JP2010241896A - 混合物および化粧品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】繊維状天然高分子の粉末とポリアミノ酸架橋体の粉末とを含む混合物であり、好ましくはコラーゲン(A)とポリグルタミン酸架橋体(B)の粉末の配合割合が質量比で、A:B=3〜30:97〜70であり、より好ましくは、A:B=10〜20:90〜80である。
【選択図】図4
Description
一方、化粧品には、保湿効果や肌にハリを与える目的でコラーゲンなどの繊維状天然高分子を配合することが知られている。
最近では、肌にしみこみやすくなることをメリットにコラーゲンをペプチド化することがあるが、低分子量化した水溶液のため使用時の触感には寄与せず、化粧品としては増粘剤などを配合して使用感を付与する技術が用いられている。しかし、この方法では、多様な成分を化粧品に配合することとなり、利用者がコラーゲンの良さを実感しにくいものになっている。このように、コラーゲンが使用時の触感に寄与する化粧品は出来ていない。
また一方で、ポリアミノ酸架橋体が配合された化粧品は、塗りこむ際はジェルとしてすべすべ感を付与するものの、乾燥後の肌の状態では十分に実感できるほどの好ましい使用感を与えるものではなかった。また、水溶液として保存する場合、加水分解による粘度低下が生じる問題を抱えている。さらに、ポリアミノ酸架橋体はその吸湿性の高さゆえ、粉末の状態では吸湿し塊を生じて、扱いにくいという難点があった。
また、本発明では、前記繊維状天然高分子がコラーゲンであることが好ましい。
さらに本発明では、前記コラーゲン(A)と前記ポリグルタミン酸架橋体(B)の配合割合が質量比で、A:B=3〜30:97〜70であることが好ましい。
さらに、前記コラーゲン(A)と前記ポリグルタミン酸架橋体(B)の配合割合が質量比で、A:B=10〜20:90〜80であることがより好ましい。
また、本発明では、前記混合物を含む化粧品とすることが好ましい。
また、本発明に係る混合物を化粧品とした場合には、繊維状天然高分子の効果であるしっとり感とポリアミノ酸架橋体の効果であるすべすべ感が同時に得られるだけでなく、繊維状天然高分子の欠点であるべとつき感と、ポリアミノ酸架橋体の乾燥後の実感性の不足といった双方の欠点をも同時に解消することができる。さらに、繊維状天然高分子やポリアミノ酸架橋体の単独の粉末では得られない艶やかさという効果を新たに付与できる。
さらに、本発明に係る混合物は、粉末状で保存可能であるため、従来の水溶液のように分解、腐敗する問題がなく、化粧品として防腐剤が必要ない。防腐剤に由来する肌荒れ、アレルギーの危険性が少なくなる。さらに使用時に水で溶解することができるが、利用者が好みの化粧水を用いることもできる。
この混合物は繊維状天然高分子の粉末とポリアミノ酸架橋体の粉末とを含み、例えば、化粧品として利用される。
本発明に用いられる繊維状天然高分子としては、コラーゲンやコラーゲンが変性したゼラチンが挙げられる。コラーゲンの場合には、牛由来のコラーゲン、豚由来のコラーゲン、鶏由来のコラーゲン、水棲生物由来のコラーゲン等が挙げられるが、BSE、豚アレルギー、鳥インフルエンザといった問題があるため、動物由来よりも水棲生物由来のコラーゲンを用いることが好ましい。水棲生物由来のコラーゲンのうち、特に、サケ、マス、ニシン、タラ等の寒流系海洋生物由来のコラーゲンは熱変性温度が25℃以下のため、手のひらなどでこのパウダーに水を滴下して溶解する際、溶けやすく、肌になじみやすいので好適である。さらにサケ皮から抽出したコラーゲンは、経済的で安定的に入手できる上、重金属やダイオキシンが少ないので、より好ましい。尚、本発明に用いられるコラーゲンの抽出方法は特に限定されるものではない。
例えば、非極性すなわち疎水性の原子団を持つアミノ酸として、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、トリプトファン、フェニルアラニン、およびプロリンなどが挙げられる。極性であるが電荷のないアミノ酸としては、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、およびグルタミンなどが挙げられる。正電荷を持つ原子団を有するアミノ酸としては、リジン、ヒスチジン、およびアルギニンなどが挙げられる。負電荷を持つ原子団を有するアミノ酸としては、アスパラギン酸やグ
ルタミン酸などが挙げられる。
ポリアミノ酸架橋体がコポリマーである場合のコポリマー成分(アミノ酸以外のモノマー成分)の具体例としては、例えばアミノカルボン酸、アミノスルホン、ヒアルロン酸、アミノホスホン酸、ヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。
放射線架橋によれば、過酸化物架橋に比べてポリアミノ酸架橋体のゲル化率の特定が容易になるからである。放射線については、特に制限はなく、例えば、γ線、電子線等が挙げられる。中でも、操作性の良い電子線が好適である。γ線は電子線より透過力が高いが照射線量が小さく、電子線の透過力はγ線より小さいが照射線量を大きく設定できる。それ故、加速電圧に対応した試料厚みであれば、γ線よりも短時間の照射でよいので、電子線を用いるのが好ましい。
放射線として、電子線を用いる場合には、照射線量として10〜300kGyの範囲が好ましく、より好ましくは20〜200kGyである。また、一度に所定の照射線量を加えるのではなく、分割して照射する事で均一に架橋させ、反応熱を抑えて分解物を減少させることができる。照射時間としては通算1秒以上が好ましい。照射時間が通算で1秒未満であると、架橋体の形成が不十分となるおそれがある。
また、ポリグルタミン酸架橋体の粉末についても、粒径に特に制限はないが、粒径の調整は、例えば、ジェットミル、ロールプレス、ボールミル等を用いて行うことができる。その場合、ポリグルタミン酸架橋体の平均粒径は、0.1〜300μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは平均粒径の範囲が1〜50μmであり、さらに好ましくは平均粒径の範囲が5〜30μmである。この範囲外の粒径であると、混合物を化粧品として用いる場合に完全に溶解せずに粒感が残ってしまったり、保湿効果が感じられないなど、好ましい使用感が得られない。
また、コラーゲンとポリグルタミン酸架橋体の混合方法についても特に限定はしないが、ブレンダー等を用いて行うことができる。
つまり、本混合物は粉末状に調製されているため、溶液とする際にも溶解性がよく、使用感に優れる。また、混合物を粉末として提供するため、保存のための防腐剤や増粘剤などを混合する必要がなく、肌荒れやアレルギーの危険性を低減できる。
さらに、嗜好性を持たせるため、色素、香料を予め本混合物に混合しておくことが好ましい。
[コラーゲン粉末の製造]
コラーゲンは、特許第4204883号の製法で作製したアルコール懸濁液ろ過残渣を回収乾燥したものを原料として用いた。これをハンマーミル(東京アトマイザー製「微粉砕機サンプルミル TASM−1型」)を用い、φ0.5のスクリーンを装着して粉砕し、糸状のものと、塊状のものが混在したコラーゲン粉末を得た(図1)。平均粒径は220μmであった。最大粒径(D100)は995μmであった
前記方法で得られたコラーゲン粉末とポリグルタミン酸架橋体粉末(出光テクノファイン株式会社製、商品名:ジェルプロテインA-8002、平均粒径 20μm、図2)を表1に示す所定の質量割合で混合し混合物とした(図3および図4)。前記溶解性、触感、外観、吸湿性について、それぞれ評価を行った。
粒形状の測定は、サンユー電子社製「SC−701 GUICKCOATER」を用いて金蒸着し、キーエンス社製の3Dリアルサーフェイスビュー顕微鏡「VE−8800」を用いて100倍で観察した。
また、粒径はマイクロトラック社製MT3000を用い、溶媒にメタノールを用い、透過、非球状の条件で最大粒径(D100)を測定した。
室温15℃、湿度20%RHの環境で、前記混合物10mgを手のひらにとり、水1mlを滴下し指先で練って、溶解状態を評価した。溶解したものを○、ダマになるもの、溶けにくいもの、および溶け残りがあるものを×として、表1に結果を示す。
次いで、前記溶液を手の甲に塗布し、乾燥後の肌触り(触感)と外観を評価した。乾燥後の触感がすべすべのものを○、ややべたつくもの又は変化がないものを△、べたつき感があったものを×とした。また、外観は艶やかさを付与したものを○、やや艶やかであったものを△、変化がなかったものを×とした。これらの結果を表1に示す。
また、室温28℃、湿度60%RHの環境で前記混合物50mgをガラスシャーレに取り、30分間放置後の状態を観察した。30分後もパウダー状のものを○、やや吸湿して塊が見られるものを△、吸湿して塊を生じたものを×として、結果を表1に示す。
比較例1は前記コラーゲン粉末のみ、比較例2は前記ポリグルタミン酸架橋体粉末のみを用いて上記評価を行ったものである。
Claims (6)
- 繊維状天然高分子の粉末と、
ポリアミノ酸架橋体の粉末とを含む
ことを特徴とする混合物。 - 請求項1に記載の混合物であって、
前記ポリアミノ酸架橋体がポリグルタミン酸架橋体である
ことを特徴とする混合物。 - 請求項1または請求項2に記載の混合物であって、
前記繊維状天然高分子がコラーゲンである
ことを特徴とする混合物。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の混合物であって、
前記コラーゲン(A)と前記ポリグルタミン酸架橋体(B)の配合割合が質量比で、A:B=3〜30:97〜70である
ことを特徴とする混合物。 - 請求項4に記載の混合物であって、
前記コラーゲン(A)と前記ポリグルタミン酸架橋体(B)の配合割合が質量比で、A:B=10〜20:90〜80である
ことを特徴とする混合物。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の混合物を含むことを特徴とする化粧品。
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