JP3506365B2 - ニッケル正極活物質 - Google Patents

ニッケル正極活物質

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケル正極活物
質に関し、更に詳しくは、ニッケル水素蓄電池或いはニ
ッケルカドミウム(ニカド)蓄電池等の各種ニッケル系
蓄電池用の正極材料として好適なニッケル正極活物質に
関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、ニッケル水素蓄電池やニカド電池
等のニッケル系蓄電池が、その特性として、放電曲線
が平坦で、安定した電池出力が放電末期まで得られる、
充放電のサイクル寿命が長い、急速充電や過放電に
強い、安全で使いやすい等の利点を有することで注目
されており、携帯電話やコードレス情報機器(ノートパ
ソコン)、自動車電源等の用途への適用が期待されてい
る。 【0003】その中で例えば、ニッケル水素蓄電池は、
次の化1にその充放電の全電池反応を示したが、充電時
には正極で水酸化ニッケル(Ni(OH))が電解液
とのプロトン交換により水素を手放してオキシ水酸化ニ
ッケル(NiOOH)となり、逆に放電時には、電解液
中の水素を取り込み水酸化ニッケルに戻るという挙動を
示す。一方負極では、水素吸蔵合金(M)が、充電時に
は電解液中の水素を吸蔵し水素化物(MH)となり、ま
た、放電時にはその水素を電解液中に放出するという反
応を繰り返す。 【0004】 【化1】 【0005】ところで、このニッケル水素蓄電池の正極
には従来2つのタイプが知られており、その1つは「焼
結式正極」、他の1つは「ペースト式正極」と称される
ものである。そして、前者の「焼結式正極」は、ニッケ
ルメッキした穿孔鋼板の表面にNi微粒子からなるペー
ストを塗布し、乾燥後、800℃程度の水素雰囲気下で
焼成して集電体を作製し、この集電体を硝酸ニッケル溶
液に含浸し、電解若しくは水酸化ナトリウム溶液にて中
和して水酸化ニッケル層を集電体上に形成することによ
り製作される。この「焼結式正極」によれば、集電体上
に均一に水酸化ニッケル層が形成されているため高出力
が得られるが、その反面、水酸化ニッケルの充填量が制
限されるために単位体積当たりの容量が小さいという欠
点がある。 【0006】一方、後者の「ペースト式正極」は、緻密
で平均粒子径が10〜15μmの水酸化ニッケル粒子
(正極活物質)からなる活物質ペーストを発泡Ni集電
体に充填し、乾燥後、加圧成形することにより製作され
る。この「ペースト式正極」によれば、水酸化ニッケル
の充填量を増やせるので単位体積当たりの容量が大き
く、「焼結式正極」よりも高容量化が期待されるもので
ある。 【0007】そこで、この「ペースト式正極」に用いら
れる正極活物質である「水酸化ニッケル粒子」の製造法
として従来一般に知られているものの1つが、いわゆる
粉砕タイプの水酸化ニッケルを製造する方法であって、
例えば特開平2−6340号公報等に示されるように、
硝酸ニッケル、硫酸ニッケル等のニッケル塩水溶液と、
水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物との中和反
応により水酸化ニッケルの沈殿物を生成し、その水酸化
ニッケルの沈殿物を乾燥・粉砕することにより得られる
ものである。 【0008】また、別の製法として、例えば特開平10
−74514号公報に示されるように、アンモニウム水
溶液や硫酸アンモニウム水溶液のようなアンモニウムイ
オンを含むアルカリ水溶液を攪拌しながら、その溶液に
硝酸ニッケル、硫酸ニッケル等のニッケル塩溶液を滴下
(このときにpH調整剤として水酸化ナトリウム水溶液
も同時に滴下する。)し、水酸化ニッケルの結晶粒子を
析出により得るというものも知られている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の粉砕タイプの水酸化ニッケルを正極活物質とし
て用いた場合には、その粉砕された水酸化ニッケルの表
面形状が角ばっていることによるものと思われるが、発
泡Ni集電体への充填密度がそれ程高くはならず、正極
の高容量化並びに高出力化が十分には得られないという
問題があった。 【0010】また、後者の水酸化ニッケルの結晶粒子を
正極活物質として用いた場合には、その水酸化ニッケル
の結晶粒子が比較的球状に近いために発泡Ni集電体へ
の充填密度が上がり、正極の高容量化が図れるものの、
その一方で水酸化ニッケルの結晶粒子の表面には、走査
型電子顕微鏡(SEM)により観察すると良く分かる
が、幅0.02μm、長さ0.5μm程度の片状結晶が
存在しており、放電時にこの片状結晶部分を介して水素
拡散が行われていることから高い電池出力を得られなか
った。 【0011】この片状結晶の水酸化ニッケルについて、
もう少し詳しく説明すると、図4は、この水酸化ニッケ
ルの結晶粒子の表面形態を模式的に示したものであり、
点線で示した部分が活物質のバルク表面で、実線で示し
た部分がそのバルク表面に形成される片状結晶を示して
いる。また図5は、この正極活物質の充電反応が起きる
片状結晶表面(A点)とバルク表面(B点)と活物質内
部(C点)との水素拡散濃度の変化を図示したものであ
る。 【0012】水酸化ニッケル中の水素の拡散定数は、1
−11〜10−10cm−1と報告されており、
水素拡散がどの程度の深さまで及んでいるかを示す値
(d=(2πDt)1/2)を取りあえずt=10秒と
して計算すると0.25〜0.79μmとなる。dは、
水素拡散層の深さと呼ばれる。図5に示すような片状結
晶を有する水酸化ニッケルの結晶粒子によれば、結晶粒
子表面の水素拡散層の厚さがバルク表面の片状結晶の突
出サイズ(長さ0.5μm程度)を超えると、点線で示
したバルク表面(B点)での水素(H)移動量によって
正極の出力や表面電位が決定されることになる。 【0013】そこで、その水素(H)移動量は、バルク
表面の表面積と片状結晶を介して水素(H)濃度勾配と
により次の数1で表示され、バルク表面の表面積は結晶
粒子の粒子径に反比例するために結晶粒子径が大きいと
バルク表面の表面積が小さくなり、一方、片状結晶を介
してのH濃度勾配(A点→B点→C点)は大きくなるた
めにバルク表面の水素(H)濃度が変化して、正極電位
の変化が大きくなり、正極抵抗が増大することにより出
力が低下するという問題があった。 【0014】 【数1】 (H移動量)∝(バルク表面積)×(H濃度勾配) 【0015】また、バルク表面積のH濃度勾配が大きく
変化して正極抵抗が大きくなると、充放電の繰り返しに
より温度上昇(60℃)したときに正極の充電電位と水
の電解電位が接近し、片状結晶面でのH濃度が低くなる
ことにより正極電位が貴にシフトして、水の電解(水素
発生)が副反応として生じ、充電受入性が低下するとい
う問題があった。 【0016】更に、ニッケル水素蓄電池の正極には、水
酸化ニッケル以外にも水酸化コバルトや金属コバルト等
が配合され、これらの配合成分は充電によって3価のオ
キシ水酸化コバルトとなって放電リザーブを形成し、ま
た、導電性の高いオキシ水酸化コバルトは、水酸化ニッ
ケルや芯材表面に均一に分散して導電性ネットワークを
形成し、集電性能を高めて活物質の利用率を確保する役
目を果たすことが知られているが、片状の水酸化ニッケ
ルによって表面積が大きくなっているため、導電性を付
与するため活物質表面に形成されるオキシ水酸化コバル
ト層が薄くなる。そのため、高出力化しようとして片状
結晶を多数有する小粒子径の活物質粒子を用いようとす
ると、従来の2倍量(20mass%)の酸化コバルト
(CoO)を添加しなければならず、材料コストが高く
なるという問題もあった。 【0017】そこで、本発明者らは、種々の実験を重ね
た結果、活物質粒子において水素移動量を確保するため
には活物質粒子の粒子径(μm)と表面積(m/g)
との関係を律すれば良いとの考えに至った。活物質粒子
の粒子径を小さくすることでトータルとしてのバルク表
面積を大きくしてバルク表面の水素移動量を確保し、ま
た、バルク表面の片状結晶の生成を抑制して結晶粒子の
比表面積も小さくすることでバルク表面の水素濃度勾配
を小さくすることにより正極抵抗を減少させることがで
きるとの考えるに至ったものである。 【0018】本発明の解決しようとする課題は、ニッケ
ル水素蓄電池やニカド電池等のニッケル系蓄電池の正極
材料として、高い出力が得られ、充電時の水の電解副反
応による充電受入性が低下することもなく、しかも導電
性を付与するための高価なコバルト酸化物の添加量も減
らして材料コストの低廉化が図れるニッケル正極活物質
を提供することにある。 【0019】 【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明のニッケル正極活物質は、ニッケル系蓄電池の
正極に用いられる水酸化ニッケル微粒子を主成分とする
ニッケル正極活物質であって、水酸化ニッケル微粒子の
粒子径が5μm以下、比表面積が6m /g以下、かつ
両者の積が24μm・m /g以下であることを要旨と
するものである。 【0020】この場合に水酸化ニッケル微粒子の粒子径
と比表面積との積の値は小さい程良いが、できれば30
μm・m/g以下であることが望ましく、粒子径5μ
m以下、比表面積6m/g以下であることが最も望ま
しい。そうすれば、活物質のバルク表面積を大きくし、
かつバルク表面の水素濃度勾配を小さくすることができ
て、そのバルク表面での水素移動量の確保と正極抵抗の
減少により高出力が得られることとなる。 【0021】また、正極抵抗の減少により効率良く充電
反応が起きるため充電時の正極電位が卑にシフトし、そ
のために正極の充電電位が水の電解電位から離れて、酸
素を発生させる水の電解反応が生じることもなくなり、
充電受入性も向上することになる。 【0022】更に、水酸化ニッケル微粒子の比表面積が
規制されるために導電性を付与するための高価な酸化コ
バルト(CoO)の添加量も少なくて済むことになる。 【0023】図1は、本発明に係る水酸化ニッケル正極
活物質の表面形態を模式的に示したものである。この正
極活物質では、片状結晶の水酸化ニッケルの生成が抑制
されている。また図2は、この正極活物質の放電反応が
起きるバルク表面(D点)と活物質内部(E点)との水
素拡散濃度の変化を図示したものである。 【0024】この図2において放電反応が起きるバルク
表面(D点)と活物質内部(E点)との間で水素の拡散
が起きるが、このときDで示したバルク表面の面積が大
きくなるため、D点の水素濃度の傾きが小さくても(言
い換えると、D点の水素濃度がE点の水素濃度にかなり
近い値でも)十分の量の水素の移動量が生じる。そして
このように、D点で示した面の面積が大きいため水素の
供給が速やかに行われ、正極としての出力密度が高くな
る。 【0025】また、D点の水素濃度がE点の水素濃度に
近いため、充電時には従来の活物質を使用した場合に比
べて、図3に示したように正極電位がマイナス(−)側
にシフトして正極電位が卑な値に保たれるため、高温時
に副反応として生じる水の電解(酸素発生)が抑制さ
れ、充電受入性が向上する。更に、表面積が小さいた
め、小粒子径の活物質粒子を用いても10mass%の
CoOの添加によって十分の厚さのオキシ水酸化コバル
ト層が形成される。 【0026】尚、この場合に正極活物質である「水酸化
ニッケル微粒子」の製造方法としては、前述の特開平1
0−74514号公報に示されるように、アンモニウム
イオンを含むアルカリ水溶液(例えば、硫酸アンモニウ
ムやアンモニウム水溶液)を高速で攪拌しながら、その
水溶液に硝酸ニッケルや硫酸ニッケル等のニッケル塩溶
液を滴下し、pH調整剤である水酸化ナトリウム水溶液
も同時に滴下することにより水酸化ニッケルの結晶粒子
を析出させるものが一例として挙げられる。この場合に
はアンモニウムイオンを含むアルカリ水溶液の攪拌速度
としては、攪拌翼の回転速度が1200rpm以上であ
ることが望ましい。攪拌翼の回転速度が遅いと結晶粒子
の粒子径が大きくなり、活物質のバルク表面に片状結晶
が晶析するので好ましくない。 【0027】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を詳細に説
明する。供試サンプルとして本発明品である正極活物質
(実施例1)と、比較品である市販の正極活物質(比較
例1)とを準備した。本発明品の正極活物質(実施例
1)の平均半径は4μm、比表面積は5.8m/g
(両者の積は、24μm・m/g)であり、比較品の
正極活物質(比較例1)の平均粒子径は12μm、比表
面積は17m/g(両者の積は約200μm・m
g)である。ここで、正極活物質の平均粒子径は走査型
電子顕微鏡(SEM)による粒子径写真から求め、比表
面積の値はBET法により測定した。 【0028】次に、本発明品である正極活物質(実施例
1)は、次のような方法で合成した。すなわち、容器
(ビーカー)に4Mのアンモニウム水溶液200mlを
入れ、攪拌棒(翼)により1200rpm以上の回転数
で攪拌しながら、これに2Mの硫酸ニッケル(NiSO
)水溶液、及び4Mの水酸化ナトリウム(NaOH)
水溶液をそれぞれ毎分0.46ml添加する。これによ
り本発明品の正極活物質である水酸化ニッケルの晶析物
が得られた。 【0029】次いで、本発明品及び比較品の正極活物質
(45g)に対して、それぞれ酸化コバルト(CoO)
粉末5gと2mass%のメチルセルロース溶液17g
とを加えて活物質ペーストを作製し、これらの活物質ペ
ーストを4.6cm×54cm角のNiフェルト集電体
の空孔内にそれぞれ充填(充填量は、およそ30g)
し、乾燥した後プレスして本発明品と比較品の正極を作
製する。 【0030】また負極には、AB系の水素吸蔵合金粉
末60gに対して、2mass%のメチルセルロース溶
液を20g加えて負極活物質のペーストを作製し、この
負極活物質のペーストを発泡Ni集電体に担持して2枚
の負極を作製した。そして、これら正極と負極とをセパ
レータを介して巻き取り、集電板を溶接後、封缶して容
量約6.5Ahの電池を2個作製した。電解液には、
6.8M水酸化カリウム+0.8M水酸化リチウム溶液
を注液している。 【0031】次に、このようにして製作したニッケル水
素蓄電池(本発明品と比較品)について充放電試験を行
ったので、その結果を説明する。この充放電試験は、2
0℃の恒温槽内で行い、充電は1/3Cの電流値で11
0%の電気量となるまで行い、次いで30分の休止後、
1/3Cの電流で電池端子電圧が0.9Vとなるまで放
電した。そして、充放電試験を100サイクル行った
後、電流−電圧特性を求め、その傾きから電池の出力密
度を算出した。また、60℃において上記条件で3回連
続して充放電を行い、3回目の放電量から充電受入性を
評価した。これらの結果を表1に示す。 【0032】 【表1】 【0033】しかして、この表1に示したように、市販
の正極活物質を用いた比較電池の出力密度350W/k
gに比べて、小粒子径で比表面積の小さな正極活物質を
使用した本発明電池では、500W/kgと出力密度が
高く、また高温での充電受入性も格段に改善されている
ことが分かる。ちなみに、充電受入性が比較電池におい
て35%ということは、残り65%は水の電解による酸
素発生により電流損失が生じていることを意味する。 【0034】図3は、これをグラフに示したもので、横
軸に正極電位を採り、縦軸に電流値を採ったものである
が、温度が高い場合の充電時の正極の電位−電流曲線
(A)と水の電解による酸素発生反応の電位−電流曲線
(B)とが近接する。従来の活物質では、酸素発生の副
反応が起こるものを、本発明の正極活物質によれば、そ
の正極電位−電流曲線が曲線(C)、つまり正極電位の
マイナス(卑)側にシフトして酸素発生の副反応が抑制
されるものである。従来採られている対策として、正極
活物質に添加剤を加える等して曲線(B)を曲線(D)
にシフトさせて酸素発生の副反応を抑制する考えは既に
あるが、これによれば充電反応も抑制されるために本発
明の方が優れている。 【0035】本発明は上記した実施の形態に何等限定さ
れるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種
々の改変が可能である。例えば、上記実施例では、放電
リザーブのための水酸化コバルトを本発明品の水酸化ニ
ッケル活物質生成後に配合しているが、水酸化ニッケル
活物質の生成段階で同時に行うようにしても良い。この
場合には、アンモニウム水溶液(或いは硫酸アンモニウ
ム水溶液)に、硫酸ニッケルと硫酸コバルトの混合溶液
を水酸化ナトリウム水溶液と共に滴下して水酸化ニッケ
ルと水酸化コバルトとの共析物を生成することになる。 【0036】 【発明の効果】本発明のニッケル正極活物質によれば、
水酸化ニッケル微粒子の表面に水酸化ニッケルの片状結
晶もなく粒子径が5μm以下、比表面積が6m /g以
下、かつ両者の積が24μm・m /g以下に抑えたも
のであるから、ニッケル水素蓄電池等の正極材料に用い
たときに高い出力が得られ、また充電受け入れ生にも優
れる。しかも放電リザーブのためのコバルト配合量も少
なくて済み、急速充電や過放電に強く、長期間安定した
出力が得られる等の電池性能を備えるものであるから、
携帯電話やノートパソコン、更にはハイブリッド車を初
めとする自動車用電源等の用途への適用が大いに期待さ
れるものである。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係るニッケル正極活物質の表面形態を
模式的に示した図である。 【図2】図1に示した本発明の正極活物質の各位置(D
点、E点)における水素(H)濃度の変化を説明した図
である。 【図3】本発明に係るニッケル正極活物質を用いたこと
による充電受入性(高温時)の改善を説明したものであ
る。 【図4】比較品である片状結晶を有するニッケル正極活
物質の表面形態を模式的に示した図である。 【図5】図4に示した比較品の正極活物質の各位置(A
点、B点、C点)における水素(H)濃度の変化を説明
した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 康仁 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 磯貝 嘉宏 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 藤田 勝義 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 牟田 光治 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社豊田自動織機製作所内 (56)参考文献 特開 平7−57730(JP,A) 特開 平10−12237(JP,A) 特開 平9−17429(JP,A) 特開 平10−284078(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/52 H01M 10/30

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】ニッケル系蓄電池の正極に用いられる水酸
    化ニッケル微粒子を主成分とするニッケル正極活物質で
    あって、水酸化ニッケル微粒子の粒子径が5μm以下、
    比表面積が6m /g以下、かつ両者の積が24μm・
    /g以下であることを特徴とするニッケル正極活物
    質。
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