JP2010160912A - ファイバー電池用合金負極 - Google Patents

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Abstract

【課題】水素吸蔵合金負極、特にニッケル−水素電池用の負極を改良して、特に長寿命化を可能にし、同時に高容量化も可能にするものである。
【解決手段】炭素繊維にニッケル被覆し、次いで水素吸蔵合金層を形成し、次いでイオン透過性ポリマー物質で被覆して得られるファイバー電池用合金負極。
【選択図】なし

Description

本発明は、ファイバー電池用合金負極に関する。
本発明の合金負極は、アルカリ電解液を用いる二次電池用の水素吸蔵合金負極、具体的には、特にニッケル−水素電池用などの水素吸蔵合金負極を対象とする。
ニッケル−水素電池は、携帯用、移動用、非常用などの電源となるが、本発明は、完全充放電しない条件で使われるような予備用、非常用、移動用などの用途に特に適している。例えば、電力貯蔵、電気自動車などでは、常時完全充電する必要はなく、過充電による電極性能の劣化を抑制して長寿命を可能にしている。
現在、汎用の水溶液を電解液とする二次電池は、板状の正極、セパレータ、同じく板状の負極で構成されている。ニッケル−水素電池では、水酸化リチウムを含む苛性カリ、苛性ソーダなどの水溶液を電解液として用いて、電池が構成されている。
電池の形状としては、板状、角型、コイン型、円筒型などがあり、正極と負極とを、セパレータを介して交互に並べ、それぞれ一括して、正極端子、負極端子を取り出している。例えば、メモリーバックアップなどの小型電池は、板状、コイン型が多く、携帯用を含む小型機器用などの10Ah以下の小容量のニッケル−水素電池では、円筒型が多い。正極、セパレータ、負極からなる電極群を捲回して電槽に挿入し、蓋と缶を絶縁しておいて、それぞれを正極、負極の端子としている。また、電気自動車や据置き用などの大容量のニッケル−水素電池では、角型も普及している。
負極に用いられる水素吸蔵合金として、水素を吸蔵しやすい金属としない金属を組合せて、AB系、AB2系、AB5系などの数多くの合金系が検討されてきた。そのうち、現在広く実用化されているのが、AB5系の希土類−ニッケル合金であり、主にMmNiCoMnAlからなる5元系合金である。その後、最近では、高容量を目指した超格子水素吸蔵合金といわれるLaMgNi系が注目され、実用化されてきた。
例えば、希土類−ニッケル合金5元系合金では、ミッシュメタル(Mm)に対してNiとCoとAlとMnとを適当なモル比で混合し、これらをアルゴン雰囲気下のアーク溶解炉で溶解させた後、これを自然放冷させてMm系の水素吸蔵合金を製造し、この水素吸蔵合金を空気中で機械的に粉砕して、水素吸蔵合金の粉末を得ている。
水素吸蔵合金を用いた負極の製造方法として、焼結法、蒸着法、スパッタリング法なども提案されているが、製造方法が簡単で、量産に適したスラリー方式が一般的である。その製造方法は、ニッケル−水素電池の普及以前から実用化されているニッケル−カドミウム電池のカドミウム負極の製造方法を踏襲している。すなわち、汎用のニッケル−水素電池に用いられている合金負極は、鉄にニッケルめっきを施したパンチングメタルを集電体とし、合金粉末と増粘剤水溶液を用いてスラリーを形成し、これをパンチングメタルの両面に塗着し、ローラプレス機で加圧して製造されている。
上記のような従来の正極、セパレータ、負極からなる電極群とは着想がまったく異なる電池構造であって、集電体として、電子伝導性を有する繊維体を用いて構成する電池が提案されている(特許文献1参照)。この電池は、特に高出力を目的にしている。
なお、それぞれの電極の外周部に電極活物質を形成してなる長尺の負極材または正極材のいずれか一方の電極材を芯材とし、その外周部に高分子固体電解質を介して他方の電極材を同軸に設け、これらを外装材によって封装するコード状の電池が提案されている(特許文献2参照)。この電池の構成は、基本的には、汎用のルクランシェタイプの乾電池と同じである。つまり、乾電池では、中央に正極材、周辺部に負極材、その間に電解質を配し、円筒型になっている。特許文献2では、電解質を固体電解質とし、全体を可撓性のコード状に構成することが提案されている。
合金電極を製造するために、合金粉末と増粘剤水溶液を混合してスラリーを形成し、これをパンチングメタルに塗着する方法は数多く提案されており、例えば特許文献3では、「水素吸蔵合金粉末に対して、結着剤としてのポリビニルアルコール1重量部と分散媒としての水10重量部を水素吸蔵合金粉末に添加し、充分混合した。その後、重量比50%のスチレン−ブタジエン共重合体を含有したディスパージョン2重量部を上記混合物に添加して、スラリーを作製した。このスラリーをパンチングメタルからなる導電性支持体表面に塗着した後、乾燥及び加圧を行い水素吸蔵電極を作製した。」と記載されている。
また、特許文献4および特許文献5には、結着剤としてスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)からなる熱可塑性エラストマーを使用して、シート状の水素吸蔵合金負極を製造する方法が提案されている。
特開2003−317794号公報 特開2001−110445号公報 特開平7−45278号公報 特公平7−93139号公報 特開平4−22067号公報
本発明は、特許文献1で提案された電極、特にニッケル−水素電池用の負極を改良して、特に長寿命化を可能にし、同時に高容量化も可能にすることを意図する。
水素吸蔵合金負極は、充電反応で水素を吸蔵し、放電反応では逆に水素を放出する電極反応を行うことが知られており、この反応を利用したニッケル−水素電池用の負極が実用化されている。
汎用のニッケル−水素電池に用いられている水素吸蔵合金負極は、合金に結着剤と増粘剤水溶液を加えてスラリーとし、集電体として鉄にニッケルめっきして得られたパンチングメタルを用い、その両面にスラリーを塗着し、加圧して製造するのが一般的である。この製造方法においては、例えば平均粒径が数μm以下のような合金粉末を用いることにより、加圧工程によって粒子が結合した状態になるので、結着剤(バインダ)はそれほど重要ではないが、スチレン・ブタジエンラバー(SBR)やポリビニルアルコールなどが用いられている。つまり、汎用の板状の合金負極は、製造工程では、例えば数10トン/cmのような大きな力で加圧され、さらに、円筒型、角型のいずれにおいても、電極は、加圧状態が保たれている。
一般に、電池用水素吸蔵合金は、水素の吸蔵・放出に応じて合金粒子が割れて小さくなっていく、いわゆる微粉化が生じる。このため、充放電を繰り返すことで合金粒子の間に徐々に隙間が生じるようになり、円筒型や角型では、初めと比べて加圧状態を保てなくなる。従って、充放電の繰返しに伴って合金層全体が膨潤し、一部は、集電体から剥離・脱落するようになるため、合金負極の特性も徐々に劣化する。
本発明は、水素吸蔵合金負極、特にニッケル−水素電池用の負極を改良して、特に長寿命化を可能にし、同時に高容量化も可能にするものである。
本発明は、下記に示すとおりのファイバー電池用合金負極を提供するものである。
項1. 炭素繊維にニッケル被覆し、次いで水素吸蔵合金層を形成し、次いでイオン透過性ポリマー物質で被覆して得られるファイバー電池用合金負極。
項2. 炭素繊維は、単繊維の直径が5〜60μmである項1に記載のファイバー電池用合金負極。
項3. 炭素繊維は、単繊維10〜1000本が束になった状態である項1または2に記載のファイバー電池用合金負極。
項4. 炭素繊維は、単繊維2〜10本が撚られた状態である項1〜3のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
項5. ニッケル被覆層の厚さが、0.5〜10μmである項1〜4のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
項6. ニッケル被覆の工程が、無電解ニッケルめっき、次いで電解ニッケルめっきからなる項1〜5のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
項7. ニッケル被覆した炭素繊維に、円環状に0.5〜40μmの厚さで水素吸蔵合金層が形成された項1〜6のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
項8. 水素吸蔵合金層が、水素吸蔵合金粉末、結着剤および導電助剤を含有するスラリーを、ニッケル被覆した炭素繊維に塗着させて形成される項1〜7のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
項9. 水素吸蔵合金層が、水素吸蔵合金粉末、結着剤および導電助剤を含有する銅またはニッケルめっき浴を用いて、銅またはニッケルと共析させることによって形成される項1〜7のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
項10. スラリーまたはめっき浴が、結着剤としてスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体を水素吸蔵合金粉末に対して0.5〜15重量%含有する項8または9に記載のファイバー電池用合金負極。
項11. 導電助剤がカーボンブラックである項8〜10のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
項12. 水素吸蔵合金層を形成した炭素繊維に、円環状に2〜20μmの厚さでイオン透過性ポリマー物質層が形成された項1〜11のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
項13. イオン透過性ポリマー物質が、ポリビニルアルコールを主成分とする物質である項1〜12のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
項14. イオン透過性ポリマー物質が、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体および耐アルカリ性金属酸化物を含有する物質である項1〜12のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
項15. イオン透過性ポリマー物質層が、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、耐アルカリ性金属酸化物およびアルカリ溶解性酸化物を含有する混合物で形成された膜を、高温の苛性アルカリ水溶液中で処理してアルカリ溶解性酸化物を溶出させることにより得られる多孔性膜である項1〜12のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
項16. 耐アルカリ性金属酸化物が酸化ジルコニウムである項14または15に記載のファイバー電池用合金負極。
項17. アルカリ溶解性酸化物が酸化ケイ素である項15または16に記載のファイバー電池用合金負極。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のファイバー電池用合金負極は、ニッケル被覆した炭素繊維上に円環状の水素吸蔵合金層を形成した後、伸縮性を示すイオン透過性ポリマー皮膜で被覆することにより得られ、優れた充放電特性を発揮できる。
本発明のファイバー電池用合金負極の一実施形態の概略断面図を図1に示す。図1は、炭素繊維にニッケルめっきし、その上に合金負極層を形成し、さらにイオン透過性ポリマー皮膜が形成された様子を繊維断面方向から見た概略図である。
本発明のファイバー電池用合金負極においては、集電体が細い円柱状の炭素繊維であり、図1に示すように、各々の繊維上に、同心円状の合金層が形成されている。この状態では、合金層が閉じた円環を形成しており、さらに、外円周上に、圧着チューブの役割を果たすイオン透過性ポリマー膜が形成されている。充放電の際には、図2に示すように、合金層が10〜30%程度の膨張・収縮をするが、合金層内の結着剤と外円周上のイオン透過性ポリマー膜による締め付けとの相乗効果によって、板状電極と比べて、合金の剥離・脱落が起こりにくい。さらに、この繊維を束にすることにより、繊維同士が互いに圧着され、合金の脱落防止にさらに効果的である。
ファイバー電池用負極に水素吸蔵合金層を形成するには、板状の合金負極のように製造工程中に大きな圧力を加えることはできない。従って、繊維状集電体上での形成には、結着剤やイオン透過性ポリマー膜が重要な意味を持つことになる。
本発明に用いる炭素繊維(黒鉛繊維を含む)の直径は、特に限定されないが、集電体として用いる際に、汎用のニッケル極集電体の厚さが基準となる。具体的には、焼結式や発泡状ニッケル極の集電体は400μm以上であり、本発明ではそれより相当薄いことが好ましい。このような観点から、炭素繊維の単繊維の直径は、5〜60μmであるのが好ましく、5〜15μmであるのがより好ましい。
単繊維の直径が5μm未満のように小さい場合には、その機械的強度が不十分であり、圧着端子で束ねる際の締め付けや、付着した合金の重量のために、繊維が切断されてしまうおそれがある。また、直径が小さいために電気伝導性が低下し、充電効率の低下を招く。
一方、単繊維の直径が大きくなり、60μmを超える場合には、合金層は集電体から剥離しやすくなり、充放電のサイクル寿命も低下するおそれがある。これは、繊維断面の直径が大きくなることにより、合金層の結着力が弱まることと関係している。例えば、単繊維の直径が60μm以下であれば、図1に示すように、合金層が形成する閉じた円環が圧着チューブのように働くので、非常に密着性が良く、合金が充放電にともなって膨張・収縮しても、円環が剥離するのを防止する。しかしながら、単繊維の直径が60μmを超える場合や平板の場合には、充放電によって合金層が繰り返し膨張・収縮することによって、弛みが生じやすく、図3に示すように、徐々に合金層の剥離が生じるようになる。
用いる炭素繊維は、単繊維でもよいし、複数の単繊維を集合させたものも有効である。集合させる場合には、単繊維10〜1000本を1束とすることが好ましく、50〜500本を1束とすることがより好ましい。この繊維束の1端を圧着端子などで固定することにより、1つの電極が形成される。
また、単繊維2〜10本が撚られている状態で1本の炭素繊維を形成したものも有効であり、このような炭素繊維が撚られた、撚り糸状のものを5〜100本束ねて、電極を形成することがより好ましい。
繊維数が10本未満の場合には、繊維が互いに圧着しあうことにより合金の脱落を防ぐという、活物質保持体としての機能が低下するおそれがある。一方、繊維数が1000本を超える場合には、各々の繊維に均一に円環状の合金層を形成することが難しくなる。
炭素繊維は、そのままでも電気伝導性を示すが、各々の炭素繊維に均一にニッケル被覆することにより、電気伝導性は約10倍以上に向上する。従って、高出力を必要とする用途に対しては望ましい。ニッケル層の形成には、蒸着、電解めっき、無電解めっきなどを適用できるが、工業的に見て、また、1000本以上からなる炭素繊維束の各々の炭素繊維に均一にニッケル被覆する方法としては、無電解ニッケルめっき法で薄くニッケル被覆し、次いで電解ニッケルめっき法を行う方法が最も優れている。
無電解ニッケルめっきは、化学的還元作用によりニッケルを析出させる方法であり、通電の必要がないため、導電性が不十分で、複雑で入り組んだ形状を持つ炭素繊維束にも、均一な膜厚の皮膜を形成できる。このため、電解ニッケルめっきを行う前に、無電解ニッケルめっきで、炭素繊維束に薄いニッケル皮膜を形成しておけば、より均一な厚さのニッケルめっき層を形成するための下地として利用できる。さらに、炭素繊維表面の導電性改善により、電解ニッケルめっきを適用した際のめっき効率が向上し、高い量産性が実現可能である。
炭素繊維への無電解ニッケルめっきは、よく知られている次亜燐酸塩を還元剤としたニッケル−りん合金めっき(りん含有率5〜12%)析出法や、ジメチルアミンボランの還元作用を利用したニッケル−ボロン合金めっき(ボロン含有率0.2〜3%)析出法で行えばよい。めっき層の厚さは、0.1〜0.5μmあれば十分である。次いで、無電解ニッケルめっきした炭素繊維への電解ニッケルめっきは、よく知られているワット浴で行えばよい。めっき層の厚さは、0.5〜10μmであるのが好ましく、1〜5μmであるのがより好ましい。ニッケルめっき層の厚さが0.5μm未満の場合には、十分な導電性が得られないおそれがある。ニッケルめっき層が0.5〜10μmであれば、十分な導電性が得られる。さらに、炭素繊維表面には細かな凹凸があり、この溝の幅は0.1〜0.5μmであり、溝の深さは0.1〜0.3μm程度である。この凹凸に、めっき層の厚さが0.5〜10μmであれば、図4に示すような凹凸を反映したニッケルめっきが可能である。この凹凸部分に合金が入り込むと、アンカー効果によって合金層の密着性を高める効果が得られる。めっき層が厚くなると、図5に示すように、この凹凸が減少し、めっき層が10μmを超えると、合金を塗布した際の密着性は低下してしまう。従って、ニッケルめっきが多孔性でアンカー効果を発揮し、かつ導電性を維持できるものが有効である。細かな凹凸のある炭素繊維の表面に、無電解法、次いで電解法により、好ましくは0.5〜10μm、より好ましくは1〜5μmのニッケルめっき層を形成することにより、優れた機能を発揮するファイバー状合金負極用の集電体を形成できる。
負極用の水素吸蔵合金としては、例えば、Mm−Ni系合金にMn、AlおよびCoを添加したMm−Ni−Mn−Al−Co合金を用いることができる。なお、実施例では、MmNi4.1Mn0.29Al0.31Co0.33を用いた。各金属をこの割合で混合し、アーク溶解炉で溶解した後に冷却して合金を得る。この合金を、不活性雰囲気中で粉砕して粉末にする。
炭素繊維上に負極合金層を形成するために、水素吸蔵合金粉末、結着剤および導電助剤を、例えばカルボキシメチルセルロースを増粘剤としてスラリーとし、このスラリーをスプレーガンなどを用いて炭素繊維上に塗布し、50〜80℃で乾燥させる方法を用いることができる。また、水素吸蔵合金粉末、結着剤および導電助剤の粉末を、銅やニッケルのめっき浴に分散させて、これら金属との共析めっきによっても負極合金層を形成できる。
結着剤としては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)が効果的である。SEBSは熱可塑性エラストマーであり、ゴムのように優れた伸縮性を示し、プラスチックのように容易に加工できるという特徴がある。しかも、耐酸化性・耐還元性にも優れているので、合金負極を長寿命化させるための結着剤として効果的である。この他、スチレン−ブチレンゴム(SBR)、ポリビニルアルコール(PVA)などの汎用の材料が用いられる。SBRは優れた伸縮性を示すが、SBR分子内に二重結合が存在するので、耐酸化性・耐還元性はあるものの、SEBSには劣る。PVAはイオン透過性およびフィルム形成能に優れているが、水溶性であるため、長期の安定性に問題がある。SEBSを結着剤として用いることにより、合金スラリーに優れた伸縮性を与えることができ、合金層が圧着チューブのように炭素繊維に密着し、充放電に際しても、柔軟に体積膨張・収縮するので、脱落しにくくなる。水素吸蔵合金粉末への結着剤の添加量は、0.5〜15重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。
また、水素吸蔵合金および結着剤からなるスラリーに、導電助剤を添加することが好ましい。導電助剤の利用法としては、スラリーに、カーボンブラック粉末、ニッケルや銅などの金属粉末やフレーク粉などを添加する方法、合金スラリーを塗布した後の電極に、無電解法でニッケルメッキする方法、カーボンブラックを混合したPVAなどのポリマーを塗布する方法などがあるが、特に、カーボンブラックを合金スラリーに添加する方法が、電極の利用率向上に有効である。
カーボンブラックとしては、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどが特に好ましい。カーボンブラックが効果的な理由としては、その粒径が0.1μm以下と非常に小さいため、粒径2μm程度の負極合金粒子の隙間に入り込んで、より多くの導電パスを形成できるためである。
導電助剤の添加量は、水素吸蔵合金に対して0.5〜10重量%であるのが好ましく、1〜5重量%であるのがより好ましい。添加量が0.5重量%未満であると、十分な導電性改善効果が得られないおそれがある。添加量が10重量%を超えると、合金負極の容量低下を招くおそれがある。添加量が1〜5重量%であると、十分な導電性改善効果が得られ、合金負極の容量低下を最小限に抑えることができる。
水素吸蔵合金層の厚さは、0.5〜40μmであるのが好ましく、5〜15μmであるのがより好ましい。0.5μm未満だと、十分な電池容量を保持できないおそれがある。一方、40μmを超えると、合金層の厚さが不均一になりやすく、充放電に伴う活物質膨張の際に、合金層が外円周のイオン透過性ポリマー皮膜から剥離しやすくなる。
水素吸蔵合金層を被覆するイオン透過性ポリマー物質としては、イオン透過性とフィルム形成能の点からは、ポリビニルアルコール(PVA)が優れている。なお、PVAには、部分ケン化物と完全ケン化物が市販されているが、いずれも使用できる。ただし、PVAは親水性であるので、長期の安定性に問題があるが、200〜300℃の熱処理によって縮重合し、架橋させることができるので、より強固なPVA膜を形成できる。また、耐薬品性に優れたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の分散液が、多孔性のイオン透過性ポリマー被覆剤として使用できるが、これだけでは結着力が劣るので、PVAと混合して用いることにより、結着力を改善することができる。PVAだけの場合、塗布するPVA水溶液の濃度は1〜10重量%が好ましく、2〜6重量%がより好ましい。1重量%未満では、PVAの膜厚が薄すぎ、また、部分的に合金層が露出するようになる。10重量%を超えると、膜の抵抗が高くなり、充放電性能が低下する。PTFEを用いる場合、PTFE濃度が1〜3重量%になるようにPTFE分散液をPVA水溶液に添加することにより、抵抗の上昇を抑えつつ、強固なイオン透過性ポリマー皮膜を形成できる。
その他に、耐アルカリ性で結着性がある、例えば、SEBS、SBR、ポリエチレン(PE)などのポリマーも使用可能である。しかしながら、これらのポリマーは、疎水性でイオン透過性がないので、例えば、これらのポリマーをトルエンなどの溶媒に5〜50重量%の割合で溶解させ、そこに、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、アルミニウム、もしくはランタノイドなどの耐アルカリ性金属の酸化物の粉末を複合化させることにより、イオン透過機能を付与することができる。これらのうち、酸化ジルコニムとSEBSを複合化した場合には、撥水性のSEBSなどを親水性に変えることによって、耐アルカリ性に優れ、イオン伝導性の高いフィルムを形成できるため、最も好ましい。耐アルカリ性金属酸化物のポリマー溶液への添加量は、5〜50重量%であるのが好ましく、20〜40重量%であるのがより好ましい。添加量が5重量%未満であると、十分なイオン透過性が得られないおそれがある。一方、添加量が50重量%を超えると、イオン透過性ポリマー皮膜の嵩が大きくなり、均一な厚さのイオン透過性ポリマー皮膜を形成しにくくなり、繊維束の内側に電解液が浸透しにくくなるおそれがある。複合化する耐アルカリ性金属酸化物の粒径は、3μm以下が好ましい。この大きさを超えると、表面に凹凸が生じて、均一なフィルムを形成しにくい。
さらに、SEBSをトルエンなどの溶媒に5〜50重量%の割合で溶解させ、そこにケイ素、マグネシウム、カルシウム、ビスマスなどの酸化物のアルカリ溶解性酸化物の粉末を複合化したものを用いて膜を形成し、この膜を80〜100℃の苛性アルカリ水溶液中に浸漬して、アルカリ溶解性酸化物を苛性アルカリ水溶液中に溶解させることにより、多数の空隙ができて、イオン透過性を示すようになる。複合化するアルカリ溶解性酸化物の粒径は、2μm以下が好ましい。酸化ケイ素の場合は、粒径7〜40nm程度のナノ粒子が市販されているので、これをSEBSに複合化し、次いで高温アルカリ浸漬処理を施すことにより、緻密な多孔質膜を形成できる。アルカリ溶解性酸化物の添加量としては、5〜50重量%が好ましく、20〜40重量%がより好ましい。添加量が5重量%未満であると、高温の苛性アルカリ浸漬中に、膜中へ苛性アルカリ水溶液が十分に浸透せず、アルカリ溶解性酸化物が溶解せずに膜中に残留しやすくなるため、多孔性膜が形成されにくい。添加量が増大すると、多孔性膜が形成されるようになるが、添加量が50重量%を超えると、膜の強度が著しく低下して、電極から剥離しやすくなるなどの問題がある。アルカリ溶解性酸化物をアルカリ溶解してできるSEBS膜の多孔度は、アルカリ溶解性酸化物の添加量にも依存するが、50〜90%程度である。
苛性アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの水溶液が使用可能であり、これらの混合物の水溶液も使用可能である。短時間で多孔性膜が得られることから、特に水酸化カリウムの水溶液が好ましい。水溶液中の苛性アルカリの濃度については、ごく少量から飽和量まで特に限定されないが、濃度10〜30重量%が好ましい。浸漬温度、浸漬時間についても限定はないが、50〜110℃で浸漬時間10分〜20時間が好ましく、80〜100℃で浸漬時間30分〜3時間がより好ましい。
高温のアルカリ浸漬処理によって多孔質のSEBS膜を形成できるが、膜自体が撥水性のままであるため、イオン透過性が十分でない。これを改善するために、酸化ジルコニウムなども同時に加えておくことにより、親水性と多孔性の両方を兼ね備えたイオン透過性ポリマー皮膜を形成できる。
水素吸蔵合金層の上に形成するイオン透過性ポリマー物質層の厚さは、2〜20μmが好ましく、2〜10μmがより好ましい。この厚さが2μm未満であると、正極−負極間で短絡が生じやすくなる。一方、20μmを超えると、各々の炭素繊維上に均一にイオン透過性ポリマー物質層を形成するのが難しい。
本発明のファイバー電池用合金負極は、二次電池用の負極として用いられ、二次電池の高出力化、長寿命化、高容量化を可能にする。
本発明のファイバー電池用合金負極の一実施形態の構造を示す概略断面図である。 図1に示すファイバー電池用合金負極が、充電によって膨張し、放電によって収縮する様子を示す概略断面図である。 曲率の小さい(半径の大きい)炭素繊維上に形成された合金層が、膨張・収縮を繰り返すことにより部分的に剥離する様子を繊維断面方向から見た概略図である。 炭素繊維に薄くニッケルめっきした場合に、炭素繊維表面の凹凸を反映したニッケルめっき層が形成されることを示す模式図である。 炭素繊維に厚くニッケルめっきした場合に、表面が平滑なニッケルめっき層が形成されることを示す模式図である。 放電率と放電量の関係が、添加する導電助剤の種類によってどのように変化するかを示す図である。 結着剤としてSEBSを用いた電極A−1と、結着剤としてPVDFを用いた電極A−3について、放電率と放電量の関係を示す図である。 放電率と放電量の関係が、イオン透過性ポリマー膜の有無やポリマーの種類によって、どのように変化するかを示す図である。 SEBSをイオン透過性ポリマー物質として用いた場合に、添加した酸化物の種類によって放電特性がどのように変化するかを示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
ポリアクリロニトリル繊維を黒鉛化して得られた市販の黒鉛繊維(東邦テナックス社製「ベスファイト」)を用いて、集電体とした。この集電体を構成する黒鉛繊維の直径は、平均7.5μmであり、これを裁断し、80本集合させて集電体とした。
これに塗着する負極用の水素吸蔵合金としては、Mm−Ni系合金にMn、AlおよびCoを添加したMm−Ni−Mn−Al−Co合金を用いた。実施例では、MmNi4.1Mn0.29Al0.31Co0.33を用いた。各金属をこの割合で混合し、アーク溶解炉で溶解した後に冷却して水素吸蔵合金を得た。この水素吸蔵合金を、不活性雰囲気中で平均粒径2μmに粉砕して粉末にした。
この水素吸蔵合金粉末に、結着剤としてSEBSのトルエン溶液を、SEBSが水素吸蔵合金粉末に対して0.3〜20重量%となるような範囲で加えた。そのうち、良好な特性を示したのは0.5〜15重量%であり、1〜10重量%がより好ましかった。実施例においては、好ましい代表例を示した。なお、SBRを結着剤とした際の最も好ましい添加量は、1〜8重量%であった。また、PVAでは3〜7重量%であった。
水素吸蔵合金への導電助剤としては、カーボンブラックが電極の導電性向上に有効であった。カーボンブラックはアセチレンブラックかケッチェンブラックのいずれかであり、カーボンブラックが水素吸蔵合金に対して0.1〜15重量%となるような範囲で加えた。そのうち、良好な特性を示したのは0.5〜10重量%であり、1〜5重量%がより好ましかった。なお、導電助剤なしの場合やニッケルフレーク添加の場合と比較すると、図6に示したように、放電率が大きくなるに従って、導電助剤の種類による放電量の差が顕著になった。実施例および比較例では、全て、水素吸蔵合金に対してケッチェンブラック1.5重量%添加したものを用いた。
水素吸蔵合金層の集電体上への形成法としては、水素吸蔵合金スラリーを作製して塗布する方法と、水素吸蔵合金をめっき浴中に分散させておいて、共析する方法があるが、どちらを適用した場合でも、同等の性能を得ることができる。実施例および比較例では、水素吸蔵合金スラリーを塗布した電極を用いた。
実施例1
前記黒鉛繊維を20cmの長さに裁断し、表面にニッケル被覆し、次いで各繊維に水素吸蔵合金スラリーを塗着した。ニッケル被覆は、無電解ニッケルめっき法、次いで電解ニッケルめっき法で行った。水素吸蔵合金スラリーの結着剤として、SEBSを用いた。水素吸蔵合金粉末に対してSEBSが7重量%となるように、水素吸蔵合金粉末にSEBSのトルエン溶液を加えてスラリーを作製し、この水素吸蔵合金スラリーを塗布して水素吸蔵合金層を形成した。水素吸蔵合金スラリーの塗布量は、1本の黒鉛繊維について平均20mgであった。その後、これを20本集めて、1cm角の発泡状ニッケル2枚間に挟んで圧着した。次いで、この水素吸蔵合金層の外円周上に、イオン透過性とフィルム形成能の点で優れているPVAの4重量%水溶液を塗布して、イオン透過性ポリマー皮膜を形成した。表面への塗布量は、1本の黒鉛繊維について平均3mgであった。なお、端子として、ニッケル板を発泡状ニッケルにスポット溶接して取り付けた。このようにして得られた合金負極をA−1とした。
実施例2
PTFEの6重量%分散液を塗布してイオン透過性ポリマー皮膜を形成した以外は、実施例1と同様にして合金負極を得た。この合金負極をA−2とした。
実施例3
結着剤として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)が水素吸蔵合金粉末に対して7重量%となるように水素吸蔵合金スラリーを作製した以外は、実施例1と同様にして合金負極を得た。この合金負極をA−3とした。
比較例1
水素吸蔵合金層の外円周上にイオン透過性ポリマー皮膜を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして合金負極を得た。この合金負極をA’−1とした。
次に、これら各合金負極の充放電特性を、対極に発泡状ニッケル極を用いて測定した。すなわち、多孔度95%の市販の発泡状ニッケルを集電体とし、これを調厚した後に、水酸化ニッケル粉末にカルボキシメチルセルロースを増粘剤として添加してスラリーとし、ローラプレス機で加圧して得られた正極を用いた。電解液として、水酸化リチウムを10g/L溶解した30重量%の苛性カリ水溶液を用いて、特性試験評価用セルを構成した。セパレータとしては、親水処理した厚さ150μmのポリプロピレン不織布を用いた。この試験セルは負極容量規制とし、各合金負極の計算容量は200mAhであった。なお、ニッケル極は、この合金負極の10倍の計算容量を有するようにしてセルを構成した。
実施例1の合金負極と実施例3の合金負極を用いた場合の放電量と放電率の関係を、図7に示す。この図から、0.2Cでは、実施例1の電極A−1(結着剤:SEBS)は放電量200mAhを示すのに対して、実施例3の電極A−3(結着剤:PVDF)は150mAhと放電量が低い。また、放電率を大きくした際の容量低下も著しい。さらに、結着剤としてSEBSを用いた電極A−1では、1Cや2Cの放電曲線で、1.3Vの平坦部電圧が観測されており、安定した高出力特性が得られるが、PVDFを結着剤にした電極A−3では、放電電圧は1Vを下回る。SEBSの方が、PVDFよりも優れた結着性、伸縮性、耐アルカリ性を示すことより、SEBSの方が、水素吸蔵合金層と集電体の密着性を高めて、放電量と高出力特性の両方を向上させることができることがわかる。
次に、実施例1、2および比較例1の合金負極を用いた場合の放電量と放電率の関係を、図8に示す。この図から、イオン透過性ポリマー皮膜を水素吸蔵合金層の外周に形成した電極A−1(イオン透過性ポリマー膜:PVA)や電極A−2(イオン透過性ポリマー膜:PTFE)の方が、形成しなかった電極A’−1(被覆なし)と比べて放電量が大きいことがわかる。水素吸蔵合金層の外周上にイオン透過性ポリマー皮膜を形成することにより、集電体と水素吸蔵合金層との接触性がさらに高まり、水素吸蔵合金層と集電体との密着性を高めることができる。実施例1(イオン透過性ポリマー膜:PVA)と実施例2(イオン透過性ポリマー膜:PTFE)を比較した場合、実施例1(PVA)の方が実施例2(PTFE)よりも、放電率が高率における放電量が大きい。これは、PVAの方がPTFEよりも結着性が強いためである。
また、本発明では、特に長寿命化を目的にしているので、電極A−1(実施例1)と電極A’−1(比較例1)について、常温および45℃でのサイクル寿命の測定結果を示す。表1は、充電1C定電流で、合金の放電容量の110%、放電は同様に1Cで終止電圧0.8Vとして行った。周囲温度は25℃であった。表2は、同じ充放電を周囲温度45℃で行った際のサイクル特性である。
Figure 2010160912
Figure 2010160912
表から明らかなように、電極A−1(実施例1)は、電極A’−1(比較例1)よりサイクル特性が優れており、高い容量維持率を示した。すなわち、汎用の合金負極のように最終工程で大きな加圧を行わないファイバー状電極では、表面にイオン伝導性の層を形成することが寿命向上に極めて有効であった。
例えば、汎用の板状電極の場合においては、本発明と同じ水素吸蔵合金とスラリーを用い、その上にイオン伝導性の層を形成した合金負極を用いて、加圧を加えないと、数10サイクルで容量は50%程度に低下した。
このことから、本発明のファイバー状電極では、水素吸蔵合金層は集電体であるファイバーを囲む形で形成されているため、合金粒子間の結合が、集電体で2分されて形成されている合金粒子間の結合よりはるかに大きく、それが合金層内の結着剤や、外周上に形成されたイオン伝導性層との相乗効果により、長寿命が達成できるものと考えられる。
水素吸蔵合金は、充電で水素を吸蔵し、放電で水素を放出することにより、膨張・収縮を繰り返し、微粉化して集電体と水素吸蔵合金との接触性が低下するのであるが、本発明では、ファイバー状構造と水素吸蔵合金層上に形成されたイオン伝導性層により、接触性の低下が大幅に抑制されている。なお、SEBSは、水素吸蔵合金の膨張・収縮に対応して優れた延伸性を有することから、SEBSからなるイオン伝導性層は、水素吸蔵合金層が集電体から剥離するのを防ぐのに、より有効なイオン伝導性層である。
次に、SEBSでイオン透過性ポリマー皮膜を形成した実施例を示す。負極の合金スラリー作製条件および電極作製条件は、実施例1と同等である。以下の実施例では、酸化ジルコニウムおよび/または酸化ケイ素を、SEBSトルエン溶解液(SEBS:15重量%)に40重量%ほど混合したものを作製してファイバー上に塗布し、80℃で1時間乾燥させることにより、均一厚さのイオン透過性ポリマー皮膜を形成した。膜厚は、およそ20μmであった。
実施例4
SEBSに酸化ジルコニウムを40重量%添加したイオン透過性ポリマー物質を用いてイオン透過性ポリマー皮膜を形成した以外は、実施例1と同様にして合金負極を得た。この合金負極をB−1とした。
実施例5
SEBSに酸化ケイ素を40重量%ほど添加したポリマー物質を用いてポリマー皮膜を形成し、これを90℃に熱した濃度30重量%の水酸化カリウム水溶液中に3時間浸漬することにより、多孔性膜を得た。この多孔性膜をイオン透過性ポリマー皮膜とした以外は、実施例1と同様にして合金負極を得た。この合金負極をB−2とした。
実施例6
SEBSに酸化ジルコニウムと酸化ケイ素とを、それぞれ15重量%と25重量%ほど添加したポリマー物質を用いてポリマー皮膜を形成し、これを90℃に熱した濃度30重量%の水酸化カリウム水溶液中に3時間浸漬することにより、多孔性膜を得た。この多孔性膜をイオン透過性ポリマー皮膜とした以外は、実施例1と同様にして合金負極を得た。この合金負極をB−3とした。
次に、電極B−1〜B−3を用いて電池試験を行った。電池試験においては、正極および電解液は、電極A−1(実施例1)の場合と同様のものを用いた。試験セルは負極容量規制とし、ニッケル極は、この合金負極の10倍の計算容量を有するようにしてセルを構成した。これらの充放電試験結果を、図9に示す。
電極B−1においては、酸化ジルコニウム添加によってイオン透過性ポリマー皮膜の親水性が向上するので、電極間の抵抗が小さくなり、電極A−1のPVA膜と同等の性能を得ることができた。
電極B−2においては、放電電圧が0.9V程度と低く、放電量も80%であった。酸化ケイ素を添加したSEBS膜は、90℃のアルカリ浸漬によってある程度の多孔性が得られるが、膜そのものは撥水性であるため、イオン透過性ポリマー皮膜のイオン透過性が十分ではないと考えられる。
電極B−3においては、放電電圧・放電量ともに、電極A−1よりも向上している。この理由は、酸化ジルコニウムの添加によって膜が撥水性から親水性に変化し、アルカリが浸透しやすくなって、酸化ケイ素の溶出も容易に進行して、多孔性膜を形成しやすいためである。さらに、酸化ジルコニウムは、アルカリ中に溶出しないので、多孔性膜の機械的強度を高める働きもある。
本発明のファイバー電池用合金負極を用いたアルカリ電解液二次電池は、携帯用、移動用、非常用などに用いられる。特に、長寿命の用途に適している。

Claims (17)

  1. 炭素繊維にニッケル被覆し、次いで水素吸蔵合金層を形成し、次いでイオン透過性ポリマー物質で被覆して得られるファイバー電池用合金負極。
  2. 炭素繊維は、単繊維の直径が5〜60μmである請求項1に記載のファイバー電池用合金負極。
  3. 炭素繊維は、単繊維10〜1000本が束になった状態である請求項1または2に記載のファイバー電池用合金負極。
  4. 炭素繊維は、単繊維2〜10本が撚られた状態である請求項1〜3のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
  5. ニッケル被覆層の厚さが、0.5〜10μmである請求項1〜4のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
  6. ニッケル被覆の工程が、無電解ニッケルめっき、次いで電解ニッケルめっきからなる請求項1〜5のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
  7. ニッケル被覆した炭素繊維に、円環状に0.5〜40μmの厚さで水素吸蔵合金層が形成された請求項1〜6のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
  8. 水素吸蔵合金層が、水素吸蔵合金粉末、結着剤および導電助剤を含有するスラリーを、ニッケル被覆した炭素繊維に塗着させて形成される請求項1〜7のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
  9. 水素吸蔵合金層が、水素吸蔵合金粉末、結着剤および導電助剤を含有する銅またはニッケルめっき浴を用いて、銅またはニッケルと共析させることによって形成される請求項1〜7のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
  10. スラリーまたはめっき浴が、結着剤としてスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体を水素吸蔵合金粉末に対して0.5〜15重量%含有する請求項8または9に記載のファイバー電池用合金負極。
  11. 導電助剤がカーボンブラックである請求項8〜10のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
  12. 水素吸蔵合金層を形成した炭素繊維に、円環状に2〜20μmの厚さでイオン透過性ポリマー物質層が形成された請求項1〜11のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
  13. イオン透過性ポリマー物質が、ポリビニルアルコールを主成分とする物質である請求項1〜12のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
  14. イオン透過性ポリマー物質が、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体および耐アルカリ性金属酸化物を含有する物質である請求項1〜12のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
  15. イオン透過性ポリマー物質層が、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、耐アルカリ性金属酸化物およびアルカリ溶解性酸化物を含有する混合物で形成された膜を、高温の苛性アルカリ水溶液中で処理してアルカリ溶解性酸化物を溶出させることにより得られる多孔性膜である請求項1〜12のいずれか1項に記載のファイバー電池用合金負極。
  16. 耐アルカリ性金属酸化物が酸化ジルコニウムである請求項14または15に記載のファイバー電池用合金負極。
  17. アルカリ溶解性酸化物が酸化ケイ素である請求項15または16に記載のファイバー電池用合金負極。
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