JPH11250908A - アルカリ二次電池用電極およびアルカリ二次電池 - Google Patents

アルカリ二次電池用電極およびアルカリ二次電池

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JPH11250908A
JPH11250908A JP10067616A JP6761698A JPH11250908A JP H11250908 A JPH11250908 A JP H11250908A JP 10067616 A JP10067616 A JP 10067616A JP 6761698 A JP6761698 A JP 6761698A JP H11250908 A JPH11250908 A JP H11250908A
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nickel
hydroxide
cobalt
electrode
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JP10067616A
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Hitoshi Kato
人士 加藤
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Furukawa Battery Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Battery Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 急速充放電の要求にあった、現在使用されて
いるものより、さらに優秀な性能を有する電池、特に良
好な充放電サイクル寿命特性を有し、内圧の向上とを図
った電池を提供する。 【解決手段】 水酸化ニッケルからなる母粒子の表面に
ランタノイド化合物、イットリウム化合物およびスカン
ジウム化合物の群から選ばれた少なくとも1種の化合物
とコバルト化合物を主体とする被覆層が形成されたアル
カリ二次電池用電極、およびこの電極を用いたアルカリ
二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケル−カドミ
ウム(Ni−Cd)二次電池、ニッケル−水素(Ni−
MH)二次電池などのアルカリ二次電池用ニッケル電
極、およびこのような電極を組み込んだニッケル系アル
カリ二次電池に関し、さらに詳しくは、高容量であり、
充放電サイクル寿命特性の優れたアルカリ二次電池用電
極、およびこれを用いたアルカリ二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アルカリ二次電池であるNi−
MH二次電池やNi−Cd二次電池などの正極には、亜
鉛やコバルトが固溶している水酸化ニッケル粉末を活物
質としたニッケル正極が用いられている。しかし、コバ
ルト化合物で水酸化ニッケル表面を被覆した活物質から
なる正極では、特に、電池が過放電状態になると、発熱
がより大きくなり被覆層を形成するコバルト化合物が母
粒子内部に拡散浸透する。そのため、被覆層の水酸化コ
バルト量が少なくなり、電極内に形成されたコバルト化
合物による導電ネットワークの導電性が低下し、結果的
に電極容量が低下する。特開平8−222217号公報
では、水酸化ニッケルに少なくとも水酸化コバルトとア
ルミニウム、マグネシウム、亜鉛、インジウムなどの化
合物のうち1つ以上を被覆することで、コバルト化合物
が表面に被覆されたアルカリ二次電池用ニッケル活物質
において、上記コバルト化合物が、過放電時に母粒子内
部へ拡散浸透し、活物質利用率や充放電特性が低下する
現象を防止できることが開示されている。また、特開平
9−92279号公報では、ニッケル水酸化物を主成分
とする活物質にイッテルビウムまたはイッテルビウム化
合物を添加してなる正極を備えたアルカリ二次電池とす
ることで、ニッケル正極の高温における利用率を高め、
水素吸蔵合金負極の合金腐食を抑え、サイクル寿命を高
めたニッケル水素化物二次電池を提供することが開示さ
れている。
【0003】しかし、これらの特性を満足するために
は、コバルト化合物をはじめとして、アルミニウム、マ
グネシウム、亜鉛、インジウムなどの化合物のうち1つ
以上の化合物またはランタノイドであるイッテルビウム
もしくはイッテルビウム化合物を添加しなくてはなら
ず、水酸化ニッケルの充填密度が低下し、高容量化の支
障にもなりかねない。また、添加量が多い割には、それ
ほど効果が認められない。一方、近年、急速高率充放電
の使用に適した、高容量であり、充放電サイクル寿命特
性の優れたアルカリ二次電池がますます求められるよう
になってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高容量であ
り高率充放電時のサイクル寿命特性の優れたアルカリ二
次電池を提供することにある。さらに、高温時において
も、より優れた導電性を保ち、電極反応が均一に起こり
やすい正極であって、充放電サイクル寿命特性が優れた
アルカリ二次電池を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、水酸化ニッケ
ルからなる母粒子の表面に被覆層が形成されたアルカリ
二次電池用電極であって、上記被覆層がランタノイド化
合物、イットリウム化合物およびスカンジウム化合物の
群から選ばれた少なくとも1種の化合物とコバルト化合
物を主体とすることを特徴とするアルカリ二次電池用電
極および前記アルカリ二次電池用電極を有するアルカリ
二次電池である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記のように、ラ
ンタノイド化合物、イットリウム化合物、スカンジウム
化合物のうち少なくとも1種と、コバルト化合物とを水
酸化ニッケル母粒子表面に被覆させることにより、ラン
タノイド化合物、イットリウム化合物、スカンジウム化
合物のうち少なくとも1種と、コバルト化合物との相乗
効果により、電池性能に貢献する被覆水酸化ニッケル母
粒子が得られることを見いだし、本発明を完成させたも
のである。
【0007】すなわち、ランタノイド化合物〔特にイッ
テルビウム(Yb)、ルテニウム(Lu)、エルビウム
(Er)またはツリウム(Tm)化合物〕、イットリウ
ム化合物、スカンジウム化合物のうち少なくとも1種
と、コバルト化合物で被覆することにより、活物質であ
る水酸化ニッケル上に、均一に緻密にオキシ水酸化コバ
ルトの導電マトリックスが形成される。この導電マトリ
ックスの存在により、活物質である水酸化ニッケルの電
極反応が改善され、正極の電極反応がスムーズに均一に
起こりやすくなり、充放電サイクル寿命特性が向上し、
高容量化が達成される。この現象は、ランタノイド化合
物、イットリウム化合物、またはスカンジウム化合物
が、一部溶解してコバルト化合物のある種の溶解促進剤
として働き、コバルト化合物がスムーズにアルカリ水溶
液中でコバルト錯イオンとなって溶解し、さらに、今度
はそれが逆に復極剤として働き、スムーズにコバルト錯
イオンが酸化されて、オキシ水酸化コバルトとなってニ
ッケル正極の中に均一に緻密に電析するためと考えられ
る。
【0008】また、上記被覆水酸化ニッケル母粒子を空
気攪拌条件下で、60℃以上のNaイオン含有のアルカ
リ水溶液中で浸漬処理することにより、被覆層のランタ
ノイド化合物および/またはイットリウム化合物、およ
び/またはスカンジウム化合物とコバルト化合物の表面
が粗面化(表面積が増大)し、化合物の相互表面の密着
が図られる。同時にコバルト水酸化物は、2価を超える
コバルト酸化物に変化する。さらに、上記ランタノイド
化合物および/またはイットリウム化合物、および/ま
たはスカンジウム化合物は酸化され酸化物となり一部溶
解するが、溶解しなかったものの大部分は、水酸化ニッ
ケル母粒子内部へ拡散して、コバルト化合物のニッケル
母粒子内部への拡散を阻止することにより、オキシ水酸
化コバルトの導電マトリックスを安定確保する。それに
伴って、水酸化ニッケルがオキシ水酸化ニッケルとなる
電位とニッケル正極の酸素発生電位との差がある幅をも
って安定化され、活物質である水酸化ニッケルの均一な
電極反応が起こりやすくなる。
【0009】上記ランタノイド化合物、および/または
イットリウム化合物、および/またはスカンジウム化合
物の溶解したものの一部は、負極電極上に析出して、水
素吸蔵合金構成元素である、特にマンガン、アルミニウ
ムなどの溶解を防ぎ、水素吸蔵合金の腐食を抑制する働
きがあるので、電池性能としては良くなる傾向にある。
従って、高容量を保ち、サイクル寿命特性の優れた電極
を有するアルカリ二次電池が得られる。
【0010】本発明において、正極に配合される活物質
は、水酸化ニッケルであり、その水酸化ニッケルには少
なくとも亜鉛および/またはその化合物やコバルトおよ
び/またはその化合物が存在している。正極に配合され
る活物質は、粒径が好ましくは1〜50μm、さらに好
ましくは5〜15μmの粒状の粉末である。通常、ニッ
ケル正極は、活物質として、亜鉛、コバルトなどが固溶
している水酸化ニッケルを、フッ素樹脂などの結着剤お
よびカルボキシメチルセルロース(CMC)などの増粘
剤などと混練して充填ペーストを作製し、これを発泡ニ
ッケル多孔質体などの電極基板に充填し、乾燥、圧延な
どを経て製造されている。
【0011】本発明において、ニッケル正電極の作製方
法例を以下に詳述する。まず、亜鉛、コバルトが固溶し
た粒状水酸化ニッケル活物質母粒子の作製としては、硫
酸ニッケル水溶液、硫酸亜鉛水溶液、硫酸コバルト水溶
液を混合した水溶液に、アンモニア水で溶液のPHを調
整しつつ25重量%の水酸化ナトリウム水溶液を徐々に
滴下し、亜鉛、コバルトが固溶した水酸化ニッケルを析
出させる。この析出水酸化ニッケルを水洗し、乾燥し
て、水酸化ニッケル母粒子とする。通常、この方法で得
られる水酸化ニッケル母粒子の平均粒径は、約10μm
である。
【0012】次に、上記水酸化ニッケル母粒子に約4倍
(重量比)の水を加え混合分散し、この分散液(スラリ
ー状態)に対し、水酸化ナトリウム水溶液でPHを9〜
12に調整維持しながら、ランタノイドの硫酸塩化合
物、硫酸イットリウム、硫酸スカンジウムのうち少なく
とも1種と、硫酸コバルトを混合したもの、またはラン
タノイドの硫酸塩化合物、硫酸イットリウム、硫酸スカ
ンジウムのうち少なくとも1種を添加したのち、硫酸コ
バルトを徐々に添加する。これにより、水酸化ニッケル
を媒体として水酸化ニッケル母粒子表面に水酸化ランタ
ノイド粒子、水酸化イットリウム粒子、水酸化スカンジ
ウム粒子のうち少なくとも1種および水酸化コバルト粒
子が被覆される。通常、この方法で得られる被覆水酸化
ニッケル母粒子表面の被覆粒子の平均粒径は、約1〜2
μmである。
【0013】その後、さらに、PH9〜12を維持しな
がら空気攪拌条件下で高温アルカリ処理を行ったのち、
得られる母粒子をろ過、水洗、乾燥する。このアルカリ
処理は、酸素存在下で60℃以上の温度で行われること
が好ましく、さらに好ましくは80〜120℃の温度条
件が好ましい。60℃未満であると、ランタノイド化合
物、イットリウム化合物、スカンジウム化合物、コバル
ト化合物が酸化されにくい。また、アルカリとしては、
Naイオン含有のアルカリ水溶液、例えば、水酸化ナト
リウム、炭酸水素ナトリウムの水溶液に浸漬処理して行
われ、水溶液の濃度は1〜50重量%、好ましくは10
〜30重量%である。上記操作により、本発明の、表面
にランタノイド化合物、イットリウム化合物、スカンジ
ウム化合物のうち少なくとも1種とコバルト化合物から
なる被覆層が形成され、Naイオン含有のアルカリ水溶
液中で浸漬処理し、処理前の粒径に比べ若干大きめの水
酸化ニッケル母粒子が作製される。
【0014】上記水酸化ニッケル母粒子に、結着剤、増
粘剤などを配合して、スラリーを調製する。このスラリ
ーを発泡ニッケル多孔質体からなる電極基板に充填した
のち、乾燥(例えば、80℃で1時間)、加圧(例え
ば、3ton/cm2 )する。さらに、結着剤処理、乾
燥後、ロール圧延(例えば、4ton/cm2 )を行
い、得られた電極シートを裁断してシート状ニッケル正
電極とする。
【0015】本発明において、負極に配合される充填物
の例としては、水素吸蔵合金、カドミウムなどが挙げら
れる。水素吸蔵合金としては、MmNi5 (例えば、M
3.2 Co1.0 Al0.2 Mn0.4 )(Mmはミッシュメ
タル)系、LaNi5 系(例えば、La0.7 Nd0.2
0.1 Ni2.5 Co2.4 Al0.1 )、TiNi系(例え
ば、Ti0.5 Zr0.5Ni1.0 )、ZrNi2 ・ZrV
2 系(例えば、ZrMn0.6 Cr0.2 Ni1.2・Ti17
Zr1622Ni39Cr7 )などが現在知られており、そ
れらのいずれも使用することができる。通常、水素吸蔵
合金を、平均粒径200μm以下、好ましくは20〜1
00μm、さらに好ましくは65μm程度に機械粉砕
し、得られた微細粉末を、ニッケル粉末などの導電剤、
PTFEなどの結着剤、およびCMCなどの増粘剤など
と共に均一に混合しスラリーを得る。多孔軟鋼板(例え
ば、開口率38%、穴径1.5mm)に電気ニッケル法
で2〜3μmのニッケルメッキ被膜を施して得られるパ
ンチングニッケルシートに、上記で得られたスラリーを
塗布して乾燥し、圧延、裁断してシート状電極が製造さ
れる。本発明のアルカリ二次電池の負極として、カドミ
ウムや亜鉛なども用いることができ、従来の方法と同様
にして負極を製造することができる。
【0016】電極に用いられる結着剤としては、スチレ
ン−ブタジエンゴム系ポリマー(SBR)、ネオプレン
−ブタジエンゴム系ポリマー(NBR)、フッ素ゴム系
ポリマーなどのゴム系ポリマー、ポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)、4フッ化エチレン−6フッ化プロ
ピレン共重合体(FEP)などや、シリコーン系高分子
などのシランカップリング剤などが挙げられる。好まし
くは、PTFEである。
【0017】増粘剤としては、カルボキシメチルセルロ
ース(CMC)、メチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、エチルセルロースのようなセルロース系高
分子や、エチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコールのようなグリコール類や、ポ
リビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダのような合
成高分子を挙げることができる。好ましくはCMCであ
る。さらに、電極を作製するときに導電剤を加える場合
には、導電剤として、ニッケル、カーボン、カーボニル
ニッケルなどを挙げることができる。これらは粉末とし
て配合しても、塗布しても良い。
【0018】セパレータとしては、通常使用されている
不織布、微多孔フィルムなどを使用することができ、そ
の材質としては通常使用されているポリアミドなどのナ
イロン系、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオ
レフィン系などが挙げられる。
【0019】電解液としては、アルカリ水溶液である水
酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムの水
溶液の単独液または混合液を用いる。好ましいのは、3
N以上の水酸化カリウムと0.2〜1.0Nの水酸化ナ
トリウムの混合水溶液、3N以上の水酸化カリウム、
0.2〜1.0Nの水酸化ナトリウムおよび2N以下の
水酸化リチウムの混合水溶液を用いることが出来る。例
えば、水酸化カリウム7N水溶液、水酸化ナトリウム6
Nおよび水酸化リチウム1Nの混合水溶液、水酸化カリ
ウム5N、水酸化ナトリウム1Nおよび水酸化リチウム
0.5〜1Nの混合水溶液が挙げられる。電解液の比重
は通常1.2〜1.4、好ましくは1.30〜1.35
である。ここで、電解質である水酸化カリウム水溶液に
水酸化ナトリウムおよび/または水酸化リチウムを添加
するのは、公知のように、酸素過電圧を高め、充電受入
性を良くするためである。水酸化リチウムは、2Nを超
えると、低温時の充電受入性が極端に悪くなるので好ま
しくない。特に、1N未満がよく、0.5N前後が良好
である。
【0020】本発明のニッケル系アルカリ二次電池は、
正極、負極、セパレータ、電解液、封口体、缶などから
構成されている。本発明のアルカリ二次電池の組み立て
の一例を挙げると、本発明のニッケル極を正極とし、水
素吸蔵合金電極を負極とし、これらの間にセパレータを
挟んで極板群とし、これを捲回し、渦巻き状にして円筒
の缶体に収容し、ここに水酸化カリウム水溶液を主体と
する電解液を注入したのち、直ちに封口して、ニッケル
−水素二次電池を組み立てることができる。
【0021】このようにして得られるアルカリ二次電池
は、高容量であり、高温時においても高率充放電時のサ
イクル寿命特性に優れており、広い分野において使用で
きるが、特に電気自動車などに使用される大型二次電池
として有用である。
【0022】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて、本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより限
定されるものではない。なお、実施例および比較例中の
部および%は、特に断らないかぎり重量部および重量%
である。
【0023】実施例1 (1)被覆水酸化ニッケル母粒子の調製(アルカリ処理
なし) 亜鉛が5%、コバルトが1.5%固溶している球状の水
酸化ニッケルの活物質母粒子(平均粒径8μm)100
部に約4倍(重量比)の水を加え混合分散し、この分散
液(スラリー状態)に対し、水酸化ナトリウム水溶液で
PHを9〜12に調整維持しながら、硫酸イッテルビウ
ム4部および硫酸コバルト8.3部の混合剤を徐々に添
加した。これにより、平均粒径約10μmの水酸化ニッ
ケル母粒子表面に、平均粒径約1〜3μmの水酸化イッ
テルビウム粒子および水酸化コバルト粒子を被覆した。
その後、沈殿物をろ過後、水洗、乾燥処理を行い、平均
粒径が約11μmの被覆水酸化ニッケル粉末を得た。
【0024】(2)ニッケル正電極の作製 上記で得られた被覆水酸化ニッケル粉末100部にCM
C1%水溶液をCMC換算で1部添加したのち、酸化コ
バルト4部とPTFE1%懸濁水溶液をPTFE換算で
1部混合してスラリーを調製した。このスラリーを、目
付重量530g/m2 、厚み11mm、空隙率95%の
発泡ニッケル多孔質体からなる電極基板に充填し、80
℃で1時間乾燥後、3ton/cm2 で加圧し、PTF
E0.25%の懸濁溶液に浸漬して再び80℃で0.5
時間乾燥したのち、ロールプレスを用いて4ton/c
2 で加圧してロール圧延を行い、得られた電極原板を
裁断して、縦41.5mm、横72mm、厚さ0.7m
mのシート状のニッケル正電極を作製した。
【0025】(3)水素吸蔵合金電極 MmNi5 (Mmはミッシュメタル)のNiの一部をC
o、Al、Mnなどで置換したMmNi5 系の水素吸蔵
合金(組成;MmNi3.2 Co1.0 Al0.2 Mn0.4
を製造し、これを機械粉砕して、平均粒径65μに微粉
化したもの100部に、CMC1%水溶液をCMC換算
で1部添加し、ニッケル粉10部、PTFE1%懸濁液
をPTFE換算で1部添加し均一に混合し、合金スラリ
ーを調製した。直径0.015mmの開口部が千鳥格子
模様をなして、複数穿設されている軟鋼製の厚さ0.0
6mmのパンチングメタルシートの表面に、厚さ2μm
のニッケルメッキを電気ニッケル法で施し、パンチング
ニッケルシート(厚さ0.07mm)を作製した。この
パンチングニッケルシート(開口率;38%、穴径1.
5mm)に上記合金スラリーを塗布し、乾燥、ロール圧
延を行い、厚さ0.35mmに調整した。この電極原板
を、所定の寸法(縦42mm×横110mm)に裁断し
てシート状負電極とした。
【0026】(4)セパレータの調製 スルフォン化ポリオレフィン系不織布〔商品名:FT−
306S、日本バイリーン(株)製〕を使用した。 (5)電解液 電解液としては、以下に示すものを用いた。NaOH/
0.5N、LiOH/0.6N、KOH/5.8Nの水
溶液(比重=1.33)
【0027】(6)ニッケル極・水素二次電池の組み立
ておよびその特性 上記(2)記載のペースト式ニッケル電極を正極とし、
上記(3)記載の水素吸蔵合金電極を負極とし、これら
の間に上記(4)記載のスルフォン化ポリオレフィン系
不織布からなるセパレータを挟んで捲回し、渦巻き状の
極板群とし、これをニッケルメッキが施されている鋼製
の円筒缶に収納し、ここに上記(5)記載の電解液2.
0ccを、遠心装置により注入したのち、直ちに封口し
て、AAサイズ、定格容量1,300mAhのニッケル
−水素二次電池を組み立てた。その後、室温にて5時間
放置したのち、各電池20個につき、0.2Cの電流で
定格容量に対して150%の電気量を充電する初充電を
行った。その後、0.2Cで電池電圧1Vまでの放電
後、室温で16時間放置を行った。次に、0.2Cで定
格容量に対し150%の充電と、0.2Cで電池電圧1
Vまでの放電を3サイクル繰り返して初期活性を行っ
た。その後、以下のサイクル寿命テストを行った。
【0028】各電池20個につき、20±2℃におい
て、1Cの充電電流で1.5時間充電を行い、0.5時
間の静置後、1Cの放電終止電圧が1.0Vになるまで
放電し、休止0.5時間を1サイクルとする充放電サイ
クル寿命試験を行った。各ニッケル極における充放電サ
イクル寿命特性および電池内圧を測定した。その結果を
電池20個の平均値として、表1に示した。ただし、内
圧は周囲温度20±2℃、充電条件1CmAの電流で
4.5時間充電したときの値である。
【0029】実施例2〜6 硫酸イッテルビウムの代わりに、硫酸ルテニウム(実施
例2)、硫酸エルビウム(実施例3)、硫酸ツリウム
(実施例4)、硫酸イットリウム(実施例5)または硫
酸スカンジウム(実施例6)をそれぞれ用いた以外は、
実施例1と同様に行った。 実施例7 硫酸イッテルビウムと硫酸コバルトを同時に添加する代
わりに、硫酸イッテルビウムを添加し終わってから硫酸
コバルトを添加した以外は、実施例1と同様に行った。 実施例8〜9 硫酸イッテルビウムの代わりに、硫酸イットリウム(実
施例8)または硫酸スカンジウム(実施例9)をそれぞ
れ用いた以外は、実施例7と同様に行った。
【0030】実施例10〜18 (1)被覆水酸化ニッケル母粒子の調製(アルカリ処理
あり) 実施例1(1)被覆水酸化ニッケル母粒子の調製におい
て、平均粒径約11μmの水酸化ニッケル母粒子表面
に、平均粒径約1〜2μmの水酸化イッテルビウム粒子
および水酸化コバルト粒子を被覆したのち、さらに、P
H9〜12を維持しながら、コンプレッサーによる空気
攪拌の条件下で、反応溶液中の水酸化ナトリウム濃度を
25%になるように調整したのち、下記に示す温度で、
30分間アルカリ処理を行った以外は実施例1と同様に
行った。 温度条件:温度30℃(実施例10)、40℃(実施例
11)、50℃(実施例12)、60℃(実施例1
3)、80℃(実施例14)、100℃(実施例1
5)、120℃(実施例16)、140℃(実施例1
7)。 以下、それぞれ実施例1の(2)〜(6)と同様の操作
を行った。
【0031】比較例1〜3 硫酸イッテルビウムの代わりに、硫酸アルミニウム(比
較例1)、硫酸アルミニウム2部と硫酸マグネシウム2
部(比較例2)、または硫酸インジウム2部と硫酸亜鉛
2部(比較例3)をそれぞれ用いた以外は実施例1と同
様に行った。 比較例4(被覆なしでの混合状態) 実施例1(1)の被覆工程を除き、(2)で被覆水酸化
ニッケル粉末の代わりに、未処理の水酸化ニッケル母粒
子100部に対してCMC換算で1部のCMC1%水溶
液に酸化コバルト(CoO)8部および酸化イッテルビ
ウム(Yb2 3 )2.5部を混合したものを添加した
のち、酸化コバルト4部とPTFE1%懸濁水溶液をP
TFE換算で1部混合してスラリーを調製した以外は、
実施例1と同様に行った。
【0032】比較例5(イッテルビウム化合物のみの被
覆) 硫酸コバルトを用いない以外は実施例1と同様に行っ
た。 比較例6(コバルト化合物のみの被覆) 硫酸イッテルビウムを用いない以外は実施例1と同様に
行った。
【0033】
【表1】
【0034】実施例13〜16は、被覆の際のアルカリ
処理温度が、60〜120℃である例であり、アルカリ
処理温度が、60℃未満または120℃を超える例であ
る実施例10〜12、17と比べて、容量維持率が高
く、また内圧も低い。比較例1〜3は、イッテルビウム
化合物の代わりに、アルミニウム化合物、アルミニウム
化合物とマグネシウム化合物、またはインジウム化合物
と亜鉛化合物とを用いた例であり、共にそれぞれ容量維
持率が低く、また内圧も高い。比較例4は、イッテルビ
ウム化合物とコバルト化合物とが水酸化ニッケル母粒子
の表面を被覆せず、ただ混在している例であり、容量維
持率が低く、また内圧も高い。比較例5は、被覆処理の
際にイッテルビウム化合物のみを用いた例であり、被覆
層にコバルト化合物が存在しないため容量維持率が低
く、また内圧も高い。比較例6は、被覆処理の際にコバ
ルト化合物のみを用いた例であり、被覆層にランタノイ
ド化合物、イットリウム化合物、スカンジウム化合物の
内、少なくとも1種が存在しないため容量維持率が低
く、また内圧も高い。
【0035】上記結果より、ランタノイド化合物、イッ
トリウム化合物、スカンジウム化合物のうち少なくとも
1種と、コバルト化合物とからなる被覆層が形成された
水酸化ニッケル母粒子を、60℃以上のNaイオン含有
のアルカリ水溶液中で浸漬処理して得られる被覆水酸化
ニッケル粒子を含む電極を有するアルカリ二次電池は、
高容量であり、高温時においても急速充放電時のサイク
ル寿命特性に優れており内圧も低いことが明らかであ
る。
【0036】
【発明の効果】本発明によって得られるアルカリ二次電
池は、高容量であり、高温時においても急速充放電時の
サイクル寿命特性に優れており、内圧が低く安定して使
用でき、広い分野において使用できるが、特に電気自動
車などに使用される大型二次電池として有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化ニッケルからなる母粒子の表面に
    被覆層が形成されたアルカリ二次電池用電極であって、
    上記被覆層がランタノイド化合物、イットリウム化合物
    およびスカンジウム化合物の群から選ばれた少なくとも
    1種の化合物とコバルト化合物を主体とすることを特徴
    とするアルカリ二次電池用電極。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアルカリ二次電池用電極
    を有するアルカリ二次電池。
JP10067616A 1998-03-04 1998-03-04 アルカリ二次電池用電極およびアルカリ二次電池 Withdrawn JPH11250908A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001297758A (ja) * 2000-04-12 2001-10-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルカリ蓄電池用正極活物質およびその製造方法ならびにそれを用いたアルカリ蓄電池
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JP2002279982A (ja) * 2001-03-19 2002-09-27 Yuasa Corp アルカリ蓄電池のニッケル電極用活物質およびアルカリ蓄電池
KR100610295B1 (ko) * 2000-03-30 2006-08-09 산요덴키가부시키가이샤 알칼리 축전지

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