JP3994155B2 - 二次電池の化成法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微孔性セパレータを有する二次電池の化成法及び該化成法を行って得られる二次電池に関する。特に、過充電されない用途、特にハイブリッド車などの用途に、好適に使用される二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車やハイブリッド車、据置き用の電池など、大容量の電池あるいは多くの電池を必要とする用途では、低価格化が強く要求されている。
大容量の電池として好適に使用されている二次電池において、従来、ニッケル極には焼結式ニッケル極や発泡式など三次元構造の活物質支持体が使われているが、支持体自体が高価であるとともに、活物質の充填工程も複雑であるという問題点があった。
【0003】
また、セパレータとしては、厚さの大きい不織布セパレータなどが用いられていた。
【0004】
近年、ハイブリッド車用のような過充電されない用途に使用される電池における使用条件が、酸素ガス発生の無い30〜80%程度に保持されていることに着目し、二次元構造を有する支持体を有するニッケル極を正極とし、セパレータとしてきわめて薄い微孔性セパレータを用いて電池を構成することが検討されてきている。
【0005】
ところが、この微孔性セパレータを用い、ニッケル極を備えた電池において、容量を確保するために通常の条件で化成を行うと、過充電時に正極から発生する酸素ガスが、負極で吸収され難く、ガス漏れや液漏れなどの問題が生じることがわかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、微孔性セパレータを用いた二次電池における適切な化成法を提供することを主な目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、(i)二次元構造を有する支持体に、水酸化ニッケルと導電剤を含有するペーストを塗布してなるニッケル正極、(ii)厚さ1〜60μmの微孔性セパレータ、及び(iii)二次元構造を有する支持体にペーストを塗布してなる負極を備えた二次電池において、封口後、完全充電後に示す放電容量に相当した充電を行い、その後、微小電流で充電を行うことによって、化成による不具合がなく、また、低価格、高出力及び長寿命の二次電池が得られることを見出し、更に検討を重ねて、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は次の事項に係る。
【0009】
項1.(i)二次元構造を有する支持体に、水酸化ニッケルと導電剤を含有するペーストを塗布してなるニッケル正極、(ii)厚さ1〜60μmの微孔性セパレータ、及び(iii)二次元構造を有する支持体にペーストを塗布してなる負極を備えた二次電池を構成し、封口後、正極から酸素が発生するまで0.07〜1.0CmAの電流で充電を行い、次いで、0.07CmA以下の電流で緩充電を行うことを特徴とする二次電池の化成法。
【0010】
項2.微孔性セパレータの厚さが15〜25μmである項1に記載の化成法。
【0011】
項3.緩充電を0.01〜0.03CmAの電流で行う項1又は2に記載の化成法。
項4.1〜25℃の温度で充電及び緩充電を行う項1乃至3のいずれかに記載の化成法。
項5.5〜15℃の温度で充電及び緩充電を行う項1乃至4のいずれかに記載の化成法。
項6.電池容量の80〜90%となるまで0.07〜1.0CmAの電流で充電を行い、次いで、0.07CmA以下の電流で緩充電を行う項1乃至5のいずれかに記載の化成法。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
【0013】
二次電池
本発明の二次電池は、(i)二次元構造を有する支持体に、水酸化ニッケルと導電剤を含有するペーストを塗布してなるニッケル正極、(ii)厚さ1〜60μmの微孔性セパレータ、及び(iii)二次元構造を有する支持体にペーストを塗布してなる負極を組み合わせて構成される。
【0014】
(i)ニッケル正極
本発明のニッケル正極は、二次元構造を有する支持体に、水酸化ニッケルと導電剤を含有するペーストを塗布することによって得られる。
【0015】
ペーストに含有する水酸化ニッケルとしては、活物質としての作用を奏するものであれば特に制限はないが、例えば、水酸化ニッケル粉末、オキシ水酸化ニッケル粉末、又は水酸化ニッケルの粉末表面にコバルト化合物をコーティングした粉末などの粉末粒子を用いることができる。
【0016】
このうち、特に水酸化ニッケルの粉末表面にコバルト化合物をコーティングしたものが、高出力、高容量となる点で好ましい。
【0017】
コバルト化合物としては、例えば、金属コバルトや、水酸化コバルト、四酸化三コバルトや一酸化コバルトなどのコバルト酸化物、もしくはそれらの2種以上の混合物などを用いることができる。
【0018】
コバルト化合物でニッケル粉末表面をコーティングする方法としては、例えば、pH11〜13に制御したアルカリ水溶液の中に水酸化ニッケルを主成分とする粒子を投入し、そこに硫酸コバルト水溶液を徐々に加え、水酸化コバルトのようなコバルト化合物を前記粒子の表面に被着させる方法などを用いることができる。
【0019】
本発明のニッケル正極に用いるペーストには、更に、導電剤が配合される。
【0020】
導電剤としては、活物質である水酸化ニッケルの利用率、サイクル特性等を向上させるものであれば、特に制限はないが、特に、ニッケルフレーク及びカーボニルニッケル粉末が、高出力、高容量が可能となる点で好ましい。
【0021】
導電剤の配合量は、水酸化ニッケル100重量部に対して、通常、5〜40重量部程度である。
【0022】
また、本発明のニッケル正極に用いるペーストには、更に、結合剤や増粘剤を配合してもよい。
【0023】
結合剤としては、例えば、水溶性乃至水分散性の重合体などが挙げられる。具体的には、例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(SEP)、水素添加ニトリル−ブタジエン共重合体、水素化ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレン、SBR、NBR、EPDM、EPM、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ホスファゼンゴム、1,2−ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、これらの混合物等を例示することができる。
【0024】
結合剤の配合量は、水酸化ニッケル100重量部に対して、0.1〜10重量部程度であることが好ましい。配合量がこの範囲内である場合には、活物質の利用率、サイクル特性等を低下させること無く、活物質を支持体に固着させることができる。
【0025】
また、増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ポリアクリル酸ナトリウム等を用いることができる。
【0026】
増粘剤の配合量は、水酸化ニッケル100重量部に対して、通常0.01〜2重量部程度である。増粘剤を配合することによって、ペーストに適度な粘性を付与してペースト中の各成分の分離を防止することができる。
【0027】
ペーストを塗布する二次元構造を有する支持体としては、通常、シート状電極用として使用されている、2次元構造の支持体を使用することができ、 具体的には、ニッケル箔等の耐アルカリ性の金属箔や貫通孔を有する金属板等を用いることができる。貫通孔を有する金属板としては、ニッケル金網、鉄又はステンレスにニッケルメッキを施したパンチングメタル等を例示することができる。
【0028】
支持体の厚さについては、特に制限はないが、20〜60μm程度が好ましい。
【0029】
支持体にペーストを塗布する方法も、特に限定されず、例えば、ブレードコーター等を用いて、必要量のペーストを支持体に固着させる方法などを用いることができる。次いで、100℃程度以下の温度で、1〜2時間程度乾燥させた後、ロールプレスなどの方法で圧縮成形することによって、ペースト中の各有効成分と支持体を一体化させ、シート状の正極とすることができる。
【0030】
ペーストの塗布量は、特に制限されることはないが、通常、ペースト層と支持体を含めた全厚が50〜400μm程度となるようにすればよい。
【0031】
また圧縮成形の圧力も、特に限定されることはなく、通常、0.5〜10トン/cm2程度の圧力とすればよい。
【0032】
このようにして得られたニッケル正極を、二次電池の正極として使用できるが、更に、正極として用いる前に、圧縮成形した正極をアルカリ水溶液中で浸漬処理することによって、正極中に含まれるコバルト化合物等を溶解析出させて、水酸化ニッケル粒子間に導電性ネットワークを形成することが好ましい。これによって、電池の充放電時におけるニッケル極の膨張を効果的に抑制することができる。
ニッケル正極の厚さは、特に制限されないが、50〜350μm程度が好ましい。この範囲内であれば、高容量、高出力放電特性等をより確実に得ることができる。
【0033】
(ii)セパレータ
セパレータは、正・負両極板間に挿入する微孔性の薄板であって、極間の短絡を防止するとともに、両極板の間隔を保って、極板間に電解液を保持するために用いられる。
微孔性セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィンからなるセパレータを用いることができる。また、耐電解液界面活性剤の添加、イオン交換基の導入、発煙硫酸やフッ素処理など公知の方法による親電解液性セパレータの使用も可能である。
セパレータの厚さは、通常1〜60μm程度であって、好ましくは、10〜40μm程度、より好ましくは、15〜25μm程度である。
【0034】
セパレータが厚すぎる場合には、極間距離が大きくなる点で好ましくなく、また、薄すぎる場合には、短絡を招く恐れがある点で好ましくない。
【0035】
上記範囲内であれば、特に過充電されないよう制御された条件下において、高出力、長寿命等の特性を確実に得ることができる。
【0036】
セパレータの平均孔径は、通常0.01〜10μm程度であって、好ましくは、0.1〜5μm程度である。平均孔径が、小さすぎる場合は、製造が困難となるので好ましくない。また、大きすぎる場合は、脱落した活物質などにより短絡を招く恐れがあるので好ましくない。
【0037】
(iii)負極
本発明における負極としては、二次元構造を有する支持体にペーストを塗布したものであれば、特に限定はなく、アルカリ水溶液を電解質とする二次電池において使用される公知の各種負極を用いることができる。また、ペーストには、負極活物質やバインダー成分を含有することができる。
【0038】
負極活物質としては、例えば、水素吸蔵合金、カドミウム、亜鉛などを用いることができる。このうち、特に、水素吸蔵合金を含有するペーストを塗布してなる負極が、バリを発生させない点で好ましい。水素吸蔵合金としては、公知のものを用いることができ、例えば、MmNi系でCo、Al、Mnを含む5元系水素吸蔵合金などを用いることができる。
【0039】
バインダー成分としては、水素吸蔵合金を結着できる機能を有するものであれば、特に制限なく使用できる。例えば、ポリフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンラバー等が挙げられ、特に、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンラバー等の水溶性高分子を用いることができる。
【0040】
二次元構造を有する支持体としては、前記正極で使用されるものと同様のものを用いることができる。
【0041】
二次元構造を有する支持体にペーストを塗布してなる負極は、例えば、水素吸蔵合金とバインダー成分に、更に、必要に応じてニッケル粉末等を加えてペースト化し、これを穿孔した金属板(パンチングメタル)基材等の二次元構造を有する支持体に塗布し、乾燥させた後、圧縮成形し、シート状に裁断することによって、作製することができる。
負極の厚さは特に限定されないが、ニッケル正極の厚さよりもさらに薄くすることが好ましい。
負極の正極に対する容量比率は、特に制限されないが、通常100〜150程度であって、好ましくは、110〜130程度である。上記の範囲内であれば、特に過充電されないよう制御された条件下において、高容量等の特性をより確実に得ることができる。
【0042】
化成法
上述した二次電池に対し、通常の電池と同様の化成を行うと、過充電時に電池の液口栓からガスや電解液漏れを生ずる。
【0043】
従って、本発明においては、上述の電池を構成し、封口後、(1)通常の大きさの電流、例えば、0.07〜1.0CmAの電流で充電を行い、(2)ニッケル極からの酸素ガスの発生が生ずる段階となった後、例えば、電池容量の80〜90%まで充電された後においては、微小電流で緩充電を行って、化成を行う。
【0044】
このような化成法を適用することによって、充電時間当たりの酸素ガス発生量を抑え、ガス漏れや電解液漏れを防ぐことが出来る。
【0045】
(1)の充電においては、0.07〜1.0CmA程度、好ましくは、0.1〜0.6CmA程度、より好ましくは、0.15〜0.5CmA程度の電流で、充電を行う。(1)の充電において、この程度の電流を用いる場合には、ニッケル極からの酸素ガスが発生せず、問題はない。
【0046】
(1)の充電を行って、ニッケル極からの酸素ガスの発生が生ずる段階になった後、具体的には、電池容量の0.5CmA以上の電流で充電している場合には80%、それ以下の電流で充電している場合には90%まで充電が行われた後、(2)微小電流で緩充電を行う。より安全には、すべての充電において、電池容量の80%程度まで充電を行った後、(2)の充電を行う。
【0047】
(2)における緩充電は、0.07CmA以下、好ましくは0.01〜0.03CmAで行う。このような微小電流で充電を行うことによって、酸素ガスの発生量を抑え、ガス漏れや電解液漏れを防ぐことが出来る。
充電及び緩充電時の周囲温度は、室温以下、好ましくは、1〜25℃、より好ましくは、5〜15℃程度で行う。この温度範囲であれば、ニッケル極の充電を効率良く行うことができる。
放電については、とくに限定はなく、完全放電されるような用途にも使用は可能であるが、ハイブリッド車のような、高放電を要し、完全充電と完全放電が行われないように調整されている用途が最も適している。そのほかに電力貯蔵用などもあげられるが、充電はリチウムイオン電池と同様で過充電されないように調整されていることが必要である。別の言い方をすれば過充電されなければ放電条件に考慮をはらう必要はない。
【0048】
【実施例】
以下、実験例、実施例及び比較例を用いて、本発明を具体的に説明する。本発明は下記に示される実施例に限定されることはない。
【0049】
実験例
本発明の化成の条件を明らかにするために次の実験を行った。
【0050】
表面にコバルト酸化物3%被覆した水酸化ニッケル粉末92部にコバルト酸化物を2部、カーボニルニッケル8部を加え、混合した後、0.8%のカルボキシメチルセルロース水溶液を加えてペーストとした。両側に孔の開いていない無地部を設けた開孔度50%、厚さ60ミクロンの鉄にニッケルメッキしたパンチングメタルの両面にペーストを塗布し、300ミクロンのスリットを通して平滑化した。乾燥後、ローラープレスで加圧平滑化して厚さを250ミクロンに調整した。その後、5%のフッ素樹脂ディスパージョン中を通して、乾燥し、ペースト式ニッケル正極を得た。
【0051】
一方の負極は、MmNi系の5元系水素吸蔵合金、MmNi3.7Co0.6Al0.4Mn0.3を1.5%のポリビニルアルコール水溶液を加えてペーストとし、正極と同じパンチングメタルに塗着し、平滑にした後やはりローラープレスで加圧し、厚さ180μmにした。
【0052】
セパレータとしては、厚さ20μmのポリプロピレン製微孔性フィルム状薄膜を用いた。
【0053】
上記の方法で作成した、正極、負極及び微孔性セパレータからなる電極群を捲回し、SubCサイズの電槽に挿入した。電解液として、界面活性剤を微量含む30%の苛性カリに25g/lの水酸化リチウムを溶解した電解液を3.5ml加えた。封口後、ニッケル端子板をスポット溶接で取り付けた。
【0054】
化成として、0.2CmAの電流で7時間行ったところ、5.5時間後に液口栓からガス発生が認められた。また、6時間後に電解液の漏れが認められた。そこで電流を0.1CmAとして化成を行ったが、完全充電電気量、つまり11時間後に液口栓からガス発生が認められ、更に、12時間後に電解液の漏れが認められた。
電流を0.07CmA以下にするとガスや電解液もれは一応防止できた。更に、0.03CmAではまったく問題がなかった。
【0055】
また、周囲温度が30℃以上の場合は、80%の電池容量となる前に、緩充電を行う必要があることが分かった。
【0056】
実施例1
実験例で作成した電池と同じ電池を構成し、封口した。その後、室温で初充電として0.1CmA(10時間率)の電流で8.5時間通電した。その後、周囲温度を10℃にしてから0.02CmA(50時間率)の電流で10時間(1夜)緩充電した。
そして0.2CmAで終止電圧0.9Vまでの放電を行った。さらに、十分化成するために、この操作をもう一度繰り返し行った。
【0057】
放電容量は3.5Ahであった。この電池をAとする。
【0058】
比較例1
上記実験例に示されるように、0.1CmAより大きい充電電流で化成すると、ガス発生や電解液の漏れが生じて実用にならず、本願と比較できないため、以下のような比較例を用いた。
【0059】
実験例で作成した電池と同じ構成の電池を用い、0.2CmAで4.5時間充電を行った。次いで、0.2CmAで終止電圧0.9Vまでの放電を5回繰り返した。充放電の繰り返しで容量は向上したが、容量は2.9Ahにとどまった。この電池をBとする。
【0060】
電池特性の評価
まず両電池の出力特性を調べた。放電電流と放電容量50%時での端子電圧を表1に示す。なお、周囲温度は35℃とした。
【0061】
【表1】
Figure 0003994155
【0062】
表1の結果から明らかなように、本願の電池Aの方が、電池Bよりも、特に、高率放電での電圧に優れていることが分かった。
【0063】
つぎに両電池の寿命を調べた。条件としては、次のような条件を用いた。
【0064】
すなわち、充電は放電容量の80%までを2CmAで充電し、放電は5CmAで放電容量の35%まで行う充放電サイクルを行い、放電終止電圧が0.8Vまでの放電試験を行い、容量維持率を調べた。なお、結果は、電池Aを基準とした値で示した。
【0065】
得られたサイクル数と容量維持率の関係を表2に示す。
【0066】
【表2】
Figure 0003994155
【0067】
表2の結果から明らかなように、本願の電池Aの方が、電池Bよりも、容量維持率が高いことが明らかとなった。
【0068】
【発明の効果】
上述した結果に示されるように、本発明の化成法を用いれば、微孔性セパレータを用いた二次電池を化成する際に生ずる酸素ガスの発生量を抑え、ガス漏れや電解液漏れを防ぐことが出来る。
【0069】
特に、(i)二次元構造を有する支持体に、水酸化ニッケルと導電剤を含有するペーストを塗布してなるニッケル正極と、(ii)厚さ1〜60μmの微孔性セパレータ、及び(iii)二次元構造を有する支持体にペーストを塗布してなる負極を有する二次電池において、容量の80〜90%程度の充電を行った後、0.07CmA以下、特に0.01〜0.03CmAの電流で緩充電を行うことによって、より安全に化成を行うことができる。
【0070】
また、充電及び緩充電を1〜25℃、好ましくは5〜15℃で行うことによって、より効率よく充電を行うことができる。
【0071】
このような化成法を用いることで、低価格、高出力で長寿命の二次電池を得ることができ、特に過充電されない用途などにおいて、二次電池を有用に使用することができる。

Claims (5)

  1. (i)二次元構造を有する支持体に、水酸化ニッケルと導電剤を含有するペーストを塗布してなるニッケル正極、(ii)厚さ1〜60μmの微孔性セパレータ、及び(iii)二次元構造を有する支持体に水素吸蔵合金を含有するペーストを塗布してなる負極を備えた二次電池を構成し、封口後、電池容量の80〜90%となるまで0.07〜1.0CmAの電流で充電を行い、次いで、0.07CmA以下の電流で緩充電を行うことを特徴とする二次電池の化成法。
  2. 微孔性セパレータの厚さが15〜25μmである請求項1に記載の化成法。
  3. 緩充電を、0.01〜0.03CmAの電流で行う請求項1又は2に記載の化成法。
  4. 1〜25℃の温度で充電及び緩充電を行う請求項1乃至3のいずれかに記載の化成法。
  5. 5〜15℃の温度で充電及び緩充電を行う請求項1乃至4のいずれかに記載の化成法。
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