JP2013211122A - アルカリ蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】コバルト酸化物の被覆層を有し、粒子内部に水酸化リチウムあるいはリチウムイオンを含有する水酸化ニッケル固溶体粒子を主成分とした正極を用いたアルカリ蓄電池において、正極利用率を維持しつつ、より高い保存特性を有するアルカリ蓄電池を提供する。
【解決手段】本発明のアルカリ蓄電池は、コバルト酸化物の被覆層を有し、粒子内部に水酸化リチウムあるいはリチウムイオンを含有する水酸化ニッケル固溶体粒子を主成分とした正極とセパレータを介して対向配置した負極からなる電極群と、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの両方もしくは水酸化ナトリウム単独からなる電解液とを備えたアルカリ蓄電池において、上記電解液は、全アルカリに対して70〜100mol%の水酸化ナトリウムと全アルカリに対して0〜30mol%の水酸化カリウムを含み、かつ全アルカリ量が7.0〜9.0mol/Lである構成としたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、コバルト酸化物の被覆層を有し、粒子内部に水酸化リチウムあるいはリチウムイオンを含有する水酸化ニッケル固溶体粒子を正極の主成分とし、正極利用率を維持しつつ、より高い保存特性を実現するアルカリ蓄電池に関する。
正極活物質として水酸化ニッケルを用いるアルカリ蓄電池は、比較的エネルギー密度が高い上、リチウムイオン二次電池よりは耐用性が高いため、いわゆるタフユース用途として利用されている。さらに作動電圧が1.2Vのため乾電池と同等で互換性があり、近年、環境に対する関心の高まりから乾電池の代替として市場が拡大している。
アルカリ蓄電池の容量は、非焼結式の正極と水素吸蔵合金を主成分とした負極を用いることにより高容量化が可能となる。また、高次コバルト化合物により表面被覆された水酸化ニッケルを正極活物質とすることにより利用率を高めることができ、電池容量を増加することが可能になる。さらには、高次コバルト化合物により表面被覆された水酸化ニッケルの結晶内部に水酸化リチウムあるいはリチウムイオンを固定化することにより高温下での充放電サイクル特性を高め、過放電や短絡放置後の特性を改善することが可能となる。このような技術の活用により、乾電池の代替として活用可能なアルカリ蓄電池が商品化されている。
しかしながら、アルカリ蓄電池は乾電池等と比べると自己放電が大きく、一度充電しても保管中に残存容量が低下し、使用前に再度充電をしなければならない場合がある。従来より自己放電を抑制する手段としては、電解液中の水酸化リチウム比率を高めたり、水酸化ナトリウムを添加する方法が知られているが、これらの方法以外にも、正極へNb化合物及びY化合物を添加すると同時に水酸化ナトリウムを溶質の主体とするアルカリ電解液を用いる方法などが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、電池容量を増加させるために、水酸化ナトリウム量を電解液に含まれる全金属水酸化物に対して20〜50mol%とする方法なども提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−149646号公報 特許第3695927号公報
しかしながら、特許文献1では自己放電は抑制されるものの、正極への特定の添加物を必要とする。特許文献2の電解液では電池容量は確保できるものの、水酸化ナトリウムの比率が低いため、自己放電が十分に抑制できないという課題があった。加えて、特許文献1、特許文献2ともに電解液に水酸化リチウムを含むものとなっている。水酸化リチウムは、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムと同様に、アルカリ電解液の電解質として一般的に用いられるが、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムと比較して価格が高い。
本発明は上記課題を解決するものであって、コバルト酸化物の被覆層を有し、粒子内部に水酸化リチウムあるいはリチウムイオンを含有する水酸化ニッケル固溶体粒子を正極の
主成分としたアルカリ蓄電池において、電解液のコストを抑え、正極利用率を低下させることなく、より高い保存特性を有するアルカリ蓄電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明のアルカリ蓄電池は、水酸化ニッケルを主成分とした正極とセパレータを介して対向配置した負極からなる電極群と、アルカリ水溶液からなる電解液とを備えたアルカリ蓄電池において、前記水酸化ニッケルは、コバルト酸化物の被覆層を有し、粒子内部に水酸化リチウムあるいはリチウムイオンを含有する水酸化ニッケル固溶体粒子であり、前記電解液は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの両方もしく水酸化ナトリウム単独からなり、
全アルカリに対して70〜100mol%の水酸化ナトリウムと全アルカリに対して0〜30mol%の水酸化カリウムを含み、かつ全アルカリ量が7.0〜9.0mol/Lである構成としたことを特徴とする。
このように水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの比率と全アルカリ量を所定量に調整することにより、正極利用率の維持と保存特性の向上の両立が可能なアルカリ蓄電池を提供することができる。
本発明によれば、水酸化ナトリウムの比率が高い電解液を用いることで保存特性に優れ、また、全アルカリ量を所定量に調整することで正極利用率を維持することができるアルカリ蓄電池を提供することが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る円筒形アルカリ蓄電池の構成を示す一部切欠斜視図
本発明における第1の発明は、コバルト酸化物の被覆層を有し、粒子内部に水酸化リチウムあるいはリチウムイオンを含有する水酸化ニッケル固溶体粒子を主成分とした正極とセパレータを介して対向配置した負極からなる電極群と、水酸化ナトリウム(以下、NaOHと記載)および水酸化カリウム(以下、KOHと記載)の両方もしくはNaOH単独からなるアルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池において、上記電解液として、全アルカリに対して70〜100mol%のNaOHと全アルカリに対して0〜30mol%のKOHを含み、かつ全アルカリ量が7.0〜9.0mol/Lである構成としたことを特徴とするアルカリ蓄電池である。この構成によれば、正極利用率を低下させることなく、保存特性を改善することが可能となる。
本発明における第2の発明は、負極として水素吸蔵合金を主成分とすることを特徴とするものである。この構成によれば、高容量のアルカリ蓄電池が実現でき、乾電池の代替として活用しやすいものとなる。
本発明における第3の発明は、第2の発明に記載の水素吸蔵合金を構成する元素および結晶相の構成比率を規定するものであり、NiおよびMgを含有する水素吸蔵合金において主相の比率を90%以上とすることを特徴とするものである。水素の吸蔵放出に伴う膨張収縮率は結晶相により異なるため、主相の比率が90%未満になり副相の比率が高くなると、水素の吸蔵放出時に歪みが生じやすく、充放電を繰り返すことによって水素吸蔵合金の微粉化が進むことから寿命劣化が起こりやすくなるため好ましくない。
尚、上記の結晶相の構成比率は、粉砕や分級した水素吸蔵合金粉末のX線回折測定を行
い、リートベルト法により解析することによって特定することができる。
次に、本発明の一実施の形態を図面に基づいて具体的に説明するが、以下の実施の形態は本発明を限定するものではない。
図1に示すように、本発明の円筒形アルカリ蓄電池は、長手方向の一端部が開口する円筒形の電池ケース4を備え、その内部に正極板1、負極板2、第1のセパレータ9、第2のセパレータ10からなる電極群と電解液などを収容する。電池ケース4は導電性を有し負極端子として機能する。封口板6は中央にゴム製またはばね製の安全弁7を備えており、絶縁性樹脂パッキンを介して電池ケース4の開口部に固定されている。正極リード8は正極板1の導電性基板に溶接などにより固定され、電極群の正極板1と封口板6とを導通させる。絶縁リング5は、電池ケース4内において、電極群と封口板6との間に装着され、主に電池ケース4と電極群および正極リード8とを絶縁保護する。底部絶縁板3は電池ケース4の底面に配置され、電極群を絶縁保護する。
正極板1は三次元網目構造を有する導電性基材に正極合剤が充填されている。正極合剤は例えば正極活物質、結着剤、増粘剤などからなる。
正極活物質としては、コバルト、亜鉛等を固溶した水酸化ニッケルの表面にコバルト等を被覆し、アルカリ存在下で被覆層を酸化した後、水酸化リチウム等に接触させ処理した粉末などを挙げることができる。
結着剤は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。結着剤の具体例としては、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレンなどがあげられる。
増粘剤としては正極合剤スラリーに粘性を付与できるもの、一例としては、カルボキシメチルセルロースおよびその変性体、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリエチレンオキシドなどが挙げられる。
正極合剤のスラリーを調合した後、三次元網目構造を有する導電性基材に充填、乾燥し、所定の加圧力およびギャップを有する圧延ロールに通して厚みを調整する。その後所定の寸法に裁断して、極板上端面の一部を超音波剥離などにより正極合剤を除去し、導電性を有する正極リード8を溶接する。
負極板2は導電性鋼板に周期的に開孔部を設けたパンチングメタル基材に負極合剤が塗着されている。負極合剤は、例えば負極活物質、導電剤、結着剤、増粘剤などからなる。
負極活物質としては、水素を吸蔵放出可能な水素吸蔵合金やカドミウムなどをあげることができる。
導電剤としては、電子伝導性を有する材料であること以外は特に限定されず、各種の電子伝導性材料を用いることができる。具体的には、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイト類、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類を用いることができる。
結着剤は水素吸蔵合金粉末や導電剤を集電体に結着させる役割を果たす。結着剤は、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。結着剤の具体例としては、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフ
ルオロエチレンなどがあげられる。
増粘剤としては負極合剤ペーストに粘性を付与できるもの、一例としては、カルボキシメチルセルロースおよびその変性体、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリエチレンオキシドなどを用いることができる。
負極合剤ペーストを調合した後、パンチングメタルに塗着、乾燥し、所定の加圧力およびギャップを有する圧延ロールに通して厚みを調整する。その後所定の寸法に裁断する。
第1のセパレータ9、第2のセパレータ10は、ポリプロピレンとポリエチレンを原料とする繊維を交絡させた不織布またはシート状フィルムからなる。これらのセパレータとしては、目付け重量(単位面積あたりの重量)が、20g/mから100g/mに調整されたものがより好ましい。また、厚みは50μmから200μmに調整されたものがより好ましい。これらのセパレータは親水性を付与させるために親水化処理が施されている。セパレータに対する親水化処理としては、スルホン化処理、フッ素処理、プラズマ処理などがある。
電解液はNaOHを主体とし、NaOHおよびKOHの両方もしくはNaOH単独からなる7.0〜9.0mol/Lのアルカリ水溶液であり、全アルカリに対して70〜100mol%のNaOHと全アルカリに対して0〜30mol%のKOHにより構成される。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
(1)ニッケル正極の作製
活物質の母粒子となる水酸化ニッケル固溶体粒子は、周知の以下の手法を用いて合成した。硫酸ニッケルを主成分とし、硫酸コバルトおよび硫酸亜鉛を所定量だけ含有させた水溶液に、アンモニア水で溶液のpHを調整しながらNaOH水溶液を徐々に滴下し、球状の水酸化ニッケル固溶体粒子を析出させ、この方法で析出した水酸化ニッケル固溶体粒子を水洗、乾燥して母粒子とした。
続いて、前記の水酸化ニッケル固溶体粒子を硫酸コバルト水溶液中に投入し、NaOH水溶液を徐々に加え、35℃でpHが12を維持するように調整しながら攪拌を続けて、固溶体粒子の表面に水酸化コバルト(以下、Co(OH)2と記載)を析出させてCo(OH)2被覆粒子とした。ここでCo(OH)2の被覆量については、Co(OH)2被覆粒子の総重量に対する被覆層重量の比率が5.0重量%となるように調整した。作製したCo(OH)2被覆粒子は水洗した後、真空乾燥を行った。
次に前記Co(OH)2被覆粒子に対して、以下の改質処理を行った。まず、Co(OH)2被覆粒子に45重量%のKOH水溶液の適量を含浸させ、これをマイクロ波加熱の機能を備えた乾燥装置内に投入して加熱し、酸素を送りながら粒子を完全乾燥まで導いた。この操作によって粒子表面のCo(OH)2被覆層は酸化を受け、粒子は藍色に変化した。これで第1工程を終了する。
続いて、第1工程が終了した乾燥装置内に濃度1.0mol/kgの水酸化リチウム水溶液(温度:80℃)を投入し、粒子をスラリー化して30分間攪拌した。これで第2工程を終了した。粒子をスラリー状のまま装置外に取り出し、十分に水洗と乾燥を行って活物質粒子とした。
上記で得られた活物質粒子に含まれるリチウムカチオンの含有量をICP発光分析により測定したところ、0.17%であった。
上記活物質粒子100重量部に対して、酸化イットリウム0.5重量部、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(以下、CMCと記載)0.1重量部および結着剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)0.2重量部を添加し、所定量の純水を加えてペーストを得た。得られたペーストを三次元網目構造を有する発泡状金属シートに充填し、乾燥後、厚み0.6mmに加圧成形した。加圧成形後、縦43mm、横95mmに切断し、正極リード8となるニッケル板を溶接し溶接部の表裏両面をポリプロピレン製絶縁テープにより被覆した。以上の構成により、容量1900mAhの正極板1を得た。
なお、正極容量は放電反応をNiOOH→Ni(OH)2の1電子反応とし、Ni(OH)21gあたりの理論容量を289mAhとして算出した。
(2)電解液の作製
NaOHのペレットを純水に溶かしたアルカリ水溶液に、KOHのペレットを添加し純水で濃度を調整した。このときの全アルカリ濃度を8.0mol/Lとし、且つNaOH比率を80mol%、KOH比率を20mol%とした。
(3)負極の作製
Mm、Ni、Co、Al、Mnを所定の割合で混合したものを高周波溶解炉で溶解し、組成がMmNi3.55Co0.75Al0.3Mn0.45の水素吸蔵合金のインゴットを作製した。このインゴットを1060℃のアルゴン雰囲気化で6時間加熱した後、粗粉砕した。得られた粗粉を湿式ボールミルを用いて粉砕し、湿潤状態でメッシュ径が90μmの篩(ふるい)で分級し、平均粒径40μmの水素吸蔵合金粉末を得た。
この水素合金粉末をX線回折測定を行い、リートベルト法により解析したところCaCu5型の結晶相が100%であった。
上述の水素吸蔵合金粉末を、100℃の30重量%のKOH水溶液中で1時間攪拌し、その後、温水を用いてpHが9以下になるまで洗浄し、脱水した。
KOH水溶液で処理した水素吸蔵合金粉末100重量部に対して、CMC0.15重量部、ケッチェンブラック0.3重量部、酸化イットリウム0.7重量部およびスチレンブタジエン共重合体(SBR)0.7重量部を加え、さらに水を添加して練合しペーストを得た。このペーストをニッケルメッキを施した鉄製パンチングメタルからなる芯材の両面に塗着し、乾燥した。その後、厚み0.3mmに加圧成形し、縦43mm、横134mmの寸法に切断して容量2600mAhの負極板2を得た。
(4)電池の作製
図1に示す円筒形アルカリ蓄電池を作製した。
まず、上記で得られた正極板1と負極板2とセパレータを巻芯を介して捲回し、ニッケル水素蓄電池の電極群を作製した。セパレータはポリプロピレンとポリエチレンを原料とする繊維を交絡させた目付け重量55g/m、厚み0.12mm、幅46mmの不織布をスルホン化処理したものであり、この不織布から長さ140mm(第1のセパレータ9)と125mm(第2のセパレータ10)の2枚のセパレータを切り出して使用した。
次いで、表面にニッケルめっきを施したAAサイズの鉄製の電池ケース4に底部絶縁板3を挿入し、上記の電極群を収納した。その後、電極群の上部に絶縁リング5を配置し、
電池ケース4にその周方向に伸びる幅1.2mmの環状溝部を形成した後、電池ケース4内に上述の電解液を注入し、封口板6と正極リード8とを溶接した。封口板6を電池ケース4の開口に装着し、電池ケース4の開口端部を封口板6に向けてかしめ付けることにより電池ケース4を封口し、実施例1のアルカリ蓄電池を得た。電解液は正極容量1Ahに対して2ccとなるように注液した。
(実施例2)
NaOHおよびKOHで作製する電解液の組成を、全アルカリ濃度9.0mol/Lとし、且つNaOHの比率を80mol%、KOHの比率を20mol%に調整したこと以外は、実施例1と同様に作製したアルカリ蓄電池を実施例2とした。
(実施例3)
NaOHおよびKOHで作製する電解液の組成を、全アルカリ濃度7.0mol/Lとし、且つNaOHの比率を80mol%、KOHの比率を20mol%に調整したこと以外は、実施例1と同様に作製したアルカリ蓄電池を実施例3とした。
(実施例4)
NaOHおよびKOHで作製する電解液の組成を、全アルカリ濃度8.0mol/Lとし、且つNaOHの比率を100mol%、KOHの比率を0mol%に調整したこと以外は、実施例1と同様に作製したアルカリ蓄電池を実施例4とした。
(実施例5)
NaOHおよびKOHで作製する電解液の組成を、全アルカリ濃度8.0mol/Lとし、且つNaOHの比率を70mol%、KOH比率を30mol%に調整したこと以外は、実施例1と同様に作製したアルカリ蓄電池を実施例5とした。
(実施例6)
NaOHおよびKOHで作製する電解液の組成を、全アルカリ濃度9.0mol/Lとし、且つNaOHの比率を100mol%、KOHの比率を0%に調整したこと以外は、実施例1と同様に作製したアルカリ蓄電池を実施例6とした。
(実施例7)
NaOHおよびKOHで作製する電解液の組成を、全アルカリ濃度9.0mol/Lとし、且つNaOHの比率を70mol%、KOH比率を30mol%に調整したこと以外は、実施例1と同様に作製したアルカリ蓄電池を実施例7とした。
(実施例8)
NaOHおよびKOHで作製する電解液の組成を、全アルカリ濃度7.0mol/Lとし、且つNaOHの比率を100mol%、KOHの比率を0%に調整したこと以外は、実施例1と同様に作製したアルカリ蓄電池を実施例8とした。
(実施例9)
NaOHおよびKOHで作製する電解液の組成を、全アルカリ濃度7.0mol/Lとし、且つNaOHの比率を70mol%、KOH比率を30mol%に調整したこと以外は、実施例1と同様に作製したアルカリ蓄電池を実施例9とした。
(実施例10)
La、Mg、Ni、Co、Alを所定の割合で混合したものを高周波溶解炉で溶解し、組成がLa0.7Mg0.3Ni2.75Co0.5Al0.05の水素吸蔵合金のインゴットを作製した。このインゴットを950℃のアルゴン雰囲気化で12時間加熱した後
、粗粉砕した。得られた粗粉を湿式ボールミルを用いて粉砕し、湿潤状態でメッシュ径が90μmの篩で分級し、平均粒径40μmの水素吸蔵合金粉末を得た。
得られた水素合金粉末をX線回折測定を行い、リートベルト法により解析したところPr5Co19型の結晶相が91%、CaCu5型の結晶相が9%の構成であった。
この水素吸蔵合金粉末を用いて負極を作製した以外は、実施例1と同様に作製したアルカリ蓄電池を実施例10とした。
(実施例11)
La、Mg、Ni、Co、Alを所定の割合で混合したものを高周波溶解炉で溶解し、組成がLa0.7Mg0.3Ni2.75Co0.5Al0.05の水素吸蔵合金のインゴットを作製した。このインゴットを900℃のアルゴン雰囲気化で4時間加熱した後、粗粉砕した。得られた粗粉を湿式ボールミルを用いて粉砕し、湿潤状態でメッシュ径が90μmの篩で分級し、平均粒径40μmの水素吸蔵合金粉末を得た。
得られた水素合金粉末をX線回折測定を行い、リートベルト法により解析したところCe2Ni7型の結晶相が61%、CaCu5型の結晶相が39%の構成であった。
この水素吸蔵合金粉末を用いて負極を作製した以外は、実施例1と同様に作製したアルカリ蓄電池を実施例11とした。
(比較例1)
電解液をNaOH、KOH、LiOHで作製し、全アルカリ濃度8.0mol/Lとし、且つNaOHの比率を80mol%、KOH比率を10mol%、LiOH比率を10mol%に調整したこと以外は、実施例1と同様に作製したアルカリ蓄電池を比較例1とした。
(比較例2)
NaOHおよびKOHで作製する電解液の組成を、全アルカリ濃度6.5mol/Lとし、且つNaOHの比率を80mol%、KOH比率を20mol%に調整したこと以外は、実施例1と同様に作製したアルカリ蓄電池を比較例2とした。
(比較例3)
NaOHおよびKOHで作製する電解液の組成を、全アルカリ濃度9.5mol/Lとし、且つNaOHの比率を80mol%、KOH比率を20mol%に調整したこと以外は、実施例1と同様に作製したアルカリ蓄電池を比較例3とした。
(比較例4)
NaOHおよびKOHで作製する電解液の組成を、全アルカリ濃度8.0mol/Lとし、且つNaOHの比率を60mol%、KOH比率を40mol%に調整したこと以外は、実施例1と同様に作製したアルカリ蓄電池を比較例4とした。
(電池の前処理)
得られたアルカリ蓄電池は、製造後24時間放置した。次いで、このアルカリ蓄電池を20℃で0.2Aの電流値で16時間充電した後、1時間放置した。その後、0.4Aの電流値で電池電圧が1Vになるまで放電させた。この操作を2回繰り返した後、45℃で3日間のエージングを施し、評価用電池とした。
(正極利用率)
25℃で0.2Aの電流値で16時間充電した後、1時間放置し、その後0.4Aの電流値で電池電圧が1Vになるまで放電させたときの放電容量を測定し、正極容量に対する比率を算定して利用率を求めた。
(保存特性1)
25℃で0.2Aの電流値で16時間充電した後、1時間放置し、その後0.4Aの電流値で電池電圧が1Vになるまで放電させたときの放電容量を測定し、これを初期容量C0とした。さらに25℃で16時間充電し、45℃で2週間保存した。保存後、このアルカリ蓄電池を25℃環境下で2時間放置した後、0.4Aの電流値で1Vになるまでの放電容量を測定し、保存後容量C1を得た。初期容量C0に対する保存後容量C1の比率を百分率で求めた。
(保存特性2)
25℃で0.2Aの電流値で16時間充電した後、1時間放置し、その後0.4Aの電流値で電池電圧が1Vになるまで放電させたときの放電容量を測定し、これを初期容量C0とした。さらに25℃で16時間充電し、45℃で3ヶ月保存した。保存後、このアルカリ蓄電池を25℃環境下で2時間放置した後、0.4Aの電流値で1Vになるまでの放電容量を測定し、保存後容量C2を得た。初期容量C0に対する保存後容量C2の比率を百分率で求めた。
上記の方法で電池特性を評価した。各評価に対して5セルの電池を使用し、得られた正極利用率と保存特性の平均値を(表1)に示す。
比較例1は実施例と同等の特性となった。比較例2は実施例と比較して、正極利用率が低下した。また、比較例3は正極利用率、保存特性1は実施例と同等であったが、保存特
性2が実施例と比較して低くなった。さらに比較例4は実施例と比較して保存特性1および2が低かった。
比較例1は、正極中に含まれる水酸化リチウムあるいはリチウムイオンにより保存特性は確保できると考えられ、このような正極を用いる場合には、電解液に水酸化リチウムを添加する効果はほとんどないと考えられる。
比較例2は全アルカリ量が低く、導電性が十分に確保できないため、正極利用率が低下した。比較例3はアルカリ量が高く、長期の保存により負極の水素吸蔵合金の腐食量が多くなり、その結果、溶出したコバルトやマンガンがセパレータ中に析出することで微小短絡部が形成されたため、保存特性2が低下したと考えられる。
自己放電の要因の一つであるオキシ水酸化ニッケルの自己分解は酸素発生を伴う反応であり、KOHよりも酸素過電圧が高いNaOHの比率が低い電解液を用いた比較例4では、オキシ水酸化ニッケルの自己分解抑制効果が小さくなり、保存特性が低下したと考察される。
これら比較例に対して、電解液の組成及び濃度を適正化した実施例1〜11からは、比較的良好な正極利用率および保存特性が得られた。また、NiおよびMgを含有する水素吸蔵合金を用いた場合、特に、水素吸蔵合金の結晶相の構成比率を適正化した実施例10では長期の保存特性においても良好な結果が得られた。
本発明を活用することにより、コバルト酸化物の被覆層を有し、粒子内部に水酸化リチウムあるいはリチウムイオンを含有する水酸化ニッケル固溶体粒子を主成分とした正極を用いたアルカリ蓄電池において、正極利用率の低下を極力抑制しながら、保存特性の改善が可能となるため、あらゆる機器の電源として利用の可能性があり、特に、乾電池互換タイプのアルカリ蓄電池への利用可能性が期待できる。
1 正極板
2 負極板
3 底部絶縁板
4 電池ケース
5 絶縁リング
6 封口板
7 安全弁
8 正極リード
9 第1のセパレータ
10 第2のセパレータ

Claims (3)

  1. 水酸化ニッケルを主成分とした正極とセパレータを介して対向配置した負極からなる電極群と、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの両方もしくは水酸化ナトリウム単独からなるアルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池において、前記水酸化ニッケルは、コバルト酸化物の被覆層を有し、粒子内部に水酸化リチウムあるいはリチウムイオンを含有する水酸化ニッケル固溶体粒子であり、前記電解液として、全アルカリに対して70〜100mol%の水酸化ナトリウムと全アルカリに対して0〜30mol%の水酸化カリウムを含み、かつ全アルカリ量が7.0〜9.0mol/Lである構成としたことを特徴とするアルカリ蓄電池。
  2. 前記負極として水素吸蔵合金を主成分とした構成である請求項1記載のアルカリ蓄電池。
  3. 前記負極の水素吸蔵合金はNiおよびMgを含有し、前記水素吸蔵合金の結晶構造において、主相の比率が90%以上であることを特徴しとした請求項2記載のアルカリ蓄電池。
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