力性が失われ、シワ・たるみの原因となる。従来、タンパク質糖化抑制作用を有する化合物として、アミノグアニジンが報告されているが、皮膚外用剤の原料として見た場合、タンパク質糖化抑制効果を十分に発揮するとは言い難く、かつ、副作用を有することも報告されている(特許文献7)。また、タンパク質糖化抑制効果を有する天然物(トウニン、マロニエ等の植物)由来のものも報告されているが(特許文献8)、それらは、安全性、有効性、及び入手の容易性の点で、皮膚外用剤の原料として十分に満足し得るものではない。
本発明者らは、かかる従来技術の問題点を克服すべく鋭意研究、検討を重ねた結果、甘藷焼酎粕及び/又はそのエキスが、格段にすぐれたタンパク質糖化抑制効果、線維芽細胞賦活効果、コラーゲン産生促進効果、及びチロシナーゼ活性抑制効果を併せ持つことを見出して、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は甘藷焼酎粕及び/又はそのエキスを有効成分として含む皮膚外用剤である。好ましくは、甘藷焼酎粕から固液分離して得られる液状物を有効成分として含む皮膚外用剤である。
本発明の有効成分である甘藷焼酎粕及び/又はそのエキスは、格段にすぐれたタンパク質糖化抑制効果、線維芽細胞賦活効果、コラーゲン産生促進効果、及びチロシナーゼ活性抑制効果を有することから、甘藷焼酎粕を有効成分とする本発明の皮膚外用剤は、シワ、タルミ、シミ、及びソバカスなどの予防や改善に多面的かつすぐれた効果を発揮する。また、天然物である甘藷(サツマイモ)に由来するものであることから、生体安全性にすぐれている。
図1は甘藷焼酎粕エキスのタンパク質糖化抑制効果を示す図である。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明で用いる甘藷焼酎粕の原料となる甘藷としては、例えば、赤芋、黄金千貫、ジョイホワイト、しもん芋、金時芋、紫芋等が挙げられるが、特に、熊本県産の赤芋(高系14号)が好ましい。
本発明で言う「甘藷焼酎粕」とは、一般的な甘藷焼酎の製造過程で生じる副産物(焼酎蒸留残渣)である。例えば、原料として甘藷を蒸して粉砕し、これに米、麹菌により別途調製した一次もろみを加えて2次もろみを調製し、これを発酵させた後、蒸留して得られる留出分(焼酎)を除いた残渣分(粕)である。本発明では、甘藷焼酎粕から固液分離して得られる液状物をフィルター等で濾過し、得られた濾液(甘藷焼酎粕エキス)が特に好適に用いられる。ここで、液状物の分離は、通常用いられる方法、例えば、圧搾濾過や遠心分離等の方法により行うことができる。
また、本発明では、上記濾液を乾燥することで得られる固形物を所定の溶媒で抽出して得られる甘藷焼酎粕エキスを用いることもできる。この場合は、固形物に所定の溶媒を加えて抽出処理を行い、抽出物溶液を濾過して得られる濾液(甘藷焼酎粕エキス)を使用する。ここで、濾液の乾燥は、例えば、スプレードライ法や凍結乾燥法等の常法により行うことができる。
また、本発明では、甘藷焼酎粕を乾燥させ、その乾燥物を所定の溶媒で抽出して得られる甘藷焼酎粕エキスを使用しても良い。この場合は、甘藷焼酎粕の乾燥物に所定の溶媒を加えて抽出処理を行い、抽出物溶液を濾過して得られる濾液(甘藷焼酎粕エキス)を使用する。
以下に、上記甘藷焼酎粕の抽出物溶液を調製する場合の抽出条件の詳細を以下に示す。
まず、抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類;オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの高級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、トリオクタン酸グリセリルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独でもしくは2種以上混合して用いられる。
それらの溶媒の中でも、皮膚外用剤への幅広い適用が可能であるという点から、本発明においては、水、低級アルコール類又は多価アルコール類などの親水性溶媒が好適に用いられる。この親水性溶媒を用いる場合の好ましい例としては、例えば、水もしくは低級アルコール類(特に、エタノール)の単独使用、水と低級アルコール類(特にエタノール)との混合溶媒、又は水と多価アルコール類(特に1,3−ブチレングリコールもしくはプロピレングリコール)との混合溶媒の使用等が挙げられるが、なかでも水の単独使用が最も好ましい。
抽出物溶液の調製に際して、そのpHに特に限定はないが一般には4〜8の範囲とすることが好ましく、かかる意味で、必要ならば上記の抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性調整剤や、クエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤等を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
甘藷焼酎粕と溶媒との重量比、抽出温度、及び抽出時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類やpHによっても異なるが、例えば、水を抽出溶媒とする浸漬法の場合であれば、重量比で、甘藷焼酎粕に対して溶媒が1〜100倍量、好ましくは1〜20倍量の範囲であり、抽出温度は4〜100℃、好ましくは20〜90℃、抽出時間は4℃の冷温抽出の場合で8時間〜50日間、好ましくは24時間〜20日間、40℃の中温抽出の場合で1時間〜20日間、好ましくは3時間〜5日間、80℃の高温抽出の場合で10分〜8時間、好ましくは30分〜3時間の範囲である。
以上のようにして得られる甘藷焼酎粕エキスは、一般にはpHを4〜8に調整した上、これをそのまま皮膚外用剤の配合原料として使用してもよく、また、必要ならば減圧濃縮等により適宜の濃度として用いてもよい。また、必要により、公知の方法(例えば、珪藻土処理、活性炭処理)により、脱臭・脱色を行っても良い。さらに場合によっては、スプレードライ法、凍結乾燥法など常法に従って粉末化することもできる。
以上のようにして得られる本発明の甘藷焼酎粕エキスを配合してなる皮膚外用剤としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エキス、パック、洗顔料などの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リキッドファンデーション、メイクアッププレスパウダーなどのメイクアップ化粧料、洗顔料、ボディシャンプー、石けんなどの清浄用化粧料、さらには浴剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の皮膚外用剤における甘藷焼酎粕エキスの配合量は、固形分として、基礎化粧料の場合は、一般に0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%の範囲、メイクアップ化粧料の場合は、一般に0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%の範囲、清浄用化粧料の場合は、一般に0.01〜0.5重量%、また、浴剤の場合は、一般に0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%の範囲である。
本発明の皮膚外用剤には、上記の必須成分の他に、通常皮膚外用剤に用いられる配合成分、例えば油性成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、色素、香料、抗酸化剤、生理活性成分などを必要に応じて適宜配合することができる。
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシルなど)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類などが挙げられる。
界面活性剤としては,例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤などを使用することができる。
また、乳化剤乃至乳化助剤として、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体、乳酸菌発酵米、乳酸菌発酵発芽米、乳酸菌発酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)、ジョアゼイロ(Zizyphus joazeiro)抽出物などを配合することもできる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウムなどがあり、さらにトレハロースなどの糖類、乳酸菌発酵米、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、加水分解シルク蛋白質、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、フィトステロール、大豆リン脂質、イソステアリン酸コレステリル、海藻抽出物、魚介類由来コラーゲン及びその誘導体、各種アミノ酸及びそれらの誘導体(例えばトリメチルグリシンなど)、ビャッキュウ抽出物、豆乳発酵液、納豆エキス、米由来抽出物及びその発酵物などが挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダンなどの褐藻、緑藻或いは紅藻由来成分、ビャッキュウ抽出物、ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体などの多糖類、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガムなどのガム類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体などの合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリグルタミン酸及びその誘導体、グルコシルトレハロースと加水分解水添澱粉を主体とする糖化合物などが挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物、プロポリスエキス、メチルイソチアゾリノンなどがある。
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、6−又は12−ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダーなどがある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物などがある。
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体、ユビデカキノン(ユビキノン)、ルチン、ルチングルコシド、白芥子抽出物、イネ抽出物、ムラサキシキブ抽出物、シラカバ抽出物、ハマメリス抽出物、ウーロン茶抽出物、黒豆加水分解抽出液、ハゴロモグサ抽出液などがある。
さらに必要ならば、本発明で用いる発酵物の作用効果及び特長を損なわない範囲で、他の生理活性成分(美白剤、皮膚老化防止・肌荒れ改善剤など)を配合してもよく、かかるものとしては、例えば美白剤であれば、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、トラネキサム酸、ハイドロキノン誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、胎盤抽出物、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽出物、米糠抽出物加水分解物、乳酸菌発酵米、乳酸菌発酵発芽米、乳酸菌発酵穀類(麦類、豆類、雑穀類)、白芥子抽出物、白芥子加水分解抽出物、ムラサキシキブ抽出物、ハスの実発酵物、党参抽出物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、ヒカゲノツルニンジン(Codonopsis
pilosula)抽出物、カミツレ抽出物(商品名:カモミラET)、ジンコウ抽出物、ハマメリス抽出物、イタドリ抽出物、サワヒヨドリ抽出物、甘草抽出物、フキタンポポ抽出物、アルテア抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ユキノシタ抽出物、ナツメ抽出物、シャクヤク抽出物、トウキ抽出物、モモ抽出物、コンブなどの海藻の抽出物、アマモなどの海草の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体などが、又皮膚老化防止・肌荒れ改善成分であれば、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、セラミドなどの細胞間脂質、ニコチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩など)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体(d,l−α−トコフェリルリン酸ナトリウムなど)、アラントイン、α−ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、コエンザイムQ−10、α−リポ酸、エルゴチオネイン、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトムギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエキスなどの生薬抽出エキス、米糠抽出物加水分解物、米抽出物加水分解物、低アレルゲン米抽出物加水分解物、米発酵エキス、ミツイシコンブ抽出物、アナアオサ抽出物、アマモなどの海草の抽出物、ソウハクヒエキス、ジョアゼイロ(Zizyphus joazeiro)抽出物、ブナ抽出物、キダチアロエ抽出物、マンネンロウ抽出物、イチョウ抽出物、スギナ抽出物、ベニバナ抽出物、オタネニンジン抽出物、セイヨウニワトコ抽出物、ハゴロモグサ抽出物、レンゲ抽出物、マンゴー抽出物、チェリモヤ抽出物、マンゴスチン抽出物、タベブイア・インペティギノーサ抽出物、酵母抽出物、卵殻膜抽出蛋白質、デオキシリボ核酸カリウム塩、ハス種子発酵液、水ナス抽出物、紫蘭根抽出物、ムラサキシキブ抽出物、イネ抽出物、サンゴ草抽出物、花粉荷エキスなどが挙げられる。
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体などが、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、3−O−エチルアスコルビン酸などのO−アルキルアスコルビン酸類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド(2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)、L−アスコルビン酸−5−グルコシド(5−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)などのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウムなどが、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン−β−D−グルコピラノシド)、α−アルブチン(ハイドロキノン−α−D−グルコピラノシド)などが、レゾルシノール誘導体としては、例えば4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノールなどが、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸などが、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジルなどが、ビタミンE誘導体としては、例えばビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレートなどが、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸などがある。
次に、製造例、実施例(皮膚外用剤の処方例)、及び試験例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下において、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
製造例1
甘藷(赤芋)焼酎粕100gを、ぬか袋で圧搾濾過し、圧搾濾液59gを得た。次に、圧搾濾液59g に対して、1%重量の珪藻土を添加・濾過し、濾液 55gを得た。次に、55gの濾液に対して、0.5%重量の活性炭を添加し、室温で1時間攪拌後、濾過し、淡褐色透明の溶液49g(固形分濃度
2.5%)を得た。これを精製水で固形分1.0%となるように希釈し、甘藷焼酎粕エキスとした。
製造例2
甘藷(赤芋)焼酎粕100gを、ぬか袋で圧搾濾過し、圧搾濾液65gを得た。次に、圧搾濾液65gに対して1%重量の珪藻土を添加・濾過し、褐色透明の溶液56g(固形分濃度2.8%)を得た。これを精製水で固形分1.0%となるように希釈し、甘藷焼酎粕エキスとした。
製造例

甘藷(赤芋)焼酎粕を乾燥し、粉砕した。粉砕物10gに対して精製水100gを混合し、80℃で攪拌しながら、2時間抽出した。抽出物溶液を濾過し、褐色透明の溶液エキス86g(固形分濃度2.9%)を得た。これを精製水で固形分1.0%となるように希釈し、甘藷焼酎粕エキスとした。
実施例1.クリーム
[A成分] 部
流動パラフィン 5.0
ヘキサラン 4.0
(株式会社テクノーブル製 トリオクタン酸グリセリル)
パラフィン 5.0
グリセリルモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 6.0
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例1の甘藷焼酎粕エキス 10.0
グリセリン 5.0
カルボキシメチルモノステアレート 0.1
モイストン・C 1.0
(株式会社テクノーブル製 NMF成分)
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合してクリームを得た。
実施例2.クリーム
実施例1のB成分中の製造例1の甘藷焼酎粕エキスに代えて製造例2の甘藷焼酎粕エキスを用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
実施例3.クリーム
実施例1のB成分中の製造例1の甘藷焼酎粕エキスに代えて製造例3の甘藷焼酎粕エキスを用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
実施例4.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例1の甘藷焼酎粕エキス 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
実施例5.乳液
実施例4のB成分中の製造例1の甘藷焼酎粕エキスに代えて製造例2の甘藷焼酎粕エキスを用いるほかは実施例4と同様にして乳液を得た。
実施例6.乳液
実施例4のB成分中の製造例1の甘藷焼酎粕エキスに代えて製造例3の甘藷焼酎粕エキスを用いるほかは実施例4と同様にして乳液を得た。
実施例7.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例1の甘藷焼酎粕エキス 10.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
実施例8.乳液
実施例7のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム2.0部を用いるほかは実施例7と同様にして乳液を得た。
実施例9.乳液
実施例7のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム2.0部を用いるほかは実施例7と同様にして乳液を得た。
実施例10.乳液
実施例7のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン2.0部を用いるほかは実施例7と同様にして乳液を得た。
実施例11.乳液
実施例7のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米糠抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「グレイスノウ*雪*HP」、固形分濃度3.5%)5.0部を用いるほかは実施例7と同様にして乳液を得た。
実施例12.乳液
実施例7のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて白芥子抽出物(株式会社テクノーブル製、商品名「シナブランカ−WH」、固形分濃度1.0%)5.0部を用いるほかは実施例7と同様にして乳液を得た。
実施例13.乳液
実施例7のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてγ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸1.0部を用いるほかは実施例7と同様にして乳液を得た。
実施例14.ローション
[成分] 部
製造例1の甘藷焼酎粕エキス 10.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
実施例15.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例1の甘藷焼酎粕エキス 10.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
実施例16.石けん
[A成分] 部
硬化ヒマシ油 26.0
ヤシ油 10.0
オリーブ油 4.0
[B成分]
水酸化ナトリウム 6.0
砂糖 10.0
グリセリン 5.0
製造例1の甘藷焼酎粕エキス 5.0
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
エタノール 20.0
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加えてケン化した。これを攪拌しながら50℃まで冷却し、C成分を加えた。これを型に流し込み冷却した後、室温下で数日間乾燥させ、充分に乾燥したものを型から取りだして石けんを得た。
試験例1.タンパク質糖化抑制効果試験(1)
本試験では、グルコースを介したBSA(牛血清アルブミン)の蛍光の発生、発色により、AGEの発生抑制効果、すなわち、タンパク質糖化抑制効果を評価した。まず、製造例1の甘藷焼酎粕エキス40μLと、50mg/mLのBSA水溶液40μLと、2.5Mのグルコース水溶液40μLと、PBS(−)溶液80μLを混合、攪拌して試料溶液を調製した。試料溶液は甘藷焼酎粕エキスの最終濃度がそれぞれ0.5%、1.0%、2.0%となるよう調製した。次に、試料溶液を50℃で7日間静置し、7日後、各試料溶液について、蛍光発生(励起:355nm、放射:460nm:蛍光マイクロプレートリーダー(フルオロスキャンアセント、Thermo Fisher Scientific社製))、及び吸光度(波長405nm:マイクロプレートリーダー(Model 450、バイオラッド社製))を測定した。また、甘藷焼酎粕エキスに代えて精製水を用いた試料無添加(コントロール)の場合について同様の操作を行い、ここで得られた蛍光測定値、及び吸光度に対する各試料溶液の蛍光測定値、及び吸光度の相対値(%)を求め、タンパク質糖化率(%)とした。さらに、甘藷焼酎粕エキスの代わりに陽性対照として1mMのアミノグアニジン(AG)を添加した場合についても同様の試験を行った。
試験例1の結果を表1,2に示す。表1は蛍光測定結果に基づいて算出したタンパク質糖化率を示すものであり、表2は吸光度の測定結果に基づいて算出したタンパク質糖化率を示すものである。
[表1]
[表2]
表1、2に示すように、本発明の甘藷焼酎粕エキスにより、グルコースを介したBSAの蛍光の発生、発色が抑制されていること、すなわち、本発明の甘藷焼酎粕エキスが顕著なタンパク質糖化抑制効果を有することが確認された。なお、陽性対照であるAGも蛍光発生を抑制していることから、本試験系が正常であることも確認された。
試験例2.タンパク質糖化抑制試験(2)
まず、製造例1の甘藷焼酎粕50μLと、100mMのD−リボース200μLと、25mg/mLのリゾチーム200μLと、100mMリン酸緩衝液(pH7.4)500μLと、精製水50μLとを混合、攪拌して試料溶液を調製した。試料溶液は甘藷焼酎粕エキスの最終濃度がそれぞれ0.5%、1.0%となるように調製した。次に、試料溶液を37℃で1週間静置して、反応させた。次に、反応液20μLにSDS−PAGE用のサンプルバッファー20μLを加えて、3分間煮沸し、分析サンプルとした。アクリルアミド濃度を分離ゲル12%、濃縮ゲル4%に調製したポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動を行った(200V、50分間)。泳動後のゲルをCBB(クマシーブリリアントブルー)染色液にて、染色し、酢酸/メタノールで脱色した。脱色終了後、検出されたバンドをスキャナで取り込み、画像処理ソフトによりバンド濃度を数値化した。また、比較として、精製水を添加した試料無添加の場合(陰性対照)についても上記と同様の操作を行い、試料無添加の場合の数値に対する各試料添加時の相対値(control比(%))をタンパク質糖化率(%)として求めた。また、陽性対照として100μMの硫酸アミノグアニジンを添加した場合についても同様の試験を行った。
図1に示すように、試料無添加の場合(図1のA)と比較して、0.5%甘藷焼酎粕エキス(図1のC)、及び1.0%甘藷焼酎粕エキス(図1のD)は、格段にすぐれたタンパク質糖化抑制効果を有することが確認された。なお、陽性対照である硫酸アミノグアニジン(図1のB)を用いた試験結果から本試験系が正常であることも確認された。
試験例3.線維芽細胞賦活作用
ヒト真皮由来線維芽細胞NB1RGBを、0.5%NCS含有イーグル最少必須培地を入れた96穴マイクロプレートに1×10 個/穴播種し、37℃,5.0%COの条件下に1日間プレ培養した後、製造例1の甘藷焼酎粕エキス(試料溶液)を1.0%、2.0%の濃度(溶液として)となるように培地に添加し、同条件でさらに3日間培養した。次に、培地を除去し、0.03%のMTTを添加して37℃に1時間保持した後、生成したホルマザンを酸性イソプロパノールで抽出し、マイクロプレートリーダー(Model 450、バイオラッド社製)を用いて波長570−630nmでMTT値を測定した。試料溶液に代えてPBS(-)を添加した試料無添加の場合(対照)についても上記と同様の操作を行い、ここに得られたMTT値に対する各試料添加時のMTT値の相対値を求め、線維芽細胞MTT活性率(%)とした。また、試験系が正常に機能しているかを確認するために、試料溶液の代わりに陽性対照として100mMのグルコースを添加した場合についても、同様の試験を行った。
試験例3の結果を表3に示す。
[表3]
表3に示すように、本発明の甘藷焼酎粕エキスは、濃度に依存して、顕著な線維芽細胞賦活効果を有することが確認された。なお、陽性対照であるグルコースを用いた試験結果から、本試験系が正常であることも確認された。
試験例4.コラーゲン産生促進試験
ヒト皮膚真皮由来線維芽細胞NB1RGBを、0.5%NCS含有最少必須培地を入れた96穴マイクロプレートに1×10個/穴播種し、37℃で1日間プレ培養した後、製造例1の甘藷焼酎粕エキス(試料溶液)を1.0%、2.0%の濃度(溶液として)になるように培地に添加して、37℃で さらに5日間培養した。次に培養液を除去し、0.05%シリウスレッド/飽和ピクリン酸溶液を添加し、細胞内のコラーゲンを染色した後、充分に洗浄した。次に0.1%NaOH含有メタノールで抽出し、波長540nmで測定した。試料溶液に代えてPBS(-)を添加した試料無添加の場合(対照)についても上記と同様の操作を行い、ここに得られたコラーゲン量に対する各試料添加時のコラーゲン量の相対値を求め、コラーゲン産生促進率(%)とした。また、試料溶液の代わりに陽性対照として2mMのL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム(APM)を添加した場合について同様の試験を行った。
試験例4の結果を表4に示す。
[表4]
表4に示すように、本発明の甘藷焼酎粕エキスは、濃度に依存して、顕著なコラーゲン産生促進効果を有することが確認された。なお、陽性対照であるAPMを用いた試験結果から本試験系が正常であることも確認された。
試験例5.細胞内チロシナーゼ活性抑制作用
培養B16マウスメラノーマ細胞B16−F10を、96穴マイクロプレートに8×10個/穴播種し、10%FBS含有RPMI1640培地中、37℃、5.0%COの条件下に1日間プレ培養した後、10%FBS含有RPMI1640培地で、製造例1の甘藷焼酎粕エキス(試料溶液)を0.5%、1.0%の濃度(溶液として)となるように希釈した液に置換し、同条件で3日間培養した。次に培養液を除去し、界面活性剤(Triton X-100)と5mML−ドーパ溶液を添加して37℃で反応を行った後、マイクロプレートリーダー(Model 450、バイオラッド社製)を用い、波長490nmでドーパ値を測定した。試料溶液に代えてPBS(-)を添加した試料無添加の場合(対照)についても上記と同様の操作を行い、ここに得られたドーパ値に対する各試料添加時のドーパ値の相対値を求め、チロシナーゼ活性率(%)とした。なお、比較のため、試料溶液の代わりに、2mMのコウジ酸を添加した場合(陽性対照)についても同様の試験を行った。
試験例5の結果を表5に示す。
[表5]
表5に示すように、本発明の甘藷焼酎粕エキスは、濃度に依存して、顕著なチロシナーゼ活性抑制効果を有することが確認された。なお、陽性対照であるコウジ酸を用いた試験結果から本試験系が正常であることも確認された。
以上のように、本発明の甘藷焼酎粕及び/又はそのエキスは、顕著なタンパク質糖化抑制効果、線維芽細胞賦活効果、コラーゲン産生促進効果、及びチロシナーゼ活性抑制効果を併せ持ち、かつ、安全性にすぐれていることから皮膚外用剤の成分として有用である。さらに、本発明によれば、酒造工程より大量に産出される副産物である焼酎粕を有効に利用することができる。
A 陰性対照(control)
B 陽性対照(硫酸アミノグアニジン)
C 0.5%甘藷焼酎粕エキス
D 1.0%甘藷焼酎粕エキス

Claims (3)

  1. 甘藷焼酎粕及び/又はそのエキスを有効成分とするタンパク質糖化抑制剤。
  2. 甘藷焼酎粕及び/又はそのエキスを有効成分とする線維芽細胞賦活剤。
  3. 甘藷焼酎粕及び/又はそのエキスを有効成分とするコラーゲン合成促進剤。
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