JP2010238671A - アルカリ亜鉛電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】重負荷放電特性に優れたアルカリ亜鉛電池を提供する。
【解決手段】ベータ型オキシ水酸化ニッケルを正極活物質として含有する正極合剤3、亜鉛を主な負極活物質とする負極合剤5、電解液としてアルカリ性水溶液を用いるアルカリ亜鉛電池1において、正極合剤3は、ベータ型オキシ水酸化ニッケル、黒鉛粉、水酸化カリウム水溶液を重量比で所定の割合で混合したものである。そのベータ型オキシ水酸化ニッケルは、化学酸化により製作され、粒子形状が球状であり、その粒子の平均粒子径が5〜50μmの範囲とされる。これにより、重負荷放電特性に優れたアルカリ亜鉛電池が得られる。
【選択図】図1

Description

この発明は、正極活物質としてベータ型オキシ水酸化ニッケルを用いたアルカリ亜鉛電池に関する。詳しくは、正極活物質として、平均粒子径が所定の範囲にある化学酸化法で得られるベータ型オキシ水酸化ニッケルを用いることによって、大電力放電でも長時間作動できる重負荷放電特性に優れるようにしたアルカリ亜鉛電池に係るものである。
近年、小型の携帯用電子機器、とりわけ、携帯用ゲーム機、デジタルカメラの普及は非常にめざましい。今後もますますその普及が予想され、それに伴って、電源となる電池の需要も急速に拡大すると考えられる。現在、これらの機器には単三サイズの円筒形電池が主に使用されているが、こうした電子機器は一般に作動電圧が高く、かつ大電流を必要とするため、その電源としては重負荷での放電特性に優れていなければならない。
この要求を満たす電池の中で最も普及しているのは、二酸化マンガンを正極、亜鉛を負極に使用し、電解液に高濃度アルカリ性水溶液を使用したアルカリマンガン電池である。この電池は二酸化マンガン、亜鉛ともに安価であり、また、単位重量当たりのエネルギー密度が高いことから、小型携帯用電子機器用の電源を始め、幅広く用いられている。
こうした小型携帯用機器での使用を鑑み、アルカリマンガン電池は更なる重負荷放電特性の向上を目指すべく、電池材料からその電池構成に至るまで、現在までに数多くの改良がなされてきた。しかしながらこの電池系は、正極活物質である二酸化マンガンの放電が均一固相反応であるために、放電によって電圧が徐々に低下し、右下がりの放電曲線を描く。
このため、上述したような、高電圧、大電流を必要とする小型携帯用電子機器においては、こういったアルカリマンガン電池の放電挙動では基本的に僅かしか許容できず、機器の使用可能時間は、様々な改良がなされた現在においてもごく僅かでしかない。加えて、小型携帯用電子機器は、いずれもその市場投入初期は比較的高電圧、大電流で作動する傾向があり、今後そういった新規の機器にも対応可能な、より重負荷特性に優れた電池が必要不可欠である。
このような要求を満たす電池として、ニッケル亜鉛電池が従来より提案されてきた。この電池は、正極にオキシ水酸化ニッケル、負極に亜鉛を使用した電池であり、アルカリマンガン電池よりも作動電圧の高い、重負荷特性に優れた電池である。しかしその反面、正極活物質であるオキシ水酸化ニッケルは、酸素発生が生じやすく、自己放電が大きいという問題を抱えていた。
この問題を解決する方法としては、自己放電の少ない、ガンマ型オキシ水酸化ニッケル(γ−NiOOH)を正極活物質に使用した、インサイドアウト構造の電池が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、比較的密度が高いベータ型オキシ水酸化ニッケル(β−NiOOH)を正極活物質に使用した、インサイドアウト構造の電池が提案されている。
特開平10−214621号公報
しかしながら、ガンマ型オキシ水酸化ニッケルは比較的密度が低いため、これを用いて構成する電池は、確かに自己放電が少なく、アルカリマンガン電池と比較して高い作動電位が得られるものの、放電容量はかなり小さくなってしまうという難点がある。
また、ベータ型オキシ水酸化ニッケルはガンマ型オキシ水酸化ニッケルより密度が高いため、これを用いて構成する電池は、放電容量が改良されたが、重負荷放電特性の改善が課題となっている。そこで、この発明は、大電力放電でも長時間作動できる重負荷放電特性に優れたアルカリ亜鉛電池を提供することを目的とする。
この発明に係るアルカリ亜鉛電池は、ベータ型オキシ水酸化ニッケルを正極活物質とする正極合剤と、亜鉛を主な負極活物質とする負極合剤と、電解液としてのアルカリ水溶液とを備え、ベータ型オキシ水酸化ニッケルは水酸化ニッケルを化学酸化することにより得られたものであり、このベータ型オキシ水酸化ニッケル粒子の平均粒子径が5〜50μmの範囲にあり、正極合剤はベータ型オキシ水酸化ニッケルを正極活物質として含有した材料が加圧成形されてなるものである。
例えば、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの粒子は球状である。ここで、球状とは、球状に近い状態のものを含む概念である。以下においても同様である。
この発明においては、正極活物質として化学酸化法で製作されたベータ型オキシ水酸化ニッケルが用いられる。そして、このベータ型オキシ水酸化ニッケル粒子の平均粒子径が5〜50μmの範囲とされる。ベータ型オキシ水酸化ニッケル粒子の平均粒子径が5μmより小さい場合には、正極を加圧成形する際に粒子間の反発力が強くなるため、電池1個あたりに活物質の量を多く充填することが困難であり、重負荷放電特性が低下する。一方、ベータ型オキシ水酸化ニッケル粒子の平均粒子径が50μmより大きい場合は、放電容量が小さくなり、重負荷放電特性が低下する。したがって、ベータ型オキシ水酸化ニッケル粒子の平均粒子径が5〜50μmの範囲とされることにより、重負荷放電特性に優れたアルカリ亜鉛電池が得られる。なお、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの粒子の形状を球状とすることで、ベータ型オキシ水酸化ニッケルがより高密度となり、より大きな放電容量(電池容量)を得ることが可能となる。
この発明に係るアルカリ亜鉛電池によれば、正極活物質として化学酸化法で製作されたベータ型オキシ水酸化ニッケルを用い、その粒子の平均粒子径は5〜50μmの範囲にあり、正極合剤はベータ型オキシ水酸化ニッケルを正極活物質として含有した材料が加圧成形されてなるものであり、重負荷放電特性に優れたアルカリ亜鉛電池を得ることができる。
また、この発明に係るアルカリ亜鉛電池によれば、正極活物質としてのベータ型オキシ水酸化ニッケルの粒子形状を球状とすることで、ベータ型オキシ水酸化ニッケルがより高密度となり、より大きな放電容量(電池容量)を得ることができる。
第1の実施の形態としてのアルカリ亜鉛電池の構成例を示す図である。 ベータ型オキシ水酸化ニッケルの平均粒子径と、放電時間との関係を示す図である。 オキシ水酸化ニッケルの種類が異なる場合、放電時間の比較を示す図である。 第2の実施の形態としてのアルカリ亜鉛電池の構成例を示す図である。 二酸化マンガンの平均粒子径と、放電時間との関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。

1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
<1.第1の実施の形態>
まず、この発明の第1の実施の形態について説明する。図1は第1の実施の形態としてアルカリ亜鉛電池1の構成を示している。このアルカリ亜鉛電池1は正極活物質に化学酸化で製作された球状のベータ型オキシ水酸化ニッケルを使用したものである。
このアルカリ亜鉛電池1は、電池缶2と、正極合剤3と、セパレータ4と、負極合剤5と、集電ピン6と、負極端子部材7とから構成されている。
電池缶2は、例えばニッケルメッキが施された金属板をプレス加工して成形したものである。この電池缶2はアルカリ亜鉛電池1の正極端子も兼ねている。
正極合剤3は、中空円筒状をしており、電池缶2の内部に配される。この正極合剤3は、正極活物質としてのベータ型オキシ水酸化ニッケル、導電剤としての炭素粉および電解質としてのアルカリ性水溶液を混合し、中空円筒状に成型してなるものである。導電剤として用いる炭素粉には黒鉛粉が用いられる。アルカリ性水溶液には、例えば水酸化カリウム水溶液が使用されるが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムなどの水溶液も使用可能である。
この正極合剤3は、以下のようにして作製される。まず、ベータ型オキシ水酸化ニッケル、黒鉛粉、水酸化カリウム水溶液を重量比で80:10:10の割合で秤量し、インペラーやボールミルなどの攪拌方法によって混合する。次に、混合した材料を中空円筒状に加圧成型して正極合剤3を得る。
セパレータ4は、有底円筒状をしており、正極合剤3の内側に配される。例えば、セパレータ4には、吸液性、保液性がよく、耐アルカリ性の優れた合成繊維の不繊布が使用される。
負極合剤5は、ゲル状であり、セパレータ4の中に充填される。この負極合剤5は、負極活物質となる粒状亜鉛と酸化亜鉛を、ゲル化剤を用いて電解液である水酸化カリウム水溶液に均一に分散混合させたものである。
負極端子部材7は、負極端子板8、絶縁体のガスケット9および安全弁10とから構成されている。負極端子板8には、黄銅製の集電ピン6が溶接されている。この負極端子部材7は電池缶2の開口部を封口する封口部材としても機能する。
図1に示すアルカリ亜鉛電池1は、以下のようにして製作される。まず、中空円筒状に加圧成型された正極合剤3を、電池缶2に装入する。次に、有底円筒状のセパレータ4を正極合剤3の中心部に挿入し、該セパレータ4の中にゲル状の負極合剤5を充填する。最後に、電池缶2に負極端子部材7を挿入し、電池缶2の開口部の縁部を内部に折り曲げ、この負極端子部材7を固定する。電池缶2に負極端子部材7を挿入する際、負極端子板8に溶接された集電ピン6は、ゲル状の負極合剤5に差し込まれる。
図1に示すアルカリ亜鉛電池1において、負極の集電は、負極端子板8に溶接された集電ピン6が負極合剤5に差し込まれることで確保されている。また、正極の集電は、正極合剤3と電池缶2とが接続されることで確保されている。なお、電池缶2の外周面は、図示しない外装ラベルによって覆われており、電池缶2の底の凸部(図示のアルカリ亜鉛電池1の上部)に正極端子が位置している。
このアルカリ亜鉛電池1における放電反応および理論起電力は以下の通りである。
2NiOOH+Zn+H2 O→2Ni(OH)2 +ZnO
理論起電力:E0 =1.74V
このように、放電反応によって、オキシ水酸化ニッケルと亜鉛から、水酸化ニッケルと酸化亜鉛が生成される。
ここで、本実施の形態における正極活物質としてのベータ型オキシ水酸化ニッケルについてさらに説明する。このベータ型オキシ水酸化ニッケルは、水酸化ニッケルを化学酸化により作製したものである。例えば、このベータ型オキシ水酸化ニッケルは、水酸化ニッケルを、適当な酸化剤、例えば次亜塩素酸ナトリウムと、適当なアルカリ種、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムとを含む液相中で酸化させることで得ることができる。このときの酸化反応は、以下の通りである。
2Ni(OH)2 +ClO- → 2NiOOH+Cl-+H2
このようにベータ型オキシ水酸化ニッケルを化学酸化により作製することで、その過程において、NO3 -,CO3 2- 等といった不純物イオンが液相中に流出して結晶内からある程度除去される。その結果、自己放電のより少ない、一次電池用の活物質に、より適したベータ型オキシ水酸化ニッケルを得ることができる。因に、オキシ水酸化ニッケルの自己放電は、その結晶中に含まれるNO3 -,CO3 2- 等といった不純物イオンが電池内で分解して起こると考えられている。
なお、液相中のpHにより、生成するオキシ水酸化ニッケルの結晶構造が異なる。すなわち、pHがある値以下では高密度のベータ型オキシ水酸化ニッケル(理論密度:4.68g/cm3 )が生成され、一方pHがそれより大きな値では低密度のガンマ型オキシ水酸化ニッケル(理論密度:3.79g/cm3 )が生成される。
またこの際、出発原料となる水酸化ニッケルとしては、粒子の形状が球状である、高密度水酸化ニッケルを呼ばれるものが用いられる。これにより、本実施の形態における正極活物質であるベータ型オキシ水酸化ニッケルは、粒子の形状が球状となる。
通常の水酸化ニッケルは非球状で、タップ(Tap)密度1.4〜1.8(g/cm3 )、バルク(Bulk)密度1.0〜1.4(g/cm3 )なのに対し、上述の高密度水酸化ニッケルと呼ばれるものは粒子が球状であり、タップ(Tap)密度2.0〜2.5(g/cm3 )、バルク(Bulk)密度1.4〜1.8(g/cm3 )と、通常品に比べ高密度である。
タップ(Tap)密度とバルク(Bulk)密度(「かさ密度」ともいう)の測定方法は次の通りである。すなわち、対象となる粉末を特定の容器に自然落下充填し、このときの質量をA(g)、体積をB(cm3 )、容器を持ち上げて容器の底を机などに200回軽くぶつけた(タッピング)後の体積をC(cm3 )とすると以下の式で定義される。
バルク(Bulk)密度=A/B(g/cm3
タップ(Tap)密度=A/C(g/cm3
また、本実施の形態における正極活物質としてのベータ型オキシ水酸化ニッケルのタップ(Tap)密度とバルク(Bulk)密度は次の範囲内にあることが望ましい。すなわち、ベータ型オキシ水酸化ニッケルのタップ(Tap)密度は2.2〜2.7g/cm3 の範囲にあることが望ましい。また、ベータ型オキシ水酸化ニッケルのバルク(Bulk)密度は1.6〜2.2g/cm3 の範囲にあることが望ましい。タップ密度およびバルク密度がこれらの範囲の下限値よりも小さいと、放電容量を大きくすることが困難になるからである。また、タップ密度およびバルク密度がこれらの範囲の上限値よりも大きなベータ型オキシ水酸化ニッケルは製造することが困難だからである。
図1に示すアルカリ亜鉛電池1を、放電条件として、電池製造後に、20゜Cの雰囲気で1.5Wの定電力放電で放電終止電圧1.0Vに達するまでの放電時間を測定した。
ここでは、以下の実施例1〜22と比較例1〜4のアルカリ亜鉛電池1を検討した。実施例1〜22は、正極合剤3に使用するベータ型オキシ水酸化ニッケルに、化学酸化法により製作され、かつ粒子の形状が球状であり、粒子の平均粒子径の範囲を1〜70μmの範囲で変化させたものを用いて、上述したアルカリ亜鉛電池の作製手順に従い電池をそれぞれ作製した。このとき、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの粒度分布の範囲は平均粒子径値を中心として約±20μmの範囲にあるものを用いた。
比較例1〜4は、正極合剤3に使用するオキシ水酸化ニッケルに、化学酸化法により製作されたガンマ型オキシ水酸化ニッケルを用い、かつ粒子の平均粒子径の範囲を5〜50μmの範囲で変化させたものを用いた以外は実施例1〜22と同一に電池を作製した。これら実施例1〜22と比較例1〜4を上述の試験条件で測定した結果を表1に示す。
Figure 2010238671
表1の測定結果により、図2の化学酸化法により作製されたベータ型オキシ水酸化ニッケルの平均粒子径と、放電時間との関係曲線が得られる。図2により、電池の放電時間が長くなるベータ型オキシ水酸化ニッケル粒子の平均粒子径は、図中のAの範囲で、即ち、5〜50μmの範囲である。従って、オキシ水酸化ニッケルの平均粒子径が5μm未満の場合、正極を加圧成形する際に粒子間の反発力が強くなるため、電池1個あたりに活物質の量を多く充填することが困難であり、放電時間が短く、重負荷放電特性が低下する。また50μmを超える場合も、放電容量が小さくなり、重負荷放電特性が大幅に低下する。
また、表1の測定結果により、図3の異なる種類のオキシ水酸化ニッケルを用い、製作した電池の放電時間の比較結果が得られる。図3は、ベータ型オキシ水酸化ニッケルを正極活物質とした場合とガンマ型オキシ水酸化ニッケルを正極活物質とした場合における、製作直後の放電時間を比較したものである。図3に示すように、化学酸化法で作られたガンマ型オキシ水酸化ニッケルの放電時間は、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの放電時間と比べて短くなる。これは、ガンマ型オキシ水酸化ニッケルの密度が低いため、一定の正極容積に充填容量が小さく、電池の放電容量が小さくなるためと考えられる。
このように、正極活物質として化学酸化法で製作され、粒子の平均粒子径が5〜50μmの範囲にあるベータ型オキシ水酸化ニッケルを用いることで、重負荷放電特性に優れたアルカリ亜鉛電池を得ることができる。なお、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの粒子の形状を球状とすることで、ベータ型オキシ水酸化ニッケルがより高密度となり、より大きな放電容量(電池容量)を得ることが可能となる。なお、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの粒子の形状は球状でない場合、放電容量が低下するが、上述と同様な粒度分布特定による効果が考えられる。
<2.第2の実施の形態>
次に、この発明の第2の実施の形態について説明する。図4は第2の実施の形態としてアルカリ亜鉛電池1Aの構成を示している。このアルカリ亜鉛電池1Aは、正極活物質として、化学酸化法で製作された球状のベータ型オキシ水酸化ニッケルと、二酸化マンガンを使用したものである。この図4において、図1と対応部分には、同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
このアルカリ亜鉛電池1Aは、電池缶2と、正極合剤3Aと、セパレータ4と、負極合剤5と、集電ピン6と、負極端子部材7とから構成されている。
正極合剤3Aは、中空円筒状をしており、電池缶2の内部に配される。この正極合剤3Aは、正極活物質としての、化学酸化で作成され、粒子の形状が球状であるベータ型オキシ水酸化ニッケルおよび二酸化マンガン、導電剤としての炭素粉および電解質としてのアルカリ性水溶液を混合し、中空円筒状に成型してなるものである。
その他の構成は、図1に示すアルカリ亜鉛電池1と同様に構成され、同様に作製される。
図4に示すアルカリ亜鉛電池1Aにおいても、負極の集電は、負極端子板8に溶接された集電ピン6が負極合剤5に差し込まれることで確保されている。また、正極の集電は、正極合剤3Aと電池缶2とが接続されることで確保されている。
である。
NiOOH−Znの放電反応:
2NiOOH+Zn+H2 O→2Ni(OH)2 +ZnO
理論起電力:E0 =1.74V
MnO2 −Znの放電反応:
2MnO2 +Zn+2H2 O→2MnOOH+Zn(OH)2
理論起電力:E0 ≒1.5〜1.65V
このように、放電反応によって、オキシ水酸化ニッケルから、水酸化ニッケルが生成される。また、二酸化マンガンから、オキシ水酸化マンガンが生成される。図4に示すアルカリ亜鉛電池1Aを、上述した試験条件で特性評価を行った。
ここでは、以下の実施例23〜122のアルカリ亜鉛電池1Aを検討した。実施例23〜62は、正極合剤lに使用するベータ型オキシ水酸化ニッケルに、化学酸化法により製作され、かつ粒子の形状が球状であり、粒子の平均粒子径を5〜50μmの範囲で変化させたものを用いた。これに対し混合する二酸化マンガンに、粒子の平均粒子径を8〜80μmの範囲で変化させたものを用いた。そして、ベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの配合比は、正極活物質全体に対してベータ型オキシ水酸化ニッケルが質量%で30%の配合比とした。それ以外は実施例1〜22と同一の仕様で上述した作製手順に従い電池をそれぞれ作製した。これら実施例23〜62を上述の試験条件で測定した結果を表2に示す。
Figure 2010238671
実施例63〜92は、正極活物質全体に占めるベータ型オキシ水酸化ニッケルの割合を質量%で50%とした以外は実施例23〜62と同一の仕様で上述した作製手順に従い電池をそれぞれ作製した。これら実施例63〜92を上述の試験条件で測定した結果を表3に示す。
Figure 2010238671
実施例93〜122は、正極活物質全体に占めるベータ型オキシ水酸化ニッケルの割合を質量%で10%とした以外は実施例23〜62と同一の仕様で上述した作製手順に従い電池をそれぞれ作製した。これら実施例93〜122を上述の試験条件で測定した結果を表4に示す。
Figure 2010238671
表2〜表4の測定結果により、図5の二酸化マンガンの平均粒子径と、放電時間との関係曲線が得られる。この場合、正極活物質中ベータ型オキシ水酸化ニッケルの配合比は50質量%、30質量%、10質量%であり、また粒子の平均粒子径は50μmである。図5により電池の放電時間が長くなる二酸化マンガンの平均粒子径は、図中のBの範囲、即ち、10〜70μmの範囲である。従って、二酸化マンガンの平均粒子径が70μmを超える場合、正極を加圧成形する際に粒子間の反発力が強くなるため、電池1個あたりに活物質の量を多く充填することが困難であり、放電時間が短く、重負荷放電特性が低下する。また10μm未満の場合も、放電容量が小さくなり、重負荷放電特性が大幅に低下する。
上述した図5は、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの粒子の平均粒子径が50μmの場合の結果であるが、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの粒子の平均粒子径が5〜50μmの範囲の他の場合も、同様な結果が得られる。
また、図5により、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの配合比を50%(質量%)の場合、配合比を30%、10%の場合より放電時間が長くなることを確認した。
このように、化学酸化法で製作されたベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンを混合した正極活物質を使用し、ベータ型オキシ水酸化ニッケル粒子の平均粒子径を5〜50μmの範囲とし、かつ二酸化マンガン粒子の平均粒子径を10〜70μmの範囲とすることで、重負荷放電特性に優れたアルカリ亜鉛電池を得ることができる。また、正極活物質としてベータ型オキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンとを混合して用いることにより、正極/負極の反応面積を減少させることなく、正極の充填容量を大きくすることが可能となる。また、安価な二酸化マンガンを使用することにより、電池のコストを削減することが可能となる。また、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの粒子の形状を球状としたので、ベータ型オキシ水酸化ニッケルがより高密度となり、より大きな放電容量(電池容量)を得ることが可能となる。
なお、ベータ型オキシ水酸化ニッケルの粒子の形状は球状でない場合、放電容量が低下するが、上述と同様な粒度分布特定による重負荷放電特性の改善効果が得られる。
また、上述の発明の実施の形態では、一次電池であるニッケル亜鉛電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば二次電池にもこの発明を適用できる。
また、上述の実施の形態では、円筒形のニッケル亜鉛電池について説明したが、この円筒形電池に限定されるわけではなく、このほか扁平形など他の形状のニッケル亜鉛電池にもこの発明を適用できる。
また、上述の実施の形態においては、軽負荷放電の条件で測定した場合も、上述と同様な粒度分布特定による効果が考えられる。
1,1A・・・アルカリ亜鉛電池、2・・・電池缶、3,3A・・・正極合剤、4・・・セパレータ、5・・・負極合剤、6・・・集電ピン、7・・・負極端子部材、8・・・負極端子板、9・・・ガスケット、10・・・安全弁。

Claims (2)

  1. ベータ型オキシ水酸化ニッケルを正極活物質とする正極合剤と、
    亜鉛を主な負極活物質とする負極合剤と、
    電解液としてのアルカリ性水溶液とを備え、
    上記ベータ型オキシ水酸化ニッケルは、水酸化ニッケルを化学酸化することにより得られたものであって、
    上記ベータ型オキシ水酸化ニッケル粒子の平均粒子径は5〜50μmの範囲にあり、
    上記正極合剤は、
    上記ベータ型オキシ水酸化ニッケルを正極活物質として含有した材料が加圧成形されてなる、アルカリ亜鉛電池。
  2. 上記ベータ型オキシ水酸化ニッケルは、粒子の形状が球状である、請求項1に記載のアルカリ亜鉛電池。
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